特許第6061372号(P6061372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6061372電磁石形アクチュエータ及びこれを用いた平面モータ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061372
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】電磁石形アクチュエータ及びこれを用いた平面モータ
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/08 20060101AFI20170106BHJP
   H02K 41/03 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   H01F7/08 Z
   H02K41/03 Z
【請求項の数】12
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-145303(P2012-145303)
(22)【出願日】2012年6月28日
(65)【公開番号】特開2014-11235(P2014-11235A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100100011
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 省三
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 海二
【審査官】 池田 安希子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/058500(WO,A1)
【文献】 特開2009−181995(JP,A)
【文献】 特開2002−142439(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0053835(US,A1)
【文献】 特表2009−543536(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0169350(US,A1)
【文献】 特開平11−275890(JP,A)
【文献】 特開2004−112864(JP,A)
【文献】 実開平04−064986(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/08
H02K 41/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に配列された第1、第2の固定子コア、及び該第1、第2の固定子コアの間に結合され該第1の方向にほぼ直交する第2の方向に配列された少なくとも第1、第2、第3のコア歯を有する固定子と、
前記第2のコア歯の少なくとも一方側に巻回されたコイルと、
前記第1、第2、第3のコア歯上に前記第1の方向に駆動可能に設けられ、前記第2の方向に延在し交互に配列された磁性体及び非磁性体を有する可動子と
を具備する電磁石形アクチュエータ。
【請求項2】
第1の方向に配列された第1、第2の固定子コア、及び該第1、第2の固定子コアの間に結合され該第1の方向にほぼ直交する第2の方向に配列された少なくとも第1、第2、第3のコア歯を有する第1の固定子と、
前記第1の方向に配列された第3、第4の固定子コア、及び該第3、第4の固定子コアの間に結合され前記第2の方向に配列された少なくとも第4、第5、第6のコア歯を有する第2の固定子
前記第2、第4のコア歯の少なくとも一方側に巻回されたコイルと、
前記第1、第2、第3のコア歯と前記第4、第5、第6のコア歯との間に前記第1の方向に駆動可能に設けられ、前記第2の方向に延在し交互に配列された磁性体及び非磁性体を有する可動子と
を具備し、
前記各第1、第2、第3のコア歯は前記第4、第5、第6のコア歯に対向し電磁石形アクチュエータ。
【請求項3】
さらに、前記第1、第2の固定子コアに対する前記可動子の現在位置及び前記可動子の移動位置に応じて駆動電流を前記コイルに供給する制御回路を具備する請求項1又は2に記載の電磁石形アクチュエータ。
【請求項4】
前記コイルは、幅方向に平行に配列された複数の導体を第1、第2、第3のコア歯のスロットに交互に上下に巻回したものである請求項1に記載の電磁石形アクチュエータ。
【請求項5】
前記コイルは、幅方向に平行に配列された複数の導体を第1、第2、第3のコア歯のスロット及び前記第4、第5、第6のコア歯のスロットに交互に上下に巻回したものである請求項に記載の電磁石形アクチュエータ。
【請求項6】
第1の方向に配列された第1、第2の固定子コア、及び該第1、第2の固定子コアの間に結合され該第1の方向にほぼ直交する第2の方向に配列された少なくとも5つのコア歯を有する固定子と、
前記5つのコア歯の偶数番目のコア歯の少なくとも一方側に巻回された少なくとも2つのコイルと、
