特許第6061522号(P6061522)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061522
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】コンテナ着脱式冷凍車
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20170106BHJP
   B60P 3/20 20060101ALI20170106BHJP
   B65D 88/12 20060101ALN20170106BHJP
   B65D 88/74 20060101ALN20170106BHJP
【FI】
   B60R16/02 650A
   B60P3/20 Z
   B60R16/02 621Z
   !B65D88/12 A
   !B65D88/74
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-148231(P2012-148231)
(22)【出願日】2012年7月2日
(65)【公開番号】特開2014-8919(P2014-8919A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219233
【氏名又は名称】東プレ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】馬場 信雄
【審査官】 田合 弘幸
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−078193(JP,U)
【文献】 特開2001−287585(JP,A)
【文献】 特表2008−513267(JP,A)
【文献】 米国特許第06179319(US,B1)
【文献】 特開平01−090835(JP,A)
【文献】 特開平07−158109(JP,A)
【文献】 実開昭59−157348(JP,U)
【文献】 特開2006−272984(JP,A)
【文献】 特開2010−023580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
B65D 88/00−90/66
B62D 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
庫内を冷凍する冷凍装置を備えるコンテナと、
前記冷凍装置に対して前記庫内を冷凍するための電力を供給する電源装置を備え、且つ
前記コンテナを搭載可能である車両と、
警報を発する警報部と、
制御部と、
を有するコンテナ着脱式冷凍車であって、
前記車両は、前記電源装置から前記電力を供給する送電コネクタと、
前記送電コネクタと電気的に接続可能な車両側コネクタと、を備え、
前記コンテナは、前記車両に搭載された状態で前記送電コネクタと電気的に接続されることにより前記冷凍装置に対して前記庫内を冷凍するための電力を供給するコンテナ側コネクタを備え、
前記制御部は、前記送電コネクタが、前記車両側コネクタ及び前記コンテナ側コネクタの何れにも電気的に接続されていない時に、前記車両を走行させる操作が開始された場合は、前記警報部へ警報を発することを指示し、
更に、前記送電コネクタが、前記車両側コネクタ或いは前記コンテナ側コネクタに電気的に接続されている時に限り、前記車両を走行させる操作を許可することを特徴とするコンテナ着脱式冷凍車。
【請求項2】
前記送電コネクタは送電側制御端子を備え、
前記車両側コネクタ及び前記コンテナ側コネクタは、前記送電コネクタと電気的に接続されることにより、前記送電側制御端子と短絡する制御端子をそれぞれ備え、
前記制御部は、前記送電側制御端子がいずれか一方の制御端子と短絡しているか否かに応じて、前記送電コネクタが前記車両側コネクタ及び前記コンテナ側コネクタの何れかに電気的に接続されているか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のコンテナ着脱式冷凍車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ着脱式冷凍車に関し、特に、庫内を冷凍する冷凍装置を備えるコンテナを車両の上に着脱自在に搭載可能なコンテナ着脱式冷凍車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両とコンテナの着脱を、車両上に設けられた載置装置を用いて行うコンテナ着脱式冷凍車が知られている。コンテナ着脱式冷凍車では、冷凍装置に対して庫内を冷凍するための電力を供給する電源装置が車両側に搭載され、ケーブル及び送電コネクタを用いて電源装置とコンテナ側の電力受給部とを接続している。ケーブルの切断を防止するため、コンテナ側の電力受給部に送電コネクタが接続されている場合に、コンテナを車両から離脱しようとすると警報を発している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−78193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電源装置とコンテナの電力受給部とを接続するケーブル内に断線が生じている場合、及び電源装置とコンテナの電力受給部とを接続する送電コネクタに接触不良が生じている場合、コンテナから送電コネクタが外れている場合と電気的に同じ条件となる。このため、コンテナを車両から離脱しようとしても警報を発することができず、ケーブルを切断してしまうおそれがある。
