【実施例】
【0029】
本発明の一実施例にかかる情報処理装置を
図1乃至
図7を参照して説明する。情報処理装置としてのサーバ10は、事業所などに設置されたコンピュータなどで構成されている。また、代表移動体20、従属移動体30、40には移動体に配置される情報提供装置としてのナビゲーション装置50が配置されており、ナビゲーション装置50はサーバ10とインターネットや公衆回線網などを介して通信可能となっている。
【0030】
代表移動体20と、従属移動体30、40は、目的地を共有する、つまり、同じ目的地に向かうグループ等を構成する複数の移動体である。複数の移動体のうち、代表移動体は1つ設定され、従属移動体は1つ以上であればよい。なお、本実施例では、複数の移動体が向かう所定の位置として目的地で説明するが、所定の位置は、待ち合わせ場所など複数の移動体が向かう共通の位置であって、他の移動体を待つ待ち時間が発生するような位置であればよい。
【0031】
代表移動体20は、後述する到着時間差を算出するための目的地や、自身の現在位置情報および到着時間差を算出するための設定情報などをサーバ10に送信し、サーバ10が算出した到着時間差情報や待ち時間活用情報などを受信するナビゲーション装置50が配置されている移動体である。従属移動体30、40は、自身の現在位置情報などを送信して、サーバ10が算出した到着時間差情報や待ち時間活用情報などを受信するナビゲーション装置50が配置されている移動体である。なお、代表移動体20と、従属移動体30、40は、自動車や自転車などの車両(乗物)や人間(徒歩のよる移動)であってもよい。また、代表移動体20と、従属移動体30、40との識別については後述する。
【0032】
サーバ10は、
図1に示したように、制御部11と、通信部12と、地図データベース13と、公共交通機関データベース14と、施設データベース15と、を備えている。
【0033】
到着時間差算出部、施設情報生成部としての制御部11は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリを備えたCPU(Central Processing Unit)で構成され、サーバ10の全体制御を司り、後述する各データベースへのアクセス制御や到着時間差の算出および待ち時間活用情報の生成などを行う。
【0034】
現在位置情報取得部、所定位置情報取得部、情報出力部、要因情報取得部としての通信部12は、代表移動体20、従属移動体30、40に配置されているナビゲーション装置50と通信を行う。通信部12は、代表移動体20から現在位置情報、目的地の情報および到着時間差を算出するための設定情報など、従属移動体30、40から現在位置情報などを受信し、制御部11で算出された到着時間差情報や待ち時間活用情報などを代表移動体20、従属移動体30、40に送信する。
【0035】
地図データベース13は、道路を利用して目的地に向かう場合の所要時間や予定到着時刻を算出したり、待ち時間活用情報に含まれる待ち時間に利用することができる施設への案内情報等を生成するための地図データが格納されているデータベースである。
【0036】
公共交通機関データベース14は、鉄道やバスなどの公共交通機関を利用して目的地に向かう場合の所要時間や予定到着時刻を算出したり、待ち時間活用情報に含まれる待ち時間に利用することができる施設への案内情報等を生成するための時刻表等が格納されているデータベースである。
【0037】
施設データベース15は、待ち時間活用情報に含まれる待ち時間に利用することができる施設の情報などを検索する際に用いるデータベースであり、コンビニエンスストアやレストラン或いは休憩所などの施設のジャンルや名称および位置情報(緯度、経度)、所在地と、各施設の利用に必要とする時間(施設所用時間)などが設定されている。また、当該施設をどのような用途で利用できるか(食事、トイレなど)の項目を設定してもよい。
【0038】
地図データベース13、公共交通機関データベース14、施設データベース15の各データベースは同じハードディスク等の記録装置に設けられていてもよいし、別の記録装置に設けえられていてもよい。
【0039】
また、サーバ10は、
図1では1つのサーバで構成されていたが、各データベースが別のサーバに設けられていてもよい。さらに、制御部11が行う動作と通信部が行う動作を別のサーバ(演算サーバと配信サーバ)に分割してもよい。即ち、サーバ10は複数のサーバ群で構成されていてもよい。勿論各サーバは互いに離れた位置に設置され、ネットワーク等を通じて通信し合うように構成されていてもよい。
【0040】
ナビゲーション装置50は、
