(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061330
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】吸収性衛生用品のリサイクルに用いる装置および処理方法
(51)【国際特許分類】
A61L 11/00 20060101AFI20170106BHJP
A61L 2/07 20060101ALI20170106BHJP
B09B 3/00 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
A61L11/00ZAB
A61L2/07
B09B3/00 Z
B09B3/00 303Z
【請求項の数】4
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-248428(P2012-248428)
(22)【出願日】2012年11月12日
(65)【公開番号】特開2013-111478(P2013-111478A)
(43)【公開日】2013年6月10日
【審査請求日】2015年9月17日
(31)【優先権主張番号】TO2011A001092
(32)【優先日】2011年11月28日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512292511
【氏名又は名称】ファター エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ソンマ マルチェロ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァッカロ ジョルジオ
(72)【発明者】
【氏名】ミハーレク ジャン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】トーマス セオドア
【審査官】
松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0135851(US,A1)
【文献】
特開2006−241425(JP,A)
【文献】
特表2004−524899(JP,A)
【文献】
特開2003−190928(JP,A)
【文献】
特開2008−054841(JP,A)
【文献】
特開平04−171059(JP,A)
【文献】
特表2008−540086(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0253946(US,A1)
【文献】
国際公開第2006/056768(WO,A1)
【文献】
特開昭57−035947(JP,A)
【文献】
特開平09−075906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00− 2/28
A61L 11/00−12/14
B09B 1/00− 5/00
B02C 13/00−13/31
B02C 18/00−18/38
B02C 9/00−11/08
B02C 19/00−25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式円筒オートクレーブと、
前記オートクレーブを加熱および加圧し、使用済みの吸収性衛生用品を滅菌温度まで加熱する循環路と、
加圧された流体を供給され、前記オートクレーブ内で前記加圧された流体の噴流を方向づけるよう配置された、複数の切断ノズルと
を備え、
前記オートクレーブは、側壁と2つの端部とを有し、
前記複数の切断ノズルは、複数の列にグループ化され、前記複数の列それぞれの前記複数の切断ノズルは、長手方向に互いに離間され、前記複数の列は、周方向に互いに離間され、
前記複数の列それぞれの前記複数の切断ノズルは、前記オートクレーブの前記側壁から内側へ突出する径方向ブレードに隣接して設置され、
前記2つの端部の少なくとも1つが、開かれると前記オートクレーブへのアクセスを可能とし、密閉されると前記オートクレーブの加圧を可能にするハッチによって終端され、
前記複数の切断ノズルの動作圧力が、100から300atmの間である、前記使用済みの吸収性衛生用品を処理する装置。
【請求項2】
回転式円筒オートクレーブと、
前記オートクレーブを加熱および加圧し、使用済みの吸収性衛生用品を滅菌温度まで加熱する循環路と、
