特許第6061155号(P6061155)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061155
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04J 11/00 20060101AFI20170106BHJP
   H04L 1/00 20060101ALI20170106BHJP
   H04L 1/08 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   H04J11/00 Z
   H04L1/00 B
   H04L1/08
【請求項の数】17
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-535205(P2014-535205)
(86)(22)【出願日】2012年10月10日
(65)【公表番号】特表2014-532370(P2014-532370A)
(43)【公表日】2014年12月4日
(86)【国際出願番号】IB2012055475
(87)【国際公開番号】WO2013054266
(87)【国際公開日】20130418
【審査請求日】2015年10月13日
(31)【優先権主張番号】TO2011A000906
(32)【優先日】2011年10月11日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】514022291
【氏名又は名称】シーエスピー − イノヴァツィオン ネル アイシーティー スカール
(73)【特許権者】
【識別番号】511022203
【氏名又は名称】シズベル テクノロジー エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ボッリ、ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】クレスピ、フロリアナ
(72)【発明者】
【氏名】ペロッティ、アルベルト
【審査官】 岡 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−514397(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/111787(WO,A2)
【文献】 特表2004−512728(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/044536(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0027695(US,A1)
【文献】 特許第3144487(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 11/00
H04L 1/00
H04L 1/08
H04L 27/00
IEEE Xplore
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変バンドの変調済信号を生成する方法であって、前記変調済信号の変調デジタル信号は少なくとも1つの成分を含み、前記可変バンドについてのデジタル情報は、前記少なくとも1つの成分または前記変調デジタル信号に反復してまたは周期的にスーパーインポーズされ、
前記変調デジタル信号は、前記変調済信号において利用可能なサブキャリアの数に対応する複数の成分を含むベクトルであり、
前記デジタル情報は、ベクトル和を求めることによって前記変調デジタル信号に追加される
方法。
【請求項2】
可変バンドのOFDM信号を生成し、前記OFDM信号の前記変調デジタル信号は伝送されるユーザメッセージに関する第1の複数の成分と、伝送されるシグナリングに関する第2の複数の成分と、伝送されるパイロットキャリアに関する第3の複数の成分とを含み、前記第1、第2、および第3の複数の成分は前記変調デジタル信号の第4の複数の成分を形成するように関連付けられ、前記可変バンドについての情報は、前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの少なくとも1つに反復してまたは周期的にスーパーインポーズされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可変バンドについての前記情報は、前記可変バンドの幅または前記可変バンドの少なくとも1つのサブバンドの幅に対応する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記可変バンドについての前記情報は、前記可変バンドの位置または前記可変バンドの少なくとも1つのサブバンドの位置に対応する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記可変バンドについての前記情報は前記可変バンドを構成するサブバンドの数に対応する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
可変バンドの変調済信号を生成する方法であって、前記変調済信号の変調デジタル信号は少なくとも1つの成分を含み、前記可変バンドについてのデジタル情報は、前記少なくとも1つの成分または前記変調デジタル信号に反復してまたは周期的にスーパーインポーズされ、
可変バンドのOFDM信号を生成し、前記OFDM信号の前記変調デジタル信号は伝送されるユーザメッセージに関する第1の複数の成分と、伝送されるシグナリングに関する第2の複数の成分と、伝送されるパイロットキャリアに関する第3の複数の成分とを含み、前記第1、第2、および第3の複数の成分は前記変調デジタル信号の第4の複数の成分を形成するように関連付けられ、前記可変バンドについての情報は、前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの少なくとも1つに反復してまたは周期的にスーパーインポーズされ、
前記可変バンドについての前記情報は符号化され、複数の情報成分を形成し、前記複数の情報成分は前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの1つの成分にそれぞれ追加される方法。
【請求項7】
前記複数の情報成分の数は前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの前記1つの成分の数以下である、請求項2、または請求項2に従属する請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記可変バンドについての前記情報は伝送されるユーザメッセージに関する前記第1の複数の成分にスーパーインポーズされる、
前記可変バンドについての前記情報は伝送されるシグナリングに関する前記第2の複数の成分にスーパーインポーズされる、
前記可変バンドについての前記情報は伝送されるパイロットキャリアに関する前記第3の複数の成分にスーパーインポーズされる、または
前記可変バンドについての前記情報は前記変調デジタル信号の前記第4の複数の成分にスーパーインポーズされる、
請求項2、または請求項2に従属する請求項3〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
可変バンドのOFDM信号を生成するシステムであって、前記OFDM信号の変調信号は伝送されるユーザメッセージに関する第1の複数の成分と、伝送されるシグナリングに関する第2の複数の成分と、伝送されるパイロットキャリアに関する第3の複数の成分とを含み、前記可変バンドについての情報を受信する入力部を有し、前記システムは、
前記第1、第2、および第3の複数の成分を関連付けて、前記変調信号の第4の複数の成分を形成する手段と、
入力部で前記変調信号の前記第4の複数の成分を受信し、前記可変バンドのOFDM信号を出力するOFDM変調器とを備え、
前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの1つに、前記可変バンドについての前記情報を反復してまたは周期的にスーパーインポーズする手段を含み
前記変調信号は、変調済信号において利用可能なサブキャリアの数に対応する複数の成分を含むベクトルであり、
前記情報は、ベクトル和を求めることによって前記変調信号に追加される
システム。
【請求項10】
請求項3〜8のいずれか一項に記載の方法の機能を実装する手段を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
