特許第6061436号(P6061436)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6061436パワーオーバーデータラインの検出および分類スキーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061436
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】パワーオーバーデータラインの検出および分類スキーム
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/02 20060101AFI20170106BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   H04L25/02 K
   H04L25/02 V
   H02J1/00 306B
【請求項の数】1
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-227412(P2015-227412)
(22)【出願日】2015年11月20日
(65)【公開番号】特開2016-100900(P2016-100900A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2015年11月20日
(31)【優先権主張番号】14/552,164
(32)【優先日】2014年11月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593219551
【氏名又は名称】リニアー テクノロジー コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Linear Technology Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー ヒース
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ドウェリー
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−533918(JP,A)
【文献】 特表2008−529359(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0092000(US,A1)
【文献】 特表2008−529353(JP,A)
【文献】 特表2008−529352(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0271992(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/02
H02J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーオーバーデータライン(PoDL)システムであって、該システムは、
ワイヤペアを介して受電デバイス(PD)に結合される給電装置(PSE)であって、差動データ信号およびDC電力が同じワイヤペアを通じて伝送される、PSEと、
入力電圧を受けかつ調整電圧を出力するように結合される、該PSEにおける可変電圧コンバータであって、該調整電圧の規模は、制御信号によって制御される、可変電圧コンバータと、
該ワイヤペアに結合される、該PDにおける分類回路と、
該ワイヤペアを通じて分類信号を生成するように構成される、該PSEにおけるPSE制御器回路であって、該分類信号は、該PDにおける該分類回路によって受けられ、該分類信号が該分類回路によって変換されることにより該ワイヤペアを通じて分類シグネチャを提供する、PSE制御器回路と、
該可変電圧コンバータから電力を受けるために該ワイヤペアに結合されているPD負荷と
該ワイヤペア上のDC電圧を検出し、かつ該電圧が閾値電圧より上であるかどうかを決定するように構成されている、該PDにおける低電圧ロックアウト(UVLO)回路と
を備え、
該PSE制御器回路は、該分類シグネチャを検出し、該分類シグネチャは、該PDの特定の電圧要件を識別し、
該PSE制御器回路は、該分類シグネチャによって識別される該PDの該特定の電圧要件に対応する電圧を出力するように該可変電圧コンバータを制御するように構成され
該UVLO回路は、小休止期間を有するタイマー回路を備え、
該PSE制御器回路は、該PDのPoDL特性が該PSEに伝送される分類段階中に該PDとハンドシェイクルーチンを実行するように構成されており、該PSEによって生成される該分類信号の少なくとも一部は、該UVLO回路の該閾値電圧を超え、
該タイマー回路は、該UVLO回路が該小休止期間中に該ワイヤペア上の該DC電圧を該PD負荷に印加することを妨げるように、該ハンドシェイクルーチン中に有効であるように構成され、その結果、該分類信号が該閾値電圧を超えているにも拘らず該ハンドシェイクルーチン中に該PD負荷が該ワイヤペアからデカップルされる、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本願は、Jeffrey Heath et al.によって2013年11月26日に出願された米国仮出願第61/909,232号に基づいており、かつその出願からの優先権を主張し、その出願は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
(本発明の分野)
本発明は、パワーオーバーデータライン(PoDL)システムに関連しており、そこでは、給電装置(PSE)からの電力が、差動データ信号(典型的には、イーサネット(登録商標)信号)を伝導するためにも使用される単一のワイヤペアを通じて受電デバイス(PD)に伝送され、十分なPoDL電圧がワイヤペアに印加される前にハンドシェイクルーチンが実行される。
【背景技術】
【0003】
(背景)
遠隔装置に給電するためにパワーオーバーデータラインを伝送することは公知である。パワーオーバーイーサネット(登録商標)(PoE)は、1つのそのようなシステムの例である。PoEにおいて、制限された電力が、イーサネット(登録商標)スイッチからイーサネット(登録商標)接続された装置(例えば、VoIP電話、WLAN送信器、防犯カメラなど)に伝送される。スイッチからのDC電力が、規格CAT‐5ケーブルにおける2つのねじれワイヤペアを通じて伝送される。DC共通モード電圧がデータに影響を及ぼさないので、ワイヤペアの片方または両方が、さらに、差動データ信号を伝送する。このように、任意の外部電力源を受電デバイス(PD)に提供する必要性は、取り除かれることが可能である。PoEについての規格がIEEE802.3に提示されており、IEEE802.3は、参照により、本明細書に援用される。PoEにおいて、給電装置(PSE)は、PDが(ワイヤペアに沿った未知の電圧降下にも拘らず)少なくとも37Vを受けることを保証するのに十分な同じ規格化された電圧をどのタイプのPDにも供給する。
【0004】
より新しい技術は、差動データのほかに電力が、単一のねじれワイヤペアを通じて伝送されるパワーオーバーデータライン(PoDL)である。本開示日現在、IEEEは、IEEE P802.3buとしてPoDLについての規格を発展させる批評を受けている最中である。PoDLは、PoEより適応性があり、PoDLは1つ少ないワイヤペアを要求するので、PoDLは、具体的には自動車において、一般的技術となり得る。
【0005】
