(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第一軸線回りに相対回動可能に接続された第一部材と第二部材との間に設けられて、前記第一部材に対して前記第二部材が近接する第一位置から離間する第二位置に向かって該第二部材を回動させる回動補助部材であって、
前記第一部材に着脱可能に嵌合される第一支持部と、
前記第一支持部に対して前記第一軸線に平行な第二軸線回りに回動可能に接続されて該第二軸線に直交する方向に延びるとともに、前記第二部材が少なくとも前記第一位置にある状態で前記第二部材に接触する第二支持部と、
前記第一支持部と前記第二支持部との間に設けられて、前記第二支持部が前記第二部材に接触する位置において、前記第二位置に向かって前記第二支持部を介して前記第二部材に付勢力を与える弾性部材と、
を備えることを特徴とする回動補助部材。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたゴミ箱においては、ヒンジ部分(ヒンジ、開放バネ、突出部等、蓋の回動を補助する部分)が蓋及びゴミ箱本体と一体となっている。このため、蓋の開放時には開放の勢いによって蓋が必要以上に回動して開こうとすると、ヒンジ部分に蓋からの引張力が作用することとなり、このヒンジ部分が可動限界を超えて力を受けることとなるためヒンジ部分に劣化、損傷が生じるおそれがある。
さらに、蓋にはヒンジ部分からの付勢力が持続的に作用することとなり、蓋が必要以上に回動して開こうとして、この蓋の回動力によって容器本体の転倒を招くおそれがある。また、仮にヒンジ部分に劣化、損傷が発生したとしても、ヒンジ部分のみを交換することができず、蓋全体の交換が必要となる。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、耐久性を向上するとともに、使用性の向上を図った回動補助部材、及び、この回動補助部材を用いた容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
即ち、本発明に係る回動補助部材は、第一軸線回りに相対回動可能に接続された第一部材と第二部材との間に設けられて、前記第一部材に対して前記第二部材が近接する第一位置から離間する第二位置に向かって該第二部材を回動させる回動補助部材であって、前記第一部材に着脱可能に嵌合される第一支持部と、前記第一支持部に対して前記第一軸線に平行な第二軸線回りに回動可能に接続されて該第二軸線に直交する方向に延びるとともに、前記第二部材が少なくとも前記第一位置にある状態で前記第二部材に接触する第二支持部と、前記第一支持部と前記第二支持部との間に設けられて、前記第二支持部が前記第二部材に接触する位置において、前記第二位置に向かって前記第二支持部を介して前記第二部材に付勢力を与える弾性部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
このような回動補助部材によると、第二支持部と第二部材とは少なくとも第一位置で接触することによって、弾性部材の付勢力が第二部材に与えられて第二部材が第二位置に向かって回動する。即ち、第二支持部と第二部材とは固定されておらず、第二部材の回動の勢いによって仮に第二部材が第二位置を越えて回動しようとした際であっても、第二支持部は第二部材とは離間して別体として動作することになるため、回動補助部材に第二部材からの力が作用することがない。
また、第二部材に対して第二支持部からの付勢力が第二位置を越えて持続的に作用することはない。
さらに、第一支持部が第一部材に着脱可能に設けられている。即ち、回動補助部材と第一部材とは別体となっており、さらに第二支持部についても第二部材とは別体となっている。従って、これら第一支持部及び第二支持部は完全に独立した部材として設けられていることとなるため、第二部材が回動を繰り返すことによって、仮に回動補助部材に劣化、損傷が生じたとしても、回動補助部材のみを容易に交換可能である。