受信後に変調済信号を処理する方法であって、前記変調済信号の変調デジタル信号は少なくとも1つの成分を含み、前記方法は、
前記少なくとも1つの成分または前記変調デジタル信号にスーパーインポーズされたデジタル情報を前記変調済信号から抽出する段階と、
抽出された前記デジタル情報を用いて前記変調済信号のバンドを決定し、前記変調済信号の復調および復号化を完了する段階と
を備え、
前記抽出する段階における前記変調デジタル信号は、前記変調済信号において利用可能なサブキャリアの数に対応する複数の成分を含むベクトルであり、
前記抽出する段階における前記デジタル情報は、ベクトル和を求めることによって前記変調デジタル信号に追加され、
前記抽出する段階においては、前記ベクトル和からスーパーインポーズされた前記デジタル情報を含むベクトルを減算する
方法。
【請求項12】
受信後にOFDM信号を処理し、前記OFDM信号の前記変調デジタル信号はユーザメッセージに関する第1の複数の成分と、シグナリングに関する第2の複数の成分と、パイロットキャリアに関する第3の複数の成分とを含み、前記第1、第2、および第3の複数の成分は前記変調デジタル信号の第4の複数の成分を形成するように関連付けられ、
前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分の少なくとも1つにスーパーインポーズされた情報を前記OFDM信号から抽出する段階Bと、
抽出された前記情報を用いて前記OFDM信号のバンドを決定し、前記OFDM信号の復調および復号化を完了する段階Cと
を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
パイロットキャリアに関する前記OFDM信号の予め定められた数の成分を受信し、パイロット情報を抽出する段階と、
相関演算によって、抽出された前記パイロット情報がスーパーインポーズされた情報を含むかどうかを判断する段階と、
抽出された前記パイロット情報からスーパーインポーズされた前記情報を抽出する段階と、
抽出された前記情報を復号化する段階と、
復号化された前記情報を用いて前記OFDM信号のバンドを決定し、前記OFDM信号の復調および復号化を完了する段階と
を備え
前記相関演算は、伝送されてOFDMシンボルのキャリアと関連付けられた複数の汎用パイロットシンボルと、異なる複数のパイロットキャリアで当該OFDMシンボルに関して受信した対応するパイロットシンボルとに基づいて決定された、推定チャネル係数間のチャネル相関を計算することにより得られる
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ユーザメッセージに関する前記OFDM信号の予め定められた数の成分を受信し、ユーザメッセージデータを抽出する段階と、
エラー復号演算によって、抽出された前記ユーザメッセージデータがスーパーインポーズされた情報を含むかどうかを判断する段階と、
抽出された前記ユーザメッセージデータからスーパーインポーズされた前記情報を抽出する段階と、
抽出された前記情報を復号化する段階と、
復号化された前記情報を用いて前記OFDM信号の前記バンドを決定し、前記OFDM信号の復調および復号化を完了する段階と
を備える、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記OFDM信号の予め定められた数の、シグナリングおよびシグナリングデータの抽出に関する成分を受信する段階と、
エラー復号演算によって、抽出された前記シグナリングデータがスーパーインポーズされた情報を含むかどうかを判断する段階と、
抽出された前記シグナリングデータからスーパーインポーズされた前記情報を抽出する段階と、
抽出された前記情報を復号化する段階と、
復号化された前記情報を用いて前記OFDM信号の前記バンドを決定し、前記OFDM信号の復調および復号化を完了する段階と
を備える、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
受信後にOFDM信号を処理するシステムであって、前記OFDM信号の変調信号はユーザメッセージに関する第1の複数の成分と、シグナリングに関する第2の複数の成分と、パイロットキャリアに関する第3の複数の成分とを含み、前記第1、第2、および第3の複数の成分は前記変調信号の第4の複数の成分を形成するように関連付けられ、前記変調信号は、前記変調済信号において利用可能なサブキャリアの数に対応する複数の成分を含むベクトルであり、前記システムは、
前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの少なくとも1つにスーパーインポーズされた情報を前記OFDM信号から抽出する手段と、
抽出された前記情報を用いて前記OFDM信号のバンドを決定し、前記OFDM信号の復調および復号化を完了する手段と
を備え
前記抽出する手段において抽出される前記情報は、ベクトル和を求めることによって前記変調信号に追加され、
前記抽出する手段は、前記ベクトル和からスーパーインポーズされた前記情報を含むベクトルを減算する
システム。
【請求項17】
前記バンドについての前記情報は符号化されており、複数の情報成分を形成し、前記複数の情報成分は前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの1つの成分にそれぞれ追加される
請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変調済信号を生成する方法およびシステム、ならびに受信後に変調済信号を処理する方法およびシステムに関する。
【0002】
具体的には、(通信分野の最新技術に基く)本発明はOFDM信号に応用されると、特に有用であり、この理由ゆえに以下の説明は、専らそのような用途のみに言及するが、しかし、このことは要素を限定するものとみなされるべきではない。
【背景技術】
【0003】
OFDM(直交周波数分割多重)技術は、多年に渡り通信分野では知られており、この技術によれば、情報は、複数の周波数が隣接するチャネルを変調することによって送信機から受信機に転送され(単一の周波数バンドを形成する)、当業者はこれを「サブキャリア」と呼ぶ。
【0004】
近年、隣接しないサブキャリアによってOFDM技術を実装し、互いに多少離れた少なくとも2つのサブバンドを形成することが考えられている。この方法で、2つのサブバンド間の周波数は他の通信に使用することができ、そのような実装形態は、「非連続的OFDM技術」(NC−OFDM)という名称の下でグループ化することができる。
【0005】
大抵の(論理的および実際的)場合に、これらの技術は、1つの固定バンドを使用することによって(OFDM技術の最も従来の実装形態の場合)、または複数の固定バンド(OFDM技術の「非連続的」実装形態において)によって実装される。
【0006】
NC−OFDM技術と異なり、WO特許第2008/089402号は、IEEE802.11規格群に関連し、動的なバンド割当を使用するOFDM技術に基づく解決法を記載する。この解決法によれば、送信機は、受信機がOFDM信号を正確に受信するように、受信機にアプリオリには知られていない可変バンドを含む当該OFDM信号を生成し、伝送中の送信機によるチャネルの利用を合図する追加の磁界は、IEEE802.11プロトコルの物理レイヤープロトコルデータユニット(PPDU)コンテナの物理レイヤーコンバージャンスプロトコル(PLCP)ヘッダーに追加され、48個のサブキャリアが利用可能であれば、サブキャリアのそれぞれについて、使用中かどうかを合図し、その変調スキームに従って変調する。
【発明の概要】
【0007】
そのような解決法は、上述の規格に対する修正を必要とし、下位互換性ではない。つまり、そのような修正が実装されると、PLCPヘッダーを復号化できないため、現在の規格に従って動作するのに好適な受信機はもはや機能しない。従って、この解決法は、そのようなプロトコルを現在実装しているものとは異なる周波数の範囲内で実装するべきである。
【0008】
本発明は「非連続的オンデマンドOFDM(NCOD−OFDM)」と呼ばれ、従来技術の限界を克服するという一般的な目的を有する。
【0009】
この目的および他の目的は、添付の特許請求の範囲に記載される特徴を有する方法およびシステムによって成就され、この方法およびシステムは本明細書の一体部分として意図されている。
【0010】
本発明の根本における考え方は、変調済信号、具体的にはOFDM信号の成分に変調済信号、具体的にはOFDM信号によって占有されたバンドについての情報をスーパーインポーズ(追加するのではない)することである。NC−OFDM信号の場合、そのような情報は、当該信号のバンドを構成する様々なサブバンドを参照する。
