(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示手段は、ユーザが前記イベント管理サーバに対してイベント実行の指示を行うための画像を表示し、前記イベント期間が延長された場合、前記延長されたイベント期間が終了するまでの間、前記画像を表示しつづける
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の端末装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来のゲームシステムにおいては、例えば「フィーバータイム」と呼ばれるイベント期間内にユーザが所定の操作を行ってゲームを実行すると、このイベント期間外にゲームを実行した場合に比して有利な特典がユーザに与えられるものがある。
このようなゲームシステムにおいては、ユーザが所定の操作を行うことで、各自の端末装置から断続的にサーバ装置へ通信してゲームを進行し、有利な特典を獲得していくものである。端末装置とサーバ装置との間において通信が行われると端末装置からサーバ装置に送信して、サーバ装置から端末装置に応答が行われるまでの応答時間が生じる。この応答時間は、ネットワークの状況により変化するため、応答時間が比較的短い端末装置と、比較的長い端末装置とが存在する。すなわち、端末装置の通信環境に応じて、応答時間が異なることになる。
したがって、複数のユーザが同一の期間内に所定の操作をおこなったにもかかわらず、イベント期間内にゲームを実行でき有利な特典が得られるユーザと、他のユーザと比較して少ない量しか有利な特典が得られないユーザとが発生する。
また、当該イベントでは、複数のユーザで、当該期間の終了時刻におけるユーザのポイントを参照して、ユーザの順位を決定するものもあり、イベントの終了時刻間近には、特に、不特定多数のユーザからサーバ装置へのアクセスが集中する傾向がある。そのため、イベントの終了時刻間近には、ユーザが所定の操作を行い、端末装置がその操作を示す情報をサーバ装置に送信しても、サーバ装置からの応答時間が長時間になることもある。その場合、ユーザは終了時刻までに少しでも多くのポイントを稼ぎたいという要望があるため、サーバ装置からの応答時間の遅れによって、終了時刻までに当該イベントで行える行為が少なくなり、ユーザによって不満が残るものとなる。
つまり、従来のゲームシステムにおいては、サーバ装置と各端末装置それぞれの間の応答時間の長さが、端末装置間において互いに異なることにより、ユーザ間に不公平が生じるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明では、ユーザ間の不公平の程度を低減すること、及びユーザからサーバ装置へのアクセス集中が生じて応答時間の遅れが生じても、ユーザに不満を感じさせないようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、所定の長さのイベント期間内に行われる端末装置(100)とサーバ装置(200)との通信に基づいて実行されるイベントのイベント期間を管理するイベント管理システム(1)であって、イベント期間内における端末装置に対するイベント実行の指示に応じて、端末装置(100)からサーバ装置(200)にイベントの要求情報を送信することで、サーバ装置(200)上でイベントを実行して、応答情報を端末装置(100)に送信するイベント実行部(203)と、イベントについての要求情報が端末装置(100)からサーバ装置(200)に送信されてから、当該要求情報に対応させてサーバ装置(200)から送信される応答情報が当該端末装置(100)に受信されるまでの応答時間を、ユーザ毎に測定する応答時間測定部(103)と、応答時間測定部(103)が測定したユーザ毎の応答時間を(ユーザ毎に)合計した時間に基づいて、イベント実行部(203)が実行するイベントのイベント期間を(ユーザ毎に)延長する延長部(206)とを備えることを特徴とするイベント管理システム(1)である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、イベントとは、ゲーム内のイベントであって、イベント実行部(203)は、イベントが実行されるゲーム内におけるユーザ毎のゲームの進行状態を、イベントが実行されていない場合の進行状態とは異なる状態にしてゲームを進行させるを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、延長部(206)が延長したイベント期間の長さを示す情報を端末装置(100)に出力する表示部(出力部)を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、表示部(出力部)DSは、イベント期間のうち延長部(206)が延長した期間において、延長部(206)が延長したイベント期間の長さを示す情報を端末装置(100)から出力させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、イベントとは、ゲーム内のイベントであって、イベントに参加する複数のユーザ間の競争によりユーザが取得する特典を、要求情報を送信した端末装置(100)を利用するユーザに対して付与する付与部(207)を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、付与部(207)がユーザ毎に付与した特典に基づいて、イベントにおけるユーザ毎のイベント結果を算出する算出部(208)を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、算出部(208)がユーザ毎に算出したイベント結果に基づいて、ゲームの進行状態をユーザ毎に変化させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、算出部(208)が算出したイベント結果を端末装置(100)から出力させる結果出力部(209)を備え、算出部(208)は、イベントに参加したユーザの順位を算出して、算出したユーザの順位をイベント結果として結果出力部(209)に供給することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、表示部(出力部)は、延長部(206)が延長したイベント期間が終了するまでの時間を、イベント期間の長さを示す情報として端末装置(100)から出力させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、表示部(出力部)は、イベント期間のうち延長部(206)が延長した期間において、延長部(206)が延長したイベント期間が終了するまでの時間を、イベント期間の長さを示す情報として端末装置(100)から出力させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、延長部(206)は、さらにユーザがゲームにおいて取得しているアイテムを示す情報に基づいて、イベント実行部(203)が実行するイベントのイベント期間をユーザ毎に延長することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、イベント期間が経過した後には、イベント実行部(203)が実行中のイベントを終了させるとともに、当該イベントの終了を示す情報を端末装置(100)から出力させるイベント終了部を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の一態様は、上記の端末装置において、算出部(208)は、イベント期間のうち延長部(206)が延長した期間に移行する時点のイベント結果を示す中間結果を算出し、結果出力部(209)は、イベント期間のうち延長部(206)が延長した期間に移行する際に、算出部(208)が算出した中間結果を端末装置(100)から出力させることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の一態様は、所定の長さのイベント期間内に行われる端末装置(100)とサーバ装置(200)との通信に基づいて実行されるイベントのイベント期間を管理するイベント管理方法であって、イベント期間内における端末装置に対するイベント実行の指示に応じて、端末装置(100)からサーバ装置(200)にイベントの要求情報を送信することで、サーバ装置(200)上でイベントを実行して、応答情報を端末装置(100)に送信するイベント実行手順と、イベントについての要求情報が端末装置(100)からサーバ装置(200)に送信されてから、当該要求情報に対応させてサーバ装置(200)から送信される応答情報が当該端末装置(100)に受信されるまでの応答時間を、ユーザ毎に測定する応答時間測定手順と、応答時間測定手順において測定されたユーザ毎の応答時間をユーザ毎に合計した時間に基づいて、イベント実行手順において実行されるイベントのイベント期間をユーザ毎に延長する延長手順とを有することを特徴とするイベント管理方法である。
【0020】
