(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るガスセンサ200の斜視図、
図2は、ガスセンサ200の分解斜視図、
図3は、
図1のA−A線に沿う断面図、
図4は接続端子30の拡大斜視図、
図5はコネクタ端子60及び絶縁体107の拡大斜視図である。
なお、ガスセンサ素子10の軸線O方向(1点鎖線で示す。)を上下方向として図示し、ガスセンサ素子10の後端部12側をガスセンサ素子10(及びガスセンサ)の後端側、その反対側にあるガスセンサ素子10の検出部11(
図3参照)側をガスセンサ素子10(及びガスセンサ)の先端側、として説明する。又、軸線O方向に垂直な方向を適宜「径方向」と称する。
又、
図3、及び対応する
図8以降の図においては、簡便のため、接続端子及びコネクタ端子を1つのみ表示しているが、実際には、
図2、
図5等に示すように、接続端子及びコネクタ端子は複数本(本発明の実施形態では、各5本づつ)設けられている。
【0024】
図1、
図2に示すように、ガスセンサ200は、ガスセンサ素子10及び主体金具50を含む素子アセンブリ130(
図6(a)参照)と、素子アセンブリ130の後端側に固定されたセパレータアセンブリ120(
図6(a)参照)と、セパレータアセンブリ120を囲む金属製の外筒110と、外筒110に収容される本体部101、及び本体部101から径方向に延びるコネクタ部103を有する基体部105と、本体部101及びコネクタ部103に収容される絶縁体107と、本体部101を覆う金属カバー140と、外筒110の一部を覆う金属製のフランジ付ケーシング150と、を有する。
【0025】
フランジ付ケーシング150は、筒体153と、筒体153から径方向外側に延びる一対の半円状のフランジ部151と、を有している。各フランジ部151にはフランジ孔151hが1つ開口し、フランジ孔151hに挿通したネジ(図示せず)をガスセンサ200の取付け対象体(例えば、内燃機関の吸気系統)に設けたネジ孔にネジ止めすることで、ガスセンサ200を取付け対象に取り付けることができる。なお、筒体153には周方向に沿って凹溝153b(
図7(g)参照)が形成され、この凹溝にシール部材(Oリング)90が外嵌されている。従って、ガスセンサの取付け対象体の開口にガスセンサ200を先端側から挿入して取り付けた際、シール部材90が取付け対象体の壁面で潰され、取付け対象体とフランジ付ケーシング150(筒体153)との間をシールするようになっている。
【0026】
基体部105は、本体部101、頸部102及びコネクタ部103を有し、これら本体部101、頸部102及びコネクタ部103は成形性のよい絶縁性の高分子材料(樹脂)、例えばナイロン(登録商標)により一体に形成されている。なお、基体部105は絶縁性を有していればよく、他の材料(例えばセラミックス)から形成されていてもよい。又、絶縁体107も、本体部101内及びコネクタ部103内に収容された状態では、「基体部105」に含めるものとする。
本体部101は、セパレータアセンブリ120の周囲を覆うように略筒状に形成されている。又、本体部101から略矩形状の頸部102を介して径方向外側に、略矩形状のコネクタ部103が延びている。コネクタ部103は、径方向外側に向く開口部104を有する雄コネクタであって、開口部104にて外部装置の相手コネクタ(この例では、雌コネクタ)を径方向に差抜可能になっている。
本体部101及びコネクタ部103の内部には絶縁体107が収容されている。そして、組み付け時に絶縁体107を開口部104から径方向に沿って本体部101及びコネクタ部103に挿入すると、絶縁体107のセパレータ40側の端部107aが本体部101の内面101a(
図3参照)に当接し、絶縁体107が位置決めされる。又、絶縁体107には複数本(この例では5本)のコネクタ端子60が保持されている。コネクタ端子60は軸線O方向に対して交差する方向(径方向)に延びてコネクタ部103の内外を挿通している。コネクタ端子60については後述する。
【0027】
外筒110は、セパレータアセンブリ120よりやや大径の前筒110aと、前筒110aの後端側に設けられ、前筒110aよりも拡径する後筒110eとを有し、さらに、前筒110aと後筒110eとを繋ぐように、径方向に平行に延びる段状の部分が、本体部101を載置するための受け部110bとなっている。そして、セパレータアセンブリ120の先端側が前筒110aに収容されると共に、セパレータアセンブリ120の後端側が前筒110aより後端に突出して後筒110e内に収容されるようになっている(
図6(d)参照)。さらに、後筒110eとセパレータアセンブリ120の後端側との間の環状空間には、受け部110bに載置されるように、筒状の本体部101が嵌合され、本体部101がセパレータアセンブリ120の後端側(ひいては、ガスセンサ素子10の後端部)を取り囲むようになっている(
図7(e)参照)。
【0028】
セパレータアセンブリ120の後端には、セパレータ40の後端部が表出し、セパレータ40から後端側に接続端子(この例では5個)30が突出している(詳細は後述)。
なお、後筒110eから径方向外側に断面コ字状の延長部110cが延び、延長部110cの周縁が開放端部となっていると共に延長部110cの後端側が開いている。従って、基体部105を後筒110eに収容した際、本体部101が後筒110eに収容され、延長部110cに頸部102が収容されつつ、延長部110cの径方向外側にコネクタ部103が表出するようになっている。又、本体部101の後端側は後筒110eよりも後端側にはみ出すようになっている。
又、前筒110aの先端部は、主体金具50の拡径部57(
図3参照)に外嵌されて両者が加締められるとともに溶接接合され、外筒110が主体金具50に固定されている(詳細は後述)。
【0029】
一方、後端側が閉じた有底円筒状の金属カバー140が、本体部101の後端側を径方向外側から覆っている。金属カバー140は後筒110eよりやや径大で、金属カバー140の先端部140aは受け部110bよりも先端側へ延び、組み付け時に上記受け部110bを囲んでこれに当接するように径方向内側に折り曲げられて加締められる。このようにして、金属カバー140が外筒110に固定されると共に、後筒110e及び本体部101が金属カバー140で覆われる。なお、
図2に示すように、折り曲げる前の先端部140aは、先端側に突出する山部と、後端側に凹む谷部とが交互に段状に形成され、山部が径方向に折り曲げられるようになっている(
図3参照)。
