(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技機に設けられた複数の光源を制御する光源制御装置であって、前記複数の光源のそれぞれのアノードが少なくとも1本の第1の信号線の何れかと接続され、カソードが複数の第2の信号線の何れかと接続され、かつ、該接続される第1の信号線と第2の信号線の組が光源ごとに異なり、前記光源制御装置は、
前記少なくとも1本の第1の信号線のそれぞれごとに設けられた、当該第1の信号線に電力を供給するか否かを切り替える駆動回路と接続可能な複数の第1の出力ピンと、
前記複数の第2の信号線の何れかを接続可能な複数の第2の出力ピンと、
前記複数の光源のうちの一つの発光量を複数のビットにより規定する階調データを前記複数の光源のそれぞれごとに含み、かつシリアル伝送される制御コマンドと、第1の信号線の本数と第2の信号線の本数との組み合わせが異なる複数の動作モードの中から適用される動作モードを指定する動作モード信号とを受信するインターフェース部と、
前記階調データのそれぞれを記憶する記憶部と、
前記動作モード信号において指定された動作モードで使用される前記第1の信号線の本数に従って、前記第1の信号線のそれぞれごとに、電力を供給するタイミングが互いに異なるように、該電力が供給される第1の期間を決定し、前記複数の第1の出力ピンのうち、前記指定された動作モードで使用される前記第1の信号線に接続された前記駆動回路と接続された出力ピンのそれぞれに対して、当該第1の信号線についての前記第1の期間中、電力を供給させる信号を出力するダイナミック制御部と、
前記指定された動作モードで使用される前記複数の第2の信号線のそれぞれに対して、前記複数の光源のうちの当該第2の信号線に接続された光源のアノードが接続された前記第1の信号線に対して前記第1の期間が設定されている間に、当該光源に対応する前記階調データに表された発光量に応じて当該光源を通電可能とする第2の期間を設定する期間設定部と、
前記複数の第2の出力ピンと接続され、かつ、前記複数の第2の出力ピンのうち、前記指定された動作モードで使用される前記第2の信号線が接続された出力ピンのそれぞれに対して、前記複数の光源のうちの当該第2の信号線に接続された光源についての前記第2の期間中、当該光源に通電する階調制御部と、
を有することを特徴とする光源制御装置。
前記複数の第2の出力ピンのうちの少なくとも1本の出力ピンを、前記動作モード信号に応じて前記階調制御部及び前記ダイナミック制御部のうちの何れか一方に接続する出力切替回路をさらに有する、請求項1に記載の光源制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一つの実施形態による光源制御装置を、図を参照しつつ説明する。この光源制御装置は、使用される選択線(第1の信号線)の本数と制御線(第2の信号線)の本数とを規定する複数の動作モードの中から、演出用制御回路といった上位の制御装置によって指定された動作モードに応じて、各選択線に電力供給する期間及びタイミングを決定する。そしてこの光源制御装置は、各選択線について電力供給される期間及びタイミングに応じて、スタティック制御方式(すなわち、使用される選択線は1本)またはダイナミック制御方式(すなわち、使用される選択線は複数本)の何れについても同じ規則で規定された、各光源の発光量を表す階調データから、各光源が接続される制御線を通電可能とする期間及びタイミングを決定する。これにより、この光源制御装置は、同一のコマンド体系に従った、各光源に対する階調データを含むコマンドにより、スタティック制御方式またはダイナミック制御方式の何れでも複数のLEDを制御可能とする。
【0017】
本実施形態による光源制御装置は、動作モードとして、スタティック制御方式により最大24系統のLEDを駆動するスタティックモードと、ダイナミック制御方式によりLEDを制御する3種類のダイナミックモード1〜3とを有する。ダイナミックモード1では、光源制御装置は、24本の制御線と2本の選択線により最大48系統のLEDを制御する。またダイナミックモード2では、光源制御装置は、24本の制御線と4本の選択線により最大96系統のLEDを制御する。さらにダイナミックモード3では、光源制御装置は、12本の制御線と8本の選択線により最大96系統のLEDを制御する。そして光源制御装置は、それぞれの動作モードにおいて、複数のLEDの発光量を、パルス幅変調(PWM)方式により制御する。
【0018】
図1(a)及び
図1(b)は、それぞれ、本実施形態による光源制御装置により駆動されるLEDの配線図の一例である。
図1(a)では、光源である96系統のLED20−1〜20−96はダイナミックモード3に従って制御され、それぞれ、8本の選択線COM1〜COM8と12本の制御線SEG1〜SEG12にマトリクス状に接続されている。すなわち、12個のLED20−(12(m-1)+1)〜20−(12(m-1)+12)ごとに、各LEDのアノードは、選択線COMmに接続されている(ただし、m=1,2,...,8)。また、左からn番目の列に位置する8個のLED20−(12k+n)のカソードは、制御線SEGnに接続されている(ただし、k=0,1,2,...,7、n=1,2,...,12)。
各選択線COM1〜COM8は、それぞれ、LED駆動回路を介して定電圧源と接続される。また各制御線SEG1〜SEG12は、それぞれ、後述する本発明の一つの実施形態による光源制御装置が有する出力ピンの何れかと接続される。
【0019】
