(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
副玩具の種類によって異なるIDを保持する当該副玩具から当該IDを読み取った場合に、発光、表示及び音出力のうちの少なくとも1つによる演出出力を行う主玩具と、前記主玩具とは別体の情報端末と、サーバとを具備した玩具システムであって、
前記情報端末は、
前記副玩具からIDを受信するID受信手段と、
前記ID受信手段で受信されたIDに対応する演出制御データを前記サーバから取得する演出制御データ取得手段と、
前記演出制御データ取得手段が取得した、前記ID受信手段で受信されたIDに対応する演出制御データを前記主玩具に送信する演出制御データ送信手段と、
を有し、
前記サーバは、
前記副玩具のIDに対応する演出制御データを記憶しており、
前記主玩具は、
前記演出制御データ送信手段から送信された、前記演出制御データ取得手段が取得した前記ID受信手段で受信された前記副玩具のIDに対応する演出制御データを記憶可能である、
ことを特徴とする玩具システム。
副玩具の種類によって異なるIDを保持する当該副玩具から当該IDを読み取った場合に、発光、表示及び音出力のうちの少なくとも1つによる演出出力を行う主玩具と、前記主玩具とは別体の情報端末と、サーバとを具備した玩具システムであって、
前記主玩具は、一部又は全部のIDに対応する演出制御データが欠落した不全状態のテーブルデータを記憶しており、
前記サーバは、欠落している演出制御データを補充し、前記不全状態のテーブルデータのうちの各IDに応じた前記演出制御データそれぞれを個別に完全状態にするための更新制御データを記憶しており、
前記情報端末は、
前記副玩具からIDを受信するID受信手段と、
前記ID受信手段で受信されたIDに対応する演出制御データを完全状態とするための更新制御データを前記サーバから取得する更新制御データ取得手段と、
を有し、
前記情報端末または前記主玩具は、
前記主玩具に記憶されている前記テーブルデータの前記演出制御データを、前記更新制御データ取得手段により取得された更新制御データを用いて完全状態に更新する制御を行う更新制御手段と、
を備えた、
玩具システム。
副玩具の種類によって異なるIDを保持する当該副玩具から当該IDを読み取った場合に、発光、表示及び音出力のうちの少なくとも1つによる演出出力を行う主玩具と、前記主玩具とは別体の情報端末と、サーバとを具備した玩具システムであって、
前記主玩具は、前記副玩具の種類別の各IDと対応づけられた、完全状態となったときに各IDに応じた演出出力を行うことができるようになる演出制御データを格納したテーブルデータを不全状態で記憶しており、
前記サーバは、前記不全状態のテーブルデータのうちの前記演出制御データそれぞれを個別に完全状態にするための更新制御データを記憶しており、
前記情報端末は、
前記副玩具からIDを受信するID受信手段と、
前記ID受信手段で受信されたIDに対応する演出制御データを完全状態とするための更新制御データを前記サーバから取得する更新制御データ取得手段と、
を有し、
前記情報端末または前記主玩具は、
前記主玩具に記憶されている前記テーブルデータの前記演出制御データを、前記更新制御データ取得手段により取得された更新制御データを用いて完全状態に更新する制御を行う更新制御手段と、
を備えた、
玩具システム。
副玩具の種類によって異なるIDを保持する当該副玩具から当該IDを読み取った場合に、発光、表示及び音出力のうちの少なくとも1つによる演出出力を行う主玩具と、前記主玩具とは別体の情報端末と、サーバとを具備した玩具システムにおける前記情報端末としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記副玩具からIDを受信する制御を行うID受信制御手段、
前記ID受信制御手段で受信されたIDに対応する演出制御データを前記サーバから取得する演出制御データ取得手段、
として機能させるためのプログラム。
副玩具の種類によって異なるIDを保持する当該副玩具から当該IDを読み取った場合に、発光、表示及び音出力のうちの少なくとも1つによる演出出力を行う主玩具と、前記主玩具とは別体の情報端末と、サーバとを具備した玩具システムにおける前記情報端末としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記主玩具は、一部又は全部のIDに対応する演出制御データが欠落した不全状態のテーブルデータを記憶しており、
前記サーバは、欠落している演出制御データを補充し、前記不全状態のテーブルデータのうちの各IDに応じた前記演出制御データそれぞれを個別に完全状態にするための更新制御データを記憶しており、
前記コンピュータを、
前記副玩具からIDを受信するID受信手段、
前記ID受信手段で受信されたIDに対応する演出制御データを完全状態とするための更新制御データを前記サーバから取得する更新制御データ取得手段、
として機能させるためのプログラム。
副玩具の種類によって異なるIDを保持する当該副玩具から当該IDを読み取った場合に、発光、表示及び音出力のうちの少なくとも1つによる演出出力を行う主玩具と、前記主玩具とは別体の情報端末と、サーバとを具備した玩具システムにおける前記情報端末としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記主玩具は、前記副玩具の種類別の各IDと対応づけられた、完全状態となったときに各IDに応じた演出出力を行うことができるようになる演出制御データを格納したテーブルデータを不全状態で記憶しており、
前記サーバは、前記不全状態のテーブルデータのうちの前記演出制御データそれぞれを個別に完全状態にするための更新制御データを記憶しており、
前記コンピュータを、
前記副玩具からIDを受信するID受信手段、
前記ID受信手段で受信されたIDに対応する演出制御データを完全状態とするための更新制御データを前記サーバから取得する更新制御データ取得手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
[システム構成]
図1は、第1の実施形態の玩具システム1の構成図である。
図1によれば、この玩具システム1は、サーバシステム10と、ユーザが所有する主玩具20、複数種類の副玩具30、及び、情報端末40とを備えて構成される。
【0018】
サーバシステム10と情報端末40とは、通信回線Nを介してデータ通信可能に構成されている。通信回線Nは、データ授受が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0019】
サーバシステム10は、単数又は複数のサーバ装置や記憶装置等を含んで構成されたシステムであって、主玩具20及び副玩具30の販売会社が管理する。
【0020】
