(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態に係る基板洗浄装置およびそれを備えた基板処理装置について図面を用いて説明する。以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等をいう。本実施の形態では、基板洗浄装置の一例として、露光処理前の基板の裏面の洗浄処理を行う裏面洗浄処理ユニットを説明する。
【0032】
(1)基板処理装置の構成
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。本実施の形態に係る基板処理装置500は、例えばクリーンルーム内に設置される。なお、
図1ならびに後述する
図2〜
図4には、位置関係を明確にするために互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印を付している。X方向およびY方向は水平面内で互いに直交し、Z方向は鉛直方向に相当する。
【0033】
図1に示すように、基板処理装置500は、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12およびインターフェースブロック15を含む。また、インターフェースブロック15に隣接するように露光装置16が配置される。露光装置16においては、基板Wに露光処理が行われる。
【0034】
インデクサブロック9は、メインコントローラ(制御部)30、複数のキャリア載置台40およびインデクサロボットIRを含む。メインコントローラ30は、インデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12およびインターフェースブロック15の動作を制御する。インデクサロボットIRには、基板Wを受け渡すためのハンドIRHが設けられる。
【0035】
反射防止膜用処理ブロック10は、反射防止膜用熱処理部100,101、反射防止膜用塗布処理部50および第1のセンターロボットCR1を含む。反射防止膜用塗布処理部50は、第1のセンターロボットCR1を挟んで反射防止膜用熱処理部100,101に対向して設けられる。第1のセンターロボットCR1には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH1,CRH2が上下に設けられる。
【0036】
インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間には、雰囲気遮断用の隔壁17が設けられる。この隔壁17には、インデクサブロック9と反射防止膜用処理ブロック10との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS1,PASS2が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS1は、基板Wをインデクサブロック9から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS2は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からインデクサブロック9へ搬送する際に用いられる。
【0037】
また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示せず)が設けられている。それにより、基板載置部PASS1,PASS2において基板Wが載置されているか否かの判定を行うことが可能となる。また、基板載置部PASS1,PASS2には、固定設置された複数本の支持ピンが設けられている。なお、上記の光学式のセンサおよび支持ピンは、後述する基板載置部PASS3〜PASS9にも同様に設けられる。
【0038】
レジスト膜用処理ブロック11は、レジスト膜用熱処理部110,111、レジスト膜用塗布処理部60および第2のセンターロボットCR2を含む。レジスト膜用塗布処理部60は、第2のセンターロボットCR2を挟んでレジスト膜用熱処理部110,111に対向して設けられる。第2のセンターロボットCR2には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH3,CRH4が上下に設けられる。
【0039】
反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間には、雰囲気遮断用の隔壁18が設けられる。この隔壁18には、反射防止膜用処理ブロック10とレジスト膜用処理ブロック11との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS3,PASS4が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS3は、基板Wを反射防止膜用処理ブロック10からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS4は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から反射防止膜用処理ブロック10へ搬送する際に用いられる。
【0040】
現像処理ブロック12は、現像用熱処理部120、露光後ベーク用熱処理部121、現像処理部70および第3のセンターロボットCR3を含む。露光後ベーク用熱処理部121はインターフェースブロック15に隣接し、後述するように、基板載置部PASS7,PASS8を備える。現像処理部70は第3のセンターロボットCR3を挟んで現像用熱処理部120および露光後ベーク用熱処理部121に対向して設けられる。第3のセンターロボットCR3には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH5,CRH6が上下に設けられる。
【0041】
レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間には、雰囲気遮断用の隔壁19が設けられる。この隔壁19には、レジスト膜用処理ブロック11と現像処理ブロック12との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS5,PASS6が上下に近接して設けられる。上側の基板載置部PASS5は、基板Wをレジスト膜用処理ブロック11から現像処理ブロック12へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS6は、基板Wを現像処理ブロック12からレジスト膜用処理ブロック11へ搬送する際に用いられる。
【0042】
インターフェースブロック15は、送りバッファ部SBF、裏面洗浄処理ユニットBC、第4のセンターロボットCR4、エッジ露光部EEW、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットPASS−CP(以下、P−CPと略記する)、基板載置部PASS9およびインターフェース用搬送機構IFRを含む。
【0043】
裏面洗浄処理ユニットBCは、露光処理前の基板Wの裏面の洗浄処理(以下、裏面洗浄処理と呼ぶ)を行う。ここで、基板Wの上面とは上方に向けられた基板Wの面をいい、基板Wの下面とは下方に向けられた基板Wの面をいう。また、基板Wの表面とは、反射防止膜用処理ブロック10およびレジスト膜用処理ブロック11において反射防止膜およびレジスト膜が形成される面(主面)をいい、基板Wの裏面とは、その反対側の面をいう。本実施の形態に係る基板処理装置500の内部では、基板Wの表面が上方に向けられた状態で、基板Wに各種の処理が行われる。
【0044】
裏面洗浄処理ユニットBCは、基板の外周端部を保持する端部保持式のスピンチャック600(後述する
図5)を備える。スピンチャック600は、中央部に開口520hが形成されたスピンプレート520(後述する
