(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の態様について説明する。
図1に本発明の第1実施形態に係る位置決め治具の平面図を示した。基板11の一側端縁11aに略U字型のディスガイド部12が設けられている。そしてこのディスクガイド部12は円形のディスク板の外縁に対応するように略半円形に形成されている。また一側端縁11a(ディスガイド部12)から見て、一側端縁11aと対向する他側端縁11bの側にヘッドガイド部13が誘導加熱装置のヘッドと対応した略半円形に形成されている。さらに、他側端縁11bには取手部14が設けられている。
【0021】
次に第1実施形態に係る位置決め治具の使用方法を説明する。
図2は使用時における平面図であり、
図3はその断面図である。ディスク板4が固定用ビス5によって下地2に固定され、その上に防水シート3が敷設されている。したがって、
図2のようにディスク板4は防水シートにより覆われているので視認することができない。また、
図3のように断面から見ると、防水シートはディスク板4の形状に沿って密着せずに空間62をもって敷設されている。よって、平面から見てディスク板4の外縁41は不明確である。
【0022】
そこで、第1実施形態に係る位置決め治具1を防水シート3の上に配置し、
図3のように防水シート方向101に応力を加え、基板11を弾性変形させることで防水シート3は下地側に押しつけられる。防水シート3とディスク板4により形成された空間であって押しつけられた側の空間61は、押しつけられていない側の空間62と比較して小さくなる。そして、防水シート3はディスク板4の外縁41にも押しつけられることとなるので、
図2のようにその外縁41の形状が平面からみて外縁線71として視認されやすくなる。このようにして、外縁線71によってディスク板4の位置を検知することができる。
【0023】
ここで基板11は弾性変形可能であるので、基板11を防水シート方向101に押しつけながら、外縁線71を確認し、その外縁線71の方向に位置決め治具1を近づける。そしてさらに基板11を防水シート方向101に押しつけ外縁線71がより明確になるようにする。ここで、ディスクガイド部12はディスク板4の形状に対応した略U字型であるので、ディスクガイド部12をディスク板4に合致されるようにすることで、外縁線71がより明確に視認できるようになる。
【0024】
このようにディスクガイド部12は略U字型あるので、開口部をディスク板4に向けてディスク板4の片側から徐々に近づけることができる。さらに、ディスクガイド部12をディスク板4に近づけても、ディスクガイド部12が防水シート3に覆われたディスク板4に緩衝することなく、外縁線71が明確となる位置までディスクガイド部12をディスク板4の外縁41に近づけ合致させることが可能となる。
【0025】
以上のようにしてディスクガイド部12をディスク板4の外縁41に近づけ合致させたのち、
図4のようにヘッドガイド部13に合わせて誘導加熱装置8のヘッド部81を配置する。そして誘導加熱装置8によりディスク板4を加熱し、ディスク板4の上面の接着層(図示なし)と防水シート3の裏面を接合する。
【0026】
ここで、ヘッドガイド部13はディスクガイド部12をディスク板4の外縁41に合致させたときに、誘導加熱装置8のヘッド部81の中心がディスク板4の中心に配置されるように基板11に設けられている。
【0027】
したがって、第1実施形態に係る位置決め治具1を用いて、ディスクガイド部12をディスク板4の外縁41に合致させるようにすることで、ディスク板4の位置が正確に検知される。そして、ヘッドガイド部13に合わせて誘導加熱装置8のヘッド部81を配置することで、誘導加熱装置8のヘッド部81の中心がディスク板4の中心に配置されるために、ディスク板4が充分に加熱され、ディスク板4の片側が異常に加熱されるといった不具合を防止でき、ディスク板4と防水シート3を確実に接合することができる。
【0028】
ここで第1実施形態の基板11はポリカーボネート製で形成されているが、弾性変形可能な部材を用いればよい。また、誘導加熱装置8を載せて使用するので、非導電性であれば位置決め治具1の上に誘導加熱装置を載せたまま発振を行って加熱することができ好ましい。一方、位置決め治具の上に誘導加熱装置8を載せ、位置決め治具を発振前に抜き取ってしまう場合には基板11は導電性の部材であってもよい。
【0029】