情報端末40は、例えばスマートフォンや携帯型ゲーム装置、タブレット型コンピュータ等により実現される電子機器であり、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介して通信回線Nに接続し、サーバシステム10とデータ通信を行うことができる。
【0021】
また、主玩具20、副玩具30、及び、情報端末40間では、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)によるデータ通信が可能となっている。より具体的には、副玩具30は、NFC用のICタグであるNFCタグを備え、主玩具20及び情報端末40は、NFCタグに対してデータの読み書きが可能なNFCリーダライタを備えている。そして、主玩具20や情報端末40による副玩具30のNFCタグに記憶されているデータの読み出しや、主玩具20と情報端末40との間のデータの読み書きが可能である。
【0022】
[概要]
図2に示すように、副玩具30が備えるNFCタグには、当該玩具の種類を表す副玩具IDが記憶(保持)されている。そして、主玩具20に副玩具30を接近させると(例えば“かざす”と)、主玩具20において、この接近させた副玩具30の種類(副玩具ID)に応じた演出がなされる。具体的には、主玩具20には、副玩具30の種類(副玩具ID)それぞれに対応する複数の演出制御データが記憶されている。そして、主玩具20は、接近された副玩具30に記憶(保持)されている副玩具IDを読み取り、読み取った副玩具IDに対応する演出制御データに基づく演出を行う。ここで、主玩具20における演出としては、例えば、所定のメッセージの音声出力や、所定の効果音の音出力、所定のテキストや画像の表示出力、所定のカラーパターンでの発光出力などがある。
【0023】
図3に基づいて、主玩具体20に新たな演出制御データを記憶させる場合について説明する。新たな演出制御データは、副玩具IDに対応付けて、サーバシステム10にて記憶されている。演出制御データは副玩具30の種類(副玩具ID)毎に異なるため、演出制御データも、副玩具30の種類(副玩具ID)毎に異なる。
【0024】
まず、情報端末40に副玩具30を接近させると、情報端末40は、この接近された副玩具30に記憶されている副玩具IDを読み取る(受信する)(a)。次いで、情報端末40は、サーバシステム10に対して、読み取った(受信した)副玩具IDとともに、演出制御データを要求する(b)。そして、サーバシステム10から、副玩具IDに対応する演出制御データを受信(取得)する(c)。続いて、情報端末40と主玩具20とを接近させると、情報端末40から受信した演出制御データが主玩具20に送信され、新たな演出制御データとして記憶される(d)。
【0025】
このように、主玩具20に演出制御データが記憶されていなければ、仮に、データ解析されたとしても、どのような演出が行われるかは分からない。また、主玩具体20に記憶されている演出制御データがデータ解析によって取得されたとしても、そのデータは、そもそも、対応する副玩具30を用いて新たに記憶された演出制御データであるのだから、ユーザはその演出制御データに基づく演出を知っており、問題が生じることはない。
【0026】
[機能構成]
(A)サーバシステム10
図4は、サーバシステム10の機能構成図である。
図4によれば、サーバシステム10は、機能的には、サーバ操作部112と、サーバ表示部114と、サーバ通信部116と、サーバ処理部120と、サーバ記憶部130とを備えて構成される。
【0027】
サーバ操作部112は、サーバシステム10の管理のための各種操作入力を受け付け、なされた操作に応じた操作信号をサーバ処理部120に出力する。この機能は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等の入力装置によって実現される。
【0028】
サーバ表示部114は、サーバ処理部120からの表示信号に基づいて各種表示画面を表示する。この機能は、例えばフラットパネルディスプレイやCRT、プロジェクタ等の画像表示装置によって実現される。
【0029】
サーバ通信部116は、通信回線Nに接続して外部装置(主に、情報端末40)とのデータ通信を行う。この機能は、例えば無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
【0030】
サーバ処理部120は、サーバ記憶部130から読み出したプログラムやデータ、サーバ通信部116からの受信データ等に基づいて、サーバシステム10を統括的に制御する。この機能は、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現される。本実施形態では、サーバ処理部120は、演出制御管理部122を有する。
【0031】
演出制御管理部122は、情報端末40から要求された副玩具IDに対応する演出制御データを、当該情報端末40へ送信する。ここで、演出制御データは、演出制御データテーブル134として記憶されている。
【0032】
図5は、演出制御データテーブル134のデータ構成例である。
図5によれば、演出制御データテーブル134は、副玩具IDそれぞれに、演出制御データを対応付けて格納している。
【0033】
サーバ記憶部130は、サーバ処理部120がサーバシステム10を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するとともに、サーバ処理部120の作業領域として用いられ、サーバ処理部120が各種プログラムに従って実行した演算結果や、サーバ通信部116を介した受信データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現される。本実施形態では、サーバ記憶部130には、演出制御管理プログラム132と、演出制御データテーブル134とが記憶される。
【0034】
(B)情報端末40
図6は、情報端末40の機能構成図である。
図8によれば、情報端末40は、機能的には、端末操作部412と、端末表示部414と、端末通信部416と、端末近距離無線通信部418と、端末処理部420と、端末記憶部430とを備えて構成される。
【0035】
端末操作部412は、ユーザによる各種操作入力を受け付け、なされた操作に応じた操作信号を端末処理部420に出力する。この機能は、例えばボタンスイッチやジョイスティック、タッチパッド、トラックボールといった直接ユーザが指で操作する素子は勿論、加速度センサや角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサ等、運動や姿勢を検知する素子等によって実現される。
【0036】
端末表示部414は、端末処理部420からの表示信号に基づいて各種表示画面を表示する。この機能は、例えばフラットパネルディスプレイやタッチパネル等の表示装置によって実現される。
【0037】
端末通信部416は、通信回線Nに接続して外部装置(主に、サーバシステム10)とのデータ通信を行う。この機能は、例えば無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
