(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の端子を有する金属材料と樹脂材料とが一体となるようにインサート成形されたハウジングと、前記ハウジングを覆う金属製のシェルと、を有するカード用コネクタであって、
前記ハウジングは、前記シェルによって覆われる表面側に前記複数の端子が設けられ、前記ハウジングの対向する端辺からそれぞれ立設された前記金属材料からなる第1立設面及び第2立設面を有し、前記ハウジングの表面側は露出された前記金属材料よりも前記樹脂材料の割合が多くなるように形成されていると共に、前記ハウジングの裏面側は露出された前記金属材料よりも前記樹脂材料の割合が少なくなるように形成され、
前記シェルは、前記ハウジングを覆う天井部と、前記天井部の対向する端辺からそれぞれ垂下された第1側面及び第2側面とを有し、
前記ハウジングの前記第1立設面及び第2立設面には、少なくとも1つのハウジング係合部と、少なくとも1つの押圧部とがそれぞれ形成され、
前記シェルの前記第1側面及び前記第2側面には、前記ハウジング係合部と係合されるシェル係合部と、前記押圧部が前記ハウジングの内側から押圧される内側押圧片とがそれぞれ形成されていることを特徴とするカード用コネクタ。
複数の端子を有する金属材料と樹脂材料とが一体となるようにインサート成形されたハウジングと、前記ハウジングを覆う金属製のシェルと、を有するカード用コネクタであって、
前記ハウジングは、前記シェルによって覆われる表面側に前記複数の端子が設けられ、前記ハウジングの対向する端辺からそれぞれ立設された前記金属材料からなる第1立設面及び第2立設面を有し、前記ハウジングの表面側は露出された前記金属材料よりも前記樹脂材料の割合が少なくなるように形成されていると共に、前記ハウジングの裏面側は露出された前記金属材料よりも前記樹脂材料の割合が多くなるように形成され、
前記シェルは、前記ハウジングが覆われる天井部と、前記天井部の対向する端辺からそれぞれ垂下された第1側面及び第2側面とを有し、
前記ハウジングの前記第1立設面及び第2立設面には、少なくとも1つのハウジング係合部と、少なくとも1つの押圧部とがそれぞれ形成され、
前記シェルの前記第1側面及び前記第2側面には、前記ハウジング係合部と係合されるシェル係合部と、前記押圧部がハウジングの外側から押圧される外側押圧片とがそれぞれ形成されていることを特徴とするカード用コネクタ。
複数の端子を有する金属材料と樹脂材料とが一体となるようにインサート成形されたハウジングと、前記ハウジングを覆う金属製のシェルと、を有するカード用コネクタであって、
前記ハウジングは、前記シェルによって覆われる表面側に前記複数の端子が設けられ、前記ハウジングの対向する端辺からそれぞれ立設された前記金属材料からなる第1立設面及び第2立設面を有し、前記ハウジングの表面側は露出される前記金属材料と前記樹脂材料とが異なる割合となるように形成されていると共に、前記ハウジングの裏面側は露出される前記金属材料と前記樹脂材料とが前記表面側とは反対の割合となるように形成され、
前記シェルは、前記ハウジングが覆われる天井部と、前記天井部の対向する端辺からそれぞれ垂下された第1側面及び第2側面とを有し、
前記ハウジングの前記第1立設面及び第2立設面には、少なくとも1つのハウジング係合部と、少なくとも1つの挟持部とがそれぞれ形成され、
前記シェルの前記第1側面及び前記第2側面には、前記ハウジング係合部と係合されるシェル係合部と、前記挟持部がハウジングの内側及び外側から押圧される挟持片とがそれぞれ形成されていることを特徴とするカード用コネクタ。
前記挟持片は、前記挟持部が前記ハウジングの内側から押圧される少なくとも1つの第1押圧片と、前記挟持部が前記ハウジングの外側から押圧される少なくとも1つの第2押圧片と、を有していることを特徴とする請求項3に記載のカード用コネクタ。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯端末機器や、ノートパソコン等の電子機器では、SIMカードやSDカード等(以下、カード部材という。)が接続されるカード用コネクタが搭載されている。近年、電子機器等は、小型化、低背化及び軽量化が進んでおり、使用されるカード部材も小型化されるようになっている。そして、カード部材の小型化に伴い、これらが装着されるカード用コネクタも小型化、低背化及び軽量化が進んでいる。