前記5つのコア歯上に前記第1の方向に移動可能に設けられ、前記第2の方向に延在し交互に配列された磁性体及び非磁性体を有する可動子と
を具備する電磁石形アクチュエータ。
【請求項7】
第1の方向に配列された第1、第2の固定子コア、及び該第1、第2の固定子コアの間に結合され該第1の方向にほぼ直交する第2の方向に配列された少なくとも5つの第1のコア歯を有する第1の固定子と、
前記第1の方向に配列された第3、第4の固定子コア、及び該第3、第4の固定子コアの間に結合され前記第2の方向に配列された少なくとも第2のコア歯を有する第2の固定子
前記第1のコア歯の偶数番目のコア歯及び前記第2のコア歯の偶数番目のコア歯の少なくとも一方側に巻回された少なくとも2つのコイルと、
前記第1のコア歯と前記第2のコア歯との間に前記第1の方向に移動可能に設けられ、前記第2の方向に延在し交互に配列された磁性体及び非磁性体を有する可動子と
を具備し、
前記第1の固定子の前記第1のコア歯は前記第2の固定子の前記第2のコア歯に対向し電磁石形アクチュエータ。
【請求項8】
さらに、前記第1、第2の固定子コアに対する前記可動子の現在位置及び前記可動子の移動位置に応じて駆動電流を前記コイルに供給する制御回路を具備する請求項6又は7に記載の電磁石形アクチュエータ。
【請求項9】
前記制御回路は前記可動子の現在位置に同期して駆動電流を前記2つのコイルに供給する請求項8に記載の電磁石形アクチュエータ。
【請求項10】
前記2つのコイルに供給される各駆動電流がオーバラップしている請求項9に記載の電磁石形アクチュエータ。
【請求項11】
前記駆動電流の前縁部のオーバラップした延長部分の極性と該駆動電流の非オーバラップ部分の極性とは反転している請求項10に記載の電磁石形アクチュエータ。
【請求項12】
ステージと、
該ステージの第1の方向の両端に固定された第1の可動子と、
前記ステージの前記第1の方向にほぼ直交する第2の方向の両端に固定された第2の可動子と、
前記第1の可動子に対して固定子コアとして作用する少なくとも1つの第1のリニアアクチュエータと、
前記第2の可動子に対して固定子コアとして作用する少なくとも1つの第2のリニアアクチュエータと
を具備し、
前記第1の可動子と前記第1のリニアアクチュエータ、及び前記第2の可動子と前記第2のリニアアクチュエータは請求項1〜11のいずれかに記載の電磁石形アクチュエータよりなる平面モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電磁石(EM)形アクチュエータ及びこれを用いた平面モータに関する。
【背景技術】
【0002】
永久磁石形アクチュエータに比較して、積層化が容易にできるEM形アクチュエータは高推力の点で着目されている。
【0003】
図25は従来のEM形アクチュエータを示し、(A)は全体斜視図、(B)は部分断面斜視図である(参照:特許文献1)。図25において、固定子コア101aは、X方向に配列されかつY方向に延在する複数のコア歯1011を有し、また、固定子コア101bも、X方向に配列されかつY方向に延在する複数のコア歯1012を有する。この場合、固定子コア101aの各コア歯1011は固定子コア101bの各コア歯1012に対向している。フレームコア101cは固定子コア101a、101bと共に磁路を形成するためのものである。つまり、磁束は、主に、固定子コア101a、101b及びフレームコア101cが形成する磁路を通過する。
【0004】
コイル102a、102bは固定子コア101a、101bのコア歯1011、1012に対してY方向の磁束を発生するためのものである。この場合、コイル102a、102bはフレームコア101cの固定子コア101a、101bの固定部に巻回される。この結果、上記の磁束はフレームコア101cをもY方向に沿って通過するが、固定子コア101a、101bのコア歯1011、1012内の磁束の方向と反対である。尚、コイル102a、102bの一方を省略することができ、この場合、EM形アクチュエータの小型化ができる。
【0005】
他方、可動子103は固定子コア101a、101b間にX方向に駆動可能に設けられ、X方向に交互に配列されY方向に延在する磁性体及び非磁性体を有する。この場合、可動子103の一部は上記磁路の中に存在する。尚、図25においては、非磁性体は省略してある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−181995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の図25に示す従来のEM形アクチュエータにおいては、図26図27に示すごとく可動子103の1つの磁性体を通過する磁束φは、固定子コア101aのコア歯1011→空隙→可動子103の磁性体→空隙→固定子コア101bのコア歯1012の単一方向であるので、構造上、律速則によって磁気飽和の影響を受け易い。従って、平均推力が低下するという課題がある。