【0009】
また、
前記第一部材には、穴部が形成され、前記第一支持部は、前記穴部に挿入されるとともに前記第二軸線に平行な第三軸線を中心とした支持軸が設けられた挿入部を備え、前記穴部に前記挿入部が挿入されて前記第一支持部が前記第一部材に着脱可能に嵌合され、前記
挿入部は、前記
穴部に
挿入された状態で前
記第三軸線回りに回動してもよい。
【0010】
本発明では回動補助部材について、第二部材と第二支持部とが別体となっているため、第二部材の回動時に第二支持部が第一部材と第二部材との間に位置してしまい、例えば、回動補助部材を容器の蓋等に適用した場合には、回動補助部材が容器への内容物の出し入れの邪魔となってしまうことがあるが、このように第一部材を第三軸線回りに回動させることで、例えば第二支持部を第二部材に接触させるように回動補助部材全体を動作させ、回動補助部材が邪魔とならないようにすることができる。
【0011】
さらに、本発明に係る容器は、前記第一部材は、開口部が形成された容器本体であり、前記第二部材は、前記開口部を開口閉塞する蓋であり、前記第一位置は、前記開口部が閉塞される位置であり、前記第二位置は、前記開口部が開放される位置であり、前記容器本体及び前記蓋が前記第一位置にある状態で、これら容器本体と蓋との間の相対回動を規制する回動規制部と、上記の回動補助部材と、を備えることを特徴とする。
【0012】
このような容器によると、回動規制部を解除すると蓋が開口部を開放することとなる。
ここで、回動補助部材を容器に適用することで、必要以上に回動補助部材に蓋からの力が作用することなく、回動補助部材が劣化、損傷してしまうことを抑制できる。また、第二位置を越えて持続的に蓋に付勢力が作用しないようにできるため、蓋の回動力による容器本体の転倒を抑制できる。さらに回動補助部材のみの交換が可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の回動補助部材、及びこれを備えた容器によると、回動補助部材を別体としたことで、耐久性の向上、及び、使用性を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係るゴミ箱(容器)1について説明する。
図1から
図3に示すように、ゴミ箱1は、ゴミを収容する容器本体(第一部材)2と、容器本体2の上部に設けられた蓋(第二部材)12と、容器本体2と蓋12との間に設けられる回動補助部材30と、蓋12を閉塞状態で保持する回動規制部20とを備えており、閉塞位置(第一位置)P1と開放位置(第二位置)P2(
図8参照)との間で、蓋12が開閉する。
【0016】
容器本体2は、幅方向(
図2の紙面左右方向)、奥行き方向(
図2の紙面上下方向)を向く四つの側板2Aと、上下方向(
図2の紙面に向かう方向)の下部の底板2Bとを有することで、上方に開口する開口部10が形成された有底筒状の部材であり、例えば樹脂等の材料により形成されている。さらに、各々の側板2Aの上部には、開口部10の開口寸法が拡幅するように、幅方向の外側と奥行き方向の手前側(
図2の紙面下方向)及び奥側(
図2の紙面上方向)とに向かって延びた後に、上方に延びる上部枠部3を有している。
【0017】
そして本実施形態では、各側板2Aにおいては、底板2Bとの接続縁部から、上下方向の中途位置までの領域にわたって、容器本体2の内部に向かって凹む凹部2aが形成されている。またこの凹部2aは、容器本体2の内部で側板2Aから内側に向かって突出するように形成されている。
また、本実施形態では、四つの側板2A同士の接続縁部はR形状とされ、容器本体2は全体として丸みを帯びた形状となっている。
【0018】
さらに、
図2に示すように、この容器本体2の上部枠部3には、奥行き方向の奥側からさらに奥側に突出するように、幅方向の略中央位置において中央部突出部4が設けられている。
【0019】
また、同様に、上部枠部3における奥行き方向の奥側からさらに奥側に突出するように、中央部突出部4と幅方向の外側に離間した位置に一対の端部突出部5が設けられている。そしてこの端部突出部5には下方に向かって凹むように穴部11(
