【実施例1】
【0032】
図1〜
図5によって、本発明の実施例1を説明する。
図1〜
図4を用いて時計、及び表示板に関連する部材の構造について述べ、
図5によって光透過性基板の各部の光透過率について説明する。
【0033】
図1は実施例1の時計の正面図である。この時計は三針式の指針式時刻表示と共に、2個の小針を用いて日と曜を表示する。1はケース胴で、時計の内部機構を収納する。時計は背面に裏蓋を有するがそれは図示されていない。2はバンド用足であって、ケース胴1の背面に嵌め込まれる裏蓋と一体に形成されている。
【0034】
3は風防ガラスで時計の前面を覆い、周縁部でケース胴1に固着されている。なお表示に関係する部材は全て透明である風防ガラス3の奥にあるが、見えるとおりに実線で記載
されている。4はガード部材で、風防ガラス3を左右から抱くように保護すると共に時計デザイン上のアクセントとしての役割を持ち、時計の裏面で裏蓋にネジ止めされている。13はりゅうずである。なお風防ガラス3の外周部の裏面には、時刻表示用の目盛31が印刷されている。
【0035】
5は見返しリングで、風防ガラス3のすぐ奥に位置する。上面側(視認側)には時刻表示の指標である時字A51が一体的に設けられている。時字は1〜12の各方向にある棒状の突起であるが、時字A51はその内1,2、4、5、6、7、8、10、11、12時方向にある部材であり、合計11本ある(12時方向には平行に2本あるので)。
【0036】
6は環状部材であり、2つの環状部6a、及びそれらを一体に連結している連結部6bより成るめがね状の部材である。通常時刻を表示するための秒針8、分針9、時針10は、風防ガラス3の背面と環状部材6及び時字A51の上面(視認側)との間隙空間内で回転する。2つの環状部6aはそれぞれの上面に日目盛61、曜目盛62を有し、またそれぞれの内部に沈めて配置された日針11、曜針12の回転によって日と曜を表示する。環状部材6の視認側の表面は、日目盛61と曜目盛62の部分を除き平滑である。
【0037】
7は光透過性基板で、見返しリング5及び環状部材6の奥に位置し、その見返しリング5の内縁5bの内側でかつ環状部材6に前方を妨げられずに露出している面が、表示板の要部として使用者に視認されると共に、この面から外光を取り込む。光透過性基板7の奥には、本図では図示しないソーラーセルを設け、取り込んだ外光で発電を行う。
【0038】
なお、本発明における表示板の定義について述べる。時計の一般的な使用者が表示板を構成する部材として認識するのは、最大の指針の回転範囲の直下及びその周辺近傍を占めて視認できる部材であろう。本実施例のような時計においては、光透過性基板、環状部材、見返しリング、時字などが該当するので、これら全部を表示板を構成する部材とすることもできるし、最も狭義には光透過性部材と環状部材のみを表示板と考えてもよい。
【0039】
また本発明の技術的範囲を規定しようとする場合、これらの部材の全部に言及することなく、一部のみの特徴を述べればよいことは当然である。
【0040】
図2は実施例1における、表示板に関連する部分のみを取り出して示す正面図であり、主要な部分の構造をより詳しく説明するものである。見返しリング5は、厚さ(背面からの高さ)が最大である頂上部5a、その上面(視認側の面)からその内側を光透過性基板7の上面(視認側の面)に向けて垂下する斜面状(円錐状)の面である斜面部5c、その内縁5bを有する。
【0041】
時字A51の各々は斜面部5cから上面(視認側)に突出するように成形されている。それら時字A51の上面は平面である。時字A51を含む見返しリング5は黒色セラミックスを成形した部材である。また頂上部5a、斜面部5c、及び時字A51の上部の面は平滑(光沢面)に仕上げられ、高級感を演出している。
【0042】
見返しリング5の内縁5bの左右(3時側及び9時側)には、円弧状切欠部5d及び矩形状切欠部5eを備える。円弧状切欠部5dは、環状部材6の2つの環状部6aの両外側(3時側及び9時側)の一部を収容している。矩形状切欠部5eは、光透過性基板7の上面に植設した時字B72の突出を許すためのものである。時字B72は3時方向と9時方向の時字であり、時字A51と比較すると、半径方向の見える部分の長さは短いが、上面の高さは等しい。