加圧された流体を供給され、前記オートクレーブ内で前記加圧された流体の噴流を方向づけるよう配置された、複数の切断ノズルと
を備え、
前記オートクレーブは、側壁と2つの端部とを有し、
前記複数の切断ノズルは、複数の列にグループ化され、前記複数の列それぞれの前記複数の切断ノズルは、長手方向に互いに離間され、前記複数の列は、周方向に互いに離間され、
前記複数の切断ノズルの前記複数の列は、回転式ヘッダーによって前記オートクレーブの外部にある加圧循環路と繋がれ、
前記加圧循環路は、コントローラを有しており、
前記コントローラは、前記オートクレーブの回転位置を検出する回転位置センサーが出力する信号に応じて前記複数の切断ノズルの前記複数の列へ選択的に前記加圧された流体が供給されるよう制御し、
前記2つの端部の少なくとも1つが、開かれると前記オートクレーブへのアクセスを可能とし、密閉されると前記オートクレーブの加圧を可能にするハッチによって終端され、
前記複数の切断ノズルの動作圧力が、100から300atmの間である、前記使用済みの吸収性衛生用品を処理する装置。
【請求項3】
回転式円筒オートクレーブを提供する段階と、
閉じられた使用済みの吸収性衛生用品を前記オートクレーブへロードする段階と、
前記オートクレーブを、滅菌温度に達するよう加熱および加圧し、同時に、前記オートクレーブを、前記オートクレーブの長手方向軸の周りを回転するよう駆動する段階と、
前記オートクレーブ内で、加圧された流体の噴流を方向づけるよう配置された複数の切断ノズルへ、前記加圧された流体を供給する段階と
を備え、
前記円筒オートクレーブは、側壁と2つの端部とを有し、
前記複数の切断ノズルは、複数の列にグループ化され、前記複数の列それぞれの前記複数の切断ノズルは、長手方向に互いに離間され、前記複数の列は、周方向に互いに離間され、
前記複数の列それぞれの前記複数の切断ノズルは、前記オートクレーブの前記側壁から内側へ突出する径方向ブレードに隣接して設置され、
前記2つの端部の少なくとも1つが、開かれると前記オートクレーブへのアクセスを可能とし、密閉されると前記オートクレーブの加圧を可能にするハッチによって終端される、前記使用済みの吸収性衛生用品を処理する方法。
【請求項4】
回転式円筒オートクレーブを提供する段階と、
閉じられた使用済みの吸収性衛生用品を前記オートクレーブへロードする段階と、
前記オートクレーブを、滅菌温度に達するよう加熱および加圧し、同時に、前記オートクレーブを、前記オートクレーブの長手方向軸の周りを回転するよう駆動する段階と、
前記オートクレーブ内で、加圧された流体の噴流を方向づけるよう配置された複数の切断ノズルへ、前記加圧された流体を供給する段階と
を備え、
前記円筒オートクレーブは、側壁と2つの端部とを有し、
前記複数の切断ノズルは、複数の列にグループ化され、前記複数の列それぞれの前記複数の切断ノズルは、長手方向に互いに離間され、前記複数の列は、周方向に互いに離間され、
前記複数の切断ノズルの前記複数の列は、回転式ヘッダーによって前記オートクレーブの外部にある加圧循環路と繋がれ、
前記加圧循環路は、コントローラを含んでおり、
前記コントローラは、前記オートクレーブの回転位置を検出する回転位置センサーが出力する信号に応じて、前記複数の切断ノズルの前記複数の列へ選択的に前記加圧された流体が供給されるよう制御し、
前記2つの端部の少なくとも1つが、開かれると前記オートクレーブへのアクセスを可能とし、密閉されると前記オートクレーブの加圧を可能にするハッチによって終端される、前記使用済みの吸収性衛生用品を処理する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、使用済みの吸収性衛生用品のリサイクルに用いる装置および処理方法に関する。
【0002】
「吸収性衛生用品」とは、一般的に、小児おむつ、失禁吸収性パッド、女性の生理用ナプキン、ベッドマットなどの使い捨て吸収性用品を指す。
【背景技術】
【0003】
一般的に、吸収性衛生用品は、幅広い種類の異なる材料から構成されている。それら材料には、プラスチック材料のシート、セルロース綿毛、高吸収性ポリマー、不織布のシートなどが含まれる。
【0004】
吸収性衛生用品はプラスチックおよびセルロースなどの高品質の材料を含んでいる。新たな生産サイクル、またはエネルギーの産出などの他の用途に用いるべく、これらの材料を回収することが所望される。
【0005】