PoDLのたいていの今後の用途は、十分な電力/電圧がPSEによってデータラインに印加される前にPSEとPDとの間で何らかのハンドシェイクを要求すると想像される。これは、異なるタイプのPDが、異なる電圧レベル、異なる最大電力レベルを必要とし得、またはPoDL対応ではないからである。他の情報も、ハンドシェイク中に伝達され得る。
【0006】
そのようなハンドシェイクは、PSEによってワイヤペア上に生成されている低電力/電圧信号から成り得、PDは、独特の方法で、PDがPoDL対応であることをPSEに対して識別する(典型的に、検出シグネチャと呼ばれる)ように、さらに、他の情報の間で電圧および電力要件を識別する(典型的に、分類シグネチャと呼ばれる)ように応答し得る。
【0007】
PoDLについての自動車の用途において、例えば、PSEおよびPDのタイプは、自動車製造業者によって高度に調整され得る。これは、様々な革新的かつカスタマイズされた技術が検出および分類スキームのために使用されることを可能にする。
【0008】
したがって、必要とされるのは、異なる用途に適用されることが可能であるPoDLのための様々な可能な検出および分類スキームである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
パワーオーバーデータライン(PoDL)システムであって、該システムは、
ワイヤペアを介して受電デバイス(PD)に結合される給電装置(PSE)であって、差動データ信号およびDC電力が同じワイヤペアを通じて伝送される、PSEと、
入力電圧を受けかつ調整電圧を出力するように結合される、該PSEにおける可変電圧コンバータであって、該調整電圧の規模は、制御信号によって制御される、可変電圧コンバータと、
該ワイヤペアに結合される、該PDにおける分類回路と、
該ワイヤペアを通じて分類信号を生成するように構成される、該PSEにおけるPSE制御器回路であって、該分類信号は、該PDにおける該分類回路によって受けられ、該分類信号が該分類回路によって変換されることにより該ワイヤペアを通じて分類シグネチャを提供する、PSE制御器回路と、
該可変電圧コンバータから電力を受けるために該ワイヤペアに結合されているPD負荷と
を備え、
該PSE制御器回路は、該分類シグネチャを検出し、該分類シグネチャは、該PDの特定の電圧要件を識別し、
該PSE制御器は、該分類シグネチャによって識別される該PDの該特定の電圧要件に対応する電圧を出力するように該可変電圧コンバータを制御するように構成されている、システム。
(項目2)
前記ワイヤペア上のDC電圧を検出し、かつ該電圧が閾値電圧より上であるかどうかを決定するように構成されている、前記PDにおける低電圧ロックアウト(UVLO)回路をさらに備える、上記項目に記載のシステムであって、
該UVLO回路は、小休止期間を有するタイマー回路を備え、
前記PSE制御器は、該PDのPoDL特性が前記PSEに伝送される分類段階中に該PDとハンドシェイクルーチンを実行するように構成されており、該PSEによって生成される前記分類信号の少なくとも一部は、該UVLO回路の該閾値電圧を超え、
該タイマー回路は、該UVLO回路が該小休止期間中に該ワイヤペア上の該DC電圧を該DC負荷に印加することを妨げるように、該ハンドシェイクルーチン中に有効であるように構成されその結果、該分類信号が該閾値電圧を超えているにも拘らず該ハンドシェイクルーチン中に該PD負荷が該ワイヤペアからデカップルされる、システム。
(項目3)
パワーオーバーデータライン(PoDL)システムであって、該システムは、
ワイヤペアを介して受電デバイス(PD)に結合される給電装置(PSE)であって、差動データ信号およびDC電力が同じワイヤペアを通じて伝送される、PSEと、
該ワイヤペアに結合される、該PDにおける検出回路であって、該検出回路は、該PSEからの検出テスト信号に応答して検出シグネチャを生成する、検出回路と、
該ワイヤペアに結合される、該PDにおける分類回路であって、該分類回路は、該PSEからの分類テスト信号に応答して分類シグネチャを生成する、分類回路と
を備え、
該PSEは、第1の電圧極性を有する該検出テスト信号を該ワイヤペア上に生成し、該第1の極性と反対の第2の電圧極性を有する該分類テスト信号を該ワイヤペア上に生成するように構成されており、
該検出回路は、該第1の電圧極性を有する該検出テスト信号に応答して該検出シグネチャを生成し、該分類回路は、該第2の電圧極性を有する該分類テスト信号に応答して該分類シグネチャを生成する、システム。
(項目4)
前記検出回路を前記ワイヤペアに結合する第1のダイオードネットワークであって、該第1のダイオードネットワークは、前記第1の電圧極性の信号のみが該検出回路によって受信されることを可能にする、第1のダイオードネットワークと、
前記分類回路を該ワイヤペアに結合する第2のダイオードネットワークであって、該第2のダイオードネットワークは、前記第2の電圧の極性信号のみが該分類回路によって受信されることを可能にする、第2のダイオードネットワークと
をさらに備える、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目5)
パワーオーバーデータライン(PoDL)システムであって、該システムは、
ワイヤペアを介して受電デバイス(PD)に結合される給電装置(PSE)であって、差動データ信号およびDC電力が同じワイヤペアを通じて伝送される、PSEと、
該ワイヤペアに結合される、該PDにおけるプレゼンス回路であって、該プレゼンス回路は、該PSEからの検出テスト信号に応答してプレゼンスシグネチャを生成し、該プレゼンス回路は、それを横切る電圧を特定の規模に制限する電圧制限回路を備える、プレゼンス回路と、
該電圧制限回路を通して電流を伝導するために該ワイヤペアに結合されることにより、該電圧制限回路に該PDの該プレゼンスシグネチャを生成させる、該PSEにおける電流源と、
該ワイヤペアに結合されており、かつ該ワイヤペア上の該プレゼンスシグネチャを検出するように構成されている、該PSEにおける第1の検出器と
を備える、システム。
(項目6)
前記プレゼンスシグネチャは、前記規模の前記制限された電圧を備える、上記項目のいずれかに記載のシステムであって、該システムは、
前記分類シグネチャを前記PDの特定のPoDL特性と関連付けるように構成されている、前記PSEにおける処理回路と、
該分類シグネチャと整合する電力を該ワイヤペアを介して該PDに供給するように、該分類シグネチャに応答して該PSEによって制御される、該PSEにおける電力源と
をさらに備える、システム。
(項目7)
前記電流源は、定電流を生成し、前記電圧制限回路は、前記ワイヤペアを横切って結合されるツェナーダイオードである、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目8)
前記電流源を制御することにより前記ワイヤペアに第1の電流I1を印加するように構成されている、前記PSEにおける前記処理回路と、
該第1の電流I1に応答して該ワイヤペアを横切る電圧V1を検出する一方で、前記電圧制限回路が該ワイヤペアを横切る該電圧を制限するように構成されている、該PSEにおける前記第1の検出器と、
該電流源を制御することにより該ワイヤペアに第2の電流I2も印加するように構成されている、該PSEにおける該処理回路と、
該第2の電流I2に応答して該ワイヤペアを横切る電圧V2を検出する一方で、該電圧制限回路が該ワイヤペアを横切る該電圧を制限するように構成されている、該PSEにおける該第1の検出器と、
V1、V2、I1およびI2を使用して該ワイヤペアの抵抗Rを計算するように構成されている該処理回路と、