【0038】
端末近距離無線通信部418は、近接した外部装置(主に、主玩具20や副玩具30)との近距離無線通信を行う。本実施形態では、主玩具20、副玩具30及び情報端末40間は、NFCによる通信を行うとしたが、Bluetooth(登録商標)、IrDA等の他の通信を利用することとしてもよい。
【0039】
端末処理部420は、端末記憶部430から読み出したプログラムやデータ、端末通信部416や端末近距離無線通信部418からの受信データ等に基づいて、情報端末40の動作を統括的に制御する。この機能は、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現される。本実施形態では、端末処理部420は、副玩具ID取得部422と、演出制御データ取得部424と、演出データ送信部426とを有する。
【0040】
副玩具ID取得部422は、端末近距離無線通信部418を介して、副玩具30に記憶(保持)されている副玩具IDを取得する。すなわち、副玩具ID取得部422、端末近距離無線通信部418は、本発明にいうところの「ID受信手段」として動作する。
【0041】
演出制御データ取得部424は、端末通信部416を介して、副玩具ID取得部422が取得した副玩具IDに対応する演出制御データを、サーバシステム10から取得する。取得した演出制御データは、副玩具IDと対応付けて、取得演出制御データ群434として蓄積記憶される。
【0042】
演出データ送信部426は、端末近距離無線通信部418を介して、取得演出制御データ群434として記憶されている演出制御データを主玩具体20に送信する。
【0043】
端末記憶部430は、端末処理部420に情報端末40を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態の各種機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶するとともに、端末処理部420の作業領域として用いられ、端末処理部420が各種プログラムに従って実行した演算結果や、端末通信部416や端末近距離無線通信部418からの受信データ等が一時的に格納される。この機能は、例えばRAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現される。本実施形態では、端末記憶部430には、演出制御データ制御プログラム432と、取得演出制御データ群434とが記憶される。
【0044】
(C)主玩具20
図9は、主玩具20の機能構成図である。
図9によれば、主玩具20は、機能的には、玩具操作部212と、玩具表示部214と、音出力部216と、玩具近距離無線通信部218と、玩具処理部220と、玩具記憶部230とを備えて構成される。
【0045】
玩具操作部212は、ユーザによる各種操作入力を受け付け、なされた操作に応じた操作信号を処理部に出力する。この機能は、例えばボタンスイッチやタッチパネル等の入力装置によって実現される。
【0046】
玩具表示部214は、玩具処理部からの表示信号に基づいて各種表示を行う。この機能は、液晶ディスプレイ(LCD)等の画像表示装置の他、LED等の発光装置によって実現される。
【0047】
音出力部216は、玩具処理部220からの音信号に基づいて各種音声を出力する。
この機能は、スピーカ等の音出力装置によって実現される。
【0048】
玩具近距離無線通信部218は、近接した外部装置(主に、副玩具30や情報端末40)との近距離無線通信を行う。本実施形態では、主玩具20、副玩具30及び情報端末40間は、NFCによる通信を行うとしたが、Bluetooth(登録商標)、IrDA等の他の通信を利用することとしてもよい。
【0049】
玩具処理部220は、玩具記憶部230から読み出したプログラムやデータ、玩具操作部212からの操作信号等に基づいて、主玩具20の動作を統括的に制御する。この機能は、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現される。本実施形態では、玩具処理部220は、演出制御部222を有する。
【0050】
演出制御部222は、接近された副玩具30の種類に応じた演出の制御を行う。すなわち、玩具近距離無線通信部218を介して、副玩具30に記憶(保持)されている副玩具IDを読み出す(読み取る、受信する)と、この副玩具IDに対応する演出制御データに基づく演出制御を行う。なお、副玩具IDに対応する演出制御データが記憶されていない場合は、演出制御は行われないこととなる。または、後述する
図10のように、副玩具IDそれぞれに対応付けて基本演出制御データを記憶しておき、もし、副玩具IDに対応する演出制御データが記憶されていない場合は、当該副玩具IDに対応する基本演出制御データに基づいて演出制御が行われるようにしても良い。演出制御としては、例えば、玩具表示部214に所与の演出表示をさせたり、音出力部216から所与の演出音声を出力させたりする。ここで、演出制御データは、演出制御データテーブル234に格納されている。
【0051】
図8は、演出制御データテーブル234のデータ構成例である。
図8によれば、演出制御データテーブル234は、副玩具IDそれぞれに、基本演出制御データ及び演出制御データと、更新フラグとを対応付けて格納されるようになっている。更新フラグは、演出制御データが記憶されているかどうか、を示すフラグである。
【0052】
玩具記憶部230は、玩具処理部220に主玩具20を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するとともに、玩具処理部220の作業領域として用いられ、玩具処理部220が各種プログラムに従って実行した演算結果や、玩具近距離無線通信部218を介した受信データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROM等のICメモリ等によって実現される。本実施形態では、玩具記憶部230には、演出制御プログラム232と、演出制御データテーブル234とが記憶される。
【0053】
[処理の流れ]
(A)情報端末40
図9は、情報端末40における演出制御データ取得処理の流れを説明するフローチャートである。この機能は、端末処理部420が演出制御データ制御プログラム432を実行することで実現される。
【0054】
先ず、副玩具30との通信を確立したならば(ステップA1:YES)、副玩具ID取得部422が、当該副玩具30に記憶(保持)されている副玩具IDを読み取る(受信する)(ステップA3)。次いで、演出制御データ取得部424が、サーバシステム10に対して、この読み取った副玩具IDの演出制御データを要求する(ステップA5)。そして、当該要求に応答してサーバシステム10から送信されてくる演出制御データを取得(受信)して演出制御データ群に追加する(ステップA7)。その後、演出制御データを取得したことを、例えば音声出力や画像表示等によって報知する(ステップA9)。