現在、使用済みの吸収性衛生用品は未分別の廃棄物として廃棄され、ごみ廃棄場へと送られる。使用済みの吸収性衛生用品の構成材料はそもそも回収されない。なぜなら、それら様々な材料(セルロース繊維、高吸収性ポリマー、プラスチック材料のシートなど)が密接に組み合わされているからであり、それらを分離させるには、用品を完全に破砕する必要があるからである。加えて、使用済みの吸収性衛生用品は有機排出物および細菌を含むので、材料をリサイクルする前に、用品を滅菌する必要がある。
【0006】
これらの理由により、使用済みの吸収性衛生用品は、分別回収の対象となるリサイクル可能な廃棄用品に含まれていない。
【0007】
推計によると、吸収性衛生用品の、一般廃棄物全体に占める割合は、およそ2〜3%である。しかし、廃棄物の分別回収が高い割合で行われている地域(分別される廃棄物の割合が全体の60%超)では、吸収性衛生用品の、未分別の廃棄物に対する割合は、およそ20%と高くなる。
【0008】
このように吸収性衛生用品の、リサイクル不可能な廃棄物に対する割合は高く、効率的かつ経済的に有利な方法で吸収性衛生用品の構成材料をリサイクルすることを目的として、吸収性衛生用品の処理の実行を可能にする機器および方法を開発することがより一層所望される。
【0009】
従来より知られている使用済みの吸収性衛生用品の処理技術は十分なものではない。その技術の一例は、使用済みの吸収性用品を水、アルカリおよび石鹸で洗浄する段階と、その洗浄段階で、セルロースをプラスチックから分離する段階とを備えている。この技術は、例えば、WO94/20668およびWO96/27045に開示されている。
【0010】
米国特許第5292075号の開示する方法では、汚れた吸収性衛生用品は予め細断される。その後、プラスチック材料を内部に留める穴のあいた円筒ドラムを備える洗浄機内で、細断された材料を洗浄する。そして、セルロースパルプを含む材料を脱水する。
【0011】
吸収性衛生用品を処理するこれらの技術の実際の実施には、課題がある。それは、用いられる洗浄水がゲル化高吸水性ポリマーおよび有機残渣などのような汚染物質を多量に含むことになるので、その洗浄水の廃棄が課題となるということである。さらに、洗浄後にセルロースを乾燥させるので、消費するエネルギー量が多いという課題もある。
【0012】
さらに他の課題もある。通常、使用済みの吸収性衛生用品は、折り畳んで閉じられ、不透過性バリアを形成する当該用品の外側のプラスチック層によってパックされた状態で、捨てられるということである。その捨てられたときの状態のまま用品を処理しようとすると、外側の不透過性層によって、当該用品を効果的に滅菌出来ない。一方、米国特許第5292075号が開示するように予備処理をするには、有機排出物、細菌および汚染物を多量に含む物品を細断する必要がある。
【0013】
特開2004−113915号公報は、吸収性ポリマーを含むおむつを処理する方法を開示している。当該方法においては、使用済みのおむつは、切削屑と共に、加圧された密閉容器内に置かれる。容器内では、おむつが高温かつ高圧力の蒸気によって、予め設定された時間の間、処理される。蒸気による処理は、15〜25atmの圧力および150〜250℃の温度で行われる。当該特許文献によると、処理済みの吸収性衛生用品は、発酵させた後、肥料として用いられる。
【0014】
WO2010/065088は、一般廃棄物の処理に用いられるオートクレーブを開示しており、その処理においては、廃棄物を乾燥させるのに蒸気が用いられる。WO2010/065088が開示する装置は、開かれるとオートクレーブへのアクセスを可能とし、密閉されるとオートクレーブの加圧を可能にする、1以上のハッチを有する回転式円筒オートクレーブと、オートクレーブ内に含まれる廃棄物と直接接触する接触蒸気の吸入口と、非接触蒸気を誘導するよう設計され、オートクレーブの内面から突出し、非接触蒸気が供給される複数の直線的な中空ブレードと、を備える。当該装置によって、オートクレーブ内での処理中に、一般廃棄物の滅菌と乾燥が可能となる。WO2010/065088が開示する装置は、未分別の一般廃棄物を対象として開発されたものであり、吸収性衛生用品の構成材料を滅菌し、乾燥させ、分離することに関しての教示は特に含んでいない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本願発明の目的は、使用済みの吸収性衛生用品を処理する装置および方法を提供することである。当該装置および方法によって、使用済みの吸収性衛生用品の滅菌、乾燥および破砕が可能となり、構成材料の回収が可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的は、請求項1から6にそれぞれ記載される特徴を有する、本願発明の装置および方法によって達成される。