【0043】
図3は実施例1における光透過性基板と環状部材の結合を示す図であり、(a)は正面
図、(b)は断面図である。
図2の構成から見返しリング5を取除いて示した。両図より、光透過性基板7の周縁部は金属リング71によって補強されていること、その上面には時字B72が固着されていること(接着による)、時字B72に設けられた段差部72aに環状部材6の3時、9時側の各端部を乗せて位置決めしていることがわかる。また、環状部材6の下面は光透過性基板7の上面から時字B72の下部によって離間されている。
【0044】
光透過性基板7には、時刻表示用の指針の中心軸と、日針11、曜針12の各軸を通すための3個の指針軸穴7eを有する。その内、中心にある指針軸穴7eは、環状部材6の連結部に設けた指針軸穴6cと重なる。各指針軸穴7eには、指針軸を側面から見えなくするため、中心軸隠しパイプ73と、2個の小針軸隠しパイプ74が植設されている。これらのパイプ部材は黒色プラスチック製である。また、図示しない中枠に挿入されて光透過性基板7を位置決めするための干支足75が金属リング71の下面に溶接されている。
【0045】
図4は実施例1において、視認されることを避けたい部材の存在位置を示す正面図である。それらの部材は光透過性基板7の背後にあるもので、
図2において光透過性基板7が仮に透明であるか、極めて強い外光で照射された場合、その奥にあって視認できる部材が例えば何であるかを示している。
【0046】
それらは、時計ムーブメントの上部に配置される受光部材14(この実施例ではソーラーセル)、及び時計ムーブメントをケース胴1内で位置決め保持する中枠15である。受光部材14はその表面が濃い紫色である。中枠15は、その全体形状の説明を省略するが、
図4において中枠15が視認されるのは、受光部材14と時字A51や時字B72との間に位置する環状部分である。また、中枠15は、受光部材14と同様に濃い紫色に着色されている。受光部材14は分割線14aを備えるので目立ち易く、中枠は樹脂製であるので色は自由に選べ、濃い紫色に着色されているが、表面に凹凸があると部分的に光の反射率が変わるのでやはり目立ち易い。
【0047】
図5は実施例1の光透過性基板における光の透過率を領域別に示す正面図である。光透過性基板7は透明なサファイアガラスなどの材質からなる円板で、その一面にはCrなど黒色の材料を用いて半透明の蒸着膜が施されている。表面は更に環状部材6の配置に関連した複数の領域に区分される。
【0048】
光透過性基板7は、視認側及び背面側の面が平滑であり、背面側に蒸着や後述する印刷によって黒色に着色されていることと相まって、高級感を与えることができる。但し、視認側及び背面側の面が平滑であること、及び、黒色であることは、透けやすさの面では不利である。この点に関して、以下に説明するように、光透過性基板7が、色濃度が一様な黒色であるかのように視認され、透けるのが目立たなくなるように工夫をしている。
【0049】
外側領域7aは、組み立てられた表示板において、環状部材6のめがね状のほぼ外側を占める。この領域は面積が大きく、背後にある部材の面も大きいので、それらが強い外光でも視認され難いように光透過率は小さく設定される。例えば20%以下とするのが好ましい。光透過率を低下させるために、全面に施した前記蒸着膜に重ねて、ある程度の透光性を有する黒色印刷を施す。
【0050】
中心軸隠しパイプ73の左右(3時と9時の方向)にある円形の部分は、環状部材6のめがね状の環状部6aのほぼ内側に位置して視認される内側領域7uであって、この領域のそれぞれの部分は左右対称的に、外縁寄り領域7b、階調付与領域7c、最内側領域7dを有する。
【0051】
環状部材6は厚みを有し、また光透過性基板7から浮かして配置してあるため、時計の
使用者の左右いずれかの後方から時計の表示面(表示板面)に斜めに入射することが多い外光によって、その影が光透過性基板7の上に出来やすい。目立つ影が生じる主要な位置は、めがね状に配置された各環状部6a(例えば
