(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061161
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】液圧式押出加工機及び液圧式押出加工機を作動させる方法
(51)【国際特許分類】
B21C 23/00 20060101AFI20170106BHJP
F15B 11/02 20060101ALI20170106BHJP
B30B 1/32 20060101ALI20170106BHJP
B30B 15/20 20060101ALI20170106BHJP
B30B 15/22 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
B21C23/00 B
F15B11/02 V
B30B1/32 F
B30B15/20 Z
B30B15/22 Z
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-510644(P2015-510644)
(86)(22)【出願日】2013年5月10日
(65)【公表番号】特表2015-520028(P2015-520028A)
(43)【公表日】2015年7月16日
(86)【国際出願番号】DE2013000257
(87)【国際公開番号】WO2013167111
(87)【国際公開日】20131114
【審査請求日】2015年1月26日
(31)【優先権主張番号】102012009182.6
(32)【優先日】2012年5月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510320690
【氏名又は名称】エスエムエス グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ポッゲンポール,クラウス
【審査官】
田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−144840(JP,A)
【文献】
特開昭56−59005(JP,A)
【文献】
特開2003−214351(JP,A)
【文献】
特開昭60−250821(JP,A)
【文献】
特開2005−254267(JP,A)
【文献】
特開昭61−171902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21C 23/00
B30B 1/32
B30B 15/20
B30B 15/22
F15B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプレスラムを主アクチュエータ(1)として駆動するメイン油圧管(5)を備え、及び液圧式の制御圧系を備えた液圧式押出加工機(100)であって、前記メイン油圧管(5)及び前記制御圧系が圧力側で互いに接続されており、
前記メイン油圧管(5)と前記制御圧系との間に、前記制御圧系の方向への戻りを防止する逆流防止バルブ、及び/又は、前記メイン油圧管(5)の方向へ比例体積流量を制御する手段が備えられていることを特徴とする、押出加工機。
【請求項2】
前記メイン油圧管(5)が流量調整されること及び/又は前記制御圧系によって圧力調整されることを特徴とする、請求項1に記載の押出加工機。
【請求項3】
前記制御圧系がタンク(12、22、32)と接続されていることを特徴とする、請求項1〜2のうちのいずれか一項に記載の押出加工機。
【請求項4】
前記タンク(32)が接続ライン内で前記メイン油圧管(5)と前記制御圧系との間に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の押出加工機。
【請求項5】
前記逆流防止バルブ又は比例体積流量制御のための前記手段が前記タンクと前記メイン油圧管との間の接続ライン内に配置され、及び前記制御圧系と前記タンク(32)との間に圧力シーケンスバルブ(31)が配置されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の押出加工機。
【請求項6】
少なくとも1つのプレスラムを備えた液圧式押出加工機を作動させる方法(100)であって、該加工機で少なくとも前記プレスラムがメイン油圧管(5)からの液圧油を使用して駆動され及び前記押出加工機(100)を制御するために液圧式の制御圧系による制御圧が使用される押出加工機において、前記制御圧が前記メイン油圧管(5)にも供給され、