図2に示したように制御部51と、通信部52と、GPS受信部53と、センサ入力部54と、記憶装置55と、操作部56と、表示部57と、音声出力部58と、を備えている。
【0041】
制御部51は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリを備えたCPU(Central Processing Unit)で構成され、ナビゲーション装置50の全体制御を司る。また、必要に応じて、操作部56から入力された目的地などの所定の位置までの案内情報(経路や進行方向等)の生成を行う。
【0042】
出力部、入力部としての通信部52は、制御部51から制御により、自身(ナビゲーション装置50が配置されている移動体)の現在位置情報や、目的地の情報およびサーバ10への設定情報(代表移動体20の場合)を送信し、サーバ10から到着時間差情報や待ち時間活用情報などを受信する。なお、本実施例では、通信部52がナビゲーション装置50に一体に設けられている例を示すが、カード型の通信装置や携帯電話をケーブル等で接続するなど通信部52が別体として構成され、ナビゲーション装置50と着脱自在となっていてもよい。
【0043】
現在位置取得部としてのGPS受信部53は、公知であるように複数のGPS(Global Positioning System)衛星から発信される電波を受信して、現在の位置情報(現在位置情報)を求めて制御部51に出力する。なお、本実施例では、GPS受信部53がナビゲーション装置50に一体に設けられている例を示すが、GPS受信部53が別体として構成され、ナビゲーション装置50と着脱自在となっていてもよい。
【0044】
センサ入力部54は、例えば移動体が自動車である場合は、車速センサ、加速度センサなどの車両の状態に関するセンサ入力や、或いはGPS受信部53による現在位置の算出ができない場合に現在位置の算出を行う自立センサ等からの入力がなされ制御部51へ出力する。即ち、自立センサを現在地位置取得部としてもよい。
【0045】
記憶装置55は、例えばハードディスクや不揮発性メモリなどで構成され、制御部51がナビゲーション装置50を制御するためのプログラムやデータ、表示部57が表示する地図データ等が格納され、制御部51からの制御により読み書きがなされる。
【0046】
操作部56は、ボタンやタッチパネル等の入力手段で構成されている。操作部56は、ナビゲーション装置50の各種入力操作が行われ、入力操作を示す制御信号が制御部51に出力される。
【0047】
提供部としての表示部57は、液晶ディスプレイや該液晶ディスプレイを制御するドライバ回路等から構成され、制御部51の制御により、液晶ディスプレイに地図データや各種アイコンおよび操作用のボタン等が表示される。
【0048】
音声出力部58は、スピーカおよびスピーカを駆動するアンプ等から構成され、制御部51からの制御により操作時の案内音声や確認音等が出力される。
【0049】
なお、
図2のナビゲーション装置50は主に自動車などの車両用の構成を示しているが、これに限らない。例えば、歩行者用のナビゲーション装置でもよく、その場合はセンサ入力部54は無くてもよい。また、
図1では各移動体には同じ構成のナビゲーション装置50が配置されている例を示しているが、それぞれ異なる構成であってもよい。本実施例における情報提供装置としては、少なくとも、サーバ10と通信可能であって、現在位置を算出でき、サーバ10から受信した到着時間差情報や待ち時間活用情報を提供(表示または音声出力)することができ、これらの動作を行うための操作ができればよい。
【0050】
次に、上述した構成のナビゲーション装置50の動作およびサーバ10の動作を
図3および
図4を参照して説明する。
図3は、ナビゲーション装置50の動作を示したフローチャートである。
図3に示したフローチャートは制御部51で実行される。
【0051】
まず、ステップS101において、代表移動体20となるか否かを判断して代表移動体20となる場合(YESの場合)はステップS102に進み、代表移動体20とならない場合(NOの場合)はステップS103に進む。本ステップでは、代表移動体20となるか否かを直接利用者に問うようにしてもよいし、本実施例では代表移動体20のみが目的地を入力するので、後述するステップで入力する目的地の入力と、参加意思の入力のいずれかを入力させるようにして、目的地が入力された場合代表移動体20となると判断してもよい。
【0052】
次に、ステップS102において、目的地を操作部56から入力してステップS104に進む。
【0053】
一方、ステップS103においては、参加意思を操作部56から入力してステップS104に進む。参加意思とは、代表移動体20が設定した目的地に向かい、代表移動体20や他の従属移動体30または40との到着時間差情報や待ち時間活用情報を受信することへ参加することである。本ステップでは、例えば、代表移動体20となる移動体を特定できる利用者名やID情報や等を入力することで参加意思情報とする。
【0054】
次に、ステップS104において、目的地に向かうための交通手段を操作部56から入力してステップS105に進む。交通手段としては、自動車、バイク、自転車などの利用者が運転するものや、鉄道、バスなどの公共交通機関に加えて、徒歩のみによる移動も含むものとする。
【0055】
次に、ステップS105において、到着時間差の算出頻度や施設所用時間の設定などの各種設定が必要か否かを判断し、必要である場合(YESの場合)は、ステップS106に進み、必要でない場合(NOの場合)はステップS107に進む。この設定は代表移動体20のみ行うことができるので、従属移動体30、40となった場合は自動的にNOと判断される。代表移動体20の場合は、本ステップで各種設定の要否を操作部56から入力する。到着時間差の算出頻度や施設所用時間を設定しない場合は、サーバ10に予め設定されている算出頻度や施設所用時間を利用する。
【0056】
次に、ステップS106において、到着時間差の算出頻度や施設所用時間の設定を操作部56から入力してステップS107に進む。施設所用時間は施設データベース15に設定されているが、利用者の好みに応じて変更してもよい。例えば、施設の用途としてトイレは10分、食事は1時間などと設定し、サーバ10で待ち時間活用情報を生成する際には、本ステップでの設定を施設データベース15の設定よりも優先させる。
【0057】
次に、現在位置取得工程としてのステップS107において、GPS受信部53が求めた現在位置情報を取得してステップS108に進む。即ち、移動体の現在位置を取得している。
【0058】
次に、出力工程としてのステップS108において、ステップS101〜S107で入力や取得された情報をサーバ10に送信してステップS109に進む。即ち、現在位置取得部が取得した現在位置を出力している。
【0059】
次に、入力工程としてのステップS109において、サーバ10から情報(到着時間差情報や待ち時間活用情報)を通信部52で受信したか否かを判断し、受信した場合(YESの場合)はステップS110に進み、受信しない場合(NOの場合)はステップS111に進む。本ステップでは、ステップS108で送信した情報に基づいてサーバ10で処理した結果の情報や更新された情報を受信したことを判断している。即ち、移動体を含む複数の移動体が向かう所定の位置に、複数の移動体のうち最も遅く所定の位置に到着する移動体との到着時間差の情報と各移動体の移動経路上に位置する所定の施設に関する情報が入力されている。
【0060】
次に、提供工程としてのステップS110において、ステップS109で受信した情報(到着時間差情報や待ち時間活用情報)を表示部57に表示させてステップS111に進む。即ち、入力部に入力された到着時間差の情報と各移動体が前記所定の位置まで移動する際に利用することができる所定の施設に関する情報を利用者に提供している。
【0061】
次に、ステップS111において、目的地に到着したか否かを判断し、到着した場合(YESの場合)は終了し、到着しない場合(NOの場合)はステップS107に戻る。目的地に到着したか否かは、サーバ10から目的地に到着したことを示す情報を取得してもよいし、自身の現在位置と目的地とが一致したことで判断してもよい。
【0062】
なお、
図3に示したフローチャートでは各情報を入力や取得した後にサーバ10に送信しているが、各ステップを実行した時点で、それぞれの情報をサーバ10に送信するようにしてもよい。
【0063】
次に、サーバ10の動作を
図4に示したフローチャートを参照して説明する。
図4に示したフローチャートは制御部11で実行される。
【0064】
まず、現在位置情報取得工程、所定位置情報取得工程としてのステップS201において、入力α、β、γを受信してステップS202に進む。入力α、β、γとは、代表移動体20および従属移動体30、40から送信された現在位置情報などであり、入力αは、代表移動体20から送信された目的地、交通手段、各種設定情報、現在位置情報が含まれ、入力βは、従属移動体30から送信された参加意思情報、交通手段、現在位置情報が含まれ、入力γは、従属移動体40から送信された参加意思情報、交通手段、現在位置情報が含まれている。即ち、複数の移動体のそれぞれの現在位置の情報を取得し、複数の移動体が向かう所定の位置の情報を取得している。
【0065】
次に、ステップS202において、入力α、β、γに基づいて、移動体ごとに現在位置から目的地までの所要時間を算出してステップS203に進む。つまり、代表移動体20、従属移動体30、40それぞれの現在位置情報と交通手段から、目的地までの所要時間を算出する。交通手段が自動車、バイク、自転車などの利用者が運転したり、徒歩のみなど主に道路を利用して移動するものである場合は、地図データベース13に格納されている地図データに基づいて算出し、交通手段が鉄道、バスなどの公共交通機関である場合は、公共交通機関データベース14に基づいて算出する。即ち、複数の移動体のそれぞれについて、現在位置から所定の位置まで移動する際の所要時間を算出している。
【0066】
次に、ステップS203において、ステップS202で算出した所要時間のうち、最大値を算出してステップS204に進む。最大値は、例えば各移動体の所要時間をそれぞれ比較して求めればよい。
【0067】
次に、到着時間差算出工程としてのステップS204において、各移動体の到着時間差を算出してステップS205に進む。本ステップでは、例えば、ステップS203で求めた所要時間の最大値からステップS202で算出した所要時間を減算することで到着時間差を算出する。この到着時間差が目的地における待ち時間となる。即ち、現在位置情報取得部が取得した現在位置の情報と所定位置情報取得部が取得した所定の位置の情報に基づいて、複数の移動体のうち最も遅く所定の位置に到着する移動体と他の移動体との到着時間差を算出している。
【0068】
次に、ステップS205において、ステップS204で算出した各移動体の到着時間差から、各移動体の移動経路上に位置する利用可能施設を抽出してステップS206に進む。この利用可能施設は、例えば、ある移動体の最終到着移動体に対する到着時間差が1時間であった場合は、その移動体の移動経路上やその近傍または目的地周辺にある施設データベース15やステップS104で設定した施設所用時間が1時間以内の施設を抽出する。即ち、各移動体が前記所定の位置まで移動する際に利用することができる所定の施設に関する情報を生成している。
【0069】
次に、情報出力工程としてのステップS206において、各移動体に所要時間、到着時間差を含む到着時間差情報と、利用可能施設の名称や用途(トイレ、食事など)、位置情報(緯度、経度または所在地)等を含む待ち時間活用情報を通信部12から送信してステップS207に進む。即ち、到着時間差の情報を出力している。
【0070】
次に、ステップS207において、全移動体が目的地に到着したか否かを判断し、到着した場合(YESの場合)は終了し、到着しない場合(NOの場合)はステップS208に進む。目的地に到着したか否かは、代表移動体20から入力された目的地の位置情報と、各移動体から送信される現在位置情報が一致した(あるいは所定の範囲内にある)場合は目的に到着したと判断すればよい。
【0071】
次に、ステップS208において、交通状況に変化が生じたか否かを判断し、変化が生じた場合はステップS201に戻り、生じない場合はステップ209に進む。交通状況の変化とは、例えば、道路の渋滞や事故、鉄道の遅延や事故などステップS202で算出した所要時間、つまり到着時間差が変化する要因である。道路の渋滞や事故、鉄道の遅延などの情報は、サーバ10の外部からインターネット等を介して取得することで判断可能となる。即ち、到着時間差が変化する要因となる情報に基づいて、到着時間差を算出する。
【0072】
次に、ステップS209において、情報更新頻度の時間に達したか否かを判断し、達した場合はステップS201に戻り、達しない場合はステップS207に戻る。情報更新頻度とは、予め定めた到着時間差情報や待ち時間活用情報の更新時間間隔であり、その時間間隔(更新頻度)に達する毎に定期的に到着時間差情報や待ち時間活用情報を更新する。即ち、予め定めた所定時間間隔で到着時間差を算出する。
【0073】
ステップS208やS209では、交通状況の変化は生じた場合や情報更新頻度に達した場合はステップS201に戻り、少なくとも各移動体の現在位置情報を得て到着時間差情報や待ち時間活用情報を更新する。
【0074】
ここで、
図3および
図4のフローチャートを実行した際のナビゲーション装置50の表示部57への具体的表示例を
図5乃至
図7を参照して説明する。
【0075】
図5は、表示部57への表示例を示した図である。移動体としてA、B、Cがあり、交通手段は、A、Cが自動車で、Bが鉄道とする。図中旗印が目的地である。
図5の例では、Aが自身(
図5の表示を行っているナビゲーション装置50が配置されている移動体)であり、Cが最後に到着する移動体(最終到着者)とする。そして、図中A、B、Cが示されている位置は、それぞれの移動体の現在位置である。それぞれの移動体の現在位置から目的地までの線a、b、cはそれぞれの移動体の経路を示している。なお、
図5では省略したが、現在位置、目的地、経路は地図上に表示されている。
【0076】
また、
図5では、上方に「C到着時刻XX:XXに対しXX分余裕があります」などと表示して、最終到着者の到着時間と、最終到着者と自身の到着時間差(待ち時間)を表示している。また、自身の経路a上に「コンビニ(トイレ有)」や「XXサービスエリア」などと表示して、待ち時間活用情報として受信した利用可能施設名等を表示している。
【0077】
また、
図5の表示において、最終到着者の経路の色を変えたり、自身の経路の色を変えたりして表示してもよい。また、表示されている施設名を選択することで、当該施設の詳細情報が表示されるようにしてもよいし、当該施設への案内を行うようにしてもよい。即ち、所定の施設に関する情報には、当該所定の施設への案内情報が含まれていてもよい。
【0078】
図6は、表示部57への他の表示例を示した図である。例えば携帯端末のように画面が狭い場合の例である。
図5の場合は、全ての移動体の経路を示していたが、
図6では、自身の経路のみを表示している。
図6(a)の場合は交通手段として鉄道(Y駅から鉄道を利用する)の表示例である。
図6(a)の待ち時間活用情報としては、Y駅の手前にレストランXXがあることを表示している。
図6(b)の場合は最終到達者の場合の表示例である。最終到達者の場合は待ち時間(到着時間差)が0であるので、待ち時間活用情報は無い(表示されない)。
【0079】
図7は、地図上の表示ではなくテキスト情報として表示した場合の例である。表示内容は
図6(a)に準ずる。
図7(b)のようにすることで、提供する情報のデータサイズを小さくすることができ、データ通信が低速な場合や情報提供装置のメモリが少ない場合でもこれらの到着時間差情報や待ち時間活用情報を提供することができる。
【0080】
本実施例によれば、サーバ10が、通信部12から複数の移動体のそれぞれの現在位置情報と、代表移動体20から複数の移動体が向かう目的地の情報を取得し、制御部11で、取得した現在位置情報と目的地の情報に基づいて、複数の移動体のうち最も遅く目的地に到着する移動体と他の移動体との到着時間差を算出して、通信部12から到着時間差を複数の移動体に送信するので、複数の移動体が目的地まで移動する際に、目的地における到着時間差である待ち時間を知ることができるために、その待ち時間に応じた行動を取ることができることから、待ち時間を有効に利用することができる。
【0081】
また、サーバ10の制御部11が、複数の移動体のそれぞれについて、到着時間差に基づいて、各移動体の移動経路上に位置する利用施設に関する情報を含む待ち時間活用情報を生成して送信するので、待ち時間に立ち寄れる店舗等の施設の情報を利用者が得ることができ、待ち時間を有効に活用するための情報を利用者に提示することができる。
【0082】
また、待ち時間活用情報に施設への案内情報が含まれているので、待ち時間を有効に利用する施設への詳細な経路を知らなくとも迷わず辿り着けることができる。
【0083】
また、サーバ10の制御部11が、交通状況に変化が生じたかを判断して、変化が生じた場合は、到着時間差を再度算出するので、渋滞や交通機関等の遅延などの要因により到着時間差が変化した場合でも到着時間差を更新することができ、待ち時間の算出精度を高くすることができる。
【0084】
また、サーバ10の制御部11が、情報更新頻度で到着時間差を算出して更新しているので、複数の移動体の移動中に到着時間差を補正することができ、より精度良く待ち時間を把握することができる。
【0085】
また、ナビゲーション装置50が、GPS受信部53で現在位置を取得し、通信部52から現在位置を送信し、通信部52は、到着時間差情報と待ち時間活用情報を受信し、表示部57が入力された到着時間差情報と待ち時間活用情報を利用者に提供するので、現在位置を取得して送信し、その現在位置に基づいて算出された到着時間差情報を受信して利用者に提供されるために、自身と他の移動体との到着時間差である待ち時間を知ることができる。また、待ち時間活用情報を受信することで、待ち時間を有効に活用するための情報を利用者に提供することができる。
【0086】
なお、上述した実施例では、到着時間差を所要時間で算出したが、目的地などの所定の位置に到着する予定到着時刻から算出してもよい。
【0087】
また、上述した実施例では、参加意思を入力することで従属移動体30、40となっていたが、代表移動体20が、従属移動体となる利用者のID等を予め登録することで、従属移動体30、40を特定するようにしてもよい。
【0088】
また、上述した実施例において、ナビゲーション装置50に表示する地図データは、ナビゲーション装置50に格納されていてもよいし、サーバ10または他のサーバ等から受信するようにしてもよい。
【0089】
また、上述した実施例では、提供部として表示部57を示したが、音声出力部58から音声で各情報を提供するようにしてもよい。また、表示部57と音声出力部58を併用して画像(文字)と音声で各情報を提供するようにしてもよい。また、
図3のフローチャートで目的地等の入力の際に操作部56を用いたが音声入力としてもよい。
【0090】
また、情報提供装置としてはナビゲーション装置50に限らず、携帯電話やスマートフォン等の携帯端末やタブレット型のパーソナルコンピュータなどでもよい。また、移動体に配置される情報提供装置が案内機能(ナビゲーション機能)を持っていなくともよく、サーバ10から目的地や待ち時間活用情報に示した施設への案内情報を受信するようにしてもよい。
【0091】
前述した実施例によれば、以下のサーバ10、情報処理方法およびナビゲーション装置50、情報提供方法が得られる。
【0092】
(付記1)代表移動体20、従属移動体30、40のそれぞれの現在位置情報を取得する通信部12と、
代表移動体20、従属移動体30、40が向かう目的地の情報を取得する通信部12と、
通信部12が取得した現在位置情報と通信部12が取得した目的地の情報に基づいて、代表移動体20、従属移動体30、40のうち最も遅く目的地に到着する移動体と他の移動体との到着時間差を算出する制御部11と、
到着時間差を出力する通信部12と、
を備えていることを特徴とするサーバ10。
【0093】
(付記2)代表移動体20、従属移動体30、40のそれぞれの現在位置情報を取得するステップS201と、
代表移動体20、従属移動体30、40が向かう目的の情報を取得するステップS201と、
ステップS201で取得した現在位置情報とステップS201で取得した目的地の情報に基づいて、複数の移動体のうち最も遅く目的地に到着する移動体と他の移動体との到着時間差を算出するS204と、
到着時間差を出力するS206と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【0094】
これらのサーバ10、情報処理方法によれば、代表移動体20、従属移動体30、40が所定の位置まで移動する際に、所定の位置における到着時間差である待ち時間が出力されて知ることができる。そのため、待ち時間に応じた行動を取ることができることから、待ち時間を有効に利用することができる。
【0095】
(付記3)代表移動体20に配置されるナビゲーション装置50であって、
代表移動体20の現在位置を取得するGPS受信部53と、
GPS受信部53が取得した現在位置を出力する通信部52と、
代表移動体20を含む代表移動体20、従属移動体30、40が向かう目的地に、代表移動体20、従属移動体30、40のうち最も遅く目的地に到着する移動体との到着時間差が入力される通信部52と、
通信部52に入力された到着時間差の情報を利用者に提供する表示部57と、
を備えていることを特徴とするナビゲーション装置50。
【0096】
(付記4)代表移動体20に配置されるナビゲーション装置50の情報提供方法であって、
代表移動体20の現在位置を取得するステップS107と、
ステップS105で取得した現在位置を出力するステップS108と、
代表移動体20を含む代表移動体20、従属移動体30、40が向かう目的地に、代表移動体20、従属移動体30、40のうち最も遅く目的地に到着する移動体との到着時間差が入力されるステップS109と、
ステップS109で入力された到着時間差の情報を利用者に提供するステップS110と、
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【0097】
これらのナビゲーション装置50、情報処理方法によれば、現在位置を取得して出力し、その現在位置に基づいて算出された到着時間差が入力され、利用者に提供されるために、自身と他の移動体との到着時間差である待ち時間を知ることができる。
【0098】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。