【0017】
請求項は、本明細書に記載する、本願発明に関する教示の主要部分をなす。
【図面の簡単な説明】
【0018】
非限定的な例としてのみ示す添付の図面を参照し、本願発明について詳細に説明する。
【
図1】
図1は、廃棄物を処理する回転式オートクレーブ装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のオートクレーブ内の切断ノズルの配置を示す概略図である。
【
図4】
図4は、
図3の矢印IVが示す部分の拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1において、装置10は、使用済みの吸収性衛生用品を処理する回転式オートクレーブ装置である。装置10は、固定構造体12を備える。固定構造体12は、円筒形のオートクレーブ14を積載している。オートクレーブ14は、その長手方向軸Aの周りを回転する。装置10は、駆動装置(図示せず)を備える。駆動装置は、長手方向軸Aの周りのオートクレーブ14の回転を駆動する。固定構造体12は、アクチュエータ16を備えてよい。アクチュエータ16は、水平方向軸に対するオートクレーブ14の傾きを変え、このことにより、オートクレーブ14の傾きをロード/アンロード位置と動作位置との間で変えられる。オートクレーブ14は、2つの端部を有し、そのうち少なくとも1つは、開かれるとオートクレーブ14の内部空間へのアクセスを可能とし、密閉されるとオートクレーブ14の内部空間の加圧を可能にするハッチによって終端されている。図示する例では、2つの開閉式ハッチ18、20が提供されており、例えば一方は、処理される用品のオートクレーブ14へのロードに用いられ、また他方は、処理済みの用品のオートクレーブ14からのアンロードに用いられる。他の実施形態では、開閉式のハッチは1つのみ提供され、このハッチが、ロードとアンロードの両方に用いられる。
【0020】
装置10は、循環路を備える。循環路は、吸収性衛生用品を滅菌温度まで熱するべく、オートクレーブ14を加熱し、加圧する。
【0021】
ハッチ18は、回転式コネクタ34を備え、ハッチ20は、回転式コネクタ36を備える。回転式コネクタ34は、接触蒸気および非接触蒸気を吸入し、回転式コネクタ36は、接触蒸気および非接触蒸気を排気する。加熱蒸気のフローは、オートクレーブ14の内壁に位置するダクト24を通過する非接触蒸気41のフローと、処理される用品と直接接触し、オートクレーブ14の内部を加圧する接触蒸気43のフローとに分けられる。排気側のコネクタ36では、非接触蒸気41のフローと接触蒸気43のフローとが、例えばWO2010/065088に記載されるように、分けられ、別々に処理される。
【0022】
典型的に吸収性衛生用品は、セルロース繊維および高吸収性ポリマーの吸収性コアを備える。通常、吸収性コアは、互いに接合された2枚のプラスチック材料のシートに挟まれている。典型的に、バックシートは不透過性であり、トップシートは多孔性である。通常、使用済みの吸収性衛生用品は、折り畳まれ、不透過性バックシートによってパックされた状態で覆われる。通常、折り畳まれた用品を閉じる粘着性のタブが備えられている。よって、有機排出物は、密封された不透過性プラスチック材料のシートで覆われている。
【0023】
本願発明では、吸収性衛生用品を、それらが収集されたときの状態のまま、つまり閉じられてパックされた状態のまま、当該用品を開く予備処理を要せずに処理する。
【0024】
オートクレーブ14内での処理で効果的な滅菌および乾燥を行うには、オートクレーブ14内のあらゆる位置で有機物の全てを滅菌温度に曝すべく、用品の破砕を行う必要がある。吸収性衛生用品の破砕は、滅菌を完全に行い、またプラスチックをセルロース繊維から分離するのに必ず必要なことである。
【0025】
本願発明によれば、最初閉じられている吸収性衛生用品の破砕は、吸収性衛生用品の外側の層の破壊を促進する、高圧力の液体の噴流によって促される。
【0026】