任意の電流IにおいてVd=I*Rによって該ワイヤペアに沿った電圧降下Vdを計算するように構成されている該処理回路と、
該PDに給電するために該ワイヤペア上に電圧を供給するように該PSEによって制御されている、該PSEにおける電力源であって、該電力源は、該ワイヤペア上に該電圧を供給するときに、該ワイヤペアに沿った該電圧降下を考慮して調節される、電力源と
をさらに備える、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目9)
パワーオーバーデータライン(PoDL)システムであって、該システムは、
ワイヤペアを介して受電デバイス(PD)に結合される給電装置(PSE)であって、差動データ信号およびDC電力が同じワイヤペアを通じて伝送される、PSEと、
該ワイヤペアに結合される、該PDにおける分類回路であって、該分類回路は、該PSEからの分類テスト信号に応答して分類シグネチャを生成し、該分類回路は、サージ電圧の保護器回路を備え、該サージ電圧の検出器は、該ワイヤペア内のワイヤと直列の少なくとも1つのスイッチを備え、検出器は、該ワイヤペアを横切る電圧を感知し、該検出器は、該ワイヤペアを横切る該電圧が閾値電圧を超えるときに高インピーダンスであるように該スイッチを制御し、該分類シグネチャは、該サージ電圧の保護器の該閾値電圧を含む、分類回路と、
少なくとも該閾値電圧に達するまで、該ワイヤペアにランプ電圧を印加するように構成されている、該PSEにおけるランプ電圧生成器と、
該ワイヤペアのインピーダンスにおける変化を検出することによって該閾値電圧を検出するように構成されている、該PSEにおける検出器と、
該分類シグネチャを該PDの特定のPoDL特性と関連付けるように構成されている、該PSEにおける処理回路と、
該分類シグネチャと整合する電力を該ワイヤペアを介して該PDに供給するように、該分類シグネチャに応答して該PSEによって制御される、該PSEにおける電力源と
を備える、システム。
(項目10)
前記少なくとも1つのスイッチを横切って接続されている抵抗器であって、該抵抗器は、前記PDのPoDL特性と関連付けられる値を有する、抵抗器と、
前記閾値電圧が超えられた後に該少なくとも1つのスイッチが高インピーダンスとなるときに、おおよその抵抗値を検出するように構成されている前記PSEと、
該おおよその抵抗値を検出したことに応答して該PoDL特性に関連する自身の動作を調節するように構成されている該PSEと
をさらに備える、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目11)
パワーオーバーデータライン(PoDL)システムであって、該システムは、
ワイヤペアを介して受電デバイス(PD)に結合される給電装置(PSE)であって、差動データ信号およびDC電力が同じワイヤペアを通じて伝送される、PSEと、
該ワイヤペアに結合される、該PDにおける分類回路であって、該分類回路は、該PSEからの分類テスト信号に応答して分類シグネチャを生成し、該分類回路は、
サージ電圧の保護回路であって、該サージ電圧の検出器は、該ワイヤペア内のワイヤに直列の少なくとも1つのスイッチを備え、検出器は、該ワイヤペアを横切る電圧を感知し、該検出器は、該ワイヤペアを横切る該電圧が閾値電圧を超えるときに高インピーダンスであるように該スイッチを制御する、サージ電圧の保護回路と、
該少なくとも1つのスイッチを横切って接続されている抵抗器であって、該抵抗器は、該PDのPoDL特性と関連付けられる値を有する、抵抗器と
を備え、該PSEは、
該閾値電圧が超えられた後に該少なくとも1つのスイッチが高インピーダンスとなるときに、該おおよその抵抗値を検出するように構成されている該PSEであって、該分類シグネチャは、該おおよその抵抗値を含む、
分類回路と、
少なくとも該閾値電圧に達するまで、該ワイヤペアにランプ電圧を印加するように構成されている、該PSEにおけるランプ電圧生成器と、
該分類シグネチャを該PDの特定のPoDL特性と関連付けるように構成されている、該PSEにおける処理回路と、
該分類シグネチャと整合する電力を該ワイヤペアを介して該PDに供給するように、該分類シグネチャに応答して該PSEによって制御されている、該PSEにおける電力源と
を備える、システム。
(項目12)
パワーオーバーデータライン(PoDL)システムであって、該システムは、
ワイヤペアを介して受電デバイス(PD)に結合される給電装置(PSE)であって、差動データ信号およびDC電力が同一のワイヤペアを通じて伝送される、PSEと、
該ワイヤペアを通じて該PDに給電するために該PDについてのPoDL電力要件を識別する情報を格納する、該PSEにおけるメモリ回路と
を備え、
該PSEは、PSE制御器を含み、
該PSEが起動されるとき、該PSE制御器は、該メモリ内に格納されている該情報にアクセスするように構成されており、かつ、該情報に基づいて、該PDに給電するために、該PSEを制御することにより該ワイヤペアに該電力を供給するように構成されている、システム。
(項目13)
前記PSE制御器は、前記PSEが起動される度に、前記PDの電力要件を検出する、PoDL検出および分類ルーチンを行わないように構成されている、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目14)
前記PSE制御器は、前記PSEが起動される度に、前記PDの電力要件を検出する、短縮されたPoDL検出および分類ルーチンを行うように構成されている、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目15)
前記メモリ回路内に格納されている前記情報は、検出および分類ルーチンによって取得された情報を含み、該検出および分類ルーチンは、前記PDの電力要件を検出し、かつ前記PSEの前記起動より前に行われる、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目16)
前記情報は、前記システムにおける前記PSEの第1の使用の前に前記メモリ回路内に格納される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目17)
前記メモリ回路内の前記情報は、前記PSEの起動前に前記PDによって該PSEに伝送されるデータを含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目18)
前記ワイヤペアを横切って結合される、前記PDにおける抵抗器であって、該抵抗器の抵抗値は、該PDが該ワイヤペアに結合されていることを指し示す維持電力シグネチャに対応する、抵抗器をさらに備える、上記項目のいずれかに記載のシステムであって、
前記PSE制御器は、該ワイヤペアにテスト電流を供給するように構成されており、かつ、検出された抵抗が該抵抗器の該抵抗値に等しいかまたはそれより小さいかどうかを検出するように構成されており、
該PSE制御器は、検出された抵抗が該抵抗器の該抵抗値にほぼ等しいかまたはそれより小さいときに該PDが該ワイヤペアに結合されていることを決定するように構成されており、
該PSE制御器は、検出された抵抗が該抵抗器の該抵抗値より大きいときに該PDが該ワイヤペアに結合されていないことを決定するように構成されている、システム。
(項目19)
前記PSE制御器は、前記情報が前記メモリ回路内に格納された後に前記PDが前記ワイヤペアに連続的に結合されていたことが検出されるときに、該PSE制御器は、該メモリ回路内に格納されている該情報にアクセスするように構成され、かつ、該情報に基づいて、該PDに給電するために、該PSEを制御することにより該ワイヤペアに該電力を供給するように構成されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目20)