【0003】
カード用コネクタの薄型化等を図るために、ハウジングを薄く形成する必要がある。ハウジングは、一般的に、端子が形成されると共にハウジングのベースとなる金属材料の部分と、この金属材料の一部が覆われるようにインサート成形で形成される樹脂材料の部分とがある。そして、ハウジングを薄く形成するために、金属材料を樹脂材料で覆う部分を最小限とする、片側金属露出の構造がとられている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、ハウジングを薄く形成することができるカード用コネクタ装置の発明が開示されている。下記特許文献1に開示されたカード用コネクタ装置の発明では、複数の端子部材が並設される樹脂性のハウジングを備えると共に、上記ハウジングの回路基板に実装される側である裏面に補強用の金属薄板を露出させてハウジングと一体に設け、上記金属薄板で上記ハウジングの裏面の一部を形成し、上記金属薄板をインサート成形により上記ハウジングに一体に設けたとしている。このような構成とすることで、下記特許文献1に開示されたカード用コネクタ装置の発明によれば、この金属薄板によって剛性、すなわち所望の強度を確保でき、ハウジングを薄く形成することができると共に、ハウジングの裏面に金属薄板を簡単に設けることができるとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、近年、カード用コネクタを基板に実装する際に、リフローが用いられる場合が多くなっている。リフローにより、カード用コネクタを基板に実装を行なう際には、基板と共にカード用コネクタ自体も加熱されることで半田付けがされる。このとき、カード用コネクタを構成するハウジングの樹脂材料も加熱されるが、樹脂材料が加熱された後、再び固まる際に、樹脂材料が収縮を起すようになる。
【0007】
そして、上記特許文献1に開示されたカード用コネクタ装置の発明のように、ハウジングの裏面に金属薄板を露出させた構造とすると、ハウジングの表面と裏面とで樹脂材料の露出する割合が異なるようになる。このように形成されたハウジングにおいて、裏面と表面とで露出する樹脂材料の割合が異なると、樹脂材料が固まる際の収縮により、ハウジングの樹脂材料の露出した割合が多い側が縮み、反りが発生するという課題がある。
【0008】
本発明は、このような従来技術が抱える課題を解決するためになされたもので、カード用コネクタを電子機器等の基板に実装する際のリフロー時の反り等の変形を抑制したハウジングを備えたカード用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様のカード用コネクタは、複数の端子を有する金属材料と樹脂材料とが一体となるようにインサート成形されたハウジングと、前記ハウジングを覆う金属製のシェルと、を有するカード用コネクタであって、
前記ハウジングは、前記シェルによって覆われる表面側に前記複数の端子が設けられ、前記ハウジングの対向する端辺からそれぞれ立設された前記金属材料からなる第1立設面及び第2立設面を有し、前記ハウジングの表面側は露出された前記金属材料よりも前記樹脂材料の割合が多くなるように形成されていると共に、前記ハウジングの裏面側は露出された前記金属材料よりも前記樹脂材料の割合が少なくなるように形成され、
前記シェルは、前記ハウジングを覆う天井部と、前記天井部の対向する端辺からそれぞれ垂下された第1側面及び第2側面とを有し、
前記ハウジングの前記第1立設面及び第2立設面には、少なくとも1つのハウジング係合部と、少なくとも1つの押圧部とがそれぞれ形成され、
前記シェルの前記第1側面及び前記第2側面には、前記ハウジング係合部と係合されるシェル係合部と、前記押圧部が前記ハウジングの内側から押圧される内側押圧片とがそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0010】
