(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記同調されたインダクタンス検知回路(12)の前記同調出力信号は、前記同調信号の周波数に基づいてフィルタイングするフィルタ回路(14)に出力される、請求項1に記載の方法。
前記発振器(62)によって出力された信号の周波数がロックされ、前記インダクタンス検知回路(12)は、前記発振器(62)によって出力された信号の振幅に基づいて同調可能である、請求項6に記載の方法。
前記発振器(62)によって出力された信号の振幅がロックされ、前記インダクタンス検知回路(12)は、前記発振器(62)によって出力された信号の周波数に基づいて同調可能である、請求項6に記載の方法。
前記金属導体(34)は、列車信号電力ケーブルと、列車牽引および/または帰線ケーブルとのうちの少なくとも一部を形成する電力金属導電ケーブルであるか、または、金属導電ケーブルの一部分である、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の方法。
前記金属導体(34)は、電気的接地建物構造体、橋、および金属街路備品のうちの少なくとも1つを含む金属構造体であるか、または、金属構造体の一部分である、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
最初に本発明の
図1Aおよび1Bを参照すると、インダクタンス検知回路12と、インダクタンス検知回路12の出力に接続されているフィルタ回路14と、フィルタ回路14の出力に基づいてアラーム信号を出力するアラーム回路16と、金属導体乱れ検出装置10の第1の実施形態が示される。装置10は、好ましくは、インダクタンス検知回路12、フィルタ回路14および/またはアラーム回路16を駆動するドライバ回路18と、上記に加えて、または上記に代えて電圧レギュレーション回路20とをさらに備える。
【0021】
検知ワイヤ22は、検知回路12の左側に位置しているモーメンタリ・プッシュ・ボタン・テスト・スイッチSWを介して検知回路12に入る。
【0022】
テスト・スイッチSWから、検知回路12の同調回路24の一部分を形成する同調可能なキャパシタC1への接続が行われる。本実施形態の場合、同調可能なキャパシタC1は、9から180ピコファラッドの間に値範囲を有し、装置10を監視対象の金属基盤26の一部分を形成する金属導体に合わせて調整または結合するために利用される。
【0023】
安定性の付加が回路の適切な動作のため望ましい、または、必須であると考えられる場合、同調可能なキャパシタC1の入力と装置10のB−との間の2MΩ抵抗器R1は、印加された信号の一部を接地に分流し、それによって、検知回路が有することになる初期利得を制限し、利得が飽和状態になることを防止するために利用されることがある。
【0024】
同調可能なキャパシタC1は、本例では、NPN小電流トランジスタであり、検知回路12の増幅/発振回路29の第1段を形成するトランジスタQ1のベースに接続されている。
【0025】
約200kΩのバイアス抵抗器R2は、トランジスタQ1の必要なバイアスを行うためにトランジスタQ1のコレクタ接合からベース接合に接続されている。
【0026】
B+からトランジスタQ1のコレクタへの5kΩ抵抗器R3は、トランジスタQ1での電圧の調整を行う。
【0027】
用途に応じて、装置10をさらに安定化させるためにトランジスタQ1のベース接続から接地に約100kΩの分流抵抗器R4を利用することは、第1の上記トランジスタQ1のベースの過飽和の危険性が問題になることがある用途で利用される場合、望ましいこともある。
【0028】
使用中に、所与の周波数および振幅の到来信号は、トランジスタQ1を備える増幅/発振回路28によって生成された局部発振と混合される。この信号は、次に、約1.5ナノファラッドの固定セラミックキャパシタC2を介して第2のトランジスタQ2のベース接合に送られ、ここで、合成信号は、トランジスタQ1と同じ方法および構成でさらに増幅される。
【0029】
コレクタからベースにバイアス電圧を供給する50kΩ抵抗器R5が利用され、B+とコレクタ接合との間の2.1kΩ抵抗器R6は、好ましくは、トランジスタQ2上で利用される。
【0030】
この時点での入力信号は、増幅/発振回路28によって十分に増幅され、出力利得制御部として利用される100kΩポットP1にそのまま送られる。100kΩポットP1は、本例では、15MΩの値を有する非常に高い値の抵抗器R7を介してB−に接続されているが、この抵抗の値は、2MΩ程度に小さくされる可能性があり、それでもなお良好な結果をもたらす。
【0031】