前記PSE制御器は、前記PDが前記ワイヤペアから切り離され、次いで接続されたことが検出されるときに、該PSE制御器は、該PDのPoDL要件を識別するために該PDとハンドシェイクルーチンを行うように構成され、かつ、該ハンドシェイクルーチンの結果に基づいて、該PDに給電するために、該PSEを制御することにより該ワイヤペアに該電力を供給するように構成されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目21)
前記ハンドシェイクルーチンからの結果を前記メモリ回路内に格納するように構成されている前記PSE制御器をさらに備える、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目22)
パワーオーバーデータライン(PoDL)システムであって、該システムは、
ワイヤペアを介して受電デバイス(PD)に結合される給電装置(PSE)であって、差動データ信号およびDC電力が同じワイヤペアを通じて伝送される、PSEと、
該ワイヤペア以外を介して該PDに結合される代替電力源と
を備え、
該ワイヤペアを通じて該PSEによって伝送された該電力は、該PDにおける少なくとも通信回路に給電し、その結果、該PDは、該ワイヤペアを介して該PSEに情報を伝達するために十分に該ワイヤペアを介して給電される、システム。
【0010】
(摘要)
PoDLシステムは、ワイヤペアを介してPDに接続されているPSEを含み、そこでは、差動データおよびDC電力が同じワイヤペアを通じて伝送される。典型的に、低電圧/電流の検出および分類ルーチンがシステムの起動の度に要求され、それにより、PDが自身のPoDL要件をPSEに伝達することが可能となる。そのような立ち上げルーチンを簡単にするかまたは除去するか、あるいはPoDLシステムについて増大した適応性を有効にする様々な技術が説明されている。そのような技術は、特定のPD動作電圧を特定する方法と;そのようなルーチン中にPDのUVLO回路を不能にする方法と;2つのルーチンのために反対極性電圧を使用することと;PoDL情報を伝達するために電圧制限器またはサージ保護器を使用することと;ループ抵抗を検出することと;ルーチンの以前の結果を格納するためにPSEメモリを使用することと;ワイヤペアを使用してPD通信回路に給電する一方で、PD負荷が代替電力源によって給電されることとを含む。
【0011】
(要旨)
PoDLシステムのための様々な検出および分類技術が本明細書に説明されている。最良の選択は、特定の用途に依存する。
【0012】
説明されている技術の例は、
PDがPoDL対応であることを伝達する技術と、
PDに供給されるべき電圧レベルを識別する電圧シグネチャをPDからPSEに伝達する技術と、
PSEが異なるタイプのPDに広範囲の電圧を供給することを可能にする技術と、
PDからPSEに最大電力シグネチャを伝達する技術と、
検出/分類テスト電圧がUVLO閾値電圧を超えるときに、PD内の低電圧ロックアウト(UVLO)回路がデータワイヤ上の入力電圧をPD負荷に結合することを妨げる技術と、
2つのスキームを分離するため、かつ他の回路からの干渉を避けるために、検出電圧極性が分類電圧極性と反対であることを可能にする技術と、
PD内のクランプ回路によってもたらされるクランプ電圧(電圧閾値より上の低インピーダンス)に基づいてPDの検出または分類シグネチャを生成する技術であって、クランプは、ESD保護回路を兼ね得る、技術と、
PD内のサージストッパーの閾値電圧(電圧閾値より上の高インピーダンス)に基づいてPDの検出または分類シグネチャを生成する技術であって、サージストッパーは、ESD保護回路を兼ね得る、技術と、
PSEとPDとの間のループ抵抗を自動的に識別し、その結果、PSEが、PDに調整電圧を送達するために、自身の出力電圧を調節することが可能である技術と、
PDが電力を流していないときでさえPDが依然としてPSEに結合されているかどうかを検出するか、またはPDが切り離されて交換されたかどうかを検出する技術と、
起動の度にハンドシェイクが行われる必要がないように、PSEにおけるメモリ内に検出および分類情報を格納する技術と、
主要PD負荷がPD側の代替電力源によって給電されることを可能にする一方で、さらに、代替電力源が不能である間にPDが通信することが可能であるように、PSEがデータワイヤを介して電力をPDのフロントエンド(すなわち、「物理層」)に供給することを可能にする技術とを含む。
【0013】
様々な他の実施形態が説明されている。
【0014】
用語PSEおよびPDは、電力を供給する装置と電力を受ける装置とを識別するために、本開示全体を通して使用されており、そのような装置/デバイスは、明示されない限り、イーサネット(登録商標)装置/デバイスに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、単一のワイヤのペアを通じてイーサネット(登録商標)通信および電力伝送を可能にするPoDLシステムを示しており、そこでは、PSEが、PDの検出された電圧要件に応じて、PDに可変電圧を供給することが可能である。
図2A図2Aは、ハンドシェイク電圧がUVLO閾値を超えるときに、ハンドシェイクを行うのに十分な時間の間に、PD内のUVLO回路を不能にすることを示している。
図2B図2Bは、図2Aの動作を説明しているフローチャートである。
図3A図3Aは、検出および分類回路を有効に分離するために、反対の電圧極性を使用して検出および分類スキームを行うことを示している。
図3B図3Bは、図3Aの動作を説明しているフローチャートである。
図4A図4Aは、回路を示しており、そこでは、PDについてのPoDL情報が、PD内のツェナーダイオードまたは他のクランプ回路のクランプ電圧規模によって伝達される。
図4B図4Bは、図4Aのクランプ回路によってもたらされる電圧降下を示している。
図4C図4Cは、クランプ回路を使用してPoDL情報を検出するときの図4Aの動作を説明しているフローチャートである。
図4D図4Dは、PSEの出力電圧を調節するなどのためにPSEとPDとの間のループ抵抗を決定するように図4Aにおけるクランプ回路を使用するときの図4Aの動作を説明しているフローチャートである。
図5A図5Aは、PDについてのPoDL情報を伝達するため、および電圧サージからPDを保護するためのPD内のサージストッパーの使用を示している。図5Aは、サージストッパーが始動された後に他のPoDL情報を伝達するための抵抗器も示している。
図5B図5Bは、図5Aの動作を説明しているフローチャートである。
図5C図5Cは、入力電圧が閾値に達したときにどのように図5Aのサージストッパーが高インピーダンスとなるかを示している。
図6A図6Aは、立ち上げ時間を軽減するために全ハンドシェイクルーチンの必要性を除去されるために、どのようにPDについての検出/分類情報がPSE上のメモリ内に格納され、かつ起動時にPSEによってアクセスされ得るのかを示している。図6Aは、PSEが依然としてPSEに接続されているかどうかを伝達する、PD内の「維持電力シグネチャ」抵抗器も示している。
図6B図6Bは、「維持電力シグネチャ」抵抗器に関連する図6Aの動作を説明しているフローチャートである。
図6C図6Cは、メモリ内の検出/分類情報を格納することに関連する図6Aの動作を説明しているフローチャートである。