【0005】
また、車両にコンテナが搭載されていない時は、送電コネクタの接続先が無く、送電コネクタを固定することができないため、走行中にケーブルが切断されて送電コネクタが脱落してしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、電源装置とコンテナの電力受給部とを接続するケーブルの切断を更に抑制することができるコンテナ着脱式冷凍車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
また、上記目的を達成するための本発明は、以下に示す第2の特徴を備える。コンテナ着脱式冷凍車は、庫内を冷凍する冷凍装置を備えるコンテナと、冷凍装置に対して庫内を冷凍するための電力を供給する電源装置を備え、且つコンテナを搭載可能である車両と、警報を発する警報部と、制御部とを有する。車両は、電源装置から電力を供給する送電コネクタと、送電コネクタと電気的に接続可能な車両側コネクタとを備える。コンテナは、車両に搭載された状態で送電コネクタと電気的に接続されることにより冷凍装置に対して庫内を冷凍するための電力を供給するコンテナ側コネクタを備える。つまり、制御部は、送電コネクタが、車両側コネクタ及びコンテナ側コネクタの何れにも電気的に接続されていない時に、車両を走行させる操作が開始された場合は、警報部へ警報を発することを指示する。また、制御部は、送電コネクタが、車両側コネクタ或いはコンテナ側コネクタに電気的に接続されている時に限り、車両を走行させる操作を許可する。
【0010】
上記した本発明の第2の特徴によれば、車両にコンテナが搭載されていない時、送電コネクタが車両側コネクタに接続されていなければ警報を発することができるので、走行中にケーブルが切断されて送電コネクタが車両から脱落してしまうことを抑制できる。また、送電コネクタが、車両側コネクタ或いはコンテナ側コネクタに電気的に接続されていなければ、車両を走行させる操作が禁止されるので、走行中にケーブルが切断されて送電コネクタが車両から脱落してしまうことを更に抑制できる。
【0013】
本発明の第1及び第2の特徴において、送電コネクタは送電側制御端子を備え、車両側コネクタ及びコンテナ側コネクタは、送電コネクタと電気的に接続されることにより、送電側制御端子と短絡する制御端子をそれぞれ備えていてもよい。この場合、制御部は、送電側制御端子がいずれか一方の制御端子と短絡しているか否かに応じて、送電コネクタが車両側コネクタ及びコンテナ側コネクタの何れかに電気的に接続されているか否かを判断することができる。これにより、コネクタ同士の接続状態或いは非接続状態を正しく判断することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかるコンテナ着脱式冷凍車によれば、電源装置とコンテナの電力受給部とを接続するケーブルの切断を更に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態に係わるコンテナ着脱式冷凍車の全体構成を示すブロック図である。
図2図2(a)は、送電コネクタ21とコンテナ側コネクタ23との接続状態を示す模式図であり、図2(b)は、送電コネクタ21と車両側コネクタ22との接続状態を示す模式図である。
図3図3は、コンテナ着脱式冷凍車の外観図であり、図3(a)は、コンテナ11を車両12に搭載した状態を示し、図3(b)は、載置装置26を用いてコンテナ11を車両12から離脱する途中の様子を示す。
図4図4は、第1の実施の形態に係わるコンテナ着脱式冷凍車の制御動作の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、第2の実施の形態に係わるコンテナ着脱式冷凍車の制御動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
先ず、図1のブロック図を参照して、本発明の実施の形態に係わるコンテナ着脱式冷凍車の全体構成を説明する。コンテナ着脱式冷凍車は、庫内を冷凍する冷凍装置24を備えるコンテナ11と、コンテナ11を着脱自在に搭載することができる車両12と、警報を発する警報部(14a、14b)と、制御部(車両制御部15)と、を有する。
【0018】
本発明の実施の形態では、警報部(14a、14b)には、車両12に搭載された車両側警報部14aと、コンテナ11に搭載されたコンテナ側警報部14bとが含まれる場合について説明する。しかし、これに限らず、車両側警報部14a或いはコンテナ側警報部14bの何れか一方のみであっても構わない。また、制御部が車両12に搭載された車両制御部15である場合について説明するが、コンテナ11に搭載したコンテナ制御部16であってもよい。