また、本発明の一態様は、所定の長さのイベント期間内に行われる端末装置(100)とサーバ装置(200)との通信に基づいて実行されるイベントのイベント期間を管理するイベント管理システムにおけるサーバ装置(200)であって、イベント期間内における端末装置(100)に対するイベント実行の指示に応じて、端末装置(100)からイベントの要求情報を受信することで、イベントを実行して、応答情報を端末装置(100)に送信するイベント実行部(203)と、端末装置(100)に測定された、イベントについての要求情報が端末装置(100)からサーバ装置(200)に送信されてから、当該要求情報に対応させてサーバ装置(200)から送信される応答情報が当該端末装置(100)に受信されるまでの応答時間のユーザ毎の応答時間を合計した時間に基づいて、イベント実行部が実行するイベントのイベント期間をユーザ毎に延長する延長部(206)とを備えることを特徴とするサーバ装置(200)である。
【0021】
また、本発明の一態様は、所定の長さのイベント期間内に行われる端末装置(100)とサーバ装置(200)との通信に基づいて実行されるイベントのイベント期間を管理するイベント管理システム(1)が備えるコンピュータに、イベント期間内における端末装置に対するイベント実行の指示に応じて、端末装置(100)からサーバ装置(200)にイベントの要求情報を送信することで、サーバ装置(200)上でイベントを実行して、応答情報を端末装置(100)に送信するイベントステップと、イベントについての要求情報が端末装置(100)からサーバ装置(200)に送信されてから、当該要求情報に対応させてサーバ装置(200)から送信される応答情報が当該端末装置(100)に受信されるまでの応答時間を、ユーザ毎に測定する応答時間測定ステップと、応答時間測定ステップによって測定されたユーザ毎の応答時間をユーザ毎に合計した時間に基づいて、イベント実行ステップによって実行されるイベントのイベント期間をユーザ毎に延長する延長ステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、複数の端末装置とサーバ装置とが通信する場合において、サーバ装置と各端末装置それぞれの間の応答時間の長さが、端末装置間において互いに異なることにより生ずるユーザ間の不公平の程度を低減するとともに、ユーザからサーバ装置へのアクセス集中が生じて応答時間の遅れが生じてもユーザに不満を感じさせないようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1の実施形態]
本発明を実施するための第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るイベント管理システム1の構成の一例を示す構成図である。イベント管理システム1は、複数の端末装置100と、サーバ装置200(ゲーム装置)とを備えている。この複数の端末装置100とは、例えば、端末装置100−1〜100−n(nは自然数。)である。また、これらの端末装置100と、サーバ装置200とは、ネットワーク5を介して接続されている。すなわち、このイベント管理システム1は、複数の端末装置と、端末装置にゲームの情報を提供するサーバ装置とがネットワーク5を介して相互に通信を行う。なお、端末装置100−1〜100−nは、いずれも同様の構成であるため、特に区別しない場合には、端末装置100と総称して説明する。
【0025】
ネットワーク5は、サーバ装置200と複数の端末装置100とが通信を行う無線または有線による通信網である。この通信網には、例えば、携帯電話回線網やインターネットが適用できる。
【0026】
サーバ装置200は、ネットワーク5を介して複数の端末装置100と通信する。このサーバ装置200が通信する情報には、サーバ装置200から端末装置100に供給されるサーバ情報や、端末装置100から出力される端末情報が含まれる。ここで、サーバ情報とは、端末装置100がゲームを進行する際に利用するデータである。また、端末情報とは、サーバ装置200が該当するユーザのゲームを進行させる際に利用するデータである。
【0027】
端末装置100(端末装置100−1〜−n)は、各ユーザが利用するコンピュータ装置であり、サーバ装置200からネットワーク5を介して供給されるサーバ情報を利用したゲームをユーザに提供する。ここで、ユーザとは、端末装置100を利用してゲームをプレイする人である。このユーザには、ユーザU1、ユーザU2…ユーザUnが含まれる。また、端末装置100−1とは、ユーザU1が利用する端末装置である。同様に、端末装置100−nとは、ユーザUnが利用する端末装置である。端末装置100には、例えばPC(Personal Computer)やタブレットPC、スマートフォン、フィーチャーフォン
等が適用できる。
【0028】
次に、この端末装置100の構成について
図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態の端末装置100の構成の一例を示す斜視図である。端末装置100は、画像を表示する表示部DSと、ユーザの操作を検出する操作検出部TPと、音声を出力する音声出力部SPとを備えている。
【0029】
表示部DSは、液晶パネルや有機ELパネルなどの画像表示パネルを備えており、入力される画像信号に基づいた画像を表示する。この表示部DSが表示する画像の構成については、後述する。
【0030】
音声出力部SPは、スピーカーを備えており、入力される音声信号に基づいた音声を出力する。操作検出部TPは、表示部DSの画像表示パネルに配置されたタッチセンサを備えており、ゲームをプレイするユーザによる操作を検出するとともに、検出した操作を示す操作情報を出力する。
【0031】
次に、このイベント管理システム1が、端末装置100およびサーバ装置200によって提供するゲームの概要について説明する。端末装置100は、サーバ装置200と通信することにより、表示部DSにゲーム画面を表示してゲームを進行させる。ここで、ゲームとは、ユーザの操作によりクエストを実行し、このクエストの実行結果に応じた特典がユーザに与えられるゲーム(例えば、クエストゲーム)である。このクエストとは、敵を探索するとともに、探索によって敵が出現した場合には、出現した敵との対戦を行い、その対戦の勝敗を判定し、判定した勝敗の結果をクエスト結果として出力するゲーム要素である。また、特典とは、ユーザに与えられるゲームにおける価値である。この特典には、例えば、ゲームのポイント(得点)、ゲーム内において利用可能なアイテム、ゲーム内において流通する仮想通貨などが含まれる。
【0032】
このゲームは、複数のエリアによって構成されている。各エリアには、1つまたは複数のクエストが設定されている。このクエストを実行した場合には、ユーザのゲーム内における体力値を消費するとともに、エリアの達成率が上昇する。エリアの達成率が所定の割合(例えば、100%)に達すると、そのエリアをクリアしたことになる。クエストごとに設定されるエリアの達成率を満たしたユーザには、クエスト結果に基づいた特典が与えられる。このゲームでは、例えば、クエストの実行回数に対する所定の割合に基づいて、強力な敵(例えば、ボスキャラクタ)が出現する。このクエストにおいて、探索によりボスキャラクタが出現した場合に、ユーザがこのボスキャラクタと対戦して勝った場合には、弱い敵に勝った場合に比してより多くの特典がユーザに与えられる。
【0033】
また、このゲームにはイベントEVが設定されている。ここで、イベントEVとは、クエストを実行したユーザが、特別な特典を得ることができるゲーム要素である。イベントEVには、イベントEVが開始されるイベント開始タイミングと、開始されたイベントEVが継続して実施される期間(イベント期間ET)が設定されている。このイベント期間ETは、例えば、5分間に設定される。サーバ装置200は、現在の日付および時刻が、予め設定されているイベント開始タイミングになった場合には、イベントEVを開始する。サーバ装置200は、イベントEVを開始した後、イベント期間ETが経過した場合には、このイベントEVを終了する。例えば、イベントEVのイベント期間ETが5分間である場合には、サーバ装置200は、イベントEVを開始してから5分経過後に、イベントEVを終了する。
【0034】
ユーザは、このイベント期間ET中にクエストを実行した場合に、そのクエスト結果に基づいた特別な特典を得ることができる。例えば、ユーザは、イベント期間ET中にクエストを実行した場合に、イベント期間ET以外の期間においてクエストを実行した場合に比べてより多くの特典を得ることができる。また例えば、ユーザは、イベント期間ET中にクエストを実行した場合に、イベント期間ET以外の期間においては入手することができない特典を得ることができる。次に、このイベント期間ETにおける端末装置100とサーバ装置200との間の通信の概要について
図3を参照して説明する。
【0035】
図3は、本実施形態のイベント期間ETにおける端末装置100とサーバ装置200との間の通信手順の概要を示す図である。ここで、サーバ装置200は、端末装置100との通信を、各端末装置100(端末装置100−1〜端末装置100−n)との間においてそれぞれ同様におこなう。以下の説明においては、サーバ装置200と1台の端末装置100との間の通信について説明し、サーバ装置200と他の端末装置100との間の通信の説明は省略する。また、以下の説明において、イベントEVとは、フィーバータイムである。このフィーバータイムにおいては、イベント期間ET中にクエストを実行した場合に、イベント期間ET以外の期間においてクエストを実行した場合に比べてより多くの特典、例えばゲーム上での経験値を得ることができる。