図3)の内部で、3時側と9時側に寄った場所である。この影が生じ易い場所を
図5に示す、三日月形をした外縁寄り領域7bと想定している。
【0052】
外縁寄り領域7bの光透過率は、表示板面の外側に近くて背面に受光部材14や中枠15が配置される場所であるから、前述の外側領域7aと同様、蒸着膜に印刷層(黒色のベタ印刷、又は密な網目状に配置し隙間を減らしたドット印刷)を重ねて、透過率を低くして透けにくくする。この部分の光透過率は外側領域7aよりもやや抑えて5〜25%の範囲から、例えば10%程度とするとよい。外縁寄り領域7bは、色濃度を濃くしても、その部分は、環状部6aの影によって色濃度が濃くなっていると認識しやすく、違和感を感じにくい。
【0053】
両環状部6aの内部で視認される最も内側(時計の中心側)に設けた最内側領域7dは、時計面の中心からほぼ一定の距離以内にある光透過性基板7の領域であって、表示板面で最も光透過率が高く設定され、ソーラーセルの発電量を稼ぐことができる領域である。そのため、この部分には蒸着膜のみを残すこととし、印刷層を付加しない。この部分の光透過率は、蒸着膜のみの光透過率50〜60%に等しい。
【0054】
図5に示すように、外縁寄り領域7bと最内側領域7dに挟まれた部分円弧状をなす帯状の領域である階調付与領域7cを設ける。この部分には、蒸着層に重ねて、細かい網目上に配置された多数の黒色のドットを印刷する。ドットの配置の密度又は個々のドットの大きさは、外縁寄り領域7bに近いほど大きく、最内側領域7dに近いほど小さくする。階調付与領域7cの平均透過率は、外縁寄り領域7bの透過率と最内側領域7dの透過率の間の値である。
【0055】
こうすることにより、外光により自然に生じる影に合わせた色濃度を持つ外縁寄り領域7bと、光透過率の高い最内側領域7dの色調の間に自然なグラデーションが生じ、各領域の色濃度の違いやその境界を目立たせず、最内側領域7dの色濃度を薄めて発電能力を高く設定することができる。環状部6a内部全体について平均した光透過率を例えば約40%とすることができる。最内側領域7dにおいては厳密に言えば多少ソーラーセルの固有色が見えるが、それが目立つことはない。
【0056】
最内側領域7dと既述の外側領域7aとの間にはかなりの色濃度の差が生じているが、この差は、立体的に配置されて大きな存在感を示す環状部材6が両者の境界に存在するために、時計の使用者にはほとんど認識されることがない。
【0057】
仮に、環状部材6がなければ、最内側領域7dと外側領域7aとが互いに接することとなり、この接した部分の色濃度の違いを比較されるため、色濃度の違いに気が付きやすいが、環状部材6が位置する部分は環状部材6によって最内側領域7dと外側領域7aとの境界線が視認されず、これらの領域が環状部材6を挟んで離間した位置で視認されることにより、目の錯覚を生じやすく、色濃度の違いは識別され難い。
【0058】
また、環状部材6によって囲まれる内側領域7uの面積が外側領域7aの面積よりも小さいこと、内側領域7uが曜針12や日針11の奥に位置して内側領域7uよりも曜針12や日針11に着目しやすいこと、環状部材6に日目盛61や曜目盛62等の意味のある情報が設けられてこれらの情報に着目しやすいこと、内側領域7uの上を秒針8、分針9、時針10が通過してこれらの指針にも着目しやすいこと、さらに、内側領域7uの視認側や周囲に環状部材6及び曜針12や日針11及び秒針8や分針9や時針10が集中配置
されていることにより、内側領域7u内の平均透過率が外側領域7aの平均透過率より高いことや、内側領域7uに色濃度の違いや色濃度の階調が付与されていることに気が付きにくい。
【0059】
特に、外側領域7aは表示板に占める面積が広いため、仮に、強い外光によって透けると背面が視認される確率が高くなるが、内側領域7uは表示板に占める面積が小さいため、その部分の平均透過率を高く設定して外側領域よりも透けやすくしても、透けていることに気が付く確率が低くなり、色濃度の違いに違和感を感じにくい。さらに、受光部材14はその表面が濃い紫色のソーラーセルであり、中枠15も同様な色に着色されているため、黒色の光透過性基板7と同系色の部材がその背面に配置され、仮に、強い外光によって光透過性基板7が透けたとしても背面の部材が目立たない。
