特許第6061750号(P6061750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通周辺機株式会社の特許一覧

特許6061750ワークの支持装置及びワークのネジ締め装置並びにワークカセットの交換方法
<>
  • 特許6061750-ワークの支持装置及びワークのネジ締め装置並びにワークカセットの交換方法 図000002
  • 特許6061750-ワークの支持装置及びワークのネジ締め装置並びにワークカセットの交換方法 図000003
  • 特許6061750-ワークの支持装置及びワークのネジ締め装置並びにワークカセットの交換方法 図000004
  • 特許6061750-ワークの支持装置及びワークのネジ締め装置並びにワークカセットの交換方法 図000005
  • 特許6061750-ワークの支持装置及びワークのネジ締め装置並びにワークカセットの交換方法 図000006
  • 特許6061750-ワークの支持装置及びワークのネジ締め装置並びにワークカセットの交換方法 図000007
  • 特許6061750-ワークの支持装置及びワークのネジ締め装置並びにワークカセットの交換方法 図000008
  • 特許6061750-ワークの支持装置及びワークのネジ締め装置並びにワークカセットの交換方法 図000009
  • 特許6061750-ワークの支持装置及びワークのネジ締め装置並びにワークカセットの交換方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061750
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】ワークの支持装置及びワークのネジ締め装置並びにワークカセットの交換方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/00 20060101AFI20170106BHJP
   B23P 19/06 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   B23P19/00 304E
   B23P19/06 Z
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-67921(P2013-67921)
(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-188635(P2014-188635A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2015年12月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】592019877
【氏名又は名称】富士通周辺機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105360
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 光治
(72)【発明者】
【氏名】高部 金明
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−082752(JP,A)
【文献】 特開平11−098228(JP,A)
【文献】 特開2003−074536(JP,A)
【文献】 特開2006−262761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/00
B23P 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを支持する支持台と、
前記支持台上の前記ワークを上から押さえ付ける蓋体と、
前記蓋体を前記支持台の上方の第1の位置と、前記蓋体を前記支持台の上方から退避させた第2の位置との間で回動させる回動装置と、
前記蓋体の回動軸に取り付けられた蓋側カップリングと、
前記蓋側カップリングに結合可能で、前記回動装置の出力軸に固定された駆動側カップリングと、
を有し、
前記蓋側カップリングに、前記第2の位置に相当する前記回動軸の回転角度及び前記出力軸の回転角度で前記駆動側カップリングに結合可能な結合部を設け、
前記駆動側カップリングに、前記第2の位置に相当する前記回動軸の回転角度及び前記出力軸の回転角度で前記蓋側カップリングの前記結合部に結合可能な被結合部を設け
前記結合部は、前記蓋側カップリングに形成された溝であり、前記溝は、前記第2の位置に相当する前記回動軸の回転角度及び前記出力軸の回転角度において、前記蓋側カップリングの回動中心を通って上方方向に延び、下端が前記蓋側カップリングの側面に開放されると共に上端が閉鎖されており、
前記被結合部は、前記駆動用カップリングに形成され、前記溝に係合可能な突条であることを特徴とする特徴とするワークの支持装置。
【請求項2】
請求項1に記載のワークの支持装置と、
前記蓋体で前記支持台に押さえ付けた前記ワークをネジ締めするネジ締めドライバを有することを特徴とするワークのネジ締め装置。
【請求項3】
ワークを載置する支持台に対して、前記支持台上のワークを上から押さえ付ける蓋体を開閉自在に取り付けたワークカセットを交換するにあたり、