【0036】
サーバ装置200は、イベント期間ETの開始および終了を制御する。サーバ装置200は、現在の時刻がイベント期間ET(フィーバータイム)の開始タイミングに達すると、イベント期間ETの開始を示す情報を端末装置100に送信する(ステップS1)。このイベント期間ETの開始を示す情報には、イベント期間ETの終了タイミングを示す情報が含まれている。このイベント期間ETの終了タイミングを示す情報とは、例えば、イベント期間ETの終了時刻を示す情報や、イベント期間ETの長さ(例えば、5分)を示す情報である。端末装置100は、サーバ装置200からイベント期間ETの開始を示す情報を受信すると、フィーバータイム中であることを示す画像P1を表示する。この画像P1には、フィーバータイムの残り時間を示す画像と、クエストを実行するための操作ボタン(クエスト実行ボタン)の画像が含まれている。
【0037】
ユーザは、クエストを実行したい場合、画像P1のクエスト実行ボタンを操作(例えば、表示部DSをタップ)して、クエストの実行要求を行う。これにより、端末装置100は、クエスト実行要求をサーバ装置200に対して送信する(ステップS2)。端末装置100は、クエスト実行要求を送信してから、サーバ装置200からクエスト実行応答を受信するまでの間において、クエスト実行応答待ちであることを示す画面P2を表示する。このクエスト実行応答待ちであることを示す画面P2とは、例えば、通信中を示す画面である。一方、サーバ装置200は、端末装置100が送信したクエスト実行要求をイベント期間ET内に受信すると、クエストを実行するとともに、クエスト実行要求に対する応答としての、クエスト実行応答を端末装置100に送信する(ステップS3)。
【0038】
端末装置100は、クエスト実行要求を送信した後、画面P2を表示している場合において、サーバ装置200からクエスト実行応答を受信した場合には、画面P2の表示を終了し、クエストの結果を示す画面P3を表示する。このクエストの結果を示す画面P3とは、ユーザのゲーム内の体力値と達成率、およびフィーバータイムの残り時間とが、画面P1から更新されて表示されるとともに、次のクエストの実行を受け付けるクエスト実行ボタンが表示される画面である。
【0039】
端末装置100が画面P3を表示したことに応じて、ユーザが再びクエストの実行要求を行うと、端末装置100は、2回目のクエスト実行要求をサーバ装置200に対して送信する(ステップS4)。端末装置100は、クエスト実行要求を送信してから、サーバ装置200からクエスト実行応答を受信するまでの間において、クエスト実行応答待ちであることを示す画面P4を表示する。この画面P4とは、画面P2と同様、例えば、通信中を示す画面である。一方、サーバ装置200は、端末装置100が送信したクエスト実行要求をイベント期間ET内に受信すると、クエストを実行するとともに、クエスト実行要求に対する応答としての、クエスト実行応答を端末装置100に送信する(ステップS5)。ここで、サーバ装置200は、クエストにおいて敵が出現したことを示す情報を含むクエスト実行応答を端末装置100に送信する。
【0040】
端末装置100は、クエストにおいて敵が出現したことを示す情報を含むクエスト実行応答を受信した場合には、敵が出現したことを示す画像P5を表示した後、ユーザと敵との対戦状態を示す画像P6を表示する。そして、端末装置100は、ユーザと敵との対戦において、例えば、ユーザが勝利したことを示す画像P7を表示する。このとき、ユーザは、イベント期間ET以外の期間においてクエストを実行した場合に比べてより多くの特典(例えば、ゲーム上での経験値等のポイント)を得る。
【0041】
一方、サーバ装置200は、イベントEVのイベント期間ETが終了したか否かを判定する。そして、サーバ装置200は、イベント期間ETが終了したと判定した場合には、クエストを実行した場合にユーザに付与する特典の設定を、イベント期間ET以外の期間における通常の特典の設定を戻して、次のクエスト実行要求を待つ。
【0042】
ここまで、イベント期間ETにおける端末装置100とサーバ装置200との間の通信手順の概要について説明した。次に、応答時間RTについて説明する。
端末装置100とサーバ装置200とが通信を行って進めるゲームの場合には、応答時間RTが発生する。ここで応答時間RTとは、端末装置100がクエスト実行要求を送信するタイミングと、端末装置100がこのクエスト実行要求に対するクエスト実行応答を受信するタイミングとの間に発生する、タイミングの差である。この応答時間RTが発生する原因には、端末装置100とサーバ装置200との間のネットワーク5の通信遅延がある。例えば、ネットワーク5の通信状況が悪い場合(例えば、通信のトラフィックの値が上昇する)には、端末装置100がクエスト実行要求を送信してから、サーバ装置200に受信されるまでの時間が、通信状況が良い場合に比べて長くなる。したがって、ネットワーク5の通信状況が悪い場合には、通信状況が良い場合に比べて応答時間RTが長くなる。このネットワーク5の通信状況は、ユーザが利用しているネットワーク5の経路毎に異なるため、各ユーザの応答時間RTはユーザ毎に異なる。
【0043】
ここで、ユーザがイベント期間ETの終了間際にクエストの実行を要求する操作を行った場合について説明する。仮に、ユーザがクエストの実行を要求する操作を行った場合に、ネットワーク5の通信状況がよく通信遅延が少ない場合には、イベント期間ET内にサーバ装置200がクエスト実行要求を受信することができる。一方、ユーザがクエストの実行を要求する操作を行った場合に、ネットワーク5の通信状況が悪く、通信遅延が多い場合には、イベント期間ET内にサーバ装置200がクエスト実行要求を受信することができなくなることがある。したがって、イベント期間ETの終了間際に、複数のユーザが同じタイミング(時刻)でクエストの実行を要求する操作を行った場合、イベント期間ET内にクエスト実行要求がサーバ装置200に受信されるユーザと、イベント期間ET内にクエスト実行要求がサーバ装置200に長時間受信されないユーザとが生じる。上述したように、イベント期間ET中にクエストを実行した場合に、イベント期間ET以外の期間においてクエストを実行した場合に比べてより多くの特典を得ることができる。すなわち、イベント期間ETの終了間際に、複数のユーザが同じ時間帯にでクエストの実行を要求する操作を行った場合、ユーザが得ることができる特典に差が生じてしまうことになる。このように、ユーザ間において不公平な状況が発生する程度を低減するため、イベント管理システム1は、ユーザ毎にばらつきのある応答時間RTの長さに応じて、ユーザ毎にイベント期間ETを延長する。このイベント期間ETを延長する仕組みの概要について、以下説明する。
【0044】
端末装置100は、応答時間RTを計測(計時)する。具体的には、端末装置100は、クエスト実行要求を送信する際に、応答時間RTの計時用タイマの計時を開始し、サーバ装置200からクエスト実行応答を受信した際に、計時用タイマの計時を停止して、この計時用タイマが計測した時間を応答時間RTとして、応答時間RTを計測する。また、端末装置100は、イベント期間ETが継続している間における応答時間RTの合計値を算出する。具体的には、端末装置100は、イベント期間ETにおいて、複数回のクエスト実行要求の送信を行った場合には、各クエスト実行要求に対する応答時間RTを積算して、その応答時間RTの合計値を算出する。例えば、端末装置100は、イベント期間ET内における1回目のクエスト実行要求に対する応答時間RT1と、2回目のクエスト実行要求に対する応答時間RT2とを積算して、応答時間RTの合計値を算出する。
【0045】
サーバ装置200は、端末装置100が算出した応答時間RTの合計値を、ユーザ毎に取得して、取得した各ユーザについての応答時間RTの合計値に基づいて、ユーザ毎にイベント期間ETを延長する。これにより、イベント管理システム1は、イベント期間ETの終了間際に、複数のユーザが同じ時間帯にクエストの実行を要求する操作を行った場合であっても、ユーザ間において不公平な状況が発生する程度を低減している。
【0046】
以下、上述した端末装置100、およびサーバ装置200の詳細な構成について
図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態のイベント管理システム1の構成の一例を示す構成図である。同図に示すように端末装置100は、端末通信部101と、計時部102と、応答時間測定部103と、端末制御部150と、端末記憶部160とを備えている。これらの各部はバスBS1によって相互に接続されており、バスBS1を介して相互に情報の授受を行う。このうち端末記憶部160は、端末装置100上でゲームを実行するためのゲームプログラム等を記憶する。なお、このゲームプログラムには、サーバ装置200からイベントの開始を示す情報を受信した場合に実行するイベント状態のゲームプログラムが含まれている。