【0019】
先ず、庫内を冷凍するための電力の伝送系の構成について説明する。車両12は、冷凍装置24に対して庫内を冷凍するための電力を供給する電源装置13としてのバッテリ31及び発電機32と、バッテリ31及び発電機32から供給される電力をコンテナ11へ伝送する送電コネクタ21と、送電コネクタ21と電気的に接続可能な車両側コネクタ22とを備える。
【0020】
バッテリ31及び発電機32から供給される電力は、電力供給部27及びケーブル17を介して送電コネクタ21に伝送される。電力供給部27は、バッテリ31及び発電機32の各々から出力される電力の送電形式、電圧値或いは電流値を適切な形式或いは値に変換し、変換後の電力を送電コネクタ21に伝送する。ケーブル17は、電力供給部27と送電コネクタ21との間を接続する、柔軟性を有する絶縁電線である。
【0021】
送電コネクタ21は、電力をコンテナ11側へ伝送するための電力端子と、車両側コネクタ22或いは後述するコンテナ側コネクタ23との電気的な接続状態を検出するための送電側制御端子TAとが1つに統合されたコネクタである。
【0022】
車両側コネクタ22は、送電コネクタ21と電気的に接続することにより送電コネクタ21の送電側制御端子TAと短絡する制御端子TB1を備える。車両側コネクタ22は車両12に対して固定されている。よって、送電コネクタ21を車両側コネクタ22に電気的に接続することにより車両側コネクタ22を車両12に対して固定することができる。車両側コネクタ22は、制御端子TB1を備えていればよく、電力を受給するための電力端子を備えていなくてもよい。
【0023】
一方、コンテナ11は、車両12にコンテナ11が搭載された状態で送電コネクタ21と電気的に接続することができるコンテナ側コネクタ23を備える。コンテナ側コネクタ23は、電力を受給するための電力端子と、送電コネクタ21との電気的な接続を検出するための制御端子TB2とが1つに統合されたコネクタである。また、コンテナ側コネクタ23が送電コネクタ21と電気的に接続することにより、電力を伝送することができると同時に、送電コネクタ21の送電側制御端子TAが、コンテナ側コネクタ23の制御端子TB2と短絡する。
【0024】
コンテナ側コネクタ23から伝送される電力は、電力受給部28を介して冷凍装置24へ供給される。電力受給部28は、車両側から伝送された電力を、冷凍装置24に供給可能な電力形式、電圧値或いは電流量に変換し、変換後の電力を冷凍装置24に供給する。このようにして、コンテナ側コネクタ23が送電コネクタ21と電気的に接続することにより、電源装置13から冷凍装置24へ庫内を冷凍するための電力を供給することができる。なお、冷凍装置24は、コンプレッサを備え、コンプレッサを駆動させて庫内を冷凍する。よって、庫内を冷凍するための電力は、コンプレッサの駆動に必要な電力に相当する。
【0025】
次に、ケーブル17の切断を抑制するための制御系の構成について説明する。車両制御部15は、車両12のイグニションスイッチ25からイグニッションがオン状態であるか又はオフ状態であるかを識別する信号を受信する。また、車両制御部15は、イグニションスイッチ25をオフ状態からオン状態へ切り替えることを許可するか否かを制御する。
【0026】
車両制御部15は、電力供給部27に接続されている。車両制御部15は、電力供給部27を介して、送電コネクタ21が車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23の何れかに電気的に接続されているか否かを示す信号を受信する。
【0027】
具体的に、車両制御部15は、電力供給部27を介して、送電側制御端子TAがいずれか一方の制御端子TB1、TB2と短絡しているか否かを示す信号を受信する。そして、車両制御部15は、この信号に基づいて、送電コネクタ21が車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23の何れかに電気的に接続されているか否かを判断する。
【0028】
なお、車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23の何れかに電気的に接続されている場合、車両制御部15は、更に、送電コネクタ21が車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23の何れに接続されているかを判断しても構わない。この場合、送電側制御端子TAが制御端子TB1と短絡している時に受信する信号と、送電側制御端子TAが制御端子TB2と短絡している時に受信する信号とは異なる信号である。
【0029】
車両制御部15は、車両側警報部14a、車両側通信部33a及び車両12が備える載置装置26に接続されている。車両制御部15は、車両側警報部14aが発する警報を制御し、車両側通信部33aと後述するコンテナ側通信部33bとの間で行われる無線通信を制御し、そして、載置装置26の運転を制御する。
【0030】
