特許第6061854号(P6061854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061854
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】光変色性玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/22 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
   A63H33/22 K
【請求項の数】13
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-524013(P2013-524013)
(86)(22)【出願日】2012年7月13日
(86)【国際出願番号】JP2012068004
(87)【国際公開番号】WO2013008936
(87)【国際公開日】20130117
【審査請求日】2015年4月14日
(31)【優先権主張番号】特願2011-154488(P2011-154488)
(32)【優先日】2011年7月13日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-136454(P2012-136454)
(32)【優先日】2012年6月16日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-136455(P2012-136455)
(32)【優先日】2012年6月16日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000111890
【氏名又は名称】パイロットインキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100090343
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 百合子
(74)【代理人】
【識別番号】100129160
【弁理士】
【氏名又は名称】古館 久丹子
(74)【代理人】
【識別番号】100177460
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 智子
(72)【発明者】
【氏名】安田 満行
(72)【発明者】
【氏名】柴橋 裕
(72)【発明者】
【氏名】神谷 祥江
【審査官】 奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−167215(JP,A)
【文献】 特開2009−172021(JP,A)
【文献】 特開2007−089823(JP,A)
【文献】 特開2007−062215(JP,A)
【文献】 米国特許第07547109(US,B1)
【文献】 特許第4174327(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−37/00
B32B 7/02
C09K 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を備えた光照射具と、
フォトクロミック化合物を含む玩具本体とからなる光変色性玩具であって、
前記光源はピーク波長が400nm〜495nmの範囲にあり、
前記フォトクロミック化合物は、400nm未満における最大吸光度を示す波長から波長400nmまでの範囲における吸光度積算値(x)と、400nmから700nmまでの波長範囲における吸光度積算値(y)が下記式(1)を満たす。
y/x≧0.02 (1)
【請求項2】
前記玩具本体は、基材とフォトクロミック層を有してなり、該フォトクロミック層中に前記フォトクロミック化合物を含有してなる、請求項1に記載の光変色性玩具。
【請求項3】
前記光源がLEDである請求項1又は2に記載の光変色性玩具。
【請求項4】
前記光源表面に紫外線吸収層をさらに有してなる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光変色性玩具。
【請求項5】
前記玩具本体は、フォトクロミックマイクロカプセルを含んでなり、該フォトクロミックマイクロカプセルは前記フォトクロミック化合物と紫外線吸収剤とを内包してなる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光変色性玩具。
【請求項6】
前記フォトクロミック化合物と紫外線吸収剤の質量比が1:0.01〜1:100である請求項5に記載の光変色性玩具。
【請求項7】
前記玩具本体上に波長400nm以下の光を吸収する光吸収層をさらに設けてなる請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光変色性玩具。
【請求項8】
前記光吸収層は、波長390nmにおける透過率が5%未満である請求項7に記載の光変色性玩具。
【請求項9】
前記光照射具が太陽電池をさらに備えてなる請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光変色性玩具。
【請求項10】
前記光照射具が蓄電地をさらに備えてなる請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光変色性玩具。
【請求項11】
前記玩具本体はさらに電源を備えてなり、前記電源と前記光源が有線により接続されてなる請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光変色性玩具。
【請求項12】
光遮蔽性を有するステンシル又は波長400〜495nmの範囲の光を吸収する層を設けたステンシルをさらに備えてなる請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光変色性玩具。
【請求項13】
前記フォトクロミック層中に蓄光材料或いは蛍光材料をさらに含んでなる、又は、フォトクロミック層の下層に蓄光材料或いは蛍光材料を含む層をさらに設けてなる請求項2に記載の光変色性玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光変色性玩具に関する。更に詳細には光照射具と、フォトクロミック化合物を用いた玩具本体とからなる光変色性玩具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォトクロミック化合物を用いた玩具を変色させる変色装置としては、光変色性玩具に紫外線を照射する武器形態の光変色装置;容器内に紫外線発光ダイオードをセットし、容器上に載置した光変色性玩具を変色させるディスプレイ形態の光変色装置(例えば、特許文献1参照);容器内に紫外線発光ダイオードをセットし、容器内に光変色性玩具を収容して変色させる光変色装置(例えば、特許文献2参照);紫外線を移動させながら光変色性玩具に照射して変色させる変色装置(例えば、特許文献3参照);及び光変色性筆記板に筆跡を形成することのできる、紫外線を照射する筆記具形態の光変色装置(例えば、特許文献4参照)が開示されている。
前記光変色装置は、太陽光を照射することなく光変色性玩具を変色させることができるため、天候、時間、使用場所に左右されず変色を可能とした装置である。しかしながら、前記光変色装置はフォトクロミック化合物を変色させるために紫外線を含む光を照射する光源を用いているため、人体への影響が懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特開2004−167215号公報
【特許文献2】日本国特開2007−89823号公報
【特許文献3】日本国特開2009−172021号公報
【特許文献4】米国特許第7547109号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、天候、時間、使用場所に左右されず光変色が可能であると共に、光変色装置はフォトクロミック化合物を変色させるために青色光を照射する光源を用いているため、人体への影響が少なく、安全性の高い、光変色装置を有する光変色性玩具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
光源を備えた光照射具と、
フォトクロミック化合物を含む玩具本体とからなる光変色性玩具であって、
前記光源はピーク波長が400nm〜495nmの範囲にあり、
前記フォトクロミック化合物は、400nm未満における最大吸光度を示す波長から波長400nmまでの範囲における吸光度積算値(x)と、400nmから700nmまでの波長範囲における吸光度積算値(y)が下記式(1)を満たす光変色性玩具に関する。
y/x≧0.02 (1)
また、前記玩具本体は基材とフォトクロミック層を有してなり、該フォトクロミック層中に前記フォトクロミック化合物を含有してなることが好ましい。
更には、前記光源がLEDであること、前記光源表面に紫外線吸収層をさらに有してなることが好ましい。
また、前記玩具本体はフォトクロミックマイクロカプセルを含んでなり、該フォトクロミックマイクロカプセルは前記フォトクロミック化合物と紫外線吸収剤とを内包してなることが好ましい。なお、前記フォトクロミック化合物と紫外線吸収剤の質量比が1:0.01〜1:100であることが好ましい。
また、前記玩具本体上に波長400nm以下の光を吸収する光吸収層をさらに設けてなることが好ましい。なお、前記光吸収層は、波長390nmにおける透過率が5%未満であることが好ましい