金属カバー140は本体部101の外側を覆うと共に、主体金具50に接続された外筒110にも接続されている。このため、主体金具50からの熱は外筒110を経由して金属カバー140に伝達し、外部に放熱されるので、金属カバー140内部の本体部101へ伝わる熱が低減され、本体部101(さらには、基体部105)の熱劣化を抑制することができる。
さらに、本体部101を外筒110(の受け部110b)と金属カバー140とで挟持するので、樹脂製の本体部101が主体金具50に直接接さずに離間させた状態でガスセンサ200に保持され、本体部101(及び、コネクタ部103を含む基体部105)の熱劣化をより一層抑制することができる。
【0030】
金属カバー140の径方向外側に断面コ字状の延長部140cが延び、延長部140cの周縁が開放端部となっていると共に延長部140cの先端側が開いている。又、延長部140cは延長部110cよりも大きくなっている。従って、延長部140cの向きを延長部110cに合わせ、金属カバー140を後端側から延長部110cに被せると、延長部140cが延長部110cを囲むと共に、延長部140cの径方向外側にコネクタ部103が表出するようになっている。
なお、本体部101の後端面に形成された環状溝にシール部材(Oリング)94が配置され、本体部101の後端向き面と金属カバー140の先端向き面との間を気密にシールしている。同様に、本体部101の先端面に形成された環状溝にシール部材(Oリング)92が配置され(
図3参照)、本体部101の先端向き面と受け部110bの先端向き面との間を気密にシールしている。なお、シール部材92、94は、弾性力によって本体部101を外筒110と金属カバー140との間で安定して保持させる機能をも有する。
【0031】
次に、
図3を用いて素子アセンブリ130及びセパレータアセンブリ120について説明する。素子アセンブリ130は、ガスセンサ素子10と、主体金具50とを有する。
ガスセンサ素子10は公知であるような軸線O方向に延びる略角柱状をなし、酸素濃度の検出を行う検出素子と、その検出素子を早期活性化させるために加熱を行うヒータとが互いに貼り合わされた積層体である。検出素子はジルコニアを主体とする固体電解質体と白金を主体とする一対の電極とを中空の測定室が一部に形成された絶縁層を介して積層した構成をなしている。この検出素子は、より具体的には、固体電解質体の両面に形成された一対の電極の一方を外部に晒すと共に、他方の電極を測定室に配置した酸素ポンプセルと、固体電解質体の両面に形成された一対の電極の一方を測定室に配置すると共に、他方の電極を基準ガス室に配置した酸素濃度測定セルとを有してなり、酸素濃度測定セルの出力電圧が所定の値になるように、酸素ポンプセルの一対の電極間に流す電流を制御することで、測定室内の酸素を汲み出したり、測定室内に外部から酸素を汲み入れたりする構成をなしている。
なお、酸素ポンプセルのうち、一対の電極、及び、固体電解質体のうちでこれら電極に挟まれる部位は、酸素濃度に応じた電流が流れる検出部11をなす。一方、ガスセンサ素子10の後端部12には、検出素子からの出力を取り出すためや、ヒータに電力を供給するための5つの電極パッド12a(
図3ではそのうちの2つがガスセンサ素子10の第2面10b側に配置され、第1面10aに残りの3つが配置される。)が形成されている。
【0032】
そして、ガスセンサ素子10の軸方向中央よりやや先端側には、有底筒状をなす金属製の金属カップ20が、自身の内部にガスセンサ素子10を挿通させ、検出部11を筒底の開口25から突出させた状態で配置されている。金属カップ20は主体金具50内にガスセンサ素子10を保持するための部材であり、筒底の先端側周縁部23は外周面にかけてテーパ状に形成されている。金属カップ20内には、アルミナ製のセラミックリング21と滑石粉末を圧縮して固めた滑石リング22とが、自身をガスセンサ素子10に挿通させた状態で収容されている。滑石リング22は金属カップ20内で押し潰されて細部に充填されており、これにより、ガスセンサ素子10が金属カップ20内で位置決めされて保持されている。
【0033】
金属カップ20と一体となったガスセンサ素子10は、その周囲を筒状の主体金具50に取り囲まれて保持されている。この主体金具50はSUS430等のステンレス鋼からなる。具体的には、主体金具50の内周には段部54が形成されており、この段部54に、ガスセンサ素子10を保持する金属カップ20の先端側周縁部23が係止されている。更に、主体金具50の内周には滑石リング26が、自身をガスセンサ素子10に挿通させた状態で、金属カップ20の後端側から装填されている。そして、滑石リング26を後端側から押さえるように、筒状のスリーブ27が主体金具50内に嵌め込まれている。スリーブ27の後端側外周には段状をなす肩部28が形成されており、その肩部28には、円環状の加締めパッキン29が配置されている。
【0034】
一方、主体金具50の外周後端側には、縮径された後端部59が形成され、後端部59より先端には径方向外側に段状に拡径する拡径部57が形成されている。さらに、拡径部57よりも先端側には、径大の径大部52、及び後述する外側プロテクタ100及び内側プロテクタ102が係合される先端係合部56が形成されている。他方、後端部59の後端側には、主体金具50内にガスセンサ素子10を加締め保持するための加締め部53が形成されている。
主体金具50の加締め部53が、加締めパッキン29を介してスリーブ27の肩部28を先端側に向けて押圧するように加締められている。加締め部53の形成によって、スリーブ27を介して押圧された滑石リング26は、主体金具50内で押し潰されて細部にわたって充填され、この滑石リング26と、金属カップ20内にあらかじめ装填された滑石リング22とによって、金属カップ20およびガスセンサ素子10が主体金具50内で位置決めされ、気密に保持される。
【0035】
一方、ガスセンサ素子10の検出部11の外周面は、多孔質状の保護層15により被覆され、検出部11のうち外部に晒される電極を吸気等による被毒や被水から保護している。そして、主体金具の先端係合部56には、外側プロテクタ100及び内側プロテクタ102が嵌められ、レーザ溶接によって固定され、内部に収容された検出部11を保護している。外側プロテクタ100にはガス導入孔115が形成され(
図1参照)ており、内側プロテクタ102にはガス導入孔117が形成されている。よって、ガス中に含まれる水分や油分がガスセンサ素子10に付着することを抑制でき、ガスセンサ素子10にクラックや割れが生じることを抑制できる。また、ガス中に含まれる煤においてもガスセンサ素子10に付着することを抑制でき、ガスセンサ200の検出精度が低下する事を抑制できる。
【0036】