車両側警報部14aは、車両12の車室内に設けられ、後述する所定の条件が満たされた場合に、車両12の乗員に対してケーブル17が切断されるおそれについて警報を発する。
【0031】
載置装置26は、車両12の荷台からコンテナ11を降ろしたり、車両12の荷台にコンテナ11を載せたりする際に使用する装置である。載置装置26の具体的な構成は、図3を参照して後述する。
【0032】
一方、コンテナ11は、コンテナ制御部16と、コンテナ側警報部14bと、コンテナ側通信部33bとを備える。コンテナ側警報部14bは、コンテナ11の周囲で作業を行うユーザに対してケーブル17が切断されるおそれについて警報を発する。コンテナ側警報部14bは、載置装置26を操作するための操作パネルに近接して設けることが望ましい。なぜなら、載置装置26の操作パネルを操作するユーザに対して報知し易くなるからである。
【0033】
コンテナ側通信部33bは、車両側通信部33aとの間で無線通信を行う。コンテナ制御部16は、電力受給部28、冷凍装置24、コンテナ側警報部14b及びコンテナ側通信部33bを制御する。
【0034】
図2(a)に示すように、柔軟性のあるケーブル17を用いて、車両12にコンテナ11が搭載された状態で、送電コネクタ21をコンテナ側コネクタ23に接続することができる。この時、庫内を冷凍するための電力が伝送可能になると同時に、送電側制御端子TAはコンテナ側の制御端子TB2と短絡する。そして、送電側制御端子TAと制御端子TB2との短絡を示す信号が、図1の車両制御部15に送信される。
【0035】
図2(b)に示すように、柔軟性のあるケーブル17を用いて、送電コネクタ21を車両側コネクタ22に接続することもできる。この時、送電側制御端子TAは車両側の制御端子TB1と短絡する。そして、送電側制御端子TAと制御端子TB1との短絡を示す信号が、車両制御部15に送信される。なお、前述したように、図2(a)の状態で送信される信号と図2(b)の状態で送信される信号とは異なる信号であり、車両制御部15は、図2(a)の状態で送信される信号と図2(b)の状態で送信される信号とを識別できるようにしてもよい。
【0036】
図3(a)に示すように、コンテナ11を車両12に搭載した場合、車両12上の電力供給部27と、コンテナ11上の電力受給部28とは隣接する位置に配置される。電力供給部27が収納されたケースの内部或いはケースの表面に車両側コネクタ22が形成され、電力受給部28が収納されたケースの内部或いはケースの表面にコンテナ側コネクタ23が形成されている。ケーブル17は、送電コネクタ21を車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23のいずれにも接続することができるだけの十分な長さを有する。図3(a)は送電コネクタ21が車両側コネクタ22に接続されている状態を示す。
【0037】
図3(b)は、車両12が備える載置装置26を用いてコンテナ11を離脱する途中の様子を示す。ユーザは、載置装置26を操作して、コンテナ11を車両12から離脱させたり、コンテナ11を車両12に載置したりすることができる。
【0038】
図4を参照して、図1の車両制御部15によるコンテナ着脱式冷凍車の制御動作の一例を説明する。
【0039】
先ず、ステップS01において、車両制御部15は、送電コネクタ21が車両側コネクタ22に電気的に接続されているか否かを判断する。具体的に、車両制御部15は、送電側制御端子TAが制御端子TB1と短絡している時に送信される信号を受信するか否かを判断する。
【0040】
送電コネクタ21が車両側コネクタ22に電気的に接続されていれば(S01でYES)、送電コネクタ21はコンテナ側コネクタ23に電気的に接続されていないことになるので、コンテナ11を車両12から離脱させてもケーブル17を断線することはない。よって、コンテナ11を車両12から離脱させるために載置装置26を運転することができる。また、送電コネクタ21が車両側コネクタ22に電気的に接続されているので、車両12を走行させても送電コネクタ21が脱落するおそれも少ない。
【0041】
そこで、ステップS02に進み、車両制御部15は、コンテナ11の離脱操作及び車両12を走行させる操作を許可する。具体的には、車両12が備えるエンジンの始動及び載置装置26の運転を許可する。そして、車両制御部15は、エンジンの始動及び載置装置26の運転に対して警報を発する制御は行わない。例えば、車両制御部15は、エンジンの始動及び載置装置26の運転を許可する許可信号を出力することができる。この場合、許可信号を受信した場合に限り、イグニションスイッチ25はオン状態にすることができ、載置装置26も運転を開始することができる。その後、再びステップS01に戻る。
【0042】
一方、送電コネクタ21が車両側コネクタ22に接続されていなければ(S01でNO)、ステップS03に進み、車両制御部15は、送電コネクタ21がコンテナ側コネクタ23に接続されているか否かを判断する。具体的に、車両制御部15は、送電側制御端子TAが制御端子TB2と短絡している時に送信される信号を受信するか否かを判断する。