図7A図7Aは、PD側の代替電力源の使用により、主要PD負荷に電力が供給される一方で、代替電力源が不能であるときに依然としてPDが通信可能であるためにPSEによってPDのフロントエンドに電力が供給されることを示している。
図7B図7Bは、図7Aの動作を説明しているフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
同一または同等の要素は、同一の数字を用いて標識されている。
【0017】
(詳細な説明)
示されている様々な回路は、PoDLシステムの関係する側面を提示し、そこでは、例えば、単一のねじれワイヤペアがイーサネット(登録商標)データならびに検出/分類情報および電力を伝える。差動データパスに関連するPoDLシステムの一部は、本発明から独立しており、従来のものであり得る。それゆえ、データパスは、説明されていない。
【0018】
今後のPoDLシステムにおいては、規格化されたPoEシステムと違って、異なるPDが異なる入力電圧要件を有し得る。例えば、PDの1つのタイプは、PD電圧レギュレータの必要性を除去する、ワイヤペアを横切る調整された5V入力を要求し得る一方で、別のPDが少なくとも24Vを要求し、別のPDは、PD負荷に給電するための電圧レギュレータを含む。それゆえ、PSEが、ワイヤペアを介してPSEに接続され得る様々なタイプのPDを支持する必要がある場合、PSEは、PDの「電圧分類」を知る必要があり、ワイヤペアを横切る要求された電圧を供給する可変電圧を生成することが可能である必要がある。
【0019】
PSEが5Vの低さの電圧をいくつかのタイプのPDに供給することと、かなり高い電圧を他のタイプのPDに供給することとが可能である必要があり、接続されているPDのタイプが最初はPSEに知られていないと仮定すると、検出/分類テストは、PDに対するダメージがないことを保証するために低電圧を使用する必要がある。
【0020】
図1は、本発明の1つの実施形態に従った、PoDLシステムにおける関係する機能ユニットを示している。任意の長さの単一のデータワイヤペア14を介して結合されているPSE10およびPD12が示されている。ワイヤペア14は、コンデンサ16によってフィルタ処理されるイーサネット(登録商標)差動データ信号を伝導し得、そこで、ワイヤペア14は、変圧器22および24によって各差動データ処理回路18および20からさらにDC分離される。回路のイーサネット(登録商標)データ部分は、従来のものであり得、本発明に関連しない。PSE10によってPD12に供給される任意のDC電力は、コンデンサ16ならびに変圧器22および24の作動によって差動データ処理回路18および20から遮断される。
【0021】
PSE制御器26は、ワイヤペア14上のAC信号およびDC信号の両方を受信し、ワイヤペア14を介してPD制御器28にAC信号およびDC信号の両方を伝送することが可能である。PSE制御器26は、プロセッサまたはファームウェアのどちらかの制御下で様々なルーチンを行うICであり得る。PSE制御器26は、PD12がPoDL適合可能であることを検出するため、およびPD12のPoDL要件を伝達する、PD12からの更なる情報(例えば、分類シグネチャ)を取得するために、PD制御器28とハンドシェイクルーチンを行う。PD制御器28は、プロセッサまたはファームウェアのどちらかの制御下で様々なルーチンを行うICであり得る。
【0022】
PD制御器28は、PSE制御器26による信号に応答してハンドシェイクルーチンを実行し、それにより、PSE10が、適切な電圧を供給するためおよび(分類シグネチャにおいて定義されている)最大電力レベルまでPD12に電力供給するために、PD制御器28の要求されたPoDL情報を伝達する。
【0023】
システムの起動時に、PD12がPoDL対応であることを識別するPD12からのシグネチャ応答についてテストするために、PSE制御器26は、ワイヤペア14上の制限された電流または電圧(例えば、5V)を提供する。様々な検出シグネチャ技術が使用されることが可能である。1つの実施形態において、(25Kオームなどの)ある値の抵抗器が、PD12内でワイヤペア14を横切っており、このシグネチャ抵抗値は、結果として生じる電圧または電流を検出することにより、PSE制御器26によって検出される。別の実施形態において、コンデンサ、ツェナーダイオードまたは他の回路要素がPD12内のワイヤペア14に接続され、結果として生じる電圧の勾配(コンデンサが使用される場合)または制限された電圧の規模(ツェナーダイオードが使用される場合)が、PDがPoDL対応であるかどうかを伝達する。そのようなシグネチャ信号が検出されない場合、PSE制御器26は、ハンドシェイク処理し続けず、ワイヤペア14を通じて電力を提供しない。
【0024】
検出シグネチャがPSE制御器26によって識別される場合、PD12のPoDL要件に関する詳細を識別するために、分類段階中に、追加の低電流または電圧信号がPSE制御器26によって生成される。様々な分類技術が、図面を参照して後述される。
【0025】
PSE10は、様々なPDに結合され得、かつ異なるPDは、PSE10とは異なる動作電圧を要求し得るので、PD12は、その動作電圧要件(例えば、5V、12V、44Vなど)を伝達する必要がある。
【0026】
一旦分類段階が完了すると、PSE制御器26は、可変電圧コンバータ30を制御し、可変電圧コンバータ30は、自動車の用途において例えば12Vの非調整入力電圧を受け得、PD12からの分類シグネチャによって検出される調整電圧VOUT_DCを出力する。次いで、PSE制御器26は、フィルタリングインダクタ34および36を介してコンバータ30の出力をワイヤペア14に結合するスイッチ32(例えば、MOSFET)を制御する。可変電圧コンバータ30は、有効にされているときに異なる電圧を出力することが可能である複数の異なる電圧源であり得るか、またはコンバータ30は、帰還電圧または基準電圧が、選択された調整電圧を出力するように変化する単一のコンバータである可能性がある。例えば、出力電圧端子と誤差増幅帰還端子との間に接続されている抵抗分割ネットワークが、スイッチング電圧コンバータに異なる調整電圧を出力させる制御信号によって調節され得る。そのような可変帰還技術およびスイッチングレギュレータは、周知である。
【0027】
PD制御器28は、電圧が(5Vなどの)閾値レベルを超えるときにワイヤペア14上の電圧をPD負荷38に単に結合する低電圧ロックアウト(UVLO)回路(図1に示されていない)を含む。一旦このレベルが検出されると、フィルタリングインダクタ42および44を介して、入ってくるPoDL電圧Vin_DCをPD負荷38に結合するために、PD制御器28は、スイッチ40(例えば、MOSFET)を閉じる。DC電圧は、フィルタリングコンデンサ16によってデータパスから遮断される。PD負荷38は、ワイヤペア14上の電圧を、主要PD負荷によって要求される調整電圧に変換するための電圧コンバータを含み得るか、または含まなくてもよい。
【0028】
PD12のフロントエンドは、PD12に提供される正しい極性電圧を保証するダイオードブリッジを含み得る。
【0029】
上述されているシステムに関する1つの問題は、PD負荷38がPSE10から5Vの動作電圧を要求し得るが、検出および分類スキームが5Vを超える電圧を使用し得るということである。PSE10は、ワイヤペア14に沿った電圧降下が、PSE10による検出のために閾値レベルより下に検出/分類シグネチャ信号を軽減しないように、有意に高い検出および分類信号を生成する必要がある。しかしながら、発明者らは、検出または分類段階中に、PD12内のUVLO回路を始動させることを望まない。
【0030】