なお、各LED20−1〜20−96は、それぞれ、直列または並列に接続された複数個のLEDを含んでいてもよい。また、各LED20−1〜20−96の実際の配置は、マトリクス状でなくてもよく、それらLEDが配置される遊技盤の形状、あるいは遊技盤上に設けられた役物部など、演出用の部材などとの位置関係によって決定される。
【0020】
図1(b)では、光源である24系統のLED20−1〜20−24はスタティックモードに従って制御される。この場合、各LEDのカソードは、24本の制御線SEG1〜SEG24に接続され、各LEDのアノードは、定電圧源と接続された1本の選択線COM1に接続されている。
この例でも、各制御線SEG1〜SEG24は、それぞれ、後述する本発明の一つの実施形態による光源制御装置と接続される。またこの例においても、各LED20−1〜20−24は、それぞれ、直列または並列に接続された複数個のLEDを含んでいてもよい。
【0021】
図2は、本発明の一つの実施形態に係る光源制御装置の概略構成図である。
図2に示されるように、光源制御装置1は、インターフェース回路2と、レジスタ3と、モード選択回路4と、データセレクタ5と、ダイナミック制御回路6と、階調制御回路7と、電流設定回路8と、パルス信号生成回路9と、出力切替回路10とを有する。
光源制御装置1が有するこれらの各部は、それぞれ、別個の回路として回路基板(図示せず)上に実装されてもよく、あるいは、これらの各部が集積された集積回路として回路基板上に実装されてもよい。
【0022】
さらに、光源制御装置1は、ダイナミック制御方式で動作する場合に、個々の選択線ごとに設けられ、かつ、定電圧源と選択線との間に接続され、ダイナミック制御回路6により制御されて交互に選択線に定電圧源からの電力を供給するLED駆動回路へパルス信号を出力する4本の出力ピンOUTC1〜OUTC4と、制御線に接続される20本の出力ピンOUTS1〜OUTS20とを有する。さらに、光源制御装置1は、動作モードに応じて選択線に接続されるLED駆動回路又は制御線の何れにも接続可能な出力ピンである4本の共用ピンOUTU1〜OUTU4を有する。このような共用ピンを有することにより、光源制御装置1は、複数の動作モードの何れかで選択的に動作可能としたことによる出力ピン数の増加を抑制している。
【0023】
インターフェース回路2は、例えば、光源制御装置1が実装された遊技機の演出用のプロセッサユニット(図示せず。以下、単に演出用CPUと呼ぶ)と光源制御装置1とを接続するためのインターフェース回路である。そしてインターフェース回路2は、演出用CPUから、シリアル伝送される複数のビットを持つ制御コマンドと、制御コマンドを解析するために、制御コマンドに含まれる複数のビットのそれぞれと同期を取るためのクロック信号とを受信する。クロック信号は、例えば、制御コマンド中の所定数のビットごとに、矩形状のパルスを持つ信号とすることができる。
またインターフェース回路2は、演出用CPUから、制御コマンドが制御対象とする光源制御装置を特定するための識別信号ADRを受信する。
【0024】
図3は、制御コマンドのフォーマットの一例を示す図である。制御コマンド300は、先頭から順に、STARTフラグ301と、デバイスアドレス302と、制御データ303と、複数の階調データ304と、ENDフラグ305とを有する。さらに、制御コマンド300は、隣接するフラグ、アドレス及びデータ間に、例えば'0'の値を持つ1ビットのスペーサを含んでもよい。
【0025】
STARTフラグ301は、制御コマンド300の先頭であることを表すビット列であり、本実施形態では、'1'の値を持つ9個のビットが連続したビット列である。なお、STARTフラグ301は、制御コマンド300内の任意の他の何れのビット列とも一致しないビット列であればよい。
デバイスアドレス302は、制御コマンド300が制御対象とする光源制御装置を特定するための識別情報であり、本実施形態では、7ビット長のビット列で表される。デバイスアドレス302は、インターフェース回路2により、識別信号ADRと一致するか否か判定され、一致する場合、光源制御装置1が、制御コマンド300の制御対象であると判定される。
【0026】
制御データ303は、光源制御装置1が制御する各LEDの発光量を表す各階調データ304のビット長を定義する1ビットの階調制御ビット3031を含む。階調制御ビット3031が'0'であれば、各階調データ304は、8ビットで表され、一方、階調制御ビット3031が'1'であれば、各階調データ304は、4ビットで表される。階調データのビット数を多く設定することにより、各LEDの発光量を詳細に設定できる。一方、階調データのビット数を少なく設定することにより、制御コマンドが短くなり、制御コマンドの転送に要する時間が短くなるので、短い周期で各LEDの発光量を切り替えることが可能となる。また、制御コマンドが短くなることで、演出用CPUの負荷が軽減される。
制御データ303は、さらに、制御コマンドに含まれる階調データ304の数を規定する階調データ数を含んでいてもよい。これにより、光源制御装置1が同時に制御可能な最大LED数よりも少ない数のLEDが光源制御装置1により制御される場合、制御コマンドを短縮できる。
【0027】