【0008】
また、上述の従来のEM形アクチュエータにおいては、各コア歯1011、1012は片持構造となるので、製造が困難となり、製造コストの上昇を招くという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明に係るEM形アクチュエータは、第1の方向に配列された第1、第2の固定子コア、及び第1、第2の固定子コアの間に結合され第1の方向にほぼ直交する第2の方向に配列された少なくとも第1、第2、第3のコア歯を有する固定子と、第2のコア歯の少なくとも一方側に巻回されたコイルと、第1、第2、第3のコア歯の中央部上に第1の方向に駆動可能に設けられ、第2の方向に延在し交互に配列された磁性体及び非磁性体を有する可動子とを具備する。これにより、コイルに駆動電流が供給されると、磁束が第2のコア歯から可動子の磁性体を介して第1、第2のコア歯へ戻り、コア歯の中央部における磁気飽和が緩和される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、磁気飽和の緩和により平均推力を高めることができる。また、コア歯は両持構造を有するので、製造が容易となり、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るEM形アクチュエータの第1の実施の形態を示し、(A)は全体斜視図、(B)は平面図である。
図2図1のEM形アクチュエータの固定子の平面図である。
図3図1のEM形アクチュエータの最適形状パラメータの決定を説明するための断面図である。
図4図1のEM形アクチュエータの第1の駆動方法を説明するための3相駆動電流の波形図である。
図5図4の第1の駆動方法による推力発生を説明するための断面図である。
図6図4の第1の駆動方法による推力発生を説明するための断面図である。
図7図4の第1の駆動方法による推力発生を説明するための断面図である。
図8図4の第1の駆動方法によって得られる推力波形図である。
図9図1のEM形アクチュエータの第2の駆動方法を説明するための3相駆動電流の波形図である。
図10図9の第2の駆動方法による推力発生を説明するための断面図である。
図11図9の第2の駆動方法による推力発生を説明するための断面図である。
図12図9の第2の駆動方法による推力発生を説明するための断面図である。
図13図9の第2の駆動方法によって得られる推力波形図である。
図14図1のEM形アクチュエータの第3の駆動方法を説明するための3相駆動電流の波形図である。
図15図14の第3の駆動方法による推力発生を説明するための断面図である。
図16図14の第3の駆動方法による推力発生を説明するための断面図である。
図17図14の第3の駆動方法による推力発生を説明するための断面図である。
図18図14の第3の駆動方法によって得られる推力波形図である。
図19図1のEM形アクチュエータのコイルの巻回方法を説明するための断面図である。
図20】本発明に係るEM形アクチュエータの第2の実施の形態を示す全体斜視図である。
図21図20のEM形アクチュエータの他の固定子の平面図である。
図22図20のEM形アクチュエータの垂直推力の相殺を説明するための断面図である。
図23】本発明に係るEM形アクチュエータの第3の実施の形態を示す全体斜視図である。
図24】本発明に係る平面モータを示す図である。
図25】従来のEM形アクチュエータを示し、(A)は全体斜視図、(B)は部分断面斜視図である。
図26図25のEM形アクチュエータの課題を説明するための図である。
図27図25のEM形アクチュエータの課題を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本発明に係るEM形アクチュエータの第1の実施の形態を示し、(A)は全体斜視図、(B)は平面図である。尚、図1のEM形アクチュエータは三相型であって可動子が1つの構造である。
【0013】
図1において、固定子1は、X方向に延在する2つの固定子コア11、12と、2つの固定子コア11、12間に設けられ、X方向に配列されかつY方向に延在するコア歯13−1〜13−13とから構成されている。この場合、コア歯13−1、13−2、…、13−13は両持構造を有する。
【0014】
また、コア歯13−2、13−4、…、13−12には、これらの両側にコイル2a−1、2a−2、2a−3、2a−4、2a−5、2a−6;2b−1、2b−2、2b−3、2b−4、2b−5、2b−6が巻回されている。ここで、コイル2a−1、2a−4、2b−1、2b−4はA相用であって、駆動電流IAが供給され、コイル2a−2、2a−5、2b−2、2b−5はB相用であって、駆動電流IBが供給され、コイル2a−3、2a−6、2b−3、2b−6はC相用であって、駆動電流ICが供給されている。
【0015】