図2Aは、検出および/または分類段階中にPDのUVLOを不能にするために使用され得るタイマー回路を示している。図2Bは、図2Aの回路によって行われるステップを示しているフローチャートである。以下の説明において、PSE10によって提供される検出信号は、常時、任意のUVLO閾値電圧より下であるが、分類は、UVLO閾値電圧より上であり得ると仮定する。しかしながら、同じ回路が、検出段階中のUVLO回路を不能にするために使用され得る。UVLO回路、PD分類回路およびタイマーは、PD制御器28IC内に存在し得る。
【0031】
UVLO回路は、コンパレータ50を使用して、ワイヤペア14を横切る電圧PD_Vinを閾値電圧Vthと比較し、それにより、PoDL電圧がPD負荷38に印加されるためにいつスイッチ40が閉じられるべきかを決定する。Vthが5Vであると仮定しよう。
【0032】
図2Bのステップ52において、検出段階は、低電圧で行われる。PD12からの検出シグネチャ(抵抗値など)が、PD12がPoDL対応であることを指し示す場合(ステップ54)、処理は、分類段階(ステップ56)に進む。検出シグネチャが検出されない場合、PoDLハンドシェイク処理は、終了する(ステップ58)。
【0033】
PD制御器28(図1)内のPD分類回路60(図2A)は、PSE10からの分類信号を検出し、タイマー62をスタートさせる。全ての処理は、PD制御器28内のファームウェアまたはプログラムされたプロセッサの制御下であり得る。PD制御器28は、検出段階後のある期間内の任意の電圧が分類段階であると推定する。検出または分類信号が5V(すなわち、Vth)を超え得ると推定すると、タイマー62は、(1msなどの)小休止期間中に、UVLOコンパレータ50からの信号を遮断する(ステップ64)。次いで、PD分類回路60は、PSE10による分析のためにワイヤペア14上の適当な分類シグネチャを提示する。次いで、分類段階は、PSE10によって終結される。その後すぐに、タイマー62は、小休止し、UVLOコンパレータ50の出力をスイッチ40に結合する(ステップ66)。次いで、PSE10が、Vthより大きいPoDL動作電圧をPD12に供給するとき、スイッチ40がUVLO回路によって閉じられ、電力がワイヤペア14を介してPD負荷38に供給される(ステップ66)。
【0034】
図3Aおよび3Bは、検出回路および分類回路がハンドシェイク段階中に相互から有効に分離されることにより回路による干渉がないことを可能にする技術に向けられている。このように、検出回路および分類回路は、シグネチャ情報を伝達するために抵抗器、コンデンサまたはツェナーダイオードなどを使用することによって類似し得る。さらに、PD動作電圧がハンドシェイク電圧に類似するとき、技術は、図2A内のタイマーの必要性を除去し得る。これは、検出段階の一方の電圧極性および分類段階のその反対の極性を使用してPSE10によって成し遂げられる。分類段階の極性が動作電圧の極性と反対である場合、PD内のUVLO回路は、UVLO回路を始動させる閾値レベルより上である分類電圧を検出しない。
【0035】
図3Bのステップ74において、システム設計者は、PSE PoDLの通常の動作電圧極性を決定する。図3Aにおいて、ダイオード76は、適切な電圧極性を有する信号のみがPD分類回路78およびPD検出回路80に結合されるように構成されている。回路78および80は、シグネチャ抵抗値、ツェナーダイオード閾値、コンデンサ値を提示し得るか、または所望のPoDL情報をPSE10に伝達するPSE信号上の他の機能を果たし得る。発明者らは、PoDLの通常の電圧極性が、低電圧/電流での検出段階中に使用される極性と同じ極性であると推定する。
【0036】
ステップ82において、検出が通常の極性で行われ、検出回路80をワイヤペア14に結合するダイオード76が順方向にバイアスされる。検出信号がUVLO回路84のUVLO閾値電圧より上である場合、前述されているように、タイマー62が、UVLO回路84がスイッチ40を閉じるのを妨げるために使用され得る。
【0037】
ステップ86において、PDがPoDL対応であるかどうかが決定される。PDがPoDL対応でない場合、PoDLハンドシェイクルーチンが終結される(ステップ88)。
【0038】
PDがPoDL対応である場合、分類段階は、反対の極性電圧を使用して実行され(ステップ90)、そこで、PD分類回路78をワイヤペア14に結合するダイオード76が順方向にバイアスされる。UVLO回路84は、逆の極性電圧によって始動されず、検出回路80は、ワイヤペア14から分離される。
【0039】
ハンドシェイク段階後、PSEは、通常の電圧極性で、ワイヤペア14上の指定されたPoDL電圧をPD負荷38に供給する(ステップ92)。それゆえ、分類回路78は、ワイヤペア14から減結合される。検出回路抵抗器または他のシグネチャ生成器は、検出回路内部のスイッチによってワイヤペア14から減結合され得るか、またはシグネチャ回路は、通常の動作中のPDの動作に対して些細なものであり得る。
【0040】
図4A〜4Cは、検出および/または分類シグネチャを伝達するためにPD内の電圧制限デバイスを使用することに向けられている。1つの例において、PSE制御器26によって生成される検出および分類信号は、10V制限を有し得る。別個の検出および分類デバイスが使用され得、図4A〜4Cの発明は、前の図面の発明と組み合わせられ得る。電圧制限デバイスは、PDがPoDL対応であることと、要求される動作電圧が5Vであることとの両方を伝達するために、例えば7Vの制限された電圧をもたらし得る(ステップ94)。追加の情報が、制限された電圧(最大電力レベルなど)の規模によって伝達され得、これは、予算(budgeting)目的のためおよび過負荷を検出するために、PSEによって使用され得る。
【0041】
図4Aの例において、電圧制限デバイスは、PDの通常のPoDL動作電圧より高い閾値を有するツェナーダイオード96である。検出器回路98が、検出段階中に、スイッチ100を介して、PD制御器28をツェナーダイオード96から分離し、それにより、検出シグネチャがPD内の他の電気回路によって影響を及ぼされなくなる(ステップ94)。
【0042】
ステップ102において、PSE10が起動されるか、またはPD12がPSE10に接続される。
【0043】
ステップ104において、PSE10は、低電流源106をオンにし、低電流源106は、低電流をツェナーダイオード96に印加する。ダイオードブリッジ108が、適切な極性がツェナーダイオード96に印加されることを保証するために使用され得る。図4Bは、ツェナーダイオード96が、結果として生じる電圧を制限することを示している。
【0044】
ステップ110において、電圧検出器112は、ツェナーダイオード96によって制限される、結果として生じる電圧を検出し、結果として生じる電圧降下Vdは、特定のVdレベルに対応するPoDL特性を識別するために、PSE制御器26に印加される(ステップ112)。例えば、Vdレベルは、デジタル化され得、PoDL特性(動作電圧および最大電力レベルなど)をPSEに提供するルックアップテーブルが扱われ得る。PoDL特性の各セットは、抵抗に因る未知の電圧降下がワイヤのほかに存在し得るので、狭い範囲のVdレベルと関連付けられ得る。図4Bは、Vdレベルの2つの範囲が、最大電力に関連して、タイプIのPDおよびタイプIIのPDと関連付けられることを示している。
【0045】
ハンドシェイク段階後、電流源106が不能であるときに、スイッチ100は、閉じられ(ステップ114)、PSE電力供給器116は、PSE制御器26によって制御され、それにより、適切な電圧をワイヤペア14に提供する。
