(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板と、前記基板に載置された発光素子と、前記基板と前記発光素子の上方に配置された透光性材料からなる円筒形状の導光体とを有し、前記導光体は、前記導光体の上部の一部に形成された反射面であるV字形状の切欠きと、前記切欠きの下方の前記導光体の下部から前記発光素子に向かって下方へと突出すると共に前記発光素子の上面と対向して形成された入光部と、前記入光部から入光した光の向きを変える屈折部を有する凹部と、光を伝播する円筒形状の導光部と、前記導光部の下面一面に設けられた反射部と、を備えた照光装置であって、
前記発光素子は前記入光部の直下に配置された第1の色の光源からなる第1発光素子と、第2の色の光源からなる第2発光素子と、を有し、前記第1発光素子は前記導光体のなす円筒形の中心を基準として前記第2発光素子よりも半径方向の外側であって、且つ、前記第2発光素子と半径方向に沿って並べて配置され、前記凹部は前記導光部よりも半径方向の内側に厚く形成され、第2発光素子は前記導光部から半径方向の内側にずれて配置され、前記凹部は前記第2発光素子から出光される光を半径方向の外側に屈折させる第1屈折部と、前記第1屈折部によって屈折した光を前記導光部に導く第2屈折部と、を有し、前記第1発光素子は前記第1屈折部及び第2屈折部を介さず前記導光部に光を出光することを特徴とする照光装置。
前記第1発光素子と前記第2発光素子と、からなる前記発光素子が2組以上設けられていると共に、前記切欠き及び前記入光部及び前記第1屈折部及び第2屈折部は、前記発光素子の組数に対応して複数設けられ、また、前記導光体は前記発光素子の組数に対応して均等に分割して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の照光装置。
前記導光体の下面の一部に、前記導光体と同一材料であって且つ一体に成形された複数の柱状部を有し、前記複数の柱状部を前記基板の上面に対して接触支持させることを特徴とする請求項2に記載の照光装置。
前記基板は前記導光体の外周と略同一形状の円形状に形成され、前記導光体の外側面には、下方に向けて延設される固定部が複数形成され、前記固定部の前記導光体の下面からの長さは、前記固定部に接して設けられている前記導光体の一部の下面から前記基板の上面までの距離と、前記基板の厚みと、を加算した長さに形成されると共に、先端に半径方向内側に一部が突出する突出部を有し、前記突出部が前記基板の下面と係合することを特徴とする請求項3または4記載のいずれかに記載の照光装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の照明装置830の構成を元に、2色発光をする照光装置を設計しようとすると、導光路の寸法が大きくなってしまう、という問題があり、改善する必要があった。
【0011】
図6は、従来の照明装置を2色発光するように変更した構造(照明装置930)の分解斜視図である。従来の照明装置を変更して2色発光させる構成は、
図6に示すように、第1の発光素子931aと、第2の発光素子931bと、を半径方向に沿って2列に配置させる構成が考えられる。そのような構成を用いる場合、曲線状導光体932は、第1の発光素子931aおよび第2の発光素子931bの配置にあわせて幅を太くする必要がある。
【0012】
しかし、曲線状導光体932の幅を太くすると、上方から見た曲線状導光体932の寸法が大きくなってしまうので、照明装置930の形状を元にして発展させた照光装置は、操作パネルの寸法を圧迫する、または外観を損ねてしまう虞があった。
【0013】
本発明は、上述した課題を解決して2色での発光が可能であって且つ小型化が可能であると共に、ムラのない環状の光を発する照光装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題を解決するために、請求項1に記載の照光装置は、基板と、基板に載置された発光素子と、基板と発光素子の上方に配置された透光性材料からなる円筒形状の導光体とを有し、導光体は、導光体の上部の一部に形成された反射面であるV字形状の切欠きと、切欠きの下方の導光体の下部から発光素子に向かって下方へと突出すると共に発光素子の上面と対向して形成された入光部と、入光部から入光した光の向きを変える屈折部を有する凹部と、光を伝播する円筒形状の導光部と、導光部の下面一面に設けられた反射部と、を備えた照光装置であって、発光素子は入光部の直下に配置された第1の色の光源からなる第1発光素子と、第2の色の光源からなる第2発光素子と、を有し、第1発光素子は導光体のなす円筒形の中心を基準として第2発光素子よりも半径方向の外側であって、且つ、第2発光素子と半径方向に沿って並べて配置され、凹部は導光部よりも半径方向の内側に厚く形成され、第2発光素子は導光部から半径方向の内側にずれて配置され、凹部は第2発光素子から出光される光を半径方向の外側に屈折させる第1屈折部と、第1屈折部によって屈折した光を導光部に導く第2屈折部と、を有し、第1発光素子は第1屈折部及び第2屈折部を介さず導光部に光を出光することに特徴を有する。