複数の階調データ304のそれぞれは、光源制御装置1に接続されているLEDの発光量を表す。階調データ304が4ビットで表される場合、階調データ304は、'0'〜'15'の値を取るので、各LEDの発光量は16段階で表される。一方、階調データ304が8ビットで表される場合、階調データ304は、'0'〜'255'の値を取るので、各LEDの発光量は256段階で表される。そして階調データ304の値が大きいほど、対応するLEDの発光量も高くなる。例えば、階調データ304が4ビットで表されている場合において、階調データ304の値が'15'(すなわち、全てのビットが'1')であれば、対応するLEDの発光量も最大となり、一方、階調データ304の値が'7'であれば、対応するLEDの発光量は、その最大強度の1/2となり、また、階調データ304の値が'0'であれば、対応するLEDは消灯状態となる。同様に、階調データ304が8ビットで表されている場合において、階調データ304の値が'255'(すなわち、全てのビットが'1')であれば、対応するLEDの発光量も最大となり、一方、階調データ304の値が'0'であれば、対応するLEDは消灯状態となる。
【0028】
各階調データ304の先頭からの順序は、適用される動作モードに従って、光源制御装置1と接続されたLEDの配線上の位置に対応して定められる。例えば、適用される動作モードがダイナミックモード3であれば、先頭からi番目(i=0〜95)の階調データ304は、選択線COM(i/12+1)と制御線SEG(i%12+1)とに接続されたLEDに対応する。なお、演算子%は、剰余演算子である。また、適用される動作モードがダイナミックモード1または2であれば、先頭からi番目(i=0〜m、ただしmは、ダイナミックモード1の場合47、ダイナミックモード2の場合95)の階調データ304は、選択線COM(i/24+1)と制御線SEG(i%24+1)とに接続されたLEDに対応する。さらに、適用される動作モードがスタティックモードであれば、先頭からj番目(j=1〜24)の階調データ304は、制御線SEGjに接続されたLEDに対応する。
なお、各階調データ304の先頭からの順序は、他のLEDの配列と対応していてもよい。
【0029】
ENDフラグ305は、制御コマンド300の終端であることを表すビット列である。ENDフラグ305は、制御コマンドに含まれる、STARTフラグ及び他のデータビット列と一致しないビット列であればよい。
【0030】
インターフェース回路2は、制御コマンドを受信すると、例えば、STARTフラグと同じビット列を持つテンプレートと一致するビット列を制御コマンド中で検出し、そのビット列をSTARTフラグとする。そしてインターフェース回路2は、制御コマンドのフォーマットに従って、制御コマンドからデバイスアドレスを抽出する。
インターフェース回路2は、デバイスアドレスが識別情報ADRと一致しなければ制御コマンドを廃棄する。一方、デバイスアドレスが識別情報ADRと一致すれば、インターフェース回路2は、制御コマンドのフォーマットに従って、制御コマンドから制御データを抽出し、その制御データに含まれる階調制御ビットを参照して、各階調データのビット長を確認する。そしてインターフェース回路2は、制御コマンドのうちの階調データが格納された部分を階調制御ビットに規定されたビット数で区切ることにより、個々のLEDに対する階調データを抽出し、その階調データをレジスタ3に記憶させる。なお、インターフェース回路2は、階調データが4ビット長で表されている場合、階調データを8ビット長に拡張するとともに、元の階調データを4ビット左側にシフト(すなわち、16倍)してもよい。これにより、後述するパルス信号生成回路9は、制御コマンド中の階調データのビット長の設定を考慮することなく、階調制御回路7へ出力する信号を生成できる。
【0031】
さらにインターフェース回路2は、演出用CPUから、光源制御装置1に対して適用される動作モードを規定する動作モード信号を受け取り、その動作モード信号をモード選択回路4へ渡す。動作モード信号は、例えば、2ビットで表され、その値'00'、'01'、'10'、'11'は、それぞれ、スタティックモード、ダイナミックモード1、ダイナミックモード2、ダイナミックモード3が適用されることを表す。またインターフェース回路2は、複数の光源制御装置1がカスケード接続されている場合に、受け取った制御コマンド及びクロック信号を次の段の他の光源制御装置へ転送する。
【0032】
レジスタ3は、記憶部の一例であり、例えば、揮発性の読み書き可能な半導体メモリ回路を有する。そしてレジスタ3は、光源制御装置1が受信した制御コマンドに含まれる、各LEDの階調データを記憶する。レジスタ3は、インターフェース回路2が新たな制御コマンドを受け取り、その新たな制御コマンドに含まれる階調データで前回の制御コマンドに含まれる階調データを書き換えるまで、前回の制御コマンドに含まれる階調データを保持する。したがって、光源制御装置1により制御される各LEDの発光パターンは、光源制御装置1が新たな制御コマンドを受信するまで、前回の制御コマンドに規定された発光パターンのまま維持される。
【0033】
本実施形態では、レジスタ3は、光源制御装置1が最大で96系統のLEDを制御するため、一つの階調データを記憶可能な記憶領域を96個持つ。そして、レジスタ3は、適用される動作モードが何れであっても、各LED系統に対する階調データを、その96個の記憶領域のうちの制御コマンド中の順序に従って予め定められた記憶領域に記憶する。
【0034】
モード選択回路4は、演出用CPUからインターフェース回路2を介して受け取った動作モード信号に従って、光源制御装置1に適用される動作モードを決定する。そしてモード選択回路4は、適用される動作モードを表す信号を、データセレクタ5、ダイナミック制御回路6、パルス信号生成回路9及び出力切替回路10へ出力する。
【0035】