図5)を含む。スピンチャック600により基板Wが保持されることにより、基板Wの上面(本例では基板Wの表面)がスピンプレート520に対向する。この状態で、スピンプレート520の開口520hから基板Wとスピンプレート520との間に、ULPA(Ultra Low Penetration Air )フィルタF(後述する
図5)を通過した空気が供給され、基板Wの下面(本例では基板Wの裏面)が洗浄される。裏面洗浄処理ユニットBCの詳細は後述する。
【0045】
第4のセンターロボットCR4には、基板Wを受け渡すためのハンドCRH7,CRH8(
図4)が上下に設けられ、インターフェース用搬送機構IFRには、基板Wを受け渡すためのハンドH1,H2(
図4)が上下に設けられる。インターフェースブロック15の詳細については後述する。
【0046】
本実施の形態に係る基板処理装置500においては、Y方向に沿ってインデクサブロック9、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11、現像処理ブロック12およびインターフェースブロック15が順に並設されている。
【0047】
図2は、
図1の基板処理装置500の一方の概略側面図であり、
図3は、
図1の基板処理装置500の他方の概略側面図である。なお、
図2においては、基板処理装置500の一側方に設けられるものを主に示し、
図3においては、基板処理装置500の他側方に設けられるものを主に示している。
【0048】
まず、
図2を用いて、基板処理装置500の構成について説明する。
図2に示すように、反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用塗布処理部50(
図1)には、3個の塗布ユニットBARCが上下に積層配置されている。各塗布ユニットBARCは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック51およびスピンチャック51上に保持された基板Wに反射防止膜の塗布液を供給する供給ノズル52を備える。
【0049】
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用塗布処理部60(
図1)には、3個の塗布ユニットRESが上下に積層配置されている。各塗布ユニットRESは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック61およびスピンチャック61上に保持された基板Wにレジスト膜の塗布液を供給する供給ノズル62を備える。
【0050】
現像処理ブロック12の現像処理部70(
図1)には、5個の現像処理ユニットDEVが上下に積層配置されている。各現像処理ユニットDEVは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック71およびスピンチャック71上に保持された基板Wに現像液を供給する供給ノズル72を備える。
【0051】
インターフェースブロック15内の一側方側には、エッジ露光部EEWが配置されている。エッジ露光部EEWは、基板Wを水平姿勢で吸着保持して回転するスピンチャック98およびスピンチャック98上に保持された基板Wの周縁を露光する光照射器99を備える。
【0052】
次に、
図3を用いて、基板処理装置500の構成について説明する。
図3に示すように、反射防止膜用処理ブロック10の反射防止膜用熱処理部100,101には、2個の加熱ユニット(ホットプレート)HPおよび2個の冷却ユニット(クーリングプレート)CPがそれぞれ積層配置される。また、反射防止膜用熱処理部100,101には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0053】
レジスト膜用処理ブロック11のレジスト膜用熱処理部110,111には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPがそれぞれ積層配置される。また、レジスト膜用熱処理部110,111には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0054】
現像処理ブロック12の現像用熱処理部120には、2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが積層配置され、露光後ベーク用熱処理部121には2個の加熱ユニットHP、2個の冷却ユニットCPおよび基板載置部PASS7,PASS8が上下に積層配置される。また、現像用熱処理部120および露光後ベーク用熱処理部121には、最上部に加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPの温度を制御するローカルコントローラLCが各々配置される。
【0055】
次に、
図4を用いてインターフェースブロック15について詳細に説明する。
図4は、
図1の露光装置16の位置から見たインターフェースブロック15の概略側面図である。
図4に示すように、インターフェースブロック15内において、一側方には、送りバッファ部SBFおよび3個の裏面洗浄処理ユニットBCが積層配置される。また、インターフェースブロック15内において、他側方の上部には、エッジ露光部EEWが配置される。
【0056】
エッジ露光部EEWの下方において、インターフェースブロック15内の略中央部には、戻りバッファ部RBF、2個の載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS9が上下に積層配置される。
【0057】
また、インターフェースブロック15内の下部には、第4のセンターロボットCR4およびインターフェース用搬送機構IFRが設けられている。第4のセンターロボットCR4は、送りバッファ部SBF、裏面洗浄処理ユニットBC、エッジ露光部EEW、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS9の間で鉛直方向に移動可能かつ回転可能に設けられている。インターフェース用搬送機構IFRは、戻りバッファ部RBF、載置兼冷却ユニットP−CPおよび基板載置部PASS9の間で鉛直方向に移動可能かつ回転可能に設けられている。
【0058】
(2)基板処理装置の動作
次に、本実施の形態に係る基板処理装置500の動作について
図1〜
図4を参照しながら説明する。
【0059】
(2−1)インデクサブロックから現像処理ブロックまでの動作
まず、インデクサブロック9から現像処理ブロック12までの動作について簡単に説明する。
【0060】
インデクサブロック9のキャリア載置台40の上には、複数枚の基板Wを多段に収納するキャリアCが搬入される。インデクサロボットIRは、ハンドIRHを用いてキャリアC内に収納された未処理の基板Wを取り出す。その後、インデクサロボットIRはX方向に移動しつつZ方向に平行な軸の周りで回転移動し、未処理の基板Wを基板載置部PASS1に載置する。
【0061】
基板載置部PASS1に載置された未処理の基板Wは、反射防止膜用処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により受け取られる。第1のセンターロボットCR1は、その基板Wを反射防止膜用熱処理部100,101に搬入する。
【0062】
その後、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用熱処理部100,101から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用塗布処理部50に搬入する。この反射防止膜用塗布処理部50では、露光時に発生する定在波やハレーションを減少させるために、塗布ユニットBARCにより基板W上に反射防止膜が塗布形成される。
【0063】