第2の態様のカード用コネクタは、複数の端子を有する金属材料と樹脂材料とが一体となるようにインサート成形されたハウジングと、前記ハウジングを覆う金属製のシェルと、を有するカード用コネクタであって、
前記ハウジングは、前記シェルによって覆われる表面側に前記複数の端子が設けられ、前記ハウジングの対向する端辺からそれぞれ立設された前記金属材料からなる第1立設面及び第2立設面を有し、前記ハウジングの表面側は露出された前記金属材料よりも前記樹脂材料の割合が少なくなるように形成されていると共に、前記ハウジングの裏面側は露出された前記金属材料よりも前記樹脂材料の割合が多くなるように形成され、
前記シェルは、前記ハウジングが覆われる天井部と、前記天井部の対向する端辺からそれぞれ垂下された第1側面及び第2側面とを有し、
前記ハウジングの前記第1立設面及び第2立設面には、少なくとも1つのハウジング係合部と、少なくとも1つの押圧部とがそれぞれ形成され、
前記シェルの前記第1側面及び前記第2側面には、前記ハウジング係合部と係合されるシェル係合部と、前記押圧部がハウジングの外側から押圧される外側押圧片とがそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0011】
第3の態様のカード用コネクタは、複数の端子を有する金属材料と樹脂材料とが一体となるようにインサート成形されたハウジングと、前記ハウジングを覆う金属製のシェルと、を有するカード用コネクタであって、
前記ハウジングは、前記シェルによって覆われる表面側に前記複数の端子が設けられ、前記ハウジングの対向する端辺からそれぞれ立設された前記金属材料からなる第1立設面及び第2立設面を有し、前記ハウジングの表面側は露出される前記金属材料と前記樹脂材料とが異なる割合となるように形成されていると共に、前記ハウジングの裏面側は露出される前記金属材料と前記樹脂材料とが前記表面側とは反対の割合となるように形成され、
前記シェルは、前記ハウジングが覆われる天井部と、前記天井部の対向する端辺からそれぞれ垂下された第1側面及び第2側面とを有し、
前記ハウジングの前記第1立設面及び第2立設面には、少なくとも1つのハウジング係合部と、少なくとも1つの挟持部とがそれぞれ形成され、
前記シェルの前記第1側面及び前記第2側面には、前記ハウジング係合部と係合されるシェル係合部と、前記挟持部がハウジングの内側及び外側から押圧される挟持片とがそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、第4の態様のカード用コネクタは、第3の態様のカード用コネクタであって、前記挟持片は、前記挟持部が前記ハウジングの内側から押圧される少なくとも1つの第1押圧片と、前記挟持部が前記ハウジングの外側から押圧される少なくとも1つの第2押圧片と、を有していることを特徴とする。
【0013】
また、第5の態様のカード用コネクタは、第1〜4のいずれかの態様のカード用コネクタであって、前記ハウジングは、前記複数の端子から延設された複数のリード部を有し、
前記複数のリード部は、前記ハウジングのいずれかの一端辺から突出されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の態様のカード用コネクタによれば、リフロー後、樹脂材料の多い側の内側に収縮して縮むことで発生するハウジングの反りを、シェルの内側押圧片がハウジングの内側から押圧部を押圧することで抑制することができる。
【0015】
第2の態様のカード用コネクタでは、リフロー後、樹脂材料の多い側の外側に収縮して縮むことで発生するハウジングの反りを、シェルの外側押圧片がハウジングの外側から押圧部を押圧することで抑制することができる。
【0016】
第3の態様のカード用コネクタによれば、ハウジングの第1及び第2立設面に形成された挟持部を、シェルに形成された挟持片で挟持することで、ハウジングが内側又は外側のどちらに反ろうとしても、この反りを抑制することができるようになる。
【0017】
また、第4の態様のカード用コネクタによれば、挟持片の第1押圧片及び第2押圧片によりバランスよく挟持部が押圧され、挟持されるようになる。なお、第1押圧片及び第2押圧片の形成位置は、任意の位置とすることができ、設計の幅を広げることができる。
