【実施例】
【0049】
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1に示す配合量は質量%を示す。
【0050】
表1の実施例および比較例において、食用油脂は、パーム核油とパーム油のエステル交換油5質量%、豚脂35質量%、パーム分別軟質油10質量%、パーム分別軟質油のエステル交換油30質量%、菜種油20質量%を用いた。
【0051】
乳化剤Aは、炭素数18以上の不飽和脂肪酸量が構成脂肪酸に対して60質量%のグリセリンモノ脂肪酸エステル、乳化剤Bは、炭素数18以上の不飽和脂肪酸量が構成脂肪酸に対して1質量%のグリセリンモノ脂肪酸エステルを用いた。
【0052】
タンパク質濃縮ホエイAは、タンパク質26質量%、灰分17質量%のタンパク質濃縮ホエイ、タンパク質濃縮ホエイBは、タンパク質81質量%、灰分3質量%のタンパク質濃縮ホエイを用いた。
【0053】
呈味素材Aは、pH4.2の乳由来の発酵乳、呈味素材BはpH6.0の乳由来の発酵乳を用いた。
(油中水型乳化組成物の調製)
表1の実施例および比較例の配合の油中水型乳化組成物を次の手順に従って調製した。
1) 水にタンパク質濃縮ホエイ、乳由来の呈味素材、および食塩(比較例3は更に乳清ミネラル)を添加し、70℃に加温、混合して溶解し水相を得た。
2) 食用油脂に乳化剤を添加し、70℃に加温し混合して溶解し油相を得た。
3) 油相に水相をゆっくりと添加しながら乳化した後、香料を添加した。
4) 乳化物を急冷で練り合わせ、可塑性を有する乳化物を得た。
【0054】
実施例および比較例でそれぞれ得られた油中水型の乳化物について、次の評価を行った。
[乳化安定性]
乳化物を30℃で24時間保存した後、離水状態を観察し、次の基準により評価した。
◎:全く離水がなく良好な状態
○:離水が観察されず良好な状態
△:僅かに離水が観察された状態
×:完全に離水した状態
[風味(塩味)]
20℃に調温した乳化物を20名のパネラーにより官能的に評価した。その結果に基づいて次の基準により評価した。
◎:20名中、15名以上が塩味が良好と評価した。
○:20名中、10名以上15名未満が塩味が良好と評価した。
△:20名中、5名以上10名未満が塩味が良好と評価した。
×:20名中、5名未満が塩味が良好と評価した。
[風味(コク味)]
20℃に調温した乳化物を20名のパネラーにより官能的に評価した。その結果に基づいて次の基準により評価した。
◎:20名中、15名以上がコク味が良好と評価した。
○:20名中、10名以上15名未満がコク味が良好と評価した。
△:20名中、5名以上10名未満がコク味が良好と評価した。
×:20名中、5名未満がコク味が良好と評価した。
[食感(口溶け)]
20℃に調温した乳化物を20名のパネラーにより官能的に評価した。その結果に基づいて次の基準により評価した。
◎:20名中、15名以上が口溶けが良好と評価した。
○:20名中、10名以上15名未満が口溶けが良好と評価した。
△:20名中、5名以上10名未満が口溶けが良好と評価した。
×:20名中、5名未満が口溶けが良好と評価した。
【0055】
評価結果を表1に示す。なお、上記の各評価項目の結果(記号)は、換言すれば、◎は特に良好、○は良好、△は最低限でも評価項目の目的達成、×は目的未達である。
【0056】
【表1】
【0057】
表1の結果より、タンパク質を25〜30質量%、灰分を15〜20質量%含有するタンパク質濃縮ホエイ、および食塩を含有する油中水型乳化組成物の実施例1〜18は、風味(塩味、コク味)、口溶け、乳化安定性のすべてがいずれも全体的に概ね良好であった。
【0058】
比較例1は、タンパク質濃縮ホエイを配合せず、風味(塩味、コク味)が悪く、特にコク味が悪かった。
【0059】
比較例2は、タンパク質濃縮ホエイとしてタンパク質が多く灰分の少ないものを使用したが、風味(塩味)に向上が見られず、乳化安定性もやや低下した。比較例3は更に乳清ミネラルを併用し塩味の向上は見られたが、乳清ミネラルにエグ味があるため、特にコク味が低下した。
【0060】
比較例4は、食塩を配合せず、乳化安定性は顕著に向上したが、特に口溶けが低下した。
【0061】
実施例1〜18のうち、水分に対してタンパク質濃縮ホエイAを0.5〜20質量%、食塩を3〜15質量%の範囲で配合し、組成物全量に対してタンパク質濃縮ホエイAを0.1〜2.5質量%、食塩を0.5〜2質量%の範囲で配合した油中水型乳化組成物は、風味(塩味、コク味)がいずれも良好であった。
【0062】
また、乳化剤として、構成脂肪酸に炭素数18以上の不飽和脂肪酸を60質量%以上含むグリセリンモノ脂肪酸エステル(乳化剤A)を使用すると、風味(塩味、コク味)、口溶けがいずれも良好であった。
【0063】
なお、表1には示していないが、乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを使用した場合と比べても、乳化剤として構成脂肪酸に炭素数18以上の不飽和脂肪酸を60質量%以上含むグリセリンモノ脂肪酸エステルを使用した場合には風味(塩味、コク味)、口溶けがいずれも向上した。
【0064】
また、タンパク質濃縮ホエイと共に乳由来の呈味素材を併用すると、コク味がさらに向上した。中でも、実施例1と実施例10との対比にも見られるように、乳由来の呈味素材としてpHが5以下のもの(呈味素材A)を使用すると、コク味は特に向上した。
【0065】
また、組成物全量に対して油分を70質量%以上含有することで、乳化安定性が良好となった。