他方、可動子3は固定子1のコア歯13−1、13−2、…、13−13の中央上にX方向に駆動可能に設けられ、X方向に交互に配列された磁性体31及び非磁性体(スペーサ)32を有する。また、可動子3はY方向にも移動容易であり、従って、図1のEM形アクチュエータは平面モータに適用しうる。尚、図1の(A)においては、非磁性体32の図示は省略してある。
【0016】
制御回路4たとえばマイクロコンピュータは、固定子1に対する可動子3の相対位置(以下、可動子現在位置とする)x及び可動子3の移動位置(以下、可動子移動位置)xaを受取り、可動子現在位置x及び可動子移動位置xaに応じて駆動電流IA、IB、ICをコイル2a−1、2a−2、2a−3、2a−4、2a−5、2a−6;2b−1、2b−2、2b−3、2b−4、2b−5、2b−6に供給して可動子現在位置xが可動子移動位置xaとなるようにフィードバック制御する。たとえば、xa<xのときには、可動子3はX方向のマイナス側、つまり、図1の上方向に移動し、xa>xのときには、可動子3はX方向のプラス側、つまり、図1の下方向に移動する。尚、可動子現在位置xは可動子3の磁性体31の位相を検出する位置検出センサ(図示せず)から得られる。
【0017】
たとえば、A相コイル駆動電流IAをコイル2a−1、2a−4、2b−1、2b−4に供給すると、図1の固定子1のみを示す図2に示すように、固定子1の固定子コア11、12の間のコア歯13−1、13−2、13−3及びコア歯13−7、13−8、13−9において、磁束φAは、コア歯13−2、13−8の両端から流れ、コア歯13−2、13−8の中央部上の図2に図示しない可動子3の磁性体31を介して折返し、コア歯13−1、13−3及び13−7、13−9に戻る。この結果、コア歯13−1、13−2、13−3及び13−7、13−8、13−9の中央部における磁気飽和が緩和される。
【0018】
図3図1のEM形アクチュエータの最適形状パラメータの一例を決定するための断面図である。前提として、磁気回路等の磁気特性を考慮して、固定子1のコア歯13−1、13−2、…、13−13の歯幅tc及びコア歯間のスロット幅tsは、
tc = 1.2mm
ts = 0.8mm
とし、従って、コア歯13−1、13−2、…、13−13のコア歯ピッチPicは、
Pic = tc+ ts = 2.0mm
とする。この場合、3相分の全長Lは、
L = Pic・6
= 12mm
となる。他方、可動子3の磁性体31の幅をtm、非磁性体32の幅をtmsとすれば、可動子3の磁性体31のピッチ(以下、可動子ピッチ)Pimは、
Pim = tm+ tms
となる。この場合、tm=1.2mmとし、固定子1のスロット幅tsより大きくすることにより、固定子1のコア歯13−1、13−2、…、13−13から磁束が可動子3の磁性体31へ流れ易くする。
【0019】
上述の前提条件の基で可動子3の非磁性体32の幅tmsを決定する。永久磁石を用いていない場合、固定子と可動子との間には吸引力しか作用しないので、可動子3の磁性体31のピッチPimは固定子1のコア歯ピッチPicより大きくしなければならない。つまり、
Pim > Pic = 2.0mm
である。この条件の基で、Pimの整数倍が3相分の全長L=12mmを満足するのは、Pim=12/5=2.4mm、Pim=12/4=3mm、Pim=12/3=4mm、Pim=12/2=6mmであるが、Pim=3mm、4mm、6mmでは、連続的な推力が得られないので、Pim=2.4mmとする。この結果、
tms = 1.2mm
とする。
【0020】
次に、図1のEM形アクチュエータの第1の駆動方法を図4図5図6図7図8を参照して説明する。尚、図4は3相駆動電流IA、IB、ICの波形図、図5図6図7は推力発生を説明するための断面図、図8は推力波形図である。
【0021】
始めに、図4のx=0mmにおいて、コイル2a−3の正の駆動電流ICからコイル2a−1の正の駆動電流IAに切換る前の図5の(A)の状態では、正の駆動電流ICがコイル2a−3に供給されている。この場合、磁束φC1、φC2がコア歯13−6から磁性体31−5、31−6を介してコア歯13−5、13−7に流れる。しかし、コア歯13−6が可動子3の磁性体31−5、31−6の中間位置に位置し、この結果、可動子3の磁性体31−5、31−6の平行吸引力は固定子1のコア歯13−6に対して反対方向に釣り合っている。従って、これらの合成力である平行推力はほぼ零となる。このとき、磁気抵抗が最小となるので、磁束φC1、φC2は大きくなり、この結果、垂直推力は増加傾向にある。
【0022】
次に、図4のx=0mmにおいて、コイル2a−3の正の駆動電流ICからコイル2a−1の正の駆動電流IAに切換った後の図5の(B)の状態では、正の駆動電流IAがコイル2a−1に供給される。この結果、コア歯13−2から磁性体31−2を介してコア歯13−1へ磁束φA1が増加し始め、従って、可動子3の磁性体31−2の平行吸引力によって平行推力TPが増加し始め、可動子3は左方向へ移動する。このとき、磁束φA2もコア歯13−2からもコア歯13−3へ流れるが、コア歯13−2とコア歯13−3とのエアギャップが大きいので、この磁束φA2は小さい。また、固定子1のコア歯13−2への垂直吸引力によって磁性体31の垂直推力TVも増加し始める。