次に、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用塗布処理部50から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを反射防止膜用熱処理部100,101に搬入する。その後、第1のセンターロボットCR1は、反射防止膜用熱処理部100,101から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS3に載置する。
【0064】
基板載置部PASS3に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により受け取られる。第2のセンターロボットCR2は、その基板Wをレジスト膜用熱処理部110,111に搬入する。
【0065】
その後、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用塗布処理部60に搬入する。このレジスト膜用塗布処理部60では、塗布ユニットRESにより反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジスト膜が塗布形成される。
【0066】
次に、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用塗布処理部60から塗布処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wをレジスト膜用熱処理部110,111に搬入する。その後、第2のセンターロボットCR2は、レジスト膜用熱処理部110,111から熱処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS5に載置する。
【0067】
基板載置部PASS5に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wを基板載置部PASS7に載置する。
【0068】
基板載置部PASS7に載置された基板Wは、インターフェースブロック15の第4のセンターロボットCR4により受け取られ、後述するように、インターフェースブロック15および露光装置16において所定の処理が施される。インターフェースブロック15および露光装置16において基板Wに所定の処理が施された後、その基板Wは、第4のセンターロボットCR4により現像処理ブロック12の露光後ベーク用熱処理部121に搬入される。
【0069】
露光後ベーク用熱処理部121においては、基板Wに対して露光後ベーク(PEB)が行われる。その後、第4のセンターロボットCR4は、露光後ベーク用熱処理部121から基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS8に載置する。
【0070】
基板載置部PASS8に載置された基板Wは、現像処理ブロック12の第3のセンターロボットCR3により受け取られる。第3のセンターロボットCR3は、その基板Wを現像処理部70に搬入する。現像処理部70においては、露光された基板Wに対して現像処理が施される。
【0071】
次に、第3のセンターロボットCR3は、現像処理部70から現像処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを現像用熱処理部120に搬入する。その後、第3のセンターロボットCR3は、現像用熱処理部120から熱処理後の基板Wを取り出し、その基板Wを基板載置部PASS6に載置する。
【0072】
基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト膜用処理ブロック11の第2のセンターロボットCR2により基板載置部PASS4に載置される。基板載置部PASS4に載置された基板Wは反射防止膜用処理ブロック10の第1のセンターロボットCR1により基板載置部PASS2に載置される。
【0073】
基板載置部PASS2に載置された基板Wは、インデクサブロック9のインデクサロボットIRによりキャリアC内に収納される。これにより、基板処理装置500における基板Wの各処理が終了する。
【0074】
(2−2)インターフェースブロックの動作
次に、インターフェースブロック15の動作について詳細に説明する。
【0075】
上記のように、インデクサブロック9に搬入された基板Wは、所定の処理を施された後、現像処理ブロック12(
図1)の基板載置部PASS7に載置される。
【0076】
基板載置部PASS7に載置された基板Wは、インターフェースブロック15の第4のセンターロボットCR4により受け取られる。第4のセンターロボットCR4は、その基板Wをエッジ露光部EEW(
図4)に搬入する。このエッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部に露光処理が施される。
【0077】
次に、第4のセンターロボットCR4は、エッジ露光部EEWからエッジ露光済みの基板Wを取り出し、その基板Wを裏面洗浄処理ユニットBCのいずれかに搬入する。裏面洗浄処理ユニットBCにおいては、上記のように露光処理前の基板Wに裏面洗浄処理が施される。
【0078】
露光装置16による露光処理の時間は、通常、他の処理工程および搬送工程よりも長い。その結果、露光装置16が後の基板Wの受け入れをできない場合が多い。この場合、基板Wは送りバッファ部SBF(
図4)に一時的に収納保管される。本実施の形態では、第4のセンターロボットCR4は、裏面洗浄処理ユニットBCから裏面洗浄処理済みの基板Wを取り出し、その基板Wを送りバッファ部SBFに搬送する。
【0079】
次に、第4のセンターロボットCR4は、送りバッファ部SBFに収納保管されている基板Wを取り出し、その基板Wを載置兼冷却ユニットP−CPに搬入する。載置兼冷却ユニットP−CPに搬入された基板Wは、露光装置16内と同じ温度(例えば、23℃)に維持される。
【0080】
なお、露光装置16が十分な処理速度を有する場合には、送りバッファ部SBFに基板Wを収納保管せずに、裏面洗浄処理ユニットBCから載置兼冷却ユニットP−CPに基板Wを搬送してもよい。
【0081】
続いて、載置兼冷却ユニットP−CPで上記所定温度に維持された基板Wが、インターフェース用搬送機構IFRの上側のハンドH1(
図4)により受け取られ、露光装置16内の基板搬入部16a(
図1)に搬入される。
【0082】
露光装置16において露光処理が施された基板Wは、インターフェース用搬送機構IFRにより基板搬出部16b(
図1)から搬出される。インターフェース用搬送機構IFRは、その基板Wを基板載置部PASS9に載置する。
【0083】
基板載置部PASS9に載置された基板Wは、第4のセンターロボットCR4により受け取られる。第4のセンターロボットCR4は、その基板Wを現像処理ブロック12(
図1)の露光後ベーク用熱処理部121に搬送する。
【0084】
なお、現像処理ユニットDEV(
図2)の故障等により、現像処理ブロック12が一時的に基板Wの受け入れをできないときは、戻りバッファ部RBFに露光処理後の基板Wを一時的に収納保管することができる。
【0085】
(3)裏面洗浄処理ユニット
次に、裏面洗浄処理ユニットBCについて図面を用いて詳細に説明する。
図5は、裏面洗浄処理ユニットBCの構成を示す側面図である。裏面洗浄処理ユニットBCは、略直方体形状を有する筐体900を備え、その筐体900の内部に以下の構成要素が設けられる。
【0086】
図5に示すように、裏面洗浄処理ユニットBCは、基板Wを水平に保持して回転させるスピンチャック600を備える。スピンチャック600は、スピンモータ200、回転軸210、円板状のスピンプレート520、プレート支持部材510、マグネットプレート614a,614bおよび複数の基板保持機構700を含む。
【0087】
裏面洗浄処理ユニットBCの上側にスピンモータ200が設けられる。スピンモータ200は、モータ支持部材200sにより支持される。モータ支持部材200sは、モータ固定部290に取り付けられる。モータ固定部290は、裏面洗浄処理ユニットBCの筐体900に固定されている。