図6参照)が形成されている。
【0020】
さらに、これら一対の端部突出部5の各々には、幅方向の内側に向かって中央部突出部との間の中途位置まで延びるとともに、幅方向に平行な軸線(第一軸線)O1を中心とした円柱状をなす蓋支持軸7が設けられている。
【0021】
蓋12は、幅方向、奥行き方向を向く四つの側板12Aと、これらに上方で接続する天板12Bとを有しており、容器本体2の上部枠部3を幅方向外側、奥行き方向両側、及び上方から覆うことで開口部10を閉塞する。
【0022】
また、この蓋12には開口部10を閉塞する側となる内側において、奥行き方向の奥側に回動支持部13が設けられている。この回動支持部13には、幅方向の外側から内側に向かって凹む軸穴13aが形成されており、回動支持部13が容器本体2の中央部突出部4と端部突出部5とに幅方向から挟まれるように配されるとともに、軸穴13aが容器本体2の蓋支持軸7に嵌り、回動支持部13と蓋支持軸7とが、即ち、蓋12と容器本体2とが相対回動可能に設けられている。
【0023】
さらに、
図3に示すように、この蓋12の天板12Bには、幅方向、奥行き方向の略中央位置で、上方に突出して門型に形成された取手部17が設けられている。また天板12Bにおいては、この取手部17が設けられた幅方向位置であって、取手部17よりも奥行き方向の手前側となる位置から奥側に延びるように、天板12Bの上面12Baから下方に凹む天板凹部16が形成されている。またこの天板凹部16の凹部底面16aは、奥行き方向手前側から奥側に向かうに従って、滑らかに深さが増大するような傾斜面となっている。
【0024】
図1から
図4に示すように、回動規制部20は、奥行き方向の手前側の位置で、蓋12の側板12Aに設けられた規制突起部21と、奥行き方向の手前側の位置で容器本体2における側板2Aと上部枠部3とにわたって設けられて、蓋12が閉塞位置P1にある場合に、規制突起部21を上方から押さえこむ突起固定部22とを有している。
【0025】
規制突起部21は、奥行き方向の手前側の側板12Aに一体に、この側板12Aの略中央位置で幅方向に間隔をあけて、奥行き方向の手前側に突出して一対が設けられている。
また、この規制突起部21は、上方を向く上面21a及び、下方を向く下面21bが、奥行き方向の手前側に向かうに従って上方に向かって傾斜する傾斜面となっている。
【0026】
突起固定部22は、奥行き方向の手前側を向く位置で、側板12Aと上部枠部3とにわたって、幅方向の略中央位置に設けられている。そして突起固定部22は、側板12Aと上部枠部3とにわたって奥行き方向の手前側に突出するとともに幅方向に間隔をあけて設けられた一対の固定部取付部23と、これら一対の固定部取付部23同士の間に挟まれるようにして取り付けられた固定部本体部24とを有している。
【0027】
各々の固定部取付部23には、幅方向に貫通する貫通孔23aが形成されている。
【0028】
固定部本体部24は、ブロック状をなしているとともに、幅方向の両端面の下端部には幅方向の外側に向かって棒状をなして延びる固定部支持軸25が設けられており、この固定部支持軸25が貫通孔23aに嵌りこんで、固定部支持軸25が固定部取付部23に対して、即ち、固定部本体部24が容器本体2に対して相対回動可能となっている。
【0029】
また、固定部本体部24には、
図4に示すように奥行き方向の奥側から手前側に向かって内部がくり貫かれるようにして、規制突起部21が嵌りこむ凹部24aが形成されている。そして、この凹部24aにおいて、規制突起部21が嵌りこんだ際に規制突起部21の上面21aに対向して接触する対向面24bは、上面21aと同じ傾斜角度で、奥行き方向の手前側に向かって上方に傾斜する傾斜面となっている。
そして、蓋12が閉塞位置P1にあるときに、この凹部24aに規制突起部21が嵌りこむことで、規制突起部21を上方から押さえこむようにして蓋12を閉塞位置P1で保持する。
