特許第6061434号(P6061434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061434
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】照準器用のリレー組立体
(51)【国際特許分類】
   G02B 23/00 20060101AFI20170106BHJP
   F41G 1/38 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   G02B23/00
   F41G1/38
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-64882(P2015-64882)
(22)【出願日】2015年3月26日
(65)【公開番号】特開2015-191239(P2015-191239A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2015年3月26日
(31)【優先権主張番号】14/228792
(32)【優先日】2014年3月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512002367
【氏名又は名称】トリジコン インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】TRIJICON,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ロドニー デラカ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル プレスリー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ケイ メイシアック
【審査官】 越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−243795(JP,A)
【文献】 実開昭63−080517(JP,U)
【文献】 米国特許第03506330(US,A)
【文献】 米国特許第04408842(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 23/00
F41G 1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体形成された第1の軸受け表面を有する、ハウジング;
少なくとも1つの光学素子、主チューブ、少なくとも1つのトラックを有するトラックチューブを有する、リレー組立体
を備える、照準器であって、
前記トラックチューブは、前記主チューブに対して前記主チューブの周りで選択的に回転可能であり、これによって前記主チューブ内における少なくとも1つの光学素子の軸方向位置を、前記主チューブの長手方向軸に対して略平行な軸に沿って調整でき、
前記主チューブは球面を含み、前記球面は前記ハウジングの前記第1の軸受け表面と接触して、前記ハウジング内において前記主チューブの枢動点を画定
前記リレー組立体に前記球面を設けるエンドキャップを備え、
前記エンドキャップは前記主チューブに取り付けられ、
前記エンドキャップと前記トラックチューブとの間に配置された保持器を備え、
前記保持器は、前記主チューブの前記長手方向軸に対して略平行な方向における前記トラックチューブの運動を制限するために、前記トラックチューブと係合するよう操作でき、
前記保持器は、前記エンドキャップの第2の保持要素と協働して前記保持器を前記エンドキャップに取り付ける、第1の保持要素を含み、
前記第1の保持要素は、前記第2の保持要素と協働して、前記保持器を、前記主チューブの前記長手方向軸に対して略平行な方向に選択的に移動させ、前記保持器が前記トラックチューブと係合できるようにする、照準器。
【請求項2】
前記ハウジングに支持された、第2の軸受け表面を含むカラーを更に備え、
前記第2の軸受け表面は、前記ハウジングの前記第1の軸受け表面と協働し、前記主チューブの前記球面と係合して、前記枢動点を画定する、請求項1に記載の照準器。
【請求項3】
前記カラーは、前記カラーの前記第2の軸受け表面とは反対側に形成された一連のスレッドを含み、
前記一連のスレッドは、前記カラーを前記ハウジングに取り付けるために前記ハウジングのスレッドと噛合して係合するよう操作できる、請求項2に記載の照準器。
【請求項4】
前記第1の保持要素及び前記第2の保持要素はスレッドである、請求項に記載の照準器。
【請求項5】
前記保持要素は、前記エンドキャップに螺合される、請求項に記載の照準器。
【請求項6】
前記主チューブに取り付けられた付勢要素を更に備える、請求項1に記載の照準器。
【請求項7】
前記付勢要素は、前記主チューブと共に運動するよう固定された第1の端部と、前記ハウジングの内側表面に接触する第2の端部とを含み、
前記付勢要素は、前記主チューブを前記ハウジングに設置する際に、前記主チューブに力を印加する、請求項に記載の照準器。
【請求項8】
一体形成された第1の軸受け表面を有する、照準器ハウジング;
少なくとも1つの光学素子、及び主チューブと少なくとも1つのトラックを有するトラックチューブとを含むリレーハウジングを有する、リレー組立体
を備える、照準器であって、
前記トラックチューブは、前記主チューブに対して前記主チューブの周りで選択的に回転可能であり、これによって前記主チューブ内における少なくとも1つの光学素子の軸方向位置を、前記主チューブの長手方向軸に対して略平行な軸に沿って調整でき、
前記リレーハウジングは球面を含み、前記球面は前記照準器ハウジングの前記第1の軸受け表面と接触して、前記照準器ハウジング内において前記リレーハウジングの枢動点を画定
前記リレー組立体に前記球面を設けるエンドキャップを備え、
前記エンドキャップは前記主チューブに取り付けられ、
前記エンドキャップと前記トラックチューブとの間に配置された保持器を備え、