【0015】
また、請求項2記載の照光装置は、第1発光素子と第2発光素子と、からなる発光素子が2組以上設けられていると共に、切欠き及び入光部及び第1屈折部及び第2屈折部は、発光素子の組数に対応して複数設けられ、また、導光体は発光素子の組数に対応して均等に分割して設けられていることに特徴を有する。
【0016】
また、請求項3記載の照光装置は、導光体の下面の一部に、導光体と同一材料であって且つ一体に成形された複数の柱状部を有し、複数の柱状部を基板の上面に対して接触支持させることに特徴を有する。
【0017】
また、請求項4記載の照光装置は、柱状部は、複数の第1発光素子からの距離が等しくなる位置に設けられていることに特徴を有する。
【0018】
また、請求項5記載の照光装置は、基板は導光体の外周と略同一形状の円形状に形成され、導光体の外側面には、下方に向けて延設される固定部が複数形成され、固定部の導光体の下面からの長さは、固定部に接して設けられている導光体の一部の下面から基板の上面までの距離と、基板の厚みと、を加算した長さに形成されると共に、先端に半径方向内側に一部が突出する突出部を有し、突出部が基板の下面と係合することに特徴を有する。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、導光体のなす円筒形の半径方向に沿って2つの発光素子を配置しても、凹部に屈折部を設けることで、導光部に光を屈折させて入光させることが可能となる。そのため、凹部だけ厚みを持たせるだけで、導光体及び照光装置を小型に保ったまま、2色の光を円筒形の導光路へ導くことができる。また、2色の発光を行ったとしても半径方向に並んで配置された二つの発光素子の光を円筒形状の導光部に確実に導くことが出来るため、光のムラは発生しない。
【0020】
請求項2の発明によれば、導光体に対して光の入光する部位が増えるので、導光体から出光される光のムラは小さくなるので、発光時の外観の認識のしやすさ及び意匠性は向上する。
【0021】
請求項3の発明によれば、基板と導光体との上下方向における距離が一定になるので、発光素子の上面と導光体との距離が一定になって、導光体へ入射する光の光路が安定する。それにより、導光体から出光される光は安定するので、発光時の外観の認識のしやすさ及び意匠性は向上する。
【0022】
請求項4の発明によれば、導光体と柱状部との接合面から光の一部が漏れることによって発生する、導光体の上面からの出光ムラが、導光体のなす円筒形の円の中心に対して対称となる。このことによって、照光装置からの発光が規則的になるので、発光時の外観の認識のしやすさ及び意匠性が向上する。
【0023】
請求項5の発明によれば、柱状部で突き当てた距離に、基板と導光体との位置を固定することができるので、導光体へ入射する光の光路が安定する。それにより、導光体から出光される光は安定するので、発光時の外観の認識のしやすさ及び意匠性は向上する。
【0024】
以上より、本発明によれば、発光色を2色にし、且つ小型化が可能であって、且つ発光ムラの発生しない円筒形状の照光装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施形態]
以下、本発明の照光装置1を
図1〜
図4を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の照光装置1を備えたスイッチ101、及びそのスイッチ101を組み込んだ装置の上面図である。
図2は、第1実施形態の照光装置1の上方斜視図である。
図3は、第1実施形態の照光装置1の上面図である。
図4は、第1実施形態の照光装置1の側面図である。
【0027】
第1実施形態の照光装置1は、
図1に示すようの、円形のスイッチ101の一部である。また、スイッチ101は、上方から操作するようになっている。
【0028】
また、