【0030】
ここで、
図4を参照して、規制突起部21が突起固定部22に嵌まりこむ動作の様子を説明する。
図4(a)に示すように、開放位置P2から閉塞位置P1に向かって、図中の矢印の方向に蓋12を回動させる。
【0031】
ここで、固定部本体部24の凹部24aの上下の中途位置において、凹部24aの内面には板状をなすバネ部24cが、奥行き方向の奥側に向かって突出するように固定部本体部24に一体に設けられている。このバネ部24cは、容器本体2に向かって延びるとともに下方に屈曲して、この屈曲している位置で表面が容器本体2に接触しており、これによって容器本体2に対して固定部本体部24が付勢力を与えている。よって、外力が固定部本体部24に作用したとしてもこの弾性部材によって固定部本体部24は、
図4(a)及び
図4(c)に示す位置に戻るようになっている。なお、このバネ部24cは、本実施形態では幅方向に間隔をあけて一対が設けられている。また、バネ部24cは固定部本体部24と一体となっていなくともよく、例えば、ねじりバネ等の他の弾性部材を用いてもよい。
【0032】
その後、
図4(b)に示すように、規制突起部21の下面21bが固定部本体部24の上面に接触する。ここで規制突起部21の下面21bが傾斜面となっているため、固定部本体部24には容器本体2から離間する方向に力が作用し、円滑に固定部本体部24が固定部支持軸25を中心に回動する。
【0033】
そして、
図4(c)に示すように、規制突起部21が凹部24aに入り込むと、バネ部24cによって規制突起部21の上面21aと対向面24bとが係合する位置、即ち、固定部本体部24が規制突起部21を固定する位置に回動して、蓋12を閉塞位置P1で保持する。
【0034】
ここで、
図4(c)に示す状態である規制突起部21の固定状態において、例えば取手部17によって蓋12を上方に持ち上げる。この際、規制突起部21の上面21a及び固定部本体部24の対向面24bが傾斜面となっていることで、固定部本体部24には容器本体2に近接する方向に力が作用するため、簡単に回動規制部20での固定状態が解除されてしまうことがない。
【0035】
次に、回動補助部材30について説明する。
図1から
図3に示すように、回動補助部材30は、容器本体2と蓋12との間に設けられて、容器本体2に対して蓋12が近接する閉塞位置P1と離間する開放位置P2との間で、蓋12を回動させる。
そして、本実施形態では、この回動補助部材30は、容器本体2及び蓋12における奥行き方向の奥側であって、幅方向の両端部の位置に一つずつ設けられている。
【0036】
回動補助部材30は例えば樹脂等によって形成され、
図5及び
図7に示すように、容器本体2の穴部11に一部が挿入されて容器本体2に支持されるバネホルダ(第一支持部)31と、バネホルダ31に接続されてこのバネホルダ31から離間するように延びるバネアーム(第二支持部)32と、バネホルダ31とバネアーム32との間に設けられたねじりバネ(弾性部材)33とを有している。
【0037】
バネホルダ31は、直方体形状をなして穴部11に挿入される挿入部35と、挿入部35の上端に一体に設けられて、挿入部35が穴部11内にある状態で、奥行き方向の手前側に延びるアーム保持部36とを備えており、バネホルダ31全体は幅方向視でL字状をなしている。
【0038】
挿入部35には、幅方向の外側に突出して、幅方向に平行な軸線(第三軸線)O2を中心とした円柱状をなす支持軸37が設けられている。
ここで、
図5及び
図6に示すように、容器本体2の穴部11には、穴部11の開口縁部11bから下方に向かって支持軸37が嵌合する切欠き部11aが形成されている。そして、この切欠き部11aは、支持軸37が嵌りこんだ際に上方への移動を規制するように、幅方向を向く面が下方に向かうに従って、幅方向に拡がるような傾斜面11cとして形成されている。
さらに、穴部11の奥行き方向の寸法は、挿入部35よりも大きく形成されており、挿入部35が穴部11内で奥行き方向にある程度動作可能な空間が形成されている(