次に、セパレータアセンブリ120について説明する。セパレータアセンブリ120は、セパレータ40、金属内筒121、保持部材123および接続端子30を備え、主体金具50の後端側に配置されている。セパレータアセンブリ120は、軸線O方向の略中央部分において、径方向外側から径方向内側に向けて加締められることにより金属内筒121と保持部材123とを一体的に固定する加締め部125を有する。
セパレータ40は、絶縁性のセラミックス又は樹脂によって略円筒状に形成されており、径方向外側に突状に形成されている鍔部41と、軸線O方向に貫通する挿通孔42とを有する。個々の接続端子30は挿通孔42の所定位置にそれぞれ挿通され、接続端子30が互いに接触せずに隔離した状態でセパレータ40内に収容されている。そして、挿通孔42内にガスセンサ素子10の後端部12が挿入され、各接続端子30の先端部33の弾性部33a(
図4参照)がガスセンサ素子10の各電極パッド12aにそれぞれ電気的に接続されている。
なお、セパレータアセンブリ120の後端からセパレータ40の後端部が表出し、セパレータ40の後端向き面から後端側へ接続端子30の第1接続部31(この例では5個)が突出している。
【0037】
金属内筒121の先端部121aは、主体金具50の後端部59を覆った状態で後端部59に加締められるとともに、溶接接合により固定されている。一方、金属内筒121の後端部121eは径方向内側に屈曲されて鍔部41に係合している。また、金属内筒121の内側には、セパレータ40及び保持部材123が配設され、保持部材123の後端向き面が鍔部41に係合している。保持部材123は、金属製の筒状部材であり、屈曲状に形成されている後端部の弾性力によってセパレータ40を径方向内側に付勢するとともに、鍔部41を後端側に付勢する。又、保持部材123は、金属内筒121の外側から金属内筒121とともに径方向内側に向けて加締められて加締め部125が形成され、金属内筒121に固定される。
セパレータ40は、主体金具50及び金属内筒121に直接固定されておらず、金属内筒121と保持部材123によって金属内筒121内に保持固定されている。このように構成することにより、ガスセンサ200に対する振動や衝撃によってセパレータ40が振動したり、ずれたりすることによる接続端子30とコネクタ端子60との接触不良が抑制される。
【0038】
次に、
図4、
図5を参照し、第1の実施形態の特徴部分である、接続端子30及びコネクタ端子60について説明する。なお、
図4の接続端子30は、
図2、及び
図5に示す5つの接続端子30のうち、中央に配置される接続端子30を示す。
図4に示すように、接続端子30は、軸線O方向に延びる第1接続部31と、第1接続部31の先端側にて径方向に延びる板状の中間部32と、中間部32より先端側で軸線O方向に延びる先端部33とを有し、側面から見て略クランク状に形成されている。第1接続部31は、中間部32からL字状に折り曲げられて軸線O方向に立ち上がる主部31bと、主部31bの幅方向両端からそれぞれL字状に折り曲げられて径方向に延びる側部31cと、側部31cから主部31bに沿うようにL字状に折り曲げられて互いに近接する対向部31dとを有し、断面が略ロの字状の箱型のメス部31gとなっている。さらに、主部31bの後端から先端側に向かって屈曲する弾性部31aが形成されている。弾性部31aは箱状の第1接続部31の内部に位置し、主部31bに近づく方向に弾性的に撓むようになっている。弾性部31aは、先端側の端部が自由端であるバネ部になっている。バネ部とすることで、弾性部31aの弾性力が増し、第1接続部31と第2接続部61とが確実に接続される。なお、後述するように、弾性部31aが撓む方向は、第1接続部31と第2接続部61との並ぶ方向(第1の実施形態では、軸線O方向)と交差する方向である。又、先端部33の先端から後端側に向かって屈曲する弾性部33aが形成され、この弾性部33aがガスセンサ素子10の各電極パッド12aにそれぞれ押圧されて電気的に接続されている。
なお、
図4の接続端子30には、中間部32を有していたが、
図2、及び
図5に示す5つの接続端子30のうち、中央以外に配置される4つの接続端子30には、中間部32が形成されていない。なお、中間部32については、第1接続部31と先端部33との相対位置にあわせて設置、非設置を適宜設定すればよい。
また、接続端子30のうち、第1接続部31の後端部がセパレータ40の後端向き面よりも後端側に突出し、それ以外の部分はセパレータ40の挿通孔42の内部に保持されている。
【0039】
一方、
図5に示すように、コネクタ端子(この例では5本)60はそれぞれ離間しつつ絶縁体107に保持されている。コネクタ端子60は、径方向に延びて絶縁体107に埋設される板状の中間部62と、中間部62からセパレータ40側に延びる端部であって、L字状に折り曲げられ、軸線O方向に延びる差し込み片61gを有する第2接続部61と、絶縁体107から径方向外側に突出する雄部63とを有する。そして、雄部63が絶縁体107から突出することで、雄型のコネクタが構成される。なお、
図5においては省略しているが、
図3に示すように、中間部62はクランク状に屈曲して雄部63へ繋がっていて、雄部63は中間部62と平行に延びつつ中間部62よりも先端側(つまり、コネクタ部103の軸線O方向のほぼ中央)に位置している。
【0040】
そして、詳しくは
図6で説明するが、第1の実施形態においては、セパレータアセンブリ120を組み付けた後筒110e内に、後端側から基体部105(の本体部101)を嵌合する(
図6(d)参照)。このとき、差し込み片61gは本体部101の軸心の周囲にあって、セパレータ40の後端側に突出した接続端子30に対向する位置に配置される。
このため、基体部105を後筒110e内に嵌合すると、第2接続部61が第1接続部31に軸線O方向から挿入(嵌合)され(差し込み片61gがメス部31gに嵌合され)、弾性部31aを押圧し、弾性部31aが径方向に撓む。その結果、第1接続部31と第2接続部61とが弾性的に接続されることとなる。これにより、ガスセンサ素子10の検出出力は接続端子30を介してコネクタ端子60に取り出すことができる。よって、横出し型のガスセンサにおいて、接続端子30とコネクタ端子60とを溶接せずに電気的に接続可能であり、生産性を向上させることができる。又、接続端子30とコネクタ端子60とを溶接するためのリードフレームが不要になって部品点数が低減する。
【0041】
なお、第1の実施形態においては、第2接続部61が屈曲されて軸線O方向に延びており、第1接続部31と並列に並び、両者を接続可能としている。