【0047】
端末制御部150は、上述した操作検出部TPと、表示部DS(出力部)と、音声出力部SP(出力部)とに接続され、操作検出部TPが検出した操作を示す操作情報を取得するとともに、表示部DSに画像情報を、音声出力部SPに音声情報をそれぞれ出力する。
また、端末制御部150は、バスBS1を介して端末装置100の各部と接続されており、各部が出力する情報を取得して、取得した情報に基づいて演算した結果を、バスBS1を介して各部に出力する。また、端末制御部150は、端末装置100の各部が出力する情報をバスBS1を介して取得し、取得した情報をバスBS1を介して端末記憶部160に書き込む。また、端末制御部150は、端末記憶部160からバスBS1を介して情報を読み出して、読み出した情報をバスBS1を介して端末装置100の各部に出力する。
ここで、端末制御部150は、上述したゲームプログラムを実行し、サーバ装置200からイベントの開始を示す情報を受信した場合、イベント状態のゲームプログラムを実行する。具体的には、端末装置100の端末制御部150がゲームの処理を実行しているとき、サーバ装置200からのイベント開始指示信号が受信されることを待つか、サーバ装置200に定期的に問い合わせを行ってイベント開始指示がないかを確認させることによって監視を行い、サーバ装置200からイベントの開始を示す情報が受信されたとき、イベント状態のゲームプログラムを実行する。そして、ユーザが端末装置100に対してイベント実行の所定の操作を行った場合、サーバ装置200にイベント実行の指示を行うとともに、応答時間測定部103に応答時間を測定させ、所定のタイミングで応答時間をサーバ装置200に送信する。加えて、以下の計時部102にイベント期間ETの経過時間を計時処理させて、カウントダウン表示等を行わせる。
【0048】
端末通信部101は、ネットワーク5を介してサーバ装置200と通信を行う。具体的には、端末通信部101は、端末装置100が備える各部が出力する情報をバスBS1を介して取得し、取得した情報をネットワーク5を介してサーバ装置200に送信する。また、端末通信部101は、サーバ装置200から送信される情報を、ネットワーク5を介して受信し、受信した情報をバスBS1を介して端末装置100が備える各部に出力する。
【0049】
計時部102は、イベント期間ETの経過時間を計時する。具体的には、計時部102は、例えば不図示のタイマを備え、サーバ装置200が送信したイベント期間ETの開始を示す情報を、端末通信部101を介して取得すると、タイマを作動させて計時を開始する。
【0050】
応答時間測定部103は、イベント状態のゲームプログラムを実行しているとき、クエスト実行要求(イベントについての要求情報)が端末装置100からサーバ装置200に送信されてから、クエスト実行要求に対応させてサーバ装置200から送信されるクエスト実行応答(応答情報)が端末装置100に受信されるまでの応答時間RTを測定する。
具体的には、応答時間測定部103は、例えば不図示のタイマを備え、端末通信部101がクエスト実行要求を送信する際にタイマによる計時を開始し、端末通信部101がクエスト実行応答を受信した際にタイマによる計時を停止して、応答時間RTを測定する。応答時間測定部103は、測定した応答時間RTを端末制御部150を介して端末記憶部160に記憶させる。
【0051】
次に、サーバ装置200の構成について説明する。サーバ装置200は、サーバ通信部201と、イベント開始部202と、イベント実行部203と、終了タイミング判定部204と、イベント終了部205と、延長部206と、サーバ制御部250と、サーバ記憶部260とを備えている。これらの各部はバスBS1によって相互に接続されており、バスBS1を介して相互に情報の授受を行う。このうちサーバ記憶部260は、サーバ装置200の各部が利用する情報、および端末装置100に供給される情報を記憶する。以下、
図5から
図7を参照して、このサーバ記憶部260が記憶する情報の構成の一例について説明する。
【0052】
図5は、本実施形態のサーバ記憶部260が記憶するイベント期間管理テーブルT1の一例を示す表である。サーバ記憶部260は、ユーザ識別情報と関連付けて、ユーザが保有するキャラクタ情報やゲーム進行情報等のユーザ情報が記憶している。端末装置100に対するユーザの指示(クエスト等)に応じて、当該ユーザ情報を更新し、端末装置100に送信することで、ゲームを進行させる。また、サーバ記憶部260は、イベントIDと、イベントEVの開始時刻と、イベントEVの終了時刻(第1終了時刻)とを関連付けて、イベント期間管理テーブルT1として記憶する。ここで、イベントIDとは、イベントEVを識別する情報である。イベントの管理者(例えば、ゲームの運営者)は、イベントEVの開始時刻と、終了時刻とをイベントEV毎に設定して、イベント期間管理テーブルに予め記憶させる。イベント管理システム1は、これら複数のイベントEVをイベントIDによって識別して管理する。つまり、イベントIDとは、これら複数のイベントEVを識別するためのIDであり、イベントの開始時刻毎に固有の値が割り当てられている。
例えば、開始時刻が10時00分00秒であるイベントEVには、イベントID「EV01」が割り当てられている。また、開始時刻が12時30分00秒であるイベントEVには、イベントID「EV02」が、開始時刻が17時30分00秒であるイベントEVには、イベントID「EV03」が、それぞれ割り当てられている。サーバ記憶部260は、このイベントID「EV01」と、開始時刻10時00分00秒と、終了時刻10時05分00秒とを関連付けて、イベント期間管理テーブルT1として記憶する。同様に、サーバ記憶部260は、イベントID「EV02」と、開始時刻12時30分00秒と、終了時刻12時35分00秒とを関連付けて、イベントID「EV03」と、開始時刻17時30分00秒と、終了時刻17時35分00秒とを関連付けて、それぞれ記憶する。
【0053】
次に、
図6を参照して、本実施形態のサーバ記憶部260が記憶する応答時間テーブルT2の一例について説明する。
図6は、本実施形態のサーバ記憶部260が記憶する応答時間テーブルT2の一例を示す表である。サーバ記憶部260は、ユーザIDと、応答時間RTの合計値とを関連付けて、応答時間テーブルT2として記憶する。ここで、ユーザIDとは、ユーザを識別する情報である。各ユーザにはユーザIDが予め割り当てられており、イベント管理システム1は、このユーザIDによってユーザを識別する。例えば、ユーザIDは、ユーザが利用する端末装置100からサーバ装置200に対して送信される情報に含まれている。サーバ装置200は、端末装置100から送信される情報に含まれるユーザIDによって、送信された情報がいずれのユーザに関する情報であるかを識別する。例えば、サーバ装置200は、端末装置100において測定された応答時間RTとユーザIDとを含む情報を受信すると、受信した応答時間RTが、同時に受信したユーザIDが識別するユーザが利用する端末装置100の応答時間RTであると識別する。また、応答時間RTの合計値とは、イベント期間ETが継続している間における応答時間RTをユーザ毎に積算した値である。端末装置100は、応答時間測定部103が測定した応答時間RTをクエスト実行要求の送信に先だって(または、送信するクエスト実行要求に含めて)、ユーザIDとともにサーバ装置200に送信する。サーバ装置200は、受信した応答時間RTを、ユーザIDが識別するユーザの応答時間RTとして、ユーザID毎に積算して、応答時間テーブルT2に記憶させる。一例として、このサーバ記憶部260は、ユーザU1のユーザID「U001」と、ユーザU1が利用する端末装置100−1とサーバ装置200との間の応答時間RTの合計値(例えば、15秒)とを関連付けて記憶する。また、サーバ記憶部260は、ユーザU2のユーザID「U002」と、ユーザU2が利用する端末装置100−2とサーバ装置200との間の応答時間RTの合計値(例えば、20秒)とを関連付けて記憶する。同様に、サーバ記憶部260は、ユーザU3のユーザID「U003」と、ユーザU3が利用する端末装置100−3とサーバ装置200との間の応答時間RTの合計値(例えば、30秒)とを関連付けて記憶する。
【0054】
次に、
図7を参照して、本実施形態のサーバ記憶部260が記憶するロスタイム管理テーブルT3の一例について説明する。