【0055】
また、主玩具20との通信を確立したならば(ステップA11:YES)、演出データ送信部426が、演出制御データ群434の受信した演出制御データを主玩具20に送信する(ステップA13)。そして、演出制御データの送信が完了したことを、例えば音声出力や画像表示等によって報知する(ステップA17)。その後、ステップA1に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0056】
(B)主玩具20
図10は、主玩具20における演出制御処理の流れを説明するフローチャートである。
この機能は、玩具処理部220が演出制御プログラム232を実行することで実現される。
【0057】
玩具処理部220は、副玩具30との通信を確立したならば(ステップB1:YES)、演出制御部222が、当該副玩具30に記憶(保持)されている副玩具IDを読み取る(ステップB3)。次いで、演出制御データテーブル234を参照し、読み取った副玩具IDに対応する演出制御データが記憶されているか否かを判断する。記憶されているならば(ステップB5:YES)、対応する演出制御データに基づく演出制御を行い(ステップB7)、記憶されていない状態ならば(ステップB5:NO)、演出を出力しない、または、対応する基本演出制御データに基づく演出制御を行う(ステップB7)。その後、ステップB1に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0058】
[作用効果]
このように、本実施形態の玩具システム1では、主玩具20は、副玩具30の種類を表す副玩具IDそれぞれに対応する演出制御データが格納される演出制御データテーブル234を記憶している。情報端末40が、対応する副玩具30の副玩具IDを読み取り、サーバシステム10から、この副玩具IDに対応する演出制御データを取得し、この演出制御データを主玩具20に送信すると、演出制御データテーブル234に記憶される。
【0059】
つまり、主玩具20に演出制御データを記憶させるには、対応する副玩具30が必要である。また、演出制御データが記憶されていない状態の主玩具20からは、データ解析をされたとしても、どのような演出が行われるかを伺い知ることはできない。これにより、主玩具20が解析されて、どのような演出が行われるか知られてしまうことがない。また、記憶されている演出制御データは、対応する副玩具30を用いて取得されたデータであるのだから、ユーザはその演出制御データに基づく演出を知っており、問題が生じることはない。
【0060】
また、主玩具20の製造・販売後(出荷後)に、演出制御データを主玩具20に追加記憶させることが可能となり、演出内容の決定の如何に関わらず、主玩具20を早期に製造開始することが可能となる。
【0061】
以上述べたとおり、第1の実施形態によれば、種類によって異なるIDを発信する副玩具と、副玩具から受信したIDに対応する演出を行う主玩具とを具備する玩具システムにおいて、主玩具の解析によって、副玩具が無くとも、当該副玩具のIDを受信した(読み取った)場合に主玩具が行う演出が知られてしまうことを防止できる。すなわち、主玩具において新たな演出制御データを記憶させるには、副玩具が保持しているIDを情報端末が受信し、受信したIDに対応する演出制御データを情報端末がサーバから取得して、この取得した演出制御用データを主玩具に送信して、記憶させる必要がある。従って、データ解析が行われても、製造・販売時の主玩具20の状態では、演出制御データが記憶されていないので、どのような演出が行われるかまでは分からない。なお、データ解析によって演出制御データが取得されたとしても、そのデータは、対応する副玩具を用いて記憶されたデータであるのだから、ユーザはその演出制御データに基づく演出を知っており、問題が生じることはない。
【0062】
また、第1の実施形態によれば、後日、サーバから提供される演出制御データを補充できる仕組みとなるため、製造・販売後に新たな演出を追加可能な主玩具を実現することができる。
【0063】
<第2の実施形態>
[システム構成]
図11は、第2の実施形態の玩具システム21の構成図である。
図11によれば、この玩具システム21は、サーバシステム210と、ユーザが所有する主玩具220、複数種類の副玩具230、及び、情報端末240とを備えて構成される。
【0064】
サーバシステム210と情報端末240とは、通信回線Nを介してデータ通信可能に構成されている。通信回線Nは、データ授受が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0065】
サーバシステム210は、単数又は複数のサーバ装置や記憶装置等を含んで構成されたシステムであって、主玩具220及び副玩具230の販売会社が管理する。
【0066】
情報端末240は、例えばスマートフォンや携帯型ゲーム装置、タブレット型コンピュータ等により実現される電子機器であり、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介して通信回線Nに接続し、サーバシステム210とデータ通信を行うことができる。
【0067】
また、主玩具220、副玩具230、及び、情報端末240間では、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)によるデータ通信が可能となっている。より具体的には、副玩具230は、NFC用のICタグであるNFCタグを備え、主玩具220及び情報端末240は、NFCタグに対してデータの読み書きが可能なNFCリーダライタを備えている。そして、主玩具220や情報端末240による副玩具230のNFCタグに記憶されているデータの読み出しや、主玩具220と情報端末240との間のデータの読み書きが可能である。
【0068】
[概要]
図12に示すように、副玩具230が備えるNFCタグには、当該玩具の種類を表す副玩具IDが記憶(保持)されている。そして、主玩具220に副玩具230を接近させると(例えば“かざす”と)、主玩具220において、この接近させた副玩具230の種類(副玩具ID)に応じた演出がなされる。具体的には、主玩具220には、副玩具230の種類(副玩具ID)それぞれに対応する複数の演出制御データが記憶されている。そして、主玩具220は、接近された副玩具230に記憶(保持)されている副玩具IDを読み取り、読み取った副玩具IDに対応する演出制御データに基づく演出を行う。ここで、主玩具220における演出としては、例えば、所定のメッセージの音声出力や、所定の効果音の音出力、所定のテキストや画像の表示出力、所定のカラーパターンでの発光出力などがある。
【0069】
図13に示すように、演出制御データには、基本演出制御データと、応用演出制御データとが含まれる。不全状態の応用演出制御データは、所定の更新制御データによって更新されることで、演出制御に用いることが可能な完全状態のデータとなる。