データセレクタ5は、モード選択回路4から通知された動作モードに応じて、レジスタ3が有する複数個の記憶領域のうち、アクセスする記憶領域を選択し、選択した記憶領域に記憶されている階調データを読み出す。
【0036】
本実施形態では、データセレクタ5は、レジスタ3が有する複数個の記憶領域を、各動作モードにおいて使用される制御線数の最大公約数ごとにグループ化する。例えば、本実施形態では、制御線数の最大公約数は12なので、12個の記憶領域を一つのグループとする。そしてデータセレクタ5は、同じグループに属する記憶領域に対して並列にアクセスできるように、一つのグループに含まれる記憶領域の数、すなわち、上記の最大公約数と同数の複数入力1出力のデータセレクタ回路を有する。また各データセレクタ回路の入力数は、レジスタ3が有する記憶領域の総数をグループ数で除した数とすることができる。本実施形態では、レジスタ3は96個の記憶領域を持ち、一つのグループは12個の記憶領域を含むので、各データセレクタ回路の入力数は8である。
【0037】
データセレクタ5は、動作モードに応じて、アクセスするグループを決定し、アクセスする個々のグループごとに、そのグループに含まれる記憶領域から並列に階調データを読み出す。これにより、データセレクタ5は、何れの動作モードが適用される場合でも、個々のデータセレクタ回路のレジスタ3へのアクセス数を等しくできるとともに、アクセス回数を抑制できる。そのため、データセレクタ5の回路規模を抑制しつつ、効率的にレジスタ3へのアクセスを可能としている。
【0038】
図4は、動作モードと、レジスタのグループとの関係の一例を示す図である。
図4において、上端の行401には、動作モードが示され、その下の行402に、行401に示された動作モードにおいて使用される選択線が接続される出力ピンの識別番号が示される。さらにその下には、各選択線に対応する、データセレクタ5がアクセスするレジスタ3のグループが示されている。また、左端の列403には、各グループに含まれる記憶領域に記憶された階調データに対応する制御線が接続される出力ピンの識別番号が示されている。
【0039】
スタティックモードでは、データセレクタ5は、グループ#0に含まれる記憶領域にアクセスしてグループ#0に含まれる各記憶領域から階調データを読み出し、その後にグループ#1に含まれる記憶領域にアクセスしてグループ#1に含まれる各記憶領域から階調データを読み出す。なお、グループ#0及び#1に対するアクセスの順序は、逆でもよい。またダイナミックモード1では、データセレクタ5は、グループ#0〜#3に含まれる記憶領域に対して順次アクセスしてグループごとに、そのグループに含まれる各記憶領域から階調データを読み出す。同様に、ダイナミックモード2及び3では、データセレクタ5は、グループ#0〜#7に含まれる記憶領域に対して順次アクセスしてグループごとに、そのグループに含まれる各記憶領域から階調データを読み出す。
【0040】
データセレクタ5は、レジスタ3から階調データを読み出す度に、その階調データをパルス信号生成回路9へ出力する。
【0041】
ダイナミック制御回路6は、動作モード信号において指定された動作モードで使用される選択線の本数に従って、選択線のそれぞれごとに、電力を供給するタイミングが互いに異なるように電力が供給される期間を決定する。そしてダイナミック制御回路6は、選択線ごとに、その選択線と定電圧源との間に配置され、定電圧源からその選択線を介してLEDへ電力供給するか否かを切り替えるLED駆動回路(図示せず)を制御するためのパルス信号を生成し、各パルス信号を、それぞれ対応するLED駆動回路が接続される出力ピンへ出力する。
【0042】
例えば、動作モードとしてダイナミックモード1〜3の何れかが適用される場合、ダイナミック制御回路6は、選択線ごとに電力が供給される期間及びタイミングを決定する。そしてダイナミック制御回路6は、電力が供給される期間と等しいパルス幅を持ち、そのパルスについて電位Vonとなり、電力が供給されない期間について電位Voffとなるパルス信号を、その動作モードで使用される選択線に接続されたLED駆動回路と接続される出力ピンごとに生成し、そのパルス信号をその出力ピンと接続されたLED駆動回路へ出力する。なお、一定周期ごとに、一つの選択線ずつ順番に電力供給されるように、パルスが出力されるタイミングは、個々のLED駆動回路に出力されるパルス信号ごとに異なる。また、その一定周期は、遊技者がLEDの明滅を知覚できない程度の期間、例えば、10msec以下に設定される。また、その一定周期は、適用される動作モードに応じて異なってもよい。例えば、何れかの出力ピンに接続されたLED駆動回路に対して、それぞれ、電位Vonとなるパルス幅が1msecとなるように、一定周期を決定してもよい。この場合、使用される選択線が2本であるダイナミックモード1では、その一定周期は2msecとなり、一方、使用される選択線が8本であるダイナミックモード3では、その一定周期は8msecとなる。
あるいは、一定周期は、動作モードにかかわらず一定であってもよい。この場合には、その一定周期が例えば8msecであれば、ダイナミックモード1では、2本の出力ピンのそれぞれに接続されたLED駆動回路には、パルス幅が4msecのパルス信号が出力される。一方、ダイナミックモード3では、8本の出力ピンのそれぞれに接続されたLED駆動回路には、パルス幅が1msecのパルス信号が出力される。
【0043】