図7は、本実施形態のサーバ記憶部260が記憶するロスタイム管理テーブルT3の一例を示す表である。サーバ記憶部260は、イベントIDと、ユーザIDと、イベントEVの延長後の終了時刻(第2終了時刻)とを関連付けて、ロスタイム管理テーブルT3として記憶する。ここで、ロスタイム管理テーブルT3に記憶させるロスタイムとは、イベント期間ETのうち、端末装置100とサーバ装置200との間の応答時間RTの合計値である。また、イベントEVの延長後の終了時刻とは、予め設定されているイベントEVのイベント期間ETが延長されて、終了時刻(第1終了時刻)が変更された場合の終了時刻である。そして、端末装置100とサーバ装置200との間の応答時間RTの合計値に基づいてイベントEVのイベント期間ETが延長される。この応答時間RTは、ユーザ毎に異なることがあるため、サーバ記憶部260は、イベントEV毎およびユーザ毎にイベントEVの延長後の終了時刻をロスタイム管理テーブルT3として記憶する。一例として、サーバ記憶部260は、イベントID「EV01」と、ユーザID「U001」と、延長後の終了時刻10時05分15秒とを関連付けて、ロスタイム管理テーブルT3として記憶する。また、サーバ記憶部260は、イベントID「EV01」と、ユーザID「U002」と、延長後の終了時刻10時05分20秒とを関連付けて、ロスタイム管理テーブルT3として記憶する。同様に、サーバ記憶部260は、イベントID「EV03」と、ユーザID「U003」と、延長後の終了時刻10時05分30秒とを関連付けて、ロスタイム管理テーブルT3として記憶する。
【0055】
再び
図4を参照して、サーバ装置200の構成について説明を続ける。
サーバ制御部250は、バスBS2を介してサーバ装置200の各部と接続されており、各部が出力する情報を取得して、取得した情報に基づいて演算した結果を、バスBS2を介して各部に出力する。また、サーバ制御部250は、サーバ装置200の各部が出力する情報をバスBS2を介して取得し、取得した情報をバスBS2を介してサーバ記憶部260に書き込む。また、サーバ制御部250は、サーバ記憶部260からバスBS2を介して情報を読み出して、読み出した情報をバスBS2を介してサーバ装置200の各部に出力する。
【0056】
サーバ通信部201は、ネットワーク5を介して端末装置100と通信を行う。具体的には、サーバ通信部201は、サーバ装置200が備える各部が出力する情報をバスBS2を介して取得し、取得した情報をネットワーク5を介して端末装置100に送信する。
また、端末通信部101は、サーバ装置200から送信される情報を、ネットワーク5を介して受信し、受信した情報をバスBS2を介してサーバ装置200が備える各部に出力する。
【0057】
イベント開始部202は、所定のタイミングにおいて、イベントEVについてのイベント期間ETを開始する。ここで所定のタイミングとは、サーバ記憶部260がイベント期間管理テーブルT1として記憶するイベントEVの開始時刻である。イベント開始部202は、所定の周期によりサーバ制御部250を介してサーバ記憶部260から各イベントEVのイベントIDとイベントEVの開始時刻とを取得する。なお、イベント開始部202は、前回のイベントEVの終了時にこれらの情報を取得してもよい。イベント開始部202は、取得した各イベントEVの開始時刻と、現在の時刻とを比較して、イベントEVのイベント期間ETを開始するか否かを判定する。具体的には、イベント開始部202は、取得した各イベントIDが識別するイベントEVのなかに、イベント開始時刻が現在の時刻以前であって、まだイベント期間ETが開始されていないイベントEVが存在する場合には、そのイベントEVのイベント期間ETを開始する。あるイベントEVのイベント期間ETが開始されると、サーバ制御部250は、そのイベントEVのイベント期間ETの開始を示す情報をサーバ通信部201を介して端末装置100に送信する。
【0058】
イベント実行部203は、端末装置100を利用するユーザの指示がイベント期間ET内にされたことに基づいて、断続的に端末装置と接続し、イベントEVを実行する。具体的には、イベント実行部203は、端末装置100が送信したクエスト実行要求が、イベント開始部202が介したイベント期間ET内にサーバ通信部201が受信した場合に、イベント期間ETにおけるクエストを実行する。サーバ記憶部260は、イベント期間ETにおけるクエスト実行用プログラム(イベントプログラム)を、イベントIDに関連付けて予め記憶している。イベント実行部203は、イベントEVのイベントIDに関連付けられているイベントプログラムをサーバ制御部250を介して取得し、取得したイベントプログラムに基づいて、クエストを実行する。イベントプログラムには、クエストにおける、探索による敵の出現率や、敵との対戦アルゴリズムが予め設定されている。イベント実行部203は、取得したイベントプログラムに基づいて、敵の出現有無や敵との対戦結果を演算し、演算した結果を端末装置100にサーバ通信部201を介して送信する。
【0059】
延長部206は、応答時間測定部103が測定したユーザ毎の応答時間をユーザ毎に合計した時間に基づいて、イベント実行部203が実行するイベントEVのイベント期間ETをユーザ毎に延長する。具体的には、延長部206は、サーバ制御部250から現在実行されているイベントEVのイベントIDを取得する。次に、延長部206は、サーバ制御部250を介してサーバ記憶部260が記憶するイベント期間管理テーブルT1から、取得したイベントIDに関連付けられている終了時刻を取得する。また、延長部206は、サーバ制御部250を介してサーバ記憶部260が記憶する応答時間テーブルT2から、ユーザID毎に応答時間の合計値を取得する。次に延長部206は、ユーザID毎に取得した終了時刻に、取得した応答時間の合計値を加算して、延長後の終了時刻をユーザID毎にそれぞれ算出する。次に延長部206は、算出した延長後の終了時刻を、取得したイベントIDおよびユーザIDに関連付けて、サーバ制御部250を介してサーバ記憶部260が記憶するロスタイム管理テーブルT3に記憶させる。
【0060】
終了タイミング判定部204は、延長部206が設定した終了タイミングに至ったか否かをユーザ毎に判定する。具体的には、終了タイミング判定部204は、サーバ制御部250がイベントEVを実行している場合に、現在の時刻とイベント終了時刻とを比較して、イベントEVのイベント期間ETが終了したか否かを判定する。より具体的には、終了タイミング判定部204は、サーバ制御部250から実行中のイベントEVのイベントIDを取得する。また、終了タイミング判定部204は、取得したイベントIDに関連付けてサーバ記憶部260が記憶するロスタイム管理テーブルT3から、延長後の終了時刻(第2終了時刻)を、サーバ制御部250を介して取得する。なお、ロスタイム管理テーブルT3に、取得したイベントIDに関連付けられている延長後の終了時刻が記憶されていない場合には、終了タイミング判定部204は、イベント期間管理テーブルから取得したイベントIDに関連付けられている終了時刻(第1終了時刻)を、サーバ制御部250を介して取得する。次に、終了タイミング判定部204は、取得した延長後の終了時刻(第2終了時刻)と、現在の時刻とを比較し、現在の時刻が延長後の終了時刻を経過している場合には、取得したイベントIDが識別するイベントEVのイベント期間ETが終了タイミングに至ったと判定する。一方、終了タイミング判定部204は、現在の時刻が延長後の終了時刻を経過していない場合には、取得したイベントIDが識別するイベントEVのイベント期間ETが終了タイミングに至っていないと判定する。そして、終了タイミング判定部204は、判定した結果をサーバ制御部250に出力する。
【0061】
イベント終了部205は、終了タイミング判定部204がイベントEVのイベント期間ETが終了タイミングに至ったと判定した場合に、終了タイミングに至ったイベントEVについて、イベントEVにおけるクエストの実行を不能にする。具体的には、イベント終了部205は、サーバ制御部250を介して終了タイミング判定部204が判定した結果を取得する。次に、イベント終了部205は、取得した結果がイベントEVのイベント期間ETが終了タイミングに至ったことを示す場合には、イベント実行部203に対して、端末装置100からの新たなクエスト実行要求を禁止する情報を出力する。これにより、イベント実行部203は、端末装置100からの新たなクエスト実行要求を禁止し、イベントの実行を終了させる。
また、イベント終了部205は端末装置100に対しても、イベント終了の指示を送信する。このとき、端末制御部150は、イベント終了の情報を受信して、イベント状態のゲームプログラムを終了するとともに、イベント終了の通知を端末装置100上で表示させる。なお、イベント終了の指示は、後述するユーザの順位を示す情報を端末装置100に送信する際に送信するようにしてもよい。
すなわち、イベント終了部205は、イベント期間ETが経過した後には、イベント実行部203が実行中のイベントEVを終了させるとともに、当該イベントEVの終了を示す情報を端末装置100から出力させる。
【0062】
以上説明したように、イベント管理システム1は、延長部206が、ユーザ毎にばらつきのある応答時間RTに基づいて、イベント期間ETをユーザ毎に延長する。これにより、イベント管理システム1は、応答時間RTが比較的長い端末装置100を利用するユーザが、応答時間RTが比較的短い端末装置100を利用するユーザに対して不利にならないようにすることができる。次に、このイベント管理システム1の動作の詳細について、
図8を参照して説明する。
【0063】
図8は、本実施形態のイベント管理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、あるイベントEV(例えば、イベントID「EV01」のイベントEV)のイベント期間ET開始時刻に到達した状況における、端末装置100とサーバ装置200との間の通信手順について説明する。