図1に示すように、照光装置1は、上方から見たとき、スイッチ101と同様に円形であり、スイッチ101の外周と同じ円形の光を上方へ出光するようになっている。そのため、上方から見たとき、スイッチ101の外形は視認され易くなっている。
【0029】
また、照光装置1は、
図2及び
図3に示すように、円形の基板10と、基板10の上面に発光面が上方となるように配置した2つの第1発光素子21と、第1発光素子と並べて設けられた2つの第2発光素子22と、を備えている。また、基板10及び第1発光素子21及び第2発光素子22の上方には、基板10のなす円形と略同一形状の外周を有する円筒形状の導光体30が配置されている。また、導光体30の一部として円筒形の半径方向の内側に凹んで、且つ内壁面が突出するように周囲よりも壁が厚く設けられた凹部32の下面の一部(入光部35)と、第1発光素子21及び第2発光素子22の上面と、は対向して設けられており、第1発光素子21及び第2発光素子22からの光は凹部32を介して導光体30の内部へ入光させるようになっている。
【0030】
また、基板10と、導光体30と、は一部が係合すると共に一部が突き当てられることによって距離を合わせられて、所定の位置に固定されるようになっている。
【0031】
また、基板10の上面または側面または下面には、図示していない電源を備える電気回路が設けられていると共に、その電気回路の端子は基板10の上面の一部から露出している。また、その電気回路は、発光素子と電気的に接合されたとき、任意に発光素子へ電力を供給するようになっている。
【0032】
基板10は、平板であると共に、
図3に示すように、導光体30の外周と略同一形状の円形を有している。また、上述したように、基板10は、導光体30の下方に配置されている。また、上述したように、また、基板10の上面の一部には、2つの第1発光素子21と、2つの第2発光素子22と、が配置されている。また、第1発光素子21の下面及び第2発光素子22の下面と、対応する基板10の上面の一部とは接していると共に、その接点の一部は半田によって固定されている。また、上述したように、基板10の上面または側面または下面には、図示していない電気回路が設けられており、基板10の上面に露出したその電子回路の端子と、第1発光素子21及び第2発光素子22と、の接点は半田によって電気的に接合されている。また、
図2に示すように、導光体30の下面の一部から導光体30の下方に突出して設けられた同一の長さの複数の円柱(柱状部42)の下面と、対応する基板10の上面の一部と、が接触している。また、
図4に示すように、導光体30の側面の一部から導光体30の下方へ突出して設けられた平板状の柱(固定部44)の側面の一部と、対応する基板10の側面の一部と、は接している。また、固定部44の下端から基板10のなす円形の半径方向の内側の向きに一部が突出して設けられた突出部46の上面の一部と、対応する基板10の下面の一部と、は係合している。基板10には、合成樹脂が好適に用いられる。ただし、基板10は、導光体30及び第1発光素子21及び第2発光素子22を保持し、基板10と導光体30とが係合されるときに変形しない強度を備え、スイッチの一部としての強度を備えた材料からなればよく、合成樹脂に限るものではない。
【0033】
第1発光素子21は、直方体(すべての面が長方形で構成される六面体)の形状を有する発光素子である。また、第1発光素子21は、上述したように、発光面を上にして配置されている。また、第1発光素子21の下面と、対応する基板10と、の接点は接して設けられていると共に、その接点の一部は半田によって固定されている。また、上述したように、基板10の上面または側面または下面には、図示していない電気回路が設けられており、基板10の上面に露出したその電子回路の端子と、第1発光素子21と、の接点は半田によって電気的に接合されている。また、第1発光素子21は導光体30のなす円筒形の外周に沿って配置されている。また、第1発光素子21と、第2発光素子22と、は並べて配置されていると共に、第1発光素子21は、導光体30のなす円筒形の直下に配置されている。また、第1発光素子21は、
図2または
図3に示すように、2つ設けられている。また、それぞれの第1発光素子21は2つ配置されており、これらは導光体30のなす円筒形の中心に対して、対称な位置に配置されている。また、第1発光素子21の上方には、導光体30が配置されており、第1発光素子21の上面(発光面)と、導光体30のなす円筒形の半径方向の内側に突出して設けられた凹部32の下面の一部(入光部35)と、は対向して設けられている。第1発光素子21には、白色光の発光素子が用いられる。ただし、第1発光素子21は、肉眼で認識することの可能な発光色の発光素子であれば良く、白色光の発光素子に限るものではない。