【0011】
このようにして、信号によって占有されたバンドは変更することができる。そのような変更は適応型のものであってもよい。すなわち、送信機は、例えば動作条件および/またはユーザ要求の関数としてバンドを変更することができる。受信機はバンドの変更に自動的に適応することができる。通常、そのような変更は比較的緩慢であり、具体的には、OFDM信号のバンドは通信の開始時に決定される。特定の必要事項または要求がない場合には、予め定められた規格値を有するであろう。
【0012】
知られるように、OFDM信号は、ユーザメッセージに関する第1の複数の成分(C)と、シグナリングに関する第2の複数の成分(S)と、パイロットキャリアに関する第3の複数の成分(P)とからなるものとしてみなすことができ、当該第1、第2、および第3の複数の成分(C、S、P)は、変調信号の第4の複数の成分(X)を形成するように関連つけられる。
【0013】
OFDM信号によって占有されたバンドについての情報は、当該第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの少なくとも1つに反復してまたは周期的にスーパーインポーズされる。
【0014】
このように変更されたOFDM信号を標準的受信機(すなわち従来技術による)が受信する場合、スーパーインポーズされた情報は、「障害」または「ノイズ」のように扱い、その後、受信機はノイズが存在しても動作し得るべく適切な処置を取らなければならない。 従って、本発明によるOFDMを標準的受信機が受信するとき、スーパーインポーズされたバンド情報によって引き起こされた過剰な「障害」または「ノイズ」が存在しないことを確実にしなければばらない。
【0015】
そのように変更されたOFDM信号を本発明による受信機が受信するとき、受信機は、スーパーインポーズされた「ノイズ」とスーパーインポーズされた「情報」とを区別することができ、従ってそのような情報を抽出および使用して、OFDM信号のバンドを決定し、その復調および復号化を完了させることができる。
【0016】
一般に、本発明による可変バンドの変調済信号を生成する方法は、当該変調済信号の変調デジタル信号に少なくとも1つの成分を含むことを要求し、当該可変バンドに関するデジタル情報が当該少なくとも1つの成分または当該変調信号に反復してまたは周期的にスーパーインポーズされることを特徴とする。
【0017】
当該バンドは、緩慢にまたは迅速に変更することができる。
【0018】
可変性は、バンド幅および/または位置、ならびに/若しくはセグメント化に関係することがあり、異なるサブバンドで異なる変調を用いることが考えられ得るであろう。
【0019】
具体的には、可変バンドのOFDM信号を生成する方法を用いる場合、当該OFDM信号の変調信号は、伝送するユーザメッセージ(データ形式)に関する第1の複数の成分と、伝送するシグナリング(データ形式)に関する第2の複数の成分と、伝送するパイロットキャリアに関する第3の複数の成分とを含み、当該第1、第2、および第3の複数の成分は、変調信号の第4の複数の成分を形成する等の態様で関連付けられる。当該可変バンドについての情報は、当該第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの少なくとも1つに反復してまたは周期的にスーパーインポーズされる。
【0020】
当該可変バンドについての当該情報は、当該可変バンド、または当該可変バンドの少なくとも1つのサブバンドの幅に対応することができる。
【0021】
当該可変バンドについての当該情報は、当該可変バンド、または当該可変バンドの少なくとも1つのサブバンドの位置に対応することができる。
【0022】
当該可変バンドについての当該情報は、当該可変バンドを構成するいくつかのサブバンドに対応することができる。
【0023】
当該可変バンドについての当該情報は、符号化して複数の情報成分を形成することができる。そのような場合、当該情報成分は、当該第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの1つの成分にそれぞれ追加される。
【0024】
当該情報成分の数は、当該第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの1つの成分の数よりも小さいか、または等しいことがある。
【0025】
有利なことに、当該情報成分は、2のべき乗に等しい数である。
【0026】
有利なことに、当該情報成分は符号化に由来し、符号化によって、当該成分の1つ、2つ、または3つ(すなわち小さい数)のみがある時点でゼロとは異なる。
【0027】
有利なことに、当該情報成分は、当該第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの1つの成分の最大幅に依存する最大幅を有する。
【0028】
有利なことに、当該情報成分はPPM技術によって生成される。
【0029】
当該可変バンドについての当該情報は、伝送するユーザメッセージに関する当該第1の複数の成分にスーパーインポーズすることができる。
【0030】
当該可変バンドについての当該情報は、伝送するシグナリングに関する当該第2の複数の成分にスーパーインポーズすることができる。
【0031】
当該可変バンドについての当該情報は、伝送するパイロットキャリアに関する当該第3の複数の成分にスーパーインポーズすることができる。
【0032】
当該可変バンドについての当該情報は、変調信号の当該第4の複数の成分にスーパーインポーズすることができる。
【0033】
本発明の一態様は上記の方法に密接に関係し、変調済信号を生成するシステムである。
【0034】
一般に、可変バンドのOFDM信号を生成するそのようなシステムは、 変調信号の第4の複数の成分を形成する等の方法で当該第1、第2、および第3の複数の成分を関連付ける手段と、 入力部で変調信号の当該第4の複数の成分を受信して、当該可変バンドのOFDM信号を出力するOFDM変調器とを備える。 また、システムは、当該第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの1つに当該可変バンドについての当該情報を反復してまたは周期的にスーパーインポーズする手段を含むことができる。
【0035】
本発明の一態様は、上記の方法のデュアルであり、変調済信号を受信した後に処理する方法である。
【0036】
一般に、そのような方法は、変調済信号の変調デジタル信号に少なくとも1つの成分を含むことを要求し、 当該変調済デジタル信号から、1つの成分または当該変調信号にスーパーインポーズされたデジタル情報を抽出する段階と、 当該抽出デジタル情報を用いて当該変調済信号の可変バンドを決定し、当該変調済信号の復調および復号化を完了させる段階とを含む。
【0037】
具体的には、OFDM信号(ユーザメッセージに関する第1の複数成分、シグナリングに関する第2の複数の成分、およびパイロットキャリアに関する第3の複数の成分を含み、第4の複数の成分を形成する等の方法で関連付けられる)を処理する方法を使用するとき、本方法は、 B)スーパーインポーズされた情報を当該OFDM信号から、当該第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの少なくとも1つに抽出する段階と、 C)当該抽出情報を用いて当該OFDM信号の可変バンドを決定し、当該OFDM信号の復調および復号化を完了させる段階とを含む。
【0038】
有利なことに、本方法は、当該段階Bの前に、 A)当該OFDM信号が当該第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの少なくとも1つにスーパーインポーズされた情報を含むかどうかを判断する段階を含み得る。
【0039】
段階AおよびBは、単一の処理段階に統合し得ることを指摘しなければならない。
【0040】
当該段階Aは、相関演算またはエラー復号演算によって実行することができる。
【0041】
どの成分がスーパーインポーズされたかに応じて、以下の3つの場合が生じ得る。
【0042】
第1の場合に、方法は、 パイロットキャリアに関連し、パイロット情報を抽出する当該OFDM信号の予め定められた数の成分を受信する段階と、 相関演算によって、当該抽出パイロット情報がスーパーインポーズされた情報を含むかどうかを判断する段階と、 (特に相関演算によって)当該抽出されたパイロット情報からの当該スーパーインポーズされた情報を抽出する段階と、 当該抽出情報を復号化する段階と、 当該復号情報を用いて当該OFDM信号のバンドを決定し、当該OFDM信号の復調および復号化を完了させる段階とを備え得る。