【0070】
図14に示すように、応用演出制御データの不全状態には、(1)データ全体欠落、(2)データ部分欠落、(3)暗号化、の3つの形態がある。何れの形態を採用することとしてもよい。
【0071】
まず、「データ全体欠落」とは、主玩具220において応用演出制御データが記憶されていない状態である。この場合、応用演出制御データそのものが更新制御データとなる。 この「データ全体欠落」を不全状態として採用する場合には、主玩具220を製造・販売した後に、応用演出制御データを作成して、新たに主玩具220に追加可能な仕組みが実現される。そのため、この場合には、出力する演出の内容が全て決定されていなくとも、主玩具220を製造開始することが可能となる。
【0072】
「データ部分欠落」とは、主玩具220に記憶されている応用演出制御データの一部が欠落している状態である。例えば、奇数番目といった所定順位のビットや、何ビットから何ビットまでといった連続する所定数のビット範囲のデータが欠落している形態である。この場合、欠落箇所(ビット番号等)を示すデータ、及び、欠落箇所のデータの組み合わせが、更新制御データとなる。なお、不全状態の応用演出制御データとして、演出制御データの識別に用いられる識別子を製造・販売時(出荷時)の初期状態において主玩具220に記憶させておき、当該記憶されている識別子に対応付けられた演出制御データを更新制御データとしても良い。この場合、更新時には、識別子に対応付けられた演出制御データ(更新制御データ)は、主玩具220に記憶されている識別子(不全状態の応用演出制御データ)のうち、対応付けられた識別子と同じ識別子に対応付けて、主玩具220に応用演出制御データとして記憶される。また、不全状態の応用演出制御データとして、演出制御データファイルのファイルの種類を表す拡張子を製造・販売時(出荷時)の初期状態において主玩具220に記憶させておき、拡張子をファイル名に含んでいない状態の演出制御データファイルを更新制御データとしても良い。この場合、更新時には、更新制御データのファイル名が、主玩具220に記憶されている拡張子(不全状態の応用演出制御データ)が付加されるように修正され、主玩具220に応用演出制御データとして記憶される。要するに、応用演出制御データの不全状態としての「データ部分欠落」状態には、演出の内容とは然程関わりなく決定できる一部のデータだけが主玩具220に記憶されている状態をも含んでいる。
【0073】
「暗号化」とは、主玩具220に記憶されている応用演出制御データが暗号化されている状態である。この場合、暗号化方式に応じた復号キーが、更新制御データとなる。
【0074】
図15を参照して演出制御データの更新について説明する。更新制御データは、副玩具IDに対応付けて、サーバシステム210にて記憶されている。演出制御データは副玩具230の種類(副玩具ID)毎に異なるため、更新制御データも、副玩具230の種類(副玩具ID)毎に異なる。
【0075】
まず、情報端末240に副玩具230を接近させると、情報端末240は、この接近された副玩具230に記憶(保持)されている副玩具IDを読み取る(受信する)(a)。次いで、情報端末240は、サーバシステム210に対して、読み取った副玩具IDとともに、更新制御データを要求する(b)。そして、サーバシステム210から、副玩具IDに対応する更新制御データを受信(取得)する(c)。続いて、情報端末240と主玩具220とを接近させると、情報端末240が、取得した更新制御データを用いて、主玩具220に記憶されている応用演出制御データのうち、対応する応用演出制御データを更新する(d)。
【0076】
このように、主玩具220に記憶されている演出制御データ(ここでは応用演出制御データ)は、当初は不全状態のデータである。そのため、仮に、データ解析によって不全状態の演出制御データが不正に取得されたとしても、どのような演出が行われるかは分からない。また、完全状態の演出制御データがデータ解析によって取得されたとしても、そのデータは、そもそも、対応する副玩具230を用いて完全状態に更新されたデータであるのだから、ユーザはその演出制御データに基づく演出を知っており、問題が生じることはない。
【0077】
[機能構成]
(A)サーバシステム210
図16は、サーバシステム210の機能構成図である。
図16によれば、サーバシステム210は、機能的には、サーバ操作部2112と、サーバ表示部2114と、サーバ通信部2116と、サーバ処理部2120と、サーバ記憶部2130とを備えて構成される。
【0078】
サーバ操作部2112は、サーバシステム210の管理のための各種操作入力を受け付け、なされた操作に応じた操作信号をサーバ処理部2120に出力する。この機能は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等の入力装置によって実現される。
【0079】
サーバ表示部2114は、サーバ処理部2120からの表示信号に基づいて各種表示画面を表示する。この機能は、例えばフラットパネルディスプレイやCRT、プロジェクタ等の画像表示装置によって実現される。
【0080】
サーバ通信部2116は、通信回線Nに接続して外部装置(主に、情報端末240)とのデータ通信を行う。この機能は、例えば無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
【0081】
サーバ処理部2120は、サーバ記憶部2130から読み出したプログラムやデータ、サーバ通信部2116からの受信データ等に基づいて、サーバシステム210を統括的に制御する。この機能は、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現される。本実施形態では、サーバ処理部2120は、更新制御管理部2122を有する。
【0082】
更新制御管理部2122は、情報端末240から要求された副玩具IDに対応する更新制御データを、当該情報端末240へ送信する。ここで、更新制御データは、更新制御データテーブル2134として記憶されている。
【0083】
図17は、更新制御データテーブル2134のデータ構成例である。
図17によれば、更新制御データテーブル2134は、副玩具IDそれぞれに、更新制御データを対応付けて格納している。
【0084】
サーバ記憶部2130は、サーバ処理部2120がサーバシステム210を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するとともに、サーバ処理部2120の作業領域として用いられ、サーバ処理部2120が各種プログラムに従って実行した演算結果や、サーバ通信部2116を介した受信データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現される。本実施形態では、サーバ記憶部2130には、更新制御管理プログラム2132と、更新制御データテーブル2134とが記憶される。