【0088】
モータ支持部材200sには、鉛直方向に延びる貫通孔200hが形成されている。モータ支持部材200sの上部には、円環形状を有する台座220が取り付けられる。さらに、台座220の上部には、内部空間を有する箱型の接続部材240が取り付けられる。
【0089】
裏面洗浄処理ユニットBCの筐体900の天井900tおよびその近傍部分には、ファン810、ダクト820、フィルタ収容部材840および流路形成部材850が取り付けられる。後述するように、フィルタ収容部材840には、ULPAフィルタFが収容される。流路形成部材850にパッキン250を挟んで接続部材240が接続される。ファン810、ダクト820、フィルタ収容部材840および流路形成部材850の詳細は後述する。
【0090】
スピンモータ200の内部から下方に延びるように中空の回転軸210が設けられている。回転軸210はスピンモータ200の出力軸として機能する。回転軸210の内部空間は、モータ支持部材200sに形成された貫通孔200h、台座220、および接続部材240の内部空間に連通する。
【0091】
図6は、主として
図5の回転軸210の下端部およびプレート支持部材510の構造を示す拡大縦断面図である。
図6に示すように、回転軸210の下端部には、略円筒形状を有するプレート支持部材510が取り付けられる。プレート支持部材510の内周面510hは、中心軸に沿って階段状に形成される。
【0092】
プレート支持部材510の内周面510hと回転軸210の外周面との間の隙間に円筒形状のパッド固定片512が嵌め込まれ、パッド固定片512がプレート支持部材510のねじ受け部511にネジ止めされる。これにより、プレート支持部材510が回転軸210の下端部に固定されている。
【0093】
プレート支持部材510の下端部近傍には、フランジ510Fが形成されている。フランジ510Fとスピンプレート520とがネジ止めされることにより、スピンプレート520が水平姿勢でプレート支持部材510に固定される。スピンモータ200の回転軸210が回転すると、プレート支持部材510およびスピンプレート520が鉛直軸の周りで一体的に回転する。スピンプレート520の中央部には、円形の開口520hが形成されている。
【0094】
ファン810が動作することにより、基板処理装置500の外部の空気がダクト820を通してフィルタ収容部材840に収容されたULPAフィルタFに供給される。その後、ULPAフィルタFを通過した空気が、流路形成部材850、接続部材240、台座220、モータ支持部材200s、およびスピンモータ200の回転軸210を通してスピンプレート520に形成された開口520hに導かれ、スピンプレート520の下方の空間に供給される。
【0095】
このように、本例では、ファン810、ダクト820、流路形成部材850、接続部材240、台座220、モータ支持部材200sおよびスピンモータ200の回転軸210が、スピンプレート520に形成された開口520hを通してスピンプレート520の下方の空間に清浄な空気を供給する空気供給機構として機能する。
【0096】
裏面洗浄処理ユニットBCの筐体900の底面900bには、裏面洗浄処理ユニットBCの筐体900内の雰囲気を工場の排気用力設備へ排出するための排気装置990が設けられている。
【0097】
図7は、裏面洗浄処理ユニットBCの一部の構成を示す概略平面図である。
図7に示すように、スピンプレート520の周縁部には、複数(本例では5つ)の基板保持機構700が回転軸210に関して等角度間隔で設けられている。基板保持機構700の個数は、5つ以上であることが望ましい。その理由については後述する。
【0098】
図5および
図7に示すように、各基板保持機構700は、主として保持ピン710、支持部720、軸部730およびマグネット790から構成される。スピンプレート520に支持部720が設けられている。支持部720の内部で軸部730が回転可能に支持されている。軸部730の下端部に、略円柱形状を有する保持ピン710が取り付けられている。軸部730の上端部にマグネット790が取り付けられている。
【0099】
各基板保持機構700は、保持ピン710が基板Wの外周端部に当接する閉状態と、保持ピン710が基板Wの外周端部から離間する開状態とに切替可能である。本例では、マグネット790のN極が内側にある場合に各基板保持機構700が閉状態となり、マグネット790のS極が内側にある場合に各基板保持機構700が開状態となる。なお、
図7では、基板保持機構700における保持ピン710と軸部730との位置関係を明確にするため、支持部720およびマグネット790の図示を省略している。
【0100】
スピンプレート520の上方には、回転軸210を中心とする周方向に沿ってマグネットプレート614a,614bが配置される。マグネットプレート614a,614bは、外側にS極を有し、内側にN極を有する。マグネットプレート614a,614bは、マグネット昇降機構617a,617bによってそれぞれ独立に昇降し、基板保持機構700のマグネット790よりも高い上方位置と基板保持機構700のマグネット790とほぼ等しい高さの下方位置との間で移動する。
【0101】
マグネットプレート614a,614bの昇降により、各基板保持機構700が開状態と閉状態とに切り替えられる。マグネットプレート614a,614bおよび基板保持機構700の動作の詳細については後述する。
【0102】
スピンチャック600の外方には、基板Wの裏面洗浄処理時に基板Wから飛散する洗浄液を受け止めるためのガード618が設けられている。ガード618は、スピンチャック600の回転軸210に関して回転対称な形状を有する。また、ガード618は、ガード昇降機構618aにより昇降する。ガード618により受け止められた洗浄液は、図示しない排液装置または回収装置により排液または回収される。
【0103】
ガード618の外方には、3つ以上(本例では3つ)の基板受け渡し機構620がスピンチャック600の回転軸210を中心として等角度間隔で配置されている。各基板受け渡し機構620は、昇降回転駆動部621、回転軸622、アーム623および保持ピン624を含む。昇降回転駆動部621から上方に延びるように回転軸622が設けられ、回転軸622の上端部から水平方向に延びるようにアーム623が連結されている。アーム623の先端部に、基板Wの外周端部を保持するための保持ピン624が設けられている。
【0104】
昇降回転駆動部621により、回転軸622が昇降動作および回転動作を行う。それにより、保持ピン624が水平方向および鉛直方向に移動する。
【0105】
また、
図5に示すように、裏面洗浄処理ユニットBCの下部には、略円柱形状の洗浄ブラシ630が配置されている。洗浄ブラシ630は支持軸635の上端部に取り付けられている。支持軸635の下端部がブラシ保持部材631上に取り付けられている。ブラシ保持部材631は、ブラシ移動機構632によって駆動される。それにより、洗浄ブラシ630が水平方向および鉛直方向に移動する。
【0106】
洗浄ブラシ630の近傍におけるブラシ保持部材631の部分には洗浄ノズル633が取り付けられている。洗浄ノズル633には洗浄液が供給される液供給管(図示せず)が接続されている。洗浄ノズル633の吐出口は洗浄ブラシ630周辺に向けられており、吐出口から洗浄ブラシ630周辺に向けて洗浄液が吐出される。なお、本例では洗浄液として純水が用いられる。
【0107】
(4)スピンプレートの開口に空気を導くための構成の詳細
図5のスピンプレート520の開口520hに空気を供給するための構成要素の詳細について説明する。
図8は、主として
図5の回転軸210、台座220、接続部材240、ダクト820、フィルタ収容部材840および流路形成部材850の構造を示す縦断面図である。
図9(a)は
