特許第6061152号(P6061152)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社シナプスの特許一覧

<>
  • 特許6061152-頭髪乾燥用タオル 図000002
  • 特許6061152-頭髪乾燥用タオル 図000003
  • 特許6061152-頭髪乾燥用タオル 図000004
  • 特許6061152-頭髪乾燥用タオル 図000005
  • 特許6061152-頭髪乾燥用タオル 図000006
  • 特許6061152-頭髪乾燥用タオル 図000007
  • 特許6061152-頭髪乾燥用タオル 図000008
  • 特許6061152-頭髪乾燥用タオル 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061152
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】頭髪乾燥用タオル
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/02 20060101AFI20170106BHJP
   A45D 8/40 20060101ALN20170106BHJP
【FI】
   A47K10/02 Z
   !A45D8/40 504A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-121172(P2014-121172)
(22)【出願日】2014年6月12日
(65)【公開番号】特開2016-117(P2016-117A)
(43)【公開日】2016年1月7日
【審査請求日】2014年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】511294305
【氏名又は名称】株式会社シナプス
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】各務 広子
(72)【発明者】
【氏名】杁山 恭弘
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−039462(JP,A)
【文献】 特開2010−119816(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0056467(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3071874(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3073533(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3037062(JP,U)
【文献】 米国特許第05490528(US,A)
【文献】 米国特許第05727575(US,A)
【文献】 米国特許第05465741(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/02
A45D 8/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯長状のタオル本体と、
このタオル本体の短辺側の端部に備えられて当該端部を被装着体の周りに巻き付けるようにして縛ることが可能な縛り紐とを備え、
前記タオル本体における前記縛り紐を装着していない側の端部は、短辺方向に円環状としたゴム紐装着され
前記タオル本体の一方の端部だけが筒状になっていることを特徴とする頭髪乾燥用タオル。
【請求項2】
前記タオル本体の短辺側の端部を折り返して断面を環状とした第一ループ部形成され、前記縛り紐当該第一ループ部に通されていることを特徴とする請求項1に記載の頭髪乾燥用タオル。
【請求項3】
前記縛り紐を前記第一ループ部に通した状態で、短辺側の幅方向のほぼ中央で縫いつけてあることを特徴とする請求項2に記載の頭髪乾燥用タオル。
【請求項4】
前記ゴム紐を取り付ける前記タオル本体の端部を折り返して断面を環状とした第二ループ部形成され、前記ゴム紐当該第二ループ部に通されていることを特徴とする請求項1に記載の頭髪乾燥用タオル。
【請求項5】
前記縛り紐は、前記タオル本体の短辺側の端部に沿って形成した複数の穴を縫うようにして当該端部に取り付けてあることを特徴とする請求項1に記載の頭髪乾燥用タオル。
【請求項6】
前記縛り紐は、前記タオル本体の短辺側の幅方向の両端に一対の縛り紐として形成してあり、同タオル本体の短辺側の端部はゴム部材によって幅方向に伸縮するように形成してあることを特徴とする請求項1に記載の頭髪乾燥用タオル。
【請求項7】