また、光照射具が太陽電池をさらに備えてなること、前記光照射具が蓄電地をさらに備えてなること、前記玩具本体が電源をさらに備えてなり、前記電源と前記光源が有線により接続されてなること、光遮蔽性を有するステンシル又は波長400〜495nmの範囲の光を吸収する層を設けたステンシルをさらに備えてなること、前記フォトクロミック層中に蓄光材料或いは蛍光材料をさらに含んでなる、又は、フォトクロミック層の下層に蓄光材料或いは蛍光材料を含む層をさらに設けてなることが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、天候、時間、使用場所に左右されることなく光変色を可能とすると共に、光変色装置はフォトクロミック化合物を変色させるために青色光を照射する光源を用いているため、安全性の高い、光変色装置を有する光変色性玩具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1はフォトクロミック化合物の波長と吸光度の関係を示すグラフである。
図2図2は本発明光変色性玩具の一実施例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の光変色性玩具は、光源を備えた光照射具と、フォトクロミック化合物を含む玩具本体とからなる。
前記光照射具に設けられる光源はピーク発光波長が400〜495nmの範囲にあって、主に青色光を照射するものである。よって、従来のフォトクロミック化合物を良好に変色させる光源である350〜390nm付近にピーク波長を有する紫外光を照射する光照射具とは異なり、青色光であるため、人体への影響が少なく、安全性が高い。
前記光源としては、前記ピーク発光波長を有する光源であれば全て用いることができるが、好ましくは青色発光ダイオード(LED)が用いられる。
前記発光ダイオードとしては、日亜化学工業(株)製、青色LED、品番NSPB636CS(ピーク波長465nm)、京セミ(株)製、青色LED、品番KED471M31(ピーク波長470nm)、星和電機(株)製、青色LED、品番SEDB16001A1(ピーク波長460nm)、京セミ(株)製、紫LED、品番KED405UH3(ピーク波長405nm)、OPTOSUPPLY製、紫LED、品番OSSV5111A(ピーク波長430nm)、OPTOSUPPLY製、紫LED、品番OSSV9131A(ピーク波長430nm)が挙げられる。
【0009】
前記光照射具は、光源を取り付けるための本体を有することが好ましい。
前記本体は、プラスチック、ゴム、ガラス、金属、石材、木材等の材質により形成され、好ましくはプラスチックにより形成される。
前記本体は光源を取り付けるものであって、必要により光源を発光させるための電源を収容したり、通電用スイッチを設けることもできる。
【0010】
前記電源としては、太陽電池或いは乾電池が好適に用いられ、乾電池は一次電池或いは二次電池のいずれであってもよい。
前記電源を光照射具の本体に設けることにより、前記玩具本体とは別体の軽便な光照射具が得られ、前記光照射具と玩具本体を組み合わせてセットにすることにより光変色性玩具が得られる。
【0011】
なお、電源として太陽電池を用いる場合、太陽光により光照射が可能となり、屋外での使用が可能となる。また、太陽電池を用いる場合、太陽電池と共に蓄電池を併用することにより、太陽光下により発電し、蓄電池に充電して光照射が可能であり、太陽光下及び屋内でも光照射が可能となる。その際、フォトクロミック層上(フォトクロミック化合物を含有する玩具本体上)に波長400nm以下の光を吸収する光吸収層を設けることにより、玩具本体自体が太陽光によって色変化することを防止することができ、屋外での使用に好適である。
更に、前記光吸収層は、波長390nmにおける透過率が5%未満、好ましくは4%以下であることにより、いっそう玩具本体自体が太陽光によって色変化することを防止することができる。
【0012】
前記光吸収層としては、紫外線吸収剤を含む層が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
2−〔5−メチル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
オクチル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、
2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、
2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、
2,2′−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、
2−[2−ヒドロキシフェニル−3,5−ジ−(1,1’−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール2−[3−t−ブチル−5−オクチルオキシカルボニルエチル−2−ヒドロキシフェニル]−ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−4−オクトオキシフェニル]−ベンゾトリアゾール、
メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコール300の反応生成物、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、
ペンタエリスリトールテトラキス(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート)、
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、
2′−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、
2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、
2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2′−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォン酸−トリハイドレート、
2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)−メタン、
2−〔2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル〕−ベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン、
2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナマート、
フェニルサリシレート、
4−tert−ブチルフェニルサリシレート、
4−オクチルフェニルサリシレート、
2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、
2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、
エタンジアミド−N−(2−エトキシフェニル)−N′−(4−イソドデシルフェニル)、
2,2,4,4−テトラメチル−20−(β−ラウリル−オキシカルボニル)−エチル−7−オキサ−3,20−ジアゾジスピロ(5,1,11,2)ヘンエイコ酸−21−オン、
微粒子酸化亜鉛、及び
微粒子酸化チタンを例示できる。これらは一種類を単独で用いる他、二種類以上を併用して用いてもよい。
【0013】
前記電源を玩具本体に設ける場合、前記玩具本体に設けられた電源と光照射具は電気コードにより電気的に接続されてなることが好ましい。
また、電源として発電式の電源を用いることもでき、モーター型手動発電機を光照射具の本体に設けたり、玩具本体に設けて光照射具と電気コードにより電気的に接続することもできる。
更に、スピーカー等の音声発生部材と、音声発生部材から所望の電子音を発生させるための電子音を制御する回路基板を光照射具の本体又は玩具本体に収容することもできる。
前記光照射具の本体の形状は玩具本体の形態によって種々の形状が採用される。
【0014】
前記構成の光変色性玩具において、光源と玩具本体が接した際に光源を発光させ、光源と玩具本体が離れた際に光源を消光させる制御機能を設けて、安全性の向上と電力消費を抑制することができる。
前記制御機能としては、リミットスイッチ、光電センサ、超音波センサ等を用いて光源を発光、消光させたり、玩具本体に設けた磁性体の磁力を検知して光源を発光、消光させるリードスイッチが挙げられる。
【0015】
前記光源には、光源から照射される紫外線を除去する透明性を有する紫外線吸収層を設けることもできる。
前記紫外線吸収層は、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂等の透明性樹脂に紫外線吸収剤を適量添加して成形した成形体の他、バインダー樹脂中に紫外線吸収剤を添加して光源表面に塗工して設けることもできる。
前記紫外線吸収剤としては、前記光吸収層におけるのと同様の材料を用いることができる。
【0016】
前記玩具本体は、紙、合成紙、プラスチック、ゴム、金属、ガラス、石材、木材、布帛等の材料から構成された玩具本体であって、材料中にフォトクロミック化合物を添加したり、基材上にフォトクロミック化合物を含むフォトクロミック層を設けたものである。