【0023】
可動子3が左方向に移動すると、図4のx=0.4mmにおいて、図6の(A)の状態となる。すなわち、可動子3の磁性体31−2の先端がコア歯13−1の端部にオーバラップする。従って、コア歯13−2から磁性体31−2を介してコア歯13−1へ流れる磁束φA1が急激に増加する。また、同様に、コア歯13−2から磁性体31−3を介してコア歯13−2へ流れる磁束φA2も増加する。この結果、可動子3の磁性体31−2、31−3の平行吸引力によって平行推力TPが急激に増加する。このとき、磁性体31−2、31−3の固定子1のコア歯13−2、13−3への垂直吸引力によって垂直推力TVも急激に増加する。
【0024】
可動子3がさらに左方向に移動すると、図4のx=0.6mmにおいて、図6の(B)の状態となる。すなわち、可動子3の磁性体31−2がコア歯13−1、13−2に跨り、また、可動子3の磁性体31−3の先端はコア歯13−2に到達していないので、可動子3の磁性体31−2、31−3の平行吸引力による平行推力TPは低下する。他方、磁性体31−2、31−3の固定子1のコア歯13−1、13−2、13−3への垂直吸引力によって垂直推力TVはさらに増加する。
【0025】
最後に、図4のx=0.8mmになると、コイル2a−1の正の駆動電流IAからコイル2a−2の正の駆動電流IBに切換る前の図7の状態では、コア歯13−2が可動子3の磁性体31−2、31−3の中間位置に位置し、この結果、可動子3の磁性体31−2、31−3の平行吸引力は固定子1のコア歯13−2に対して反対方向に釣り合っているので、これらの合成力である平行推力TPはほぼ零となる。このとき、磁気抵抗が最小となるので、磁束φA1、φA2は大きくなり、この結果、垂直推力は増加傾向にある。
【0026】
以後、図4のx=0.8mmにおいて、コイル2a−1の正の駆動電流IAからコイル2a−2の正の駆動電流IBに切換り、上述と同様の駆動が繰返されることになる。
【0027】
このようにして、第1の駆動方法によれば、図8に示すような平行推力TP及び垂直推力TVが得られる。尚、垂直推力TVが大きいと、摩擦力が増加して発生推力を実質的に低下させるので、垂直推力TVは小さい方がよい。
【0028】
次に、図1のEM形アクチュエータの第2の駆動方法を図9図10図11図12図13を参照して説明する。尚、図9は3相駆動電流IA、IB、ICの波形図、図10図11図12は推力発生を説明するための断面図、図13は推力波形図である。
【0029】
始めに、図9のx=0mmにおいて、コイル2a−3の正の駆動電流ICが終了する前の図10の(A)の状態では、正の駆動電流IAが既にコイル2a−1に供給されている。つまり、駆動電流IAのリーディング部分が駆動電流ICにオーバラップしている。この結果、コア歯13−2から磁性体31−2を介してコア歯13−1へ磁束φA1が増加しており、従って、可動子3の磁性体31−2の平行吸引力によって平行推力TPが増加しており、可動子3は左方向へ移動する。このとき、磁束φA2もコア歯13−2からも磁性体31−3を介してコア歯13−3へ流れるが、コア歯13−2と磁性体31−3とのエアギャップが大きいので、この磁束φA2は小さい。また、固定子1のコア歯13−2への垂直吸引力によって磁性体31の垂直推力TVも増加している。他方、正の駆動電流ICがコイル2a−3に供給されているが、可動子3の磁性体31−5、31−6の平行吸引力は固定子1のコア歯13−6に対して反対方向に釣り合っているので、これに伴う平行推力はほぼ零となる。このとき、磁気抵抗が最小となるので、磁束φC1、φC2は大きくなり、この結果、垂直推力は増加傾向にある。
【0030】
次に、図9のx=0mmにおいて、コイル2a−3の正の駆動電流ICが終了し、図5の(B)と同一の図10の(B)の状態となる。
【0031】
可動子3が左方向に移動すると、図9のx=0.4mmにおいて、図6の(A)と同一の図11の(A)の状態となる。すなわち、可動子3の磁性体31−2の先端がコア歯13−1の端部にオーバラップする。従って、コア歯13−2から磁性体31−2を介してコア歯13−1へ流れる磁束φA1が急激に増加する。また、同様に、コア歯13−2から磁性体31−3を介してコア歯13−2へ流れる磁束φA2も増加する。この結果、可動子3の磁性体31−2、31−3の平行吸引力によって平行推力TPが急激に増加する。このとき、磁性体31−2、31−3の固定子1のコア歯13−2、13−3への垂直吸引力によって垂直推力TVも急激に増加する。
【0032】