各LED駆動回路に対するパルス信号を生成するために、ダイナミック制御回路6は、例えば、プロセッサ及び不揮発性のメモリ回路を有する。そしてそのメモリ回路には、例えば、動作モードと、LED駆動回路が接続される出力ピンごとにパルス幅及びパルス生成タイミングとの関係を表すダイナミック制御用参照テーブルが記憶される。そしてダイナミック制御回路6が有するプロセッサは、ダイナミック制御用参照テーブルを参照することにより、適用される動作モードに応じて各LED駆動回路に対するパルス幅及び発生タイミングを決定する。そしてそのプロセッサは、決定したパルス幅及び発生タイミングに従って、各LED駆動回路に対するパルス信号を生成する。
なお、ダイナミック制御回路6は、LED駆動回路が接続されない出力ピンに対しては、電位Vonとなるパルスを持たない、すなわち、電位Voff一定となる信号を出力する。
【0044】
なお、各LED駆動回路は、例えば、スイッチング素子(図示せず)を、それぞれ有する。スイッチング素子は、例えば、電界効果トランジスタであり、そのトランジスタのドレインが定電圧源(図示せず)と接続され、ソースが選択線と接続される。そしてスイッチング端子であるそのトランジスタのゲートが出力ピンOUTC1〜OUTC4または共用ピンOUTU1〜OUTU4に接続される。
【0045】
そして例えば、ダイナミック制御回路6から受け取った、動作モードに応じて設定された各選択線用のパルス信号が、その選択線と接続されたLED駆動回路が有するスイッチング素子のスイッチング端子に入力される。そしてそのパルス信号の電位が、所定の電位Vonとなっている間、そのLED駆動回路は、対応する選択線と定電圧源とを導通し、その選択線に接続されたLEDへ定電圧源からの電力を供給する。一方、そのパルス信号の電位が、Vonと異なるVoffとなっていれば、LED駆動回路は対応する選択線を定電圧源と導通しない。
【0046】
階調制御回路7は、例えば、スイッチング回路(図示せず)を、同時に制御可能な制御線の最大数だけ(本実施形態では24個)有する。このうち、20個のスイッチング回路は、出力ピンOUTS1〜OUTS20に、それぞれ、直接接続される。その他の4個のスイッチング回路は、それぞれ、出力切替回路10を介して、4個の共用ピンOUTU1〜OUTU4に接続される。そして各スイッチング回路は、トランジスタといったスイッチング素子と、そのスイッチング素子を介して、出力ピンと直列に接続される可変抵抗器(図示せず)とを含む。
【0047】
そして例えば、パルス信号生成回路9から受け取った、動作モードに応じて設定された各制御線用のパルス信号が、その制御線が接続される出力ピンに対応するスイッチング回路のスイッチング端子に入力される。なお、スイッチング回路がスイッチング素子としてトランジスタを有する場合、スイッチング端子は、例えば、そのトランジスタのベースである。そしてそのパルス信号の電位が所定の電位Vonとなっている間、そのスイッチング回路は、対応する出力ピンに接続された制御線を可変抵抗器を介して接地して、その制御線と接続されたLEDに、可変抵抗器の抵抗値により制御された電流値を持つ電流が流れるようにする。一方、そのパルス信号の電位がVonと異なるVoffとなっていれば、対応する出力ピンに接続された制御線を接地せず、その制御線と接続されたLEDに電流が流れないようにする。これにより、階調制御回路7は、各制御線に接続されるLEDの発光量をPWM方式により調節する。
【0048】
電流設定回路8は、階調制御回路7の各スイッチング回路が有する可変抵抗器の抵抗値を、例えば、演出用CPUから受信した電流設定信号に従って調節する。電流設定信号は、例えば、3ビット長で表され、可変抵抗器の抵抗値を8段階で規定する。そして電流設定回路8は、電流設定信号を受信した場合、各スイッチング回路の抵抗値を、その電流設定信号に規定された値に調節する。これにより、光源制御装置1は、各LEDの発光量を一律に調整できる。
【0049】
これにより、光源制御装置1は、例えば、遊技機が待機中である場合(すなわち、遊技機で遊技する遊技者がいない場合)に、各LEDの発光パターン自体は演出に応じたパターンとしつつ、全LEDの発光強度を、可変抵抗器の抵抗値を8段階中の最大値に設定することで一律に低下させることができる。そのため、光源制御装置1は、演出用CPUの制御負荷を軽減できるとともに、その待機中のLEDによる消費電力を削減できる。
なお、変形例によれば、階調制御回路7の各スイッチング回路は、可変抵抗器の代わりに固定抵抗器を有してもよい。この場合には、定電圧源とダイナミック制御回路6が有する各スイッチング回路との間に可変抵抗器が接続され、電流設定回路8は、受信した電流設定信号に従って、その可変抵抗器の抵抗値を調節する。
【0050】
パルス信号生成回路9は、期間設定部の一部であり、LEDの発光量をPWM方式で制御するために、モード選択回路4から通知された動作モード及びデータセレクタ5から受け取った各階調データに応じて、その動作モードにおいて制御線が接続される出力ピンに通電される期間及びタイミングを決定する。そしてパルス信号生成回路9は、通電される期間と等しいパルス幅を持ち、そのパルスについて電位Vonとなり、通電されない期間について電位Voffとなるパルス信号を、制御線が接続される出力ピンごとに生成し、そのパルス信号をその出力ピンに対応する階調制御回路7のスイッチング回路へ出力する。
【0051】
