【実施例】
【0009】
図面を参照しながら本発明に係る練製品成形装置を説明する。本発明の実施に供される成形装置は、外周面に粘性食品原料の成形型1が形成された回転ドラム2の上方にホッパー3が設けられていて、成形型1がホッパー3の直下に位置したときにホッパー3内の回転翼4によって送り出される食品原料が成形型1内に充填され、回転ドラム2が矢印の方向に回転して成形型1に充填された練製品が下方の排出位置に達すると成形型1の底板5がカム機構16によって押し上げられ(
図1における仮想線位置)成形された練製品が押し出される構成である。
【0010】
成形型1から押し出された練製品は、底板5に付着したまま離れないので回転ドラム2の外周面に近接させた線材6上を通過することで剥離され図示しないコンベヤ上に落下して機外に排出される。
【0011】
線材6は、
図2に示されるように、回転ドラム2の外周面に近接して回転ドラム2の幅寸法以上の長さを有した弦を張った状態の弓形枠7に軸支された駆動ローラー8を含む複数のローラー9、9間に掛け回されて矢印方向に循環走行される。
【0012】
弓形枠7は、形状が特定されるものではないが、平板状であって略中央部分に駆動ローラー8が配置される。駆動ローラー8は、本体側から回転ドラム2と同軸方向に突設した出力軸10と同心線上に弓形枠7に回転可能に支架された入力軸11からの動力を直交方向に変換する一組のベベルギヤー伝動機構12を介して駆動されるように構成される。このベベルギヤー伝動機構12はケースに収められ弓形枠7に取り付けられている。
【0013】
出力軸10と入力軸11とは同心線上で突き合わせて配設され、両軸間にはクラッチ13が設けられ、線材6が回転ドラム2の外周面に近接した作用位置(
図1における実線位置)にあるときには、出力軸10から入力軸11に動力が伝達できるように構成される。本例におけるクラッチ13は、両軸端に取り付けられたアーム10a,11aの突起が作用位置において係合して動力が伝達される構成である。
【0014】
弓形枠7は、線材6が掛け回された駆動ローラー8を含む複数のローラー9、9、入力軸11、ベベルギヤー伝動機構12、スクレーパー15などがコンパクトに組み込まれていて、
図1において実線で示されるように、線材6が回転ドラム2の外周面に近接した作用位置と仮想線表示の離れた退避位置とに位置変更可能に本体から回転ドラム2と平行に突設された支持軸17に揺動自在に支持される。
弓型枠7と本体との間には、線材6が回転ドラム2の周面に向けて弾圧されるようにスプリング14が張設される。
図示は省略したが、弓型枠7を作用位置及び退避位置のそれぞれの位置で保持させる保持機構が設けられる。
【0015】
15は、作用位置において矢印方向に走行する線材6に接して表面に付着した滓を拭い取る弓型枠7に取り付けられたスクレーパーである。
【0016】
上述したように構成された練製品成形装置において、成形された練製品を回転ドラム2の成形型1から剥離させる線材6を、線材6を走行させる動力の入力軸11、ベベルギヤー伝動機構12とともに支持させた弓型枠7を作用位置と退避位置とに位置変更可能に本体に支持させたので、点検清掃時及び回転ドラムの交換作業を行う際に、弓型枠7を退避位置に移動させると側面視において回転ドラム2と重なっていた弓型枠7の先端部も線材6とともに回転ドラム2から離れた位置まで移動させられるので支障なく容易に行える。
又、弓型枠7の退避位置へ移動に伴い、線材6を走行させる動力の入力軸11も移動するのでクラッチ13を構成する突起10aと11aとの係合が外れ動力の伝達が断たれるので安全に作業ができる。
【0017】
点検清掃及び回転ドラムの交換作業が終って弓型枠7を作用位置まで復帰させれば、入力軸11も出力軸10の同心線上に戻りクラッチ13を構成するアーム10a、11aの突起が係合して動力が伝達可能な状態となる。