【0085】
(B)情報端末240
図18は、情報端末240の機能構成図である。
図18によれば、情報端末240は、機能的には、端末操作部2412と、端末表示部2414と、端末通信部2416と、端末近距離無線通信部2418と、端末処理部2420と、端末記憶部2430とを備えて構成される。
【0086】
端末操作部2412は、ユーザによる各種操作入力を受け付け、なされた操作に応じた操作信号を端末処理部2420に出力する。この機能は、例えばボタンスイッチやジョイスティック、タッチパッド、トラックボールといった直接ユーザが指で操作する素子は勿論、加速度センサや角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサ等、運動や姿勢を検知する素子等によって実現される。
【0087】
端末表示部2414は、端末処理部2420からの表示信号に基づいて各種表示画面を表示する。この機能は、例えばフラットパネルディスプレイやタッチパネル等の表示装置によって実現される。
【0088】
端末通信部2416は、通信回線Nに接続して外部装置(主に、サーバシステム210)とのデータ通信を行う。この機能は、例えば無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
【0089】
端末近距離無線通信部2418は、近接した外部装置(主に、主玩具20や副玩具30)との近距離無線通信を行う。本実施形態では、主玩具220、副玩具230及び情報端末40間は、NFCによる通信を行うとしたが、Bluetooth(登録商標)、IrDA等の他の通信を利用することとしてもよい。
【0090】
端末処理部2420は、端末記憶部2430から読み出したプログラムやデータ、端末通信部2416や端末近距離無線通信部2418からの受信データ等に基づいて、情報端末240の動作を統括的に制御する。この機能は、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現される。本実施形態では、端末処理部2420は、副玩具ID取得部2422と、更新制御データ取得部2424と、演出データ更新制御部2426とを有する。
【0091】
副玩具ID取得部2422は、端末近距離無線通信部2418を介して、副玩具230に記憶(保持)されている副玩具IDを取得する(受信する)。すなわち、副玩具ID取得部2422、端末近距離無線通信部2418は、本発明にいうところの「ID受信手段」として機能する。
【0092】
更新制御データ取得部2424は、端末通信部2416を介して、副玩具ID取得部2422が取得した副玩具IDに対応する更新制御データを、サーバシステム210から取得する。取得した更新制御データは、副玩具IDと対応付けて、取得更新制御データ群2434として蓄積記憶される。
【0093】
演出データ更新制御部2426は、端末近距離無線通信部2418を介して、主玩具220に記憶されている不全状態の応用演出制御データを、取得更新制御データ群2434として記憶されている更新制御データのうち、対応する更新制御データを用いて、完全状態のデータに更新する。
【0094】
端末記憶部2430は、端末処理部2420に情報端末240を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態の各種機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶するとともに、端末処理部2420の作業領域として用いられ、端末処理部2420が各種プログラムに従って実行した演算結果や、端末通信部2416や端末近距離無線通信部2418からの受信データ等が一時的に格納される。この機能は、例えばRAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現される。本実施形態では、端末記憶部2430には、更新制御プログラム2432と、取得更新制御データ群2434とが記憶される。
【0095】
(C)主玩具220
図19は、主玩具220の機能構成図である。
図19によれば、主玩具220は、機能的には、玩具操作部2212と、玩具表示部2214と、音出力部2216と、玩具近距離無線通信部2218と、玩具処理部2220と、玩具記憶部2230とを備えて構成される。
【0096】
玩具操作部2212は、ユーザによる各種操作入力を受け付け、なされた操作に応じた操作信号を処理部に出力する。この機能は、例えばボタンスイッチやタッチパネル等の入力装置によって実現される。
【0097】
玩具表示部2214は、玩具処理部からの表示信号に基づいて各種表示を行う。この機能は、液晶ディスプレイ(LCD)等の画像表示装置の他、LED等の発光装置によって実現される。
【0098】
音出力部2216は、玩具処理部2220からの音信号に基づいて各種音声を出力する。この機能は、スピーカ等の音出力装置によって実現される。
【0099】
玩具近距離無線通信部2218は、近接した外部装置(主に、副玩具230や情報端末240)との近距離無線通信を行う。本実施形態では、主玩具220、副玩具230及び情報端末240間は、NFCによる通信を行うとしたが、Bluetooth(登録商標)、IrDA等の他の通信を利用することとしてもよい。
【0100】
玩具処理部2220は、玩具記憶部2230から読み出したプログラムやデータ、玩具操作部2212からの操作信号等に基づいて、主玩具220の動作を統括的に制御する。この機能は、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現される。本実施形態では、玩具処理部2220は、演出制御部2222を有する。
【0101】
演出制御部2222は、接近された副玩具230の種類に応じた演出の制御を行う。すなわち、玩具近距離無線通信部2218を介して、副玩具230に記憶(保持)されている副玩具IDを読み出す(受信する)と、この副玩具IDに対応する演出制御データのうち、応用演出制御データが完全状態ならば、この応用演出制御データに基づく演出制御を行い、不全状態ならば、基本演出制御データに基づく演出制御を行う。なお、基本演出制御データを不用とし、演出制御データを応用演出制御データのみとしてもよい。その場合、不全状態ならば、演出制御は行われないこととなる。演出制御としては、例えば、玩具表示部214に所与の演出表示をさせたり、音出力部2216から所与の演出音声を出力させたりする。ここで、演出制御データは、演出制御データテーブル2234に格納されている。
【0102】
図20は、演出制御データテーブル2234のデータ構成例である。
図20によれば、演出制御データテーブル2234は、副玩具IDそれぞれに、演出制御データとして基本演出制御データ及び応用演出制御データと、更新フラグとを対応付けて格納している。更新フラグは、応用演出制御データが更新制御データによって更新されているか、すなわち完全状態であるか否かを示すフラグである。