【0043】
第2の場合に、本方法は、 ユーザメッセージに関する当該OFDM信号の予め定められた数の成分を受信して、ユーザメッセージデータを抽出する段階と、 エラー復号演算によって、抽出された当該ユーザメッセージデータがスーパーインポーズされた情報を含むかどうかを判断する段階と、 抽出された当該ユーザメッセージデータから(具体的にはエラー検出および識別演算によって)当該スーパーインポーズされた情報を抽出する段階と、 抽出された当該情報を復号化する段階と、 復号化された当該情報を用いて当該OFDM信号の可変バンドを決定して、当該OFDM信号の復調および復号化を完了させる段階とを備え得る。
【0044】
第3の場合に、本方法は、 シグナリングに関する当該OFDM信号の予め定められた数の成分を受信して、シグナリングデータを抽出する段階と、 エラー復号演算によって、抽出された当該シグナリングデータがスーパーインポーズされた情報を含むかどうか判断する段階と、 当該抽出シグナリングデータから(具体的にはエラー検出および識別演算によって)スーパーインポーズされた当該情報を抽出する段階と、 抽出された当該情報を復号化する段階と、 復号化された当該情報を用いて当該OFDM信号のバンドを決定して、当該OFDM信号の復調および復号化を完了させる段階とを備え得る。
【0045】
本発明の一態様は、上記の方法に密接に関係し、変調済信号を処理するシステムである。一般に、OFDM信号を受信後に処理するそのようなシステムは、 当該OFDM信号から、当該第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの少なくとも1つにスーパーインポーズされた情報(r)を抽出する手段と、 抽出された当該情報を用いて当該OFDM信号のバンドを決定し、当該OFDM信号の復調および復号化を完了させる手段とを含む。
【0046】
本発明の技術的特徴および利点は、添付の図面を参照する以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】物理レイヤーにおける、既知のOFDMシステムの伝送側のブロック図を示す。
図2】物理レイヤーにおける、本発明によるOFDMシステムの伝送側のブロック図を示す。
図3】物理レイヤーにおける、既知のOFDMシステムの受信側のブロック図を示す。
図4】物理レイヤーにおける、本発明によるOFDMシステムの受信側のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本明細書および当該図面は双方とも説明上の、従って非限定的目的のためのものとみなされるものである。 更に、当該図面が概略的で単純化されており、従って本発明を他の種々の実施形態においても実装することができることを考慮すべきである。
【0049】
本発明の目的のために、既知のOFDMシステムは、図1に示すように、物理レイヤーおよび伝送側において概略化されることがある。伝送されるユーザメッセージ、すなわち「アプリケーション情報」(例えばオーディオ信号またはビデオ信号、若しくはオーディオ‐ビデオ信号)は、デジタル形式、すなわちデジタル化サンプル値の系列に変換される。当該系列は、一定長さKのブロックに分割され(それによってベクトルの系列を形成する)、このブロックは図1に参照Bにより示される。ブロックBはエンコーダーCODに入力されて、エンコーダーCODは「チャネル符号化」を行い、従って「チャネル」、すなわち送信機から受信機への経路に沿って導入され得る任意のノイズまたは他の障害からこれらの伝送されるべきデータを保護する。エンコーダーCODは、一定長さNのブロック(またはベクトル)Cの系列を出力する。ユーザメッセージとともに、伝送パラメータ、例えばユーザメッセージの符号化モードを指定する他の情報も伝送され、この情報は「シグナリング」と呼ばれ、本文書においては「一次的シグナリング」と称する。この情報は、ほぼ符号化されて一定長さのブロックに分割され(それによってベクトルの系列を形成する)、このブロックは、図1に参照Sにより示される(図1がブロックSを生成するエンコーダーを示さないことに注意されたい)。「シグナリング」は予め定義されたフォーマットを有し、従って受信機は、いずれの更なる情報も必要とせずに復号化することができる。最後に、ユーザメッセージおよびシグナリングとともに、(予め決定され、送信機および受信機の双方に知られる)バイナリ系列も伝送され、適切に選ぶならば、具体的には、受信機が「チャネル」の特性を決定する(またはより正確には推定する)ことを可能にする。この系列は「パイロット系列」と呼ばれ、一定長さのブロックに分割され(それによってベクトルの系列を形成する)、このブロックは図1に参照Pにより示される。ブロックPを伝送するために、「パイロットキャリア」と呼ばれる特別な周波数が用いられる(「パイロットキャリア」を用いることは、継続的であれ非連続的であれ、当業者に知られている)。ブロックC、S、Pのデータはともにに関連付けられ、図1の参照MUXが示すマルチプレクサーによって集約ブロック(つまりベクトル)Xを形成する。ブロックXは、図1の参照MODが示すOFDM変調器に入力される。MOD変調器は図1の参照xが示すOFDM信号を出力し、1つのアンテナまたは複数のアンテナによって照射される。
【0050】
パラメータKとパラメータNとの間の比率は「符号化レート」と呼ばれ、シンボルRC=K/Nを用いて言及することを指摘しておかなければならない。OFDMシステムにおいて、通常はいくつかの符号化レートを使用し、これは、種々のエラー訂正能力および種々の伝送速度に対応し、システムは、伝送するチャネルの瞬時の状態に基づいて符号化レートを選び、使用することができる。また、送信機は、「一次的シグナリング」を使用して受信機に通信し、受信機の符号化レートはユーザメッセージを符号化する瞬間に使用し、受信機の変調型は伝送の瞬間に使用する。
【0051】
入力部で、変調器MODは、シンボルベクトル「X」の各1つについて(実物または複合の)サンプル「x」の系列を生成する。通常、この生成段階は離散フーリエ変換(IDFT)またはその最適化バージョン、すなわち以下の高速フーリエ変換(IFFT)を計算することによって実行され、
【数1】
式中、x=(x,...,x)は変調器MO出力時のサンプルの汎用系列であり、QはOFDM信号において利用可能なサブキャリアの数であり、X=(X,...,X)は変調器MOに入力された汎用シンボルベクトルである。各シンボルは、データC、S、P、従ってユーザメッセージ「シグナリング」および「パイロット系列」についての(符合化された)情報の一部を転送する。
【0052】
データB(まだ符号化されていない)が本明細書に記載される物理レイヤーから「上方レイヤー」に流れ、通常、そのようなデータは「アプリケーションレイヤー」、すなわち「ユーザアプリケーション」から送られることを想起されたい。
【0053】
通常、チャネル符号化は、接続の質を改善するためにエラー検出および補正技術を使用することを必要とする。チャネル符号化は、受信された系列に存在する任意のエラーを受信側が検出および修正(或いは少なくとも修正することを試みる)することを可能にするために、冗長自由度データを情報ストリームに追加する。
【0054】
パイロット系列は通常、常数であり、予め決定され、送信機および受信機の双方に知られているシンボルベクトルPからなる。受信機がチャネルの物理的パラメータを推定し、同期化動作を容易にすることを可能にするために、パイロット系列は伝送中に入力される。
【0055】
受信機内で、パイロットキャリアから受信されたシンボルは、(予め定められたシンボルであるため、受信機に知られた)それぞれの伝送されたシンボルと比較し、チャネル係数(チャネルを特徴付ける)は、次式によって推定される。
【数2】
【0056】
式中、(数3)
は、伝送されてOFDMパイロットキャリア「k,n」と関連付けられた汎用パイロットシンボルであり、(数4)
は受信されて第n番目のOFDMシンボルの第k番目のキャリアと関連付けられた対応するパイロットシンボルであり、セル(k,n)とも呼ばれる。これは、(数5)
と(数6)
との間の差異は伝搬チャネルだけでなく、ノイズおよび/または他の障害にもよる場合があるので、チャネル係数の推定に過ぎないことを指摘しなければならない。
【0057】
チャネル係数の計算は、パイロットシンボルを転送するOFDM信号のサブキャリアについて、上記の式を用いることによって反復することができる。従来技術によれば、この計算は、パイロットシンボルを転送する全てのOFDM信号のサブキャリアについて、すなわち全てのパイロットサブキャリアについて反復される。