前記保持器は、前記主チューブの前記長手方向軸に対して略平行な方向における前記トラックチューブの運動を制限するために、前記トラックチューブと係合するよう操作でき、
前記保持器は、前記エンドキャップの第2の保持要素と協働して前記保持器を前記エンドキャップに取り付ける、第1の保持要素を含み、
前記第1の保持要素は、前記第2の保持要素と協働して、前記保持器を、前記主チューブの前記長手方向軸に対して略平行な方向に選択的に移動させ、前記保持器が前記トラックチューブと係合できるようにする、照準器。
【請求項9】
前記照準器ハウジングに支持された、第2の軸受け表面を含むカラーを更に備え、
前記第2の軸受け表面は、前記照準器ハウジングの前記第1の軸受け表面と協働し、前記リレーハウジングの前記球面と係合して、前記枢動点を画定する、請求項に記載の照準器。
【請求項10】
前記カラーは、前記カラーの前記第2の軸受け表面とは反対側に形成された一連のスレッドを含み、
前記一連のスレッドは、前記カラーを前記照準器ハウジングに取り付けるために前記照準器ハウジングのスレッドと噛合して係合するよう操作できる、請求項に記載の照準器。
【請求項11】
前記第1の保持要素及び前記第2の保持要素はスレッドである、請求項に記載の照準器。
【請求項12】
前記保持要素は、前記エンドキャップに螺合される、請求項に記載の照準器。
【請求項13】
前記リレーハウジングに取り付けられた付勢要素を更に備える、請求項に記載の照準器。
【請求項14】
前記付勢要素は、前記主チューブと共に運動するよう固定された第1の端部と、前記照準器ハウジングの内側表面に接触する第2の端部とを含み、
前記付勢要素は、前記主チューブを前記照準器ハウジングに設置する際に、前記主チューブに力を印加する、請求項13に記載の照準器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は照準器に関し、より詳細には照準器用のリレーチューブに関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、本開示に関連する背景情報(必ずしも従来技術ではない)を提供する。
【0003】
照準器は、ライフル銃及び/又は拳銃等の火器と共に広く使用され、これによりユーザが標的をより明瞭に視認して、火器を標的に向けることができる。従来の照準器は、一連のレンズ及び/又はその他の光学部品を含み、これらは像を拡大してレチクルを提供し、これによりユーザは、拡大された標的を火器のバレルに対して位置合わせできる。照準器を火器に対して適切に「ゼロ位置設定」し、並びに/又は風及び仰角等の環境条件を考慮するために、照準器は、火器のバレルに対するレチクルの位置の調整を可能とする1つ又は複数の調整機構を含んでよい。
【0004】
照準器は更に、リレー組立体を含んでよく、これによりユーザは照準器の倍率を容易かつ確実に調整できる。このようなリレー組立体は、1つ又は複数の光学素子(即ちレンズ)を支持する主チューブと、光学素子のうちの少なくとも1つと共に移動するよう固定された軸受けを摺動可能に受承する1つ又は複数のトラック又はスロットを有する、いわゆる「トラックチューブ」とを含む。
【0005】
動作中、照準器の調整用カラーに回転力が印加されると、この力はトラックチューブに伝達され、これによりトラックチューブは主チューブに対して回転する。主チューブに対するトラックチューブのこのような移動により、軸受けはトラックチューブのトラック内で移動し、トラックチューブのトラックによって案内される。トラック内での軸受けの移動の結果、主チューブの長手方向軸に対してある角度にトラックを形成することにより、軸受け及びこれに関連する(1つ又は複数の)光学素子は、上記長手方向軸に対して略平行な方向に軸方向移動する。その結果、照準器のハウジングに対する上記調整用カラーの回転方向に応じて、照準器の倍率が上昇又は低下する。
【0006】
リレー組立体は典型的には、レチクルが刻まれた光学素子を含むため、リレー組立体は、照準器をゼロ位置に設定する際に、又は環境条件を考慮するためにレチクルの位置を調整する際に、レチクルの位置を調整するためにも使用される。光学素子は主チューブに支持され、枢動点の周りで主チューブを枢動させることによって、照準器のハウジングに対して主チューブに沿って移動させることができる。ハウジングに対する主チューブ及びレチクルのこのような移動は、調整機構のダイアルに対して回転力を印加することによって達成され、これは続いてポストの並進を引き起こし、ポストは主チューブに接触して、ハウジングに対する主チューブの枢動移動を引き起こす。
【0007】
従来のリレー組立体は、照準器の倍率を十分に調整でき、また更に、ユーザが偏流及び仰角を考慮してレチクルの位置を十分に調整できるようにするが、このような照準器は典型的には製造が困難であり、照準器が所望の機能を有することができるようにするために多数の構成部品が必要となる場合が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本節は、本開示の概要を提供するが、その全範囲又はその特徴全ての包括的な開示ではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一体形成された第1の軸受け表面を有するハウジングと、少なくとも1つの光学素子、主チューブ、少なくとも1つのトラックを有するトラックチューブを有するリレー組立体とを含む、照準器を提供する。トラックチューブは主チューブに対して主チューブの周りで選択的に回転可能であり、これによって主チューブ内における少なくとも1つの光学素子の軸方向位置を、主チューブの長手方向軸に対して略平行な軸に沿って調整できる。主チューブは球面を含み、この球面はハウジングの第1の軸受け表面と接触して、ハウジング内において主チューブの枢動点を画定する。
【0010】