第1の実施形態に示すように、第2接続部61に差し込み片61gを備え、第1接続部31にメス部31bを備えている。つまり、メス部31gを有する第1接続部31はセパレータ40に固定されており、この第1接続部31に第2接続部61を嵌合するようにして第1接続部31と第2接続部61とを接続する。このため、第2接続部61が差し込み片61gとなることで、第2接続部61がセパレータ40に接触することがなく、セパレータ40の欠けが防止できる。
又、第2接続部61が屈曲されて軸線O方向に延びる差し込み片61gを有しており、第1接続部31のメス部31gが挿通孔42内に位置していると、軸線O方向に延びる挿通孔42に第1接続部31のメス部31gを固定して、第2接続部61を挿入するので、挿入(嵌合)が容易かつ確実になる。
【0042】
なお、ガスセンサ素子10は自身のヒータによる加熱や排気ガス等に曝されることにより高温となるため、第1の実施形態においては、ガスセンサ素子10に接続される接続端子30を、コネクタ端子60よりも耐熱性を有する材料から構成している。この場合、接続端子30とコネクタ端子60との材質が異なるので溶接が困難になるが、本発明においては、接続端子30とコネクタ端子60との溶接が不要であるので、これらが異種材料であっても容易に電気的接続が可能となる。
接続端子30としては、耐熱金属であるステンレス鋼又はNi基合金(例えば、SUS631、インコネル(登録商標))を用いることができる。コネクタ端子60としては、黄銅等の銅系材料を用いることができる。
【0043】
次に、
図6、
図7を参照し、本発明の第1の実施形態に係るガスセンサ200の製造方法の一例について説明する。
まず、素子アセンブリ130を公知の手法により作成する。又、上述のように、セパレータ40の挿通孔42に接続端子30を挿通して保持し、このセパレータ40と保持部材123とを金属内筒121内に収容する。そして、金属内筒121の軸線O方向の略中央部分において、径方向外側から加締め、金属内筒121内に保持部材123を固定すると共に、セパレータ40を保持したセパレータアセンブリ120を作成する。
次に、
図6(a)に示すように、素子アセンブリ130の後端に、セパレータアセンブリ120を先端部側から挿入し、セパレータ40の挿通孔42内にガスセンサ素子10の後端部12を挿入する。これにより、各接続端子30の先端部(図示せず)がガスセンサ素子10の各電極パッド12aにそれぞれ電気的に接続される。又、金属内筒121の先端部121aが主体金具50の後端部59の外側に嵌合され、後端部59と拡径部57の間の段部に先端部121aが当接して位置決めされる。そして、この状態で先端部121aを径方向外側から加締めると共に溶接し、セパレータアセンブリ120を主体金具50、すなわち素子アセンブリ130に固定する。
次に、
図6(b)に示すように、セパレータアセンブリ120に、外筒110を先端部側から挿入すると、セパレータアセンブリ120の先端側が前筒110aに収容されると共に、前筒110aの先端部が主体金具50の拡径部57の外側に嵌合され、拡径部57と径大部52との間の段部に前筒110aの先端部が当接して位置決めされる。そして、この状態で前筒110aの先端部を径方向外側から加締めると共に溶接し、外筒110を主体金具50に固定する。
【0044】
次に、
図6(c)に示すように、コネクタ端子60を保持した絶縁体107を、開口部104から径方向に沿ってコネクタ部103に挿入すると、絶縁体107の端部107aが本体部101の内面101aに当接して絶縁体107が位置決めされる。このとき、絶縁体107の端部107a側に位置する第2接続部61の差し込み片61gが、本体部101の軸心の周囲に配設される。
そして、
図6(d)に示すように、外筒110(の後筒110e)に、基体部105を先端部側から挿入すると、後筒110eの軸心にセパレータ40が位置する。そして、シール部材92を介して受け部110bに基体部105(本体部101)を載置する。これにより、このセパレータ40の後端側に突出した各接続端子30の第1接続部31に、対応するコネクタ端子60の第2接続部61が嵌合され(差し込み片61gがメス部31gに嵌合され)、接続端子30とコネクタ端子60とを溶接せずに電気的に接続することができる。
【0045】
次に、
図7(e)に示すように、外筒110(の後筒110e)に、金属カバー140をその先端部側の開口部からシール部材94を介して外嵌する。そして、
図7(f)に示すように、金属カバー140の先端部140aの山部を、受け部110bを囲むように径方向内側に折り曲げて加締め、金属カバー140を外筒110に固定すると共に、本体部101を外筒110(の受け部110b)と金属カバー140とで挟持する。このようにして、後筒110e及び本体部101が金属カバー140で覆われる。
次に、
図7(g)に示すように、素子アセンブリ130に、フランジ付ケーシング150を後端側から外嵌すると、フランジ付ケーシング150の筒体153の先端に設けられて径方向内側に延びる平坦部153aが、主体金具50の径大部52と先端係合部56の間の段部に当接して位置決めされる。そして、この状態で筒体153を径大部52付近で径方向外側から加締めて溶接し、フランジ付ケーシング150を主体金具50、すなわち素子アセンブリ130に固定する。
さらに、
図7(h)に示すように、凹溝153bにシール部材(Oリング)90を外嵌し、ガスセンサ200が完成する。
【0046】
なお、ガスセンサ200の取付け対象体としては、種々の内燃機関が挙げられ、特に自動車等の車両の内燃機関の吸気系統が挙げられる。ここで、吸気系統とは、吸気取り入れ口から内燃機関の吸気ポートまでの間の吸気通路であり、例えば、吸気管、及び吸気管から分岐して内燃機関の吸気ポートに接続される吸気マニホールドが挙げられる。又、吸気は、新気(排気を含まない新鮮な空気)の他、排気の一部が吸気系統へ還流(再循環)されて新気と混合された混合ガスを含む。
又、上記実施形態のガスセンサ素子10は、いわゆる全領域空燃比センサであるが、空燃比センサの他、酸素センサ(λセンサ)、NOxセンサを用いることができる。
なお、吸気側の特定ガス濃度を検出して内燃機関を制御した場合、排気側にガスセンサを設けて排気中の特定ガス濃度を検出する場合に比べ、内燃機関を精度よく制御できる。これは、排気中の特定ガス濃度に応じた制御がフィードバック制御であるのに対し、吸気側の特定ガス濃度に応じた制御は、燃焼前に対応ができるからである。
【0047】
次に、
図8、