【0046】
ステップ118において、PD制御器28内のUVLO回路が適切な動作電圧を検出した後、UVLO回路は、PD負荷38に給電するためにスイッチ40を閉じる。このとき、ツェナーダイオード96は、その閾値が動作PoDL電圧より上であるので、ESD保護デバイスとして動作する。
【0047】
いくつかの用途において、ワイヤペア14上の電圧がワイヤループ内の電圧降下によって影響を及ぼされるので、PDは、電圧レギュレータを含む。ループの抵抗が知られている場合、ループに沿った電圧降下が任意の電流レベルについて計算されることが可能であり、PSEによって供給される電圧は、正確に知られている電圧をPDに供給するために、PSEによって調整されることが可能である。これは、PD内の任意の電圧レギュレータの必要性を除去し得るか、またはスイッチングレギュレータではなくPD内の単純なリニアレギュレータの使用を可能にする。
【0048】
図4Dは、ツェナーダイオード96(または他の電圧制限デバイス)と併せて、ループ抵抗とループに沿った予期される電圧降下とを計算するために使用され得るステップを説明している。全ての処理は、図4A内のPSE制御器26によって行われ得る。
【0049】
図4Dのステップ122において、検出段階中にPSEがツェナーダイオード96(または他の電圧制限デバイス)を検出した後に、ループ抵抗テストが始められる。
【0050】
ステップ124において、電流源106(図4A)は、知られている低DC電流I1をワイヤペア14に印加し、PSEにおける結果として生じる測定された電圧は、ツェナーダイオード96による電圧のクランプに因り、電圧降下(I1xR)は、ループ抵抗に因る。この結果として生じる電圧は、V1であり、PSE内のメモリ内に格納される。
【0051】
ステップ126において、知られているより高い電流I2が電流源106によって供給され、ワイヤペア14を横切る、結果として生じる電圧V2が再び測定され、メモリ内に格納される。I2はI1より大きいので、より大きいループ電圧降下が存在するが、ツェナーダイオードからの貢献は、同じである。電流源106は、複数の電流源または単一の電流源を備え得、単一の電流源では、複数の電流レベルを生成するようにパラメータが調節されている。
【0052】
ステップ128において、ループ抵抗Rは、R=(V1−V2)/(I2−I1)として計算される。
【0053】
ステップ130において、通常の動作中、ループ抵抗に因る電圧降下Vdは、Vd=I*Rとして計算され、ここで、Iは、動作電流である。電流が動作中に変化し得るので、Vdは変化する。
【0054】
ステップ132において、PSE PoDL電圧は、PD電流に基づいて、ワイヤペア14に沿った電圧降下を考慮して動的に調節され、その結果、PDにおける電圧は、正確な電圧に調整され得る。これは、PDにおける別個の電圧レギュレータの必要性を除去するか、またはPDにおける有効なリニアレギュレータの使用を可能にする。PSEにおける可変電圧源は、図1内の可変電圧コンバータ30であり得る。
【0055】
図5A〜5Cは、PD内のサージストッパーを使用してPDによってPoDL特性を伝達することに向けられており、そこでは、サージストッパーの閾値電圧の規模がPoDL特性に対応する。通常の動作中、サージストッパーは、PD電気回路を損傷させるのを妨げるように電圧サージを遮断する機能を果たし得る。様々な実施形態において、特定のセットのPoDL特性に対応する閾値電圧は、低い検出および分類電流でのワイヤペア14に沿った小さい可変電圧降下が存在し得るので、閾値電圧の様々な範囲内である。
【0056】
図5Aは、各ワイヤに対する単純なサージストッパーを示しており、各サージストッパーは、関連付けられるワイヤに直列のMOSFET140および142によって形成される。サージ電圧検出器144(コンパレータおよびドライバ)は、ワイヤペア14を横切る電圧がある程度の閾値電圧Vth(10Vなど)を超えるときを検出する。閾値は、PDの動作電圧より高い。閾値電圧レベルは、(例えば、閾値電圧をもたらすために電流源に直列の抵抗分割器を選択し、次いで、ワイヤペア14を横切る実際の電圧と閾値電圧とを比較することによって)簡単に設定される。閾値を超えるとき、検出器144は、高インピーダンスをもたらすために、適した電圧をMOSFET140および142のゲートに印加する(図5B内のステップ148)。
【0057】
ステップ150において、最初に、PSEは、サージストッパーが始動するまで、分類段階中にPDにランプ電圧を供給する。図5Cは、閾値電圧Vtにおいて生じる高インピーダンスを示している。サージストッパーが始動する前に、PSEは、開回路よりかなり低いインピーダンスを検出する。PD内のワイヤペアを横切る高値抵抗器152が、UVLO回路がスイッチ40を開いた状態を保つときでさえ、PDによって形成される回路が存在することを保証する。図2Aのタイマー回路、または図3Aの電圧極性反転技術は、通常のPoDL動作電圧を受ける前にUVLO回路がスイッチ40を閉じることを妨げるように使用され得る。
【0058】
ステップ154において、PSEは、インピーダンスにおける変化を検出することによって、サージストッパーが始動したことを検出する。さらに、ランプ電圧のレベルが検出され、特定のレベルが、PSE内のルックアップテーブルからPDのPoDL特性を相互参照するために使用されるか、またはアルゴリズムが、PoDL特性を決定するようにそのレベルにおいて行われる(ステップ156)。次いで、PSEは、サージストッパーの閾値レベルによって特定された要求される電圧をPDに供給する(ステップ156)。PDに対する動作電圧がサージストッパーの閾値より下であるので、MOSFET140および142は、通常、閉じられており、UVLOスイッチ40も閉じられている。サージストッパーの正確な閾値電圧が、ワイヤペア14に沿った電圧降下に因りPSEによって知られないこともあるので、図5Cに示されているように、様々な可能範囲の検出された閾値電圧が、PD(タイプIまたはタイプIIのPDなど)を分類するために使用され、そこでは、異なるタイプが最大電力レベルに関連する。
【0059】
MOSFET140および142が分類テスト中に開かれているとき、高値抵抗器158および160がループに直列である。ステップ162において、これらの抵抗器158/160の値が検出され、そこでは、特定の値が、PDのPODL特性(PDについての動作電圧および最大電流/電力など)に対応する。それゆえ、抵抗器158および160を使用することによって、サージストッパーの閾値電圧ではなく、抵抗値が、PoDL特性を伝達するために使用され得る。この技術の利点は、通常の動作中にMOSFET140/142が閉じられているときに抵抗器158/160が回路に影響しないことであり、サージストッパーの閾値は、特定の用途のために最適化され得る。抵抗値は、閾値電圧で結果として生じる電流を測定することによって検出され得、そこでは、R=Vth/Iである。
【0060】
図6A〜6Cは、PSEが、ハンドシェイク段階に続いてPDがワイヤペア14から切り離されたかどうかを知ることを可能にする技術に向けられている。これは、PoDLを供給することを止めるべきかどうかをPSEが知ることを可能にし、かつ、PSEが、起動する度に、全ハンドシェイクルーチンを行うのではなく立ち上げルーチンについてのPDからの格納されたPoDL情報を使用することを可能にする。これは、相当な立ち上げ時間を省く。
【0061】