【0058】
OFDM信号の残余のサブキャリアについては、チャネル係数(数7)
は、パイロットサブキャリアで直接に実行された推定に基づいて、補間技術を通常は用いて間接的に推定される。特に、近い周波数および/または近いタイミングで実行された直接的推定に基づくこれらの間接的推定を計算することは有利である。実際には、ある周波数バンドに関するチャネル係数は、時間を経て非常に緩慢に変化し、近接する、または近い周波数バンドに関するチャネル係数とわずかにのみ異なる。
【0059】
以下でより明らかになるように、OFDM信号のパイロット系列が予め決定され、常数であることが好ましく、チャネル係数が時間および周波数において緩慢に変化するという事実は、本発明の好ましい実施形態により、「補助的シグナリング」または「二次的シグナリング」を転送するパイロットキャリアを用いることを可能にする。
【0060】
シグナリングは、シンボルベクトルSからなり、パラメータが伝送に使用した受信機に通信する目的のために、伝送中に入力される。この情報は予め定義されたフォーマットを使用することによって伝送され、従って受信機はいずれの更なる情報を必要とせずに情報を復号化することができる。また、この情報は、大きく低下した伝搬および受信状態でも復号化することができるように符号化することが好ましい。例えば、DVB−T規格において、シグナリング情報(伝送パラメータシグナリング、つまりTPS)は、より容易かつ受信可能となるべく数十のサブキャリアで反復される。また、シグナリング情報は、ベクトルSを生成すべくBCH符号を伴うチャネル符号化によって符号化される。
【0061】
以下でより明らかになるように、「一次的シグナリング」が伝送される冗長自由度は、OFDM信号のこの成分を使用することにより、本発明の一実施形態による「補助的シグナリング」または「二次的シグナリング」を転送することを可能にする。
【0062】
上述のように、ユーザメッセージに関するデータBは、伝送前に、エラー検出および補正技術によって符号化される。換言すれば、冗長自由度データはデータCを生成すべく追加される。
【0063】
以下でより明らかになるように、成分Cの冗長自由度は、OFDM信号のこの成分を使用することにより、本発明の一実施形態による「補助的シグナリング」または「二次的シグナリング」を転送することを可能にする。
【0064】
上記から、成分C、S、Pの集約から生じる成分Xも多くの冗長自由度を含み、成分Xのこの冗長自由度がOFDM信号のこの成分を使用することにより、本発明の一実施形態による「補助的シグナリング」または「二次的シグナリング」を転送することを可能にすることが理解され得る。
【0065】
本発明は、OFDM信号のバンドが予め定義されるではなく、変更可能である(緩慢であれ、または迅速であれ)場合を考慮し、従って受信機にはアプリオリに知られていない。そのような変更可能性は、例えば、バンド幅および/またはサブバンド数に関係することがある。
【0066】
そのような場合に、「補助的シグナリング」または「二次的シグナリング」は、送信機から受信機に、OFDM信号のバンドについての情報を転送することを処理する。
【0067】
これを行うために、本発明は、(補助的シグナリングまたは二次的シグナリングを特定の成分中に追加するのではなく)当該「補助的シグナリング」または「二次的シグナリング」をOFDM信号にスーパーインポーズすることを提案する。転送される情報量および転送速度は、本発明の実際の具体的実装形態に依存する。
【0068】
先に想起されたように、種々の成分、すなわち、ユーザメッセージに関する第1の複数の成分C、シグナリング(「一次的シグナリング」)に関する第2の複数の成分S、パイロットキャリアに関する第3の複数の成分Pは、OFDM信号に関連付けられる。前者3つの集約から生じる第4の複数の成分Xも存在する。
【0069】
本発明は、「補助的シグナリング」または「二次的シグナリング」をこれらの成分のうちの少なくとも1つにスーパーインポーズすることによって実装することができる。通常、当該スーパーインポーズは、これらのうちの1つでのみ行う。スーパーインポーズは、「補助的シグナリング」または「二次的シグナリング」を符号化するベクトルRの系列を予め配置し、ベクトルC、S、P、Xの系列のうちの少なくとも1つを足してベクトル和を求めることによって行う。
【0070】
図2は、スーパーインポーズを「パイロット系列」のベクトルで行う場合を示す。ベクトルRは、ベクトル的にベクトルPに足し、結果として、ベクトルP'、すなわち修正されたベクトルPを得る。その後、ベクトルPを図3のシステムにおいて使用したときに、ベクトルP'を図4のシステムにおいて使用する。結果として、マルチプレクサーMUXの出力部に図1のベクトルXと異なるベクトルX'が生じ、変調器MODの出力部に図1信号xと異なる信号x'が生じる。
【0071】
ベクトルPおよびベクトルRは、概念上同一の長さを有することを指摘しておかねばならない。本発明の具体的な実装形態によれば、ベクトルRのある数の要素(例えば最後の10)が常にゼロであるか、またはベクトルRのある数の要素(例えば第1の10)のみが有意であると選択してもよい。実際には、これは、理論的に利用可能なもの全てではなく、いくつかのパイロットキャリアのみを「補助的シグナリング」または「二次的シグナリング」を伝送ために用いることを意味する。
【0072】
標準的OFDM信号受信機(例えば、本発明を実装しないもの)が図2の信号x'を受信する場合、ベクトルP'を抽出し、その要素を用いてチャネル係数の推定を行う。標準的受信機がいずれの二次的シグナリングも存在しないときに受信するベクトルPと、実際に受信されたものであるベクトルP'との間の差異に対応するエラーベクトルEを定義することができる。当該エラーは、ユーザメッセージおよび「一次的シグナリング」について用いられる様々なサブキャリアに関して、チャネル係数の推定エラーを引き起こす。
【0073】
ベクトルEの成分(事実上、ベクトルRに対応する)は、平均すると小さいはずである。より詳細に以下に説明する1つの選択肢は、ベクトルE(従ってベクトルRの)の1つのみまたは極めて少ない成分がゼロとは異なり小さいということである。そのような場合に、極めて少ないサブキャリアのチャネル係数のみが推定エラーによって影響される。
【0074】
チャネル係数の推定エラーは、ベクトルXの推定エラー、従ってベクトルCの推定エラーも引き起こす。しかし、そのようなエラーが少しである場合(すなわち使用中のチャネル符号の訂正能力より少ない)、チャネル符号化のために受信機はエラーを特定して修正することができる。
【0075】
図2の解決法は、例えば、パルス位置変調(PPM)を介してベクトルRを生成することによって実装することができる。この変調は、ベクトルRの1つのゼロでない要素のみを必要とする。更に、ベクトルRの要素は、例えば、1ビットのみからなってもよい。換言すれば、ベクトルRが64の長さ、すなわち64個の要素を含むとき、64個の異なるシンボル、すなわち6ビットのバイナリワードを符号化することができる。シグナリングが、例えば、1024個の情報ビットを必要とするとき、完全なシグナリングの伝送は、1024/64=16ベクトルRに続く伝送を必要とする。この場合に、ベクトルEは、1つのゼロでない要素(すなわち1ビットであり、その論理値は「1」である)のみを含み、従って標準的受信機は、ベクトルRのスーパーインポーズにも拘わらず問題なく動作することができる可能性が極めて高い。
【0076】
ベクトルRはゼロでない要素に基づくのみならず、ベクトルRがスーパーインポーズされるベクトル要素の幅に関連する要素幅(上記の場合のベクトルP)にも基づいて考慮しなければならないことを指摘しなければならない。
【0077】
他のベクトルC、S、およびXに関する限り、ベクトルRのスーパーインポーズおよび生成は、ベクトルPを参照して先に説明したものと全く類似の方法で行うことができる。
【0078】
全ての場合に、1つの重要な態様は、受信機がベクトルRを任意のノイズおよび/または他の障害と区別し得ることである。以下でより詳細に説明するように、そのような区別をし、従ってベクトルRを推定および抽出する可能性は、成分C、S、P、従ってXが伝送される冗長自由度に大きく依存する。具体的には、成分Pについては、当該可能性は、OFDM信号のパイロット系列が予め定められ、常数であることが好ましく、チャネル係数が時間および周波数において緩慢に変化するという事実にも関係する。具体的には、成分Cおよび成分Sについては、当該可能性は、成分Cおよび成分Sが符号化する動作からそれぞれのデータを派生させ、この動作がエラー検出およびエラー訂正を可能にするように実行されるという事実に関係する(プロジェクトにおいて定義されたいくつかの制限内で)。