前記メイン油圧管(5)と前記制御圧系との間で、逆流防止バルブによって前記制御圧系への逆流を防止する、及び/又は、
前記メイン油圧管(5)と前記制御圧系との間で、前記メイン油圧管(5)の方向へ比例体積流量を制御する、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記メイン油圧管(5)への制御圧の与圧が、比例体積流量制御によって行われることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記メイン油圧管(5)が流量調整され及び/又は前記制御圧が最低圧力に保たれることを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記制御圧によって液圧油がタンク内に貯蔵され(12、22、32)及びここから出て前記メイン油圧管(5)に供給されることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記タンク(32)が、制御圧を下回るまで前記メイン油圧管(5)内に排液されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
液圧油が、最低貯蔵圧以上で初めて、追加で備えられたタンク(32)に貯蔵されることを特徴とする、請求項9又は10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主アクチュエータを駆動する
メイン油圧管として少なくとも1つのプレスラム及び液圧式制御圧系を備えた液圧式押出加工機に関する。同じく本発明は少なくとも1つのプレスラムを備えた液圧式押出加工機を作動させる方法に関し、この加工機では少なくともこのプレスラムが
メイン油圧管からの液圧を使用して駆動され及び押出加工機を制御するために液圧による制御圧力を使用する。
【背景技術】
【0002】
このような押出加工機は従来技術では十分に知られており、この場合押出加工は、好ましくは予熱した重金属製又は軽金属製ブロック(ビレットともよばれる)が、液圧式プレスラムによって金型又はダイスを通して、一般にプロフィールとよばれるストランド状の半完成品として押し出される、成形方法である。
【0003】
このプレス加工機の周知のプレスラム用液圧式駆動装置は、機械によって異なる数のメインポンプからなり、このメインポンプは必要に応じてバルブを介して異なったアクチュエータグループ(例えば液圧式プレスラム用ピストンがその中で動く複数のシリンダー)と接続可能である。
【0004】
アクチュエータグループにより、対応するポンプ回路とアクチュエータ回路を介してそれぞれ1つの軸が他のアクチュエータグループの個々の軸と共に同時に駆動され得る。この場合、一般にポンプをさまざまな
管と相互接続することが可能であり、その際に動作順序と動作速度がポンプ割り当てと付属しているポンプ給送流制御によって定義され制御される。押出加工機は、現時点では約10MNから約150MNまでの幅のある、異なったプレス力に対応するよう構成されている。金型形状又は異形押出材形状及びプレス方法に基づいてそれぞれの機械寸法に応じて異なったプレス力が決められ、それによってプレス圧及び主軸のための異なった処理圧プレス過程の外で決められる。
【0005】
このような理由から、例えばバルブ制御又はポンプ駆動のために、十分に確実に作動するために常に適切な制御圧を使用できるよう、液圧式押出加工機は一般に独立した制御圧系を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この場合、プレスラムの戻り動作中、及び新しいブロック又はビレットの充填中、又はその他の装備作業中には、対応する押出加工機が生産を行わない非生産時間が不可避であると考えられている。したがって本発明の課題は、非生産時間を最小限に短縮することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
解決法として、この種類の液圧式押出加工機、及び液圧式押出加工機を作動させるためのこの種類の方法は、独立請求項に提示された特徴を備えている。
【0008】
この場合、例えば少なくとも1つのプレスラムを主アクチュエータとして駆動する