図6Aにおいて、(100Kオームを超えている)高値抵抗器170がPD内でワイヤペア14を横切っている。この抵抗値は、「維持電力シグネチャ」をもたらす(ステップ174)。この抵抗値は、検出段階中に使用される、25Kオームの従来の検出シグネチャ抵抗器よりもかなり高く、抵抗器170は、PDの通常の動作中、ワイヤペア14を横切ったままである。典型的に、検出シグネチャ抵抗器、および通常の動作中に有意な電流を流す他の検出シグネチャ回路は、通常の動作中に回路の外に切り替えられる。
【0062】
ステップ174において、PDが通常の動作中だった後、PD負荷が電流を流さないとき(例えば、PD負荷が電源オフ状態であるとき)でさえ、低テスト電流が電流源176によって定期的に供給される。
【0063】
ステップ178において、PSEは、PD負荷抵抗が「維持電力シグネチャ」抵抗値に等しいかまたはそれより小さいことを定期的にテストする。
【0064】
ステップ180において、PD負荷抵抗が「維持電力シグネチャ」抵抗値に等しいかまたはそれより小さい場合、PSEは、PDが最後のハンドシェイクルーチンに続いて切り離されなかったと推定する。
【0065】
ステップ182において、PD負荷抵抗が「維持電力シグネチャ」抵抗値より大きい場合、PSEは、PDが最後のハンドシェイクルーチンに続いて切り離されたと推定する。それに応答して、PSEは、エネルギーを節約するために、PDに電力を供給することを終える。
【0066】
ステップ184において、通常の動作中にPSEがPDに電力を供給していないとき、PSEは、「維持電力シグネチャ」を検出する(すなわち、PDがただ電源オフ状態であるだけだが依然として接続されているかどうか、またはPDが取り外されたかどうかを検出する)ために、ワイヤペア14に定期的にまたは連続的に低電流を供給する。
【0067】
ステップ186において、PSEが、PDが切り離されて次いで接続されたことを検出する場合、PSEは、PoDLについてのハンドシェイクルーチンを行う。PSEが、PDの起動状態の間に切断を全く検出しない場合、PSEは、ハンドシェイクルーチンを繰り返す必要はないが、以前のハンドシェイクの結果に従って十分なPoDL電圧を単純に供給し得る。
【0068】
図6Cは、図6Aの回路を使用して行われ得るステップを示しており、そこでは、以前のハンドシェイクの結果が、後にPDが再起動されたときに使用するために、不揮発性メモリ190内に格納される。
【0069】
ステップ190において、PSEは、起動時にPDに対して検出および分類ルーチンを行う。
【0070】
ステップ192において、PSEは、結果として生じるPoDL情報をメモリ190内に格納する。例えば、格納されたデータは、動作電圧レベル、PDの最大電力および他の動作特性に対応するコードであり得る。
【0071】
ステップ194において、PSEは、PDが依然として接続または起動されているかどうかを決定するテスト(上述されている維持電力シグネチャテストなど)を定期的に行う。
【0072】
ステップ196において、PSEが、PDが切り離されて次いで接続かつ起動されたことを検出する場合、PSEは、PDが同じPDまたは同じタイプの交換PDであると推定し得、これは、自動車製造業者がPDタイプを特定する自動車の用途において当てはまる。次いで、PSEは、適切なPoDL電圧を供給するために分類情報についてメモリ190にアクセスする。メモリ190内に格納されたデータは、初期のハンドシェイクルーチンからのものであり得るか、または製造業者によって予めロードされ得る。代替的に、PDが切り離されたことをPSEが検出し、続いて、PDが接続されていることを検出するときに、PSEは、メモリ190内の格納されたデータを使用するのではなく、全ハンドシェイクルーチンを行い得る。
【0073】
ステップ198において、PSEが、PDが電源オフにされたときでさえ維持電力シグネチャが中断されなかったことを検出する場合、PSEは、起動時に、ハンドシェイクルーチンを行うのではなくメモリ190内に格納されたPoDLデータを使用し得る。
【0074】
別の実施形態において、PDがPoDL対応であることを確かめるためまたは他の情報を確かめるために、PSEは、メモリ190内の情報を使用し、依然として、短縮されたハンドシェイクルーチンを行い得る。
【0075】
ステップ200において、用途が、使用されるPDのタイプを限定するもの(例えば、自動車におけるもの)である場合、メモリ190内のPoDL情報は、製造業者によってメモリ190内に予めロードされ得るか、またはシステムの最初の立ち上げからのものであり得る。
【0076】
図7Aおよび7Bは、PoDLシステムに向けられており、そこでは、主要PD負荷が、PSEによって電力を供給されるのではなく、PD側に位置する代替電力源210から電力を供給される。この状況は、PSEによって供給されることが可能である電力より多くの電力をPD負荷が要求する場合に起こり得る。そのような場合、通信チャンネルおよび(主要PD負荷以外の)PD内の特定の機能に給電するためにPDのフロントエンドに電力を依然として供給しているPSEにいくつかの利益がある。この技術を使用すると、代替電力源210がオフまたは機能不全であるとしても、PDは、依然として、メンテナンスなどのために、自身の動作状態をPSEに通信することが可能である。さらに、PDは、代替電力源210の故障時にPSEがPD負荷に給電することを可能にさえし得る。
【0077】
図7Aは、PD負荷38およびPD制御器28に結合されている代替電力源210の追加を除き、図1と同一である。
【0078】
図7Bのステップ212において、代替電力源210が提供される。PSEは、(増幅器、制御回路などの)イーサネット(登録商標)データ物理(PHY)サブシステムにPoDL電力を供給し得る間に、代替電力源210は、同時に、主要PD負荷に電力を供給する。
【0079】
ステップ214において、代替電力源210が故障するかまたはオフである場合、PHYサブシステム(および他の要求される電気回路)がPSEによって給電されているので、PDは、依然として、PSEに通信する(例えば、故障を通信する)ことが可能である。代替的に、PDは、通常のまたは限定された動作のためにPoDL電力をPD負荷38に切り替え得る。
【0080】
ステップ216において、PD起動時に、PSEは、最初に、PoDLを介してPDに給電することが可能であり、かつ、代替電力源210がオンにされる前に構成データをPDに送信することが可能である。次いで、代替電力源210は、適切に構成される。これは、代替電力源が汎用電力源でありかつ特定のPDのためにカスタマイズされていない場合に特に役立つ。例えば、一旦PSEが、PDがPoDL対応であることと、要求される電圧を供給するように代替電力源210が構成されていることとを検出すると、PSEは、代替電力源210のみを有効にし得る。
【0081】
本明細書に説明されている全ての技術は、特定の用途に対して様々な方法で組み合わされ得る。
【0082】
様々な技術のうちのあるものは、使用されるPSEおよびPDのタイプが高度に規制されている自動車の用途に特に合っており、PoDLシステムの各起動時のハンドシェイクは、短縮されるかまたは取り除かれることが可能である。
【0083】
本発明の特定の実施形態が示されて説明された一方で、変化および改変が本発明のより広い側面において本発明から逸脱することなくなされ得、それゆえ、添付されている特許請求の範囲が、本発明の真の精神および範囲の内にある全てのそのような変化および改変を本発明の範囲内に包含することは、当業者に明白である。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B