【0034】
第2発光素子22は、直方体(すべての面が長方形で構成される六面体)の形状を有する発光素子である。また、第2発光素子22は、上述したように、発光面を上にして配置されている。また、第2発光素子22の下面と、対応する基板10と、の接点は接して設けられていると共に、その接点の一部は半田によって固定されている。また、上述したように、基板10の上面または側面または下面には、図示していない電気回路が設けられており、基板10の上面に露出したその電子回路の端子と、第2発光素子22と、の接点は半田によって電気的に接合されている。また、第2発光素子22は導光体30のなす円筒形の外周に沿って配置されている。また、第1発光素子21と、第2発光素子22と、は並べて配置されていると共に、第2発光素子22は第1発光素子21に対して、導光体30のなす円筒形の半径方向のより内側にずれて配置されている。また、第2発光素子22は、
図2または
図3に示すように、2つ設けられている。また、第2発光素子22は2つ配置されており、これらは導光体30のなす円筒形の中心に対して、対称な位置に配置されている。また、第2発光素子22の上方には、導光体30が配置されており、第2発光素子22の上面(発光面)と、導光体30のなす円筒形の半径方向の内側に厚く設けられた凹部32の下面の一部(入光部35)と、は対向して設けられている。第2発光素子22には、琥珀色光の発光素子が用いられる。ただし、第2発光素子22は、肉眼で認識することの可能な発光色であると共に、第1発光素子21とは異なる発光色の発光素子であれば良く、琥珀色光の発光素子に限るものではない。
【0035】
導光体30は、上述したように、円筒形状を有していると共に、基板10の一部及び第1発光素子21及び第2発光素子22の上方に配置されている。
【0036】
また、導光体30のなす円筒形は、
図3に示すように、円筒形状の導光部31と、一部が半径方向の内側に凹んで、且つ内壁面が突出するように周囲よりも壁が厚く設けられている凹部32と、を有している。また、凹部32は、第1発光素子21及び第2発光素子22の設けられた組数(2組)と同数が設けられている。
【0037】
また、導光部31の下面には、セレーション加工された階段状の反射面(反射部33)が設けられている。
【0038】
また、導光部31の上面(出光部34)は、
図4に示すように、水平に設けられている。また、出光部34は、導光体30の内部を導光される光の一部が、臨界角(全反射が起きる最も小さな入射角)よりも小さな入射角度で入射したとき、その光の一部または全部を導光体30の上方へ向けて射出するようになっている。
【0039】
また、導光部31の上面と側面とは、鏡面になっており、臨界角よりも大きな入射角で入射する光を全反射するようになっている。
【0040】
また、凹部32の下部の一部には、
図4に示すように、導光体30から第1発光素子21の上面(発光面)に向けて下方へ突出して設けられていると共に、第1発光素子21の上面と対向した第1発光素子21の上面よりも広い面(入光部35)が設けられている。この際、入光部35は第2発光素子22の上面とも対向するように、導光体30がなす円筒の半径方向の内側に向かって幅広に形成されている。また、入光部35は、垂直に近い角度で入射した光の一部または全部を透過して、導光体30の内部へ入光させるようになっている。また、凹部32の下面の入光部35以外の面には、階段状の反射面(セレーション加工)が設けられている。
【0041】
また、凹部32の上面には、
図4に示すように、第1発光素子21及び第2発光素子22からの入射光を反射して、光の向きを、導光体30のなす円筒形の半径方向とは直交する向きに変える鏡面を有するV字形状の切欠き36が設けられている。また、切欠き36のV字の底36aは、僅かにU字形状に丸みを帯びた形状となっており、V字の底36aの下方から上方へ向けてV字の底36aの臨界角よりも小さい入射角で入射する光の一部または全部を、上方へ透過するようになっている。また、V字の底36aを透過した光の角度はU字形状によって広がり、切欠き36の上方へ万遍なく出光されるようになっている。また、
図3に示すように、上方から見たとき、V字の底36aと、第1発光素子21の中心と、第2発光素子22の中心と、は重なって配置されている。
【0042】
また、