別の構成では、一体形成された第1の軸受け表面を有する照準器ハウジングを含み、また少なくとも1つの光学素子及び主チューブと少なくとも1つのトラックとを有するトラックチューブを含むリレーハウジングを含む、照準器を提供する。トラックチューブは主チューブに対して主チューブの周りで選択的に回転可能であり、これによって主チューブ内における少なくとも1つの光学素子の軸方向位置を、主チューブの長手方向軸に対して略平行な軸に沿って調整できる。リレーハウジングは球面を含み、この球面は照準器ハウジングの第1の軸受け表面と接触して、照準器ハウジング内においてリレーハウジングの枢動点を画定する。
【0011】
更なる応用範囲は、本明細書で提供する説明から明らかになるであろう。この概要中の説明及び具体例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。
【0012】
ここで説明する図面は、全ての可能な実装形態ではなく選択した実施形態のみの例示を目的としており、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の原理による照準器を組み込んだ火器の斜視図である。
図2図2は、図1の線2−2に沿った、図1の照準器の断面図である。
図3図3は、図1の線3−3に沿った、図1の照準器の断面図である。
図4図4は、図1の照準器のリレーチューブ組立体の側面図である。
図5図5は、図4のリレーチューブ組立体の展開図である。
図6図6は、球形エンドキャップを示す、図4のリレーチューブ組立体の端面図である。
図7図7は、図6の線7−7に沿った、リレーチューブ組立体の断面図である。
図8図8は、図6の線8−8に沿った、リレーチューブ組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面中の複数の図を通して、対応する参照番号は対応する部品を表す。
【0015】
これより、添付の図面を参照して、例示的実施形態をより十分に説明する。
【0016】
本開示を完全なものとし、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるために、例示的実施形態を提供する。本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、具体的な構成部品、デバイス及び方法の例等、多数の具体的詳細を挙げる。これらの具体的詳細は必ずしも使用しなくてよいこと、例示的実施形態は多数の異なる形態で実現できること、例示的実施形態は本開示の範囲を制限するものと解釈するべきではないことは、当業者には明らかであろう。いくつかの例示的実施形態では、公知のプロセス、公知のデバイス構造、公知の技術については詳細に説明しない。
【0017】
ここで使用する専門用語は、特定の例示的実施形態を説明することのみを目的とし、制限を意図したものではない。ここで使用する単数形「ある(a、an)」及び「その、上記(the)」は、文脈からそうでないことが明らかでない限り、複数形も含むことを意図し得る。用語「備える(comprises、comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」は包括的なものであり、従って言明されている特徴、整数、ステップ、操作、要素及び/又は構成部品の存在を特定するものであるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成部品及び/又はこれらの群を排除するものではない。ここで説明する方法ステップ、プロセス、操作は、実行順序として具体的に指定されていない限り、ここで議論又は図示する特定の順序で必ず実行されるものとして理解するべきではない。追加の又は代替のステップを使用してよいことも理解されたい。
【0018】
ある要素又は層について、別の要素又は層「の上にある(on)」、「に係合される(engaged to)」、「に接続される(connected to)」又は「に連結される(coupled to)」ものとして言及する場合、この要素又は層は、上記別の要素又は層の直接上にある、直接係合される、直接接続される又は直接連結される場合もあり、介在要素又は層が存在する場合もある。対照的に、ある要素又は層について、別の要素又は層の「直接上にある(directly on)」、「直接係合される(directly engaged to)」、「直接接続される(directly connected to)」又は「直接連結される(directly coupled to)」ものとして言及する場合、介在要素又は層は存在しなくてよい。要素間の関係を説明するために使用されるその他の語句についても同様に解釈するべきである(例えば「の間に(between)」と「の間に直接(directly between)」、「隣接して(adjacent)」と「直接隣接して(directly adjacent)」等)。ここで使用する用語「及び/又は(and/or)」は、関連して列挙されるいずれの項目及びこれらのうちの1つ又は複数の組み合わせ全てを含む。
【0019】
第1、第2、第3等の用語は、様々な要素、構成部品、領域、層及び/又はセクションを説明するために使用できるが、これら要素、構成部品、領域、層及び/又はセクションはこれらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は、ある要素、構成部品、領域、層又はセクションを、別の要素、構成部品、領域、層又はセクションから区別するためにのみ使用され得る。「第1の(first)」、「第2の(second)」及び他の数等の用語は、ここで使用される場合は、文脈からそうでないことが明らかでない限り、順序を暗示するものではない。従って、以下で議論する第1の要素、構成部品、領域、層又はセクションは、例示的実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成部品、領域、層又はセクションと呼ばれる場合もある。
【0020】