図9を参照して、本発明の第2の実施形態に係るガスセンサ300の構成について説明する。ガスセンサ300は、第1の実施形態における接続端子30、コネクタ端子60を、それぞれ接続端子330、コネクタ端子360に変え、さらに絶縁体107を絶縁体307に変えたこと以外は、第1の実施形態と同一であるので、第1の実施形態と同一の構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図8は、ガスセンサ300の構成を示す断面図であり、第1の実施形態の
図3に対応した図である。この図において、接続端子330は、軸線O方向に延びる第1接続部331と、第1接続部331先端がL字状に折り曲げられて径方向に延びる板状の中間部332と、中間部332の先端側で軸線O方向に延びる先端部333とを有する。接続端子330は側面から見て略クランク状に形成され、先端部333は第1の実施形態の先端部33と同一である。
図9に示すように、第1接続部331は、中間部332からL字状に折り曲げられて軸線O方向に延びると共に、第1接続部331の後端側には、L字状に折り曲げられて径方向に延びるメス部331gを有する。このメス部331gは、セパレータ40の後端向き面よりも後端側に突出している。このメス部331gは、主部331bと、主部331bの幅方向の(径方向に沿う)一端からL字状に折り曲げられて後端側に延びる側部331cと、側部331cから主部331bに沿うようにL字状に折り曲げられる対向部331dとを有し、断面がコ字状に形成されている。さらに、主部331bの径方向外側の端部が径方向反対側に折り返されて弾性部331aを形成している。弾性部331aはコ字状の第1接続部331の内部に位置し、主部331bから近づく方向(つまり先端側)に弾性的に撓むようになっている。
一方、コネクタ端子(この例では5本)360はそれぞれ離間しつつ絶縁体307に保持されている。コネクタ端子360は、径方向に延びて絶縁体307に埋設される板状の中間部362と、中間部362からセパレータ40側に突出する端部であって、中間部362と平行に延びる第2接続部361と、中間部362と繋がりつつ絶縁体307から径方向外側に突出する雄部363とを有する。雄部363及び中間部362は第1の実施形態と同一である。
【0048】
図9に示すように、第2の実施形態においては、第1接続部331へのコネクタ端子360(の第2接続部361)の挿入(嵌合)方向が径方向である点が第1の実施形態と異なる。
つまり、第1接続部331(メス部331g)は径方向に開口し、コネクタ端子360(の第2接続部361(差し込み片361g))を径方向に挿入可能になっている。ここで、絶縁体307のセパレータ40側の端部の先端向き面には切り欠き307aが形成されている。又、本体部101の頸部102側の端部には切り欠き307aに対応した突部101bが形成されている。なお、製造方法としては、第1の実施形態とは若干異なり、セパレータアセンブリ120、素子アセンブリ130及び外筒110を組み付けた後、まず、絶縁体307を装着する前の本体部101(基体部105)を、後筒110e内に予め嵌合し、その後に絶縁体307を開口部104から径方向に沿ってコネクタ部103に挿入する。これにより、切り欠き307aが突部101bに当接し、絶縁体307が位置決めされると共に、第2接続部361(差し込み片361g)が第1接続部331(メス部331g)に嵌合され、弾性部331aを押圧し、弾性部331aが軸線O方向に撓むその結果、第1接続部331と第2接続部361とが弾性的に接続され、接続端子330とコネクタ端子360とを溶接せずに電気的に接続することができる。
【0049】
なお、第2の実施形態においては、弾性部331aが撓む方向は、第1接続部331と第2接続部361との並ぶ方向(径方向)と交差する方向(つまり、軸線O方向)である。又、第1接続部331が径方向に屈曲されて第2接続部361と並列に並び、両者を接続可能としている。
【0050】
次に、
図10、
図11を参照して、本発明の第3の実施形態に係るガスセンサ400の構成について説明する。ガスセンサ400は、第1の実施形態における接続端子30、コネクタ端子60を、それぞれ接続端子430、コネクタ端子460に変えたこと以外は、第1の実施形態と同一であるので、第1の実施形態と同一の構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図10は、ガスセンサ400の構成を示す断面図であり、第1の実施形態の
図3に対応した図である。この図において、接続端子430は、軸線O方向に延びる第1接続部431と、第1接続部431より先端側にてL字状に折り曲げられて径方向に延びる板状の中間部432と、中間部432より先端側にてL字状に折り曲げられて軸線O方向に延びる先端部433とを有する。接続端子430は側面から見て略クランク状に形成され、先端部433は第1の実施形態の先端部33と同一である。
なお、接続端子430のうち、第1接続部431の後端部がセパレータ40の後端向き面よりも後端側に突出し、第1接続部431の先端部、中間部432及び先端部433はセパレータ40の挿通孔42の内部に保持されている。但し、第1接続部431の先端部は挿通孔42内にあって挿通孔42の内面から離間している。
【0051】
一方、コネクタ端子(この例では5本)460はそれぞれ離間しつつ絶縁体107に保持されている。コネクタ端子460は、径方向に延びて絶縁体107に埋設される板状の中間部462と、中間部462からセパレータ40側に延びる端部であって、L字状に折り曲げられ、軸線O方向に延びるメス部461gを有する第2接続部461と、中間部362と繋がりつつ絶縁体107から径方向外側に突出する雄部463とを有する。雄部463及び中間部462は第1の実施形態と同一である。
図11に示すように、メス部461gは、中間部462に繋がって軸線O方向にL字状に折り曲げられた対向部461dと、対向部461dの幅方向両端からそれぞれL字状に折り曲げられて径方向に延びる側部431cと、側部431cから反対面に沿うようにL字状に折り曲げられて互いに近接する主部461bとを有している。さらに、主部461bの先端から後端側に向かって屈曲する弾性部461aが形成されている。弾性部461aは主部461bと対向部461dとの間に位置し、主部461bに近づく方向(径方向)に弾性的に撓むようになっている。
【0052】
図11に示すように、第3の実施形態においては、第1接続部431(差し込み片431g)がコネクタ端子460(第2接続部461のメス部461g)に挿入される点が第1の実施形態と異なるが、挿入(嵌合)方向は軸線O方向であって第1の実施形態と同一である。つまり、メス部461gの主部461bと対向部461dとの間に、差し込み片431gを軸線O方向に挿入可能になっている。ここで、第3の実施形態においては、絶縁体107及び絶縁体107が組み付けられる本体部101は第1の実施形態と同一であり、第1の実施形態と同様に、セパレータアセンブリ120を組み付けた後筒110e内に、後端側から基体部105(の本体部101)を嵌合する(