【0064】
サーバ装置200のイベント開始部202は、上述したように、各イベントEVの開始時刻と、現在の時刻とを比較した結果に基づいて、イベントEVのイベント期間ETを開始するとともに、サーバ制御部250にイベントEVの開始を通知する。サーバ制御部250は、イベント開始部202からイベントEVの開始が通知されると、イベントEVのイベント期間ETの開始を示す情報をサーバ通信部201を介して端末装置100に送信する(ステップS100)。このイベントEVのイベント期間ETの開始を示す情報には、イベントEVのイベント期間ETの終了時刻を示す情報が含まれている。
【0065】
端末装置100の端末制御部150は、イベントEVのイベント期間ETの開始を示す情報を受信して、イベント状態のゲームプログラムを実行する。
初めに端末制御部150は、イベントEVのイベント期間ETの開始を示す情報を受信して、計時部102に計時処理を行わせる。端末装置100の計時部102は、ステップS100において送信されたイベント期間ETの開始を示す情報を、端末通信部101を介して取得すると、イベント期間ETの計時を開始する。次に、計時部102は、取得したイベント期間の開始を示す情報に含まれているイベント期間ETの終了時刻を示す情報と、イベント期間ETを計時した結果とに基づいて、イベント期間ETの残り時間を算出する。次に、計時部102は、端末制御部150を介して、表示部DSに算出したイベント期間ETの残り時間を表示させる(ステップS110)。以降、イベント期間ETが終了するまでの間、計時部102は、イベント期間ETの残り時間の算出と、算出した残り時間の表示とを繰り返し行う。これにより、表示部DSは、イベント期間ETの残り時間をカウントダウン表示する。すなわち、表示部DS(出力部)は、延長部206が延長したイベント期間ETが終了するまでの時間を、イベント期間ETの長さを示す情報として出力する。また、このとき表示部DSは、クエスト実行ボタンを表示する。
【0066】
次に、端末制御部150は、計時済みの応答時間RTをサーバ装置200に対して送信する(ステップS120)。ここで、各イベント期間ETにおいて最初(1回目)のクエスト実行要求を送信していない場合には、計時済みの応答時間RTが存在しないため、端末制御部150は、ステップS120を実行せずに、処理を次のステップS130に進める。
【0067】
次に、端末制御部150は、ユーザがクエスト実行ボタンを操作したことを操作検出部TPによって検出されると、クエスト実行要求をサーバ装置200に対して送信する(ステップS130)。次に、応答時間測定部103は、応答時間RTの計時を開始する(ステップS140)。
【0068】
一方、サーバ装置200のイベント実行部203は、ステップS130において送信されたクエスト実行要求に基づいて、クエストを実行する。このとき、サーバ装置200に記憶されたユーザ情報を更新させてゲームを進行させる(ステップS150)。また、サーバ制御部250は、送信されたクエスト実行要求に対応するクエスト実行応答を端末装置100に対して送信する(ステップS160)。
【0069】
端末装置100の端末制御部150は、ステップS160において送信されたクエスト実行応答を取得すると、取得したクエスト実行応答に含まれるクエスト結果を示す情報に基づいて、クエストの結果を表示部DSに表示させる(ステップS180)。また、応答時間測定部103は、端末制御部150がステップS160において送信されたクエスト実行応答を取得すると、応答時間RTの計時を停止し、端末記憶部160に計時した応答時間RTを記憶させる。この端末記憶部160に記憶される応答時間RTは、同一のイベントEVのイベント期間ET内に再度クエスト実行要求を行う場合に、ステップS120においてサーバ装置200に送信される。
【0070】
ここまで、ステップS120からステップS180が1回分のクエスト実行シーケンスSQ1である。端末装置100およびサーバ装置200は、イベント期間ETが終了するまでの間、ユーザの操作に応じてクエスト実行シーケンスSQを1回または複数回繰り返し実行する。
【0071】
すなわち、端末装置100の端末制御部150は、イベント期間ETが終了したか否かを判定し(ステップS190)、イベント期間ETが終了していないと判定した場合(ステップS190:NO)には、処理をステップS120に戻す。一方、端末制御部150は、イベント期間ETが終了したと判定した場合(ステップS190:YES)には、処理をステップS220に進める。
【0072】
一方、サーバ装置200の終了タイミング判定部204も端末制御部150と同様に、イベント期間ETが終了したか否かを判定し(ステップS200)、イベント期間ETが終了していないと判定した場合(ステップS200:NO)には、サーバ制御部250が処理をステップS150に戻す。一方、終了タイミング判定部204は、イベント期間ETが終了したと判定した場合(ステップS200:YES)には、サーバ制御部250が処理をステップS210に進める。
【0073】
ステップS210において、サーバ装置200の延長部206は、ステップS120において送信される応答時間RTに基づいて、イベント期間ETを延長する。また、延長部206は、イベント期間ETの延長後の終了時刻を示す情報を、端末装置100に送信する。
【0074】
端末装置100の端末制御部150は、ステップS210において送信された延長後の終了時刻を示す情報を受信すると、受信した終了時刻に基づいてイベント期間ETの残り時間を算出し、算出した残り時間をイベント残り時間として表示部DSに表示させる(ステップS220)。すなわち、表示部DS(出力部)は、延長部206が延長したイベント期間ETの長さを示す情報をイベント残り時間として端末装置100に出力する。
【0075】
次に、端末装置100およびサーバ装置200は、上述したクエスト実行シーケンスSQ1と同様にして、クエスト実行シーケンスSQ2を実行する。ここで、端末装置100の端末制御部150は、延長後のイベント期間ETが終了したか否かを判定し(ステップS230)、イベント期間ETが終了していないと判定した場合(ステップS230:NO)は、処理を再びクエスト実行シーケンスSQ2に戻す。一方、端末制御部150は、イベント期間ETが終了したと判定した場合(ステップS230:YES)は、処理をステップS270に進める。
【0076】
一方、サーバ装置200の終了タイミング判定部204も、延長後のイベント期間ETが終了したか否かを判定し(ステップS240)、イベント期間ETが終了していないと判定した場合(ステップS240:NO)には、サーバ制御部250が処理を再びクエスト実行シーケンスSQ2に戻す。一方、終了タイミング判定部204は、イベント期間ETが終了したと判定した場合(ステップS240:YES)には、サーバ制御部250が処理をステップS250に進める。
【0077】
ステップS250において、サーバ装置200のイベント終了部205は、イベント実行部203に対して、端末装置100から新たなクエスト実行要求を禁止する情報を出力し、イベントの実行を終了させる。
【0078】
サーバ装置200のサーバ制御部250は、各ユーザのクエストの結果を集計し、各ユーザの順位を算出して、算出したユーザの順位を示す情報を端末装置100に送信して、イベントEVにおける処理を終了する(ステップS260)。
【0079】
端末装置100の端末制御部150は、ステップS260においてサーバ装置200から送信されたユーザの順位を示す情報とともに、イベント終了の指示を受信して、を表示部DSに表示させて、イベントEVにおける処理を終了する(ステップS270)。
【0080】
以上説明したように、本実施形態のイベント管理システム1は、イベント実行部203と、応答時間測定部103と、延長部206とを備えている。これにより、イベント管理システム1は、応答時間測定部103によって測定した応答時間RTに基づいて、延長部206がイベント期間ETを延長する。したがって、イベント管理システム1は、応答時間RTがユーザ毎に差が生じていても、その応答時間RTに基づいてユーザ毎にイベント期間ETを延長することができる。このため、イベント終了間際にユーザがクエスト実行要求を行った場合に、応答時間RTが比較的短いユーザと、応答時間RTが比較的長いユーザとの、いずれのユーザに対してもクエストを実行させることができる。したがって、イベント管理システム1は、ユーザ間において不公平な状況が発生する程度を低減することができる。
【0081】
なお、終了タイミング判定部204においてイベント終了と判断されたときに、サーバ装置200からイベント終了の指示を送信する代わりに、端末装置100からイベント実行要求があったとき、終了タイミング判定部204に対して、対応するユーザIDのロスタイム管理テーブルT3に基づいて、各ユーザのイベントの終了の判断を行い、終了タイミング判定部204において終了と判断された場合に、イベント終了の指示を行うようにしてもよい。
【0082】