可動子3がさらに左方向に移動すると、図9のx=0.6mmにおいて、図11の(B)の状態となる。すなわち、可動子3の磁性体31−2がコア歯13−1、13−2に跨り、また、可動子3の磁性体31−3の先端はコア歯13−2に到達していないので、可動子3の磁性体31−2、31−3の平行吸引力は低下する。また、同時に、正の駆動電流IBがコイル2a−2に供給し始める。つまり、駆動電流IBの前縁部の延長部分が駆動電流IAにオーバラップしている。この結果、コア歯13−4から磁性体31−4を介してコア歯13−3への磁束φB1が増加し始める。従って、可動子3の磁性体31−4の平行吸引力によって平行推力が増加し始める。このように、可動子3の磁性体31−2、31−3、31−4の平行吸引力によって平行推力TPの低下は小さくなる。他方、可動子3の磁性体31−2、31−3の垂直吸引力に可動子3の磁性体31−4の垂直吸引力が加わり、この結果、垂直推力TVはさらに増加する。
【0033】
最後に、図9のx=0.8mmになると、コイル2a−1の正の駆動電流IAが終了する前の図12の状態では、コア歯13−2が可動子3の磁性体31−2、31−3の中間位置に位置し、この結果、可動子3の磁性体31−2、31−3の平行吸引力は固定子1のコア歯13−2に対して反対方向に釣り合っているので、これらの合成力である平行推力はほぼ零となる。このとき、磁気抵抗が最小となるので、磁束φA1、φA2は大きくなり、この結果、垂直推力は増加傾向にある。
【0034】
以後、図9のx=0.8mmにおいて、コイル2a−2の正の駆動電流IBのみの制御となり、上述と同様の駆動が繰返されることになる。
【0035】
このようにして、第2の駆動方法によれば、図13に示すような平行推力TP及び垂直推力TVが得られる。図13に示すように、図9の第2の駆動方法によれば、図4の第1の駆動方法に比較して、平行推力TPが大きくなるも、垂直推力TVが大きくなる。
【0036】
次に、図1のEM形アクチュエータの第3の駆動方法を図14図15図16図17図18を参照して説明する。尚、図14は3相駆動電流IA、IB、ICの波形図、図15図16図17は推力発生を説明するための断面図、図18は推力波形図である。
【0037】
始めに、図14のx=0mmにおいて、コイル2a−3の正の駆動電流ICが終了する前の図15の(A)の状態では、負の駆動電流IAが既にコイル2a−1に供給されている。つまり、駆動電流IAのリーディング部分が正の駆動電流ICにオーバラップしており、この部分の極性は非リーディング部分の極性と反対である。この結果、コア歯13−1から磁性体31−2を介してコア歯13−2へ磁束φA1’が増加しており、従って、可動子3の磁性体31−2の平行吸引力によって平行推力TPが増加しており、可動子3は左方向へ移動する。このとき、磁束φA2’もコア歯13−3からもコア歯13−2へ流れるが、コア歯13−2とコア歯13−3とのエアギャップが大きいので、この磁束φA2’は小さい。また、固定子1のコア歯13−2への垂直吸引力によって磁性体31の垂直推力TVも増加している。他方、正の駆動電流ICがコイル2a−3に供給されているが、可動子3の磁性体31−5、31−6の平行吸引力は固定子1のコア歯13−6に対して反対方向に釣り合っているので、これに伴う平行推力はほぼ零となる。このとき、磁気抵抗が最小となるので、磁束φC1、φC2は大きくなり、この結果、垂直推力は増加傾向にある。
【0038】
次に、図14のx=0mmにおいて、コイル2a−3の正の駆動電流ICが終了し、図15の(B)の状態となる。すなわち、負の駆動電流IAから正の駆動電流IAに切換る。このとき、駆動電流IAの絶対値は変化しないものとすれば、平行吸引力はほとんど変化せず、従って、平行推力TPはほとんど変化しないが、駆動電流IAの極性変化により以後の垂直吸引力に影響して垂直吸引力は小さくなり、垂直推力TVは小さくなる傾向になる。
【0039】
可動子3が左方向に移動すると、図14のx=0.4mmにおいて、図11の(A)と同一の図16の(A)の状態となる。すなわち、可動子3の磁性体31−2の先端がコア歯13−1の端部にオーバラップする。従って、コア歯13−2から磁性体31−2を介してコア歯13−1へ流れる磁束φA1が急激に増加する。また、同様に、コア歯13−2から磁性体31−3を介してコア歯13−2へ流れる磁束φA2も増加する。この結果、可動子3の磁性体31−2、31−3の平行吸引力によって平行推力TPが急激に増加する。このとき、磁性体31−2、31−3の固定子1のコア歯13−2、13−3への垂直吸引力によって垂直推力TVも急激に増加する。
【0040】
可動子3がさらに左方向に移動すると、図14のx=0.6mmにおいて、図16の(B)の状態となる。すなわち、可動子3の磁性体31−2がコア歯13−1、13−2に跨り、また、可動子3の磁性体31−3の先端はコア歯13−2に到達していないので、可動子3の磁性体31−2、31−3の平行吸引力は低下する。また、同時に、負の駆動電流IBがコイル2a−2に供給し始める。つまり、駆動電流IBのリーディング部分が駆動電流IAにオーバラップしており、この部分の極性は非リーディング部分の極性と反対である。この結果、コア歯13−3から磁性体31−4を介してコア歯13−4への磁束φC1’が増加し始める。従って、可動子3の磁性体31−4の平行吸引力によって平行推力が増加し始める。このように、可動子3の磁性体31−2、31−3、31−4の平行吸引力によって平行推力TPの低下は小さくなる。他方、可動子3の磁性体31−2、31−3の垂直吸引力に可動子3の磁性体31−4の垂直吸引力が加わり、この結果、垂直推力TVはさらに増加するが、上述のごとく、駆動電流IAの極性変化により第2の駆動方法の場合に比較して小さくなる。