【0079】
DVB−T規格の場合に、例えば、数十のサブキャリアは、「一次的シグナリング」、すなわちベクトルSのデータ向けである。従って、小さい数のサブキャリアを変更すると、受信信号の無視できる質の低下を引き起こす。更に「一次的シグナリング」の情報は、いずれのエラーも訂正することを可能にするべくFEC(前方誤り訂正)技術によって符号化される。
【0080】
DVB−T規格の場合をなおも参照すると、例えば、ユーザメッセージのデータ、すなわちベクトルBのデータは、パラメータ(N,K,m)=(255,239,8)を有するリードソロモン符号を短縮することによって得られた1つの外部符号からなる連接符号化スキームを使用することによって、符号化され、ベクトルCのデータを形成する。当該符号は、1/2の比率および7の拘束長を有するバイナリたたみ込み符号を伴うたたみ込みインターリーバーによって連接される。その後、たたみ込みエンコーダーの出力部は穿刺され、種々の量の冗長自由度、従って種々の比率および対応する訂正能力を得る。符号化およびその後の穿刺から生じる世界的比率は、1/2〜7/8の範囲である。換言すれば、ベクトルCのデータは、多くの冗長自由度を含む。
【0081】
ベクトルXのデータの冗長自由度は、集約されたベクトルC、S、およびPの冗長自由度に依存する。
【0082】
上の説明は、ラジオ‐テレビ放送システム(例えばDVB−T)、無線LANシステム(例えば、IEEE802.11規格に準拠する大抵のシステム)、およびセル方式構造(例えばLTEおよびLTE−Advanced)を有する無線データ接続システムを含む、全てのOFDMシステムに適用可能である。
【0083】
同一のOFDM信号構造(一次的シグナリングおよびパイロットシンボルの存在)を特徴とするが、上述のシステムは、若干の態様、すなわちサブキャリアの数、サブキャリア用に採用された変調スキーム、パイロットシンボルの数、位置、および変調、一次的シグナリング向けサブキャリアの数、位置、および変調において異なる。
【0084】
種々の特性を有し、上述のシステムは、パイロットシンボル、シグナリングシンボル、およびデータの変更に幾分敏感である。従って、スーパーインポーズすべきものの具体的選択、および場所、ならびに方法もこれらの態様に依存することがある。例えばIEEE802.11伝送において、若干のパイロットキャリアが存在するのみであり、「補助的シグナリング」のスーパーインポーズに使用するのは困難であり、一方でDVB−T伝送において多くのパイロットキャリアが存在し、「補助的シグナリング」のスーパーインポーズに容易に使用することができる。
【0085】
本明細書に説明されるすべての技術は、物理レイヤーにおいて全体として下位互換性である(すなわち、純粋な伝送技術に関する)。実際には、追加の信号(すなわち「補助的シグナリング」)の「スーパーインポーズ」は標準信号で行うため、標準信号の構造の修正とは異なり、標準的受信機は信号をやはり受信することができる。更に、下げられた信号対ノイズ比率で動作するので(信号対ノイズ比率は、本発明の具体的実装形態に応じて、アプリケーション情報、一次的シグナリング、またはパイロットキャリアを参照するパラメータとして理解されたい)、性能は低下するが、「適切なスーパーインポーズ」を使用するため、標準的受信機は信号を適宜に受信することができる。
【0086】
また、本明細書で説明する全ての技術は、適切に使用するならば、アプリケーションレイヤーにおいて下位互換性になり得る。実際には、例えば、本発明は2Dのビデオ成分に分解された3Dのビデオコンテンツ(3Dのビデオコンテンツの2Dバージョン)および追加のビデオ成分を伝送するために使用することができる。2Dのビデオ成分については、第1の周波数サブバンドを使用して、従来の方法で伝送し(「補助的シグナリング」がそこでスーパーインポーズされた事実を除き)、従って標準的受信機は2Dのビデオ成分を受信して復号化し、ユーザに提示することができる。追加のビデオ成分については、第2のサブバンドを使用する。改良された受信機(すなわち3Dの受信機)は、第1のサブバンドで伝送された信号を受信し、2Dのビデオ成分ならびに「補助的シグナリング」を取り出すことができる。取り出された「補助的シグナリング」に基づいて、改良された受信機は、第2のサブバンド(例えば下側および上側の端部)、ならびに、例えば本明細書で利用される符号化および変調スキームの特性を決定し、その後、追加のビデオ成分を取り出して3Dのビデオコンテンツをユーザに提示することができる。
【0087】
換言すれば、下位互換性をアプリケーションレイヤーにおいても確実にするために、少なくとも2つの別個の部分および別個の周波数サブバンド、すなわち「補助的シグナリング」のスーパーインポーズ以外の第1の標準的部分と、スーパーインポーズされた「補助的シグナリング」を含まない第2の「非標準的」部分とに分解されたものとして変調済信号を扱うことが必要である。また、いくつかの動作条件において、サブバンドは隣接することがある。
【0088】
ここまで、伝送側に関して本発明を説明してきたが、本発明は、受信側も提供する。
【0089】
本発明では、既知のOFDMシステムは、図3に示すように受信側の物理レイヤーで図式化することが可能であり、このダイアグラムは図1に示すものとデュアルである。
【0090】
図3の信号x''は信号xが伝播された「チャネル」のため、伝播中に信号xにスーパーインポーズされた任意のノイズおよび他の障害についての変換を除き、図1の信号xに等しい。
【0091】
図3のベクトルB''、C''、S''、P''、X''はチャネル、ノイズ、および他の障害における伝播による修正を除き、図1のベクトルB、C、S、P、Xにそれぞれ等しい。
【0092】
図3の復調器DEMOD、デマルチプレクサDEMUX、およびデコーダDECODブロックは(逆関数で)図1の変調器MOD、マルチプレクサーMUX、およびエンコーダーCODブロックにそれぞれ対応する。
【0093】
本発明による受信機は、OFDM信号を受信後に処理するために用いる方法については、既知のOFDM信号受信機とは本質的に異なる。当該方法は、 信号自体のバンドに関して、成分C、S、P、Xのうちの少なくとも1つにスーパーインポーズされたOFDM信号から情報(図4の基準値R)を抽出する段階と、その後、 抽出情報(図4の基準値R)を用いてOFDM信号のバンドを決定し、OFDM信号の復調および復号化を完了する段階と、を提供する。
【0094】
当該2つの動作は、本発明による受信機のダイアグラム、より詳細には受信機が受信した信号を処理する区間での一致を発見する。
【0095】
図4のダイアグラムは図3のダイアグラムに対応し、OFDM信号のバンドについての情報がベクトルP、すなわちパイロットキャリアにより転送された「パイロット系列」にスーパーインポーズされる場合、上記の使用を実装するいくつかの修正を含む。
【0096】
図4に示すように、受信信号x''から得られたベクトルP'''は(伝搬チャネル、ノイズ、および他の障害によって引き起こされる修正を除き、図2のベクトルP'に等しい)は、信号x''のバンド情報に対応するベクトルRを抽出するべくブロックREXTによって処理され、その後、ベクトルRはベクトルP'''から減算され、ベクトルP''(伝搬チャネル、ノイズ、および他の障害により引き起こされた修正を除き、図2のベクトルPに等しい)を得る。ベクトルRの系列を復号化することによって得られた信号FBはデマルチプレクサDEMUXおよび/または復調器DEMODに供給され、OFDM信号の復調の完了、すなわちOFDM信号の実際およびフルバンドを考慮してOFDM信号を完全に復調する。
【0097】
図1および図2を参照して上述したように、図3および図4は、OFDM信号のシグナリングに関して成分Sでの復号化ブロック動作を示さないことに留意されたい。
【0098】
「補助的シグナリング」がパイロットキャリアに関して成分Pにスーパーインポーズされる場合に、以下の検討材料があてはまるであろう(図3および図4を参照)。
【0099】
各OFDMシンボルについて、若干のパイロットセルのみをスーパーインポーズにより変更する必要がある。
【0100】
標準的受信機は変更したセルで誤ったチャネル推定を計算する。当該推定エラーは、チャネルデコーダDECODの被復調信号アップストリームにおけるエラーバーストの存在に等しい。当該エラーバーストは、信号対ノイズの比が十分に高い場合に、デコーダにより検出し、また訂正することができる。これは、符号化および伝送段階で、好適なエラー訂正符号(例えばリードソロモン符号等)および/または好適なインターリーバーを使用するときに行うことができる。