また、端末制御部150は、所定の条件を満たした場合には、応答時間測定部103による応答時間RTの測定を終了させてもよい。ここで所定の条件には、例えば、端末装置100においてゲームのアプリケーションソフトウエアがユーザによって終了された場合や、測定した応答時間RTが所定の時間(例えば、60秒)以上になった場合が含まれる。これにより、イベント管理システム1は、ユーザが意図的に応答時間RTを長くすることによりイベント期間ETが不当に延長される状況の発生を低減することができる。また、上述したように端末制御部150が、応答時間測定部103による応答時間RTの測定を終了させた場合には、応答時間RTに所定の上限値(例えば、60秒)に設定してもよい。
【0083】
また、応答時間測定部103は、所定の長さ(例えば、3秒)以上の応答時間RTが発生した場合に、測定した応答時間RTを、端末制御部150を介して端末記憶部160に記憶させてもよい。また、応答時間測定部103は、予め測定してある応答時間RTの平均値と、クエスト実行要求時の応答時間RTとの差が所定のしきい値以上になった場合に、測定した応答時間RTを、端末制御部150を介して端末記憶部160に記憶させてもよい。
【0084】
また、上述した実施形態では、端末装置100に計時部102を備えさせて、カウントダウン表示を行っているが、カウントダウン表示を行わない場合には、必ずしも端末装置100に計時部102を備えさせる必要はない。
【0085】
[第1の変形例]
上述した第1の実施形態において、端末装置100は、クエスト実行要求を送信する毎に前回のクエスト実行要求に対する応答時間RTをサーバ装置200に対して送信していたが、これに限られない。この変形例の一例について、
図9および
図10を参照して説明する。
【0086】
図9は、本実施形態の第1の変形例であるイベント管理システム1aの構成の一例を示す図である。なお、以下の説明において、上述した第1の実施形態と同一の構成および動作については同一の符号を付して、その説明を省略する。イベント管理システム1aは、端末装置100aが端末記憶部160aを備えている点が、第1の実施形態と異なる。この端末記憶部160aは、上述したサーバ記憶部260に記憶されている応答時間テーブルT2を記憶している。
【0087】
次に、本変形例のイベント管理システム1aの動作について、
図10を参照して説明する。
図10は、本実施形態の第1の変形例であるイベント管理システム1aの動作の一例を示すフローチャートである。イベント管理システム1aは、クエスト実行要求を送信する毎に前回のクエスト実行要求に対する応答時間RTをサーバ装置200に対して送信するのではなく、イベント期間ETの終了時刻(第1終了時刻)の経過後に応答時間RTの合計値を送信する点が、第1の実施形態と異なる。
【0088】
具体的には、ステップS170において、端末装置100aの端末制御部150は、ステップS140を実行する度に応答時間測定部103が測定した応答時間RTを積算して、応答時間RTの合計値を算出する。そして、端末制御部150は、算出した応答時間RTの合計値を、端末記憶部160aに記憶させる。これにより、クエスト実行シーケンスSQ1’が実行されるたびに、応答時間RTが積算され、端末記憶部160aに記憶される応答時間RTの合計値が更新される。
【0089】
また、端末制御部150は、イベント期間ETの終了時刻(第1終了時刻)の経過後に、サーバ装置200に対して、端末記憶部160aが記憶する応答時間RTの合計値をユーザIDとともに送信する(ステップS195)。サーバ装置200の延長部206は、ステップS195において送信された応答時間RTの合計値と、ユーザIDとに基づいて、ユーザ毎にイベント期間ETを延長する。
【0090】
以上、第1の実施形態の第1の変形例について説明した。このように構成しても、イベント管理システム1aは、応答時間RTに基づいてイベント期間ETをユーザ毎に延長することができる。これにより、端末装置100aからサーバ装置200に対して送信される応答時間RTについて、クエスト実行要求が行われる度に送信せずに、イベント期間ETの終了時刻(第1終了時刻)の経過後に1回だけ送信するように構成することができる。したがって、この変形例によれば、イベント管理システム1aは、ネットワーク5の通信負荷を低減することができる。
【0091】
[第2の変形例]
上述した第1の実施形態において、端末装置100は、クエスト実行要求を送信する毎に前回のクエスト実行要求に対する応答時間RTをサーバ装置200に対して送信していたが、これに限られない。この変形例の一例について、
図11および
図12を参照して説明する。
【0092】
図11は、本実施形態の第2の変形例であるイベント管理システム1bの構成の一例を示す図である。なお、以下の説明において、上述した第1の実施形態およびその変形例と同一の構成および動作については同一の符号を付して、その説明を省略する。イベント管理システム1bは、端末装置100bが、終了タイミング判定部104と、イベント終了部105と、延長部106とを備えている点が、第1の実施形態および第1の変形例と異なる。この終了タイミング判定部104は、上述した終了タイミング判定部204に、イベント終了部105は、イベント終了部205に、延長部106は、上述した延長部206にそれぞれ相当する。すなわち、イベント管理システム1bは、端末装置100bがイベント期間ETの終了を判定するとともに、イベント期間ETを延長する点が、第1の実施形態および第1の変形例と異なる。
【0093】
次に、本変形例のイベント管理システム1bの動作について、
図12を参照して説明する。
図12は、本実施形態の第2の変形例であるイベント管理システム1bの動作の一例を示すフローチャートである。
【0094】
端末装置100bの延長部106は、算出された応答時間RTに基づいてイベント期間ETを延長する(ステップS185)。また、端末制御部150は、イベント期間ETの終了時刻(第1終了時刻)が経過したか否か(ステップS186)、イベント期間ETの終了時刻(第1終了時刻)が経過していると判定した場合(ステップS186:YES)には、イベント残り時間を表示部DSに表示させる(ステップS220)。すなわち、表示部DS(出力部)は、イベント期間ETのうち延長部206が延長した期間において、延長部206が延長したイベント期間ETの長さを示す情報をイベント残り時間として表示する。
【0095】
このとき、表示部DS(出力部)は、第2終了時刻までの残り時間をイベント残り時間として、表示してもよい。この場合には表示部DSは、イベント残り時間を、例えば、カウントダウン表示する。すなわち、表示部DS(出力部)は、イベント期間ETのうち延長部206が延長した期間において、延長部206が延長したイベント期間ETが終了するまでの時間を、イベント期間ETの長さを示す情報として出力する。
【0096】
また、終了タイミング判定部104は、イベント期間ETが終了したか否かを判定し(ステップS190)、イベント期間ETが終了したと判定した場合(ステップS190:YES)には、処理をステップS196に進める。
【0097】
次に、イベント終了部105は、端末装置100の端末制御部150に対して、イベント終了の指示を出力する。このとき、端末制御部150は、イベント終了の指示に応じて、イベント状態のゲームプログラムを終了するとともに、イベント終了の通知を端末装置100上で表示させる。また、サーバ装置200bのイベント実行部203に対して、端末装置100からの新たなクエスト実行要求を禁止する情報を出力する(ステップS196)。
【0098】
以上、第1の実施形態の第2の変形例について説明した。このように構成しても、イベント管理システム1bは、応答時間RTに基づいてイベント期間ETをユーザ毎に延長することができる。これにより、端末装置100bからサーバ装置200bに対して送信される応答時間RTについて、クエスト実行要求が行われる度に送信せずに、構成することができる。したがって、この第2の変形例によれば、イベント管理システム1bは、ネットワーク5の通信負荷を低減することができる。
また、第2の変形例によれば、サーバ装置200bが各ユーザについて延長されたイベント期間ETを管理する必要がなくなる。したがって、第2の変形例によれば、サーバ装置200bが各ユーザについて延長されたイベント期間ETを管理する場合に比して、サーバの演算負荷を低減することができる。
【0099】
なお、算出部208は、イベント期間ETのうち延長部206が延長した期間に移行する時点のイベント結果を示す中間結果を算出してもよい。この場合、結果出力部209は、イベント期間ETのうち延長部206が延長した期間に移行する際に、算出部208が算出した中間結果を端末装置100から出力させる。これにより、イベント管理システム1bは、ユーザに対して、イベント期間ETが延長されたことを示すことができるとともに、延長されたイベント期間ETにおいて、クエストを実行する動機を与えることができる。
【0100】
以上、第1の実施形態の各変形例について説明したが、変形例はこれに限られない。例えば、上述した各変形例を組み合わせた構成であってもよい。例えば、第1の変形例と第の変形例とを組み合わせて、第2の変形例においてクエスト実行要求毎に応答時間RTをサーバ装置200(または、サーバ装置200a、200b)に対して送信するという構成であってもよい。