100kΩポットP1のワイパーは、次に、LED 1と称される第1のLEDのアノードに送られ、装置10の動作状態の視覚的表示の1形式を提供する。LED 1のカソード接続は、上記LED 1の出力およびB−と並列しているフィルタ回路14の同調可能な帯域通過フィルタ30に接続されている。
【0032】
増幅/発振回路28の出力と連通しているフィルタ回路14は、本例では、B−に至る5.3kΩ抵抗器R8と直列している100μHコイル32を備える。0.3ナノファラッドの可変キャパシタC2は、コイル32および抵抗器R8と並列している。フィルタ回路14の帯域通過フィルタ30は、このようにして、特定用途に向けて帯域通過フィルタ30の特性を変化させることが望ましいと考えられる場合、コイルインダクタンスに対して容量を変えることにより同調させることができる。
【0033】
さらなるカソードは、装置10のドライバ回路18の一部分を形成するドライバトランジスタQ3のベース接合にも接続されている。ドライバ回路18は、アラーム回路16へ出力するオプトアイソレータO1の動作状態を調整するために利用される。
【0034】
正常動作状態では、ドライバトランジスタQ3は、理想的には完全オン状態と完全オフ状態とのほぼ中間であり、それによって、ヌル状態を与える半オン状態にある。望ましい調節を達成するために、LED 2と称される第2のLEDが同調目的のための視覚的インジケータとして設けられている。
【0035】
同調回路24の同調可能なキャパシタC1と、フィルタ回路14の100kΩ利得ポットP1と、電圧レギュレーション回路20を介するB+との調節によって、装置10の正確な同調が達成可能であり、装置10は、高感度状態にさせることができる。
【0036】
装置10に給電する正電圧B+は、好ましくは、B+電圧源および装置10の増幅/発振回路28と直列している1kΩポットP2によって調節可能である。実際には、このポットP2は、典型的に、ある理想的または最適な値に調節され、その後に現場においてさらなる調節を殆どまたは全く必要としないことになり、ここで、装置10を同調状態に調節する主な手段は、同調回路24の可変キャパシタC1およびフィルタ回路14の100kΩ出力利得ポットP1の調節を介することになる。
【0037】
LED 2の破損を防止するために、800Ω抵抗器R9が電流を損なう可能性を制限するようにLED 2のアノードと直列に設けられている。この時点で、オプトアイソレータO1は、オン状態にバイアスされ、バイアス電圧がアラーム回路16に設けられたオプトリレーOR1,OR2を駆動するために付加的なトランジスタQ4を通過する。
【0038】
図2を参照して、電気通信マストもしくはサイトと、公共事業サイト、例えば、変電所と、および/または、運輸サイト、例えば、鉄道信号サイトなどの金属基盤26の一部分を形成する金属導体34の電気的表現と、検知回路12の同調回路24がどのようにしてこれに接続されているかを説明する。
【0039】
本例では、金属導体34は、接地グリッドにおいて見受けられるようにアースされている。例えば、銅製であり、典型的に、ある長さの監視対象金属導体34は、導体34が地球より僅かに上方、または、地球内部のいずれかに位置付けられている場合、固有自然インダクタンスと、自然容量とを保有する。金属導体34は、空気および/または土との接触が原因で酸化層を形成するので、僅かな容量が酸化層によって形成される。
【0040】
金属導体34は、上記導体34の長さによって決まる自然抵抗をさらに有する。抵抗は、非常に低くなることもあれば、導体が長い場合、1Ω以上を超えることがある。従って、以下、「LCR」と称されるインダクタンス、容量、および抵抗の存在に起因して、この構造体は、LCRの存在が原因で同調された回路を形成しやすくなるものである、と言えるかもしれない。
【0041】
地球内部に、多量の迷走電流と、低無線周波数またはRFスペクトルに達する可能性がある低周波数および高周波数交流が天然と人工との両方で存在する。これらの電流および電圧は、地球との連通に起因して金属基盤26内に誘導される。このような電圧および電流が、電圧計またはオシロスコープのいずれかによって金属導体34から測定される可能性があり、周波数および振幅の両方の測定値を生じることになることが分かっている。これらの電流および電圧は、基盤26の金属導体34が何らかの方法で乱された場合に、変化が監視されることを可能にする手段の一部分を形成する。
【0042】
装置10の完全な回路は、接地基盤26上で測定される可能性があり、本発明では、生じている何らかの変化を検出するために監視対象の金属導体34の中または上に既に存在している信号と結合される発振も発生させる。
【0043】
金属導体34が、例えば、これの一部の除去または破損によって乱されたとき、印加された周波数の電圧および振幅の変化は、装置10によって受け取られ、アラーム状態が発生される結果となる。監視対象の金属導体34の印加された周波数を有する電圧および振幅、または、換言すると、導電特性への変更は、金属導体34の自然腐食、および/または、金属導体34に極めて接近した範囲に入る物体に起因して生じる可能性もあることがさらに理解される。本例では、アラーム状態がさらに生じる。