非導電性の部材としては、合成樹脂や木、竹等を使用することができるが、耐久性等の面から合成樹脂が好ましい。また合成樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ABS樹脂等が用いられ、適度な弾性と耐久性の面からポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートが好ましく、透明性に優れるとの点からポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートがさらに好ましい。
【0030】
第1実施形態に係る位置決め治具1は基板11を弾性変形させながら防水シート方向101に押しつけてディスク板4の外縁41を示す外縁線71を視認しやすくするものであるから、基板11は適度な弾性を有することが好ましい。
すなわち、基板11を構成する部材の曲げ応力は0.1〜1.0MPaであることが好ましく、0.2〜0.7MPaがより好ましく、0.3〜0.6MPaがさらに好ましい。
【0031】
このように基板11を構成する部材が適度な弾性であれば、基板11を防水シート3に押しつける際に適度な反発をもって押しつけやすくなる。そのため、ディスクガイド部12は防水シート3をディスク板4の外縁41に沿って押し付けやすくなり好ましい。
【0032】
ここで、曲げ応力(σ
f)はJIS K 7171 プラスチック−曲げ特性の求め方に準拠し、試験速度5mm/min、たわみ2mmにおける力をF(N)とした場合に、以下の式で算出される。
曲げ応力(σ
f)=(3×F×L)/(2×b×h
2)
L:支点間距離(mm)
b:試験片の巾(mm)
h:試験片の厚さ(mm)
【0033】
ディスクガイド部12は、基板11の一側端縁11aに設けられている。したがって、基板11と同様の部材を用いることができるが別の部材で構成してもよい。例えば、基板11の一側端縁11aを加工することで略U字型としてもよいし、略U字型の部材を基板11に取り付けることで設けてもよい。
【0034】
またディスクガイド部12は、略U字型であってディスク板4に対応した形状であればよく、ディスクガイド部12の形状例を
図5に示した。(A)のように2本の直線部分を有するディスクガイド部12とすることができ、また(B)、(C)のように3本、4本の直線部分を有するディスクガイド部12とすることができる。図示していないが同様に5本以上の直線部分を有するディスクガイド部12としてもよい。また(D)のように略半円形状の両端部を延長した形状のディスクガイド部12とすることもできる。(E)のように略四半円弧状等の円弧状の形状としてもよい。
【0035】
ディスクガイド部12をこのような形状とすることで、ディスク板4の外縁に合致させることが可能であり、防水シート3の上からディスクガイド部12を押しつけることでディスク板4の位置を簡単に検知することができる。
【0036】
ヘッドガイド部13は基板11と同様の部材を用いることができるが別の部材で構成してもよい。また、ヘッドガイド部13は誘導加熱装置8のヘッド部81を配置する位置を示すものであるから、基板11に線等で描画されていても凸状に設けられていてもよい。凸状に設けることでヘッド部81を配置しやすくなり好ましい。
また、誘導加熱装置8のヘッド部81が
図4のように凸型に設けられていない場合は、誘導加熱装置の底面をヘッド部81として、その底面をヘッドガイド部13に合わせて配置すればよい。
【0037】
ここでヘッドガイド部はヘッド部に対応した形状であればいいので、ヘッド部81が四角であればヘッドガイド部13も四角、六角形ならば六角形、円形なら円形とすることが好ましい。またヘッド部が円形であってもヘッドガイド部13を六角形等にすることもできる。すなわち、ヘッドガイド部13にヘッド部81を合致させることで、誘導加熱装置8を一定の位置に配置することができ、ヘッドガイド部81の中心とディスク板4との中心を合わることができればヘッドガイド部はどのような形状であってもよい。
【0038】
またヘッドガイド部13は基板11の一側端縁11aと対応する他側端縁11bの側すなわち、一側端縁11aから見てディスクガイド部12より外側に設けられている。
【0039】
取手部14は一側端縁11aから見て他側端縁11bの側に設けられていればよく、第1実施形態においては一側端縁11aから見てヘッドガイド部13より外側であって、他側端縁11bに接続して設けられている。
【0040】
そして、取手部14は防水シート側に向けて応力を加えることができるように設けられている。すなわち、第1実施形態に係る位置決め治具1において、取手部14は基板11の他側端縁11bに接続されているので、取手部14を持って、基板11を弾性変形させながら防水シート方向101に向けて簡単に押しつけることができる。