上記のように、階調データは、その階調データに対応するLEDが接続された選択線に電力が供給される期間に占める、そのLEDに通電される期間の割合を表す。したがって、例えば、パルス信号生成回路9は、階調データがその取り得る最大値(255)であれば、その階調データに対応するLEDが接続される制御線の通電期間を、そのLEDが接続された選択線に電力が供給される期間と等しくする。また、パルス信号生成回路9は、階調データがその取り得る最大値の1/2(すなわち、127)であれば、その階調データに対応するLEDが接続される制御線の通電期間を、そのLEDが接続された選択線に電力が供給される期間の1/2とする。
【0052】
また、適用される動作モードがスタティックモードである場合も、パルス信号生成回路9は、制御線が接続された出力ピンに対応する階調制御回路7のスイッチング回路に対して、所定の周期に対してその制御線に接続されたLEDについての階調データで規定された比率を乗じたパルス幅を持つパルスを、その所定の周期ごとに出力する。この場合も、所定の周期は、遊技者がLEDの明滅を知覚できない程度の期間、例えば、10msec以下に設定される。
【0053】
パルス信号生成回路9は、LEDごとに、そのLEDに接続された制御線に通電される期間中のみ、その制御線が接続される出力ピンに対応する、階調制御回路7のスイッチング回路をオンにするパルス信号を生成する。そのために、パルス信号生成回路9は、例えば、パルス信号生成回路9が有するメモリ回路には、例えば、動作モードと、選択線が接続される出力ピンに対応するスイッチング回路ごとに、発光量が最大となる場合のパルス幅及びパルス生成タイミングとの関係を表す階調制御用参照テーブルが記憶される。そしてパルス信号生成回路9が有するプロセッサは、階調制御用参照テーブルを参照することにより、適用される動作モードに対応する各スイッチング回路に対する最大発光量のパルス幅及び発生タイミングを決定する。そしてそのプロセッサは、最大発光量のパルス幅に、各制御線に接続されるLEDについての階調データに応じた比率を乗じることで、個々のパルス幅を決定する。そしてプロセッサは、決定したパルス幅及び発生タイミングに従って、各スイッチング回路に対するパルス信号を生成する。
なお、パルス信号生成回路9は、制御線が接続されない出力ピンに対応する階調制御回路7のスイッチング回路に対しては、電位Vonとなるパルスを持たない、すなわち、電位Voff一定となる信号を出力する。
【0054】
図5は、
図1(a)に示された配線における各選択線及び各制御線と接続される、LED駆動回路または階調制御回路が有するスイッチング回路に印加されるパルス信号の一例を示すタイミングチャートである。
図5において、波形501〜508は、それぞれ、ダイナミック制御回路6から出力される、出力ピンOUTC1〜OUTC4及び共用ピンOUTU1〜OUTU4に接続されたLED駆動回路に印加される信号波形を表す。なお、出力ピンOUTC1〜OUTC4及び共用ピンOUTU1〜OUTU4は、それぞれ、選択線COM1〜COM8と接続されたLED駆動回路へパルス信号を出力するものとする。また波形511〜522は、それぞれ、出力ピンOUTS1〜OUTS12に対応する階調制御回路7のスイッチング回路に印加される信号波形を表す。なお、出力ピンOUTS1〜OUTS12は、それぞれ、制御線SEG1〜SEG12と接続されるものとする。各信号波形に対する横軸は時間を表す。また、縦軸は、パルス信号の電位を表す。縦軸において、Vonは、LED駆動回路が定電圧源からの電力供給を行う電位、または階調制御回路7が有するスイッチング回路が電流を流す電位を表す。一方、Voffは、LED駆動回路が定電圧源からの電力供給をしない電位、または階調制御回路7が有するスイッチング回路が電流を流さない電位を表す。
【0055】
信号波形501〜508に示されるように、各選択線COM1〜COM8に対しては、何れか一つの選択線にのみ電力供給されるように、電位Vonを持つパルスがCOM1からCOM8と接続されたLED駆動回路へ順に、交互に印加される。そしてそのパルス幅は、例えば、1msecである。したがって、この場合、8msecを一周期として、選択線COM1〜COM8の何れにも、各周期中に一度、電力が供給される。
【0056】
一方、信号波形511〜522に示されるように、各制御線については、選択線COMy(y=1,2,...,8)に対応するLED駆動回路にパルスが印加されている期間中に、PWM制御により、その選択線COMyと制御線SEG1〜SEG12に接続されているLEDの発光強度に応じた期間だけ通電可能となる。例えば、選択線COM1と接続されているLED駆動回路にパルスが印加されている期間P1において、制御線SEG1が接続されている階調制御回路7のスイッチング回路には、期間P1の1/4の期間だけ電位Vonを持つパルスが印加されている。したがって、選択線COM1とSEG1に接続されているLED20−1の発光量は、最大発光量の1/4となる。同様に、期間P1において、制御線SEG2、SEG3が接続されたスイッチング回路には、それぞれ、期間P1と同一期間、期間P1の1/2だけ電位Vonとなるパルスが印加されている。そのため、選択線COM1と制御線SEG2に接続されているLED20−2の発光量は最大発光量となり、選択線COM1と制御線SEG3に接続されているLED20−3の発光量は最大発光量の1/2となる。また、期間P1中、制御線SEG12に接続されたスイッチング回路には、パルスが印加されず、常に電位Voffとなっている。したがって、選択線COM1と制御線SEG12に接続されているLED20−12は発光しない。同様に、選択線COM2と接続されているLED駆動回路にパルスが印加されている期間P2において、制御線SEG1が接続されている階調制御回路7のスイッチング回路には、期間P2の1/2の期間だけ電位Vonを持つパルスが印加されている。したがって、選択線COM2とSEG1に接続されているLED20−13の発光量は、最大発光量の1/2となる。