具体的には、フォトクロミック化合物をビヒクル中に分散して、塗料や印刷インキ等の液状物を調製し、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷方法、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の方法により、基材上にフォトクロミック層を設けて玩具本体を形成して得られる。
この際、前記材料は白色、透明、半透明の他、非変色性有色顔料の適宜量を混在させた有色の材料を用いたり、表面に着色層を設けた材料を用いることもできる。
また、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂中にフォトクロミック化合物をブレンドした成形用樹脂により玩具本体を成形して得ることもできる。
この際、フォトクロミック化合物と共に、非変色性有色顔料の適宜量を混在させて光変色時の色変化を多彩に構成することもできる。
【0017】
前記フォトクロミック化合物は、400nm未満における最大吸光度を示す波長から波長400nmまでの範囲における吸光度積算値(x)と、400nmから700nmまでの波長範囲における吸光度積算値(y)が下記式(1)を満たす(図1参照)。
y/x≧0.02 (1)
前記式(1)を満たすことにより、ピーク波長が400〜495nmの範囲の光源に対しフォトクロミック性を発現し、光照射時に視認可能な色濃度を呈することができる。
前記y/xが0.02未満では、前記光照射具を用いて光照射してもフォトクロミック化合物が発色しなかったり、或いは、殆ど発色せず十分な色濃度が得られないため、使用者が色変化を視認することができず、光変色性玩具としての実用性を満足させ難い。
なお、y/xは好ましくは0.025以上であり、より好ましくは0.03以上である。
【0018】
前記フォトクロミック化合物としては、青色光を適用した際にも高い感度で変色するスピロオキサジン誘導体、スピロピラン誘導体、ナフトピラン誘導体等のフォトクロミック化合物が好ましく用いられる。
前記フォトクロミック化合物として具体的には、
1,3,3−トリメチル−6′−(2,3−ジヒドロ−1−インドリノ)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン、
1,3,3−トリメチル−6′−(1−ピペリジノ)−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1,3,3−トリメチル−6′−インドリノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1,3,3−トリメチル−6′−モルホリノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1−エチル−3,3−ジメチル−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1,3,3−トリメチル−9′−メトキシ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3´−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1,3,3−トリメチル−8′−ブロモ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1−エチル−3,3−ジメチル−6′−ピペリジノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1−エチル−3,3−ジメチル−6−モルホリノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1,3,3−トリメチル−8′−シアノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1−エチル−3,3−ジメチル−6′−インドリノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
1,3,3−トリメチル−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]キノリノ[6,5−b][1,4]オキサジン]、
1−エチル−3,3−ジメチル−8′−シアノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン]、
3,3,9,9−テトラフェニル−3H,9H−ナフト[2,1−b:6,5−b′]−ジピラン、
3,3,10,10−テトラフェニル−3H,10H−ナフト[2,1−b:7,8−b′]ジピラン、
3,3,9,9−テトラフェニル−3H,10H−ナフト[4,3−b:8,7−b]−ジピラン、
3,3−ジフェニル−9−メトキシ−3H−ナフト[4,3−b]ピラン、
3,3−ジフェニル−10−メチル−3H−ナフト[2,1−b:5,6−b]ジピラン−8−オン、
3,3,9,9−テトラ(4′−メトキシ−フェニル)−3H,9H−ナフト[2,1−b:6,5−b′]−ジピラン、
3,3−ジフェニル−8−(2−(4−ジメチルアミノ)フェニル)エテン−3H−ナフト[4,3−b]ピラン、
3,3−ジフェニル−5−アセトキシ−3H−ナフト[4,3−b]ピラン、及び
3,3−ジフェニル−8−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)カルボニル−3H−ナフト[4,3−b]ピランを例示できる。なお、これらは一種類を単独で用いる他、二種類以上を併用して用いてもよい。
【0019】
更に、前記フォトクロミック化合物は、スチレン系オリゴマーに溶解して用いることもでき、それにより耐光性を向上させると共に、発色濃度を向上させることができる。
前記スチレン系オリゴマーは重量平均分子量が200乃至6,000、好ましくは200乃至4,000のものが用いられる。スチレン系オリゴマーの重量平均分子量が200未満の場合、含有モノマーが多くなり、安定性に欠けるため耐光性向上効果を発現し難くなる。また、重量平均分子量が6,000を越えると、光照射により色残りが発生し、且つ、発色濃度が低くなり、変色感度は鈍くなる。
なお、重量平均分子量は、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフ法)により測定する。
前記スチレン系オリゴマーとしては、低分子量ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、α−メチルスチレン重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンの共重合体等があげられる。
前記フォトクロミック化合物とスチレン系オリゴマーの質量比は、1:1〜1:10,000であることが好ましく、より好ましくは1:5〜1:500である。
前記質量比を満たすことによって、耐光性向上効果に優れ、且つ、フォトクロミック化合物は十分な発色濃度を示すことができる。
【0020】
更に、前記フォトクロミック化合物は、ヒンダードアミン系光安定剤を添加して耐光性をいっそう向上させることもできる。
また、前記フォトクロミック化合物と共に変色感度調整剤を用いることもできる。
前記変色感度調整剤は、水酸基、エステル基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも一つ以上の官能基を有し、沸点が150℃以上であり、且つ、融点又は軟化点が150℃以下の有機化合物である。
前記有機化合物としては、炭素数8以上の脂肪族一価アルコール、炭素数8以上の脂肪族二価アルコール、炭素数7以上の芳香族アルコール、炭素数7以上の脂肪族エステル、炭素数7以上の芳香族エステル、炭素数6以上の脂肪族カルボン酸、炭素数6以上の芳香族カルボン酸が挙げられる。これらは一種類を単独で用いる他、二種類以上を併用して用いてもよい。
【0021】
前記フォトクロミック化合物は、マイクロカプセルに内包させたフォトクロミックマイクロカプセル顔料、熱可塑性又は熱硬化性樹脂中に分散した可逆光変色性樹脂粒子として用いることもできる。
また、前記フォトクロミック化合物に加えてスチレン系オリゴマーを含む系、更にヒンダードアミン系光安定剤や変色感度調整剤を含む系も同様にマイクロカプセルに内包させて可逆光変色性マイクロカプセル顔料を形成したり、熱可塑性又は熱硬化性樹脂中に分散して可逆光変色性樹脂粒子を形成することができる。
なお、前記フォトクロミック化合物と紫外線吸収剤とを内包したフォトクロミックマイクロカプセル顔料を用いることにより、太陽光による発色を軽減させることができる。
マイクロカプセル内におけるフォトクロミック化合物と紫外線吸収剤の質量比は1:0.01〜1:100、好ましくは1:0.1〜1:50、より好ましくは1:1〜1:10である。
前記質量比を満たすことにより、太陽光による発色をいっそう軽減させることができ、屋外での実用性を満足させ易くなる。
前記紫外線吸収剤は、前記光吸収層におけるのと同様の材料を用いることができる。
【0022】
前記マイクロカプセルや樹脂粒子は、平均粒子径0.5〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは、1〜30μmの範囲が実用性を満たす。前記マイクロカプセルの平均粒子径が100μmを越えると、インキ、塗料、或いは熱可塑性樹脂中へのブレンドに際して、分散安定性や加工適性に欠ける。一方、平均粒子径が0.5μm未満では、高濃度の発色性を示し難くなる。
