(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
なお、以下に説明する実施形態はあくまで一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が行う種々の設計的改良も本発明の範囲に含まれる。
【0016】
(第1実施形態)
図1には遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示す。
図1において、ガラス枠91の透明ガラス窓92を通して、本体枠に設けられた遊技盤93の遊技領域93aが視認できる。遊技領域93aの中央やや上部には、液晶型の矩形の図柄表示器94が設けられている。図柄表示器94の下方にはチューリップ型の始動入賞口95が位置している。なお、その他の遊技領域上の役物や釘等は図示を省略してある。ガラス枠91の下方に位置する前板96には、略中央位置に上下に並んで上球皿971と下球皿972とが設けられており、上球皿971の前縁に本発明の押し操作装置Eが設置されている。
【0017】
図2には押し操作装置Eの要部断面図を示す。
図2において、装置Eのベース部1は上方へ開放する略筒状の容器体で、その略円形状の開口11には押し操作部材2が配設されている。押し操作部材2は略円形状の平板部材で、開口11よりもやや小径でこれを塞ぐように位置し、下面側の中心部が弾性支持部材としてのバネ部材3によって弾性的に支持されている。バネ部材3は略筒状に形成された圧縮コイルバネであり、その一端(上端)が押し操作部材2に当接するとともに他端(下端)は作動部材4に受けられている。
【0018】
作動部材4は中心部が貫通開口された環状体で、その本体部はその中央位置に溝41を形成した略U字断面をなし、溝41内に上記バネ部材3の他端部が挿入されて溝底面に当接している。作動部材4の中心開口内には、ベース部1に設けられた支持筒51が貫通しており、支持筒51の外周には筒状のスクリュー部材5が回転可能に嵌装されている。スクリュー部材5の外周には螺旋状に凸条52が形成されており、この凸条52の間の凹条53内に、作動部材4の内周に形成された螺旋状の凸条42が嵌合させてある。すなわち、作動部材4は略ナット形状を有しており、その内周面部がスクリュー部材5の外周部に嵌合するように構成されている。
【0019】
スクリュー部材5の基端(下端)外周には歯型部54が形成されて、これが、ベース部1内に設けた駆動手段としての駆動モータ6の出力軸61に設けた歯車62に噛合している。これにより、駆動モータ6によってスクリュー部材5を正逆回転させることができる。スクリュー部材5が正逆回転すると、これに応じて作動部材4がスクリュー部材5の軸方向すなわち
図2の上下方向へ直線的に正逆移動させられる。なお、
図2は作動部材4、および押し操作部材2が下端の原位置にある状態を示している。
【0020】
押し操作部材2の下面には、ベース部1内の下方へ向けて筒形状の係合壁21が設けてあり、その下端部の全周は、中心方向へ向けて水平に屈曲して、鍔状の係合部としての係合片23となっている。そしてこれら係合片23の上面部が、作動部材4の、被係合部としての外周部下面43に当接係合している。この状態でバネ部材3は軽い圧縮状態にあり、その弾性力によって押し操作部材2は
図2の上方の、作動部材4に対しその進出方向へ向けて、ベース部1の開口11から所定量突出するように付勢されている。
【0021】
ベース部1内には筒状の支持部材12が立設されており、支持部材12は上記係合壁21の外周を囲むように位置している。そして、支持部材12の径方向対称位置の内周の2箇所には、上下の筒長方向へ延びる溝状のスライドガイド部13がそれぞれ形成されている。そして上記係合壁21には、上記スライドガイド部13の形成位置に対応する壁部に、上下の筒長方向へ延びるスリット22が形成されている。そして、作動部材4の外周には、水平に突設されたガイド片44が形成されている。上記ガイド片44は上記係合壁21に形成されたスリット22を貫通して外方向に向けて突出しており、その先端部が上記スライドガイド部13に嵌入している。これにより、作動部材4の水平方向の回転が規制されて、スクリュー部材5の回転に伴い前述のように作動部材4がスライドガイド部13に沿って直線的に上下方向へ移動させられる。
【0022】
上記支持部材12の内周には、中心方向へ向けて水平に延びるストッパ部14が設けられて、その上面は、係合壁21の係合片23の下面部が当接するストッパ面となっている。また、係合片23の下方には検出手段を構成する光電スイッチ7が設けてあり、係合片23の下面部の一部には上記光電スイッチ7を作動させる遮光板24が下方へ向けて突設されている。