【0057】
出力切替回路10は、モード選択回路4から通知された動作モードに応じて、共用ピンOUTU1〜OUTU4を、ダイナミック制御回路6または階調制御回路7の何れに接続するかを切り替える。そのために、出力切替回路10は、例えば、2入力1出力のスイッチを4個有する。各スイッチは、それぞれ、出力端が共用ピンOUTU1〜OUTU4のうちの一つと接続され、二つの入力端の一方はダイナミック制御回路6と接続され、他方は階調制御回路7のスイッチング回路と接続される。そして出力切替回路10は、適用される動作モードが選択線を8本使用するダイナミックモード1である場合、ダイナミック制御回路6を共用ピンOUTU1〜OUTU4と接続するように、各スイッチを切り替える。一方、適用される動作モードがダイナミックモード1以外の動作モードである場合には、出力切替回路10は、階調制御回路7のスイッチング回路を共用ピンOUTU1〜OUTU4と接続するように、各スイッチを切り替える。
【0058】
以上に説明してきたように、この光源制御装置は、動作モードに応じて各選択線に電力供給する期間及び各制御線を通電する期間を設定することで、複数のLEDを、スタティック制御方式及びダイナミック制御方式のうちの何れの制御方式によっても制御できる。さらに、この光源制御装置は、何れの制御方式が適用される場合であっても、同一のコマンド体系に従ったコマンドにより、各LEDの発光量を制御できる。そのため、この光源制御装置は、演出用CPUの演算負荷を軽減できる。さらに、この光源制御装置は、複数の出力ピンのうちの一部を、適用される動作モードに応じてダイナミック制御回路と階調制御回路の何れかに切り替えて接続するようにしたことで、出力ピン数の増加を抑制できる。さらに、この光源制御装置は、階調データを記憶するレジスタが持つ複数の記憶領域を、各動作モードにおいて同時制御する制御線数の最大公約数ごとにグループ化することで、何れの動作モードにおいても効率的に階調データを読み出すことができる。
【0059】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、光源制御装置により制御される光源は、LEDでなくてもよい。光源は、PWM方式によって発光強度が制御可能な光源であればよい。
【0060】
また他の変形例によれば、出力ピンOUTC1〜OUTC4のうちの少なくとも1本が、スタティックモード適用時における、定電圧源から電力供給される選択線と接続されたLED駆動回路と接続されてもよい。この場合には、ダイナミック制御回路6は、定電圧源からの電力供給に利用される選択線と接続されたLED駆動回路と接続された出力ピンに対して、常に電位Vonとなる信号を出力すればよい。
【0061】
さらに他の変形例によれば、光源制御装置は、演出用CPUから異なる動作モードを指定する動作モード信号を順次受け取ることにより、その動作モード信号に応じて適用される動作モードを動的に切り替えてもよい。例えば、このようにすることで、特に同時制御される選択線の本数を動的に切り替えることが可能となり、その結果として、一つの選択線に電力が供給される期間も変わるので、階調データを変更しなくても各LEDの発光量を変更できる。さらに、動作モードの切替によって、選択線によっては電力供給されるか否かが切り替えられる。例えば、ダイナミックモード2では、出力ピンOUTC3及びOUTC4に対応する選択線にも電力供給されるが、適用される動作モードがダイナミックモード1またはスタティックモードに切り替えられると、出力ピンOUTC3及びOUTC4に対応する選択線には電力供給されなくなる。そのため、この光源制御装置は、動作モードを切り替えることによって、発光するLEDと発光しないLEDの組み合わせも変えることができる。これにより、この光源制御装置は、演出用CPUにとっては動作モード信号を切り替えるだけで遊技機上のLEDの発光パターンを切り替えることを可能にするので、演出用CPUの演算負荷を少なくしつつ、発光パターンまたは発光量を切り替えたい場合の簡易な手段を演算用CPUに提供できる。
【0062】
さらに、適用される動作モードに応じて、LED駆動回路または制御線が接続される共用ピンの本数は4本に限定されない。例えば、共用ピンの本数は、同時制御可能な最大の制御線数から最小の制御線数を減じた数とすることができる。上記の実施形態では、スタティックモード及びダイナミックモード1、2の場合、同時制御可能な制御線数が24本であり、ダイナミックモード3の場合、同時制御可能な制御線数が12本であるので、共用ピンの本数は12本であってもよい。そして共用ピンに選択線が接続される場合、出力切替回路10は、ダイナミック制御回路6からの一つのパルス信号を、複数の共用ピンから出力してもよい。これにより、出力ピン数を増やすことなく、同一のタイミングで電力供給することを表すパルス信号を出力する出力ピン数を複数とすることができるので、配線の自由度を向上できる。
さらにまた、上記の実施形態におけるダイナミックモード3が設定されていない場合のように、選択線専用として用意された出力ピンの本数が十分な場合には、共用ピン及び出力切替回路は省略されてもよい。
【0063】