前記マイクロカプセル化は、イソシアネート系の界面重合法、メラミン−ホルマリン系等のin Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
【0023】
また、前記光照射具と、玩具本体とからなる光変色性玩具に光遮蔽性を有するステンシル又は波長400〜495nmの範囲の光を吸収する層を設けたステンシルを組み合わせて光変色性玩具セットとすることもできる。
前記ステンシルは、光照射具と玩具本体との間に介在させて光照射することにより玩具本体に適宜絵柄や図柄を形成することができる。
前記ステンシルは、透明性基材に部分的に光遮蔽層や波長400〜495nmの範囲の光を吸収する層を設けたステンシルが挙げられる。
その際、写真調の絵柄やグラデーション模様の図柄からなる光遮蔽層や400〜495nmの範囲の光を吸収する層を設けることにより、玩具本体に立体感や高級感のある絵柄や図柄を形成することができる。
更に、立体視用の左画像と右画像とをステンシルにより玩具本体に形成し、立体視装置を用いて立体画像を視認することもできる。
また、光遮蔽性を有するステンシル又は波長400〜495nmの範囲の光を吸収する層を設けたステンシルを部分的に繰り抜いたステンシルが挙げられる。
【0024】
前記フォトクロミック化合物を含有する玩具本体中、或いは、前記フォトクロミック層中には、蓄光材料或いは蛍光材料を含有させたり、フォトクロミック層の下層に蓄光材料或いは蛍光材料を含む層を設けることができる。
蓄光材料を用いた系では光照射具からフォトクロミック化合物を含有する玩具本体、或いは、フォトクロミック層に光照射した際、照射箇所の蓄光材料が発光し、蛍光材料を用いた系では照射箇所の蛍光材料がリン光を発する。そのため、意外性を有すると共に、光照射時に視認される像と、光照射を止めた状態でフォトクロミック化合物により形成される像の様相が異なるため、変化性を有する光変色性玩具を得ることができる。
前記蓄光材料としては、公知のCaS/Bi系、CaSrS/Bi系、ZnS/Cu系、ZnCdS/Cu系、SrAl2 4 /稀土類金属系等の材料を用いることができる。
前記蛍光材料としては、蛍光染料(蛍光増白剤を含む)、蛍光染料を樹脂に固着させた蛍光顔料、CaS:Eu2+、CaSiN:Eu2+、SrSi:Eu2+、(Sr,Ca)SiO:Eu2+、CaAlSiN:Eu2+、SrCa:Eu2+、(Ba,Sr)SO:Eu2+、YAl12:Ce3+、ベータサイアロン(β−sialon:Eu2+)等の無機蛍光体等が挙げられる。
前記蓄光材料或いは蛍光材料は一種類を単独で用いる他、二種類以上を併用して用いてもよい。また、蓄光材料と蛍光材料を併用して用いることもできる。
【実施例】
【0025】
以下に実施例を記載するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
尚、実施例中の部は質量部である。
【0026】
光照射具の光源のピーク波長の測定方法
分光光度計(Gretag Macbeth社製、Spectro Eye)を用いて、未照射時の反射スペクトルを基準にして光照射時の反射スペクトルを測定し、各波長でのスペクトル差を率に換算して強度とし、強度が最も高い値の波長をピーク波長とした。
【0027】
フォトクロミック化合物の吸光度測定及び吸光度積算値の測定
フォトクロミック化合物1部をエタノール8,000部に混合、溶解し、溶解部をデカンテートして、日立製作所製U−3210形自記分光光度計にて吸光度を320nmから700nmの波長の範囲で測定した。測定した吸光度−波長特性グラフについて、400nm未満における最大吸光度を示した波長から400nmまでの波長範囲の吸光度積算値(x)と400nmを超える波長範囲における吸光度積算値(y)との比y/xを面積比により計算して求めた。
【0028】
光吸収層の透過率測定方法
光吸収層を設けた玩具本体と、設けていない玩具本体の各表面に、分光光度計(Gretag Macbeth社製、Spectro Eye)を用いて波長390nmにおける反射スペクトルを測定し、下記式より透過率とした。
透過率={(光吸収層を設けた玩具本体の波長390nmにおける反射スペクトル値)/(光吸収層のない場合の波長390nmにおける反射スペクトル値)}×100
その他の波長400nm、410nmについては各波長における反射スペクトルを測定し、同様にして各波長の反射率とした。
【0029】
実施例1
光照射具の作製
円筒形の本体(直径20mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0030】
玩具本体の作製
1,3,3−トリメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン(y/x=0.03、x=46.12、y=1.39)1部を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液50部に均一に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて白色ABS製ミニカーにスプレーガンにて塗装し、フォトクロミック層を設けて玩具本体(光変色性ミニカー)を得た。
【0031】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が白色から紫色に変色した。次に暗所に放置したところ再び元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0032】
実施例2
光照射具の作製
円筒形の本体(直径25mm、長さ200mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0033】
玩具本体の作製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−ナフトオキサジン(y/x=0.06、x=60.92、y=3.62)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製 商品名:ピコラスティックA−5)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料10部をアクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液70部に均一に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、基材として肌色塩化ビニル製人形の頭部にスプレーガンにて星型に塗装し、フォトクロミック層(フォトクロミック像)を設けて玩具本体(光変色性人形)を得た。
【0034】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が肌色から赤色に変色して星形の像が現出した。次に暗所に放置したところ再び元の肌色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0035】
実施例3
光照射具の作製
内部に空洞を有する円筒形の本体(直径100mm、長さ250mm)内に電源として電池を内蔵し、上部に内部の空洞に向けて光照射できるように光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0036】
玩具本体の作製
1,3,3−トリメチル−8′−シアノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン-2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン](y/x=0.09、x=18.59、y=1.67)2部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、基材として白色布帛にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に水分散型紫外線吸収剤(BASF社製、製品名:チヌビン400-DW)3部、アクリル樹脂エマルジョン50部、消泡剤1部、粘度調整剤2部を混合した無色のトップコート剤をスクリーン印刷して光吸収層を設けて光変色性布帛を得た。
なお、前記光吸収層の波長390nmにおける透過率は2%であった。
前記光変色性布帛を裁断、縫製して人形用ドレスを作製して玩具本体(光変色性人形用衣装)を得た。
【0037】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体を光照射具の内部に収容して光照射したところ、照射箇所が白色から青色に変色した。次に暗所に放置したところ再び元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0038】
実施例4(図2参照)
光照射具の作製
円筒形の本体21(直径15mm、長さ130mm)の表面に電源22として太陽電池を設け、先端部に光源23としてLED(ピーク波長430nm)を取り付けて光照射具2を得た。
前記光照射具は太陽光下で光照射が可能である。
【0039】
玩具本体の作製
1,3,3−トリメチル−8′−シアノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン](y/x=0.09、x=18.59、y=1.67)2部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、基材として白色布帛にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に水分散型紫外線吸収剤(BASF社製、製品名:チヌビン477-DW)3部、アクリル樹脂エマルジョン50部、消泡剤1部、粘度調整剤2部を混合した無色のトップコート剤をスクリーン印刷して光吸収層を設けて光変色性布帛を得た。