「内側の(inner)」、「外側の(outer)」、「下の(beneath)」、「下方の(below)」、「下側の(lower)」、「上の(above)」、「上側の(upper)」等、空間的相対関係を表す用語は、ここでは、ある要素又は特徴の、図示されているように別の(1つ若しくは複数の)要素又は(1つ若しくは複数の)特徴に対する関係を説明できるよう、説明を容易にするために使用され得る。空間的相対関係を表す用語は、図示した配向に加えて、使用時又は操作時におけるデバイスの様々な配向を包含することを意図したものであってよい。例えば、図面中のデバイスを倒立させた場合、他の要素又は特徴の「下方の」又は「下の」ものとして記載された要素は、上記他の要素又は特徴の「上」に配向されることになる。従ってこの例示的な用語「下方の」は、上及び下の配向両方を包含できる。デバイスは他の状態で(90°回転させて又はその他の配向で)配向してよく、ここで使用される空間的相対関係の記述語はこれに従って解釈してよい。
【0021】
図1〜3を参照すると、ハウジング12、光学系トレーン14、調整システム16、リレー組立体18を含んでよい照準器10を提供する。ハウジング12は、火器20に着脱可能に取り付けられており、光学系トレーン14及び調整システム16を支持する。光学系トレーン14はハウジング12と協働して、標的の拡大画像を提供し、その一方で調整システム16は、ハウジング12に対して光学系トレーン14の少なくとも一部及びリレー組立体18を位置決めして、光学系トレーン14及びリレー組立体18と連動するレチクルパターン(図示せず)を火器20に対して適切に整列させる。発光ダイオード(LED、図示せず)又はその他の照明システムは、光学系トレーン14と協働して、ユーザが照準器10及び火器20に対して標的を整列させるのを補助するためにレチクルパターンを照明できる。
【0022】
ハウジング12は、火器20に着脱可能に固定でき、主本体22、アイピース24、及びアイピース24を主本体22に固定する取り付けカラー26を含む。主本体22は略管状の部材であってよく、内側キャビティ28、ハウジング12の第1の端部32と第2の端部34との間に延在する長手方向軸30、及び主本体22を介して火器20にハウジング12を取り付けるための設置部分36を含む。
【0023】
図2に示すように、第1の端部32は一連のスレッド38を含み、これらは取り付けカラー26のスレッド40と協働して、取り付けカラー26を第1の端部32において主本体22に固定する。第1の端部32は更に、第1の端部32において主本体22のスレッド38とは反対側に形成された一連のスレッド42を含み、スレッド42は主本体22の内側キャビティ28に対向する。第2の端部34は、主本体22の第1の端部32とは反対側に配置され、一連の内側スレッド46を有する開口44を含む。内側スレッド46は光学系トレーン14の一部と協働して、主本体22内に光学系トレーン14を保持する。
【0024】
設置部分36は長手方向軸30に沿って配置され、概ね第1の端部32と第2の端部34との間に位置する。設置部分36はスレッド付き穿孔48(図2)を含んでよく、これら穿孔48は、火器20と関連する設置用特徴部分50(図1)と協働して、ハウジング12の設置部分36において照準器10を火器20に設置できるようにする。
【0025】
アイピース24は上述のように、第1の端部32において取り付けカラー26を介して主本体22に取り付けられる。アイピース24は、一連の外側スレッド54及び一連の内側スレッド56を有するハウジング52を含む。外側スレッド54は、取り付けカラー26の内側スレッド58と係合して、主本体22に対するアイピース24の調整を可能とする。
【0026】
アイピース24は、取り付けカラー26によって主本体22の第1の端部32に対して位置決めされ、これによりアイピース24は光学系トレーン14の一部を、主本体22に対して所定の距離に支持する。即ち、図2、3に示すように、光学系トレーン14の一部は、取り付けカラー26によって、リレー組立体18から長手方向軸30に沿って所定の距離に位置決めされる。
【0027】
図2、3を特に参照すると、光学系トレーン14は、接眼組立体60、ズーム組立体62、レチクル組立体64、対物組立体68を含むものとして示されている。接眼組立体60は、一連のレンズ72を有する接眼レンズ組立体70を含んでよい。接眼レンズ組立体70は、アイピース24により、ハウジング12の主本体22に対して1つ又は複数の保持カラー74によって支持できる。一構成例では、保持カラー74は、アイピース24の内側スレッド56と螺合して、接眼レンズ組立体70のレンズ72をアイピース24内に保持して位置決めする。
【0028】
ズーム組立体62はリレー組立体18によって照準器10のハウジング12内に支持され、第1のリレーレンズ組立体76及び第2のリレーレンズ組立体78を含んでよい。第1のリレーレンズ組立体76及び第2のリレーレンズ組立体78はそれぞれ一連のレンズ80を含んでよく、これらは互いに協働して、開口44においてハウジング12が受け取る画像の倍率を調整する。
【0029】
レチクル組立体64は、レチクル−レンズハウジング84が支持する1つ又は複数のレチクルレンズ82を含んでよい。レチクル−レンズハウジング84は、主本体22の内側キャビティ28に取り付けられ、リレー組立体18によって主本体22の内側キャビティ28内に支持される。従って、リレー組立体18をハウジング12の内側キャビティ28内においてこの内側キャビティ28に対して移動させると、レンズ82も同様に、内側キャビティ28内において内側キャビティ28に対して移動する。レンズ82のうちの1つは、それ自体に刻まれたレチクルパターンを含むため、レチクル−レンズハウジング84及びレンズ82の、ハウジング12の内側キャビティ28内におけるこの内側キャビティ28に対する移動は、これと同様に、レチクルパターンの位置を、内側キャビティ28内においてこの内側キャビティ28に対して調整する。更に、ハウジング12は、主本体22の設置部分36及び火器20の設置用特徴部分50を介して火器20に固定されるため、ハウジング12に対するレチクルパターンの調整は、これと同様に、火器20に対するレチクルパターンの位置を調整する。
【0030】