【0023】
このような構造の押し操作装置Eにおいて、通常遊技時には押し操作部材2は
図2に示す原位置にある。この状態で、押し操作部材2をバネ部材3の弾性力に抗して、
図3に示すように、係合壁21の係合片23がストッパ部14に当接する後退位置まで押し込むと、係合片23の下面部の遮光板24が光電スイッチ7内に進入してこれが作動させられ、光電スイッチ7より作動信号が発せられて、図略の遊技制御装置によって所定の処理操作がなされる。この場合の押し操作部材2の押しストロークはST1(
図2)である。
【0024】
遊技において、適宜特別な遊技演出の発生指示が起こると、遊技制御装置によって駆動モータ6が作動させられて、
図4に示すように、作動部材4が原位置から上方の進出位置へと上昇移動させられ、この結果、押し操作部材2がバネ部材3と一体にベース部1の開口11内から上方へ大きく突出させられる。これにより遊技者は、押し操作装置を適宜特別な遊技演出に関連するように押し操作をすることが可能になったことを容易に確認できる。そこで、押し操作部材2をバネ部材3の弾性力に抗して、
図5に示すように、係合壁21の下端がストッパ部14に当接する後退位置まで押し込むと、係合壁21下端の遮光板24が光電スイッチ7内に進入してこれが作動させられ、光電スイッチ7より作動信号が発せられて、図略の遊技制御装置によって所定の処理操作がなされる。この場合の押し操作部材2の押しストロークはST2(
図4)と大きくなる。
【0025】
なお、上記押し込み操作がされた際に、押し操作部材2の平板部の下面部と作動部材4の上面部とが当接せずに所定の空隙が設けられるように、つまり押し込み操作がされる前の押し操作部材2の平板部の下面部と作動部材4の上面部との間の寸法が上記ST2よりも広くなるように、上記各部材は各々寸法設定されている。
【0026】
光電スイッチ7より作動信号が発信された後、駆動モータ6を上記とは逆方向に作動させて、作動部材4を進出位置から原位置へと下降移動させることで、遊技者によって後退位置まで押し込まれた後の押し操作部材2の停止位置を再度、原位置に位置させることができる。また、駆動モータ6を上記のように逆方向に作動させることなく上記進出位置に留めておくことで、遊技者によって後退位置まで押し込まれた後の押し操作部材2の停止位置を、そのまま進出位置に位置させることもできる。
【0027】
また、作動部材4の位置を、進出位置から原位置までの間の適宜位置に位置させることで、遊技者によって後退位置まで押し込まれた後の押し操作部材2の停止位置を、上記適宜中間の位置に位置させることができる。また、遊技者による押し込み操作を受けることなく、駆動モータ6を上記とは逆方向に作動させることで作動部材4を進出位置から原位置へと下降移動させて、押し操作部材2の位置を駆動モータ6の駆動力により再度原位置に位置させることもできる。
【0028】
このように、本実施形態の押し操作装置Eは、駆動モータ6を適宜駆動制御することによって、押し操作部材2が停止する停止位置、すなわち押し操作部材の飛び出し変位量を、原位置から進出位置の範囲内において、適宜調整、可変させることができる。つまり、進出位置を、最大飛び出し位置に常に設定しておくことは、遊技の演出、及び押し操作装置Eの仕様において必須ではなく、遊技状況に応じて、適宜その中間位置を上記進出位置に設定することもでき、そこから更に外方へと飛び出させて、その位置を第2進出位置に設定することもできる。
【0029】
以上のように、本実施形態の押し操作装置Eによれば、押し操作部材2の原位置と進出位置との間の移動を駆動手段によって常にバネ部材3と一体に行っているから、従来のようにバネ部材3が常時大きく変形した状態におかれることはない。したがって、原位置および進出位置のいずれにおいても押し操作部材2の一定の操作感を得ることができる。
【0030】
また、本実施形態では駆動手段として、スクリュー部材5とこれに螺合する作動部材4を備えて、スクリュー部材5を駆動モータ6で回転させる構造としているから、押し操作部材2からの押し作用力はスクリュー部材5の螺旋構造で受けられて、駆動モータ6や歯車62へは殆ど印加しない。
【0031】