メイン油圧管と液圧式制御圧系とを備えた液圧式押出加工機によって、非生産時間の短縮が可能である。この押出加工機は、
メイン油圧管と制御圧系が圧力側で互いに
接続されていることを特徴としている。非生産時間の短縮が可能であるのは、特に
メイン油圧管内で大量のオイル流量が必要とされる場合に、制御圧系からの油又は制御油を所与の状況下でも同様に使用できるからである。
【0009】
したがって、少なくとも1つのプレスラムを備えた液圧式押出加工機を作動させる方法によっても、非生産時間が短縮され得る。この方法では少なくともプレスラムが
メイン油圧管からの液圧によって駆動され及び押出加工機の制御のために液圧による制御圧力が使用され、及びこの方法は制御圧が
メイン油圧管にも与圧されることを特徴とする。
【0010】
これは、特により大きくより長いブロック又はビレットをプレス加工可能にすることで押出加工機の総出力を高め、それによって非生産時間を低減させるという基礎知識に特に基づいている。これにより非生産時間が比例的に短縮されるが、この場合依然として制御圧ポンプはプレスサイクルに合わせて、長いフェーズにわたって油漏損失を補整するためだけに使われる。その他の場合には給送流がわずかになってしまうのでポンプが少ししか利用されない。この加工機は、押出加工機の設計によって、より大きな又はより長いブロック又はビレットに対応するよう強化されており、その際最終的にはそれに合わせて制御圧ポンプが運転安全性を確保するためにより小さい寸法にされており、その結果、使用期間全体にわたって必要な制御圧を使用可能であることが非常に限定的にしか確保されない。その上、このような押出加工機の任意の出力増大も、コストの問題から不可能である。
【0011】
例えば一般により小さい圧力で大容積を動かさなければならない戻り行程に制御油を使用することにより、たとえ慎重に見積もっても、又はすでに第一の試行で示したように、非生産時間削減を0.5〜0.8秒以上可能である。従って他の動作順序でも、さらに非生産時間を相当短縮可能であると想定でき、その結果これに関して押出加工機の全体設計で特にその出力特性を大幅に高める必要はなく、そのことによって特にコストに関しても適切な装備の押出加工機は比較的安価である。なぜなら最終的に例えば補足的な接続ライン及び場合によってはバルブ又は油の中間タンクのような比較的安価な追加構成部材の使用が必要になるだけだからである。
【0012】
このようにプレス過程に必要な又は持続するべき駆動力を高めることなく非生産時間を短縮することができ、相応に安価であることが可能である。
【0013】
好ましくは、すでに従来技術で公知のように、
メイン油圧管は流量調整され、その結果押出加工機の作動のために可能な限り短時間で正確な体積流量が確実に作動可能な量で使用可能である。
【0014】
これに追加的に又は別法として、制御圧系が好ましくは圧力を制御され、又は制御圧が好ましくは最低圧力に保たれ、その結果必要な制御圧がいつでも確実に使用できる。最低圧力は、必要な制御圧の好ましくは最小で80%、好ましくは最小で90%であり、これにより確実に制御が可能になる。液圧システムの損傷を確実に防止できるよう、システム全体の圧力がそれ自体周知の方法で最大圧力に制限されていることは明かである。
【0015】
これに関して、
メイン油圧管内の主アクチュエータとして例えばマスターシリンダー、すでに言及されたように、サイドシリンダー、ホルダーシリンダー又はテーブルスライダーが備えられてよい。同様に、例えばスピンドル駆動用の液圧モーター又は類似のものは、したがって
メイン油圧管を介して駆動され得る。
【0016】
この場合、さまざまな主アクチュエータは、好ましくはアクチュエータグループ又はアクチュエータ制御を介して互いに連結されており、その結果それに応じてグループごとに反応が可能である。ここではアクチュエータグループ又はアクチュエータ制御が、個別に又は一緒に、対応するメインポンプから液圧油を供給され得ることが明かであり、そのことは相応して接続されたバルブによって簡単にそれ自体周知の方法で実現され得る。
【0017】
制御圧系を介して(すでに従来技術で公知のように)バルブ制御又は液圧式ポンプだけでなく、比較的小さな体積流量しか必要としない補助アクチュエータも、簡単に駆動され得る。当該補助アクチュエータは、例えばブロックローダー又はビレットローダーあるいはブロックローダーニッパー又はビレットローダーニッパー及びそれに類似したものであってよい。同様に剥がし圧又はそれに類似する力は、制御圧系を介して又は制御圧を介して適切な位置に加えられる。