【0041】
このように取手部14は、取手部14に手で応力を加えることで基板11が防水シート方向101に向けて簡単に押しつけることができればいいので、手で持てるような形状であればよい。したがって、取手部14の形状は棒状や板状が好ましく、
図2のように位置決め治具の全長が長くなるように基板から延伸して接続された形状だけでなく、基板11の上面に棒状体や板状体を貼りつけるようにして手の指が掛けられるような形状でもよい。さらには、基板11の上面に指をかけられるような凹部を設けて取手部14を形成してもよい。
【0042】
また、取手部14の長さは手で持てればよいが、取り扱いやすいとの点から5cm〜50cm程度が好ましい。また、立ったままや中腰で作業を行う場合には50cm〜80cm程度の長さが好ましい。
【0043】
第1実施形態において
図6(A)のように取手部14は断面から見て基板11から延伸して接続されている。すなわち基板11の底面15の延長線110と取手部14の延長線111のなす角112は略180°である。
ここで、取手部14は
図6(B)のように基板11に対して上向きに接続されていてもよい。取手部14は
図3のように基板11を弾性変形させながら防水シート方向101に押しつけるものである。したがって取手部14が基板11に対して上向きに接続されていると、基板11を防水シート方向すなわち下向きに押しつけやすくなり作業性が向上し、ディスク板4の位置を検知しやすくなる。
【0044】
基板11の底面15の延長線110と取手部14の延長線111のなす角112は180°より小さく設定することが好ましい。より具体的には、90°〜170°が好ましく、100°〜160°がより好ましく、120°〜150°がさらに好ましい。
【0045】
さらに、
図6(B)のように取手部14が基板11に対して上向きに接続されていてもよいし、
図6(C)のように基板11の他側端縁11bが上向きに形成されそこに取手部14を接続して設けてもよい。
【0046】
また、
図6(D)のように取手部14が折れ曲がった略Z形状であってもよい。この場合には、底面15の延長線110と取手部14の延長線111のなす角112を略180°に設定しても、位置決め治具を使用する際に取手部14は下地1と一定の間隔をあけて基板11に設けることができ、取手部14を持ちやすくなる。さらに、この場合にも基板11を防水シート方向すなわち下向きに押しつけやすくなり作業性が向上し、ディスク板4の位置を検知しやすくなる。
また取手部14は基板1に取り外し可能に設けることができ、これにより位置決め治具1の運搬が容易となる。
【0047】
次に第1実施形態に係る位置決め治具1を用いたシート防水構造について
図4を用いて説明する。
下地2にはディスク板4が固定用ビス5で固定されている。そして、ディスク板4の上には防水シート3が敷設されている。ここで第1実施形態に係る位置決め治具1を防水シート3の上に載せ、基板11を弾性変形させながら防水シート3を押しつけてディスク板4の位置を検知し、位置決め治具1の上に誘導加熱装置8を配置し加熱することで、ディスク板4の上に設けられた接着層を介してディスク板4と防水シート3が接合されたシート防水構造である。
【0048】
また、第1実施形態におけるシート防水構造の平面図を
図12に示したが、防水下地2に複数のディスク板4を固定し、第1実施形態に係る位置決め治具1を用いてそのディスク板4と防水シート3が接合され、シート防水構造を形成している。
【0049】
さらに、第1実施形態に係る位置決め治具1を用いたシート防水構造の施工方法について説明する。
【0050】
図4、
図12に示したように、下地2に複数のディスク板を所定の位置に配置し、インパクトドライバ等を用いて固定用ビス5でディスク板4を下地に止め付ける。
そして、ディスク板4を覆うようにして下地2の上に防水シート3を所定の割り付けにしたがって敷設する。さらに、第1実施形態に係る位置決め治具1を防水シート3の上に載せ、基板11を弾性変形させながら防水シート3を押しつけてディスク板4の位置を検知する。このときに、取手部14を片手で持ち、防水シートの上から基板11を押しつける応力に強弱をつけて基板11を弾性変形させながら防水シート3を押しつけることでディスク4の外縁41を示す外縁線71を確認する。そして、ディスクガイド部12を確認された外縁4に合致されるように近づけて再度、基板11を防水シート3に押しつけ、ディスク板4の位置を検知する。このようなディスク板4の検知作業を繰り返して行い、最終的にはディスク板4の外縁41にディスクガイド12を合致させて、位置決め治具1を防水シート3の上に配置する。