蓋体を支持台の上方の第1の位置から180°回動させた第2の位置に配置し、前記蓋体を回動させる回動装置の出力軸の回転位置を、蓋体を支持台の上方から180°回動させた前記第2の位置に相当する回転位置に設定することによって、前記蓋体の回動軸に取り付けられた前記蓋側カップリングの結合部と、前記回動装置の出力軸に取り付けられた駆動側カップリングの被結合部を係合可能な位置に配置し、
前記第2の位置に相当する前記回動軸の回転角度及び前記出力軸の回転角度において、前記蓋側カップリングの回動中心を通って上方方向に延び、下端が前記蓋側カップリングの側面に開放されると共に上端が閉鎖された前記蓋側カップリングの溝と、前記駆動用カップリングに形成され前記溝に係合可能な突条とを係合させることによって、前記蓋側カップリングと前記駆動側カップリングを結合させることを特徴とするワークカセットの交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの支持装置及びワークのネジ締め装置並びにワークカセットの交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器や情報端末などのワークの製造工場では、ワークの本体にケースなどの部品をネジ締めして固定する工程がある。ワークのケースをネジ締めするときには、ワークの本体をワークカセット装置に位置決めして載置し、ネジ締めドライバで部品をワークの本体にネジで固定する。ここで、ネジ締めドライバは、回動軸に連結されたドライバビットを有する。さらに、ドライバビットを覆うようにハウジングマウスピースが設けられており、マウスピースを通してネジを吸着可能になっている。
【0003】
ワークの本体に部品をネジ固定するときは、最初にワーク上に部品を、ネジ孔を上に向けた状態でセットし、この後ワークをワークカセットに位置決めして保持させる。この状態で、ネジ締めドライバでネジをネジ孔に羅入する。部品をセットしたワークを保持するワークカセット装置は、ワークを載置するベースと、ワークの上面に被せるカセット蓋とを有し、カセット蓋をロータリーアクチュエータで開閉可能に構成されている。ワークを最初に載置するときには、ロータリーアクチュエータでカセット蓋を回動させ、ベース上から退避させる。ベース上にワークを載置したら、ロータリーアクチュエータを回動させてカセット蓋でワークを押さえ付けてネジ締めする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−183489公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、ワークカセット装置は、ワークの種類に合わせた大きさや形状のものが用いられる。このために、ワークの種類に合わせてワークカセット装置を交換する作業が発生することがある。例えば、現在使用中のワークカセット装置をロータリーアクチュエータの回動軸から取り外し、新しいワークカセット装置をベースに対して開いた状態で回動軸に連結させる。このとき、作業者が誤ってカセット蓋をベースに対して閉じた状態で回動軸に連結させると、ロータリーアクチュエータを駆動させたときに、カセット蓋がベースにさらに押し付けられてしまい、カセット蓋やロータリーアクチュエータを破損する可能性がある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ワークカセット装置の交換を正しく行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一観点によれば、ワークを支持する支持台と、前記支持台上の前記ワークを上から押さえ付ける蓋体と、前記蓋体を前記支持台の上方の第1の位置と、前記蓋体を前記支持台の上方から退避させた第2の位置との間で回動させる回動装置と、前記蓋体の回動軸に取り付けられた蓋側カップリングと、前記蓋側カップリングに結合可能で、前記回動装置の出力軸に固定された駆動側カップリングと、を有し、前記蓋側カップリングに、前記第2の位置に相当する前記回動軸の回転角度及び前記出力軸の回転角度で前記駆動側カップリングに結合可能な結合部を設け、前記駆動側カップリングに、前記第2の位置に相当する前記回動軸の回転角度及び前記出力軸の回転角度で前記蓋側カップリングの前記結合部に結合可能な被結合部を設け、前記結合部は、前記蓋側カップリングに形成された溝であり、前記溝は、前記第2の位置に相当する前記回動軸の回転角度及び前記出力軸の回転角度において、前記蓋側カップリングの回動中心を通って上方方向に延び、下端が前記蓋側カップリングの側面に開放されると共に上端が閉鎖されており、前記被結合部は、前記駆動用カップリングに形成され、前記溝に係合可能な突条であることを特徴とする特徴とするワークの支持装置が提供される。
【0007】
また、実施形態の別の観点によれば、ワークを載置する支持台に対して、前記支持台上のワークを上から押さえ付ける蓋体を開閉自在に取り付けたワークカセットを交換するにあたり、蓋体を支持台の上方の第1の位置から180°回動させた第2の位置に配置し、前記蓋体を回動させる回動装置の出力軸の回転位置を、蓋体を支持台の上方から180°回動させた前記第2の位置に相当する回転位置に設定することによって、前記蓋体の回動軸に取り付けられた前記蓋側カップリングの結合部と、前記回動装置の出力軸に取り付けられた駆動側カップリングの被結合部を係合可能な位置に配置し、前記第2の位置に相当する前記回動軸の回転角度及び前記出力軸の回転角度において、前記蓋側カップリングの回動中心を通って上方方向に延び、下端が前記蓋側カップリングの側面に開放されると共に上端が閉鎖された前記蓋側カップリングの溝と、前記駆動用カップリングに形成され前記溝に係合可能な突条とを係合させることによって、前記蓋側カップリングと前記駆動側カップリングを結合させることを特徴とするワークカセットの交換方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