【0060】
従って、腕時計を見たときに、光透過性基板7における外側領域7aと内側領域7uが、色濃度が一様な黒色であるかのように視認されることとなり、さらに、強い外光が照射されても透けが目立たなくなる。
【0061】
尚、内側領域7uにおける色濃度の最も濃い領域、色濃度の最も薄い領域、色濃度の階調を付与する領域は、環状部材6の形状や、環状部6aの背面側に配置される部材に応じて設定することができる。例えば、環状部6a内の12時側に影ができやすかったり、12側の領域の背面側に透けたときに視認されやすい部材がある場合には、12側の色濃度を濃くして6時側の色濃度を薄くし、12時〜6時に向かう方向に階調を付与することができる。
【0062】
以上に述べたように、実施例1の時計の表示板は、外側領域において内部の部材が視認されることを避けつつ内側領域を含めて必要な平均光透過率を有し(ソーラーセル全面について平均した光透過率は、例えば約19%が確保されることが必要である)、時計の運針を行うのに十分な発電能力が得られるものである。しかも、光透過性基板7は、環状部材6の内外と外側とで色濃度が一様であるかのように視認され、時計の使用者に違和感を与えることがない。
【0063】
なお、光透過性基板7の各領域の色濃度の調整と透過率の管理をすべて蒸着で行うことができれば美しさの点では好ましいが、蒸着のみによる透過率の管理はかなり困難であるし、濃度変化を与えるために部分マスクを用いて繰り返し蒸着を行うことはコスト高になる。本実施例のように蒸着と印刷を組み合わせて各部の色と透過率を管理するのが最も現実的にすぐれている。
【0064】
<実施例1の変形例>
以下に実施例1の変形例について、そのいくつかを挙げる。
【0065】
(1)環状部材6の環状部6aの数は2個としたが、それには限定されない。例えば3個としてそれらの中心が、時計中心の指針軸の周囲に描いた三角形の頂点の位置に対応するように配置してもよく、また4個として、各環状部6aの中心が、時計中心の指針軸の回りに描いた四角形の頂点の位置に対応するように配置してもよい。また、例えば、1個として、任意の位置に配置しても良い。
【0066】
(2)実施例1では外側領域7aを全面にわたって同じ濃度の低い光透過率としたが、外側領域においても部分的に光透過率を変化させてもよい。例えば、めがね状の環状部6aの外側で時計中心の指針軸に近い部分を
図5の最内側領域7dのように高い光透過率とする。更にその周囲に階調付与領域を設けるとよい。こうして、全体の平均的光透過率を更に上げるか、あるいは表示板の中心部の光透過率を上げ、代りに周辺部の濃度(内部の
見え難さ)を稼ぐようにしてもよい。
【0067】
また、内側領域7u内に色濃度の異なる領域や階調を付与したが、内側領域7u内の全てを同一の光透過率で、且つ、外側領域7aの光透過率よりも高い光透過率に設定してもよい。この場合は、内側領域7u内のそれぞれの部分の光透過率が、内側領域7uの光透過率の平均値と等しくなる。
【0068】
(3)階調付与領域におけるグラデーションの与え方として、所定の光透過率を持つ印刷層を部分的に重ねる多層印刷を適用してもよい(高濃度部分ほど印刷層の数が多い)。但し、層の境界を目立たせない工夫を必要とする。
【0069】
(4)同じくグラデーションの与え方として、黒色透明で厚さが連続的に変化するプラスチックの膜を階調付与領域に貼るようにしてもよい。
【0070】
(5)実施例1では表示板を構成する種々の部材の色を全て黒としたが、他の色でも適用が可能である。
【0071】
(6)環状部材が立体物でかつ光透過性部材と離間している方が、外側領域7aと内側領域7uとが同色であるかのように視認されやすく、内側領域7uにおける色濃度の違いや内側領域7u(特に最内側領域7d)が透けたことに気が付きにくいため望ましいが、必ずしもそれにこだわらなくてもよい。例えば、光透過性基板の表面に環状部材を貼り付けてもよいし、環状部材を盛り上げ印刷のような方法で形成してもよいし、光透過性基板の表面に不透明の環状印刷をすることにより環状部材を形成しても、同様の効果が得られる。