【0018】
また、第5の態様のカード用コネクタによれば、端子から延接されたリード部をハウジングの一方側からまとめて突出させることで、基板の配線パターンを設計しやすくなる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのカード用コネクタを例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0021】
[実施形態1]
図1〜
図5を参照して、実施形態1のカード用コネクタ10について説明する。実施形態1のカード用コネクタ10は、
図1及び
図2に示すように、カード部材(図示省略)が装着されるハウジング12と、このハウジング12が覆われるシェル25とを有しており、カード用コネクタ10の一方側には、カード部材が挿入される挿入口11が設けられている。
【0022】
ハウジング12は、
図2及び
図3に示すように、カード部材に設けられる複数の接続部(図示省略)と導通される複数の端子21及び、ハウジング12のベースとなる部分が金属材料18で形成され、これらと一体になるように樹脂材料19をインサート成形することで形成されている。
【0023】
ハウジング12は、所定面積を有し、複数の端子21が突出された底面13と、底面13の対向する端辺から立設された第1立設面16及び第2立設面17とが形成されている。また、ハウジング12の一方側にはシェル25と組み合わされたとき、カード部材が挿入される挿入口11となる部分が形成されている。
【0024】
底面13は、カード部材が装着されたとき、このカード部材が配置される大きさで形成されており、カード部材の複数の接続部と対応した端子21が底面13にもうけられた開孔20から突出されて形成されている。また、複数の端子21には、それぞれの端子21から延設されてハウジング12から突出したリード部22が形成されている。このリード部22は、基板と半田付けされ導通されるようになる。
【0025】
底面13のカード部材が配置される表面14は、
図3Aに示すように、樹脂材料19(
図3Aでは濃い色で示している。)の露出する割合が金属材料18(
図3Aでは薄い色で示している。)より多くなるように形成されている。そのため、反対側の底面13の基板に載置される裏面15は、
図3Bに示すように、金属材料18(
図3Bでは薄い色で示している。)の露出する割合が樹脂材料19(
図3Bでは濃い色で示している。)より多くなるように形成されている。これは、ハウジングを極薄にするために、金属材料の両面側を樹脂材料で覆わないようにしているためである。
【0026】
また、第1立設面16及び第2立設面17は、それぞれが略対称の形状で底面13の金属材料18と一体に形成されている。この第1及び第2立設面16、17には、後述するシェル25と組み合わされた時に係合されるハウジング係合部24が、それぞれの第1及び第2立設面16、17に一対ずつ形成されている。また、第1立設面16及び第2立設面17のハウジング係合部24の間には、押圧部23がそれぞれ対向する位置に形成されている。この押圧部23は、後述するシェル25に形成された内側押圧片30(
図4及び
図5参照)にハウジング12の内側から外側に向かって押圧される部分となる。押圧部23は、第1及び第2立設面16、17よりやや張り出した凸状に形成されている。
【0027】
シェル25は、
図1及び
図2に示すように、金属材料で形成され、ハウジング12を覆う大きさの天井部26と、天井部26の対向する端辺から垂下された第1側面27及び第2側面28とで構成されている。また、シェル25の一方側は、ハウジング12と組み合わされたとき、挿入口11となる部分が設けられており、他方側には、カード部材の挿入を規制する一対の規制片29が、天井部26の一部から垂下して形成されている。
【0028】
また、第1側面27及び第2側面28は、それぞれが略対称の形状で天井部26と一体に形成されている。この第1側面27及び第2側面28には、上述したハウジング12の第1立設面16及び第2立設面17に形成されたハウジング係合部24と係合されるシェル係合部31が形成されている。このシェル係合部31は、第1及び第2側面27、28にそれぞれ一対ずつ形成されている。そして、この各シェル係合部31の間には、ハウジング12の第1及び第2立設面16、17に形成された押圧部23が押圧される内側押圧片30がそれぞれ形成されている。