図7参照)。また、穴部11の深さは、挿入部35が挿入された状態で下端に接触しない程度の寸法となっている。
【0039】
また、このように穴部11に挿入部35が挿入されることで、支持軸37が切欠き部11aに嵌りこんで、バネホルダ31が軸線O2を中心に回動する。
【0040】
アーム保持部36は、幅方向両側、及び奥行き方向手前側を向く三つの側板36Aとこれらに下部で接続する底板36Bとから構成されて、この底板36Bの下面36Baから挿入部35が延びている。また、幅方向両側を向く側板36Aにおいて、幅方向の奥側の端部で、一部で上方に突出する側板突出部42が設けられている。そしてこの側板突出部42が設けられた位置には、幅方向に貫通する貫通孔43が形成されている。
【0041】
そして、このアーム保持部36は、挿入部35が穴部11に挿入されて支持軸37が切欠き部11aに嵌合し、挿入部35が上下方向に延びた状態で底板36Bの下面36Baが容器本体2の上部枠部3の上部に接触した状態となる。ここでアーム保持部36が接触する位置では、アーム保持部36が上部枠部3に嵌りこむように、この上部枠部3は上部から下方に向かって一部切り欠かれている。
このようにして、バネホルダ31全体が軸線O2を中心に奥行き方向の手前側には回動しないようになっている(
図8参照)。
【0042】
バネアーム32は、アーム保持部36から離間するように延びる長方形の板状をなしている。さらにバネアーム32の下端部は、幅方向の内側に向かって切り欠かれて、幅方向寸法が小さくなっており、この位置で、幅方向外側に突出して幅方向に平行な軸線(第二軸線)O3を中心とした円柱状をなすアーム回動軸45が設けられている。そして、アーム保持部36の側板36A、側板突出部42に幅方向から挟まれるようにしてバネアーム32の下端部が配置されるとともに、アーム回動軸45が貫通孔43に嵌まりこむことで、バネアーム32がバネホルダ31に対して、軸線O3回りに回動可能に取り付けられている。
【0043】
また、バネアーム32は、外力が加えられない自然状態で、幅方向視でアーム保持部36の延びる方向と直角となるように上方に延びて設けられており、この状態を基準として下端部には、幅方向奥側に向かって凹んでアーム溝32aが形成されている。なお、本実施形態では、このアーム溝32aは、幅方向に間隔をあけて二つが形成されている。さらに、バネアーム32は、本実施形態ではアーム保持部36の延びる方向と直角となる角度以上には回動不能となっている。より具体的には、この直角となる位置でアーム保持部36の底板36Bにバネアーム32の下端部が干渉し、これ以上の角度となるように、即ち、直角となる位置よりもアーム保持部36から離間する方向へはバネアーム32は回動しないようになっている。
【0044】
ねじりバネ33は、バネアーム32のアーム溝32a内に収容されるように設けられ、一端がアーム保持部36の底板36Bの上面36Bbに、他端がアーム溝32aの底面に接触しており、バネアーム32に対して、アーム保持部36から離間する方向に、付勢力を与える弾性部材である。
【0045】
このように、回動補助部材30は、容器本体2及び蓋12とは完全に別体に設けられており、またアーム保持部36が容器本体2の穴部11に挿入、嵌合されて設置されることにより着脱可能となっている。
【0046】
次に、
図8を参照して、回動補助部材30、及び蓋12の開閉動作の様子を説明する。
図8(a)に示すように、蓋12が開口部10を閉塞する閉塞位置P1においては、回動規制部20の規制突起部21が突起固定部22によって上方から押さえこまれて、蓋12が固定されている。この状態で、バネアーム32は奥行き方向の手前側に傾倒するように、奥行き方向の手前側に向かって軸線O2を中心に回動した状態となっているとともに、バネアーム32が蓋12の天板12Bの内面12Bbに接触している。この際、ねじりバネ33によってバネアーム32を介して蓋12に付勢力が与えられている。