【0043】
送電コネクタ21がコンテナ側コネクタ23に接続されていれば(S03でYES)、車両12を走行させても送電コネクタ21が脱落するおそれは少ない。そこで、ステップS04に進み、車両制御部15は、車両12を走行させる操作を許可する。具体的には、車両12が備えるエンジンの始動を許可する。そして、車両制御部15は、エンジンの始動に対して警報を発する制御は行わない。例えば、車両制御部15は、エンジンの始動を許可する許可信号を出力することができる。この場合、許可信号を受信した場合に限り、イグニションスイッチ25をオン状態にすることができる。その後、再びステップS01に戻る。
【0044】
なお、図示は省略するが、ステップS04において、車両12を走行させる操作、例えばイグニションスイッチ25をオン状態にする操作が検出された場合、車両制御部15は、車両側警報部14a及びコンテナ側警報部14bに対して警報を発することを指示することができる。なぜなら、送電コネクタ21がコンテナ側コネクタ23に接続されているため、コンテナ11を車両12から離脱させると、ケーブル17を切断してしまうからである。
【0045】
また、車両制御部15からコンテナ側警報部14bへの指示は、車両側通信部33a、コンテナ側通信部33b、及びコンテナ制御部16を介して行われる。つまり、車両制御部15は、警報を発する制御信号を車両側通信部33aを用いてコンテナ側通信部33bへ無線送信し、コンテナ側通信部33bにより受信された制御信号は、コンテナ制御部16に転送される。コンテナ制御部16は、この制御信号に基づいて、コンテナ側警報部14bに対して警報を発することを指示すればよい。
【0046】
一方、送電コネクタ21がコンテナ側コネクタ23に接続されていなければ(S03でNO)、送電コネクタ21は車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23の何れにも接続されていないことになる。そこで、ステップS05に進み、車両制御部15は、送電コネクタ21が車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23の何れにも接続されていないと判断して、載置装置26の運転が開始されることを監視する。すなわち、コンテナ11を車両12から離脱する操作が開始されることを監視する。
【0047】
載置装置26の運転が開始される場合(S05でYES)、車両制御部15は、コンテナ11を車両12から離脱する操作が開始されたと判断して、車両側警報部14a及びコンテナ側警報部14bに対して警報を発することを指示する。なお、コンテナ側警報部14bが載置装置26の操作パネルに近接して設けられている場合、車両12の運転席に近接して設けられた車両側警報部14aに警報を発することを指示しなくてもよい。なぜなら、操作パネルを操作するユーザに対しては、コンテナ側警報部14bのみから警報を発すれば十分だからである。
【0048】
所定時間内に、載置装置26の運転が開始されなければ(S05でNO)、ステップS01に戻り、上記した処理を繰り返し実施する。
【0049】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、以下の作用効果が得られる。
【0050】
車両制御部15は、送電コネクタ21が、車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23の何れにも電気的に接続されていない時に、コンテナ11を車両12から離脱する操作が開始された場合に、警報部(14a、14b)に警報を発することを指示する。これにより、コネクタ同士の機械的な接続不良により電気的に接続されていない場合、或いは電源装置13とコンテナ11の電力受給部28とを接続するケーブル17内に断線が生じしている場合における、コンテナ11の離脱操作に対して警報を発することができる。よって、ケーブルを切断してしまうことを更に抑制できる。
【0051】
車両制御部15は、送電コネクタ21が、車両側コネクタ22に電気的に接続されている時に限り、コンテナ11の離脱操作を許可する。これにより、送電コネクタ21が、車両側コネクタ22に電気的に接続されていなければ、コンテナ11の離脱操作が禁止されるので、ケーブル17の切断を更に抑制できる。
【0052】
車両制御部15は、送電コネクタ21が、車両側コネクタ22或いはコンテナ側コネクタ23に電気的に接続されている時に限り、車両12を走行させる操作を許可する。これにより、送電コネクタ21が、車両側コネクタ22或いはコンテナ側コネクタ23に電気的に接続されていなければ、車両12を走行させる操作が禁止されるので、走行中にケーブル17が切断されて送電コネクタ21が車両12から脱落してしまうことを更に抑制できる。
【0053】