【0018】
メイン油圧管への制御圧の与圧は、特に比例体積流量制御によって行われてよい。これにより、
メイン油圧管への与圧によって制御圧が急激に降下しないこと又は制御圧系がどのような運転状況でも制御可能の状態に保たれることが特に確保される。好ましくはこれに関して、
メイン油圧管と制御圧系との間に、比例体積流量制御の手段例えば適切なスロットル又は圧力バランサーを、
メイン油圧管の方向に備えていてよい。
【0019】
メイン油圧管から制御圧系への体積流量の許容されない戻りは、
メイン油圧管に向けられた開口方向を備えた少なくとも1つの逆流防止バルブにより阻止される。
【0020】
制御圧により、液圧油は1つ又は複数のタンク内に貯蔵され、この1つのタンクから又は複数タンクから、又は複数のタンクの中の1つから、
メイン油圧管に
供給され得る。これにより、制御圧によって準備可能な油容積を相当な量高めることが可能であり、特に液圧システム全体を適切に設計することで、タンクが制御圧を下回るまで
メイン油圧管内に排液することができ、その結果このタンクを介して相当な量の油容積が
メイン油圧管に供給可能になり、特にわずかな圧力下で行われる戻り行程又は類似の運動プロセスで、非生産時間の短縮に有利になるよう使用できる。
【0021】
好ましくは、液圧油はまず、制御圧の最低制御圧以上でタンク内に、好ましくは独立した別のタンク内に貯蔵され、それにより必要な制御圧の保持が一次的に確保される。
【0022】
したがって具体的な実行においては、制御圧系がタンクと接続されていると有利である。このようにして、特に1つ又は複数の制御圧ポンプが油漏損失を補整するためだけに使用される時間、又は負荷が小さい時間に、タンクに油が充填され得る。この油は制御圧系のためにもリザーブとして使用され得る。しかし制御圧系タンク内に貯蔵された油の少なくとも一部が、相応する運転条件下で
メイン油圧管に使用されると特に有利である。
【0023】
後者を簡単に最小の損失で保証するため、少なくとも1つのタンクが
メイン油圧管と制御圧系との間の接続ラインに配置されていると有利である。
【0024】
特にタンクは、圧力シーケンスバルブ(接続ライン内の制御圧系の方向)と、比例体積流量制御の手段及び/又は逆流防止バルブ(
メイン油圧管の方向)との間に配置されていてよい。圧力シーケンスバルブにより、このような種類のタンクが特定の圧力以上でのみ制御圧系から油を充填されることが保証され得、他方で比例体積流量制御手段によって油がタンクから出て(すでに前述されているように)
メイン油圧管に供給され得、その際逆流防止バルブを介して必要に応じてタンクにも制御圧系にも体積流量の流れに反して
メイン油圧管から貯蔵され得る。
【0025】
利点を適切に追加して実現可能にするために、前述の特徴又は請求項に記載されている解決法を必要に応じて組み合わせ可能であることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明のさらなる利点、目的及び特性は、以下の実施例の記述に基づいて説明され、さらにそれに続く図にも示されている。
【
図2】本発明を説明するために重要な、押出加工機のための第一の液圧システムの模式的断面図である。
【
図3】本発明を説明するために重要な、押出加工機のための第二の液圧システムの模式的断面図である。
【
図4】本発明を説明するために重要な、押出加工機のための第三の液圧システムの模式的断面図である。
【
図5】本発明を説明するために重要な、押出加工機のための第四の液圧システムの模式的断面図である。
【
図6】本発明を説明するために重要な、押出加工機のための第五の液圧システムの模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に示された液圧式押出加工機100は、プレス部110と、5つのメインポンプ2を具備するポンプテーブル120を含んでいる。プレス部110は、マスターシリンダー1.1と複数のサイドシリンダー1.1を含んでおり、これらのシリンダーによって図示していないがそれ自体周知のプレスラムが動かされ得る。プレスラムがブロック又はビレットをダイスを通してプレスし、及びワークピースが液圧式押出加工機100から開口部160を通って送り出される前に、ブロック又はビレット140がプレスのために、図示していないが同じくそれ自体周知のブロックローダーにより液圧作動のブロックホルダー150に載せられる。