また、本実施形態では、押し操作部材2と作動部材4との間の空間にバネ部材3を配設して、バネ部材3の付勢力により押し操作部材2と作動部材4とが当接係合状態を維持するように構成されている。そして、上記押し操作部材2と作動部材4との当接係合状態は、押し操作部材2が押し操作される際には、その係合状態が解除されるように構成されており、また、押し操作部材2が押し操作されたときの押し込み力は、バネ部材3が収縮することにより吸収されるように構成されているので、この作用によっても、押し操作部材2からの押し作用力は駆動モータ6や歯車62へ極力印加しないようにすることができる。したがって、仮に遊技者が過度に強い力で押し操作部材2を押し込み操作したとしても、その過大な押し作用力により駆動機構が破損する等の問題を生じない。
【0032】
さらに、進出位置での押し操作部材2の押しストロークST2を原位置のそれST1よりも大きくすることができるから、押し操作に関連する遊技演出等において遊技者の遊技の高揚感を増進することができる。
【0033】
(第2実施形態)
図6〜
図8には本発明の他の実施形態を示す。本実施形態では上方へ開放する容器状に成形されたベース部8(
図6)全体が押し操作部材となっている。すなわち、ベース部8全体が第1実施形態で説明した押し操作部材2と基本的に同様の構造で支持され移動させられるようになっている。より詳細には、ベース部8全体がバネ部材103によって弾性的に支持されて、後述するように押し操作可能となっており、ベース部8はこれの周壁を貫通して内部に進入した金属製の受け部材81によって支持されており、ベース部8と受け部材81とは一体構造として形成されている。そして、受け部材81はベース部8の周壁上部を貫通して当該ベース部8内に進入した後、下方へ屈曲しさらに水平に屈曲して、水平な中央下端部82はベース部8の内径よりもやや小さい円形板状になっている。また、受け部材81の上部には、ベース部8から外方へ向けて鍔状に突出して、水平方向に向けて板状に延びる受け部83、84が形成されている。(
図8)。このように、適切な強度を有する金属部材で形成された受け部材81でベース部8を支持することにより、仮に遊技者が過度に強い力でベース部8を押し込み操作した場合にも、その付加力を適切に受けて対応することができるので、各部材の破損を防止することができる。
【0034】
受け部83は下面側の中心部が弾性支持部材としてのバネ部材103によって弾性的に支持されている。バネ部材103は略筒状に形成された圧縮コイルバネであり、その一端(上端)が受け部83の板面に当接するとともに他端(下端)は作動部材104に受けられている。作動部材104は中心部が貫通開口された環状体で、本体部は中央に溝141を形成した略U字断面をなし、溝141内に上記バネ部材103の他端部が挿入されて溝底面に当接している。一方、受け部84は遊技機に設置されたベース部108上に設けた補助バネ部材181によっても弾性的に支持されている。
【0035】
補助バネ部材181は、受け部材81(すなわちベース部8)を後述する駆動モータ106の駆動力(及びバネ部材103の弾性力)によって上昇移動させる際に、その持ち上げ動作に対して補助的な力を付与させるために、また、受け部材81やベース部8を原位置に適切に支持させる際の補助的な付勢力を付与させるために配設されている。但し、上記補助バネ部材181の設置は必須ではなく、駆動モータ106やバネ部材103の弾性力のみで上方移動、及び支持が十分に可能であれば補助バネ部材181は無くてもよい。
【0036】
作動部材104の中心開口を上下方向へ貫通して軸状のスクリュー部材105が配設されており、スクリュー部材105はその長手方向の中間部外周に螺旋状に凸条152が形成されている。そして、凸状152の間の凹条153内に、作動部材104の内周に形成された螺旋状の凸条142が嵌合させてある。つまり、第1実施形態同様、作動部材104は略ナット形状を有しており、その内周面部がスクリュー部材105の外周部に嵌合するように構成されている。スクリュー部材105の下端部はベース部108に形成された水平な支持壁182を貫通して、支持壁182によって回転可能に支持されている。
【0037】
スクリュー部材105の下端外周には歯型部154が形成されて、これが、ベース部108内に設けた駆動手段としての駆動モータ106の出力軸161に設けた歯車162に噛合している。スクリュー部材105の上端部は一定長さのガイド軸156となっており、当該ガイド軸156に受け部83の板面中心が嵌装されて、ガイド軸156に沿って上下方向へ移動可能となっている。
【0038】
駆動モータ106によってスクリュー部材105を正逆回転させると、これに応じて作動部材104はスクリュー部材105の軸方向へ直線的に正逆、すなわち
図6の上下方向へ移動させられる。なお、