【0041】
最後に、図14のx=0.8mmになると、コイル2a−1の正の駆動電流IAが終了する前の図17の状態では、コア歯13−2が可動子3の磁性体31−2、31−3の中間位置に位置し、この結果、可動子3の磁性体31−2、31−3の平行吸引力は固定子1のコア歯13−2に対して反対方向に釣り合っているので、これらの合成力である平行推力TPはほぼ零となる。このとき、磁気抵抗が最小となるので、磁束φA1、φA2は大きくなり、この結果、垂直推力は増加傾向にある。しかし、コイル2a−2の負の駆動電流IBによる磁性体31−4の吸引力による平行吸引力による平行推力TPが存在する。
【0042】
以後、図14のx=0.8mmにおいて、コイル2a−2の正の駆動電流IBのみの制御となり、上述と同様の駆動が繰返されることになる。
【0043】
このようにして、第3の駆動方法によれば、図18に示すような平行推力TP及び垂直推力TVが得られる。図18に示すように、図14の第3の駆動方法によれば、図4の第1の駆動方法に比較して、平行推力TPが大きくなると共に、図9の第2の駆動方法に比較して、垂直推力TVも小さくなる。従って、第3の駆動方法は第1、第2の駆動方法より優れていることが分かる。
【0044】
図19図1のEM形アクチュエータのコイル2a−1、2a−2、…、2a−6、2b−1、2b−2、…、2b−6の巻回方法を説明するための断面図である。
【0045】
図19の(A)に示すごとく、導体19−1、19−2、…、19−6を各コア歯13−2、13−4、…、13−12に巻回することによりコイル2a−1、2a−2、…、2a−6(2b−1、2b−2、…、2b−6)を形成する。
【0046】
あるいは、図19の(B)に示すごとく、幅方向に平行に配列された複数の導体19をコア歯13−2、13−4、…、13−12のスロットに交互に上下に編むように巻回することによりコイル2a−1、2a−2、…、2a−6(2b−1、2b−2、…、2b−6)を形成する。これにより、図19の(A)の場合に比較してコイルの巻回作業の時間及び労力を軽減できる。
【0047】
図20は本発明に係るEM形アクチュエータの第2の実施の形態を示す全体斜視図である。
【0048】
図20においては、固定子2層構造を採用している。すなわち、図1の固定子1と同一構造を有する固定子1aを固定子1に所定エアギャップで重ねてある。
【0049】
図21に示すごとく、固定子1aは、X方向に延在する2つの固定子コア11a、12aと、2つの固定子コア11a、12a間に設けられ、X方向に配列されかつY方向に延在するコア歯13a−1〜13a−13とから構成されている。この場合も、コア歯13a−1〜13a−13は両持構造を有する。
【0050】
また、図20に戻ると、コア歯13−2及び13a−2、13−4及び13a−4、…、13−12及び13a−12には、これらの両側にコイル2a−1、2a−2、2a−3、2a−4、2a−5、2a−6;2b−1、2b−2、2b−3、2b−4、2b−5、2b−6が巻回されている。
【0051】
他方、可動子3は固定子1aのコア歯13−1、13−2、…、13−13と固定子1aのコア歯13a−1、13a−2、…、13a−13の間にあってこれらのコア歯の中央をX方向に駆動可能に設けられ、X方向に交互に配列された磁性体31及び非磁性体(スペーサ)32を有する。また、可動子3はY方向にも移動容易であり、従って、図20のEM形アクチュエータは平面モータに適用しうる。尚、図20においても、非磁性体32の図示は省略してある。
【0052】
図21においても、たとえば、A相コイル駆動電流IAをコイル2a−1、2a−4、2b−1、2b−4に供給すると、固定子1aの固定子コア11a、12aの間のコア歯13a−1、13a−2、13a−3及びコア歯13a−7、13a−8、13a−9において、磁束φAaは、コア歯13a−2、13a−8の両端から流れ、コア歯13a−2、13a−8の中央下の図21に図示しない可動子3の磁性体31を介して折返し、コア歯13a−1、13a−3及び13a−7、13a−9に戻る。この結果、コア歯13a−1、13a−2、13a−3及び13a−7、13a−8、13a−9の中央部における磁気飽和が緩和される。
【0053】
図20のEM形アクチュエータの動作は図1のEM形アクチュエータの動作と同一であるが、図1のEM形アクチュエータに比較して垂直推力の相殺効果があり、従って、摩擦力が減少して発生推力を実質的に増加できる。
【0054】
