【実施例1】
【0014】
以下、図面を参照しながら実施例1を説明する。
図1は本発明の自動ドア装置を示す図である。また、
図2はシャフト及びプーリーの要部拡大断面図である。
【0015】
図1において、本発明の自動ドア装置21は、取り付け用の自動ドア装置ベース22と、この自動ドア装置ベース22に取り付けられる駆動ユニット23と、駆動ユニット23の駆動により開閉動するドア24とを有している。
【0016】
本発明の自動ドア装置21は、従来の自動ドア装置1(
図4参照)に対し後述する外径拡大手段39を設けている点が特徴になっている。外径拡大手段39は、後述するシャフト27及びプーリー28間のガタ付きを防止して、以て異音や錆の発生や強度低下を防止することができるようになっている。
【0017】
先ず、駆動ユニット23について詳細に説明をする。そして、駆動ユニット23の説明の中で上記特徴部分もあわせて説明をする。
【0018】
駆動ユニット23は、モーター25と、このモーター25からの駆動力が伝達される減速機26とを有している。減速機26には、シャフト27が組み込まれている。シャフト27には、プーリー28が組み付けられている。プーリー28は、シャフト27により回動自在な状態に組み付けられている。このようなプーリー28から離れた位置には、アイドラープーリー29が回動自在に設けられている。プーリー28及びアイドラープーリー29には、ベルト30が巻き付けられている。ベルト30には、連結具31を介してドア24が取り付けられている。
【0019】
ベルト30は、公知のタイミングベルトが用いられている(一例であるものとする)。ベルト30は、歯付きの形状に形成されている。ベルト30における引用符号32aは帯状の部分、32bは歯の部分を示している。
【0020】
図1及び
図2において、減速機26に組み込まれたシャフト27は、ドア24の開閉の際に回動する円柱状の部材として設けられている。シャフト27は、減速機26から突出する部分がプーリー28を組み付けるためのプーリー組み付け部33として形成されている。プーリー組み付け部33の外面34には、セレーション35が多数形成されている。多数のセレーション35は、多数の山形の形状部分として形成されている。このような多数のセレーション35には、プーリー28の貫通孔36に多数形成されたセレーション37が噛み合うようになっている。
【0021】
セレーション35及び37は、公知の加工を施すことにより形成されている。セレーション35及び37は、山形の形状部分が噛み合うことから、空転することなくシャフト27の回動をプーリー28に伝達することができるようになっている。セレーション35及び37を加工することにより、プーリー組み付け部33及びプーリー28の組み付け及び固定が容易になっている。また、小形状でも十分な強度を確保することができるようになっている。さらには、分解や点検、再組み付けを容易に行うことができるようになっている。
【0022】
プーリー組み付け部33の所定位置には、公知の止め輪38が設けられている。止め輪38は、上記所定位置に組み付けられたプーリー28の脱落を防止する部分として、また、プーリー28の位置決めや受け部分として設けられている。止め輪38は、セレーション35を所定位置で円周方向に切り欠き、この切り欠き部分に嵌るように設けられている。尚、止め輪38は、後述する外径拡大手段39の作用に支障を来さない構造を有している。
【0023】
プーリー組み付け部33には、本発明の特徴部分となる外径拡大手段39が設けられている。外径拡大手段39は、シャフト27におけるプーリー組み付け部33の外径を拡大させて、プーリー組み付け部33の外面34をプーリー28の貫通孔36に押し付けることができるような手段として設けられている。
【0024】
具体的に本実施例において、外径拡大手段39は、プーリー組み付け部33におけるシャフト端面40を開口して形成される開口部41及びテーパ雌ねじ42と、この開口部41及びテーパ雌ねじ42からプーリー組み付け部33の外面34にかけて切り欠き形成、且つシャフト端面40からシャフト27の軸方向に沿って切り欠き形成される一対のスリット43と、テーパ雌ねじ42に螺合するテーパ雄ねじ44とを含んで構成されている。
【0025】
開口部41は、テーパ雄ねじ44の差し込み部分として設けられている。尚、開口部41の設定は任意であるものとする。テーパ雌ねじ42及びテーパ雄ねじ44は、螺合する雌ねじ部分及び雄ねじ部分が下方(ねじ込み方向)に窄まるテーパ状に形成されている。テーパ雄ねじ44の上面には、六角レンチ45用の六角穴46が形成されている(六角穴46に限らず、プラス溝(+溝)又はマイナス溝(−溝)であってもよいものとする)。テーパ雄ねじ44のねじ込み方向の力は、テーパ雌ねじ42との螺合により直交方向へと変換されるようになっている。