図8のフィルタ収容部材840および流路形成部材850の側面図であり、
図9(b)は
図8のフィルタ収容部材840および流路形成部材850をスピンチャック600の位置から見た場合の平面図である。
【0108】
図8に示すように、ダクト820は、裏面洗浄処理ユニットBCの筐体900の天井900tに取り付けられる。ダクト820には、筐体900内部に設けられるファン810により基板処理装置500の外部の空気(例えば、クリーンルーム内の空気)が供給される。なお、ファン810は、筐体900の外部に設けられてもよい。
【0109】
ダクト820の下部には、矩形の開口821が形成されている。本例では、開口821の一辺の長さが、スピンプレート520の直径にほぼ等しい。なお、開口821の一辺の長さは、スピンプレート520の直径よりも大きくてもよい。
【0110】
ダクト820の開口821を下方から覆うように、ダクト820の下部にフィルタ収容部材840が取り付けられる。
図9(a),(b)に示すように、フィルタ収容部材840は、4つの側壁840a,840b,840c,840dを有する。側壁840aと側壁840cとが対向し、側壁840bと側壁840dとが対向する。
【0111】
4つの側壁840a〜840dの下端部からフィルタ収容部材840の内側に向かって一定距離延びるように矩形の枠部841が形成されている。枠部841の内側に矩形の開口843が形成されている。枠部841には、開口843を取り囲むように、複数の貫通孔842が等間隔で形成されている。本例では、各貫通孔842が円形状を有するが、各貫通孔842は楕円形状を有してもよいし、三角形状を有してもよいし、四角形状を有してもよい。
【0112】
フィルタ収容部材840の内部に矩形のULPAフィルタFが収容される。ULPAフィルタFは、側壁840a〜840dにより形成される内周面に沿う外形を有するとともに、側壁840a〜840dの高さとほぼ同じ厚みを有する。
【0113】
フィルタ収容部材840の開口843を下方から覆うように、フィルタ収容部材840の枠部841に、上端部が開放された流路形成部材850が取り付けられている。流路形成部材850は、流路制限部851および流路部852を備える。流路部852には、空気流出口853が形成されている。
【0114】
モータ支持部材200sの上部に台座220が取り付けられている。台座220の上部に接続部材240が取り付けられている。接続部材240には、空気流入口241および空気流出口242が形成されている。接続部材240の内部空間は空気流出口242を通して台座220の内部空間に連通している。
【0115】
接続部材240は、さらに流路形成部材850に対してパッキン250を介して接続可能および取り外し可能に構成される。
【0116】
接続部材240の空気流入口241と流路形成部材850の空気流出口853とが対向する状態で、接続部材240がパッキン250を挟んで流路形成部材850に接続される。
【0117】
これにより、流路形成部材850、接続部材240、台座220、モータ支持部材200sおよびスピンモータ200の回転軸210からなる空気経路が形成される。
【0118】
図8に太い実線で示すように、ダクト820に空気が供給される。この場合、ダクト820内に供給された空気は、開口821からフィルタ収容部材840に収容されたULPAフィルタFの内部に流入する。
【0119】
ULPAフィルタFを通過した清浄な空気の一部が、フィルタ収容部材840の開口843から流路形成部材850内に流入する。この場合、流路制限部851は、流入する空気が下方に流れることを阻止しつつ、その空気を流路部852へ導く。一方、流路部852は、流入する空気および流路制限部851から導かれた空気を空気流出口853へ導く。
【0120】
これにより、流路形成部材850内に流入した清浄な空気は、空気流出口853から接続部材240、台座220、モータ支持部材200s、回転軸210およびプレート支持部材510の内部空間、ならびにスピンプレート520に形成された開口520hを通してスピンプレート520の下方の空間に供給される。
【0121】
ULPAフィルタFを通過した清浄な空気の残りは、フィルタ収容部材840の複数の貫通孔842から裏面洗浄処理ユニットBCの筐体900の底面900bに向かって供給される。
【0122】
ファン810は、基板処理装置500の電源がオン状態である場合に動作し、基板処理装置500の電源がオフ状態である場合に停止する。したがって、裏面洗浄処理ユニットBCにおいては、基板処理装置500の電源がオン状態である場合に、スピンプレート520に形成された開口520hから下方に向かって常に清浄な空気が供給される。また、フィルタ収容部材840に形成された複数の貫通孔842から下方に向かって常に清浄な空気が供給される。
【0123】
スピンチャック600により基板Wが保持された状態では、基板Wとスピンプレート520との間に清浄な空気の流れが形成される。流路形成部材850における空気流出口853の開口面積は、その空気流出口853の上流側に位置するフィルタ収容部材840における開口843の開口面積よりも小さい。また、接続部材240における空気流出口242の開口面積は、その空気流出口242の上流側の空気流出口853の開口面積よりも小さく、モータ支持部材200sの貫通孔200hにおける開口面積とほぼ等しい。さらに、回転軸210の開口面積は、モータ支持部材200sの貫通孔200hにおける開口面積よりも小さい。
【0124】
このように、本例では、流路形成部材850、接続部材240、台座220、モータ支持部材200sおよびスピンモータ200の回転軸210から形成される空気経路が、ULPAフィルタFからスピンプレート520の開口520hへ漸次減少する断面積を有する。
【0125】
この場合、ULPAフィルタFを通過する空気の流速に比べてスピンプレート520の開口520hを通過する空気の流速を大きくすることができる。それにより、スピンチャック600により基板Wが保持された状態で、基板Wとスピンプレート520との間に十分な量の空気が供給される。その結果、基板Wの上面上で基板Wの中心から基板Wの外周端部に向かう清浄な空気の流れが確実に形成される。
【0126】
上記のように、フィルタ収容部材840には、矩形の枠部841が形成されている。ULPAフィルタF内を流動し、枠部841に向かって流れる空気は、複数の貫通孔842から筐体900の内部に流出する。この場合、枠部841においては、ULPAフィルタFを通過する空気の流れの断面積が小さくなる。それにより、フィルタ収容部材840に枠部841が形成されない場合に比べて、高い流速で筐体900の内部に清浄な空気が供給される。その結果、筐体900内に、上部から下部に向かう空気の流れが確実に形成される。
【0127】
(5)基板の保持動作
スピンチャック600による基板Wの保持動作について説明する。
図10および
図11は、スピンチャック600による基板Wの保持動作を説明するための図である。
【0128】
まず、
図10(a)に示すように、ガード618が基板保持機構700よりも低い位置に移動する。そして、複数の基板受け渡し機構620(
図5)の保持ピン624がガード618の上方を通ってスピンプレート520の下方に移動する。複数の保持ピン624上に第4のセンターロボットCR4(
図1)により基板Wが載置される。
【0129】
このとき、マグネットプレート614a,614bは上方位置にある。この場合、マグネットプレート614a,614bの磁力線Bは、基板保持機構700のマグネット790の高さにおいて内側から外側に向かう。それにより、各基板保持機構700のマグネット790のS極が内側に吸引される。したがって、各基板保持機構700は開状態となる。
【0130】
続いて、
図10(b)に示すように、複数の保持ピン624が基板Wを保持した状態で上昇する。これにより、基板Wが複数の基板保持機構700の保持ピン710の間に移動する。
【0131】
続いて、