【0051】
この位置決め治具1のヘッドガイド部13に誘導加熱装置8のヘッド部81を合わせて、誘導加熱装置8を防水シート3の上に配置する。これによりヘッド81の中心とディスク板4の中心が合致される。そして、誘導加熱装置8を発振することでディスク板4が加熱され、所定時間経過後、誘導加熱装置8を取り除く。これによって、ディスク板4の上に設けられた接着層を介して防水シート3が接合される。
このような一連の作業を下地に配置した複数のディスク板4に対して行うことで、防水シート3は安定的に下地2に固定される。
【0052】
第1実施形態に係るシート防水構造においては、防水下地2の上に多数のディスク板4を配置し、そのディスク板4の位置を正確に検知することが必要なる。したがって、本実施形態に係る位置決め治具を用いることで、多数のディスク板4と防水シート3を接合する場合でも、簡単にディスク板4の位置を検知できるために、防水シート3とディスク板4を確実に接合することができる。
【0053】
以下、他の実施形態について説明するが、第1実施形態と同じ部材には同じ符号を付し詳細な説明を省略した。
図7に本発明の第2実施形態に係る位置決め治具の平面図を示した。第2実施形態に係る位置決め治具は、第1実施形態と同様に基板11に略U字型のディスクガイド部12、ヘッドガイド部13、取手部14を備え、さらに、基板11とヘッドガイド部13には溝部16が設けられている。
【0054】
第2実施形態において溝部16は、ディスクガイド部12から見て外側に設けられ、基板11とヘッドガイド部13とにわたって、他側端縁11bとほぼ平行に1本の線状として設けられている。
このような溝部16を設けることによって、基板11を防水シート方向101すなわち下向きに押しつけやすくなる。すなわち、溝部16を設けることで基板11を押しつける際に、溝部16付近で曲げやすくなる。さらに、ヘッドガイド部13が基板11の上に凸状に設けられていることで基板11を押しつけ難い場合にも、ヘッドガイド部13に溝部16を設けることで容易に基板11を押しつけることができる。
【0055】
図8に本発明の第3実施形態に係る位置決め治具の平面図を示した。これによると、位置決め治具1は、第1実施形態と同様に基板11に略U字型のディスクガイド部12、ヘッドガイド部13、取手部14を備え、さらに、2本の溝部16が設けられている。そして、基板11は一側端縁11aから見てヘッドガイド部13より外側に余地部分17を有し、他側端縁11bに取手部14が接続されている。溝部16は、基板11の余地部分17に他側端縁11bと略平行に設けられた溝部16aと、基板11とヘッドガイド部13に渡って設けられた1本の溝部16bとで構成されている。
【0056】
ここで、基板11とヘッドガイド部13に渡って連続的に設けられた溝部16bは、ディスクガイド部12の略U字型の最奥部12aに接するように設けられている。これにより基板11を防水シート3に押しつける際にディスクガイド部12は変形し難くディスクガイド部12の外側で容易に変形することができる。
【0057】
これを
図9により説明すると、
図9(A)は第3実施形態に係る位置決め治具1を防水シート3に押しつけながらディスク板4(図示なし)に合致するように配置した際の平面図である。
図9(B)はそのときの側面図である。ここで、ディスクガイド部12はディスク板4に対応した略U字型であるために、ディスクガイド部12をディスク板4の近傍まで接近させることができる。このときに略U字型の最奥部12aに接するように設けられた溝部16bにより、取手部14を持ちながら基板11を防水シート13方向に押しつけると、
図9(B)のように溝部16bで曲がるように変形するためにディスクガイド部12は防水シートに押しつけられた状態となる。さらに、ディスクガイド部12はU字型に形成されているために、ディスク板4を挟み込んだ状態でディスク板4の周囲の防水シート3を押しつけることとなる。そうすると、
図9(A)のようにディスクガイド部12はディスク板4の外縁に沿った形で防水シートを押しつけることで、ディスク板4の外縁線71が明確に視認できるようになる。
【0058】
すなわち、溝部16bで変形することによりディスクガイド12をディスク板4の形状に対応して防水シート3に押しつけやすくなり、ディスクガイド部12がディスク板4の外縁41付近を簡単に押しつけることができる。
【0059】