図6は作動部材104、すなわちベース部8が上端の進出位置にある状態を示している。
【0039】
受け部83の下面には、下方へ向けて筒形状の係合壁121が設けてあり、その下端部の全周は、中心方向へ向けて水平に屈曲して、鍔状の係合部としての係合片123となっている。そしてこれら係合片123の上面部が、作動部材104の、被係合部としての外周部下面143に当接係合している。この状態でバネ部材103は軽い圧縮状態にあり、その弾性力によって受け部83は
図6の上方の、作動部材104に対しその進出方向へ向けて付勢されている。
【0040】
ベース部108の支持壁182上には径方向対称位置に上下方向へ延びるスライドガイド部113がそれぞれ配設されている。また、このスライドガイド部113には、溝状の嵌合部が形成されており、この嵌合部に、作動部材104の外周から水平に突設して係合壁121のスリット122を貫通したガイド片144の先端が進入している。これにより、作動部材104の水平方向の回転が規制されて、スクリュー部材105の回転に伴い前述のように作動部材104がスライドガイド部113に沿って直線的に上下方向へ移動させられる。
【0041】
なお、支持壁182の上面は係合壁121の係合片123の下面部が当接するストッパ面となっている。また、係合片123の下方には検出手段を構成する光電スイッチ107が設けてあり、係合片123の下面部の一部には上記光電スイッチ107を作動させる遮光板124が下方へ向けて突設されている。
【0042】
図6において、ベース部8は透光材で成形されており、当該ベース部8内には第1実施形態と同様の構造で押し操作部材2、バネ部材3、作動部材4、スクリュー部材5、駆動モータ6が配設されている。つまり、本実施形態におけるベース部8は、上記光電スイッチ107を検知作動させるための押し操作部材としての機能を有しつつ、あわせて、他の押し操作部(上記押し操作部材2、バネ部材3、作動部材4、スクリュー部材5、駆動モータ6等で構成される)におけるベース部としての機能も兼ね備えるように構成されている。
【0043】
第1実施形態との相違点は、支持部材12が受け部材81の受け部82上に立設されている点である。なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付してあり、
図6は作動部材4、および押し操作部材2が上端の進出位置にある状態を示している。また、バネ部材3、103の付勢力は互いに異ならせるのが良く、本実施形態ではバネ部材3の付勢力をバネ部材103のそれよりも弱くしてある。このように付勢力を構成することにより、遊技者が押し操作部材2の押し込み操作をしたときには、先ず、押し操作部材2が押し込まれ、その後にベース部8が押し込まれるように押し込み動作がされることとなる。
【0044】
本実施形態では、受け部82の下方の、ベース部8の底壁上に回転モータ(スリップリングモータ)90が設けられて、上方へ突出するその回転軸901には、上方へ開放する有底筒状の支持部材85の底壁中心が固着されている。支持部材85は透光材で成形されて、その筒壁は支持部材12の周囲に位置しており、周壁の一部には発光素子を設けた基板86が設置されている。なお、支持部材12の外周には一部に発光素子を設けた基板87が、また支持筒51の上端にも発光素子を設けた基板88が設置されている。回転モータ90は遊技制御装置によって、大当りへの期待感を増長、促進させる遊技演出等に適宜タイミングで回転作動させられ、この時にスリップリング方式である回転モータ83から発光電力が供給されることにより、基板87上の発光素子も適宜点灯させられる。
【0045】
このように、ベース部8内に回転する支持部材85を設け、基板86上の発光素子の発光具合を適宜制御することで、光の残像作用を用いて、ベース部8の表面領域に適宜所要の記号や模様等の画像を表示させることができる。そして、それら表示画像を遊技演出として利用することができる。なお、ベース部8内の開口80に近い位置にも発光素子を設けた環状基板89が配設されている。
【0046】
このような構造の押し操作装置において、適宜特別な遊技演出の発生指示が起こると、遊技制御装置によって駆動モータ6,106が作動させられて、
図6に示すように、各作動部材4,104が原位置から上方の進出位置へと上昇移動させられる。この結果、受け部材81とこれと一体のベース部8が、バネ部材103と一体に上方へ大きく突出させられる。さらにベース部8内では、作動部材4が原位置から上方の進出位置へと上昇移動させられて、押し操作部材2がバネ部材3と一体にベース部8の開口80内から上方へ大きく突出させられる。これにより、押し操作装置を適宜特別な遊技演出に関連するように押し操作をすることが可能になったことを容易に確認できる。