なお、前記光吸収層の波長390nmにおける透過率は2%であった。
前記光変色性布帛を裁断、縫製して平面状の玩具本体3(光変色性シート)を得た。
【0040】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具1は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ照射箇所が白色から青色に変色して文字を形成することができた。次に暗所に放置したところ青色の文字は消えて元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
また、太陽光下で玩具本体は僅かな青色に変色するものの、肉眼では殆ど判別できず、その状態で光照射具の光を照射したところ照射箇所が濃い青色に変色して文字や像を形成することができ、光照射を止めると徐々に青色の文字や像が視認されなくなり、太陽光下での繰り返しの実用性を満足させていた。
【0041】
実施例5
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内に蓄電池を内蔵し、本体表面に太陽電池を設け、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付けて光照射具を得た。
前記光照射具は太陽光下により発電し、蓄電池に充電して光照射が可能であり、太陽光下及び屋内でも光照射が可能である。
【0042】
玩具本体の作製
1−エチル−3,3−ジメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−モルフォリノ)−ナフトオキサジン(y/x=0.06、x=60.92、y=3.62)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−5)15部光安定剤1部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン10部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、基材として白色布帛にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に紫外線吸収剤(BASF社製、製品名:チヌビンPS)3部、50%アクリル樹脂キシレン溶液6部、消泡剤0.1部、キシレン2部、メチルイソブチルケトン2部を混合した無色のトップコート剤を用いてハート型にスクリーン印刷して光吸収層(光吸収像)を設けて光変色性布帛を得た。
なお、前記光吸収層の波長390nmにおける透過率は1%であった。
前記光変色性布帛を裁断、縫製して平面状の玩具本体(光変色性シート)を得た。
【0043】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ照射箇所が白色から赤色に変色した。次に暗所に放置したところ赤色は消えて元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
また、太陽光下ではハート型の周囲は赤色に変色し、ハート型の部分は僅かな赤色に変色するものの、肉眼では殆ど判別できず、その状態で光照射具の光をハート型の部分に照射したところ照射箇所が濃い赤色に変色し、光照射を止めると徐々に赤色は視認されなくなり、太陽光下での繰り返しの実用性を満足させていた。
【0044】
実施例6
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)の先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設け、本体の後部から電気コードを延設して光照射具を得た。
【0045】
玩具本体の作製
1,3,3−トリメチル−8′−シアノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン](y/x=0.09、x=18.56、y=1.67)2部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、基材として白色布帛にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に水分散型紫外線吸収剤(BASF社製、製品名:チヌビン477-DW)3部、アクリル樹脂エマルジョン50部、消泡剤1部、粘度調整剤2部を混合した無色のトップコート剤をスクリーン印刷して光吸収層を設けて光変色性布帛を得た。
なお、前記光吸収層の波長390nmにおける透過率は2%であった。
前記光変色性布帛を裁断、縫製して平面状の玩具本体(光変色性シート)を作製し、周囲の一部に電池を内蔵した電源ボックスを設けた。
前記光照射具の電気コードと、玩具本体の電源ボックスとを電気的に接続して光変色性玩具を得た。
【0046】
前記光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ照射箇所が白色から青色に変色して文字を形成することができた。次に暗所に放置したところ青色の文字は消えて元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
また、太陽光下で玩具本体は僅かな青色に変色するものの、肉眼では殆ど判別できず、その状態で光照射具の光を照射したところ照射箇所が濃い青色に変色して文字や像を形成することができ、光照射を止めると徐々に青色の文字や像が視認されなくなり、太陽光下での繰り返しの実用性を満足させていた。
【0047】
実施例7
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)の先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設け、本体の後部から電気コードを延設して光照射具を得た。
【0048】
玩具本体の作製
1,3,3−トリメチル−8′−シアノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン](y/x=0.09、x=18.56、y=1.67)2部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、基材として白色布帛にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に水分散型紫外線吸収剤(BASF社製、製品名:チヌビン477-DW)3部、アクリル樹脂エマルジョン50部、消泡剤1部、粘度調整剤2部を混合した無色のトップコート剤をスクリーン印刷して光吸収層を設けて光変色性布帛を得た。
なお、前記光吸収層の波長390nmにおける透過率は2%であった。
前記光変色性布帛を裁断、縫製して平面状の玩具本体(光変色性シート)を作製し、周囲の一部にモーター型手動発電装置を設けた。
前記光照射具の電気コードと、玩具本体のモーター型手動発電装置とを電気的に接続して光変色性玩具を得た。
【0049】
前記光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ照射箇所が白色から青色に変色して文字を形成することができた。次に暗所に放置したところ青色の文字は消えて元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
また、太陽光下で玩具本体は僅かな青色に変色するものの、肉眼では殆ど判別できず、その状態で光照射具の光を照射したところ照射箇所が濃い青色に変色して文字や像を形成することができ、光照射を止めると徐々に青色の文字や像が視認されなくなり、太陽光下での繰り返しの実用性を満足させていた。
【0050】
実施例8
光照射具の作製
プラスチック製本体内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長460nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0051】
玩具本体の作製
1,3,3−トリメチル−6′−(2,3−ジヒドロ−1−インドリノ)−スピロインドリンナフトオキサジン(y/x=0.93、x=15.41、y=14.3)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−5)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料10部を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液70部に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、基材として黄色塩化ビニル製アヒル成形物の表面にスプレーガンにてハート模様を塗装し、フォトクロミック層(フォトクロミック像)を設けて玩具本体(光変色性形象物)を得た。
【0052】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所に茶色のハート模様が現出した。次に暗所に放置したところ再び元の黄色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が460nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0053】