【0029】
内側押圧片30は、第1側面27及び第2側面28の各シェル係合部31の間から突出した小片体であり、ハウジング12側に屈曲して形成されている。このとき、内側押圧片30は、天井部26に対して垂直に形成された第1及び第2側面27、28に比べ、内側に向かって鋭角に屈曲して形成されている。このようにすることで内側押圧片30を強固に形成することができ、押圧力を高めることができる。
【0030】
また、
図4及び
図5に示すように、実施形態1のカード用コネクタ10は、ハウジング12にシェル25を覆い被せ、ハウジング12の各ハウジング係合部24とシェル25の各シェル係合部31とを係合させて組み立てられる。このとき、シェル25の第1及び第2側面27、28がハウジング12の第1及び第2立設面16、17の外側になるように嵌め込まれて組み立てられるが、シェル25の第1及び第2側面27、28に形成された内側押圧片30は、ハウジング12の押圧部23の内側に嵌り込むようにされている。
【0031】
そして、実施形態1のカード用コネクタ10は、ハウジング12の底面13の裏面15に比べ、表面14に露出される樹脂材料19の割合が金属材料18より多くなるように形成されている。仮に、このままの状態で基板に実装される際のリフローによりカード用コネクタ10が加熱された場合、ハウジング12の樹脂材料19も加熱され、この加熱後に樹脂材料19が固まる際の収縮により、金属材料18に比べ樹脂材料19の多い表面が縮むように反るようになる(
図10A参照)。
【0032】
しかし、実施形態1のカード用コネクタ10は、シェル25の内側押圧片30により、ハウジング12の押圧部23がハウジング12の内側から押圧されるようになされている。そのため、リフローの加熱後においてハウジング12を構成する樹脂材料19が収縮されることでハウジング12が反ろうとしても、シェル25の内側押圧片30によりハウジング12の金属材料18で形成された押圧部23がハウジング12の内側から反る方向に対して反対方向に押圧されることで、ハウジング12の反りが抑制されるようになる。
【0033】
[実施形態2]
次に、
図6及び
図7を参照して、実施形態2のカード用コネクタ10Aについて説明する。実施形態2のカード用コネクタ10Aは、実施形態1のカード用コネクタ10に比べ、ハウジング12に形成される押圧部23、及び、シェル25に形成される内側押圧片30の構成が異なる。なお、共通する他の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0034】
実施形態2のカード用コネクタ10Aは、
図6Aに示すように、ハウジング12Aと、このハウジング12Aが覆われるシェル25Aとを有し、ハウジング12Aにシェル25Aを覆い被せ、組み合わせた構成となっている。
【0035】
実施形態2のハウジング12Aは、実施形態1のハウジング12と同様に、カード部材が配置される底面13Aと、底面13Aの対向する両端辺から立設された第1立設面16A及び第2立設面17Aとで構成されている。しかし、実施形態2のハウジング12Aは、底面13Aのカード部材が配置される表面14Aに露出される樹脂材料19Aの割合が金属材料18Aに比べて少なく、基板に載置される裏面15Aに露出される樹脂材料19Aの割合が金属材料18Aよりも多くなるようにインサート成形により形成されている(
図7A参照)。また、ハウジング12Aの第1立設面16A及び第2立設面17Aに形成される押圧部23Aは、実施形態1の押圧部23と異なり、第1及び第2立設面16A、17Aと同一平面となるように形成されている(
図6参照)。
【0036】
また、実施形態2のシェル25Aは、実施形態1のシェル25と同様に、ハウジング12Aが覆われる天井部26と、この天井部26の対向する両端辺から垂下した第1側面27A及び第2側面28Aとで構成されている。しかし、実施形態2のシェル25Aは、ハウジング12Aの押圧部23Aを外側から押圧する外側押圧片32が形成されている(