【0028】
液圧式押出加工機100は比較的大型の装置であり、液圧制御130によって運転されることは明白である。
【0029】
液圧制御130はさまざまな方法で実行可能であり、
図2〜
図6はそれに応じた実施例であるが、ここでは2つのメインポンプ2が単に例として示されている。後者はメインポンプ2を介して、本実施例ではプレスラム用シリンダー1.1及び1.2、スピンドル駆動用液圧モーター1.3及びホルダー用シリンダー1.4である主アクチュエータ1(他の実施例ではテーブルスライダー又はその他の集合体も含んでいてよい)を駆動し、その際
図2〜
図6ではそれぞれ第一のメインポンプ2.1と第二のメインポンプ2.2が示されており、これらはバルブ3、すなわち第一のバルブ3.1と第二のバルブ3.2を介してそれぞれ液圧によりアクチュエータ制御4によって作動可能である主アクチュエータ1を駆動する。
【0030】
この場合、本実施例はプレスラム用の2つのシリンダー1.1及び1.2がその中にまとめられた第一のアクチュエータ制御4.1を備え、及びその中に液圧モーター1.3とホルダーシリンダー1.4がまとめられた第二のアクチュエータ制御4.2を備えている。
【0031】
アクチュエータ制御4へのグループ化により、グループ化された各種アクチュエータには相応して簡単に同期して液圧油が供給され得る。この場合、各種アクチュエータ1は任意の方法で別のアクチュエータ制御4にまとめられ得ることは明かである。
【0032】
バルブ3を介して2つのメインポンプ2がそれぞれ2つのアクチュエータ制御4を選択的に接続可能であることは明白である。
【0033】
具体的な実施においては、2つのメインポンプ2が同構造のポンプであり、それぞれ対応する200kWモーターによって駆動され、及び給送流制御Q(Quantity)が体積流量を有している。一般に、必要な総出力に応じて複数の同構造のポンプがそれに対応して並列に接続され、その際メインポンプ2の数は必ずしもアクチュエータ制御4の数と対応していなくともよい。別の実施形態では、ポンプ及び対応するモーターは異なった寸法であり、例えば最大1,000kWのポンプ又はモーター、又はそれ以上でよく、その際原則として必要な出力とそれに関連するコストに応じて最適値を見つける必要がある。メインポンプ2、バルブ3及びアクチュエータ制御4の数は、それぞれ具体的な必要条件に適合可能であることは明かである。
【0034】
アクチュエータ制御4へは各
メイン油圧管5がつながっており、この場合必要に応じて複数又は別の
メイン油圧管5が備えられてよいことは明かである。
【0035】
アクチュエータ制御4はそれ自体周知の方法で容器に排液し、この容器から再びメインポンプ2にそれ自体周知の方法で供給され、その際ここでは必要に応じてフィルタリング工程又は類似の工程が備えられてよい。
【0036】
適切な容器から、好ましくは同じ容器から、制御圧系へも制御圧ポンプ11を介して供給され、この制御圧ポンプの制御圧は、制御油を介してバルブ制御のため又は例えば剥がしプロセスのためにも、特に高い始動圧又は引き離し圧、並びに例えばブロックローダー又はブロックローダーニッパーのような体積消費の小さい補助アクチュエータ用にも、供給される。この実施例では、90〜100kWのモーターを備えた90〜100kWの1つ又は複数のポンプが使用され、その制御油制御p(pressure)は圧力に対して行われる。このようにして、どの時点でもバルブが確実に作動するための十分な制御圧が供給され得る。具体的な実施に合わせて制御圧ポンプ11の出力が異なっていてもよく、又は別の制御圧ポンプを備えていてもよいことは明かである。
【0037】
図2に示された実施例では、制御圧系は符号の付いていない接続ラインを介して
メイン油圧管5.2と接続しており、その際この接続ラインが比例体積流量制御手段を備えており、それはスロットル13であり、本実施形態では具体的にハンドスロットル又はプロポーショナルスロットル及び2ウェイ圧力バランサー14を含んでいる。さらに、接続ライン内には逆流防止バルブが備えられており、これが制御圧系方向への戻りを防止する。制御圧ポンプ11の出力を最大限に使用できるよう、さらに液圧タンク12が備えられており、この中に制御圧系の液圧油が中間貯蔵され、必要に応じて取り出し得る。