係合溝と突条の所定の回転角度で係合可能な形状にしたので、ワークカセット装置を交換するときに、カセット蓋を閉じた状態でカップリングを結合させてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るネジ締め装置の概略構成の一例を示す図だって、カセット蓋を閉じた状態を示す平面図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係るネジ締め装置であって、カセット蓋を開いた状態の一例を示す一部拡大図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係るネジ締め装置のカップリングの着脱工程の一例を説明する斜視図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係るネジ締め装置の蓋側カップリングの一例の分解斜視図である。
図5図5は、本発明の実施の形態に係るネジ締め装置の一例を示す図であって、図4のA矢視図である。
図6図6は、本発明の実施の形態に係るネジ締め装置の回動装置の構成の一例を示す図であって、(a)が上方から見た図であり、(b)が(a)のB矢視図である。
図7図7は、本発明の実施の形態に係るネジ締め装置のネジ締めドライバの概略構成の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施の形態に係るネジ締め装置であって、カセット蓋を開いた状態の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施の形態に係るネジ締め装置の蓋側カップリングの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の目的及び利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素及び組み合わせによって実現され達成される。
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、典型例及び説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない。
【0011】
図1に示すように、ワーク支持装置を含むネジ締め装置1は、ワークWを支持するワーク支持装置2と、ワーク支持装置2にセットしたワークWをネジ締めするネジ締めドライバ3と、ワーク支持装置2及びネジ締めドライバ3を制御する制御装置4とを含んで構成されている。
【0012】
ワーク支持装置2は、ワークWを保持するワークカセット11を有する。ワークカセット11は、ベース2上に固定され、ワークWを載置する支持台15と、支持台15上のワークWの上面に押し付けられるカセット蓋16(蓋体)とを有し、支持台15に対してカセット蓋16が開閉自在に取り付けられている。
【0013】
支持台15は、ワークWを位置決めして載置するための凹部15Aが形成されている。カセット蓋16は、ベース12に対して開閉可能に一対設けられている。各カセット蓋16は、ワークWの形状に合わせて形成された本体部16Aを有し、本体部16Aには重量軽減のための開口部16Bと、ネジを通す貫通孔17とが形成されている。貫通孔17は、ワークWのネジ孔W1の位置、数、及び大きさに合わせて形成されている。各本体部16Aの一端部には、回動軸18が1つずつ固定されている。回動軸18は、支持台15の凹部15Aを左右に挟むように1本ずつ、平行に配置されている。各回動軸18は、カセット蓋16の本体部16Aから側方に延在する固定部16Cに固定されている。
【0014】
さらに、図1と、カセット蓋16を開いた状態における拡大図である図2とに示すように、回動軸18は、固定部16Cを挟むように配置された一対の支持片19に内蔵されたベアリング19Aによって支持台15に回動自在に支持されている。そして、回動軸18の先端には、蓋側カップリング20が取り付けられている。
【0015】
また、ワークカセット11は、カセット蓋16を回動させる回動装置21を有する。回動装置21は、ベース12に固定されたロータリーアクチュエータ22を有する。ロータリーアクチュエータ22は、カセット蓋16が支持台15の上方に配置され、ワークWを上から押さえ付ける閉じた位置(第1の位置)と、閉じた位置から約180°回動した位置であって、カセット蓋16が支持台15の上方から退避した開いた位置(第2の位置)との間で往復移動するように出力軸22Aを回動させる。ロータリーアクチュエータ22の出力軸22Aは、支持片23に内蔵されたベアリング23Aによってベース12に回動自在に支持されている。出力軸22Aの先端には、駆動側カップリング25が取り付けられている。
【0016】
図3に示すように、蓋側カップリング20と駆動側カップリング25は、切り離し可能になっており、2つのカップリング20,25の結合を解消させるとワークカセット11を交換できる。一方、2つのカップリング20,25を結合させると、ロータリーアクチュエータ22の出力軸22Aをカセット蓋16の回動軸18に連結させ、ロータリーアクチュエータ22の回転をカセット蓋16に伝達することが可能になる。