図7B参照)。
【0037】
外側押圧片32は、第1側面27A及び第2側面28Aの各シェル係合部31の間から突出した小片体であり、ハウジング12A側に屈曲して形成されている。このとき、外側押圧片32は、天井部26に対して垂直に形成された第1及び第2側面27A、28Aに比べ、内側に向かって鋭角に屈曲して形成されている。このようにすることで外側押圧片32を強固に形成することができ、押圧力を高めることができる。
【0038】
そして、外側押圧片32は、シェル25Aがハウジング12Aと組み合わされたとき、シェル25Aの第1側面27A及び第2側面28Aと共に、ハウジング12Aの第1立設面16A及び第2立設面17Aの外側に組み合わされるときに、外側押圧片32も押圧部23Aの外側に嵌め込むようになり、押圧部23Aがハウジング12Aの外側から押圧されるようになる。
【0039】
実施形態2のカード用コネクタ10Aは、ハウジング12Aの底面13Aの表面14Aに比べ、裏面15Aに露出される樹脂材料19Aの割合が金属材料18Aより多くなるように形成されている。仮に、このままの状態の場合、基板に実装される際のリフローによりカード用コネクタ10Aが加熱されると、ハウジング12Aの樹脂材料19Aも加熱され、この加熱後に樹脂材料19Aが固まる際の収縮により、金属材料18Aの比べ樹脂材料19Aの露出の多い裏面15Aが縮むように反るようになる(
図10B参照)。
【0040】
しかし、実施形態2のカード用コネクタ10Aは、シェル25Aの外側押圧片32により、ハウジング12Aの押圧部23Aがハウジング12Aの外側から押圧されるようになる。そのため、リフローの加熱後においてハウジング12Aを構成する樹脂材料19Aが収縮されることでハウジング12Aが反ろうとしても、シェル25Aの外側押圧片32によりハウジング12Aの金属材料18Aで形成された押圧部23Aがハウジング12Aの外側から反る方向と反対方向に押圧されることで、ハウジング12Aの反りが抑制されるようになる。
【0041】
[実施形態3]
次に、
図8及び
図9を参照して、実施形態3のカード用コネクタ10Bについて説明する。実施形態3のカード用コネクタ10Bは、実施形態1のカード用コネクタ10に比べて、ハウジング12に形成される押圧部23、及び、シェル25に形成される内側押圧片30の構成が異なっている。なお、共通する他の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0042】
実施形態3のカード用コネクタ10Bは、
図8Aに示すように、ハウジング12Bと、このハウジング12Bが覆われるシェル25Bとを有し、ハウジング12Bにシェル25Bを覆い被せ、組み合わされた構成となっている。また、実施形態3のハウジング12Bは、実施形態1のハウジング12と同様に、カード部材が配置される底面13Bと、底面13Bの対向する両端辺から立設された第1立設面16B及び第2立設面17Bとで構成されている。そして、実施形態3のカード用コネクタ10Bでは、
図9Aに示すように、実施形態1のカード用コネクタ10と同様に、ハウジング12Bの裏面15Bに比べ、表面14Bに露出される樹脂材料19Bの割合が金属材料18Bに比べ多くなるように形成されている。
【0043】
また、ハウジング12Bの第1立設面16B及び第2立設面17Bのそれぞれには挟持部33が形成されている。挟持部33は、実施形態1の押圧部23と略同じ形状で形成され、第1及び第2立設面16B、17Bよりやや張り出した凸状に形成されている。なお、挟持部33の上側部分は、後述するシェル25Bに形成される挟持片34の一部が嵌め込まれるように、第1及び第2立設面16B、17Bの上側部分より、低くなるように形成されている。
【0044】