すなわち、図20のEM形アクチュエータに駆動電流IAを供給すると、図22の(A)に示すごとく、コア歯13−2から磁性体31−2を介してコア歯13−1への磁束φA1により垂直推力TV1が磁性体31−2に発生し、また、コア歯13a−2から磁性体31−2を介してコア歯13−1への磁束φA1aにより垂直推力TV1aが磁性体31−2に発生する。この場合、垂直推力TV1と垂直推力TV1aとは反対方向であるので、これらの合成力はほぼ零となる。つまり、垂直推力TV1、TV1aは相殺される。同様に、コア歯13−2から磁性体31−3を介してコア歯13−3への磁束φA2により垂直推力TV2が磁性体31−3に発生し、また、コア歯13a−2から磁性体31−3を介してコア歯13−3への磁束φA2aにより垂直推力TV2aが磁性体31−3に発生する。この場合、垂直推力TV2と垂直推力TV2aとは反対方向であるので、これらの合成力はほぼ零となる。つまり、垂直推力TV2、TV2aは相殺される。
【0055】
参考として図1のEM形アクチュエータに駆動電流IAを供給すると、図22の(B)に示すごとく、コア歯13−2から磁性体31−2を介してコア歯13−1への磁束φA1により垂直推力TV1が磁性体31−2に発生する。この場合、垂直推力TV1は相殺されない。同様に、コア歯13−2から磁性体31−3を介してコア歯13−2への磁束φA1により垂直推力TV2が磁性体31−2に発生する。この場合、垂直推力TV2は相殺されない。
【0056】
尚、図20のEM形アクチュエータのコイル2a−1、2a−2、…、2a−6、2b−1、2b−2、…、2b−6の巻回方法は図19に示す方法と同一である。
【0057】
図23は本発明に係るEM形アクチュエータの第3の実施の形態を示す全体斜視図である。
【0058】
図23においては、m個(m≧3)の固定子1を設け、m個の固定子1の1個置きのコア歯の両側に共通にコイル2a、2bが巻回されている。(m-1)個の可動子3がm個の固定子1の間にあって、固定子1のコア歯の中央にX方向に駆動可能に設けられている。制御回路4は可動子現在位置x及び可動子移動位置xaに応じて駆動電流IA、IB、ICをコイル2a、2bに供給する。図23のEM形アクチュエータの動作は図1図20のEM形アクチュエータの動作と同一である。
【0059】
尚、図23のEM形アクチュエータのコイル2a−1、2a−2、…、2a−6、2b−1、2b−2、…、2b−6の巻回方法は図19に示す方法と同一である。
【0060】
図24図1図20図23のEM形アクチュエータをリニアアクチュエータとして用いた平面モータを示す平面図である。
【0061】
図24に示すように、平面モータは、エンコーダスケール51aを備えたステージ51、ステージ51のX方向の両端に固定された可動子51X、ステージ51のY方向の両端に固定された可動子51Y、可動子51Xに対して固定子として作用する少なくとも1つのリニアアクチュエータ53X、可動子51Yに対して固定子として作用する少なくとも1つのリニアアクチュエータ53Yを備えている。ここで、可動子52X(52Y)とリニアアクチュエータ53X(53Y)とは組合されて図1図20図23のEM形アクチュエータを構成する。
【0062】
たとえば、図24の(A)に示すごとく、2つのリニアアクチュエータ53YによってY方向のプラス側つまり右方向に推力Tが可動子52Yに発生すると、図24の(B)に示すごとく、リニアアクチュエータ53Xと共に、ステージ51が右方向へ移動する。このようにして、ステージ51はXY面上を移動できる。
【0063】
尚、上述の実施の形態においては、EM形アクチュエータは3相であるが、本発明は3相以外の2相もしくは4相以上のEM形アクチュエータに適用し得る。従って、コア歯の数は少なくとも5であり、コイルは偶数番目のコア歯に設けられる。
【0064】
また、上述の実施の形態においては、コア歯13−2、13−4、…、13−12、13a−2、13a−4、…、13a−12の両側にコイル2a−1、2a−2、…、2a−6、2b−1、2b−2、…、2b−6を設けているが、少なくとも一方側のコイルたとえば2a−1、2a−2、…、2a−6のみを設ければよい。
【0065】
さらに、上述の実施の形態においては、可動子はコア歯の中央部に設けているが、コア歯の任意の部分たとえば端部に設けてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1、1a:固定子
11、12、11a、11b:固定子コア
13−1、13−2、…、13−13、13a−1、13a−2、…、13a−13:コア歯
2a−1、2a−2、…、2a−6、2b−1、2b−2、…、2b−6:コイル
3:可動子
31:磁性体
32:非磁性体
4:制御回路
51:ステージ
52X、52Y:可動子
53X、53Y:リニアアクチュエータ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図25
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図23