図3に示すように、凹部32の円筒の内壁側の側面の一部には、第2発光素子22から入光し、切欠き36の端面によって反射した光を反射して、その光の向きを、導光体30のなす円筒形の外壁側の向きに変える第1屈折部37が設けられている。
【0043】
また、
図3に示すように、凹部32の外壁側の側面の一部には、第1屈折部37によって反射した光を更に反射して、その光の向きを円筒形状の導光部31に沿った向きに変えると共に、その光を導光部31へ入射させる第2屈折部38が設けられている。また、第2屈折部38は、第1屈折部37によって反射した光が、導光体30のなす円筒の外壁に対して臨界角より小さい角度で入射する部分にのみ設けられている。
【0044】
また、導光体30は、
図2に示すように、導光体30の下面の一部から、導光体30の下方へ突出した同一の長さの円柱状の柱(柱状部42)が2つ設けられている。また、導光体30と、柱状部42と、は一体に成形されている。
【0045】
また、柱状部42は、
図3に示すように、導光体30の下面の一部から突出して設けられている。また、柱状部42は、
図2または
図3に示すように、導光体30のなす円筒形に沿って配置されている。また、柱状部42は2つ設けられている。また、2つの柱状部42は、複数(2つ)の第1発光素子21から、それぞれ距離が等しくなる位置に配置されている。ここで、2つの柱状部42は導光体30内を進行する光への影響が最も小さくなる位置に配置されることが好ましく、例えば階段状に形成された反射部33のうち、第1発光素子から最も離れた位置に形成されることが好ましい。
【0046】
また、それぞれの柱状部42は同一高さで形成されており、柱状部42の下面を基板10の上面に突き当てることによって、基板10と導光体30との距離を一定にすると共に、導光体30を支持するようになっている。このことによって、基板10と、導光体30と、は一定以下の距離に近づかないように保持される。
【0047】
また、導光体30は、
図2または
図4に示すように、導光体30の側面の一部から、導光体30の下方へ突出した複数の平板状の柱(固定部44)が設けられている。また、
図4に示すように、固定部44の長さは、固定部44に接して設けられた導光体30の下面の一部から基板10までの距離と、基板10の厚みと、を加算した長さに形成されている。また、固定部44の下部の側面の一部と、基板10の側面の一部と、は接して係合する形状を有している。
【0048】
また、固定部44の下端からは、固定部44から延長して突出部46が設けられている。また、突出部46の一部は、
図4に示すように、基板10のなす円形の半径方向の内側に突出している。また、突出部46の円形の半径方向の内側に突出した一部の下面には、
図4に示す斜面(斜面46a)が設けられている。
【0049】
また、突出部46の半径方向の内側に突出した一部の上面と、対応する基板10の下面の外周の一部と、は接して係合する形状を有している。
【0050】
また、導光体30と、固定部44と、突出部46と、は同一の材料からなると共に、一体に成形されている。
【0051】
導光体30には、透明な合成樹脂が好適に用いられる。ただし、導光体30は、第1発光素子21及び第2発光素子22からの射出光を、入光部35から損失することなく入射でき、且つ、その光を損失することなく導光体30のなす導光路の内部を導光できる。また、その光を出光部34から出光させることのできる材料からなれば良く、透明な合成樹脂に限るものではない。
【0052】
(第1実施形態の作用)
次に、本発明である照光装置1の作用について説明する。
【0053】
(第1実施形態の作用;第1の色の発光)
第1実施形態の照光装置1は、第1発光素子21を2つ備えており、第1発光素子21が発光するとき、白色光が、入光部35に向けて照射される。また、入光部35と第1発光素子21の発光面とは対向して設けられている。このとき、導光体30は、透明な合成樹脂からなるので、第1発光素子21からの射出光は、導光体30へ入光する。
【0054】
尚、第1発光素子21から導光体30へ入光した光を、便宜上、第1の光と呼ぶ。
【0055】
また、第1の光は、切欠き36の下面に入射する。また、第1の光の一部は、V字の底36aに入射する。
【0056】
また、V字の底36aは僅かに丸みを帯びたU字形状となっている。また、V字の底36aは、第1発光素子21の直上に設けられているので、V字の底36aに入射する第1の光の入射角は小さい。このことによって、第1の光の一部は、V字の底36aを透過する際、U字形状によって光が屈折させられるため、その光の角度は切り欠き36の上方に万遍なく広がりながら、切欠き36から上方へ出光される。