図6(d)参照)。このとき、第2接続部461のメス部461gが、セパレータ40の挿通孔42に挿入されると共に、挿通孔42内の第1接続部431が軸線O方向から第2接続部461に挿入(嵌合)され(差し込み片431gがメス部461に嵌合され)、弾性部461aを押圧し、弾性部461aが径方向に撓む。その結果、第1接続部431と第2接続部461とが弾性的に接続され、接続端子430とコネクタ端子460とを溶接せずに電気的に接続することができる。
なお、メス部461gの対向部461dは径方向に撓むが、第2接続部461がセパレータ40の挿通孔42に挿入されると、主部461bと対向部461dとがそれぞれ挿通孔42の内面に接するので、主部461bと対向部461dとの間隔が広がることが無く、第1接続部431を確実に挟持することができる。
【0053】
なお、第3の実施形態においては、弾性部461aが撓む方向は、第1接続部431と第2接続部461との並ぶ方向(軸線O方向)と交差する方向である。又、第2接続部461が軸線O方向に屈曲されて第1接続部431と並列に並び、両者を接続可能としている。
【0054】
次に、
図12、
図13を参照して、本発明の第4の実施形態に係るガスセンサ500の構成について説明する。ガスセンサ500は、第2の実施形態における接続端子330、コネクタ端子360を、それぞれ接続端子530、コネクタ端子560に変えたこと以外は、第2の実施形態と同一であるので、第2の実施形態と同一の構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図12は、ガスセンサ500の構成を示す断面図であり、第2の実施形態の
図8に対応した図である。この図において、接続端子530は、軸線O方向に延びる第1接続部531と、第1接続部531からL字状に折り曲げられて径方向に延びる板状の中間部532と、中間部432より先端側にてL字状に折り曲げられて軸線O方向に延びる先端部533とを有する。接続端子530は側面から見て略クランク状に形成され、先端部533は第2の実施形態の先端部333と同一である。
なお、
図12に示すように、第1接続部531は、中間部532からL字状に折り曲げられて軸線O方向に延びると共に、第1接続部531の後端側には、L字状に折り曲げられて径方向に延びる差し込み片531gを有する。この差し込み片531gは、セパレータ40の後端向き面よりも後端側に突出している。
【0055】
一方、コネクタ端子(この例では5本)560はそれぞれ離間しつつ絶縁体307に保持されている。コネクタ端子560は、径方向に延びて絶縁体307に埋設される板状の中間部562と、中間部562からセパレータ40側に突出する端部であって、中間部562と平行に延びる第2接続部561と、中間部562と繋がりつつ絶縁体307から径方向外側に突出する雄部563とを有する。雄部563及び中間部562は第2の実施形態と同一である。又、絶縁体307は第2の実施形態と同一である。
図13に示すように、第2接続部561は、中間部562に繋がって径方向に延びる主部561bと、主部561bと別部材であって、主部561bの先端側に位置して主部561bと軸線O方向に積層されて溶接により一体化された対向部561dとを有しているメス部561gからなる。対向部561dは、自身の後端部561eが主部561bと積層されると共に、後端部561eよりも軸線Oに近づく部分が主部561bからクランク状かつ軸線O方向に離間しつつ主部561bと平行になっている。同様に、主部561bも後端部561eとの積層部分よりも軸線Oに近づく部分が主部561bからクランク状かつ軸線O方向に離間している。
さらに、主部561b及び対向部561dの端部は互いに近づくように屈曲して一対の弾性部561aが形成されている。このようにして、第2接続部561のメス部561gは、クリップ状に形成され、主部561bと対向部561dとの弾性力により、一対の弾性部561aが軸線O方向(互いに近づく方向)に開閉するように弾性的に撓むようになっている。
【0056】
図13に示すように、第4の実施形態においては、第1接続部531の差し込み片531gがコネクタ端子560(第2接続部561のメス部561g)に挿入される点、第1接続部531の差し込み片531gが一対の弾性部631aに挟持される点が第2の実施形態と異なる。つまり、一対の弾性部561aの間に第1接続部531の差し込み片531gを径方向に挿入可能になっている。ここで、第4の実施形態においては、絶縁体307及び絶縁体307が組み付けられる本体部101は第2の実施形態と同一である。従って、第2の実施形態と同様に、組み付け時に絶縁体307を開口部104から径方向に沿ってコネクタ部103に挿入すると、切り欠き307aが突部101bに当接し、絶縁体307が位置決めされると共に、第1接続部531が第2接続部561に挿入(嵌合)され(差し込み片531gがメス部561gに嵌合され)、一対の弾性部561aを押圧し、弾性部561aが軸線O方向に撓む。その結果、第1接続部531と第2接続部561とが弾性的に接続され、接続端子530とコネクタ端子560とを溶接せずに電気的に接続することができる。
【0057】
なお、第4の実施形態においては、弾性部561aが撓む方向は、第1接続部531と第2接続部561との並ぶ方向(径方向)と交差する方向である。又、第1接続部531が径方向に屈曲されて第2接続部561と並列に並び、両者を接続可能としている。
【0058】
次に、
図14、
図15を参照して、本発明の第5の実施形態に係るガスセンサ600の構成について説明する。ガスセンサ600は、第1の実施形態における接続端子30を接続端子630に変えたこと以外は、第1の実施形態と同一であるので、第1の実施形態と同一の構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。又、コネクタ端子60は第1の実施形態と同一である。
【0059】
図14は、ガスセンサ500の構成を示す断面図であり、第1の実施形態の
図3に対応した図である。この図において、接続端子630は、軸線O方向に延びる第1接続部631と、第1接続部631からL字状に折り曲げられて径方向に延びる板状の中間部632と、中間部632より先端側にてL字状に折り曲げられて軸線O方向に延びる先端部633とを有する。接続端子630は側面から見て略クランク状に形成され、先端部633は第1の実施形態の先端部33と同一である。