【0038】
適切な量が主アクチュエータ1に供給されるようにするため、圧送能力が低い時間中も制御圧ポンプ11によって液圧式タンク12内に圧送可能であることは明白である。所与の出力規定値で、メインポンプ2用の5つの200kWモーター及び制御圧ポンプ用の約100kWモーターは、これによってより多くの液圧油給送体積を得られるため、おおよその換算で10分の1ほど出力を増大して供給できる。
【0039】
図2に示された実施例ではスロットル13がハンドスロットル又はプロポーショナルスロットルとして形成されているのに対して、
図3に示された実施例はスロットル13として電動プロポーショナルウェイバルブを備えており、その結果第一の
メイン油圧管5.1も第二の
メイン油圧管5.2もそれに応じて制御圧又は制御圧系からの液圧油の作用を受けることができる。このために対応する接続ラインはそれぞれ1つの逆流防止バルブと接続しており、2つの
メイン油圧管5への2つの接続ラインの間に1つの切換バルブ15が備えられており、この切換バルブはしたがって2ウェイ圧力バランサー14として作用する。
【0040】
この場合、関係する負荷圧が2ウェイ圧力バランサー14用に読み取られるよう、
メイン油圧管5が複数である場合に相応する数の切換バルブ15が備えられていてよいことは明かである。
【0041】
同様に、それぞれ具体的な必要条件に応じて、複数のスロットル13、圧力バランサー、特に2ウェイ圧力バランサー14、及び接続ライン並びに逆流防止バルブを備えていてよい。
【0042】
これに関連して、比例体積流量制御手段として必要に応じて別の装置が、例えばスロットル13と2ウェイ圧力バランサー14が(
図2に従った2つの配置で)備えられてよいことは明かである。
【0043】
制御圧が
メイン油圧管5に供給され得るという観点から、
図4に従った配置と
図2に従った配置とは一致しており、その結果ここでも制御圧は第二の
メイン油圧管5.2にのみ供給可能であり、その際しかし2つの実施形態において第二のバルブ3.2を介して液圧油が第二のメインポンプ2.2から第一の
メイン油圧管5.1にも供給可能であり、その結果これに対応して2つのメインポンプ2が第一のアクチュエータ制御4.1のために使用可能であり、他方で制御圧又は制御圧系から来る液圧油が同時に第二のアクチュエータ制御4.2に供給される。
【0044】
図2に従った実施例とは異なり、2つの制御圧ポンプ11及び21が備えられており、制御圧ポンプ11が高圧(HD)に、及び制御圧ポンプ21が低圧(ND)に合わせて調整される。ここでは高圧の制御圧系は例えばバルブを閉じたり、場合により始動圧又は引き離し圧として作用し、低制御圧は補機の走行圧又は調整ストロークの大きいバルブのために用意され得る。
【0045】
2つの制御圧
管は、それぞれ液圧式タンク12、22を有し、及びそれぞれ比例体積流量制御(この実施例ではそれぞれスロットル13、23、特にハンドスロットル又はプロポーショナルスロットルから構成されている)を介して、及びそれぞれ1つの2ウェイ圧力バランサー14、24並びにそれぞれ1つの逆流防止バルブが第二の
メイン油圧管5.2と接続されており、その際必要に応じて第一の
メイン油圧管5.1との接続又は2つの
メイン油圧管5との接続が(例えば
図3に従った配置により)企図されてよいことは自明である。高い制御圧も低い制御圧も使用可能であることにより、必要に応じて、高い始動圧又は引き離し圧も、わずかしか必要でない走行圧も、実現可能である。これによって特に低圧範囲においてスロットル損失が小さく、この場合すべての実施形態で一般に必要な圧力の高さを、対応する液圧式押出加工機100の設計及び割当ての際に、それぞれ考慮しなければならない。特に具体的にどのプロセス段階で追加の運動又は速度上昇が非生産時間の削減をもたらすか、及びどのようにしてエネルギー面で最も効果的に回路を設計できるかを調査しなければならない。ここからタンク容量を決め、及び必要に応じて選択した制御ポンプの出力を適合させる。
【0046】
図4に示された配置では、制御圧系の低圧範囲は受動的に一緒に接続され、その結果高い始動負荷又は引き離し負荷の場合にまず高圧範囲だけが有効になるが、その後の動作順序においては切換工程はもはや不要となる。