【0101】
なお、上述した実施形態では、イベントはクエストによって特別な特典を得ることができる状態として記載したが、イベントはその他の任意の態様であってよく、例えば、イベント実行部203は、イベントEVが実行されていない状態においてクエストを実行したに比べて、クエスト1回あたりのクエストの達成率がより向上するようにしてクエストを実行させてもよい。すなわち、イベント実行部203は、イベントEVが実行されるゲーム内におけるユーザ毎のゲームの進行状態を、イベントEVが実行されていない場合の進行状態とは異なる状態にしてゲームを進行させてもよい。これにより、イベント管理システム1(または、イベント管理システム1a、1b)は、ユーザに対してクエストを実行する動機を与えることができる。
【0102】
[第2の実施形態]
本発明を実施するための第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図13は、本発明の第2の実施形態に係るイベント管理システム1dの構成の一例を示す構成図である。イベント管理システム1dは、付与部207と、算出部208と、結果出力部209とを更に備えている点が、上述した第1の実施形態と異なる。なお、以下の説明において、上述した第1の実施形態および各変形例と同一の構成および動作については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0103】
付与部207は、イベントEVに参加する複数のユーザ間の競争によりユーザが取得する特典を、要求情報を送信した端末装置100を利用するユーザに対して付与する。具体的には、付与部207は、サーバ制御部250が端末装置100に対してイベントの順位を示す情報を送信する際に、ユーザに特典を付与する。この特典とは、例えば、イベントの順位に応じてゲームにおける価値である。この特典には、例えば、イベントの順位に応じた、ゲームのポイント(得点)、ゲーム内において利用可能なアイテム、ゲーム内において流通する仮想通貨が含まれる。このイベントの順位は、イベント期間中ET中に各ユーザが実行するクエストの実行回数やクエストの結果に基づいて設定される。
【0104】
算出部208は、付与部207がユーザ毎に付与した特典に基づいて、イベントEVにおけるユーザ毎のイベント結果を算出する。具体的には、算出部208は、付与部207が付与した特典を示す情報を取得し、取得した情報が示す特典のゲームにおける価値に基づいて、イベントEVにおけるユーザ毎のイベント結果を算出する。ここで、特典とは、例えば、ゲームのポイント(得点)であり、算出部208は、より多くのポイントが付与されたユーザを順位が上位のユーザとしてユーザ毎のイベント結果を算出する。
【0105】
結果出力部209は、算出部208が算出したイベント結果を端末装置100から出力させる。具体的には、結果出力部209は、算出部208が算出したイベント結果を取得して、取得したイベント結果をサーバ通信部201を介して端末装置100に送信する。
【0106】
以上説明したように、本実施形態のイベント管理システム1dは、付与部207と、応答時間測定部103と、算出部208とを備えている。これにより、イベント管理システム1dは、イベントの順位を上げようとするユーザに対して、クエストを実行する動機を与えることができる。
【0107】
なお、算出部208がユーザ毎に算出したイベント結果に基づいて、ゲームの進行状態をユーザ毎に変化させてもよい。この場合には、算出部208は、イベントEVに参加したユーザの順位を算出して、算出したユーザの順位をイベント結果として結果出力部209に供給する。このように構成しても、イベント管理システム1dは、イベントの順位を上げようとするユーザに対して、クエストを実行する動機を与えることができる。
【0108】
[第3の実施形態]
本発明を実施するための第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図14は、本発明の第3の実施形態に係るイベント管理システム1eの構成の一例を示す構成図である。イベント管理システム1eは、クラウド記憶部360を有するクラウドサーバ300を備えている点が、上述した各実施形態と異なる。このクラウド記憶部360は、上述したサーバ記憶部260に相当する。以下の説明において、上述した各実施形態および各変形例と同一の構成および動作については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0109】
イベント管理システム1eは、クラウドサーバ300を備えている。このクラウドサーバ300は、クラウド記憶部360を備えている。クラウドサーバ300は、ネットワーク5を介して端末装置100およびサーバ装置200eと接続されている。サーバ装置200eは、上記の実施形態においてサーバ記憶部260に記憶させていた情報を、ネットワーク5を介してクラウド記憶部360に記憶させる。
【0110】
このように構成しても、イベント管理システム1eは、上述した各実施形態と同様に応答時間RTに基づいてイベント期間ETをユーザ毎に延長することができる。上述したようにイベント管理システム1eは、ユーザ毎にイベント期間ETを管理するため、ユーザが増加すると、サーバ装置200eが備えるサーバ記憶部(不図示)の記憶量が増加する。本実施形態のイベント管理システム1eは、サーバ装置200eの他に、クラウドサーバ300を備えているため、情報の記憶容量を容易に増加させることができる。したがって、イベント管理システム1eは、サーバ装置200eの記憶容量に制約されずにユーザを増やすことができる。また、クラウドサーバ300がユーザに関する情報を記憶しているため、例えば、サーバ装置200eが故障した場合に、ユーザに関する情報が失われるリスクを低減することができる。
【0111】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はその実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0112】
なお、上述の各実施形態において、ユーザがゲームにおいてアイテムを獲得する場合に、ユーザが獲得しているアイテムに基づいて、イベント期間ETを延長する長さを設定してもよい。ここで、アイテムとは、ゲーム内で用いられる武器、道具など、ユーザにゲームにおける何らかの効果を与えるオブジェクトである。例えば、アイテムには、イベント期間ETが延長される際に、その延長される時間を拡大させることができる延長時間拡大カードが含まれる。この延長時間拡大カードは、例えば、イベントEVのイベント期間ET外においてクエストを実行した場合に、ユーザに付与されることがある。この延長部206(または、延長部106)は、ユーザがこの延長時間拡大カードを所有している場合には、当該カードを所有していない場合に比して長い延長時間によってイベント期間ETを延長する。すなわち延長部206は、さらにユーザがゲームにおいて取得しているアイテムを示す情報に基づいて、イベント実行部203が実行するイベントEVのイベント期間ETをユーザ毎に延長する。これにより、イベント管理システム1(またはイベント管理システム1a、1b、1d、1e。以下、これらを総称して単にイベント管理システムと記載する。)は、ユーザに対して、イベントEVのイベント期間ET外においてクエストを実行する動機を与えることができる。
【0113】
また、上記の実施形態においては、サーバ装置200(または、サーバ装置200a、200d、200e。以下、これらを総称して単にサーバ装置と記載する。)が1台である構成を一例として示したが、複数台のサーバ装置によってシステムを構成してもよい。
【0114】
また、端末装置100(または、端末装置100a、100b、100d。以下、これらを総称して単に端末装置と記載する。)が備える各部は、他の装置から各部の機能を実現するためのプログラムをダウンロードすることにより機能が実現されるものであってもよく、他の装置が有するプログラムによって機能が実現されるものであってもよい。
【0115】
また、端末装置が備える各部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、このサーバ装置が備える各部はメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、サーバ装置が備える各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0116】
また、端末装置が備える各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、端末装置100が備える各部による処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0117】
また、「コンピュータシステム」は、マークアップ言語で記述されたいわゆるウェブページの形態によって情報を提供する機能およびその情報をブラウザで表示する機能を含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。