前記縛り紐と前記タオル本体とが一体の布で形成してあることを特徴とする請求項1に記載の頭髪乾燥用タオル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濡れた頭髪を乾燥する際に使用して好適な頭髪乾燥用タオルに関する。
【背景技術】
【0002】
長い頭髪の人のために洗髪後に素早く乾燥することを目的とした各種のタオルが開発されている。
このようなタオルのたぐいとして、特許文献1〜特許文献6が知られている。
【0003】
特許文献1は、伸縮性を有するマジックテープ(登録商標)を利用したタオルターバンで、タオルの長辺の一端にベルトを通し、中央部でタオルとベルトを縫い合わせ一体化させ、他端をマジックテープで留めている。
特許文献2は、シャンプー後のヘアーキャップで、タオル地を筒状に縫製し、開口縁に伸縮性の紐を通して頭にかぶるようにしている。
特許文献3は、湯あがりターバンで、吸水性の布地を用い、髪を下面側から包被する筒状の包被部が形成されている。
【0004】
特許文献4は、頭髪の自然乾燥用補助具で、頭部に巻き付けられるベルト部と、頭髪を抱え込む吸水シートを備え、長い頭髪を乾燥させる構成が記載されている。
特許文献5は、頭髪の水分を吸収する衣類で、水分吸収性素材を筒状にして頭部に巻いて髪を包み込む構成が記載されている。
特許文献6は、頭髪乾燥用キャップで、タオル地から成る一対の側片を袋状に縫合して頭部挿入部と毛先収容部とを形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−141942号公報
【特許文献2】実開平02−090704号公報
【特許文献3】特開平09−098902号公報
【特許文献4】特許2843293号公報
【特許文献5】特開平10−005035号公報
【特許文献6】特開平10−108802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の技術においては、概ねタオルのものを筒状にし、ターバンやキャップのようにかぶるものばかりである。しかし、実際にこのようなターバン状やキャップ状のものを頭にかぶっても、期待するほど水分が取れることはない。
本発明は、単に頭にかぶるだけでは水分を取りきれない現実に鑑みて、より効果的に頭髪を乾燥させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、帯長状のタオル本体と、このタオル本体の短辺側の端部を備えられて当該端部を被装着体の周りに巻き付けるようにして縛ることが可能な縛り紐とを備える構成としてある。
前記構成において、タオル本体は帯長状の形状とされている。長髪の人が洗髪後、髪を頭の後で束ねる。頭髪の下側に沿ってタオル本体を髪の下側に敷く。このとき、縛り紐を付けたタオル本体の短辺側の端部を頭の方向に向け、束ねた髪の根本の周りに下から巻き付け、縛り紐で髪の束を縛る。これにより、タオル本体の短辺側の端部は被装着体の周りに巻き付けられた状態となる。この後、タオル本体で髪の束を包み込む。髪の長さにもよるが、とぐろ状に巻き付けるとよい。
本発明の頭髪乾燥用タオルは、1)髪の束の全体の水分をいかに絞り出すかという点で考察され、2)自然に簡単に一人でできるような形状を追求してある。
このため、帯長状としたタオル本体の短辺側の端部には、被装着体の周りに巻き付けるようにして縛ることが可能な縛り紐とを備え、髪の根元をしっかり縛ることができるようにしてある。髪の量は人それぞれのため、タオルに固定した紐で縛るのが最も効果的である。
根元をしっかり縛った状態なので、帯長状としたタオル本体は、その長手方向と髪の毛が並行した位置関係になり、タオルの上に髪の毛を平らに置いて巻きつけることがとても容易になる。
この結果、タオル本体に巻きつけた髪を更に絞ることが容易となる。髪の束を水分を含んだ塊と考えてみると、効果的に水分を排出するに一番手っ取り早いのは絞ることだからである。
【0008】
本発明の他の態様として、前記タオル本体の短辺側の端部を折り返して断面を環状とした第一ループ部を形成し、前記縛り紐を当該第一ループ部に通す構成としても良い。
前記構成において、前記タオル本体の短辺側の端部を折り返して断面を環状とした第一ループ部を形成する。この第一ループ部に縛り紐を通す。最初に、第一ループ部に通した状態でタオル本体を開いておく。これにより、タオル本体は短辺方向でも十分に広くなる。この状態で髪の束の下側から、この束を包み込むようにタオル本体の短辺方向の両端を上に上げていき、髪の束を包み込む。この状態として縛り紐で第一ループ部の両側から引き出すようにして髪の束を縛り付ける。すると、タオル本体はひだ状になりながら髪の束を周囲からしっかりと押さえ込むように包み込む。
【0009】
本発明の他の態様として、前記縛り紐を前記第一ループ部に通した状態で、短辺側の幅方向のほぼ中央で縫いつけてある構成としても良い。