図15に示すように、第1接続部631は、中間部632に繋がり軸線O方向に立ち上がる主部631bと、主部631bの後端向き面から先端に向かって屈曲する弾性部631aを有している。弾性部631aは主部631bとセパレータ40の挿通孔42の内面42aとの間に位置し、主部631bに近づく方向に弾性的に撓むようになっている。なお、接続端子630のうち、第1接続部631の後端側がセパレータ40の後端向き面よりも後端側に突出し、それ以外の部分はセパレータ40の挿通孔42の内部に保持されている。又、主部631bのうち弾性部631aと反対面は、挿通孔42の内面42aに接している一方で、主部631bのうち弾性部631a側の面は、挿通孔42の内面42aから離間している。
一方、コネクタ端子(この例では5本)60は第1の実施形態と同一であり、コネクタ端子60を保持する絶縁体107も第1の実施形態と同一である。そして、コネクタ端子60の第2接続部61が軸線O方向先端に向かってL字状に折り曲げられている。
【0060】
図15に示すように、第5の実施形態においては、第2接続部61が、弾性部631aと、セパレータ40の挿通孔42の内面42aの間挟持される点が第1の実施形態と異なる。ここで、第5の実施形態においては、絶縁体107及び絶縁体107が組み付けられる本体部101は第1の実施形態と同一であり、第1の実施形態と同様に、セパレータアセンブリ120を組み付けた後筒110e内に、後端側から基体部105(の本体部101)を嵌合する(
図6(d)参照)。このとき、コネクタ端子60の第2接続部61が、第1接続部631の弾性部631aと、挿通孔42の内面42aとの間に挿入され、第2接続部61が内面42aに保持されつつ弾性部631aを押圧し、弾性部631aが径方向に撓む。その結果、第1接続部631と第2接続部61とが弾性的に接続され、接続端子630とコネクタ端子60とを溶接せずに電気的に接続することができる。
【0061】
セパレータ40の挿通孔42の内面42aは、特許請求の範囲の「セパレータの表面」に相当する。
なお、第5の実施形態においては、弾性部631aが撓む方向は、第1接続部631と第2接続部61との並ぶ方向(軸線O方向)と交差する方向である。又、第2接続部61が軸線O方向に屈曲されて第1接続部631と並列に並び、両者を接続可能としている。
【0062】
次に、
図16、
図17を参照して、本発明の第6の実施形態に係るガスセンサ700の構成について説明する。ガスセンサ700は、第1の実施形態における接続端子30、コネクタ端子60を、それぞれ接続端子730、コネクタ端子760に変えたこと以外は、第1の実施形態と同一であるので、第1の実施形態と同一の構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図16は、ガスセンサ700の構成を示す断面図であり、第1の実施形態の
図3に対応した図である。この図において、接続端子730は、軸線O方向に延びる第1接続部731と、第1接続部731からL字状に折り曲げられて径方向に延びる板状の中間部732と、中間部732より先端側にてL字状に折り曲げられて軸線O方向に延びる先端部733とを有する。接続端子630は側面から見て略クランク状に形成され、先端部733は第1の実施形態の先端部33と同一である。又、第1接続部731は、中間部732からL字状に折り曲げられて軸線O方向に延びると共に、第1接続部731の後端側には、L字状に折り曲げられて径方向に延びる主部731bと、主部731bの径方向外側の端部が径方向反対側に折り返された弾性部331aとを有している。弾性部731aは、主部731bに近づく方向(先端側)に弾性的に撓むようになっている。
なお、接続端子730のうち、第1接続部731の後端側がセパレータ40の後端向き面よりも後端側に突出し、それ以外の部分はセパレータ40の挿通孔42の内部に保持されている。
一方、コネクタ端子(この例では5本)760は第2接続部761以外の構成が第1の実施形態と同一であり、コネクタ端子60を保持する絶縁体107も第1の実施形態と同一である。そして、コネクタ端子760の第2接続部761は、絶縁体107の内面107aに当接しつつ、中間部762と平行に径方向に延び、第2接続部761の先端向き面(板面)が表出している。なお、コネクタ端子760は絶縁体107にインサート成形されており、第2接続部761の後端向き面(板面)は絶縁体107の樹脂内に埋設して固定されている。
【0063】
図17に示すように、第6の実施形態においては、第2接続部761が、弾性部731aと、絶縁体107の内面107aとの間に挟持される点が第1の実施形態と異なる。ここで、第6の実施形態においては、絶縁体107及び絶縁体107が組み付けられる本体部101は第1の実施形態と同一であり、第1の実施形態と同様に、セパレータアセンブリ120を組み付けた後筒110e内に、後端側から基体部105(の本体部101)を嵌合する。このとき、コネクタ端子760の第2接続部761が、第1接続部731の弾性部731aの後端側に載置され、弾性部761aを押圧し、弾性部761aが軸線O方向に撓む。その結果、第1接続部731と第2接続部761とが弾性的に接続され、接続端子730とコネクタ端子760とを溶接せずに電気的に接続することができる。
【0064】
絶縁体107の内面107aが特許請求の範囲の「基体部の内面」に相当する。
なお、第6の実施形態においては、弾性部731aが撓む方向は、第1接続部731と第2接続部761との並ぶ方向(径方向)と交差する方向である。又、第1接続部731が径方向に屈曲されて第2接続部761と並列に並び、両者を接続可能としている。
【0065】
次に、
図18を参照して、本発明の第7の実施形態に係るガスセンサ800の構成について説明する。ガスセンサ800は、第1の実施形態における接続端子30、コネクタ端子60、絶縁体107を、それぞれ接続端子830、コネクタ端子860、絶縁体807に変えたこと以外は、第1の実施形態と同一であるので、第1の実施形態と同一の構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0066】
図18は、ガスセンサ800の構成を示す断面図であり、第1の実施形態の
図3に対応した図である。なお、
図18においては、接続端子830及びコネクタ端子860付近の構成のみを表示し、その他の構成部分を省略してある。