【0101】
本発明による受信機は、いくつかのパイロットセルのシンボルが送信機によって変更されたことを理解している。
【0102】
そのような信号を復号化するには、可能な解決法は、隣接するパイロットセルで得られたチャネル推定間の相関性を計算することである。h=(h1,n,...,hP,n)で、n番目のOFDMシンボルで伝送されたパイロットセルにおいて推定されたチャネル係数のベクトルを示すと、ベクトル=(r1,n,...,rP−1,n)は次式を用いて計算される。
【数8】
係数hi,n間の相関性のため、以下の仮説が仮定され、
【数9】
式中、E[.]は「期待値演算」を示す。
【0103】
例えばDVB−T規格を考慮するとき、この仮定は以下の検討材料によって支持される。
【0104】
無線チャネルのコヒーレンシーバンドは下記の通りであり、
【数10】
式中、τmax=max[τ]は伝播遅延の散在であり、DVB−TについてETSI規格で定義されるチャネルモードにおいて5.42x10-6にほぼ等しく、8kのDVB−Tモード(8192OFDMサブキャリア)において、当該バンドは、ほぼ165サブキャリアの間隔に対応する。2つの近いパイロットセル間の周波数距離16のサブキャリア、すなわちコヒーレンシーバンドよりもはるかに小さい間隔であるため、上記の仮説は確証される。
【0105】
ここでP'=P+Rであり、ただしP=(p,...,pk−1,p,pk+1,...,p)であり、P'=(p',...,p'k−1,−p',p'k+1,...,p')の場合を検討する。この場合、R=(0,... ,0,−2p,0,... ,0)である。
【0106】
ベクトルrは、位相がほぼπラジアンである要素rk−1,nおよびrk,nを除き、ほぼ0の成分を特徴とする。
【0107】
このように、ベクトルRにおけるパルス位置を推定し、従って補助的シグナリングシンボルの復調を行うことは可能である。
【0108】
最後に、Rが一度推定されると、元のパイロット系列P=P'−Rを取り出し、従って一次的信号を最適に受信することが可能である。
【0109】
「補助的シグナリング」が「一次的シグナリング」に関して成分Sにスーパーインポーズされるとき、以下の検討材料があてはまる。
【0110】
一次的シグナリングシンボルは、非常に堅固な、すなわち非常に低い信号対ノイズの比(通常、データについて要求される最低の信号対ノイズの比よりもはるかに低い)で動作することができる符号化および変調スキームを用いて伝送される。
【0111】
例えばDVB−T規格において、シグナリングシンボルの同一のブロックは、17のサブキャリア(2kモード)または68個のサブキャリア(8kモード)で反復する。更に、各ブロックは短縮BCH符号(127,113,t=2)を用いて符号化し、短縮BCH符号は14冗長自由度ビットを付加し、最大で1ブロック毎に2つの誤ったビットを含む全てのエラー構成を修正することができる。
【0112】
一次的シグナリングブロックは、1つのDVB−Tフレーム(68個の連続するOFDMシンボルに対応する)に対応する時間の間隔で伝送される。
【0113】
スーパーインポーズから生じる低下を最小化することを目的として、複数のブロックを介して二次的シグナリングシンボルを配分することが可能であり、従って1BCH符号ブロック毎に丁度1ビットを変更する。この方法で、標準的受信機は、シグナリングサブキャリアのうちの1つで受信を行う最も単純な場合でも、変更に対応するエラーを修正することができる。
【0114】
これを行うことにより、17ビットのワード(2kモード)または68ビットのワード(8kモード)が各フレーム内での二次的シグナリングのために利用可能となる。
【0115】
標準的受信機は一次的シグナリングで検出された任意のエラーを修正するのみである。
【0116】
本発明による受信機は、一次的シグナリングブロックを復号化し、スーパーインポーズによって引き起こされたエラーを修正し、このようにして一次的シグナリング情報を推定する。次いで、一次的シグナリングのワードは標準的符号を用いて再符号化され、元の符号ワードと比較される。差異は二次的シグナリングの符号ワードであり、これは漸次に復号化されて、二次的シグナリング情報を得ることができる。
【0117】
ユーザメッセージに関して「補助的シグナリング」を成分Cにスーパーインポーズする場合、以下の検討材料があてはまる。
【0118】
システムは、一次的シグナリングにスーパーインポーズする場合と類似する方法で動作する。チャネルデコーダは、ノイズ、他の障害、またはスーパーインポーズによって誘発された変更により引き起こされたかどうかを問わず、いずれの伝送エラーも(その量が訂正能力よりも小さいとき)修正することができる。
【0119】
標準的受信機は、データ中で検出された任意のエラーを修正するのみである。
【0120】
本発明による受信機は、標準的受信機に類似するチャネル復号化を行う。次いで、標準的復号化により得られた情報系列は、符号化された二次的シグナリングに対応するワード符号を得るように受信したワードから再符号化および減算され、二次的シグナリングは漸次に復号化され、二次的シグナリング情報を得ることができる。
【0121】
ここまで、概ね「補助的シグナリング」および「OFDM信号のバンドについての情報」を参照した。
【0122】
当該情報は、多くの異なる方法で構造化することができる。例えば、OFDM信号が最大で4つのサブバンドに拡張され得ると仮定して、以下のフィールドを提供することがある。 −b1:はい/いいえ(第1のサブバンドの存在または非存在) −freq_inf_b1:b1の下限値 −freq_sup_b1:b1の上限値 −b2:はい/いいえ(第2のサブバンドの存在または非存在) −freq_inf_b2:b2の下限値 −freq_sup_b2:b2の上限値 −b3:はい/いいえ(第3のサブバンドの存在または非存在) −freq_inf_b3:b3の下限値 −freq_sup_b3:b3の上限値 −b4:はい/いいえ(第4のサブバンド存在または非存在) −freq_inf_b4:b4の下限値 −freq_sup_b4:b4の上限値 または他には、例えば以下のフィールドを使用することがある。 −n_b:使用中のサブバンド数を示す数(1〜4) −freq_inf_b1:第1のサブバンドの下限値 −freq_sup_b1:第1のサブバンドの上限値 −freq_inf_b2:第2のサブバンドの下限値 −freq_sup_b2:第2のサブバンドの上限値 −freq_inf_b3:第3のサブバンドの下限値 −freq_sup_b3:第3のサブバンドの上限値 −freq_inf_b4:第4のサブバンドの下限値 −freq_sup_b4:第4のサブバンドの上限値
【0123】
本発明が可変幅を有する1つのバンドのみを使用するOFDMシステムに実装されるとき、補助的シグナリング情報は単純に以下に集約され得る。 −freq_inf_b:OFDM信号のバンドの下限値 −freq_sup_b:OFDM信号のバンドの上限値
【0124】
上述から理解し得るように、本発明の核心は、伝送のモード、およびOFDM信号のバンド、またおそらくはそのサブバンドについての情報の受信からなる。
【0125】
OFDM信号について、どの周波数が利用可能であるかを判断し、および/またはどの周波数をOFDM伝送に実際に割り当てるべきであるかを決定するモードは、本発明の範囲を超える。モードは例えば、チャネルの質、ならびに/もしくはユーザアプリケーションまたはユーザからの要求を考慮してもよい。
【0126】
周波数バンドの利用は、例えば、そのバンドにおける無線周波数信号の電力を測定することによって確証することができる。電力が高い場合には、周波数バンドはすでに使用されている。対照的に、電力が予め定められた閾値よりも低い場合には、周波数バンドは使用されておらず、従って新たなOFDM伝送に使用することができる。
【0127】
周波数または周波数バンドは、例えば、メモリまたはメモリ領域を処理に割り当てるべく電算機においてすでに利用されているものと類似の技術を用いることによって、OFDM信号に割り当てることができる。
なお、本願明細書に記載の実施形態によれば、以下の構成もまた開示される。
[項目1]
可変バンドの変調済信号を生成する方法であって、前記変調済信号の変調デジタル信号は少なくとも1つの成分を含み、前記可変バンドについてのデジタル情報は、前記少なくとも1つの成分または前記変調信号に反復してまたは周期的にスーパーインポーズされることを特徴とする、方法。
[項目2]