前記構成において、第一ループ部に通して中央付近で縫いつけてあると、縛り紐が第一ループ部から抜け出てしまうことがなくなる。また、髪の束の周りを縛り紐で縛り付けるときにタオル本体が均等にひだ状になりながら髪の束を周囲から包み込む。
【0010】
本発明の他の態様として、前記タオル本体における前記縛り紐を装着していない側の端部には、円環状としたゴム紐を装着した構成としても良い。
前記構成において、タオル本体の一端は髪の束の根本側に位置し、髪の先端に向かう側にタオル本体の他の端部が位置する。上述したように、タオル本体で髪の束を包み込み、これをとぐろ状に巻き付ける。最後に、タオル本体における縛り紐を装着していない側の端部に装着した円環状としたゴム紐でとぐろの周囲を巻き込むようにして固定する。
【0011】
本発明の他の態様として、前記ゴムひもを取り付ける前記タオル本体の端部を折り返して断面を環状とした第二ループ部を形成し、前記ゴム紐を当該第二ループ部に通す構成としても良い。
前記構成において、髪の束の先端側にも第二ループ部を形成してあり、ゴム紐が通してあるため、とぐろ状とするときの先端側はタオル本体が筒状になっている。ここにゴム紐が通してあるので、とぐろを固定するときに巻き付けるなどして固定しやすい。
【0012】
第一ループ部を設けて通すと、タオルの端部を均等に縮めて髪の束を包み込める。しかし、第一ループ部を設ける方法以外にも均等に縮めて包み込むことができる。
本発明の他の態様として、前記縛り紐は、前記タオル本体の短辺側の端部に沿って形成した複数の穴を縫うようにして当該端部に取り付けた構成としても良い。
前記タオル本体の短辺側の端部に沿って複数の穴を形成しておき、縛り紐で縫うようにして複数の穴を交互に通す。このようにした状態でタオル本体で髪の束を包み込み、縛り紐を両端から引っ張ると、タオル本体の端部が均等に絞り込まれていく。むろん、均等というのは絞り込まれる態様を表現しているだけで、必ずしもに均等である必要はない。しかし、単に外側から巻き込むよりはきれいに絞り込めることが期待できる。
【0013】
本発明の他の態様として、前記縛り紐は、前記タオル本体の短辺側の幅方向の両端に一対の紐状部を形成してあり、同タオル本体の短辺側の端部はゴム部材によって幅方向に伸縮するように形成してある構成としても良い。
前記構成において、前記縛り紐は前記タオル本体の短辺側の幅方向の両端に一対の縛り紐として形成しておく。一方、同タオル本体の短辺側の端部はゴム部材によって幅方向に伸縮するように形成しておく。一対の縛り紐を両側に引っ張ると、タオル本体の短辺側の端部は開く。この状態で髪の束の下にあて、紐状部を髪の束の両側から上に引き上げ、最後に、髪の束の上で縛り紐で縛る。
【0014】
本発明の他の態様として、前記縛り紐と前記タオル本体とが一体の布で形成した構成としても良い。
前記構成において、タオル本体の短辺側の端部においてタオル本体の一部を切り欠くなどして一体の布で縛り紐を形成する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の頭髪乾燥用タオルは、髪を束状にして周囲に巻き付けるようにしているので、髪の束から水分を絞り出しつつこれを吸収することにより、素早く水分を取り除き、効率よく乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態にかかる頭髪乾燥用タオルの作成過程を示す図である。
図2】頭髪乾燥用タオルで髪を乾燥させる過程を示す図である。
図3】頭髪乾燥用タオルで髪を乾燥させる過程を示す図である。
図4】頭髪乾燥用タオルで髪を乾燥させる過程を示す図である。
図5】頭髪乾燥用タオルで髪を乾燥させる過程を示す図である。
図6】変形例にかかる頭髪乾燥用タオルの作成過程を示す図である。
図7】変形例にかかる頭髪乾燥用タオルの作成過程を示す図である。
図8】変形例にかかる頭髪乾燥用タオルの作成過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる頭髪乾燥用タオルの作成過程を示す図である。
まず、図1(a)に示すように、帯長状のタオル本体10を用意する。このとき、短辺側の端部と、長辺側の端部が存在する。タオル本体10の素材は特に限定されない。しかし、吸水性の高いものが好ましい。
【0018】
次に、同図(b)に示すように、短辺側の端部を後述する紐を通せる程度に折り返して断面を環状とした第一ループ部11と第二ループ部12とを形成するように縫製する。図面上では、左側の環状とした部位を第一ループ部11と呼び、右側の環状とした部位を第二ループ部12と呼ぶ。