実施例9
ステンシルシートの作製
紫外線吸収剤(BASF社製、製品名:チヌビン328)を含む橙色塩化ビニルシートを作製し、一部を星形に切り抜いてステンシルシートを得た。
【0054】
光変色性玩具セットの作製
実施例4で作製した光変色性玩具と組み合わせて光変色性玩具セットを得た。
前記光変色性玩具セットは、玩具本体にステンシルシートを載置して光照射具を用いて光照射したところ照射箇所が白色から青色に変色してステンシルシートによる星形の像を形成することができた。次に暗所に放置したところ星形の像は消えて元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0055】
実施例10
光照射具の作製
紫外線吸収剤(BASF社製、製品名:チヌビンPS)1部、アクリル樹脂50%キシレン溶液50部、イソシアネート系硬化剤10部を混合して紫外線吸収インキを得た。
前記紫外線吸収インキを用いて、LED(ピーク波長405nm)の表面に塗工して紫外線吸収層を設けた。
円筒形の本体(直径20mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源として前記LEDを取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0056】
玩具本体の作製
1,3,3−トリメチル−6′−(2,3−ジヒドロ−1−インドリノ)−スピロインドリンナフトオキサジン(y/x=0.93、x=15.41、y=14.3)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−5)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料10部を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液70部に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、基材として黄色塩化ビニル製アヒル成形物の表面にスプレーガンにてハート模様を塗装し、フォトクロミック層(フォトクロミック像)を設けて玩具本体(光変色性形象物)を得た。
【0057】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所に茶色のハート模様が現出した。次に暗所に放置したところ再び元の黄色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が405nmであるが紫外線吸収層により紫外線が吸収された青色光を照射するため、人体への影響がいっそう少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0058】
実施例11
光照射具の作製
円筒形の本体(直径20mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0059】
玩具本体の作製
3,3,9,9−テトラフェニル−3H,9H−ナフト[2,1−b:6,5−b′]−ジピラン(y/x=0.12、x=21.30、y=2.56)1部を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液50部に均一に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて白色ABS製ミニカーにスプレーガンにて塗装し、フォトクロミック層を設けて玩具本体(光変色性ミニカー)を得た。
【0060】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が白色から橙色に変色した。次に暗所に放置したところ再び元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0061】
実施例12
光照射具の作製
円筒形の本体(直径25mm、長さ200mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0062】
玩具本体の作製
3,3,10,10−テトラフェニル−3H,10H−ナフト[2,1−b:7,8−b´]ジピラン(y/x=0.23、x=24.13、y=5.55)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製 商品名:ピコラスティックA−5)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料10部をアクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液70部に均一に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、基材として肌色塩化ビニル製人形の頭部にスプレーガンにて星型に塗装し、フォトクロミック層(フォトクロミック像)を設けて玩具本体(光変色性人形)を得た。
【0063】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が肌色から黄色に変色して星形の像が現出した。次に暗所に放置したところ再び元の肌色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0064】
実施例13
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内の表面に電源として太陽電池を設け、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付けて光照射具を得た。
前記光照射具は太陽光下で光照射が可能である。
【0065】
玩具本体の作製
3,3−ジフェニル−8−(2−(4−ジメチルアミノ)フェニル)エチレニル−3H−ナフト[4,3−b]ピラン(y/x=0.27、x=71.13、y=19.20)2部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、基材として白色布帛にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に水分散型紫外線吸収剤(BASF社製、製品名:チヌビン400-DW)3部、アクリル樹脂エマルジョン50部、消泡剤1部、粘度調整剤2部を混合した無色のトップコート剤をスクリーン印刷して光吸収層を設けて光変色性布帛を得た。
なお、前記光吸収層の波長390nmにおける透過率は2%であり、400nmにおける透過率は19%、410nmにおける透過率は41%であった。
前記光変色性布帛を裁断、縫製して平面状の玩具本体(光変色性シート)を得た。
【0066】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ照射箇所が白色から暗赤色に変色して文字を形成することができた。次に暗所に放置したところ暗赤色の文字は消えて元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
また、太陽光下で玩具本体は僅かな暗赤色に変色するものの、肉眼では殆ど判別できず、その状態で光照射具の光を照射したところ照射箇所が濃い暗赤色に変色して文字や像を形成することができ、光照射を止めると徐々に暗赤色の文字や像が視認されなくなり、太陽光下での繰り返しの実用性を満足させていた。
【0067】
実施例14
光照射具の作製
プラスチック製本体内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長460nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0068】
玩具本体の作製
3,3−ジフェニル−8−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)カルボニル−3H−ナフト[4,3−b]ピラン(y/x=0.06、x=18.20、y=1.09)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−5)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料10部を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液70部に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、基材として白色塩化ビニル製白鳥成形物の表面にスプレーガンにてハート模様を塗装し、フォトクロミック層(フォトクロミック像)を設けて玩具本体(光変色性形象物)を得た。
【0069】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所に黄色のハート模様が現出した。次に暗所に放置したところ再び元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が460nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0070】
実施例15
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内の表面に電源として太陽電池を設け、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付けて光照射具を得た。