【0047】
制御圧ポンプ11によって又は制御圧によって追加で用意される給送流も直接主アクチュエータ1に接続してよいことは明かであり、これは例として
図5に示されたホルダーシリンダー1.4のための実施例のように接続されている。このことにより、ホルダーシリンダー1.4は対応する
メイン油圧管5.2又は対応する第二のアクチュエータ制御4.2から独立した状態でも移動可能である。したがって
メイン油圧管5の2つの主アクチュエータ1.3及び1.4も簡単に、同時に走行可能である。こうして例えば公知の押出加工機において、戻り行程での走行桁の事前加速が、残りストロークのために走行桁を一緒に送るために、ホルダーが走行用に「全微分」に合わせられる前に、相応に実行され得る。この合わせは速度がほぼ「ゼロ」になったときにはもはや行われず、移動時に、すなわち高速時に行われる。これによって制動工程及び加速工程が最小化されるので、予測される時間短縮は機械タイプに応じて0.5〜0.8秒になる。
【0048】
例として示された、
図6に従った実施例のように、制御圧ポンプ11と
メイン油圧管5との間の接続ライン内では、制御圧ポンプ11から来て、まず圧力シーケンスバルブ31が、次に補助タンク32が備えられてよく、その前に、本実施例ではやはりスロットル13と2ウェイ圧力バランサー14から構成されている比例体積流量制御が続く。このようにして、制御圧が最小制御圧に達してそれが保持されて初めて、タンク32に液圧油が制御圧ポンプ11から供給される。制御圧が非生産時間加速よりも優先される限り、このことによって制御は損なわれない。特にこの実施形態により、使用可能な圧力範囲が下方向に拡張されることで、タンク32の有効容積はタンク12の有効容積と比べて拡大される。なぜならタンク32は制御圧を下回る圧力まで排液され得るからである。これにより、使用タンクの数又はサイズを小さくすることができる。
【0049】
図2〜
図6で説明された異なった実施形態の組み合わせが可能であることは明かである。このことは特に例えば
図4に示された実施例に当てはまる。これは
図3及び/又は
図6に示された実施例に応じて高圧範囲及び/又は低圧範囲で補足又は別法として形成され得る。好ましくは
メイン油圧管5への追加の体積流量の給送は、たとえこれが必要に応じて直接主アクチュエータ1に行われる場合も(
図5に例として示されたように)比例体積流量制御手段として圧力に応じた流量調節バルブを介して行われる。これは一般に例えばプロポーショナルバルブ、プロポーショナルスロットル又は電動プロポーショナルウェイバルブとして実現されているスロットル13、並びに2ウェイ圧力バランサー14を有している。したがって正確なシステム設計では、システム内に実際に存在する制御圧だけでなく、必要かつ場合により可変の走行圧又は主アクチュエータ1の消費圧も、流量調節バルブ又は比例体積流量制御手段の流量に影響しない。これにより、手順及び速度を前もって選択可能に再現でき、それを保つことも可能になる。
【0050】
特に並列回路及び
図2〜
図6で説明された詳細な解決法を多数の組合せることは、具体的なシステム設計に使用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 主アクチュエータ
1.1 プレスラム用メインシリンダー
1.2 プレスラム用サイドシリンダー
1.3 スピンドル駆動用液圧モーター
1.4 ホルダー用シリンダー
2 メインポンプ
2.1 第一のメインポンプ
2.2 第二のメインポンプ
2.3 第三のメインポンプ
2.4 第四のメインポンプ
2.5 第五のメインポンプ
3 バルブ
3.1 第一のバルブ
3.2 第二のバルブ
4 アクチュエータ制御
4.1 第一のアクチュエータ制御
4.2 第二のアクチュエータ制御
5
メイン油圧管
5.1 第一の
メイン油圧管
5.2 第二の
メイン油圧管
11 制御圧ポンプ
12 液圧タンク
13 スロットル
14 2ウェイ圧力バランサー
15 切換バルブ
21 制御圧ポンプ
22 液圧タンク
23 スロットル
24 2ウェイ圧力バランサー
31 圧力シーケンスバルブ
32 補助タンク
100 液圧式押出加工機
110 プレス部
120 ポンプテーブル
130 液圧制御(例として符号付け)
140 ブロック又はビレット
150 ブロックホルダー
160 開口部
p 圧力に制御油制御
Q 体積流量に給送流制御