さらに他の変形例によれば、光源制御装置が有する動作モードは上記の例に限られない。例えば、光源制御装置は、複数の光源の一部をスタティック制御方式により制御し、その複巣の光源のうちのその他をダイナミック制御方式により制御できる混在モードを、動作モードの一つとして有していてもよい。例えば、混在モードでは、光源制御装置は、12系統のLEDをスタティック制御方式で制御しつつ、4本の選択線と12本の制御線に接続される48系統のLEDをダイナミック制御方式で制御できる。そしてこの場合、20本の出力ピンOUTS1〜OUTS20のうちの12本及びその出力ピンと接続される階調制御回路7のスイッチング回路がスタティック制御用に利用される。一方、出力ピンOUTS1〜OUTS20のうちの残りの8本及び4本の共用ピンと、その出力ピン及び共用ピンと接続される階調制御回路7のスイッチング回路がダイナミック制御用に利用される。また、スタティック制御用の選択線には定電圧源から電力が常に供給され、ダイナミック制御用の選択線と接続される各LED駆動回路には、それぞれ、出力ピンOUTC1〜OUTC4を介して、一定周期で電力を順次供給することを指示するパルス信号が出力される。
【0064】
さらに他の変形例によれば、動作モード信号は、制御コマンドに含まれてもよい。この場合、例えば、動作モード信号は、制御コマンド中に制御データの一部として格納される。そしてインターフェース回路2は、制御コマンドから動作モード信号を抽出して、その動作モード信号をモード選択回路4へ渡す。
【0065】
さらに他の変形例によれば、階調制御回路が有する制御線ごとのスイッチング回路は、光源制御回路とは別個に設けられてもよい。この場合には、そのスイッチング回路のスイッチング端子と出力ピンOUTS1〜OUTS20または共用ピンOUTU1〜OUTU4が接続される。そしてパルス信号生成回路9により生成された、各制御線に対するパルス信号は、その制御線に対応するスイッチング回路のスイッチング端子と接続された出力ピンまたは共用ピンへ出力される。
【0066】
また、上記の実施形態またはその変形例による光源制御装置は、弾球遊技機または回胴遊技機といった遊技機に搭載されてもよい。
図6は、上記の実施形態またはその変形例による光源制御装置を備えた弾球遊技機100の概略斜視図である。また
図7は、弾球遊技機100の概略背面図である。
図6に示すように、弾球遊技機100は、上部から中央部の大部分の領域に設けられ、遊技機本体である遊技盤101と、遊技盤101の下方に配設された球受け部102と、ハンドルを備えた操作部103と、遊技盤101の略中央に設けられた表示装置104と、遊技盤101の前面において表示装置104の周囲及び遊技盤101の下方に配置され、遊技の演出に用いられる役物部105とを有する。また遊技盤101の側方にはレール106が配設されている。また遊技盤101上には多数の障害釘(図示せず)及び少なくとも一つの入賞装置107が設けられている。
【0067】
操作部103は、遊技者の操作によるハンドルの回動量に応じて図示しない発射装置より所定の力で遊技球を発射する。発射された遊技球は、レール106に沿って上方へ移動し、多数の障害釘の間を落下する。そして遊技球が何れかの入賞装置107に入ったことを、図示しないセンサにより検知すると、遊技盤101の背面に設けられた主制御回路110は、遊技球が入った入賞装置107に応じた所定個の遊技球を玉払い出し装置(図示せず)を介して球受け部102へ払い出す。さらに主制御回路110は、遊技盤101の背面に設けられた演出用CPU111を介して表示装置104に様々な映像を表示させる。
【0068】
また役物部105には、複数のLED108が配置されており、各LED108は、それぞれ、遊技盤101の背面に設けられた、本発明の実施形態による光源制御装置112により制御される。なお、LEDは、役物部105以外の、遊技盤101の前面、あるいは遊技盤101の周囲に設置されてもよい。
演出用CPU111は、遊技盤101に配置された各LED108をスタティック制御方式またはダイナミック制御方式の何れにより制御するかを光源制御装置112に通知するために、適用される動作モードを規定した動作モード信号を生成し、その動作モード信号を光源制御装置112へ送信する。なお、動作モード信号は、弾球遊技機100が起動された時点で光源制御装置112へ送信されればよく、その後の弾球遊技機100の動作中には、演出用CPU111は、改めて動作モード信号を送信する必要はない。
主制御回路110から演出用CPU111に伝達された遊技の状態を表す状態信号に基づいて、演出用CPU111は、各LED108のうち点灯するLED及び点灯するLEDの発光強度を決定し、その決定に従った制御コマンドを生成する。そして演出用CPU111は、生成した制御コマンドを光源制御装置112へ出力する。例えば、遊技球が入賞装置107に入る前は、演出用CPU111は、制御コマンドの制御データに含まれる階調制御ビットを'1'に設定し、各LEDの発光強度を大まかに設定する。一方、遊技球が入賞装置107に入ったことが検知され、そのことを示す状態信号が主制御回路110から演出用CPU111に入力されると、演出用CPU111は、階調制御ビットを'0'に設定し、各LEDの発光強度を詳細に決定する。また演出用CPU111は、弾球遊技機100が待機状態にある場合、各LED108の発光輝度を遊技中の1/2に低下させるよう、例えば、遊技中における階調制御回路の可変抵抗器の抵抗値よりも抵抗値を2倍に設定する電流設定信号を生成し、その電流設定信号を光源制御装置112へ出力する。
そして光源制御装置は、制御コマンド及び電流設定信号に従って、各LEDを所定の発光強度で明滅させる。
【0069】
このように、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。