【0017】
ここで、図4に分解した状態を示すように、蓋側カップリング20は、回動軸18に固定された金属製のカップリング本体31と、カップリング本体31に係合させた状態でネジ留めされるハウジング部材32とを有する。
カップリング本体31は、円柱形状を有し、先端面31Aには突条35が形成されている。突条35は、カップリング本体31の回転中心を通り直径方向に延びており、その両端はカップリング本体31の側面31Bと一致している。
【0018】
図4と、図4のA矢視図である図5に示すようにハウジング部材32は、例えば樹脂で製造された円柱形状の部材からなり、カップリング本体31に連結される基端面32Aに係合溝36が形成されている。係合溝36は、ハウジング部材32の中心を通って直径方向に延び、側面32Bまで貫通している。係合溝36は、カップリング本体31の突条35と係合可能な位置及び大きさに形成されている。
【0019】
また、駆動用カップリング25に向けられる先端面32Cには、結合部である連結溝37が形成されている。連結溝37は、ハウジング部材32の中心を通り、直径方向に延びている。さらに、連結溝37は、一方の側面32B側では、側面32Bまで延びて開口部38を形成している。これに対して、他方の側面32B側は側面32Bに至る手前で止まっており、他方の側面32B側は閉鎖されている。さらに、ハウジング部材32の直径方向に平行な方向における連結溝37の幅は、中心部分を除いて略一定である。中心部分は、ハウジング部材32をカップリング本体31にねじ留めするために使用することができる。図3に示すように、ハウジング部材32の連結溝37は、カセット蓋16を支持台15に対して開いたときに、開口部38が下側に位置されるようにカップリング本体31に固定される。ここで、ハウジング部材32の基端面32A側の係合溝36と、先端面32C側の連結溝37は、直交する向きに延びている。
【0020】
図3及び図6に示すように、駆動用カップリング25は、先端面25Aに被結合部である突条40が形成されている。突条40は、回転中心を通り直径方向に延びている。さらに、図6(a)のB矢視図である図6(b)に示すように、突条40の上端は、側面25Bに対して下がっており、下端は側面25Bに一致するまで延びている。突条40の形状及び大きさは、連結溝37と係合可能に形成されている。なお、図3及び図6には、出力軸22Aが、カセット蓋16を開かせたときの回転角度であるときの駆動用カップリング25の回転位置が示されている。
【0021】
図7に示すように、ネジ締めドライバ3は、ネジ50に係合して回転させるドライバビット51を有し、ドライバビッド51は駆動機構部52から延びる出力軸53に取り付けられている。駆動機構部52は、例えば、モータと減速機構を有すると共に、ドライバビットを進退させるスライド機構が設けられている。また、駆動機構部52には、マウスピース55がドライバビッド51を覆うように取り付けられている。マウスピース55の内径は、ドライバビット51の外径より大きくなっており、マウスピース55とドライバピット51の間には、隙間56が形成されている。マウスピース55は、ポンプ57に接続されており、隙間56を介してネジ50を吸着保持することが可能である。
【0022】
次に、実施形態の作用について説明する。最初に、ネジ締め装置1を用いたネジ締め工程について説明する。
図8に示すように、ネジ締め装置1は、初期状態では、ワークカセット装置2のワークカセット11がカセット蓋16を開いた位置で待機している。従って、開放されている支持台15の凹部15Aに収まるようにワークWをセットする。この状態で、制御装置4がロータリーアクチュエータ22を駆動させ、出力軸22Aを180°回動させる。出力軸22Aにカップリング20,25によって結合されているカセット蓋16の回動軸18が回動する。この結果、図1に示すように、ワークWを上から押さえ付ける。
【0023】
この状態で、図7のネジ締めドライバ3のマウスピース55でネジ50を吸着保持した後、貫通孔17の上に移動させ、ネジ50を貫通孔17に挿入する。貫通孔17は、ネジ50の外径より小さいが、マウスピース55の外径より小さい。従って、マウスピース55による吸着が解除され、ドライバビット51によってネジ50がワークWのネジ孔W1に挿入される。この状態で、ドライバビット51を回転させると、ネジ50がネジ孔W1に螺入される。
【0024】
ネジ50をワークWのネジ孔W1に螺入したら、制御装置4がネジ締めドライバ3を退避させた後、カセット蓋16を開かせるので、作業者がワークWを取り出す。以降は、同様の動作を繰り返し、ワークWをネジ締めする。
【0025】
次に、ワークカセット11の交換作業について説明する。
ワークカセット11は、ネジ締めするワークWの種類が変更になった場合に実施される。具体的には、最初に、図2及び図8に示すように、回動軸18を約180°回動させてカセット蓋16を支持台15の上方から退避させた開いた位置(第2の位置)に移動させる。図4(a)に示すように、カセット蓋16を開いた状態では、駆動側カップリング25の突条40は略垂直に延びるように回動軸18に接続されている。このために、ワークカセット11を図3の矢印に示すように上方向に移動させるだけで、簡単にカップリング20,25の結合を解除し、ワークカセット11をベース12から取り外すことができる。
【0026】