図11(a)に示すように、マグネットプレート614a,614bが下方位置に移動する。この場合、各基板保持機構700のマグネット790のN極が内側に吸引される。それにより、各基板保持機構700が閉状態となり、各基板保持機構700の保持ピン710によって基板Wの外周端部が保持される。なお、各基板保持機構700は、隣接する保持ピン624間で基板Wの外周端部を保持する。そのため、基板保持機構700と保持ピン624とは互いに干渉しない。その後、複数の保持ピン624がガード618の外方に移動する。
【0132】
続いて、
図11(b)に示すように、ガード618が基板保持機構700により保持される基板Wを取り囲む高さに移動する。そして、基板Wの裏面洗浄処理が行われる。
【0133】
(6)裏面洗浄処理
図12および
図13は、基板Wの裏面洗浄処理について説明するための側面図である。
【0134】
上記のように、裏面洗浄処理ユニットBCにおいては、基板処理装置500の電源がオン状態である場合に、スピンプレート520に形成された開口520hから下方に向かって常に清浄な空気が供給される。
【0135】
それにより、
図12に示すように、基板Wの裏面洗浄処理時には、スピンチャック600により基板Wが回転するとともに、スピンプレート520に形成された開口520hを通してスピンプレート520と基板Wとの間にULPAフィルタFを通過した清浄な空気が供給される。これにより、スピンプレート520と基板Wとの間で、基板Wの中心から基板Wの外周端部に向かう清浄な空気の流れが形成される。
【0136】
その状態で、洗浄ブラシ630が基板Wの裏面に接触する。そして、洗浄ブラシ630が基板Wの中心部下方と周縁部下方との間で移動し、基板Wの裏面の全域に接触する。基板Wと洗浄ブラシ630との接触部分には、洗浄ノズル633から純水が供給される。これにより、基板Wの裏面の全体が洗浄ブラシ630により洗浄され、基板Wの裏面に付着する汚染物が取り除かれる。
【0137】
続いて、
図13(a)に示すように、マグネットプレート614aが下方位置に配置され、マグネットプレート614bが上方位置に配置される。この場合、
図13(a),(b)に示すように、マグネットプレート614aの外方領域R1(
図13(b))においては各基板保持機構700が閉状態となり、マグネットプレート614bの外方領域R2(
図13(b))においては各基板保持機構700が開状態となる。すなわち、各基板保持機構700の保持ピン710は、マグネットプレート614aの外方領域R1を通過する際に基板Wの外周端部に接触した状態で維持され、マグネットプレート614bの外方領域R2を通過する際に基板Wの外周端部から離間する。
【0138】
したがって、マグネットプレート614bの外方領域R2において、基板Wの外周端部の下面側の部分を洗浄ブラシ630により洗浄することができる。
【0139】
なお、本例では、5つの基板保持機構700のうちの少なくとも4つの基板保持機構700がマグネットプレート614aの外方領域R1に位置する。この場合、各基板保持機構700の保持ピン710がマグネットプレート614bの外方領域R2を通過する際に基板Wの外周端部から離間しても、少なくとも4つの基板保持機構700により基板Wが保持される。それにより、基板Wの保持状態の安定性が確保される。
【0140】
裏面洗浄処理の終了後、マグネットプレート614a,
614bが下方位置に配置され、全ての基板保持機構700により基板Wが保持される。その状態で、スピンチャック600により基板Wが高速で回転する。それにより、基板Wに付着する純水が振り切られ、基板Wが乾燥する。
【0141】
(7)実施の形態の効果
(7−1)本実施の形態に係る裏面洗浄処理ユニットBCにおいては、ファン810が動作することにより、基板処理装置500の外部の空気がダクト820を通してULPAフィルタFに供給される。ULPAフィルタFを通過した清浄な空気が、流路形成部材850、接続部材240、台座220、モータ支持部材200sおよびスピンモータ200の回転軸210を通してスピンプレート520の開口520hに導かれる。
【0142】
スピンチャック600により基板Wが保持されることにより、基板Wの上面がスピンプレート520に対向する。それにより、スピンプレート520の開口520hに導かれた清浄な空気が、スピンチャック600により保持される基板Wの中心に向かって供給される。この状態で、スピンモータ200が動作することによりスピンプレート520が回転し、回転する基板Wの下面が洗浄ブラシ630により洗浄される。
【0143】
この場合、基板Wの上面上では基板Wの中心から基板Wの外周端部に向かう清浄な空気の流れが形成される。それにより、スピンチャック600により保持される基板Wとスピンプレート520との間に洗浄液のミスト(微小液滴)またはパーティクル等を含む雰囲気が流入することが防止される。その結果、基板Wの上面を清浄に保ちつつ基板Wの下面を洗浄することが可能となる。
【0144】
(7−2)また、上記の裏面洗浄処理ユニットBCにおいては、ULPAフィルタFを通過した清浄な空気が、スピンモータ200の回転軸210の内部空間を通してスピンプレート520の開口520hに導かれる。このように、スピンモータ200の回転軸210が空気経路の一部を構成することにより、複雑な構成を用いることなくスピンプレート520の開口520hに清浄な空気を導くことができる。
【0145】
(7−3)本実施の形態においては、ULPAフィルタFを通過した清浄な空気の一部が流路形成部材850内に流入する。それにより、上記のように、基板Wの上面上に清浄な空気が供給される。一方、ULPAフィルタFを通過した清浄な空気の残りは、フィルタ収容部材840の複数の貫通孔842から裏面洗浄処理ユニットBCの筐体900の底面900bに向かって供給される。それにより、筐体900の内部に上部から下部に向かう清浄な空気の流れを形成することができる。
【0146】
したがって、基板Wの上面を清浄に保ちつつ筐体900内で処理液のミストまたはパーティクル等が飛散することを抑制することが可能となる。
【0147】
(7−4)また、上記の裏面洗浄処理ユニットBCにおいては、N
2ガス等の不活性ガスを用いることなく、ULPAフィルタFを通過した空気を用いることにより、基板Wの上面が清浄に保たれる。したがって、基板Wの製造コストの増加が抑制される。
【0148】
(7−5)上記のように、接続部材240は、流路形成部材850に対してパッキン250を介して接続可能および取り外し可能に構成されている。これにより、接続部材240を流路形成部材850から取り外すことにより、スピンチャック600、スピンモータ200、モータ支持部材200s、台座220および接続部材240を筐体900の内部から容易に取り出すことができる。したがって、裏面洗浄処理ユニットBCのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0149】
(8)変形例
(8−1)裏面洗浄処理ユニットBCには、モータ支持部材200sの貫通孔200h、スピンモータ200の回転軸210の内部およびプレート支持部材510の内部を通るように、流体供給管が設けられてもよい。また、スピンプレート520の下面に円板状の遮断板が取り付けられてもよい。
【0150】
図14は、裏面洗浄処理ユニットBCの他の構成例を示す側面図である。以下、
図14の裏面洗浄処理ユニットBCについて、
図5の裏面洗浄処理ユニットBCと異なる点を説明する。なお、
図14では、裏面洗浄処理ユニットBCの一部の構成要素のみを図示し、
図5の基板Wの裏面を洗浄するための機構、ガード昇降機構618aおよび基板受け渡し機構620等の図示は省略する。
【0151】
この裏面洗浄処理ユニットBCにおいては、モータ支持部材200s、スピンモータ200の回転軸210およびプレート支持部材510の内部を通るように、流体供給管420が設けられている。