対物組立体68はハウジング12の第2の端部34に近接して配置してよく、一連の対物レンズ90を含んでよい。対物レンズ90は、少なくとも1つの保持カラー92を介してハウジング12内に保持及び支持できる。一構成例では、(1つ又は複数の)保持カラー92は、開口44の内側スレッド46と螺合して、対物レンズ90をハウジング12の長手方向軸30に沿った所望の位置に位置決め及び保持する。
【0031】
光学系トレーン14に関する以上の説明は、光学構成部品の例示的構成を例証するために提供される。本開示の原理は、上述の特定の構成部品及び/又は構成部品の配置を含む光学系トレーンを有する照準器への用途に限定されない。照準器10は、所定の用途に適合するよう、光学構成部品のいずれの他の構成又は配置を含んでよく、また実質的にいずれの倍率を照準器10に提供できる。
【0032】
ここでも図2、3を参照すると、調整システム16は、第1のアジャスタ組立体又はタレット94及び第2のアジャスタ組立体又はタレット96を含むものとして示される。一構成例では、調整タレット94はハウジング12に対して位置決めされ、ハウジング12によって支持され、これによって調整タレット94は、図2に示すように、レチクル−レンズハウジング84及びこれに伴ってレンズ82の位置を、長手方向軸30に略垂直な方向及び方向(X)に調整できる。方向(X)へのレンズ82の移動は同様に、方向(X)へのレチクルパターンの移動を引き起こし、これは続いて、火器20に対するレチクルパターンの位置を調整する。方向(X)へのレチクルパターンの位置の調整により、レチクルパターンの位置を、火器20の上面98に向かう方向又はこれから離れる方向に調整し、従ってレチクルパターンの仰角位置を調整し、ユーザは様々な距離の標的を射撃する際に仰角を考慮できる。
【0033】
調整タレット96は、長手方向軸30に対して略垂直に位置決めされるが、長手方向軸30の周りで調整タレット94に対して90°回転される。調整タレット96は同様に、ハウジング12に対するレチクル−レンズハウジング84及びこれに関連するレンズ82の位置を、調整タレット94と同様の様式で調整できる。しかしながら調整タレット96は、レンズ82の位置を方向(Y;図3)に調整し、これはレンズ82を、方向(X)に対して略90°である方向に移動させる。方向(Y)へのレンズ82の移動により、レチクルは同様に方向(Y)に、及び火器20の上面98に対して略平行に移動する。従って調整タレット96は、照準器10及び火器20を用いる際にユーザが偏流を考慮できるようにする。
【0034】
調整タレット94、96は略同一である。従って調整タレット94の説明のみを行う。
【0035】
調整タレット94は、カバー100、主本体102、調整ネジ104を含む。カバー100は調整ネジ104に固定される。従って、カバー100を主本体22に対して回転させると、調整ネジ104も同様に主本体22に対して移動する。主本体102に対するカバー100の回転方向に応じて、調整ネジ104は、レチクル−レンズハウジング84に向かう又はレチクル−レンズハウジング84から離れる方向(X)に沿って移動する。主本体102は、ハウジング12に対してカバー100を回転可能に支持し、また方向(X)への移動のために、ハウジング12に対して調整ネジ104を支持する。
【0036】
主本体102は、主本体22のスレッド付き穿孔108と噛合して係合する一連のスレッド106を含む。主本体102のスレッド106とハウジング12のスレッド付き穿孔108との間の係合により、主本体102はハウジング12に取り付けられる。更に、主本体22に対して主本体102を位置決めすることにより、調整ネジ104は、ハウジング12の内側キャビティ28内へと延伸でき、これによって調整ネジ104はレチクル−レンズハウジング84に接触できる。以下に更に詳細に説明するように、レチクル−レンズハウジング84は、リレー組立体18によって調整ネジ104と係合するよう付勢される。
【0037】
図4〜8を特に参照すると、主チューブ110、トラックチューブ112、エンドキャップ114、トラックチューブ保持器116、付勢要素118を含む、リレー組立体18が示されている。主チューブ110は、図2、3に示すように、長手方向軸30に対して略平行な方向に移動するよう、第1のリレーレンズ組立体76及び第2のリレーレンズ組立体78をその中に支持する。主チューブ110は更に、内側キャビティ28内にトラックチューブ112を回転可能に支持し、これによりトラックチューブ112は、長手方向軸30の周りで主チューブ110に対して回転できる。
【0038】
主チューブ110は、第1の端部120、第2の端部122、第1の端部120と第2の端部122との間に延在する内側キャビティ124、スロット126を含む。第1の端部120は、一連の内側スレッド128及び係合表面130を含む。第2の端部122は、主チューブ110の第1の端部120と反対側の端部に位置し、主チューブ110の外側表面134から延在するカラー132を含む。カラー132は、カラー132と外側表面134との接合部において係合表面136を画定する。スロット126は主チューブ110を通るように形成され、これによりスロット126は外側表面134から内側キャビティ124へと延伸する。スロット126は、概ね第1の端部120と第2の端部122との間に延在し、長手方向軸30に対して略平行である。
【0039】
トラックチューブ112は主チューブ110によって摺動可能かつ回転可能に受承され、これによってトラックチューブ112の内側表面138は、トラックチューブ112を主チューブ110上に設置した場合に、主チューブ110の外側表面134に対向する。トラックチューブ112は、第1の端部140、第2の端部142、第1のスロット144、第2のスロット146を含む。第1の端部140は、係合表面150及びスレッド付き穿孔152を有するカラー148を含む。第2の端部142は、トラックチューブ112の第1の端部140とは反対側の端部に配置され、トラックチューブ112を主チューブ110上に配置した場合に、主チューブ110の係合表面136に対向する。
【0040】