【0103】
玩具記憶部2230は、玩具処理部2220に主玩具220を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するとともに、玩具処理部2220の作業領域として用いられ、玩具処理部2220が各種プログラムに従って実行した演算結果や、玩具近距離無線通信部2218を介した受信データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROM等のICメモリ等によって実現される。本実施形態では、玩具記憶部2230には、演出制御プログラム2232と、演出制御データテーブル2234とが記憶される。
【0104】
[処理の流れ]
(A)情報端末240
図21は、情報端末240における更新制御処理の流れを説明するフローチャートである。この機能は、端末処理部2420が更新制御プログラム2432を実行することで実現される。
【0105】
先ず、副玩具230との通信を確立したならば(ステップA1:YES)、副玩具ID取得部2422が、当該副玩具230に記憶(保持)されている副玩具IDを読み取る(受信する)(ステップA3)。次いで、更新制御データ取得部2424が、サーバシステム210に対して、この読み取った副玩具IDの更新制御データを要求する(ステップA5)。そして、当該要求に応答してサーバシステム210から送信されてくる更新制御データを取得(受信)して更新制御データ群に追加する(ステップA7)。その後、更新制御データを取得したことを、例えば音声出力や画像表示等によって報知する(ステップA9)。
【0106】
また、主玩具220との通信を確立したならば(ステップA11:YES)、演出データ更新制御部2426が、主玩具220に記憶されている演出制御データテーブル2234と、取得更新制御データ群2434とを比較して、主玩具220に記憶されている不全状態の応用演出制御データのうち、更新可能なデータを選択する(ステップA13)。次いで、選択した応用演出制御データを、対応する更新制御データを用いて、完全状態のデータに更新する(ステップA15)。そして、応用演出制御データの更新が完了したことを、例えば音声出力や画像表示等によって報知する(ステップA17)。その後、ステップA1に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0107】
(B)主玩具220
図22は、主玩具220における演出制御処理の流れを説明するフローチャートである。この機能は、玩具処理部2220が演出制御プログラム2232を実行することで実現される。
【0108】
玩具処理部2220は、副玩具230との通信を確立したならば(ステップB1:YES)、演出制御部2222が、当該副玩具230に記憶(保持)されている副玩具IDを読み取る(ステップB3)。次いで、演出制御データテーブル2234を参照し、読み取った副玩具IDに対応する応用演出制御データが完全状態のデータであるか否かを判断する。完全状態ならば(ステップB5:YES)、対応する応用演出制御データに基づく演出制御を行い(ステップB7)、不全状態ならば(ステップB5:NO)、対応する基本演出制御データに基づく演出制御を行う(ステップB7)。その後、ステップB1に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0109】
[作用効果]
このように、本実施形態の玩具システム21では、主玩具220は、副玩具230の種類を表す副玩具IDそれぞれに対応する、完全状態の基本演出制御データ、及び、不全状態の応用演出制御データを含む演出制御データを格納した演出制御データテーブル2234を記憶している。不全状態の応用演出制御データは、情報端末240が、対応する副玩具230の副玩具IDを読み取り、サーバシステム210から、この副玩具IDに対応する更新制御データを取得し、この更新制御データを用いて更新することで、完全状態に更新される。
【0110】
つまり、不全状態の応用演出制御データを完全状態に更新するには、対応する副玩具230が必要である。また、不全状態のデータから、どのような演出が行われるかを伺い知ることはできない。これにより、主玩具220が解析されて、応用演出制御データが不正に取得されたとしても、どのような演出が行われるか知られてしまうことがない。また、応用演出制御データが完全状態であれば、対応する副玩具230を用いて更新したデータであるのだから、ユーザはその応用演出制御データに基づく演出を知っており、問題が生じることはない。
【0111】
また、主玩具220に記憶される応用演出データの不全状態の形態が「データ全体欠落」の場合、すなわち、応用演出制御データそのものが更新制御データとしてサーバシステム210から取得される場合には、主玩具220の製造・販売後(出荷後)に、応用演出制御データを作成して、主玩具220に追加記憶させることが可能となり、 全ての演出内容が決定されていなくとも、主玩具220を早期に製造開始することが可能となる。
【0112】
以上述べたとおり、第2の実施形態によれば、種類によって異なるIDを発信する副玩具と、副玩具から読み取ったIDに対応する演出を行う主玩具とを具備する玩具システムにおいて、主玩具の解析によって、副玩具が無くとも、当該副玩具のIDを受信した場合に主玩具が行う演出が知られてしまうことを防止できる。すなわち、主玩具には不全状態のテーブルデータが記憶されている。この不全状態のテーブルデータのうちの演出制御データを1つ1つ完全状態にすることができるが、そのためには、副玩具が発信するIDを情報端末が受信し、受信したIDに対応する演出制御データを完全状態とするための更新制御データを情報端末がサーバから取得して、この取得した更新制御データを用いて主玩具内の当該演出制御データが更新される必要がある。従って、データ解析が行われても、得られるデータが不全状態の演出制御データでは、どのような演出が行われるかまでは分からない。なお、データ解析によって完全状態の演出制御データが取得されたとしても、そのデータは、対応する副玩具を用いて完全状態に更新されたデータであるのだから、ユーザはその演出制御データに基づく演出を知っており、問題が生じることはない。
【0113】
また、第2の実施形態によれば、不全状態のテーブルデータは、一部又は全部のIDに対応する演出制御データが欠落した状態のデータである。また、サーバには、欠落している演出制御データを補充するためのデータが更新制御データとして記憶される。そして、情報端末が対応する更新制御データを主玩具のテーブルデータに補充することで、対応する演出制御データが完全状態に更新される。従って、不全状態においてデータ解析が行われたとしても、演出制御データそのものが欠落しているため、どのような演出が行われるか認知されることはない。また、演出制御データが欠落した状態で主玩具を製造・販売し、後日、サーバから提供されるデータで補充する仕組みとなるため、製造・販売後に新たな演出を追加可能な主玩具を実現することができる。