【0152】
本例では、接続部材240の一側面に流体供給管420を挿通するための孔部240hが形成されている。
図14に示すように、流体供給管420は、接続部材240の内部で湾曲し、接続部材240に形成された孔部240hを通して水平方向に延びている。以下の説明において、鉛直方向に延びる直管部の端部を先端部と呼び、水平方向に延びる直管部の端部を後端部と呼ぶ。
【0153】
流体供給管420において、後端部にはフランジFRが一体形成されている。フランジFRが管固定部280に固定される。管固定部280は、裏面洗浄処理ユニットBCの筐体900に固定されている。これにより、流体供給管420が、裏面洗浄処理ユニットBC内で固定される。本例では、流体供給管420は基板Wに洗浄液(本例では純水)を供給するために用いられる。
【0154】
上記に加えて、
図14の裏面洗浄処理ユニットBCにおいては、スピンプレート520の下面に遮断板525が固定部材525a,525bにより水平に固定されている。これにより、スピンチャック600により基板Wが保持される場合には、基板Wの上面が遮断板525に対向する。遮断板525の中心部には、貫通孔525hが形成されている。スピンモータ200によって回転軸210が回転することにより、プレート支持部材510、スピンプレート520および遮断板525が鉛直軸の周りで一体的に回転する。
【0155】
図14に示すように、流体供給管420の先端部は遮断板525の貫通孔525hから僅かに下方に突出するように設けられる。これにより、基板Wの上面における中央部に確実に純水を供給することができる。
【0156】
モータ支持部材200sの貫通孔200hの内周面と流体供給管420の外周面との間には隙間Gが形成されている。同様に、回転軸210の内周面と流体供給管420の外周面との間にも隙間Gが形成されている。
【0157】
これにより、基板処理装置500の電源がオン状態である場合には、これらの隙間Gを通して空気供給機構800から基板Wの上面に向かって清浄な空気が供給される。
【0158】
本例の裏面洗浄処理ユニットBCによれば、基板Wに洗浄液のミストおよびパーティクルが付着することを防止しつつ、基板Wの裏面と裏面とを同時に洗浄することが可能になる。
【0159】
本例では、流体供給管420を通して基板Wに純水が供給されるが、これに限らず、流体供給管420を通して基板WにN
2ガス等の不活性ガスが供給されてもよい。
【0160】
また、基板Wに洗浄液を供給する流体供給管420に加えて、基板Wに不活性ガスを供給する新たな流体供給管が設けられてもよい。
【0161】
(8−2)
図15は、裏面洗浄処理ユニットBCのさらに他の構成例を示す側面図である。
図15の裏面洗浄処理ユニットBCにおいては、モータ支持部材200sの貫通孔200h、スピンモータ200の回転軸210の内部およびプレート支持部材510の内部を通るように、清浄な空気をスピンプレート520の下方の空間に導くためのガイド管430が設けられる。
【0162】
ガイド管430は、上端部にフランジ430fを有する。ガイド管430のフランジ430fがモータ支持部材200sの上面に固定される。
【0163】
図15に示すように、ガイド管430の外径は回転軸210の内径よりも小さい。それにより、ガイド管430の外周面と回転軸210の内周面との間には隙間が形成されている。
【0164】
本例の裏面洗浄処理ユニットBCにおいては、モータ支持部材200sの上側の台座220から下方に向かう清浄な空気が、ガイド管430の内部を通してスピンプレート520の下方の空間に流れる。それにより、清浄な空気が回転する部材(本例では、回転軸210)に接触しないので、基板W上に供給される空気の清浄度の低下が防止される。
【0165】
(8−3)裏面洗浄処理ユニットBCにおいては、基板Wの裏面および外周端部が必ずしも洗浄ブラシ630で洗浄されなくてもよい。裏面洗浄処理ユニットBCにおいては、洗浄ブラシ630を基板Wの裏面に接触させず、洗浄ノズル633から基板Wの裏面の全域に洗浄液を供給することにより裏面洗浄処理が行われてもよい。
【0166】
また、基板Wの裏面および外周端部の洗浄は、液体および気体の混合流体を吐出する二流体ノズルを用いて行ってもよい。さらに、基板Wの裏面および外周端部の洗浄は、高周波振動子を内蔵する超音波ノズルを用いて行ってもよい。超音波ノズルを用いる場合、超音波振動状態となった洗浄液が基板Wの裏面および外周端部に供給される。
【0167】
(8−4)裏面洗浄処理ユニットBC、塗布ユニットBARC,RES、現像処理ユニットDEV、加熱ユニットHP、冷却ユニットCPおよび載置兼冷却ユニットP−CPの個数は、各処理ブロックの処理速度に合わせて適宜変更してもよい。
【0168】
(8−5)上記の例では、裏面洗浄処理ユニットBCがインターフェースブロック15内に配置されるが、裏面洗浄処理ユニットBCが
図1に示す現像処理ブロック12内に配置されてもよい。あるいは、裏面洗浄処理ユニットBCを含む裏面洗浄処理ブロックを
図1に示す現像処理ブロック12とインターフェースブロック15との間に設けてもよい。
【0169】
(8−6)上記の露光装置16においては、液浸法を用いて基板Wに露光処理が行われてもよいし、液浸法以外の方法で基板Wに露光処理が行われてもよい。これらの場合、基板Wの表面の汚染、および基板Wの裏面の汚染に起因する処理不良の発生が防止される。
【0170】
(8−7)上記の例では、裏面洗浄処理ユニットBCは、レジスト膜が形成された後かつ露光装置16による露光処理前の基板Wの下面を洗浄する。これに限らず、裏面洗浄処理ユニットBCは、レジスト膜が形成された後、露光装置16による露光処理後の基板Wの下面を洗浄してもよい。
【0171】
(8−8)裏面洗浄処理ユニットBCは、薬液を用いて基板を洗浄する薬液洗浄装置としても用いることができる。薬液とは、例えばBHF(バッファードフッ酸)、DHF(希フッ酸)、フッ酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、過酸化水素水もしくはアンモニア等の水溶液、またはそれらの混合溶液をいう。また、リンス液とは、例えば純水、炭酸水、オゾン水、磁気水、還元水(水素水)もしくはイオン水、またはIPA(イソプロピルアルコール)等の有機溶剤をいう。
【0172】
(8−9)裏面洗浄処理ユニットBCにおいては、洗浄ブラシ630を支持する支持軸635に代えて、洗浄ブラシ630を鉛直軸の周りで回転させるためのモータが取り付けられてもよい。この場合、基板Wの裏面洗浄処理時に、洗浄ブラシ630が回転する状態で、その洗浄ブラシ630を基板Wの下面に接触させることにより、基板Wの下面を洗浄することができる。
【0173】
(8−10)上記の例では、裏面洗浄処理ユニットBCを基板処理装置500に設ける場合について説明したが、これに限らず、裏面洗浄処理ユニットBCを他の基板処理装置に設けてもよく、または裏面洗浄処理ユニットBCを単独で用いてもよい。
【0174】
(9)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0175】
上記実施の形態では、基板Wが基板の例であり、裏面洗浄処理ユニットBCが基板洗浄装置の例であり、スピンプレート520が回転部材の例であり、スピンプレート520の開口520hが開口の例であり、スピンモータ200が回転駆動装置の例であり、複数の基板保持機構700の保持ピン710が保持部材の例である。
【0176】
また、ファン810、ダクト820、流路形成部材850、接続部材240、台座220、モータ支持部材200sおよびスピンモータ200の回転軸210を含む構成、またはファン810、ダクト820、流路形成部材850、接続部材240、台座220およびガイド管430を含む構成が空気供給機構の例である。
【0177】