【0044】
図3は、監視対象の基盤26の接地された金属導体34を監視するために配置された金属導体乱れ検出装置10の第1の例を示す。装置10の同調回路24の入力は、電気的検知ワイヤ、リード線もしくはケーブル22を介して、本例では、このサイトのための主な単一接地点としての機能を果たす電力サービス・エントリー・ボックス40の接地端子38への接続として例示されている接地グリッドの一部に接続されている。
【0045】
装置10、および、できる限りその他のサイトエレクトロニクスに電力を供給する電源42、本例では、例えば、バッテリープラントから、さらなるワイヤ44が電源42を接地させるために利用されることがよくある。これは、
図3に示されるように正の接地、または、
図4に示されるように負の接地である可能性がある。
【0046】
本発明のいくつかの用途では、バッテリープラントまたはその他の電源42および装置10への第2の接続は、監視対象の基盤26の中のこの金属導体34または別の金属導体内部の変化を監視する第2の検知経路としてさらに利用される。
【0047】
バスバーまたはマスター接地バス46は、監視対象の基盤26の一部分を形成し、金属導体または導体群34と電気的連通している。様々な構造体が接地電位にあり、相互接続され、マスターバス46に接地されている。典型的に、これらの構造体は、地球内部に埋められていると共に地球の上にある合理的に大口径の銅製ケーブルを介して、一体的にもしくは接地バス46に接続または接着される。いくつかの用途では、サービス・エントリー・グリッド40から離れているさらなる接地グリッドは、マスター接地バス46およびサービス・エントリー接地38の両方に接続もしくは接着され、それによって、接地ループを形成する。典型的に、このようなネットワークでは、1つ以上の接地ループ50が
図3の図面に示されるように基盤26の内部に存在することになる。基盤のいずれかの一部が許可なく変更されるか、または、除去されたとき、典型的に、基盤26内部の印加された信号の振幅および/またはインダクタンスの対応する変化が生じ、前述のとおり、この変化が装置10内のアラーム状態を始動させる。
【0048】
図4を参照すると、1つ以上の金属導体34を有する監視対象の基盤26への金属導体乱れ検出装置10の接続の第2の例が示されている。
図4の配置構成は、
図3の簡略化バージョンであり、前述のとおりのさらなる接地グリッドが省略されている。同調回路24の入力は、電気的検知ケーブル、ワイヤまたはリード線22を介して、配電盤またはその他のサービス・エントリー・ユニット40に機械的に接続されている。電源42は、好ましくは、前述のとおり、バスバーまたはマスター接地バス46に接地されている。このため、上記第1の例と動作は殆ど同様である。
【0049】
図5は、1つ以上の金属導体34を有する監視対象の基盤26への金属導体乱れ検出装置10の接続の第3の例を例示する。本例におけるこの相互接続は、前述の2つの例の相互接続とは異なる。本例では、バッテリープラントまたは電源42は、金属基盤26と独立であるか、または、金属基盤26に関して「フローティング」していることがある。従って、監視対象の基盤26への同調回路24を介する単一の接続だけが必要とされる。装置10が、その結果、適切に調節されたとき、単一の接続だけが装置10に対して行われている状態で上記基盤26の内部の変化を検出できる。
【0050】
今度は
図6を参照して、金属導体乱れ検出装置10の第2の実施形態が次に記載される。同様の符号は、第1の実施形態の部分と同一または類似する部分を指すので、さらなる詳細な説明は省略する。オプトアイソレータO1からのドライバ回路18の一部とアラーム回路16とは、
図1Aおよび1bにおけるこれらと一致するか、または、実質的に一致しているので、参照を簡単にするため省略されている。装置10は、前述のとおり、検知回路12と、フィルタ回路14と、電圧レギュレーション回路20と、ドライバ回路18と、アラーム回路16とを備える。検知回路12は、同調回路24と、修正された増幅/発振回路28とを含む。主な相違は、修正された検知回路12にある。
【0051】
本実施形態では、検知回路12は、同調回路24への入力に検知ピックアップコイル52を含むように適応している。ピックアップコイル52は、同調可能なキャパシタC1の入力と、ナノまたはピコファラッド程度の小さい値の第2のキャパシタC3を介してB−との間に接続されている。この無線コネクタは、監視対象の基盤26への直接的な機械的接続が、例えば、ACまたはDC給電されているか、または、別の信号タイプを有するため、危険であるか、または望ましくないと考えられている環境で装置10が利用されることを可能にする。このような制限を受けたとき、