また、実施形態3のシェル25Bは、実施形態1のシェル25と同様に、ハウジング12Bが覆われる天井部26と、この天井部26の対向する両端辺から垂下した第1側面27B及び第2側面28Bとで構成されている。しかし、実施形態3のシェル25Bは、ハウジング12Bに形成された挟持部33を両側から挟持する挟持片34が形成されている。挟持片34は、挟持部33の内側に当接される第1押圧片35と、挟持部33の外側に当接される第2押圧片36とで構成されている。この第1押圧片35と第2押圧片36の配置は任意であるが、実施形態3の挟持片34では、一対の第1押圧片35が第2押圧片36を挟むように設けられている(
図9参照)。
【0045】
第1押圧片35は、第1側面27及び第2側面28の各シェル係合部31の間から突出した小片体であり、天井部26に対して垂直に形成された第1及び第2側面27、28に比べ、内側に向かって鋭角に屈曲して形成されている。また、第2押圧片36も第1押圧片35と略同様の構成としており、第1側面27B及び第2側面28Bの各シェル係合部31の間から突出した小片体であり、天井部26に対して垂直に形成された第1及び第2側面27B、28Bに比べ、内側に向かって鋭角に屈曲して形成されている。
【0046】
なお、第1押圧片35及び第2押圧片36の間には、ハウジング12Bの挟持部33が嵌入され、挟持されるようにするために、隙間37が形成されている。そのため、第1押圧片35及び第2押圧片36の天井部26と水平な部分は、第1押圧片35に比べ第2押圧片36が長く形成され、一方、垂下される部分は、第2押圧片36が第1押圧片35に比べ短く形成されており、第1押圧片35及び第2押圧片36との間に隙間37が形成されるようにされている(
図8B参照)。
【0047】
そして、ハウジング12Bとシェル25Bとを組み合わせるとき、ハウジング12Bの挟持部33が、シェル25Bの挟持片34の第1押圧片35及び第2押圧片36との隙間37に嵌入されるようになる。このとき、挟持部33の内側が第1押圧片35に押圧され、外側が第2押圧片36に押圧されることで、挟持されるようになる。
【0048】
実施形態3のカード用コネクタ10Bは、ハウジング12Bの底面13Bの裏面15Bに比べ表面14Bに露出される樹脂材料19Bの割合が金属材料18Bより多くなるように形成されている。そのため、上記実施形態1のハウジングと同様に変形(
図10A参照)するようになる。しかし、実施形態3のカード用コネクタ10Bは、シェル25Bの挟持片34の第1押圧片35及び第2押圧片36により挟持され、そのうちの第1押圧片35によりハウジング12Bの金属材料18Bで形成された挟持部33がハウジング12Bの内側から押圧されるようになる。
【0049】
そのため、リフローの加熱後においてハウジング12Bを構成する樹脂材料19Bが収縮されることでハウジング12Bが反ろうとしても、この反りを抑制することができるようになる。
【0050】
なお、上記実施形態3のカード用コネクタ10Bでは、ハウジング12Bの底面13Bの裏面15Bに比べ表面14Bに露出される樹脂材料19Bの割合が金属材料18Bより多くなるように形成されている場合を説明した。しかし、これに限らず、ハウジング12Bの底面13Bの表面14Bに比べ裏面15Bに露出される樹脂材料19Bの割合が金属材料18Bより多くなるように形成されていてもよい。すなわち、上記実施形態2のカード用コネクタで説明したハウジングのような変形をする場合であっても、実施形態3のカード用コネクタ10Bでは、シェル25Bの挟持片34の第1押圧片35及び第2押圧片36により挟持され、そのうちの第2押圧片36によりハウジング12Bの金属材料18Bで形成された挟持部33がハウジング12Bの外側から押圧されるようになる。
【0051】
そのため、リフローの加熱後においてハウジング12Bを構成する樹脂材料19Bが収縮されることでハウジング12Bが反ろうとしても、この反りを抑制することができるようになる。
【0052】
以上より、実施形態3のカード用コネクタ10Bでは、挟持片34の第1及び第2押圧片35、36により、ハウジング12Bの挟持部33が内側及び外側の両側から押圧されることになるため、ハウジング12Bが内側又は外側のどちらに反ろうとしても、この反りを抑制することができる。そのため、ハウジング12Bの底面13Bに露出される樹脂材料19Bの割合を金属材料18Bに比べて、表面14B及び裏面15Bのどちらを多くするように形成してもよく、使用態様に応じて設計することができる。