可変バンドのOFDM信号を生成し、前記OFDM信号の前記変調信号は伝送されるユーザメッセージに関する第1の複数の成分と、伝送されるシグナリングに関する第2の複数の成分と、伝送されるパイロットキャリアに関する第3の複数の成分とを含み、前記第1、第2、および第3の複数の成分は前記変調信号の第4の複数の成分を形成するように関連付けられ、前記可変バンドについての情報は、前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの少なくとも1つに反復してまたは周期的にスーパーインポーズされることを特徴とする、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記可変バンドについての前記情報は、前記可変バンドの幅または前記可変バンドの少なくとも1つのサブバンドの幅に対応する、項目1または2に記載の方法。
[項目4]
前記可変バンドについての前記情報は、前記可変バンドの位置または前記可変バンドの少なくとも1つのサブバンドの位置に対応する、項目1〜3のいずれか一項に記載の方法。
[項目5]
前記可変バンドについての前記情報は前記可変バンドを構成するサブバンドの数に対応する、項目1〜4のいずれか一項に記載の方法。
[項目6]
前記可変バンドについての前記情報は符号化され、複数の情報成分を形成し、前記複数の情報成分は前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの1つの成分にそれぞれ追加される、項目2、または項目2に従属する項目3〜5のいずれか一項に記載の方法。
[項目7]
前記複数の情報成分の数は前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの前記1つの成分の数以下である、項目6に記載の方法。
[項目8]
前記複数の情報成分の前記数は2のべき乗に等しい、項目6または7に記載の方法。
[項目9]
前記複数の情報成分は前記成分のうちの1つ、2つ、または3つのみがある時点でゼロとは異なる符号化から派生する、項目6〜8のいずれか一項に記載の方法。
[項目10]
前記複数の情報成分は前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの1つの成分の最大幅に依存する最大幅を有する、項目6〜9のいずれか一項に記載の方法。
[項目11]
前記複数の情報成分はPPM技術によって生成される、項目9または10に記載の方法。
[項目12]
前記可変バンドについての前記情報は伝送されるユーザメッセージに関する前記第1の複数の成分にスーパーインポーズされる、項目2、または項目2に従属する項目3〜10のいずれか一項に記載の方法。
[項目13]
前記可変バンドについての前記情報は伝送されるシグナリングに関する前記第2の複数の成分にスーパーインポーズされる、項目2、または項目2に従属する項目3〜10のいずれか一項に記載の方法。
[項目14]
前記可変バンドについての前記情報は伝送されるパイロットキャリアに関する前記第3の複数の成分にスーパーインポーズされる、項目2、または項目2に従属する項目3〜10のいずれか一項に記載の方法。
[項目15]
前記可変バンドについての前記情報は前記変調信号の前記第4の複数の成分にスーパーインポーズされる、項目2、または項目2に従属する項目3〜10のいずれか一項に記載の方法。
[項目16]
可変バンドのOFDM信号を生成するシステムであって、前記OFDM信号の変調信号は伝送されるユーザメッセージに関する第1の複数の成分と、伝送されるシグナリングに関する第2の複数の成分と、伝送されるパイロットキャリアに関する第3の複数の成分とを含み、前記可変バンドについての情報を受信する入力部を有し、前記システムは、
前記第1、第2、および第3の複数の成分を関連付けて、前記変調信号の第4の複数の成分を形成する手段と、
入力部で前記変調信号の前記第4の複数の成分を受信し、前記可変バンドのOFDM信号を出力するOFDM変調器とを備え、
前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの1つに、前記可変バンドについての前記情報を反復してまたは周期的にスーパーインポーズする手段を含むことを特徴とする、システム。
[項目17]
項目3〜15のいずれか一項に記載の方法の機能を実装する手段を含む、項目16に記載のシステム。
[項目18]
受信後に変調済信号を処理する方法であって、前記変調済信号の変調デジタル信号は少なくとも1つの成分を含み、前記方法は、
1つの成分または前記変調信号にスーパーインポーズされたデジタル情報を前記変調デジタル信号から抽出する段階と、
抽出された前記デジタル情報を用いて前記変調済信号のバンドを決定し、前記変調済信号の復調および復号化を完了する段階と
を備える、方法。
[項目19]
受信後にOFDM信号を処理し、前記OFDM信号の前記変調信号はユーザメッセージに関する第1の複数の成分と、シグナリングに関する第2の複数の成分と、パイロットキャリアに関する第3の複数の成分とを含み、前記第1、第2、および第3の複数の成分は前記変調信号の第4の複数の成分を形成するように関連付けられ、
前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分の少なくとも1つにスーパーインポーズされた情報を前記OFDM信号から抽出する段階Bと、
抽出された前記情報を用いて前記OFDM信号のバンドを決定し、前記OFDM信号の復調および復号化を完了する段階Cと
を備える、項目18に記載の方法。
[項目20]
前記段階Bの前に、
前記OFDM信号が前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの少なくとも1つにスーパーインポーズされた情報を含むかどうかを判断する段階Aを備える、項目19に記載の方法。
[項目21]
前記段階Aはエラー相関演算または復号演算によって実行される、項目20に記載の方法。
[項目22]
パイロットキャリアに関する前記OFDM信号の予め定められた数の成分を受信し、パイロット情報を抽出する段階と、
相関演算によって、抽出された前記パイロット情報がスーパーインポーズされた情報を含むかどうかを判断する段階と、
抽出された前記パイロット情報からスーパーインポーズされた前記情報を抽出する段階と、
抽出された前記情報を復号化する段階と、
復号化された前記情報を用いて前記OFDM信号のバンドを決定し、前記OFDM信号の復調および復号化を完了する段階と
を備える、項目19〜21のいずれか一項に記載の方法。
[項目23]
ユーザメッセージに関する前記OFDM信号の予め定められた数の成分を受信し、ユーザメッセージデータを抽出する段階と、
エラー復号演算によって、抽出された前記ユーザメッセージデータがスーパーインポーズされた情報を含むかどうかを判断する段階と、
抽出された前記ユーザメッセージデータからスーパーインポーズされた前記情報を抽出する段階と、
抽出された前記情報を復号化する段階と、
復号化された前記情報を用いて前記OFDM信号の前記バンドを決定し、前記OFDM信号の復調および復号化を完了する段階と
を備える、項目19〜21のいずれか一項に記載の方法。
[項目24]
前記OFDM信号の予め定められた数の、シグナリングおよびシグナリングデータの抽出に関する成分を受信する段階と、
エラー復号演算によって、抽出された前記シグナリングデータがスーパーインポーズされた情報を含むかどうかを判断する段階と、
抽出された前記シグナリングデータからスーパーインポーズされた前記情報を抽出する段階と、
抽出された前記情報を復号化する段階と、
復号化された前記情報を用いて前記OFDM信号の前記バンドを決定し、前記OFDM信号の復調および復号化を完了する段階と
を備える、項目19〜21のいずれか一項に記載の方法。
[項目25]
受信後にOFDM信号を処理するシステムであって、前記OFDM信号の変調信号はユーザメッセージに関する第1の複数の成分と、シグナリングに関する第2の複数の成分と、パイロットキャリアに関する第3の複数の成分とを含み、前記第1、第2、および第3の複数の成分は前記変調信号の第4の複数の成分を形成するように関連付けられ、前記システムは、
前記第1、第2、第3、および第4の複数の成分のうちの少なくとも1つにスーパーインポーズされた情報を前記OFDM信号から抽出する手段と、
抽出された前記情報を用いて前記OFDM信号のバンドを決定し、前記OFDM信号の復調および復号化を完了する手段と
を備えるシステム。
[項目26]
項目20〜24のいずれか一項に記載の方法の機能を実装する手段を含む、項目25に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4