図6に例示された構成において、ピックアップコイル52により、非常に良好な結果が得られることが分かった。
【0052】
ある程度まで電気遮蔽を含むことは、装置10の回路がスプリアスRF干渉で飽和されることを防止または制限するために同様に有利であることがある。
【0053】
今度は
図7を参照して、金属導体乱れ検出装置10の第3の実施形態が次に記載される。この場合も、同様の符号は、第1および第2の実施形態の部分と同一または類似する部分を指すので、さらなる詳細な説明が省略されることになり、
図6と同様に、オプトアイソレータO1からのドライバ回路18の一部とアラーム回路16とは、
図1Aおよび1bにおけるこれらと一致するか、または、実質的に一致しているので、明瞭さのため省略されている。
【0054】
第2の実施形態の装置10は、前述のとおり、検知回路12と、フィルタ回路14と、電圧レギュレーション回路20と、ドライバ回路18と、アラーム回路16とを備える。検知回路12は、同調回路24と、さらに修正された増幅/発振回路28とを含む。主な相違は、さらに修正された検知回路12にある。
【0055】
さらに修正された検知回路12は、同調回路24への入力に検知ピックアップコイル52と、再生コイル54とを含む。フィルタ回路14からの出力信号の一部は、同調回路24の入力に戻され、再生フィードバック回路に類似する方法で誘導的にピックアップコイル52に作用するようにされる。検知回路12は、このようにして、外部RF信号に対して非常に敏感にされる。
【0056】
上記例および実施形態の組み合わせが利用されることがあることが理解されるべきである。
【0057】
使用中に、金属導体乱れ検出装置10の好ましい実施形態は、外部金属基板26から同調回路24への単一の接続を行い、同調回路24は、同調を助けるために可変キャパシタC1を利用する。
【0058】
監視対象の基盤26の金属導体34は、RCLの性質を保有し、従って、同調された、または、同調可能な回路として取り扱われてもよい。
【0059】
このような例では、金属導体34は、何らかの方法で接地されることがあるが、それにもかかわらず、前述のとおり、周囲RFと雰囲気および地球内部の両方に存在するその他の形式の電磁場とによる影響を受けることがある。
【0060】
電気的発振がB+レールまたはトレース線を介して入力段に戻るフィルタ回路14の出力段からのフィードバックを通じて装置10の内部で発生される。
【0061】
例えば、それぞれのポテンショメータを介してフィルタ回路14および電圧レギュレーション回路20を調節し、例えば、可変キャパシタによって同調回路24を調節することにより、発振の周波数は、共振状態が作り出される点に調節される可能性がある。装置10は、最初に通電され、装置10がほぼ理想的な共振状態である状態まで調節される。同調回路24の可変キャパシタC1が変化すると、外部回路からの振幅が増大する。ある時点で、この振幅は、検知回路12の自然発振に影響を与え始めることになる。このことは、可変RCL基盤26を介してトランジスタQ1に到達する印加信号の振幅の増加によるトランジスタQ1のベースの飽和の程度が原因である。ある時点で、この飽和は、検知回路12の自然周波数に影響を与えるものであり、それによって、検知回路12の周波数を変えることは、検知を非常に敏感にさせ、ほぼ理想的な共振状態にあると考えられる。外部基盤26からの非常に大きい振幅の量がトランジスタQ1のベースに送られる場合、ベースは、過飽和になり、検知回路12を測定された外部基盤26内部の変化がもはや検出できない完全飽和にさせるものである。その結果、電圧レギュレーション回路20によって有利に設定可能であるB+と、増幅/発振回路28と外部基盤26との間のカップリングの量との理想的な設定は、理想的な感度がいつでも維持されることを保証するために最適値で維持されることが重要である。
【0062】
同調可能な帯域通過フィルタ30は、増幅/発振回路28の出力と連通し、望ましくない周波数を減衰させながら、ある特定の帯域幅の周波数だけが通過することを可能にするように設定される。
【0063】
装置10が監視対象の金属基盤26に接続されているとき、装置10は、外部源から金属基盤26に印加された電磁場と装置10の回路によって生成された内部的に発生された発振との両方が帯域通過フィルタ30を容易に通過することになる出力周波数を生成するために装置10の内部で結合するような方法で同調させられなければならない。
【0064】
周波数および振幅はどちらも本発明の回路の適切な動作のため重要である。
【0065】
振幅は、主として、装置10の入力で同調回路24の可変キャパシタC1の調節によって制御される。可変キャパシタC1は、金属基盤26から増幅/発振回路28に達する信号の量を調整する。