【0114】
また、第2の実施形態によれば、不全状態のテーブルデータは、一部又は全部のIDに対応する演出制御データが暗号化された状態のデータである。また、サーバには、暗号化されている演出制御データを復号するためのデータが更新制御データとして記憶される。そして、情報端末が、対応する演出制御データを復号することで、対応する演出制御データが完全状態に更新される。従って、不全状態においてデータ解析が行われたとしても、演出制御データが暗号化されているため、どのような演出が行われるか認知されることはない。
【0115】
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0116】
(A)
例えば、第2の実施形態においては、情報端末240が演出データ更新制御部2426を有しており、端末近距離無線通信部2418を介して、主玩具220に記憶されている不全状態の応用演出制御データを、取得更新制御データ群2434として記憶されている更新制御データのうち、対応する更新制御データを用いて、完全状態のデータに更新するが、これに限られず、情報端末240に演出データ更新制御部に代えて、更新制御データ送信部を設け、更新制御データ送信部は、端末近距離無線通信部2418を介して、取得更新制御データ群2434として記憶されている更新制御データを主玩具220に送り、主玩具220の玩具処理部2220が玩具近距離無線通信部2218を介して受信した更新制御データを用いて、主玩具220に記憶されている不全状態の応用演出制御データを、完全状態のデータに更新するようにしても良い。すなわち、更新制御を行う手段は、情報端末240に設けても、主玩具220のいずれに設けても良い。
【0117】
(B)
また、例えば、情報端末240が更新制御データテーブル2134を記憶することとしても良い。すなわち、情報端末240は、予め、サーバシステム210から、更新制御プログラム2432とともに更新制御データテーブル2134をダウンロード等によって取得しておく。この場合、初期状態として、更新制御データテーブル2134に格納されている全ての更新制御データを用いた更新を「不可能」と設定しておく。そして、副玩具230が接近されると、この副玩具230から読み出した副玩具IDに対応する更新制御データを用いた更新を「可能」に設定変更する。
【0118】
そして、情報端末240と主玩具220とを接近させると、この主玩具220に記憶されている不全状態の応用演出制御データであって、更新制御データテーブル2134において対応する更新制御データを用いた更新が「可能」と設定されている応用演出制御データを、情報端末240が完全状態となるように更新する。
【0119】
(C)
また、情報端末240による、サーバシステム210から取得した更新制御データを用いた応用演出制御データの更新に回数制限を設けるようにしても良い。具体的には、取得更新制御データ群2434において、更新制御データそれぞれに対応づけて、更新に利用される度にカウントアップする更新回数を記憶しておく。そして、更新回数が制限回数に達した更新制御データについては、以降の更新に利用不可能とする、或いは、当該更新制御データを情報端末240から削除する。
【0120】
(D)
また、第1の実施形態、第2の実施形態ともに、主玩具、副玩具、及び、情報端末間の通信を近距離無線通信としたが、有線通信としても良い。
【0121】
(E)
第1の実施形態、第2の実施形態ともに、演出制御データとして、副玩具IDそれぞれに対応づけて、基本演出制御データと、応用演出制御データとの2種類があることとして説明したが、副玩具IDそれぞれに対応する演出制御データを応用演出制御データのみとしてもよい。その場合、基本演出制御データを不用としてもよいし、複数の副玩具IDに対して同一の基本演出制御データを共通に使用することとしてもよい。
【0122】
(F)
また、第1の実施形態、第2の実施形態ともに主玩具と副玩具とは、どのような玩具としてもよい。例えば、特許文献1のように、主玩具をバックル(及びベルト)や、手に把持できる武器おもちゃとし、副玩具を指輪としてもよい。また、この場合、副玩具も指輪以外にフィギュアやカードなど、様々なものが考えられる。ただ、主玩具を使用者が身体に装着可能または把持可能なものとし、副玩具も同様に使用者が身体に装着可能または把持可能なものとすれば、使用者があるポーズ(これもTV番組での演出に一致していることが望ましい)をして、副玩具を主玩具に対してIDを読取可能な位置に置くと、主玩具が副玩具のIDを読み取る、ということも可能となり、ポーズ遊びと演出出力が連動するという動作応答玩具にすることも可能である。しかし、第1の実施形態、第2の実施形態ともに、主玩具、副玩具は特に身体に装着可能であったり、手に把持可能なものに限定されるものではない。主玩具を駅のホーム型の玩具とし、副玩具を列車玩具として、列車玩具の読取により主玩具から出力される演出を駅のホームのアナウンス音等にしてもよい。また、主玩具をロボット玩具とし、副玩具をロボット玩具に取り付け可能なパーツ(例えば武器やパイロットの人形等)とし、当該パーツを読み取ることにより、ロボット玩具から当該パーツに応じた音声(例えば、武器ならば攻撃音、パイロットならばセリフ音声)が出力されるようにしても良い。また、主玩具を銃や剣等の武器玩具とし、副玩具をそれに装着できるパーツ(例えば、弾丸や、装飾部品)とし、当該パーツを読み取ることにより、武器玩具から当該パーツに応じた音声が出力されるようにしても良い。また、主玩具を携帯電話や化粧品等の実用品を模した玩具とし、副玩具をこれに取り付け可能なパーツとし、当該パーツを読み取ることにより、当該パーツに応じた演出が出力されるようにしてもよい。
【0123】
(G)
また、第1の実施形態、第2の実施形態においては、主玩具と副玩具の通信手段と、主玩具と情報端末間および副玩具と情報端末間での通信手段として、同じNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)によるデータ通信を用いているが、これに限られない。すなわち、主玩具と情報端末、副玩具と情報端末は第1の通信手段で通信するが、主玩具と副玩具は第1の通信手段とは異なる第2の通信手段(または、読取手段)を用いて、主玩具は副玩具のIDを読み取るようにしても良い。より具体的には、前記第1の通信手段としては、前述の実施形態同様、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)によるデータ通信を用い、主玩具と副玩具間の、玩具間では、より安価なものとするため、赤外線や、若しくは、主玩具に設けられた物理的なスイッチによる、副玩具に設けられたIDを表現する凹凸部の読取をもって第2の通信手段(または、読取手段)としても良い。