次に、同図(c)に示すように、第一ループ部11には縛り紐21を通し、第二ループ部12にはゴム紐31を通す。なお、縛り紐21の長さはタオル本体10の短辺の長さの約2倍程度としてあり、ゴム紐31の長さはタオル本体10の短辺の長さよりやや長い程度である。縛り紐21とゴム紐31の長さはこれに限定されるものではなく、一例に過ぎない。縛り紐21はゴムのような弾性のあるものではなく、伸び縮みせずに結束に適したものが好ましい。また、髪を束ねて縛るので、断面が丸状のものよりも、平板状の紐が使いやすい。むろん、多少の伸縮が可能であっても可能であるし、断面が丸状であっても利用可能である。伸縮するか否かは、使用者の好みにもよるところであり、濡れた髪の束を縛って水分を押し出すという意味では伸縮しない縛り紐が好ましいし、ふんわり包み込むものを好む場合はやや伸縮する縛り紐が好ましい。
【0019】
同図(d)は、縛り紐21とゴム紐31とを第一ループ部11と第二ループ部12に通した状態を示している。
次に、同図(e)に示すように、縛り紐21の側では、この縛り紐21を第一ループ部11に通した状態で、短辺側の幅方向のほぼ中央で縫いつける。縫いつけることで縛り紐21が抜けてしまうことを防止でき、ほぼ中央とすることで縛ったときにできるだけ均等に幅方向に縮められるようにすることができる。
【0020】
また、同図(f)に示すように、ゴム紐31の側は特に伸ばしていない状態では第二ループ部12の長さとほぼ同じであり、やや長めとした部分が縛り代となる。横方向から見ると、第二ループ部12の側は短辺方向にほぼ半分に折り重ね、かつ、タオル本体10の端部だけが筒状になっている。ゴム紐31の両端を縛って円環状とすることにより、最後にまとめるときに縛り付けられる。
次に、前記構成からなる本実施例の頭髪乾燥用タオルの使用方法を図2図5を参照して説明する。
【0021】
図2(a)と図2(b)に示すように、洗髪後、濡れた髪を頭の後で一つの束にし、タオル本体10をこの髪束Hの下にあてがう。なお、この髪束Hが被装着体となる。このとき、縛り紐21が付けられている第一ループ部11の側を髪束Hの根本の方にあてがい、ゴム紐31が付けられている第二ループ部12の側を髪束Hの毛先の側にあてがう。このとき第二ループ部12の側は端部がゴム紐31で環状にされているので、髪束Hは自ずからタオル本体10に挟み込まれるような状態となる。一方、第一ループ部11の側はできるだけ横方向(水平方向)に広げる。髪束Hを下から包み込むようにするためにはできるだけ広げておくと良い。
【0022】
次に、図3(a)と図3(b)に示すように、第一ループ部11の側で縛り紐21の両方の端を上に引き上げる。すなわち、開いたタオル本体10で髪束Hを下からすくい上げるように引き上げ、髪束Hの周囲を包み込む。また、タオル本体10が半分に折りたたんだ状態となるので、髪束H全体がこの折りたたんだ内側に入るように整える。
次に、図4に示すように縛り紐21を髪束Hの根本の上で交差させて縛る。タオル本体10の幅は一般の髪束Hの周囲長よりは長いと考えられるので、縛り紐21の両端を引っ張りながら髪束Hの上で交差して縛ると、タオル本体10の端部は絞り込まれるように縮み、髪束Hの周囲をしっかりと縛り付けることができる。
【0023】
その後、図5(a)と図5(b)に示すように、髪束Hの周囲に巻き付けたタオル本体10がとぐろ状となるように後頭部のあたりでお団子状に巻き込む。最後に、第二ループ部12を通してあるゴム紐31を引っぱり出すなどしてお団子をまとめる。
タオル本体10における第二ループ部12を形成した側のまとめ方は各種の方法が考えられる。特に、ゴム紐31を通していることで、まとめる作業がとても簡単になるものの、必須とまでは言えない。単にとぐろ状にした上から輪ゴムで縛り付けることも可能ではある。また、クリップでまとめてもよい。
ここで、何故、従来の速乾タオルと呼ばれるものが実際はあまり効果なく、本発明の頭髪乾燥用タオルが速乾する理由は、
<1>従来のタオルは髪の束の表面の水分を吸い取ることしかできなかったこと、
<2>本発明の頭髪乾燥用タオルは髪の束の全体の水分をいかに搾り出すかという観点から工夫されていることにある。
一般に、髪の長い人が何故髪の乾燥に時間がかかるかというと、髪の1本1本についた水滴、水分が密度の高い状態で絡みあうことから、水分がなかなか取れないためである。その結果として、長い間、ドライヤーで乾かすことになる。
従来の速乾タオルはほぼ全て髪の束の表面の水分を吸い取ることしかできない。そのため、タオルの生地の改良に終始し、水分の吸い取りのいいものを使うようになっている。しかし、これでは束の中の水分は取れないため、ドライヤーで乾燥させる時間を短縮させることはできなかった。
本発明の頭髪乾燥用タオルは、1)髪の束の全体の水分をいかに絞り出すかという点で考察され、2)自然に簡単に一人でできるような形状を追求した。
このため、まず髪の根元をしっかり縛ることができるようにしてある。髪の量は人それぞれのため、タオルに固定した紐で縛るのが最も効果的であった。例えば、マジックテープではしっかり結ぶことはできない。紐で結ぶのはとてもシンプルで合理的となる。