第1のスロット144及び第2のスロット146はそれぞれ、長手方向軸30に対してある角度に形成される。例えば図4に示すように、第1のスロット144は角度(Φ)に形成してよく、第2のスロット146は角度(β)に形成される。角度(Φ,β)はそれぞれ鋭角であり、これによりスロットは、図4に最もよく示されているように、互いに対して角度を有する。以下により詳細に説明するように、リレーレンズ組立体76、78を異なる角度で調整できるよう、角度(Φ,β)は異なる鋭角であってよい。スロット144、146は、内側表面138と外側表面154との間のトラックチューブ112を通って延在する。
【0041】
エンドキャップ114は、外側球面156、エンドキャップ114の外側球面156とは反対側に形成された内側スレッド158、エンドキャップ114を通って延在する穿孔160、一連のチャネル162を含む。図5に示すように、穿孔160は、エンドキャップ114の周りに間隔を開けて配置され、チャネル162内に形成される。穿孔160は、主チューブ110の各取り付け孔166においてエンドキャップ114を主チューブ110に取り付けるための締結器具164を受承する。
【0042】
エンドキャップ114は、ハウジング12の主本体22に一体形成されたソケット又はシート166と係合する。ソケット又はシート166は、ハウジング12内に機械加工されてよく、内側キャビティ28内に配置される。エンドキャップ114の外側球面156は、リレー組立体18を内側キャビティ28に設置する際に、ハウジング12のソケット166と係合する。エンドキャップ114は内側キャビティ28内に保持され、保持器168によってソケット166と接触するよう維持される(図2)。保持器168は、ハウジング12のスレッド42によって第1の端部32において噛合して受承され、弓形内側表面又はソケット170を含む。保持器168のソケット170は、ハウジング12のソケット166と協働して、エンドキャップ114のための軸受け表面を提供する。
【0043】
エンドキャップ114が、ハウジング12のソケット166及び保持器168のソケット170と接触している場合、エンドキャップ114は、ハウジング12内においてソケット166、170の周りで回転できる。ハウジング12に対するハウジング12内でのエンドキャップ114の回転は同様に、主チューブ110及びこれに伴ってトラックチューブ112を、ハウジング12の内側キャビティ内において、ハウジング12に対してエンドキャップ114の周りで枢動させる。エンドキャップ114は主チューブ110と共に移動するように締結器具164を介して固定され、トラックチューブ112は主チューブ110に取り付けられ、概ねエンドキャップ114とカラー132の係合表面136との間に延在するため、主チューブ110及びトラックチューブ112は、エンドキャップ114と共に枢動する。従って主チューブ110の第2の端部122の近傍に力を印加すると、エンドキャップ114の外側球面156はソケット166、170によって向きを決められ、またソケット166、170に接しているため、主チューブ110及びトラックチューブ112はハウジング12に対して移動し、エンドキャップ114の周りで枢動する。
【0044】
保持器168を主本体22の第1の端部32内に、ソケット170がエンドキャップ114の外側球面156と係合するまでねじ込んでよい。即ち、外側球面156においてエンドキャップ114に所望の力が印加されて、ソケット166、170内におけるソケット166、170に対する外側球面156の移動に対して所望の程度の抵抗が提供されるまで、保持器168を第1の端部32内に挿入してよい。ハウジング12のソケット166に対する保持器168の所望の位置が達成され、エンドキャップ114がソケット166、170間に位置決めされると、ロックタイト(登録商標)又は別の適切な接着剤を用いて、ハウジング12に対する保持器168の位置を固定してよい。
【0045】
説明したように、エンドキャップ114の外側球面156はハウジング12の内側表面と直接接触する。即ち外側球面156は、ハウジング12内に形成及び/又は機械加工されたソケット166と直接接触する。ソケット166をハウジング12と一体形成すること、及び/又はソケット166をハウジング12内に機械加工することにより、ハウジング12の内側キャビティ28内において内側キャビティ28に対して枢動移動できるようにエンドキャップ114を支持するための別個の保持器は不要となる。
【0046】
長手方向軸30に沿った主チューブ110に沿ったトラックチューブ112の位置は、トラックチューブ保持器116によって制御される。即ちトラックチューブ保持器116のスレッド172は、エンドキャップ114の内側スレッド158と係合する。従って、一連の平坦部174においてトラックチューブ保持器116に回転力が印加されると、トラックチューブ保持器116はエンドキャップ114に対して回転し、平坦部174に印加された回転の方向に応じて、長手方向軸30に沿って、主チューブ110の第2の端部122に向かう方向又は主チューブ110の第2の端部122から離れる方向へと移動する。組み立て中、トラックチューブ112はまず、トラックチューブ112の内側表面138が主チューブ110の外側表面134に対向するように、主チューブ110上に設置される。トラックチューブ112は、トラックチューブ112の第2の端部142が主チューブ110の係合表面136に接触するまで、長手方向軸30に沿って移動させてよい。この時点において、トラックチューブ保持器116をエンドキャップ114上にネジ留めでき、エンドキャップ114とトラックチューブ保持器116との部分組立体を第1の端部120において主チューブ110上に位置決めできる。
【0047】