送電コネクタ21は送電側制御端子TAを備え、車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23は、送電コネクタ21と電気的に接続されることにより、送電側制御端子TAと短絡する制御端子TB1、TB2をそれぞれ備える。車両制御部15は、送電側制御端子TAがいずれか一方の制御端子TB1、TB2と短絡しているか否かに応じて、送電コネクタ21が車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23の何れかに電気的に接続されているか否かを判断する。これにより、コネクタ同士の接続状態或いは非接続状態を正しく判断することができる。
【0054】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、図4を参照して、送電コネクタ21が、車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23の何れにも電気的に接続されていない時に、コンテナ11を車両12から離脱する操作が開始された場合に、警報を発する制御動作を説明した。
【0055】
これに対して、第2の実施の形態では、図5を参照して、送電コネクタ21が、車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23の何れにも電気的に接続されていない時に、車両12を走行させる操作が開始された場合に、警報を発する制御動作について説明する。
【0056】
なお、第2の実施の形態に係わるコンテナ着脱式冷凍車の構成は、第1の実施の形態と同じであり、図示及び説明を省略する。
【0057】
図5のステップS01〜S04は、図4のステップS01〜S04と同じ処理内容であり、説明を省略する。図4のステップS05及びS06の代わりに、図5のステップS07及びS08を実施する。
【0058】
ステップS03において、送電コネクタ21がコンテナ側コネクタ23に接続されていないと車両制御部15が判断した場合(S03でNO)、送電コネクタ21は車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23の何れにも接続されていないことになる。そこで、ステップS07に進み、車両制御部15は、エンジンの始動を監視する。すなわち、車両12を走行させる操作が開始されることを監視する。
【0059】
エンジンが始動された場合(S07でYES)、車両制御部15は、車両12を走行させる操作が開始されたと判断して、車両側警報部14a及びコンテナ側警報部14bに対して警報を発することを指示する(ステップS08)。なお、車両側警報部14aが車両12の運転席に近接して設けられている場合、載置装置26の操作パネルに近接して設けられたコンテナ側警報部14bに警報を発することを指示しなくてもよい。なぜなら、エンジンが始動させるユーザ(運転者)に対しては、車両側警報部14aのみから警報を発すれば十分だからである。
【0060】
所定時間内に、エンジンが始動されなければ(S07でNO)、ステップS01に戻り、上記した処理を繰り返し実施する。
【0061】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、以下の作用効果が得られる。
【0062】
車両制御部15は、送電コネクタ21が、車両側コネクタ22及びコンテナ側コネクタ23の何れにも電気的に接続されていない時に、車両12を走行させる操作が開始された場合に、警報部(14a、14b)に警報を発することを指示する。これにより、車両12にコンテナ11が搭載されていない時、送電コネクタ21が車両側コネクタ22に接続されていなければ警報を発することができるので、走行中にケーブル17が切断されて送電コネクタ21が車両12から脱落してしまうことを抑制できる。
【0063】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0064】
本発明の実施の形態では、コンテナ11の搭載及び離脱を行う載置装置26を車両12が備える場合について説明したが、載置装置は車両12外部に配置されていてもよい。この場合、「コンテナ11を車両12から離脱する操作」は、例えば、コンテナ11を車両12から離脱する際に、コンテナ11を車両12の荷台に固定していたロック機構を解除する操作であればよい。具体的には、図4及び図5のステップS02で、載置装置26の運転を許可する信号を送信する代わりに、車両制御部15は、ロック機構を解除する操作を許可する信号を送信し、図4のステップS05で、ロック機構を解除する操作を監視すればよい。
【0065】
なお、本明細書において、「冷凍」とは、庫内に収納される物品を凍結させることのみならず、セ氏零度に近い低温で貯蔵することも含まれる用語である。
【符号の説明】
【0066】
11…コンテナ
12…車両
13…電源装置
14a…車両側警報部(警報部)
14b…コンテナ側警報部(警報部)
15…車両制御部(制御部)
16…コンテナ制御部
17…ケーブル
21…送電コネクタ
22…車両側コネクタ
23…コンテナ側コネクタ
24…冷凍装置
25…イグニションスイッチ
28…電力受給部
31…バッテリ(電源装置)
32…発電機(電源装置)
TA…送電側制御端子
TB1、TB2…制御端子
図1
図2
図3
図4
図5