このように溝部16bは防水シート3にディスクガイド部12をディスク板4の形状に対応して押しつけられるように形成されていればよい。したがって、本実施態様のようにU字部分(ディスクガイド部12)の最奥部12aに接していなくとも、ディスクガイド部12がディスク板4の外周に沿って防水シート3を押しつけられるように、U字部分の最奥部12aよりもさらに他側端縁部に寄った側に近接して設けられていてもよい。
【0060】
このように溝部16は複数本設けることもでき、例えば
図10のように3本の溝部16を設けてもよい。そして、溝部は基板11、ヘッドガイド部13、ディスクガイド部12に設けることができ、これらを組み合わせて設けてもよい。また、
図10における溝部16cのようにヘッドガイド部の略U字型部分に1組の線状の溝部を設けてもよい。
【0061】
溝部16は基板11やヘッドガイド部13を筋状に削ることで設けることができる。また、基板11を2層以上の積層体として、間隔を設けて上側の層を積層することで溝部16を形成してもよい。より具体的には、上側の層は複数に分割して用意され、下側の層の上に分割された上側の層を溝部を設ける部位に間隔を設けて積層することで、溝部16を設けることができる。また、ヘッドガイド部13を複数の部分に分割し、基板11の上に形成する際に、溝部16を設ける部位に間隔を設けて分割されたヘッドガイド部13を接合してもよい。
【0062】
図11に第4実施形態に係る位置決め治具を示した。これによると、位置決め治具1は、第3実施形態と同様に基板11に略U字型のディスクガイド部12、ヘッドガイド部13、取手部14を備えている。さらに基板11には余地部17を有し、2本の溝部16a、16bが設けられている。
【0063】
ここで取手部14は他側端縁11bに対して斜めに接続されている。すなわち取手部14とは他側端縁11bとのなす角130は90°未満に設定されている。本実施形態においては80°に設定されている。ここで、取手部14とは他側端縁11bとのなす角130は90°未満とすることで、片手で防水シート3の上からディスク板4に位置決め治具1を合致させる際に、作業性が向上するために好ましい。
取手部14とは他側端縁11bとのなす角130は、90°〜60°が好ましく、89°〜70°がより好ましく、88°〜75°がさらに好ましい。
【0064】
下地2は特に限定されずコンクリート下地、金属下地、軽量発泡コンクリート(ALC)、鋼材、木質材等が用いられる。また、下地2の上に無機質板、モルタル材層、断熱材等の他の層を積層しても良い。
【0065】
防水シート3は熱可塑性樹脂製防水シートが好ましく使用され、塩化ビニル樹脂系、ポリオレフィン系、アクリル系等を使用することができる。
【0066】
また防水シート3は単層でも良いが、寸法安定性、引張強度に優れるという点からガラスクロス、不織布等の基材層を積層した複層品が好ましい。基材層は最下層に設けても良いが熱可塑性樹脂層の中間に設けても良い。また熱可塑性樹脂層は一層であっても、複数の層であってもよく、それぞれの層の組成を異なるものとしてもよい。
【0067】
ディスク板4は金属製、硬質合成樹脂製、木製等が用いられる。強度や耐久性の点から金属製が好ましい。金属製の固定用ディスクを構成する鋼鈑の材質としては、ステンレス板や、亜鉛・アルミニウム・マグネシウムメッキまたは亜鉛メッキ等の防錆処理が施された鋼板など、多湿状態でも錆びにくい鋼鈑が好適に使用される。厚みとしては、0.6〜1.5mm程度で、形状は正方形または長方形をした矩形状のプレート状や、円形または楕円形状のディスク状、長尺状など任意であり、大きさは1辺または外径が50〜100mm程度に形成することができる。
【0068】
また、ディスク板4の上面には接着層を設けることができる。この接着層は接着剤を塗布することや、熱可塑性樹脂層を積層する等して設けることができる。防水シート3との熱溶着性に優れるとの点から、防水シート3と同質の樹脂を使用することが好ましい。したがって、防水シート3を塩化ビニル樹脂製とした場合には、接着層を塩化ビニル樹脂製とすることが好ましい。また、加熱より溶融するホットメルト接着剤を接着層とすることができる。ホットメルト接着剤としては、ポリエステル系、ポリアミド系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系等が挙げられる。
【0069】