エンドキャップ114及びトラックチューブ保持器116を主チューブ110の第1の端部120上に位置決めした後、エンドキャップ114に回転力を印加して、エンドキャップ114の穿孔160を、主チューブ110の取り付け孔167と適切に位置合わせしてよい。この時点において、締結器具164を穿孔160に挿入してよく、続いて主チューブ110の取り付け孔167に挿入して、主チューブ110と共に移動するようエンドキャップ114を固定してよい。主チューブ110と共に移動するようにエンドキャップ114を固定することにより、これと同様にトラックチューブ保持器116をエンドキャップ114とトラックチューブ112の第1の端部140との間に位置決めする。
【0048】
平坦部174においてトラックチューブ保持器116に回転力を印加することにより、トラックチューブ保持器116をトラックチューブ112に向かう方向に移動させることができる。この回転力は、トラックチューブ保持器116が係合表面150においてトラックチューブ112と接触するまでトラックチューブ保持器116に印加してよい。トラックチューブ保持器116はトラックチューブ112の係合表面150と接触するものとして説明したが、これに代えて、照準器10の組立中に所望の厚さのシム(図示せず)を使用してもよい。即ち、トラックチューブ保持器116とトラックチューブ112の係合表面150との間にシムを位置決めして、トラックチューブ保持器116とトラックチューブ112との間の所望の距離を設定してよい。トラックチューブ保持器116がシムと接触して、シムを係合表面150と係合させると、シムを取り外して、エンドキャップ114に対するトラックチューブ保持器116の位置を固定してよい。例えば、ロックタイト(登録商標)又は別の適切な接着剤を用いて、エンドキャップ114内におけるエンドキャップ114に対するトラックチューブ保持器116の更なる回転を防止し、これによってエンドキャップ114に対するトラックチューブ保持器116の位置を固定してよい。エンドキャップ114に対するトラックチューブ保持器116の位置を固定することにより、これと同様に、トラックチューブ112に対するトラックチューブ保持器116の位置も固定され、従ってトラックチューブ保持器116と主チューブ110の係合表面136との間の軸方向距離が固定される。
【0049】
トラックチューブ保持器116と主チューブ110の係合表面136との間の軸方向距離は、トラックチューブ保持器116が設置され、エンドキャップ114と共に移動するよう固定された後の、長手方向軸30に沿ったトラックチューブ112の軸方向移動量を決定する。従ってトラックチューブ保持器116は主チューブ110のカラー132と協働して、長手方向軸30に対して略平行な方向におけるトラックチューブ112の軸方向移動の程度を画定する。
【0050】
トラックチューブ保持器116が長手方向軸30に沿って、トラックチューブ112に対する所望の位置まで移動できるようにすることにより、トラックチューブ保持器116は、リレー組立体18の様々な構成部品110、112、114、116のいずれの製造許容誤差を考慮できる。即ち、トラックチューブ保持器116はエンドキャップ114にネジ式で取り付けられているため、トラックチューブ保持器116と主チューブ110のカラー132との間の距離が、様々な構成部品110、112、114、116のいずれの製造許容誤差に関わらず略一定とすることができるように、長手方向軸30に沿ったトラックチューブ保持器116の軸方向位置を、照準器10の製造中に調整できる。例えば、第1の端部140と第2の端部142との間に延在するトラックチューブ112の長さが、異なる照準器10の異なる部品間で変動する場合、トラックチューブ保持器116をエンドキャップ114に対して固定する前にトラックチューブ保持器116をエンドキャップ114に対して調整可能とすることにより、トラックチューブ保持器116は、トラックチューブ112の長さの変動に関わらず、トラックチューブ保持器116と主チューブ110のエンドキャップ114との間のトラックチューブ112の所望の軸方向移動を設定できる。要するにトラックチューブ保持器116は、トラックチューブ保持器116とエンドキャップ114との間の距離を再現可能とし、これにより、様々な構成部品110、112、114、116のいずれの製造許容誤差に関わらず、主チューブ110に対するトラックチューブ112の軸方向移動を再現可能とする。
【0051】
エンドキャップ114は更に、保持器178によってエンドキャップ114内に支持されたレンズ176を含んでよい。レンズ176は第1のリレーレンズ組立体76及び第2のリレーレンズ組立体78と協働して、標的の所望の倍率を提供できる。従ってレンズ176は光学系トレーン14の一部であり、エンドキャップ114と共に移動するよう固定される。
【0052】
付勢要素118は、係合表面182を有する突出部180を含んでよい。突出部180は、この突出部180を主チューブ110に取り付ける1対のアーム184から延在してよい。具体的には、上記アーム184はカラー132の一部を取り囲んでよく、また上記アーム184はそれぞれ、それぞれの締結器具188を受承する少なくとも1つの取り付け孔186を含んでよい。締結器具188は、アーム184の取り付け孔186に挿入され、続いてカラー132に形成されたそれぞれの取り付け孔190に挿入される。取り付け孔190は、締結器具188をネジ式で受承する一連のスレッド(図示せず)を含んでよい。
【0053】
付勢要素118をカラー132に取り付けると、付勢要素118は主チューブ110と共に移動するよう固定される。突出部180は主チューブ110から離れるように延在し、これにより係合表面182は内側キャビティ28内においてハウジング12の内側表面と接触する。係合表面182は、実質的に調整タレット94、96の間の位置においてハウジング12の内側表面と接触し、これにより付勢要素118は、調整タレット94、96両方に対して同時に力を印加できる。
【0054】