【0066】
装置10が、アラーム状態が生成されないようにドライバ回路18のトランジスタQ3の出力ドライバがオンまたは半オン状態までバイアスされる所望の動作状態に同調されたとき、装置10は、「スタンバイモード」にあると考えられる。
【0067】
金属基盤26の一部が、インダクタンスの変化が基盤26の内部で起こるような方式で破損、除去、または、乱された場合、この変化は、基盤26の共振状態と、基盤26の内部に存在する検出された電磁場の振幅との両方に影響を与える。
【0068】
これらの変化は、増幅/発振回路28の振幅および内部的に発生された周波数の両方に悪影響を与えることになり、それによって、フィルタ回路14の帯域通過フィルタ30に送り込む出力信号を変化させる。
【0069】
このような変化は、外部変化の性質に依存して、振幅および周波数の両方を増加させるか、または、同じものを減少させることがある。このことは、その結果、帯域通過フィルタ30からドライバトランジスタQ3に通過する信号のレベルを変化させる。
【0070】
変化の性質に依存して、帯域通過フィルタ30によって通過される信号は、増減することがある。ドライバ回路18は、起こった変化の性質に依存して高状態または低状態のいずれかの状態になるものである。ドライバ回路18が、例えば、振幅の急激な増加に起因して高状態になる場合、LED 2の強度の突然の増加によって認められるように、より多くの信号が帯域通過フィルタ30を通過することを許可される。ドライバ回路18のヌル設定状態が影響され、一方のオプトリレーOR1,OR2は、開路状態になることによって応答することになる。ドライバ回路18が印加された信号の振幅の急激な増加に起因して低状態になる場合、増幅/発振回路28からの出力信号は、帯域通過フィルタ30のスペクトルから外れ、トランジスタQ3のベースに達するバイアス信号の制限は、トランジスタQ3をオフにするか、または、殆どオフにするので、ヌル状態を中断させる。もう一方のオプトリレーOR1,OR2は、開路状態になることによって応答することになり、その結果、第2のアラーム状態となる。いずれの場合でも、アラーム状態が作動されると、アラーム回路16は、アラーム信号を出力するように通電される。好ましくは、アラーム回路は、アラーム信号をオフサイト位置に出力する送信機を含む。
【0071】
オプトリレーOR1,OR2は、閉状態が用途に応じてアラーム状態で発生されることになるように構成されることがあることが理解されるべきである。
【0072】
この回路が接続され、監視対象の1つ以上の金属導体34を有する典型的な接地基盤26では、典型的に、多数の「接地ループ」が存在する。接地ループは、全ての構造体が一緒につながれている単一の接地点を形成するために構造体を相互に接続する金属導体34を使って単一の点に連通している並列接地構造体として定義される。電気的には、相互接続用導体34を含むこれらの構造体は、基盤26のインダクタンス全体を形成する並列インダクタンスを形成する傾向がある。基盤26によって形成された誘導ネットワーク全体のうちのいずれかの一部が除去されたとき、インダクタンスが変化する。これらの変化は、接地ネットワークと相互作用する印加RFの共振周波数もしくは振幅、電磁場、または、これらの両方の変化となる可能性があり、それによって、ネットワークにこれのRCL特性を変化させる。RCL特性の変化は、装置10の共鳴応答、または、共振状態の変化という結果になり、それによって、装置10が動作している周波数を変える。装置10を半共振状態に注意深く同調させることにより、基本的に前に同調された信号の離調であるこの共鳴応答または変化は、帯域通過フィルタ30によって容易に識別される。
【0073】
接地基盤26のどの部分が除去されたか、または、変更されたかに依存して、前に設定された共振状態から与えられた同調された信号は、完全オン状態を考慮して、より高い共振状態を加えるネットワークに起因して離調するか、または、共振状態は、オフ状態を考慮して、より低い共振状態を加えるネットワークに起因して離調する。いずれの場合でも、フィルタ回路14は、この離調を識別し、アラームは、アラーム回路16を介して発生される可能性があり、それによって、監視対象の基盤26の内部でこのような変化が生じていることをその他に警告する。
【0074】
誘導ピックアップとして第2および第3の実施形態のピックアップコイル52を利用することは、装置10が基盤内の何らかの金属導体34の乱れについて監視するために接地された基盤26に無線誘導で接続されることを可能にする。
【0075】
この配置構成では、誘導ピックアップコイル52は、基本的に、同調回路24が間に介挿されている増幅/発振回路28の一部分を形成する。増幅/発振回路28によって発生された発振は、ピックアップコイル52の内部を流れる。ピックアップコイル52が