【0057】
また、導光体30の上面及び側面は鏡面となっているので、V字の底36aへ入射した以外の第1の光は、切欠き36で全反射して、方向が変わり、導光部31の内部で乱反射を繰り返しながら導光される。
【0058】
また、導光部31の下面には一面に階段状のセレーション加工が施されてなる反射部33が形成されている。導光部31の内部を乱反射しながら導光される第1の光の一部は、反射部33によってより導光体30の上方に近い角度に向きが変わって、出光部34に入射する。また、その光は、出光部34の臨界角よりも小さい角度で出光部34に入射するとき、その光の一部または全部は、出光部34から上方へ出光される。これが導光部31の全体に亘って繰り返されることで、出光部34の前面から満遍なく第1の光が出光されることとなる。
【0059】
また、出光部34は導光部31の上面であり、また、切欠き36は凹部32の上面であり、また、導光部31と凹部32とは円筒形の導光体を構成している。また、第1発光素子21の発光色は白色なので、第1発光素子21が発光するとき、照光装置1の上方へ発光ムラの無い環状の白色光が出光される。
【0060】
(第1実施形態の作用;第2の色の発光)
また、照光装置1は、第2発光素子22を2つ備えており、第2発光素子22が発光するとき、琥珀色の光が入光部35に向けて照射される。また、入光部35と第2発光素子22の発光面とは対向して設けられていると共に、導光体30は、透明な合成樹脂からなるので、第2発光素子22からの射出光は、導光体30へ入光する。
【0061】
尚、第2発光素子22から導光体30へ入光した光を、便宜上、第2の光と呼ぶ。
【0062】
また、第2の光は、切欠き36の下面に入射する。また、第2の光の一部は、V字の底36aに入射する。
【0063】
また、V字の底36aは僅かに丸みを帯びたU字形状となっている。また、V字の底36aは、第2発光素子22の直上に設けられているので、V字の底36aに入射する第2の光の入射角は小さい。このことによって、第2の光は、V字の底36aを透過する際、U字形状によって光が屈折させられるため、その光の角度は切り欠き36の上方に万遍なく広がりながら、切欠き36から上方へ出光される。
【0064】
また、V字の底36aへ入射した以外の第2の光は、切欠き36で全反射して、方向が変わり、第1屈折部37に入射し、また反射される。また、第2の光は、第1屈折部37によって反射されることによって、導光体30のなす円筒形の外壁側へ向きが変わる。また、第1屈折部37で反射して導光体30のなす円筒形の外壁側へ向きが変わった第2の光は、第2屈折部38または円筒形の外壁に入射する。また、第2の光は、第2屈折部38または円筒形の外壁で反射して、導光部31に沿った方向に向きが変わる。
【0065】
また、第2の光は、
図3及び
図5に示す、切欠き36と、第1屈折部37と、第2屈折部38と、の表面で反射することによって、光路が立体的に変化して、凹部32から導光路31へ入射する。また、第2の光の向きは、切欠き36と、第1屈折部37と、第2屈折部38と、の表面で反射することによって、導光路31の形状に沿った方向へと変わる。
【0066】
また、導光部31の上面と側面とは鏡面になっているので、第2の光は、導光部31の内側で乱反射を繰り返しながら導光される。
【0067】
また、導光部31の下面には一面に階段状のセレーション加工が施されてなる反射部33が形成されている。導光部31の内部を乱反射しながら導光される第1の光の一部は、反射部33によってより導光体30の上方に近い角度に向きが変わって、出光部34に入射する。また、その光の一部または全部は、出光部34の臨界角よりも小さい角度で出光部34に入射して、また出光部34を透過して、導光部31の上方へ出光される。これが導光部31の全体に亘って繰り返されることで、出光部34の前面から満遍なく第2の光が出光されることとなる。
【0068】
また、出光部34は導光部31の上面であり、また、切欠き36は凹部32の上面であり、また、導光部31と凹部32とは円筒形の導光体を構成している。また、第2発光素子22の発光色は琥珀色なので、第2発光素子22が発光するとき、照光装置1の上方へ発光ムラの無い環状の琥珀色光が出光される。
【0069】
(第1実施形態の作用;各部の相対的な位置の固定とその影響)