ここで、バネアーム32は、蓋12の天板12Bに先端で接触しており、天板12Bの内面12Bbにおける接触位置は、天板12Bの奥行き方向の中央位置近傍となっている。
【0047】
このような閉塞位置P1で、回動規制部20を開放すると、即ち、突起固定部22を固定部支持軸25を中心に奥行き方向の手前側に回動させて規制突起部21を開放すると、
図8(b)に示すように、ねじりバネ33による付勢力によって蓋12が持ち上げられ、軸線O1を中心として容器本体2から離間するようにして蓋12が開口部10を開放する開放位置P2まで回動する。
ここで本実施形態では、開放位置P2における蓋12は、閉塞位置P1から90度回動した位置に配されており、さらにこの位置で容器本体2の奥行き方向の奥側の側板2Aに係止されて停止するようになっている。ただしこの90度とは一例であって、この角度は様々に選択可能である。
【0048】
一方で、この開放位置P2では、バネアーム32は上方に延びた状態で停止し、これによってバネアーム32と蓋12との間は奥行き方向に離間し、非接触状態となる。
【0049】
そして、
図8(c)に示すように、バネアーム32を奥行き方向に手動で押しこむことで、支持軸37の軸線O2を中心として、バネアーム32を回動させ、蓋12の天板12Bの内面12Bbに接触させる。
【0050】
このようなゴミ箱1においては、回動補助部材30のバネアーム32は蓋12に固定されておらず、接触状態で蓋12を押し上げるようになっている。換言すると、回動補助部材30が蓋12とは別体となっている。このため、
図8(b)に示したように、開放位置P2において蓋12とバネアーム32との間は離間することとなる。なお、バネアーム32は、回動の勢いによって
図8(a)に示す状態から、
図8(c)に示す状態に直接移行することもある。
【0051】
よって、蓋12が閉塞位置P1から開放位置P2へ回動する際に、回動の勢いによって仮に蓋12が開放位置P2を越えて回動しようとした際であっても、回動補助部材30には蓋12からの引張力が作用することがない。このため、回動補助部材30が可動限界を超えて回動するような力を受けることがなくなる。よって、回動補助部材30の劣化、損傷を抑制可能である。
【0052】
さらに、バネアーム32は蓋12とは離間して動作することになる。従って、バネアーム32からの付勢力が開放位置P2を越えて蓋12に持続的に作用することはないため、蓋12の回動の勢いによってゴミ箱1が転倒してしまうことを抑制でき、耐久性、使用性の向上が可能となる。
【0053】
さらに、回動補助部材30が容器本体2及び蓋12とは別体となっていることで、容易に回動補助部材30のみの交換が可能である。特に蓋12の開閉動作を繰り返すことで回動補助部材30に繰り返し荷重が付与され、劣化、損傷が生じたとしても、回動補助部材30の交換のみで、引き続きゴミ箱1の使用が可能であり、ユーザーの使用性の向上につながる。
【0054】
さらに、例えば回動補助部材30において、バネ定数の異なるねじりバネを有する他の回動補助部材に交換することで、蓋12の開閉速度等を適宜選択できることや、またバネアーム32とアーム保持部36との間の取り付け角度が異なる回動補助部材を用いることで、蓋12の開閉位置についても適宜選択することができ、この点からも使用性の向上につながる。
【0055】
さらに、
図8(b)、
図8(c)に示したように、開放位置P2に蓋12が位置する際に回動補助部材30のバネアーム32が蓋12の天板12Bと離間して、容器本体2と蓋12との間に位置してしまった場合においても、手動によって容易に回動補助部材30を軸線O2回りに回動させることで、バネアーム32を蓋12の天板12Bに接触させるように移動させることができる。
【0056】
従って、回動補助部材30が別体で設けられていたとしても、容器本体2へのゴミの出し入れの邪魔とはならず、この点についても使用性の向上が可能である。
【0057】