図6に例示された第2の実施形態の場合のように組み込まれているとき、ピックアップコイル52は、両方の外部受動インダクタンス、容量の本体、および、RFおよび/または電磁気などの漂遊する周囲場に対して非常に敏感にされる。
【0076】
ピックアップコイル52に極めて近接した受動インダクタンスの例では、受動インダクタンスは、増幅/発振回路28およびピックアップコイル52によって発生された場の影響を受け、2つのインダクタンスは、同調された回路を形成する傾向がある。受動インダクタンスが、例えば、動かされる、これの一部が除去される、または、別の方法で乱されることによって、乱されているような場合、2つのインダクタンスの誘導関係の変化は、増幅/発振回路28の内部の周波数および振幅に変動を生じるものであり、それによって、装置10をより強いまたはより弱い共振状態に陥らせ、その結果、前述のとおりのアラーム状態を発生させる。
【0077】
装置10は、好ましくは、金属筐体に収容され、必要に応じて、ラックマウント型であると都合の良いことがある。
【0078】
誘導ピックアップコイル52を組み込むことが望ましいとき、装置10は、監視対象の構造体または外部回路に並んで設置される可能性がある。本用途では、回路は、装置10と監視対象の基盤26との間の誘導結合の容易さを可能にするために、非金属筐体、または、非金属もしくは金属筐体の組み合わせに収容される可能性がある。
【0079】
必要に応じて、装置10のハウジングが風雨密筐体であるかもしれないこと、および/または、埋もれた導体34もしくは金属構造体と並べて埋められているかもしれないことが同様に可能である。後者の場合では、埋められた導体34が、例えば、突然の除去によって乱された場合、インダクタス、周波数、振幅、または、3つ全部の組み合わせの変化は、アラーム状態を発生させるために十分であることになる。
【0080】
修正された配置構成では、監視対象の基盤26が電流によって通電されるか、または、RF信号を搬送する場合、前述のとおり、両方が誘導結合されているとき、電磁場は、ピックアップコイル52の内部に存在する発振と相互作用することになる。信号が中断される、または、何らかの方法で回路が破損するような有意な変化が起こった場合、装置10の共振状態は、変更されることになり、それによって、前述されたのと同じ方法でアラーム状態を発生させる。
【0081】
第3の実施形態に関連して記載され、ピックアップコイル52と密接な誘導関係にある再生コイル54の使用は、ピックアップコイル52の内部の感度を高めるために同様に有利である。これは、上記ネットワークの内部で起こるより一層微妙な変化の検出を可能にする。装置10が適切に同調されたとき、この装置は、再生コイル54によって与えられた誘導フィードバック経路に起因して、共振に非常に敏感な状態にされる。外部金属基盤26を監視するために利用されたとき、監視対象の基盤26のRCL状態の僅かな塩化であっても、既に示唆された望ましいアラーム状態を生じるために、回路の内部に十分な変化を引き起こすことになり、このような変化は、基盤26の極めて近くへの無権限者などの容量を有する異物の導入を含む、何らかの乱れから生じることがある。従って、機器10は、近接検出器として使用される可能性がある。
【0082】
ピックアップコイル52が鉄心またはフェライト磁心を利用する場合、装置10は、ピックアップコイル52から数フィートの距離の範囲内で磁場または金属物体の動きを検出するために敏感にさせることができる。この配置構成では、この装置は、鉄またはスチールといった金属は、ある程度の自然磁性を保有する傾向があるので、これらの金属で構成されている金属構造体の動きを検出する手段として利用される可能性がある。
【0083】
同調回路は、可変キャパシタを利用するものとして記載されているが、その他の適当な容量調節手段が利用される可能性がある。上記に加えて、または上記に代えて、可変インダクタが利用され得ることが実現可能である。この例では、2つの誘導結合型並列コイルは、可変インダクタであること、または、これの一部分を形成することがあり得る。これらのコイルを物理的に相対的に動かすことにより、インダクタンスは、変化する可能性がある。場合によっては、可変インダクタがフェライト磁心を利用する場合、インダクタンスを変えるために磁心が調節されることがある。
【0084】
比較器回路を利用するような増幅/発振回路28の出力の帯域通過フィルタリングのその他の方法が利用されることがある。適切な調節がB+とトランジスタQ1のベースと連通する直列可変C1とに対して行われたとき、ある特定の帯域幅の周波数は、装置10のアラーム回路10を備える出力を制御するために利用された第3のトランジスタQ3を駆動するために帯域通過フィルタ30を通過することを許可される。これが達成できる場合、何らかの適当なフィルタ回路が利用される可能性がある。