照光装置1は、基板10と、導光体30と、が分割された状態から係合されるとき、基板10と導光体30とは接近して、斜面46aの一部と基板10の上面の外周の一部とは接触する。
【0070】
また、さらに基板10と導光体30とが接近するとき、斜面46aの一部と基板10の上面の外周の一部とは擦り合わされて、その接点には、基板10のなす円形の半径方向に沿った作用力と反作用力とが発生する。また、上述したように、基板10は変形しない強度を備えており、固定部44は樹脂からなると共に平板状の柱なので、その作用力は、固定部44の先端部に作用して、固定部44の先端部を、基板10のなす円形の半径方向の外側に向けて押す。そのため、固定部44は弾性変形して円形の外側に向けてたわむ。
【0071】
また、さらに基板10と導光体30とが接近するとき、基板10と、導光体30と、は、
図4に示す配置となり、固定部44は弾性変形から復帰する。そのため、固定部44の下部の内側面の一部と、基板10の側面の一部と、は接して係合する。また、突出部46の半径方向の内側に突出した一部の上面と、対応する基板10の下面の外周の一部と、は接して係合するので、基板10のなす円形と、導光体30のなす円筒形と、は中心が重なるように合わせられる。また、基板10と、導光体30と、は突出部46によって押さえられるので、一定の距離以上に離れなくなる。
【0072】
また、照光装置1は、導光体30のなす円筒形の下面の一部から導光体30の下方へ突出して設けられた複数の柱状部42が、柱状部42の下面を基板10の上面に突き当てることによって導光体30を一定の距離離した状態で保持している。
【0073】
また、上述したように、固定部44の長さは、固定部44に接して設けられた導光体30の下面の一部から基板10までの距離と、基板10の厚みと、を加算した長さに形成されているので、基板10と、導光体30と、は一定の距離に保持され、且つ、固定される。
【0074】
また、第1発光素子21と第2発光素子22とはそれぞれ2つずつ配置されているが、これらは導光体30のなす円筒形の中心に対して、対称な位置に配置されている。また、柱状部42は、2つの第1発光素子21から、それぞれ距離が等しくなる位置に設けられているので、導光体30の内部で導光される光が、柱状部42の上面と、導光体30と、の接点からの光の漏れ方は、導光体30のなす円筒形に対して対称になる。このことによって、導光体30の内部を乱反射しながら導光される光は、導光体30のなす円筒形の中心に対して対称になるので、発光時の照光装置1の外観が損なわれることは無い。また、柱状部42は、
図2に示すように、導光体30の下面のうち反射部33のなす階段の最上段の部分に配置されている。また、第1発光素子21と第2発光素子22とから、導光体30の内部へ入射され、導光される光は、反射部33のなす階段の最上段に到達するとき、大部分は導光体の上面から既に出光されて残りの光量は少なくなっている。そのため、柱状部42の上面へ入光する光の量は少ないので、発光時の照光装置1の外観が損なわれることは無い。
【0075】
このように上記実施形態の照光装置1は、基板10と、基板10に載置された発光素子と、基板10と発光素子の上方に配置された透光性材料からなる円筒形状の導光体30とを有している。また、導光体30は、導光体30の上部の一部に形成された反射面であるV字形状の切欠き36、を備えている。また、切欠き36の下方の導光体30の下部から発光素子に向かって下方へと突出すると共に発光素子の上面と対向して形成された入光部35と、入光部35から入光した光の向きを変える屈折部を有する凹部32と、を備えている。また、光を伝播する円筒形状の導光部31と、導光部31の下面一面に設けられた反射部33と、を備えている。また、発光素子は入光部35の直下に配置された第1の色の光源からなる第1発光素子21と、第2の色の光源からなる第2発光素子22と、を有している。第1発光素子21は導光体30のなす円筒形の中心を基準として第2発光素子22よりも半径方向の外側であって、且つ、第2発光素子22と半径方向に沿って並べて配置されている。また、凹部32は導光部31よりも半径方向の内側に厚く形成され、第2発光素子22は導光部31から半径方向の内側にずれて配置されている。また、凹部32は第2発光素子22から出光される光を半径方向の外側に屈折させる第1屈折部37と、第1屈折部37によって屈折した光を導光部31に導く第2屈折部38と、を有している。また、第1発光素子21は第1屈折部37及び第2屈折部38を介さず導光部31に光を出光する。従って、導光体30のなす円筒形の半径方向に沿って2つの発光素子を配置しても、入光部に第1屈折部37及び第2屈折部38を設けることで導光部31に光を屈折させて入光させることが可能となる。そのため、凹部32だけ厚みを持たせるだけで、導光体30及び照光装置1を小型に保ったまま、2色の光を円筒形の導光体へ確実に導くことができるため、光のムラは発生しない。