この後、次にネジ締めするワークWの形状に合わせた別のワークカセット11の蓋側カップリング20を駆動側カップリング25に結合させる。別のワークカセット11は、ネジ締めするワークWに合わせた形状を有する支持台15及びカセット蓋16が選択される。
【0027】
ここで、別のワークカセット11を装着するときには、図2及び図8に示すように、カセット蓋16が支持台15の上方から180°回動させた開いた状態に相当する回転位置に回転軸18を設定する。これによって、図3に示すように、ハウジング部材32の連結溝37の向きが、駆動側カップリング25の突条40の回転位置と一致する。より詳細には、カセット蓋16を開いておくと、蓋側カップリング20のハウジング部材32の連結溝37と、駆動側カップリング25の突条40が係合可能な位置に配置される。このために、矢印に示すように、ワークカセット11を下方向に移動させるだけで、蓋側カップリング20の下側に配置された開口部38から、駆動側カップリング25の突条40が連結溝37に挿入され、連結溝37と突条40が係合し、カップリング20,25が連結される。
【0028】
これに対して、カセット蓋16を開いた位置以外、例えば、カセット蓋16が閉じた位置(第1の位置)にあるときにワークカセット11をベース12に組み付けようとすると、カセット蓋16を開いたときの蓋側カップリング20のハウジング部材32の連結溝37の回転位置と、駆動側カップリング25の突条40の回転位置とが不一致、具体的には180°ずれた位置になる。この結果、駆動側カップリング25の突条40が、蓋側カップリング20のハウジング部材32の側面32Bに干渉し、連結溝37に突条40を挿入できない。このために、カセット蓋16が第2の位置以外の位置にあるときには、ワークカセット11をベース12に組み付けることはできない。従って、ワークカセット11の誤組み付けが防止される。
【0029】
ここで、図3に示すように、カセット蓋16の回動軸18には、カセット蓋16を閉じたときに上向きに配置されるプレート61が固定されている。このために、プレート61の有無を確認することによって、ワークカセット11の誤組み付けをさらに防止できる。
【0030】
以上、説明したように、ネジ締め装置1では、結合部(連結溝37)と被結合部(突条40)を所定の回転角度でのみ係合可能な形状にしたので、ワークカセット11を交換するときに、カセット蓋16を閉じた状態でカップリング20,25を結合させてしまうことを防止できる。これによって、ワークカセット11の誤組み付けを理由としてカセット蓋16がベース2にさらに押し付けられることが防止される。
連結溝37は、側面32Bに1つだけ開口部38を有する構成にしたので、簡単な構成でワークカセット11の誤組みつけを防止できる。なお、結合部と被結合部の形状は、両者が所定の回転角度でのみ係合可能な形状であれば良く、溝と突条に限定されない。例えば、連結溝37と突条40の幅を、突条40の挿入方向で変化させることによって、所定の回転角度でのみ係合可能にしても良い。また、蓋側カップリング20に突条40を設け、駆動側カップリング25に連結溝37を形成しても良い。結合部と被結合部は、連結溝37及び突条40の代わりに切り欠きと突部の組み合わせでも良い。また、ワークカセット11は、カセット蓋16を1つだけ有しても良いし、3つ以上有しても良い。
【0031】
ここで、蓋側カップリング25の変形例について説明する。
図9(a)に示すように、蓋側カップリング25において、カップリング本体31の突条35Aの一端部を側面31Bに至る手前まで形成する。さらに、図9(b)に示すように、これに対応するハウジング部材32の溝36Aは、一方の側面32Bのみに開口部71を有し、他方の側面32B側は閉鎖されている。突条35A及び係合溝36Aの位置は、カセット蓋16を開いたときの回動軸18の回転位置で、ハウジング部材32の連結溝37の開口部38が下向きに配置されるように形成される。例えば、カセット蓋16を開いた状態で、カップリング本体31に、ハウジング部材32を、開口部38が上向きになるように組み付けようとすると、突条35Aと係合溝36Aが干渉する。これに対して、カセット蓋16を開いた状態で、カップリング本体31に、ハウジング部材32を、開口部38が下向きになるように組み付けようとすると、突条35Aを係合溝36Aに係合させることが可能になる。この結果、カップリング本体31とハウジング部材32の回転位置の組み付け間違いが防止されるので、ワークカセット11の誤組み付けをさらに防止できる。
【0032】
ここで挙げた全ての例及び条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明及び概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例及び条件に限定することなく解釈するものであり、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換及び変形を施すことができる。
【符号の説明】
【0033】
1 ネジ締め装置
2 ワーク支持装置
3 ネジ締めドライバ
15 支持台
16 カセット蓋(蓋体)
18 回動軸
20 蓋側カップリング
21 回動装置
22A 出力軸
25 駆動側カップリング
37 連結溝(結合部)
40 突条(被結合部)
W ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9