【0085】
さらに、帯域通過フィルタは、何らかの適当な形式で構成されることがある。一例として、抵抗器R8は、ポテンショメータの形式の場合のように可変ということがあり得る、コイル32は、可変コアチョークであることがあり得る、および/または、可変キャパシタC2は、固定キャパシタであることがあり得る。これらの素子のうちの少なくとも1つは、同調を可能にするために可変とすべきである。しかし、例えば、取り付け前に帯域通過フィルタを同調させ、次に、さらなる同調が可能ではない、または、必要とされないように、部品を固定することが可能であることがあり得る。
【0086】
今度は
図8を参照して、金属導体乱れ検出装置10の第4の実施形態が次に記載される。前の実施形態で使用された符号と同じ符号は、類似するまたは同一の部分を指すので、さらなる詳細な説明は、省略されることになる。
【0087】
図8の回路図は、明瞭さのため簡略化されている。
【0088】
装置10は、前述のとおり、検知回路12と、フィルタ回路14と、電圧レギュレーション回路(図示せず)と、ドライバ回路18と、アラーム回路16とを備える。
【0089】
検知回路12およびフィルタ回路14は、組み合わされることがある。本実施形態のフィルタ回路14は、少なくともキャパシタ64を備え、それによって、広帯域通過フィルタを効果的に提示する。付加的なフィルタ回路は、より好ましい狭帯域通過フィルタを提供するために利用されることがあり得る。
【0090】
本実施形態における主な相違は、修正された検知回路12にある。
【0091】
本実施形態では、検知回路12は、金属基盤側の第1および第2の1次巻線PW1およびPW2をアラーム回路側の第2の巻線SWと共に含んでいる直列巻きの鉄共振変圧器を含むように適応している。
【0092】
好ましくは、この特有の例では34kHzの発振信号が発振電源または発振器62によって第1の1次巻線PW1に供給される。これは、2次巻線SWおよびキャパシタ64を備えるLC回路またはタンク回路に共鳴することがある。この実施形態において、できる限り共鳴的な動作は、半共振周波数またはその付近で起こることがある。その他の周波数も同様に可能であることがある。発振信号は、変圧器の固有共振周波数にはない。発振信号は、20kHzから50kHzの範囲で巧く動作することが示され、利用された特定の変圧器60に大きく依存している。
【0093】
好ましいとはいえ、キャパシタ64は省略が可能であるが、これは、感度を低下させる傾向がある。
【0094】
1次巻線PW1内の発振信号は、2次巻線SWに電圧を誘導する。この電圧は、1次巻線PW1における入力信号と検知ワイヤ22を介して第2の1次巻線PW1に機械的および電気的に取り付けられた金属基盤26の誘導的影響との両方に比例する。電磁場は、第1および第2の1次巻線PW1およびPW2を介して発振器によって金属基盤に印加される。
【0095】
第2の2次巻線PW2に機械的および電気的に取り付けられた金属基盤26のインダクタンスの引き続く増減により、2次巻線SWの出力電圧および電流に測定可能な変化が生じる。この出力は、発振器62から第1の1次巻線PW1に送られた信号の振幅および/または周波数を増減することにより微調整される可能性がある。従って、発振器62は、2つの部分を含む同調回路24の第1の部分24aを効率的に形成する。
【0096】
修正では、出力は、ネットワーク検知ワイヤ22、金属基盤26および/または第2の1次巻線PW2と直列または並列のどちらかの可変インダクタの追加によってさらに微調整される可能性がある。
【0097】
第1の1次巻線PW1に送られた信号の振幅は、接続された出力増幅器を介する2次巻線の出力がドライバ回路18のドライバトランジスタ66を介して高アラーム回路65aを通電することがなく、しかし、ドライバ回路18のドライバトランジスタ68およびオプトリレー70を介して低アラーム回路65bを通電するためにちょうど十分な電圧および電流を生成するように調節される。低アラーム回路65bは、本例では、定常状態に保持される。
【0098】
高アラーム状態の設定と低アラーム状態の設定との間の電圧差は、ドライバトランジスタ66のエミッタ上の可変抵抗器72を使って調節される。可変抵抗器72および抵抗器74は、2つの部分を含む同調回路24の第2の経路24bを形成する。これは、2次巻線SWに印加された信号電圧の差が高または低アラーム事象の始動を許可する微小になることを可能にする。
【0099】