一構成例では、付勢要素118の突出部180は、突出部180が調整タレット94、96それぞれに対して略45°の位置となるように、調整タレット94、96間に延在する。換言すると、突出部180は、調整タレット94及び調整タレット96から約45°だけオフセットされる。突出部180を上述のように位置決めすることにより、付勢要素118は調整タレット94、96両方に対して同時に力を印加でき、これにより、調整タレット94が調整ネジ104を方向(X)に沿って設置部分36から離れるように移動させた場合に、レチクル−レンズハウジング84のレンズ82は、方向(X)に沿って、設置部分36から離れる方向に移動できる。反対に、調整タレット94が調整ネジ104を方向(X)に、設置部分36に向かって移動させた場合に、突出部180は偏向して、ユーザがレンズ82の正確な調整及びこれに伴ってレチクルパターンの正確な調整を得られるように、上記運動に対する抵抗を提供する。
【0055】
リレー組立体18をハウジング12に設置し、アイピース24を第1の端部32に取り付けた後、照準器10を、設置用特徴部分50において火器20に取り付けてよい。この時点において、ユーザは調整タレット94、96のうち一方又は両方を用いて、各プランジャ104を内側キャビティ28内へと更に移動させるか又は内側キャビティ28から更に引き出すかを選択的に行うことで、ハウジング12の内側キャビティ28内における内側キャビティ28に対するレチクル−レンズハウジング84の位置を調整することにより、仰角及び偏流を考慮できる。上述のように、内側キャビティ28内における内側キャビティ28に対するレチクル−レンズハウジング84のこのような移動により、同様にレンズ82が移動し、これに伴ってハウジング12に対してだけでなく火器20に対してもレチクルパターンの位置を調整する。
【0056】
レチクル−レンズハウジング84の移動は、調整ネジ104によってレチクル−レンズハウジング84に力を印加し、これによりリレー組立体18をエンドキャップ114の周りで枢動させることによって実現される。エンドキャップ114のこのような移動により、外側球面156はソケット166、170と係合する。外側球面156とソケット166、170との間のこのような係合は、内側キャビティ28内における内側キャビティ28に対するリレー組立体18の移動を制御する。
【0057】
倍率の上昇又は低下は、ハウジング12及び取り付けカラー26(図2)によって回転可能に支持された調整カラー192に対して回転力を印加することによって達成できる。調整カラー192は、調整カラー192と共に移動するよう固定されたポスト194を含み、トラックチューブ112のスレッド付き穿孔152によってネジ式で受承される。従って、調整カラー192に回転力が印加され、調整カラー192がハウジング12に対して移動すると、この力はポスト194によってトラックチューブ112に伝達される。伝達された力は同様に、トラックチューブ112をハウジング12に対して長手方向軸30の周りで回転させる。
【0058】
長手方向軸30の周りでのトラックチューブ112の回転は、第1のリレーレンズ組立体76及び第2のリレーレンズ組立体78を長手方向軸30に沿って移動させることにより、照準器10の倍率を調整する。即ち第1のリレーレンズ組立体76及び第2のリレーレンズ組立体78はそれぞれ、スレッド付き穿孔200を有するハウジング196、198を含む。穿孔200は軸受け204を有する締結器具202を受承する。従って、締結器具202を穿孔200に設置すると、軸受け204は概ね締結器具202のヘッドと各ハウジング196、198の外側表面206との間に配置される。
【0059】
軸受け204は、トラックチューブ112の各スロット144、146内に回転可能に受承され、また同様に主チューブ110のスロット126内に受承される。軸受け204は各締結器具202の周りで回転し、これにより軸受け204はトラックチューブ112のスロット144、146内においてスロット144、146に対して移動し、また主チューブ110のスロット126内において移動する。
【0060】
調整カラー192に回転力が印加され、この回転力がポスト194を介してトラックチューブ112に印加されると、この力は同様に、第1のスロット144及び第2のスロット146の、これらが角度を有するという性質により、軸受け204に伝達される。即ち、トラックチューブ112が主チューブ110の周りで主チューブ110に対して回転するにつれて、軸受け204は第1のスロット144及び第2のスロット146を横断する。このような移動は同様に、軸受け204を、主チューブ110のスロット126内において長手方向軸30に対して略平行な方向に移動させる。
【0061】
主チューブ110のスロット126に沿った軸受け204の移動は同様に、主チューブ110の内側キャビティ124内における長手方向軸30に対して略平行な方向のハウジング196、198の移動を引き起こす。主チューブ110内における長手方向軸30に対して略平行な方向のハウジング196、198のこのような移動は、ハウジング196、198それぞれに関連する各レンズ80の移動を引き起こし、これらを主チューブ110内において主チューブ110に対して移動させる。レンズ80の移動は、照準器10の倍率の調整を引き起こす。所望の倍率が達成されたら、調整カラー192に印加されている力を解放してよく、第1のリレーレンズ組立体76及び第2のリレーレンズ組立体78の、並びにこれに伴って関連するレンズ80の、主チューブ110内における位置は、主チューブ110及びトラックチューブ112の各スロット126、144、146内における軸受け204間の係合により維持される。
【0062】
以上の実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提供したものである。これは包括的なものであること又は本開示を限定することを意図したものではない。特定の実施形態の独立した要素又は特徴は一般に、その特定の実施形態に限定されるものではなく、適用可能な場合は相互交換可能であり、ある選択した実施形態において、具体的に図示又は説明されていなくても使用可能である。同一の要素は様々に変動してもよい。このような変動は本開示からの逸脱とみなされるべきものではなく、全てのこのような修正は本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8