固定用ビス5は、少なくともディスク板4を下地に止め付けられるに足る長さが必要である。材質としては、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼等の鋼材などが使用できる。また、固定用ディスク等の上面から頭部がはみ出ないように、固定用ビスのビス頭の形状は皿、平、なべがよく、ドライバーやレンチで掛ける座面の窪み形状は十字穴、六角穴、四角穴が好ましい。
【0070】
誘導加熱装置8は、発振されることで磁力線を生じ、これにより、ディスク板4にうず電流を生じさせる。このため、ディスク板4はうず電流により発熱し、上面の接着性樹脂が溶けて、防水シート3を接着する。
【実施例】
【0071】
次に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
図12のように塩化ビニル樹脂被覆の外径85mm、厚み4mmの固定ディスク板4(ステンレス鋼板の厚みは0.7mm)を固定用ビス5により点在状態に下地2に多数固定し、その上に2.0mmの塩化ビニル樹脂製の防水シート3を敷設し、下記実施例の位置決め治具を使用して、ヘッド部81が円形で外径130mmの誘導加熱装置8で防水シート3をディスク板4に接合する。
【0072】
<実施例1>
図11に示すように、略半円形の状のディスクガイド部12、ヘッドガイド部13と、2本の溝部16および取手部14を有する形状の位置決め治具を作成した。基板11は厚さ3mmの透明なポリカーボネート板で構成されている。ディスクガイド部12はポリカーボネート板を略半円形に切り欠くことで設けられている。またヘッドガイド部は厚さ10mmの硬質PVCで形成され、黒色に着色され、基板の上に接着されている。そして、溝部16は巾2mm、基板1における深さが2mmとなるように線状に切削することで設けられている。また、ディスクガイド部のU字部分の間隔100は95mmであって、基板11の他側端縁部11bの長さは160mmで形成されている。ヘッドガイド部は直径約135mmの略半円形となっている。そして、取手部14は合成樹脂製の丸棒状であり、直径約30mm、長さ約250mmであって、基板11に対する取付角度130は87°であって、基板の底面と取手部との延長線のなす角112は150°である。ここで、基板11のポリカーボーネート板の曲げ応力(σ
f)は、0.41MPaであった。得られた位置決め治具により、片手で防水シートの上からディスク板4の位置を検知でき、他方の手で誘導加熱装置8をディスクガイドに合わせて配置できた。位置決め治具と誘導加熱装置を持ち替えることなく効率よく、かつ正確に誘導加熱装置の位置決めが可能であり、ディスク板4と防水シート3との接合も安定した接合強度が得られた。
ここでディスク板4の位置を検知する際に、取手部14を持ってディスクガイド部12を防水シート3に押しつけることで、溝部16によって基板が曲がる。そのために、取手部14からの力が充分にディスクガイド部12に伝わり、ディスクガイド部12によって防水シート3を強く押しつけることがで、ディスク板4の外縁線71がより明確に検知でき、位置決め治具をディスク板4に正確に合致することができた。
【0073】
<実施例2>
基板をポリエチレンテレフタレート(PET)板(厚み3mm)とした以外は実施例1と同様にして位置決め治具を作成した。得られた位置決め治具により、片手で防水シートの上からディスク板4の位置を検知でき、他方の手で誘導加熱装置8をディスクガイドに合わせて配置できた。位置決め治具と誘導加熱装置を持ち替えることなく効率よく、かつ正確に誘導加熱装置の位置決めが可能であり、ディスク板4と防水シート3との接合も安定した融着強度が得られた。
また、用いたポリエチレンテレフタレート板の曲げ応力(σ
f)は、0.28MPaであった。そして、取手部14からの力が充分にディスクガイド部12に伝わり、ディスクガイド部12によって防水シート3を強く押しつけることがで、ディスク板4の外縁線71がより明確に検知できた。
【0074】
<実施例3>
基板をポリ塩化ビニル板(厚み3mm)とした以外は実施例1と同様にして位置決め治具を作成した。得られた位置決め治具により、片手で防水シートの上からディスク板4の位置を検知でき、他方の手で誘導加熱装置8をディスクガイドに合わせて配置できた。位置決め治具と誘導加熱装置を持ち替えることなく効率よく、かつ正確に誘導加熱装置の位置決めが可能であり、ディスク板4と防水シート3との接合も安定した融着強度が得られた。
また、用いたポリ塩化ビニル板の曲げ応力(σ
f)は、0.61MPaであった。実施例1の位置決め治具と比較すると、硬いためにディスクガイド部12によって防水シート3に押しつけるのにより大きな力が必要であったが、ディスク板4の外縁線71が明確に検知できた。