可変抵抗器72は、ドライバトランジスタ66のエミッタに接しているのが有利であるが、ドライバトランジスタ66のベースに接することがあり、この場合、付加的な、好ましくは、固定抵抗器がエミッタに接することになる。可変抵抗器72または更なる可変抵抗器がドライバ抵抗器68のエミッタに接することもある。可変抵抗器72は、抵抗器74と交換できることがある。この互換性は、オプトリレーチップまたはその他の適当なリレー装置70および76の部品公差の変動に合わせてアラーム部16の調節を可能にする。
【0100】
高アラームおよび低アラームの両方が通電状態にある場合、可変抵抗器72は、高アラームが非通電にされるまで、これの抵抗を変更することにより調節される可能性がある。アラーム回路16は、高アラームが非通電状態にあり、低アラームが通電状態にある安定承認状態に留まる。高アラームに対しN/C装置および低アラームに対しN/O装置を使用する場合、高と低との間の始動値が適切に調節されると、アラーム状態自体は、発振器62の振幅によってセンサ回路12を微調整するためにインジケータとして使用される可能性がある。
【0101】
一旦安定状態になると、金属ネットワーク化された部分のいずれかまたは全部の切断によって引き起こされた第2の1次巻線PW2に取り付けられた金属基盤26のインダクタンスの増加は、2次巻線SWで認識できる電圧の上昇を引き起こすことになる。これは、高アラーム回路のオプトリレー70を介して高アラーム回路65を通電し、アラームを作動させる。
【0102】
同様に、標的にされた材料の除去の前にアラームを無効にしようとするときのように、付加的な金属基盤を追加することにより引き起こされた、第2の1次巻線PW2に取り付けられた監視対象のネットワーク26のインダクタンスの減少は、2次巻線SWで検出可能な電圧の降下を引き起こすことになる。これは、低アラーム回路のオプトリレー76を介して低アラーム回路65bを非通電にして、アラームを再び作動させる。
【0103】
リモート検知ワイヤ22を取り除く、または、許可なく変更することによりアラームを回避する試みにより、インダクタンスが増加し、高アラームをオン状態にさせることになる。
【0104】
発振器62の信号周波数を「ロック」できることは、可変抵抗器72が設定されると、発振器62の振幅の調節による回路全体の「1つのつまみ」セットアップおよび制御を可能にするので有利である。しかし、発振器62によって出力された信号の振幅が代わりにロックされることもあり、周波数は、インダクタンス検知回路12を同調させるために制御される。代替的に、発振器62によって出力された発振信号の振幅および周波数は、インダクタンス検知回路12を同調させるために制御できることがある。
【0105】
上記例では、単一の変数が据え付け中に制御できることだけを必要とすることが好ましく、従って、検出装置10の製造中に、可変抵抗72と、発振信号の周波数および振幅のうちの一方とが設定される。何らかの適当なドライバ66および68が利用され得る。これらは、ソリッド・ステートでも、機械式でもよい。チップ上で複数のオプトリレーまたはソリッド・ステート・リレーが考えられることがある。プロセスが開始された時点にオンサイトで金属基盤の盗難を検出する能力は、サイトの安全を保証し、サイトをサービス状態に戻し、できる限り泥棒を逮捕する素早い対策を可能にする。装置のアラーム回路は、技術者派遣および/またはセキュリティ要員のため使用される可能性があるアラームを活性化する。その上、この装置は、聴覚、視覚および/または触覚アラーム、または、「染料爆弾」などの代替的な仕組みまたはシステムを始動するために使用され得ることが可能である。
【0106】
本検出プロセスの性質により、これを回避することは非常に困難である。
【0107】
本発明の回路は、金属基盤内部のインダクタンスを測定し、除去または許可のない変更などによって構造体の一部が乱されているときに構造体内部で生じているインダクタンスの変化を検知するという事実で従来技術とは著しく相違している。
【0108】
したがって、接地された、または、接地されていない金属導体の内部で生じている誘導変化を検出するために設計されている金属導体乱れ検出装置を提供することが可能である。装置の検知回路は、アラーム回路に接続され、それによって、何らかの乱れについてのリモートまたはオフサイト通知が中継される。本発明は、銅ケーブル配線および接地導体などの金属導体の大きい塊が、例えば、電気通信、発電および配電、鉄道輸送、および、大量の銅もしくはその他の貴重な金属を幅広く使用するその他の市場で利用される用途で使用されることが意図されている。腐食または偶発的な状況のため加えられた破損に起因する金属導体の自然劣化または乱れについて監視し、このような状況が発生したことを表すためアラームを提供するために装置を利用することも可能である。
【0109】
上記実施形態は、単なる一例として挙げられ、様々なその他の変形は、請求項によって定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく当業者にとって明白であろう。