【0076】
また、第1発光素子21と第2発光素子22と、からなる発光素子が2組以上設けられていると共に、切欠き36及び入光部35及び第1屈折部37及び第2屈折部38は、発光素子の組数に対応して複数設けられている。また、導光体30は、発光素子の組数に対応して均等に分割して設けられている。このことによって、導光体30に対して光の入光する点が増えるので、導光体30から出光される光のムラは小さくなり、発光時の照光装置1の外観の認識のしやすさ及び意匠性は向上する。
【0077】
また、導光体30の下面の一部に、導光体30と同一材料であって且つ一体に成形された同一の長さの複数の柱状部42を有し、複数の柱状部42を基板10の上面に対して接触支持させるので、基板10と導光体30との上下方向における距離が一定になる。また、発光素子の上面と導光体30との距離が一定になって、導光体30へ入射する光の光路が安定するので、導光体30から出光される光は安定する。このことによって、発光時の照光装置1の外観の認識のしやすさ及び意匠性は向上する。
【0078】
また、柱状部42は、複数の第1発光素子21からの距離が等しくなる位置に設けられている。このことによって、導光体30と柱状部42との接合面から光の一部が漏れることによって発生する、導光体30の上面からの出光ムラが、導光体30のなす円筒形の円の中心に対して対称となる。従って、照光装置からの発光が規則的になるので、発光時の照光装置1の外観の認識のしやすさ及び意匠性が向上する。
【0079】
また、基板10は導光体30の外周と略同一形状の円形状に形成されている。また、導光体30の外側面には、下方に向けて延設される固定部44が複数形成されている。また、固定部44の導光体30の下面からの長さは、固定部44に接して設けられている導光体30の下面から基板10の上面までの距離と、基板10の厚みと、を加算した長さに形成されると共に、先端に半径方向内側に一部が突出する突出部46を有している。また、突出部46が基板10の下面と係合するので、柱状部42で突き当てた距離に、基板10と導光体30との位置を固定することができる。このことによって、導光体30へ入射する光の光路が安定すると共に、導光体30から出光される光は安定するので、発光時の照光装置1の外観の認識のしやすさ及び意匠性は向上する。
【0080】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0081】
上記実施形態では、柱状部42は、導光体30と一体に成形されていたが、これらは別々に成形されていてもよい。このことによれば、柱状部42と、導光体30と、の接点は、光学的に接合しない限り鏡面になるので、その接点から漏れる光の量が減る。従って、照光装置1はより効率的に発光するようになるので、照光装置1の外観は向上する。
【0082】
上記実施形態では、固定部44は、導光体30と一体に成形されていたが、これらは別々に成形されていてもよい。このことによれば、固定部44と、導光体30と、の接点は、光学的に接合しない限り鏡面になるので、その接点から漏れる光の量は減る。従って、照光装置1はより効率的に発光するようになるので、照光装置1の外観は向上する。
【0083】
上記実施形態では、発光素子は2組設けられていたが、発光素子は2組以上設けられていても良い。このことによれば、導光体30に光の入光する箇所が増えるので、照光装置1は、より均一に発光するようになる。
【0084】
上記実施形態では、反射部33は、セレーション加工されていたが、これらはセレーション加工以外の、例えば、シボ加工等の反射形状であってもよい。反射部33がシボ加工である場合、反射部33の反射面の凹凸は、セレーション加工よりも小さいので、照光装置1は、より均一に発光するようになる。
【0085】
上記実施形態では、基板10は円形状とされていたが、固定部44が固定できるような形状加工がなされていればよい。つまり、基板10が矩形状であって、固定部44が固定される箇所に固定部44が挿通固定される挿通孔が形成されていてもよい。
【0086】
その他、本発明は要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる。