特許第6061646号(P6061646)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061646
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】レーダアンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20170106BHJP
   H01Q 1/42 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   H01Q1/12 E
   H01Q1/42
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-258704(P2012-258704)
(22)【出願日】2012年11月27日
(65)【公開番号】特開2014-107680(P2014-107680A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】宮川 哲也
(72)【発明者】
【氏名】厚見 浩史
(72)【発明者】
【氏名】古郡 一義
(72)【発明者】
【氏名】小田 誠
【審査官】 佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−227204(JP,A)
【文献】 米国特許第03234558(US,A)
【文献】 英国特許出願公開第00642825(GB,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0122017(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12
H01Q 1/42
H01Q 13/00− 13/28
H01Q 19/24
H01Q 21/00− 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波放射方向の前方に設けられた誘電体、及び、当該誘電体を覆うアンテナケースを備えるアンテナ部と、
支持台と、
前記アンテナ部と前記支持台との間に取り付けられ、前記アンテナ部を前記支持台から離間し、内部に中空状の中空部が形成される複数の支持棒と、
記アンテナ部に接続された同軸ケーブル又は導波管と、
を備え
複数の前記支持棒の少なくとも1つは、前記アンテナ部に近づくに従って前記アンテナ部の長手方向の端部に近づくように傾斜して配置されており、
前記同軸ケーブル又は前記導波管は、当該支持棒の内部に形成された前記中空部に配置されることで前記支持棒と同じ方向に傾斜しつつ前記アンテナケースの内部に接続されており、外部に露出されていないことを特徴とするレーダアンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載のレーダアンテナであって、
前記支持棒を2つ備え、
前記支持棒の間隔が、前記アンテナ部に近づくに従って広くなることを特徴とするレーダアンテナ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のレーダアンテナであって、
前記アンテナ部は、エンドフィード型であることを特徴とするレーダアンテナ。
【請求項4】
請求項1からまでの何れか一項に記載のレーダアンテナであって、
孔部が形成された筐体部を備え、
前記同軸ケーブル又は前記導波管は、前記筐体部に形成された孔部と、前記支持棒を貫通するように形成された前記中空部と、を通過するように配置されていることを特徴とするレーダアンテナ。
【請求項5】
請求項1からまでの何れか一項に記載のレーダアンテナであって、
複数の前記支持棒は、前記アンテナ部に近づくに従って電波放射方向の後方側に近づくように傾斜していることを特徴とするレーダアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体を有するアンテナ部を備えたレーダアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アンテナ部と、筐体部と、を備えるレーダアンテナが知られている。アンテナ部は、電波を外部へ放射する。筐体部は、前記アンテナ部を回転させるモータや、前記アンテナ部へ電波を供給する同軸ケーブル等が内蔵されている。
【0003】
また、アンテナ部には様々な種類が存在するが、例えば、開口部の断面が徐々に広くなるような形状(ホーン形状、ラッパ形状)のアンテナ部が従来から知られている。このホーン形状のアンテナ部を支持する場合、ホーン部分の真下や後ろ等に金属等を配置してもビーム形成に影響がないことが知られている。そのため従来では、ホーン形状のアンテナ部を安定的に支持するために、アンテナ部を筐体に直接的(取付板を介する程度)に取り付けることが一般的である。
【0004】
また、特許文献1は、誘電体を有するアンテナ部を開示する。このアンテナ部は、2枚の誘電体平板を向かい合わせて構成される誘電体導波機構を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平3−42723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のように誘電体を含むアンテナ部は、周囲に金属等が配置されると、ビーム形成を適切に行うことができなくなる。従って、従来のホーン形状のアンテナ部とは異なり、誘電体を含むアンテナ部は、筐体の近傍に配置しないことが好ましい。
【0007】
従って、誘電体を含むアンテナ部は、筐体部から離れるように支持されることが好ましい。ここで、筐体部とアンテナ部とが離れてしまう場合、両者を繋ぐ同軸ケーブル等が外部に露出してしまうことが考えられる。
【0008】
そのため、同軸ケーブルの外部に露出する部分は、紫外線対策等が必要となる。また、船舶用レーダ装置の場合、露出したケーブル等に、海水が掛かったり、風圧によって力を受けたりすることが考えられるので、これらの対策も必要となる。従って、レーダアンテナの製造コストが増大してしまう。
【0009】
また、同軸ケーブルが外部に露出する場合、レーダアンテナの外観が雑然としたものとなり、デザイン上の観点からも好ましくない。
【0010】
しかし、特許文献1の構成は、誘電体を含むアンテナ部の形状を開示するにとどまり、同軸ケーブルや導波管をどのように接続するか又はどのように保護するかまでは開示していない。
【0011】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、アンテナ部と筐体とを接続する同軸ケーブル等を簡単な構成で保護するレーダアンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0012】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0013】
本発明の観点によれば、以下の構成のレーダアンテナが提供される。即ち、このレーダアンテナは、アンテナ部と、支持台と、複数の支持棒と、同軸ケーブル又は導波管と、を備える。前記アンテナ部は、電波放射方向の前方に設けられた誘電体、及び、当該誘電体を覆うアンテナケースを備える。前記支持棒は、前記アンテナ部と前記支持台との間に取り付けられ、前記アンテナ部を前記支持台から離間し、内部に中空状の中空部が形成される。前記同軸ケーブル又は前記導波管は、前記アンテナ部に接続される。複数の前記支持棒の少なくとも1つは、前記アンテナ部に近づくに従って前記アンテナ部の長手方向の端部に近づくように傾斜して配置されており、前記同軸ケーブル又は前記導波管は、当該支持棒の内部に形成された前記中空部に配置されることで前記支持棒と同じ方向に傾斜しつつ前記アンテナケースの内部に接続されており、外部に露出されていない。
【0014】
これにより、同軸ケーブル又は導波管が外部に露出しないので、同軸ケーブル等の耐環境性を向上させることができる。あるいは、同軸ケーブルを保護するための部材を省略又は簡略化できるので、コストを低減できる。更には、レーダアンテナの外観をシンプルにすることができる。また、複数の支持棒でアンテナ部を支持することで、安定的にアンテナ部を支持することができる。特に、アンテナに向かって風が吹いている場合であっても、複数の支持棒の間から風を通過させることができるので、レーダアンテナを安定させることができる。また、支持棒を傾斜させることで、アンテナ部を中央で支持する構成と比較して、アンテナ部をより安定的に支持することができる。また、例えばアンテナ部の長手方向の端部側へ同軸ケーブル等を配置したい場合、同軸ケーブル等を大きく曲げなくて良いため、同軸ケーブル等に対する負荷を軽減できる。
【0019】
前記のレーダアンテナにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記レーダアンテナは、前記支持棒を2つ備える。前記支持棒の間隔が、前記アンテナ部に近づくに従って広くなる。
【0020】
これにより、支持棒が2本であっても、アンテナ部を安定的に支持することができる。
【0021】
前記のレーダアンテナにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記アンテナ部は、エンドフィード型である
【0022】
これにより、エンドフィード型のアンテナ部はアンテナの長手方向の端部まで同軸ケーブルを繋げる必要があるので、支持棒の傾斜を有効に活用して同軸ケーブルを配置できる。
【0023】
前記のレーダアンテナにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、このレーダアンテナは、孔部が形成された筐体部を備える。前記同軸ケーブル又は前記導波管は、前記筐体部に形成された孔部と、前記支持棒を貫通するように形成された前記中空部と、を通過するように配置されている。
【0024】
これにより、アンテナ部から筐体部までの間に配置されるケーブル等が完全に覆われることとなるので、ケーブル等の耐環境性を一層向上させることができる。
【0025】
前記のレーダアンテナにおいては、前記複数の支持棒は、前記アンテナ部に近づくに従って電波放射方向の後方側に近づくように傾斜していることが好ましい。
【0026】
一般的に、支持棒は、誘電体を備えるアンテナ部を支持する場合は、電波特性の影響を抑えるために、電波放射方向の後方側を支持する。従って、支持棒を上述のように傾斜させることで、アンテナ部の重心と回転中心とを近づけることができる。従って、アンテナ部を安定的に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態に係るレーダアンテナの概略正面図。
図2】レーダアンテナの概略側面図。
図3】アンテナ支持部の正面図。
図4】アンテナ支持部の断面斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るレーダアンテナの概略正面図である。図2は、レーダアンテナの概略側面図である。
【0031】
レーダアンテナ10は、パルス状の電波を放射するとともに、この放射した電波の反射波を受信する。レーダアンテナ10は、水平面内で回転しながら、電波の送受信を繰り返し行うように構成されている。レーダアンテナ10が受信した反射波は、図略の送受信部や指示器等で解析される。これにより、レーダアンテナ10の周囲の物標の位置及び速度等を取得することができる。
【0032】
図1及び図2に示すように、レーダアンテナ10は、筐体部20と、アンテナ支持部30と、誘電体を有するアンテナ部40と、を備える。
【0033】
筐体部20は、様々な装置が収容された箱状の部材である。筐体部20は、例えば、アンテナ部40を回転させるための回転軸21を駆動するモータや、アンテナ部40が放射する電波を生成する回路やマグネトロン等を備えている。また、筐体部20とアンテナ部40とは同軸ケーブル(又は導波管等)で接続されており、アンテナ部40は、筐体部20が供給した電波を外部に放射することができる。
【0034】
上述のように、誘電体を有するアンテナ部40は、電波放射方向の前方又は前斜め方向に金属等が存在すると適切にビーム形成を行うことができない。本実施形態では、この点を考慮して、FRP(繊維強化プラスチック)製のアンテナ支持部30を備える。
【0035】
アンテナ支持部30は、後述の支持棒32,33によってアンテナ部40を筐体部20から離間する。これにより、筐体部20がビーム形成に与える影響を軽減することができる。なお、この離間する量は、放射する電波の1波長以上であることが好ましい(送信周波数が3GHzである場合は約10cm)。また、FRPは電波に影響を与えにくいという特性を有しているため、ビーム形成に影響を及ぼすことは殆どない。なお、アンテナ支持部30の材質は、電波に与える影響を考慮すると、FRPの中でもGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)であることが好ましい。
【0036】
また、FRP(GFRP)は、電波に与える影響が小さいだけでなく、軽量性、耐熱性、対腐食性にも優れる。特に、本実施形態は船舶用レーダ装置に用いられるので、強風を受けたり海水が掛かったりすることも考えられるため、FRPは好適である。
【0037】
以下、アンテナ支持部30の具体的な構成について説明する。図1及び図3に示すように、アンテナ支持部30は、支持台31と、支持棒32,33と、取付台34と、カバー35と、を備える。また、支持台31、支持棒32,33、取付台34、及びカバー35は、アンテナ部40と一体的に回転するように構成されている。また、支持棒32,33には、それぞれ中空部32a,33a及び固定部32b,33bが形成されている。
【0038】
支持台31は、筐体部20に取り付けられる板状の部材である。支持台31には、2本の支持棒32,33が接続されている。
【0039】
支持棒32,33は、円筒状の部材(外観が円柱状の部材)であり、支持台31と取付台34とを接続するように形成されている。また、支持棒32,33は、支持台31側における支持棒32,33の間隔よりも、取付台34側(アンテナ部40側)における支持棒32,33の間隔が広くなるように配置されている(略V字状に配置されている)。言い換えると、支持棒32,33は、取付台34(アンテナ部40)に近づくに従って、長手方向端部(図1を参照)に近づくように傾斜している(アンテナ部40の長手方向に向かって傾斜している)。
【0040】
また、支持棒32,33は、図2に示すように、取付台34(アンテナ部40)に近づくに従ってアンテナ部40の後方側(電波放射方向の後方側)に近づくように傾斜している。これは、以下の理由によるものである。
【0041】
即ち、誘電体を有するアンテナ部40は、ビーム形成に影響を与えることを防ぐために、電波放射方向の前方側にアンテナ支持部30が位置することは好ましくない。従って、アンテナ支持部30(支持棒32,33)は、アンテナ部40の後方側を支持する。
【0042】
そのため、仮に、アンテナ支持部30(支持棒32,33)が垂直に延びている場合、アンテナ部40の重心と、アンテナ部40を回転させるときの回転中心と、が大きく離れてしまう。この場合、回転中のアンテナ部40を安定的に支持することが難しくなる。
【0043】
この点、本実施形態では、支持棒32,33を電波放射方向の後方側に傾斜させることで、アンテナ部40の重心と、アンテナ部40の回転中心と、を近づけることができる。従って、回転中のアンテナ部40を安定的に支持することができる。
【0044】
また、支持棒32,33には、それぞれ、中空部32a,33aと、固定部32b,33bと、が形成されている。
【0045】
中空部32a,33aは、円筒状に構成される支持棒32,33の中空状の部分である。FRPは、部材を厚くするためには何層もFRPを形成していく必要があるため、中空状の部材を作成する方が中実状の部材を作成するよりも安価に製造できる。
【0046】
固定部32b,33bは、取付台34との接触部分において形成された平板状の部分である。固定部32b,33bには、貫通孔が形成されており、この貫通孔に固定具(ボルト等)を差し込むことで、取付台34に支持棒32,33を固定することができる。
【0047】
取付台34は、支持棒32,33とアンテナ部40との間に配置される。取付台34は、断面L字状の細長状の部材であり、アンテナ部40の下面(筐体部20側の面)及び後面(電波放射方向の後方側の面)と接触するようにして、当該アンテナ部40に取り付けられる。なお、取付台34を断面L字状にすることにより、アンテナ部40を確実に固定できる他、取付台34の強度を向上させることができる。
【0048】
カバー35は、支持棒32と支持棒33との間を覆っている。
【0049】
アンテナ部40は、エンドフィード型のスロットアレイアンテナであり、図2に矢印で示す方向に電波を放射可能である。図2等に示すように、アンテナ部40は、アンテナケース41と、放射部42と、複数の誘電体部43と、を備える。
【0050】
アンテナケース41は、アンテナ部40を構成する各部材を覆うためのケースである。なお、レーダアンテナ10の内部を見易くするために、図2等においては、アンテナケース41の輪郭のみを示している。
【0051】
放射部42は、同軸ケーブル等によって供給された電波を外部へ放射する。放射部42は、例えば、アンテナ部40の長手方向に沿って形成される放射用導波管等から構成される。放射用導波管は、金属製の管状の部材であり、スリットが所定の間隔で形成されている。放射用導波管は、同軸ケーブル等によって供給された電波を、このスリットから外部(電波放射側)へ放射する。
【0052】
アンテナ部40の電波放射側の前方には、発泡誘電体等を素材とする誘電体部43が配置されている。具体的には、所定の間隔を空けて互いに平行に配置された2枚の誘電体の外側に、更に2枚の誘電体が配置されている。放射部42が放射する電波は、この誘電体部43の間隔に応じて指向角(垂直方向のビーム幅)が抑えられる。なお、指向角は、誘電体部43の間隔だけでなく、誘電率を変更することによっても調整することができる。
【0053】
以上の構成により、レーダアンテナ10は、マグネトロン等を用いて発生させた電波を、所定の指向角で外部に放射することができる。
【0054】
次に、筐体部20とアンテナ部40とを接続する同軸ケーブルの配置について説明する。
【0055】
上述のように、筐体部20には、アンテナ部40が放射する電波を生成するマグネトロン又は回路等が設けられている。ここで生成された電波は、同軸ケーブル50によって、アンテナ部40に供給される。具体的には、図2に示すように、筐体部20の上面(アンテナ部40側の面)には孔が形成されており、同軸ケーブル50は、この孔を介して筐体部20からアンテナ支持部30まで延びている。
【0056】
図3に示すように、アンテナ支持部30のカバー35の内側には、コネクタ51が配置されている。コネクタ51は、筐体部20から延びた同軸ケーブル50と、アンテナ部40に向けて延びる同軸ケーブル50と、を接続する部品である。
【0057】
コネクタ51からアンテナ部40に向けて延びる同軸ケーブル50は、支持棒33の内部(中空部33a)を通過して、アンテナ部40の放射部42に接続される。この構成により、筐体部20で発生させた電波をアンテナ部40に供給することができる。
【0058】
次に、同軸ケーブル50が支持棒33内を通過する本実施形態の構成と、同軸ケーブル50がアンテナ支持部30の外側を通過する構成(比較例)と、を比較する。
【0059】
比較例では、同軸ケーブル50が外部に露出するので、同軸ケーブル50に紫外線対策、風対策、及び浸水対策等を施す必要がある。この点、本実施形態では、同軸ケーブル50は支持棒33に覆われているので、上記の対策を施す必要が無い。従って、レーダアンテナ10のコストを低減させることができる。
【0060】
また、比較例では、同軸ケーブル50が外部に露出するので、デザイン上の観点からも雑然とした印象を与えてしまう。この点、本実施形態では、同軸ケーブル50が外部に露出しないので、デザインをすっきりさせる(シンプルにする)ことができる。
【0061】
また、アンテナ部40はエンドフィード型なので、アンテナ部40の端部まで同軸ケーブル50を配置する必要がある。また、同軸ケーブル50はあまり大きく曲げないことが好ましい。従って、理想的には、図3等に示すように緩やかに湾曲するように同軸ケーブル50を配置することが好ましい。しかし、比較例では、このように同軸ケーブル50を配置すると、同軸ケーブル50の露出部分が長くなってしまう。この場合、レーダアンテナ10のコスト面及びデザイン面が更に悪化してしまう。
【0062】
この点、本実施形態のように、アンテナ部40の長手方向の端部側に傾斜した支持棒33の内部を通過するように同軸ケーブル50を配置することで、理想的な同軸ケーブル50の配置を実現できる。つまり、本実施形態の構成は、エンドフィード型のアンテナ部40に特に有効である。
【0063】
以上に説明したように、本実施形態のレーダアンテナ10は、アンテナ部40と、支持台31と、支持棒32,33と、同軸ケーブル50と、を備える。アンテナ部40は、電波放射方向の前方に誘電体部43が設けられる。支持棒32,33は、アンテナ部40と支持台31との間に取り付けられ、アンテナ部40を支持台31から離間し、内部に中空状の中空部32a,33aが形成される。同軸ケーブル50は、中空部33aを通ってアンテナ部40に接続される。
【0064】
これにより、同軸ケーブル50が外部に露出しないので、同軸ケーブル50の耐環境性を向上させることができる。あるいは、同軸ケーブル50を保護するための部材を省略又は簡略化できるので、コストを低減できる。更には、レーダアンテナ10の外観をシンプルにすることができる。
【0065】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0066】
上記実施形態では、中空部33aに同軸ケーブル50を通す構成を開示したが、同軸ケーブル50以外にも、様々なケーブルを通すことができる。例えば、アンテナ部40に何らかのセンサを取り付け、センサの給電及び情報伝達のためのケーブルが中空部を通過する構成であっても良い。
【0067】
更には、同軸ケーブル50の代わりに導波管が中空部を通過する構成であっても良い。なお、導波管は曲げることが好ましくないため、この構成は、センターフィード型のアンテナに適用することが好ましい。
【0068】
支持棒32,33の数は2つに限られず、1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。
【0069】
支持棒32,33の設置角度は任意であり、電波放射方向の後方及び長手方向の端部側に傾斜していなくても良い。また、支持棒32,33は、中空部32a,33aが形成されていれば形状は任意であり、角パイプ状であっても良い。
【0070】
本発明は、船舶用のレーダアンテナに限られず、他の移動体(航行体)に設けるレーダアンテナに適用することができる。また、固定点で観測を行うレーダ装置のレーダアンテナにも適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
10 レーダアンテナ
20 筐体部
30 アンテナ支持部
31 支持台
32,33 支持棒
32a,33a 中空部
32b,33b 固定部
34 取付台
40 アンテナ部
41 アンテナケース
42 放射部
43 誘電体部
図1
図2
図3
図4