【0026】
一対のスリット43は、本実施例において同一直線上に位置するような配置になっている。また、一対のスリット43は、この幅が細くなるように切り欠き形成されている。一対のスリット43の幅に関しては、テーパ雌ねじ42及びテーパ雄ねじ44の機能を損なわず、また、シャフト27の必要強度も損なわない幅寸法が設定されている。一対のスリット43は、この底位置がテーパ雌ねじ42の最下位置よりも浅くなるように設定されている(万が一、シャフト27の軸折れが生じてもねじ部分の係合が残り、プーリー28はこの外れが防止される)。
【0027】
尚、スリット43の数は、本実施例の二つに限らず、一つや三つ、或いは四つ以上であってもよいものとする(但し、二つ以上の場合は、同じ角度で配置されるものとする)。
【0028】
次に、上記構成及び構造に基づきながら、シャフト27及びプーリー28の組み付け工程と、本発明の特徴部分となる外径拡大手段39の作用等について説明をする。組み付け工程は、例えば以下の第一工程及び第二工程を順に行うものとする。
【0029】
第一工程では、シャフト27に下側の止め輪38を設け、この状態で多数のセレーション35及び37同士が噛み合うようにシャフト27とプーリー28とを組み付ける作業を行うとともに、上側の止め輪38を組み付けてプーリー28の脱落を規制する作業を行う。
【0030】
第一工程の終了時点で必要十分な組み付け状態になっているが、本発明においては、シャフト27及びプーリー28間のガタ付きを防止することを目的として、以下の第二工程も行う。
【0031】
第二工程では、開口部41を介してテーパ雄ねじ44をテーパ雌ねじ42へとねじ込む作業を行う。以上により、シャフト27及びプーリー28の組み付け工程が完了する。
【0032】
第二工程によれば、プーリー組み付け部33に形成されたテーパ雌ねじ42に対しテーパ雄ねじ44をねじ込んでいくと、プーリー組み付け部33の一対のスリット43を境界にしてプーリー組み付け部33の外径が拡大し、これに伴ってプーリー組み付け部33の外面34はプーリー28の貫通孔36に押し付けられる。
【0033】
従って、例えばメンテナンス時などにおいてシャフト27及びプーリー28間の僅かなガタ付きを発見した場合には、本発明の外径拡大手段39によってガタ付きをなくすことができる。また、定期的にテーパ雄ねじ44のねじ込み状態を確認しておけば、シャフト27及びプーリー28間のガタ付きを防止することができる。
【0034】
プーリー28は、テーパ雄ねじ44のねじ込みを緩めてこれを取り外し、そして、この後に上側の止め輪38を外すことにより、シャフト27から抜き取ることができる。プーリー28を抜き取った後は、減速機26等の分解をすることが可能になる。
【0035】
以上、
図1及び
図2を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、シャフト27に外径拡大手段39を設けることから、シャフト27及びプーリー28間のガタ付きを防止することができるという効果を奏する。ガタ付きを防止することができれば、シャフト27及びプーリー28の一部同士の衝突及び衝突音の発生を防止することができるという効果も奏する。また、ガタ付きを防止することができれば、金属粉が出ることもなく、結果、錆の発生を防止したり強度低下を防止したりすることができるという効果も奏する。
【0036】
この他、本発明によれば、信頼性の高い自動ドア装置21を提供することができるという効果も奏する。
【実施例2】
【0037】
以下、図面を参照しながら実施例2を説明する。
図3は本発明の他の例となる自動ドア装置を示す図である。尚、上記実施例1と同一の構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0038】
図3において、本発明の自動ドア装置51は、実施例1の自動ドア装置21(
図1参照)に対し次の点のみが異なっている。すなわち、シャフト27がギヤレスダイレクトドライブモーター52に組み込まれている点のみが異なっている。実施例2は、実施例1にある減速機26(
図1参照)を設けてない構造になっている。
【0039】
実施例2の自動ドア装置51も実施例1の自動ドア装置21(
図1参照)と同様の効果を奏するのは勿論である。
【0040】
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【0041】
尚、上記説明においてはプーリー28を着脱自在に組み付けていたが、この限りでないものとする。具体的には、ガタ付きのない状態にした上でプーリー28を接着剤にて固定してもよいものとする。