図2において、装置10は、オートクレーブ14内に設置された、複数の切断ノズル38を備える。切断ノズル38は、加圧循環路40と繋がれている。加圧循環路40は、オートクレーブ14の外部にあり、切断ノズル38へ加圧された流体を供給する。加圧された流体は水、蒸気、空気、粘性のない流体などであってよい。
【0027】
図2および3において、切断ノズル38は、オートクレーブ14の側壁42に対し固定されており、好ましくは、径方向を向いている。好ましくは、切断ノズル38は、列44毎にグループ化されており、各列44の切断ノズル38は、長手方向で互いに離間されており、列44同士は、角距離をおいて互いに離間されている。
図2および3が示す構成では、4つの列44同士は、90°の角距離で互いに離間されており、各列44は6つの切断ノズル38を備えている。切断ノズル38の数は、実施形態によって異なってよい。例えば、オートクレーブ14の寸法によっては、オートクレーブ14は、10〜100の切断ノズル38を備える。
【0028】
図2〜6において、オートクレーブ14は、径方向ブレード46を内部に備えてよい。径方向ブレード46は、側壁42から径方向に、オートクレーブ14の内部に向かって突出する。動作において、径方向ブレード46は、オートクレーブ14内にある吸収性衛生用品の集まりをかき上げる。好ましくは、切断ノズル38の列44はそれぞれ、各径方向ブレード46に隣接して設置される。
図3において、オートクレーブ14は、矢印Bで示す方向に回転し、切断ノズル38は、好ましくは、その回転方向に見て径方向ブレード46の後ろ側の面に隣接して設置され、廃棄物の集まりからの影響を受けないよう保護される。
【0029】
図2において、各列44の切断ノズル38は、好ましくは、共通の供給管48に繋がれる。それら列44が繋がれる供給管48は、回転式ヘッダー50に繋がれる。加圧循環路40は、ポンプ50を備える。ポンプ50は、加圧された流体を回転式ヘッダー50へと供給する。
【0030】
好ましくは、加圧循環路40は、コントローラ52を備える。コントローラ52は、オートクレーブ14の回転位置を検出する回転位置センサー54が出力する信号に応じて、列44へ選択的に加圧された流体が供給されるよう制御する。センサー54が出力する信号に応じてコントローラ52は、回転式ヘッダー50を介して各供給管48に繋がれたダクト58に関連付けられた弁56を、選択的に開閉する。
【0031】
オートクレーブ14の回転中、廃棄物は周期的に持ち上げられ、そして中心方向へと落下する。コントローラ52は、ある時点において底部にある、つまり廃棄物の集まりと接触している切断ノズル38の列44のみを動作させる。コントローラ52は、限られた時間の間だけ切断ノズル38を動作させる。切断ノズル38が上方へ回転すると、廃棄物の集まりがオートクレーブ14の中心方向へ落下するので、切断ノズル38は廃棄物の集まりから離れることになる。するとコントローラ52は、加圧された流体の供給を中断させ、オートクレーブ14内に供給される余分な湿気分を減らす。
【0032】
切断ノズル38は、吸収性衛生用品のプラスチック製のバックシートを引き裂き、かつ軟化させ、当該用品の破砕を容易なものにする穴を形成する。このことによって、オートクレーブ14の作業効率が向上する。
【0033】
好ましくは、加圧された流体は水である。切断ノズル38の開口部のサイズは、好ましくは、0.02〜0.15mmの間である。切断ノズル38の動作圧力は、好ましくは、100〜300atmの間である。
【0034】
オートクレーブ14内の温度および圧力と組み合わせて、切断ノズル38から供給される高圧力の噴流を用いることにより、オートクレーブ14内での吸収性衛生用品の完全なる破砕が可能となる。このようにして、作業者と周囲環境とを汚臭および吸収性衛生用品に含まれる汚染物質に曝すことになる、用品を細断する予備処理が不要となる。
【0035】
オートクレーブ14内での処理で用品を完全に破砕することにより、短時間での用品の乾燥および滅菌が可能となる。オートクレーブ14内での処理後、乾燥され滅菌された、破砕済みの基本的にプラスチックおよびセルロース繊維からなる集まりが得られる。続いて、その乾燥され滅菌された破砕済みの集まりをふるいにかけ、プラスチックとセルロースとを分離する。
【0036】
当然ながら、本願発明の技術的思想を損なうことなく、構成の詳細および実施形態は幅広く変更し得、その場合であっても、特許請求の範囲に記載の本願発明の技術範囲から逸脱することはない。