また、洗浄ブラシ630、ブラシ保持部材631、ブラシ移動機構632、洗浄ノズル633および支持軸635を含む構成が洗浄機構の例であり、ULPAフィルタFがフィルタの例であり、ファン810およびダクト820が空気供給部の例である。
【0178】
また、流路形成部材850、接続部材240、台座220、モータ支持部材200sおよびスピンモータ200の回転軸210を含む部材により構成される空気経路、または流路形成部材850、接続部材240、台座220およびガイド管430を含む部材により構成される空気経路が空気経路の例である。また、流路形成部材850、接続部材240、台座220、モータ支持部材200sおよびスピンモータ200の回転軸210が複数の部材の例であり、流路形成部材850、接続部材240、台座220およびガイド管430が複数の部材の例である。また、フィルタ収容部材840がフィルタ収容部材の例であり、流路形成部材850が第1の部材の例であり、接続部材240が第2の部材の例である。
また、フィルタ収容部材840の開口843がフィルタ収容部材の収容部開口の例であり、フィルタ収容部材840の複数の貫通孔842がフィルタ収容部材の複数の貫通孔の例である。
【0179】
また、筐体900が筐体の例であり、ダクト820がダクトの例であり、回転軸210が回転軸の例であり、洗浄ブラシ630が洗浄具の例であり、洗浄ノズル633が洗浄液供給部の例である。
【0180】
また、露光装置16が露光装置の例であり、基板処理装置500が基板処理装置の例であり、反射防止膜用処理ブロック10、レジスト膜用処理ブロック11および現像処理ブロック12が処理部の例であり、インターフェースブロック15が受け渡し部の例であり、レジスト膜が感光性膜の例であり、レジスト膜用処理ブロック11の塗布ユニットRESが
感光性膜形成ユニットの例である。
【0181】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
(10)参考形態
(10−1)第1の参考形態に係る基板洗浄装置は、基板の下面を洗浄する基板洗浄装置であって、鉛直方向に沿う回転軸線の周りで回転可能に設けられかつ中央部に開口を有する回転部材と、回転部材の上側に設けられ、回転部材を回転させる回転駆動装置と、回転部材の下側に設けられ、基板の上面が回転部材に対向する状態で基板を保持する保持部材と、保持部材により保持される基板と回転部材との間に、回転部材の開口を通して空気を供給する空気供給機構と、保持部材により保持される基板の下面を洗浄する洗浄機構とを備え、空気供給機構は、フィルタと、フィルタに空気を供給する空気供給部と、フィルタを通過した空気を回転部材の開口に導くように構成される空気経路とを含むものである。
その基板洗浄装置においては、空気供給部によりフィルタに空気が供給される。フィルタを通過した清浄な空気が、空気経路により回転部材の中央部に形成された開口に導かれる。
保持部材により基板が保持されることにより、基板の上面が回転部材に対向する。それにより、回転部材の開口に導かれた清浄な空気が、保持部材により保持される基板の中心に向かって供給される。この状態で、回転駆動装置により鉛直方向に沿う回転軸線の周りで回転部材が回転し、回転する基板の下面が洗浄機構により洗浄される。
この場合、基板の上面上では基板の中心から基板の外周端部に向かう清浄な空気の流れが形成される。それにより、保持部材により保持される基板と回転部材との間に処理液の液滴またはパーティクル等を含む雰囲気が流入することが防止される。その結果、基板の上面を清浄に保ちつつ基板の下面を洗浄することが可能となる。
(10−2)基板洗浄装置は、空気供給機構の少なくとも一部、回転部材、回転駆動装置、保持部材および洗浄機構を収容する筐体をさらに備え、フィルタは、空気供給部により供給される空気を上方から下方に通過させるように筐体内の上部に配置され、空気経路は、フィルタを通過した一部の空気を回転部材の開口に導くように構成され、フィルタを通過した残りの空気は、筐体内に供給されてもよい。
この場合、筐体内の上部に配置されたフィルタを通過した一部の空気が、保持部材により保持される基板と回転部材との間に供給される。また、フィルタを通過した残りの空気が、筐体内の上部から筐体内に供給される。
それにより、基板の上面上で基板の中心から基板の外周端部に向かう清浄な空気の流れが形成されるとともに、筐体内に上部から下部に向かう清浄な空気の流れが形成される。したがって、基板の上面を清浄に保ちつつ筐体内で処理液の液滴またはパーティクル等が飛散することを抑制することが可能となる。
(10−3)空気供給部は、フィルタの上側に設けられ、筐体の外部から供給される空気をフィルタに導くダクトを含んでもよい。
この場合、筐体の外部から供給される空気を、ダクトを通してフィルタの上方から下方に容易に通過させることができる。それにより、フィルタを通過した残りの空気を用いて、筐体内で上部から下部に向かう清浄な空気の流れを容易に形成することができる。
(10−4)空気経路は、フィルタから回転部材の開口へ漸次減少する断面積を有するように構成されてもよい。
この場合、空気経路の断面積がフィルタから回転部材の開口へ漸次減少するので、フィルタを通過する空気の流速に比べて回転部材の開口を通過する空気の流速を大きくすることができる。それにより、基板と回転部材との間に十分な量の空気が供給されるので、基板の上面上で基板の中心から基板の外周端部に向かう清浄な空気の流れが確実に形成される。
(10−5)回転駆動装置は、空気経路の一部を構成しかつ鉛直方向に延びる中空の回転軸を有し、回転部材は、回転軸の内部空間が開口を通して回転部材の下方の空間に連通するように、回転軸の下端部に取り付けられてもよい。
この場合、保持部材により基板が保持された状態で、フィルタを通過した清浄な空気が、回転軸の内部空間を通して基板と回転部材との間に供給される。このように、回転駆動装置の回転軸が空気経路の一部を構成することにより、複雑な構成を用いることなく回転部材の開口に清浄な空気を導くことができる。
(10−6)洗浄機構は、保持部材により保持される基板の下面を洗浄するための洗浄具と、保持部材により保持される基板の下面に洗浄液を供給する洗浄液供給部とを備えてもよい。
この場合、保持部材により保持される基板の下面に洗浄液が供給されるとともに、その基板の下面が洗浄具により確実に洗浄される。
基板の下面の洗浄時には、基板に供給された洗浄液の液滴が基板周辺の空間で飛散する。このような場合でも、基板の上面上で基板の中心から基板の外周端部に向かう清浄な空気の流れが形成されるので、基板の上面に洗浄液の液滴が付着することが確実に防止される。
(10−7)第2の参考形態に係る基板処理装置は、露光装置に隣接するように配置され、基板に処理を行う基板処理装置であって、基板に処理を行うための処理部と、処理部と露光装置との間で基板の受け渡しを行うための受け渡し部とを備え、処理部および受け渡し部の少なくとも一方は、基板の下面を洗浄する上記の基板洗浄装置とを含むものである。
その基板処理装置においては、処理部により基板に所定の処理が行われ、受け渡し部により処理部と露光装置との間で基板の受け渡しが行われる。処理部および受け渡し部の少なくとも一方には、上記の基板洗浄装置が含まれる。
その基板洗浄装置においては、基板の上面を清浄に保ちつつ基板の下面を洗浄することが可能である。それにより、基板の上面および下面が汚染されることに起因する基板の処理不良の発生を防止することができる。
(10−8)処理部は、基板の上面に感光性材料からなる感光性膜を形成するように構成された感光性膜形成ユニットを含み、基板洗浄装置は、感光性膜形成ユニットによる感光性膜の形成後かつ露光装置による露光処理前または露光処理後の基板の下面を洗浄するように構成されてもよい。
この場合、感光性膜形成ユニットによる感光性膜の形成後かつ露光装置による露光処理前または露光処理後の基板の下面が基板洗浄装置により洗浄される。基板洗浄装置による基板の洗浄時には基板の上面が清浄に保たれる。それにより、基板の上面に形成される感光性膜の汚染が防止される。