【0047】
押し操作部材2をバネ部材3の弾性力に抗して、係合壁21の係合片23がストッパ部14の上面に当接する後退位置まで押し込むと、係合片23の遮光板24が光電スイッチ7内に進入してこれが作動させられ、光電スイッチ7より作動信号が発せられて、図略の遊技制御装置によって所定の処理操作がなされる。この状態でさらに押し操作部材2を押すと、ベース部8全体がバネ部材103の弾性力に抗して、係合壁121の係合片123が支持壁182の上面に当接する後退位置まで押し込まれる。これにより、係合片123の下面部の遮光板124が光電スイッチ107内に進入してこれが作動させられ、光電スイッチ7に加えて光電スイッチ107からも作動信号が発せられて、これら信号に対応して図略の遊技制御装置によって所定の処理操作がなされる。この場合の押し操作部材2の押しストロークはST3+ST4となる。
【0048】
通常遊技時には、遊技制御装置によって駆動モータ6,106が作動させられて、作動部材4,104がそれぞれ上方の進出位置から原位置へ下降移動させられる(
図7)。この結果、押し操作部材2はバネ部材3と一体にベース部8内の原位置へ後退させられるとともに、ベース部8自体もバネ部材103と一体に下方の原位置へ後退させられる。この状態においても、押し操作部材2をバネ部材3の弾性力に抗して、係合壁21の下端がストッパ部14に当接する後退位置まで押し込むと、係合壁21下端の係合片23の遮光板24が光電スイッチ7内に進入してこれが作動させられ、光電スイッチ7より作動信号が発せられて、図略の遊技制御装置によって所定の処理操作がなされる。
【0049】
この状態でさらに押し操作部材2を押すと、ベース部8全体がバネ部材103の弾性力に抗して、係合壁121の下端が支持壁182に当接する後退位置まで押し込まれる。これにより、係合片123の遮光板124が光電スイッチ107内に進入してこれが作動させられ、光電スイッチ107より作動信号が発せられて、図略の遊技制御装置によって所定の処理操作がなされる。この場合の押し操作部材2の押しストロークは、押し操作部材2およびベース部8が進出位置にあるときよりも小さくなる。
【0050】
なお、押し操作部材2およびベース部8のいずれを進出位置ないし原位置にするかは駆動モータ6,106を適宜作動させて選択することができ、これに応じて押し操作部材2の全体の押しストロークを変更することができる。また、バネ部材3,103のいずれの付勢力を大きくするかは使用目的に応じて選択することができる。
【0051】
このように、本実施形態では、押し操作部材2を押し込む過程で、押し込みストロークに応じて二つの光電スイッチ7,107をそれぞれ作動させて作動信号を出力させることができ、さらに多様な遊技状態に対応することができる。
【0052】
なお、本実施形態においては、押し操作部材2を、遊技機における上下方向に向けて進出するように構成したが、これに限定されず、押し操作部材2を、遊技機における前後方向、左右方向、斜め上方向等、様々な方向に向けて進出移動するように構成することができる。また、押し操作部材の進出構造も、直線的なスライド移動構造に限定されず、曲線的に進出させたり、屈曲的に進出させたり等、様々な移動仕様によって外方に向けて進出させることができる。
【0053】
また、本第2実施形態では、押し操作部材を進出させる構造を2段階構造としているが、3段階以上の構成とすることができる。また、押し操作部材(及びベース部)内に配設する発光装置の構造についても、本第2実施形態においては光の残像作用を用いた回転発光装置を配設しているが、その他にも回転発光する発光装置を内部に配設して遊技演出として利用する等、様々な発光装置を配設することができる。
【0054】
また、本第2実施形態において、ベース部8の外周に位置する上球皿971の形状を、末広がりの器状に形成し、あわせて、その表面をメッキ処理、塗装等によりリフレクタ面として構成する。そして、上記ベース部8内に配設された回転発光装置から発せられた光を、そのリフレクタ面により外方に向けて反射発光させるように構成してもよい。
【0055】
このように構成することにより、外方に向けて進出移動するベース部8の、その進出量に応じて、上記リフレクタ面で反射発光される光の範囲を、例えば、その発光範囲が徐々に拡大するように反射発光させる等、適宜可変させることができ、これにより趣向性を有する遊技の発光演出を構成することができる。