そして、根元をしっかり縛った状態なので、タオルと髪の毛が並行した位置関係になる。そのため、タオルの上に髪の毛を平らに置くことが簡単にできる。すなわち、巻きつけることがとても容易になる。
平らに巻きつけるということは、タオルの表面に当たる髪の表面積が最大になるということにもつながる。ここが、従来製品のタオルと違うところである。表面積が最大になれば、髪についている水分が乾燥したタオルに移動する量が最大化される。
さらに、仕上げとして、タオルに巻きつけた髪を更に絞るようにして、巻きつけ、お団子の状態にしている。お団子状態を維持するためにタオルの他端にについているゴム紐の輪っかで全体を留める。これで、手ぶらでタオルに髪の毛の水分を吸収させることができる。
この一連の作業は、ちょうど水分を含んだ雑巾を絞る行為にも似ている。髪の束を水分を含んだ塊と考えてみると、効果的に水分を排出するに一番手っ取り早いのは絞ることだからである。
簡単に絞ること。本発明では、この観点において特に優れている。
【0024】
本発明には、上述した実施例の他、各種の変形例も含まれる。
図6は、第一の変形例にかかる頭髪乾燥用タオルの作成過程を示す図である。
先の実施例では、縛り紐21を通すためにタオル本体10の一方の端部を折り返して第一ループ部11を形成していた。しかし、タオル本体10の端部に沿って図6(a)に示すような複数の穴13を形成しておき、図6(b)に示すように、縛り紐21で各穴13を縫うように通すこともできる。
【0025】
このようにすると、髪束Hの根本の周囲を包み込むようにして縛るとことができるし、タオル本体10の端部が余る分だけひだ状になるときも、なるべく均等にひだにさせて髪束Hをうまく全体的に包み込めるようになる。なお、この場合も縛り紐21は中央付近で縫いつけることが好ましい。また、縫いつけることなく中央付近の穴13に縛り紐を結びつけるような状態とすることも可能である。そして、両端を順次外側の穴13に通していくことで、中央では固定され、両端は自由になる。
【0026】
図7は、第二の変形例にかかる頭髪乾燥用タオルの作成過程を示す図である。
この変形例は、図7(a)に示すように、タオル本体10の一方の短辺に幅広のゴム紐14を縫いつけ、端部が通常時に収縮するようにし、かつ、両端に縛り紐22,22をそれぞれ縫いつけてある。使用するときには、図7(b)に示すように、縛り紐22,22を外側に引っ張ることでゴム紐14を引っ張り、タオル本体10を幅方向に広げた状態で髪束Hの下から上に向けて髪束Hを包み込み、髪束Hの上で縛り紐22,22を交差させて縛り上げる。ゴム紐14で包み込むため、ゆるめの仕上げとなる。
【0027】
このように、本実施例では、縛り紐は、タオル本体10の短辺側の幅方向の両端に一対の縛り紐22,22として形成してあり、同タオル本体10の短辺側の端部はゴム部材のゴム紐14によって幅方向に伸縮するように形成してある。そして、一対の縛り紐22をタオル本体10の両側に引っ張るとタオル本体10の短辺側の端部が開くので、この状態で髪束Hの下にあて、縛り紐22,22を髪束の両側から上に引き上げ、最後に、髪束の上で縛り紐22,22で縛る。
【0028】
図8は、変形例にかかる頭髪乾燥用タオルの作成過程を示す図である。
この例は、タオル本体10の端部がほつれないような状態であることを前提として、図8(a)に示すように切れ目を入れる。図8(b)に示すようにして端部を広げると、タオル本体10の端部には一枚の切れの一部を使用した縛り紐23,23が形成される。
この変形例ではタオル本体10の端部を絞り込ませることができない。従って、髪束Hの下にタオル本体10をあてがい、両側から縛り紐23,23を引き上げるところまで同じ作業とするが、髪束Hの上で交差して縛るだけでは髪束Hを十分に縛り付けられない。このため、縛り紐23,23で髪束Hの根本の周りを周回させた上で縛り付ける。
このように、本実施例では、縛り紐23,23とタオル本体10とが一体の布で形成してある。
【0029】
なお、本発明は前記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・前記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって前記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が前記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0030】
10…タオル本体
11…第一ループ部
12…第二ループ部
13…穴
14…ゴム紐
21〜23…縛り紐
31…ゴム紐
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8