前記光照射具は太陽光下で光照射が可能である。
【0071】
玩具本体の作製
3,3,9,9−テトラフェニル−3H,9H−ナフト[2,1−b:6,5−b´]−ジピラン(y/x=0.12、x=21.30、y=2.56)2部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、基材として白色布帛にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:チヌビン328)5部、アクリル樹脂キシレン溶液20部、消泡剤1部、粘度調整剤2部を混合した無色のトップコート剤をスクリーン印刷して光吸収層を設けて光変色性布帛を得た。
なお、前記光吸収層の波長390nmにおける透過率は4%であり、400nmにおける透過率は6%、410nmにおける透過率は20%であった。
前記光変色性布帛を裁断、縫製して平面状の玩具本体(光変色性シート)を得た。
【0072】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ照射箇所が白色から橙色に変色して文字を形成することができた。次に暗所に放置したところ橙色の文字は消えて元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
また、太陽光下で玩具本体はごく僅かに橙色に変色するものの、肉眼では殆ど判別できず、その状態で光照射具の光を照射したところ照射箇所が濃い橙色に変色して文字や像を形成することができ、光照射を止めると徐々に橙色の文字や像が視認されなくなり、太陽光下での繰り返しの実用性を満足させていた。
【0073】
実施例16
光照射具の作製
内部に空洞を有する円筒形の本体(直径100mm、長さ250mm)内に電源として電池を内蔵し、上部に内部の空洞に向けて光照射できるように光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0074】
玩具本体の作製
蓄光顔料(根本特殊化学社製GSS)2部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合して蓄光インキを作製し、白色布帛上にスクリーン印刷にて全面に印刷し、蓄光層を設けた。
3,3−ジフェニル−8−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)カルボニル−3H−ナフト[4,3−b]ピラン(y/x=0.06、x=18.20、y=1.09)2部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、前記蓄光層上にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に水分散型紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:チヌビン99−DW)3部、アクリル樹脂エマルジョン50部、消泡剤1部、粘度調整剤2部を混合した無色のトップコート剤をスクリーン印刷して光吸収層を設けて光変色性布帛を得た。
なお、前記光吸収層の波長390nmにおける透過率は2%であり、400nmにおける透過率は19%、410nmにおける透過率は41%であった。
前記光変色性布帛を裁断、縫製して平面状の玩具本体(光変色性シート)を得た。
【0075】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ照射箇所の蓄光顔料が緑色に発光すると共に筆跡が白色から橙色に変色して文字を形成することができた。次に暗所に放置したところ橙色の文字は消えて元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
また、太陽光下で玩具本体はごく僅かに橙色に変色するものの、肉眼では殆ど判別できず、その状態で光照射具の光を照射したところ照射箇所が濃い橙色に変色して文字や像を形成することができ、光照射を止めると徐々に橙色の文字や像が視認されなくなり、太陽光下での繰り返しの実用性を満足させていた。
【0076】
実施例17
光照射具の作製
円筒形の本体(直径25mm、長さ200mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0077】
玩具本体の作製
1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−ナフトオキサジン(y/x=0.06、x=60.92、y=3.62)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製 商品名:ピコラスティックA−5)15部、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール10部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料10部をアクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液70部に均一に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、基材として肌色塩化ビニル製人形の頭部にスプレーガンにて星型に塗装し、フォトクロミック層(フォトクロミック像)を設けて玩具本体(光変色性人形)を得た。
【0078】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ、太陽光による発色が軽減されており、照射箇所が肌色から濃い赤色に変色して星形の像を得ることができた。次に暗所に放置したところ再び元の肌色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0079】
実施例18
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内の表面に電源として太陽電池を設け、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付けて光照射具を得た。
前記光照射具は太陽光下で光照射が可能である。
【0080】
玩具本体の作製
1,3,3−トリメチル−8′−シアノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン](y/x=0.09、x=18.59、y=1.67)2部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール0.5部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、基材として白色布帛にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に水分散型紫外線吸収剤3部、アクリル樹脂エマルジョン50部、消泡剤1部、粘度調整剤2部を混合した無色のトップコート剤をスクリーン印刷して光吸収層を設けて光変色性布帛を得た。
なお、前記光吸収層の波長390nmにおける透過率は2%であった。
前記光変色性布帛を裁断、縫製して平面状の玩具本体(光変色性シート)を得た。
【0081】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ照射箇所が白色から青色に変色して文字を形成することができた。次に暗所に放置したところ青色の文字は消えて元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
また、太陽光下で玩具本体は殆ど変色せず、その状態で光照射具の光を照射したところ照射箇所が濃い青色に変色して文字や像を形成することができ、光照射を止めると徐々に青色の文字や像が視認されなくなり、太陽光下での繰り返しの実用性を満足させていた。
【0082】
実施例19
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内に蓄電池を内蔵し、本体表面に太陽電池を設け、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付けて光照射具を得た。
前記光照射具は太陽光下により発電し、蓄電池に充電して光照射が可能であり、太陽光下及び屋内でも光照射が可能である。
【0083】
玩具本体の作製
1−エチル−3,3−ジメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−モルフォリノ)−ナフトオキサジン(y/x=0.06、x=60.92、y=3.62)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−5)15部光安定剤1部、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン5部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン10部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、基材として白色布帛にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に紫外線吸収剤3部、50%アクリル樹脂キシレン溶液6部、消泡剤0.1部、キシレン2部、メチルイソブチルケトン2部を混合した無色のトップコート剤を用いてハート型にスクリーン印刷して光吸収層(光吸収像)を設けて光変色性布帛を得た。