接続端子830は、軸線O方向に延びる第1接続部831と、第1接続部831からL字状に折り曲げられて径方向に延びる板状の中間部832と、中間部832より先端側にてL字状に折り曲げられて軸線O方向に延びる先端部833とを有する。接続端子830は側面から見て略クランク状に形成され、先端部833は第1の実施形態の先端部33と同一である。
なお、接続端子830のうち、第1接続部831の後端部がセパレータ40の後端向き面よりも後端側に突出し、それ以外の部分はセパレータ40の挿通孔の内部に保持されている。
【0067】
一方、コネクタ端子(この例では5本)860はそれぞれ離間しつつ絶縁体807に保持されている。コネクタ端子860は、径方向に延びて絶縁体807に埋設される板状の中間部862と、中間部862からL字状に折り曲げられて軸線O方向に延びる第2接続部861と、絶縁体807から径方向外側に突出する雄部(図示せず)とを有する。雄部及び中間部862は第1の実施形態と同一である。
ここで、絶縁体807は、第2接続部861よりも軸線O側にて先端側へ張出す張出部807bを有している。張出部807bの側面807aは、主面861bと離間しつつ主面861bと平行に延びている。又、第2接続部861は、軸線O方向に延びる主面861bと、主面861bの先端から後端に向かって屈曲する弾性部861aを有している。弾性部861aは張出部807bに対向し、主面861bから遠ざかる方向(張出部807bに近づく方向)に弾性的に撓むようになっている。
【0068】
第7の実施形態においては、第1接続部831が、第2接続部761の弾性部761aと、絶縁体807の側面807aとの間に挟持される点が第1の実施形態と異なる。ここで、第7の実施形態においては、絶縁体807が組み付けられる本体部101は第1の実施形態と同一であり、第1の実施形態と同様に、セパレータアセンブリ120を組み付けた後筒110e内に、後端側から基体部105(の本体部101)を嵌合する。このとき、第2接続部861と、絶縁体807の側面807aとの間に、第1接続部831が軸線O方向から挿入(嵌合)され(
図18の矢印参照)、弾性部861aを押圧し、弾性部761aが軸線O方向に撓む。その結果、第1接続部831と第2接続部861とが弾性的に接続され、接続端子830とコネクタ端子860とを溶接せずに電気的に接続することができる。
【0069】
絶縁体807の側面807aが特許請求の範囲の「基体部の内面」に相当する。
なお、第7の実施形態においては、弾性部861aが撓む方向は、第1接続部831と第2接続部861との並ぶ方向(軸線O方向)と交差する方向である。又、第2接続部861が軸線O方向に屈曲されて第1接続部831と並列に並び、両者を接続可能としている。
【0070】
次に、
図19を参照して、本発明の第8の実施形態に係るガスセンサ900の構成について説明する。ガスセンサ900は、第1の実施形態における接続端子30、コネクタ端子60を、それぞれ接続端子930、コネクタ端子960に変えたこと以外は、第2の実施形態と同一であるので、第2の実施形態と同一の構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図19は、ガスセンサ900の構成を示す断面図であり、第2の実施形態の
図8に対応した図である。なお、
図19においては、接続端子930及びコネクタ端子960付近の構成のみを表示し、その他の構成部分を省略してある。
接続端子930は、軸線O方向に延びる第1接続部931と、第1接続部931からL字状に折り曲げられて径方向に延びる板状の中間部932と、中間部932より先端側にてL字状に折り曲げられて軸線O方向に延びる先端部933とを有する。接続端子930は側面から見て略クランク状に形成され、先端部933は第2の実施形態の先端部333と同一である。
なお、
図19に示すように、第1接続部531は、中間部532からL字状に折り曲げられて軸線O方向に延びると共に、第1接続部531の後端側には、L字状に折り曲げられて径方向に延びている。また、接続端子930のうち、第1接続部931がセパレータ40の後端向き面よりも後端側に突出し、それ以外の部分はセパレータ40の挿通孔の内部に保持されている。さらに、第1接続部931とセパレータ40の後端向き面40bとの間隔は、コネクタ端子960の主部961bから弾性部961aまでの軸線方向の高さよりも狭い。
【0071】
一方、コネクタ端子(この例では5本)960はそれぞれ離間しつつ絶縁体(図示せず)に保持されている。コネクタ端子960は、径方向に延びて絶縁体(図示せず)に埋設される板状の中間部(図示せず)と、中間部からセパレータ40側に突出する端部であって、径方向に延びる第2接続部961と、絶縁体から径方向外側に突出する雄部(図示せず)とを有する。
又、第2接続部961は、径方向に延びて中間部に繋がる主部961bと、主部961bの端部から中間部に向かって折り返された弾性部961aとを有している。弾性部861aは主面961bから遠ざかる方向(つまり、後端側)に弾性的に撓むようになっている。
【0072】
第8の実施形態においては、第2接続部961が、第1接続部931と、セパレータ40の後端向き面40bとの間に挿入(嵌合)される点が第2の実施形態と異なる。ここで、第8の実施形態においては、第2の実施形態と同様に、絶縁体を装着する前の本体部101(基体部105)を、セパレータアセンブリ120を組み付けた後筒110e内に予め嵌合し、その後に絶縁体307を開口部104から径方向に沿ってコネクタ部103に挿入する。このとき、第1接続部931と、セパレータ40の後端向き面40bとの間に、第2接続部961が径方向から挿入(嵌合)され(
図19の矢印参照)、第2接続部961の弾性部961aが第1接続部931の先端向き面によって押圧し、弾性部961aが軸線O方向に撓む。その結果、第1接続部831と第2接続部861とが弾性的に接続され、接続端子930とコネクタ端子960とを溶接せずに電気的に接続することができる。
【0073】
セパレータ40の後端向き面40bが特許請求の範囲の「セパレータの表面」に相当する。
なお、第8の実施形態においては、弾性部961aが撓む方向は、第1接続部931と第2接続部961との並ぶ方向(径方向)と交差する方向である。又、第1接続部931が径方向に屈曲されて第2接続部961と並列に並び、両者を接続可能としている。
【0074】
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
例えば、第1接続部と第2接続部の一方を屈曲して両者を並列にする代わりに、第1接続部及び第2接続部を共に屈曲して(例えば、両者をいずれも軸線方向と45度の方向に屈曲させ)両者を並列にしてもよい。