【0072】
(7)蒸着膜に変えて、所定の光透過性を持つ印刷層を適用することもできる。
【0073】
(8)受光部材14を見返しリング5の位置まで拡大すると共に、見返しリング5自体に僅かながら光透過性を与え、見返しリング5を透過して来た光を発電に寄与させることもできる。光透過性を高くはできないが、見返しリング部の大きな面積を利用して発電量を増すことができる。
【0074】
(9)環状部材6を、光透過性基板7の視認側に離間して配置した板状ガラス部材の表裏いずれかの表面に設けた2つの環状の不透明印刷で構成しても良い。
【実施例2】
【0075】
実施例2は、小針などを持たず、時、分、秒針のみを有する、基本デザインに近い三針式時計に本発明を適用した例である。表示関連部品(指針や表示板)の構成が比較的に単純であるから、時計の全体を示さず、光透過性基板を主体に説明する。
【0076】
図6は実施例2の時計における光透過性基板を示す正面図である。
【0077】
光透過性基板7は、指針軸穴7eを中心のみに有する。また同心的に、環状部材6と、境界部材76を備える。これらの部材は、光透過性基板7の上面に貼着されるか、印刷されるか、あるいは盛り上げ印刷のような手法で形成される。もちろん光透過性基板7の表面から浮かせて配置してもよいし、各部材について異なった方法で形成してもよい。
【0078】
環状部材6と境界部材76に区切られて、光透過性基板7の表面は、外側から順に、最外側領域7f、外側領域7a、内側領域7uに分けられる。外側領域7aの背後には、視認されたくない部材として、ソーラーセルである受光部材14の輪郭位置が、2点鎖線で
示してある(分割線などは図示を省略した)。また16は時計ムーブメントで、受光部材14の更に奥にあり、その輪郭を2点鎖線で示してある。また中枠も図示を省略した。
【0079】
最外側領域7fは、その背後に光を受光又は発光する部材はないので光透過性を持つ必要はなく、不透明な領域としても良い。この領域には任意の印刷や表示部材を配してもよい。例えばこの領域に見返しリングや時字などを置いてもよい。
【0080】
境界部材76は、その外側に光透過性の領域がないので、最外側領域7fと一体化することもできるので、その一部とみなして省略することも可能である。また最外側領域7fの上部に見返しリングなどの部材を配置する場合は、その部材と兼用させて、やはり省略することができる。
【0081】
外側領域7aの奥には受光部材14の外側部分があるので、その視認を避け、しかもある程度の発電を行わせるため、この領域の光透過率を、実施例1における外側領域7aのように低く抑える。
【0082】
内側領域7uにおいては光透過率を実施例1の最内側領域7uと同様に高く設定し、発電効率を高め、必要な発電量を稼ぐ。この領域の色濃度は外側領域よりも薄くなるが、境界に環状部材6が存在し、外側領域7aに対して環状部材6を挟んで離間した位置で視認されるため、外側領域7aに対する色濃度の違いは認識され難い。また必要に応じて、環状部材6に接して、図示しない階調付与領域を設け、更に色濃度の変化を目立たなくすることもできる。
【0083】
実施例2においても、受光部材等は容易に視認されず、必要な発電能力が得られ、表示板の濃度変化が環状部材によって目立たなくされた表示板が構成できる。
【0084】
<実施例2の変形例>
種々の変形例があり得るが、実施例1の特徴の一部を備えてもよい。また、実施例1の変形例のうち実施可能なものは実施例2の変形例にも加えられる。
【0085】
<実施例の更なる変形例>
受光部材をソーラーセルであるとして説明したが、例えば表示板の奥に配置されたEL発光部材のような照明用の部材であってもよい。その場合でも、夜間に時刻表示を行うには表示板が光透過性である必要があり、昼間の外光によって発光部材が容易に視認されてはならないので、本発明が適用される。