また、容器本体2の穴部11の切欠き部11aには傾斜面11cが形成されていることで、挿入部35を穴部11に挿入してバネホルダ31を設置した状態から、支持軸37の上方への抜けを規制することができる。このため、着脱可能に回動補助部材30が設けられていても、蓋12の開閉中に容易には回動補助部材30が脱落しないようにできる。
なお、挿入部35を穴部11に挿入する際には、支持軸37を切欠き部11aにねじ込むようにして嵌めこむ。特に容器本体2や回動補助部材30が樹脂等よりなっていればこのような作業は容易である。
【0058】
さらに、回動補助部材30においては、バネアーム32が蓋12の奥行き方向の中央位置まで延びているためアーム回動軸45の軸線O3からの距離が長くなっており、ねじりバネ33のバネ力を小さくしたとしても、テコの原理によって十分に蓋12を持ち上げることが可能となる。
また一方で、持ち上げられた蓋12が、はね返りによって閉塞位置P1へ戻ろうとした場合であっても、回動補助部材30がこのような蓋12の動きを抑制することができる。
【0059】
また、例えば、蓋12の重量を考慮して、バネアーム32の長さ寸法を調整することで、異なるサイズや形状のゴミ箱に対して異なるバネ定数のねじりバネ33を用意することなく、蓋12の回動力を調整できる。このため、ねじりバネ33について、部品共通化によるコストダウンが可能となる。
【0060】
また、回動補助部材30が着脱可能となっていることで、バネアーム32とアーム保持部36との間のなす角に関し、例えばバネアーム32が45度までしか回動しないものを用いることで、蓋12が45度回動した状態で停止させることができる。即ち、回動補助部材30のバネアーム32の取り付け角度を調整することで、蓋12の開放位置P2を自由に選択可能であるため、この点においても使用性の向上につながる。
【0061】
ここで、回動補助部材30においては、バネアーム32とアーム保持部36との間のなす角を可変にできる構造を採用してもよい。この場合、蓋12の開放位置P2を容易に選択可能となり、さらなる使用性の向上につながる。
【0062】
本実施形態のゴミ箱1によると、回動補助部材30を着脱可能な別体としたことで、交換の容易化を図って使用性を向上するとともに、蓋12の開閉時の回動補助部材30への負荷を低減できるため、耐久性を向上することができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について詳細を説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、多少の設計変更も可能である。
例えば、回動補助部材30は、少なくとも閉塞位置P1に蓋12が位置している状態で付勢力を蓋12に与えるようにすればよい。即ち、閉塞位置P1と開放位置P2との間の位置では蓋12に対して回動補助部材30が非接触となっていてもよいし、接触していてもよい。しかし、少なくとも容器本体2の内部にアクセス可能となる状態まで蓋12を持ち上げるように、ねじりバネ33のバネ定数及び蓋12の重量等を考慮する必要がある。
【0064】
また、回動補助部材30は、穴部11に挿入されて設置される構成でなくてもよく、少なくとも容器本体2に着脱可能に嵌合されて設置されればよい。例えば、挿入部35が存在せず、アーム保持部36に支持軸37を設け、この支持軸37を切欠き部11aに嵌合させることで設置してもよい。
【0065】
また、回動補助部材30は必ずしも支持軸37の軸線O2を中心として回動可能となっていなくてもよい。
【0066】
また、回動補助部材30において、ねじりバネ33に代えて例えば板バネを用いてもよく、蓋12に付勢力を与えることが可能であればどのような弾性部材を用いてもよい。
【0067】
また、回動補助部材30は、上述の実施形態のように二つでなくともよく、少なくとも一つが設けられていればよい。
【0068】
また、上述の実施形態では、ゴミ箱1について説明を行ったが、例えば、収納ケース等の他の容器に用いてもよいし、また容器に限定されず、手前側に扉が開く収納棚等にも適用可能である。