なお、前記光吸収層の波長390nmにおける透過率は1%であった。
前記光変色性布帛を裁断、縫製して平面状の玩具本体(光変色性シート)を得た。
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ照射箇所が白色から赤色に変色した。次に暗所に放置したところ赤色は消えて元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
また、太陽光下ではハート型の周囲は赤色に変色するものの、ハート型の部分は殆ど変色せず、その状態で光照射具の光をハート型の部分に照射したところ照射箇所が濃い赤色に変色し、光照射を止めると徐々に赤色は視認されなくなり、太陽光下での繰り返しの実用性を満足させていた。
【0084】
実施例20
光照射具の作製
プラスチック製本体内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長460nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0085】
玩具本体の作製
1,3,3−トリメチル−6′−(2,3−ジヒドロ−1−インドリノ)−スピロインドリンナフトオキサジン(y/x=0.93、x=15.41、y=14.3)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−5)15部、2−〔5−メチル−2−ヒドロキシフェニル〕−ベンゾトリアゾール1部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料10部を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液70部に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、基材として黄色塩化ビニル製アヒル成形物の表面にスプレーガンにてハート模様を塗装し、フォトクロミック層(フォトクロミック像)を設けて玩具本体(光変色性形象物)を得た。
【0086】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、太陽光による発色が軽減されており、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所に濃い茶色のハート模様が現出した。次に暗所に放置したところ再び元の黄色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が460nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0087】
実施例21
光照射具の作製
円筒形の本体(直径25mm、長さ200mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0088】
玩具本体の作製
3,3,10,10−テトラフェニル−3H,10H−ナフト[2,1−b:7,8−b´]ジピラン(y/x=0.23、x=24.13、y=5.55)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製 商品名:ピコラスティックA−5)15部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート混合物10部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料10部をアクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液70部に均一に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、基材として肌色塩化ビニル製人形の頭部にスプレーガンにて星型に塗装し、フォトクロミック層(フォトクロミック像)を設けて玩具本体(光変色性人形)を得た。
【0089】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、太陽光による発色が軽減されており、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が肌色から濃い黄色に変色して星形の像が現出した。次に暗所に放置したところ再び元の肌色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0090】
実施例22
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内の表面に電源として太陽電池を設け、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付けて光照射具を得た。
前記光照射具は太陽光下で光照射が可能である。
【0091】
玩具本体の作製
3,3−ジフェニル−8−(2−(4−ジメチルアミノ)フェニル)エチレニル−3H−ナフト[4,3−b]ピラン(y/x=0.27、x=71.13、y=19.20)2部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート1部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、基材として白色布帛にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に水分散型紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:チヌビン400−DW)3部、アクリル樹脂エマルジョン50部、消泡剤1部、粘度調整剤2部を混合した無色のトップコート剤をスクリーン印刷して光吸収層を設けて光変色性布帛を得た。
なお、前記光吸収層の波長390nmにおける透過率は2%であり、400nmにおける透過率は19%、410nmにおける透過率は41%であった。
前記光変色性布帛を裁断、縫製して平面状の玩具本体(光変色性シート)を得た。
【0092】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ照射箇所が白色から暗赤色に変色して文字を形成することができた。次に暗所に放置したところ暗赤色の文字は消えて元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
また、太陽光下で玩具本体は殆ど変色しないため、その状態で光照射具の光を照射したところ照射箇所が濃い暗赤色に変色して文字や像を形成することができ、光照射を止めると徐々に暗赤色の文字や像が視認されなくなり、太陽光下での繰り返しの実用性を満足させていた。
【0093】
実施例23
光照射具の作製
プラスチック製本体内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長460nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0094】
玩具本体の作製
3,3−ジフェニル−8−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)カルボニル−3H−ナフト[4,3−b]ピラン(y/x=0.06、x=18.20、y=1.09)1部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−5)15部、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2´−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン20部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料10部を、アクリル樹脂(ロームアンドハース社製、商品名:パラロイドB−72)の15%キシレン溶液70部に分散し、更にキシレン及びメチルイソブチルケトンを用いて希釈してフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、基材として白色塩化ビニル製白鳥成形物の表面にスプレーガンにてハート模様を塗装し、フォトクロミック層(フォトクロミック像)を設けて玩具本体(光変色性形象物)を得た。
【0095】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、太陽光による発色が軽減されており、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所に濃い橙色のハート模様が現出した。次に暗所に放置したところ再び元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が460nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0096】
実施例24
光照射具の作製
円筒形の本体(直径15mm、長さ130mm)内の表面に電源として太陽電池を設け、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付けて光照射具を得た。
前記光照射具は太陽光下で光照射が可能である。
【0097】
玩具本体の作製
3,3,9,9−テトラフェニル−3H,9H−ナフト[2,1−b:6,5−b´]−ジピラン(y/x=0.12、x=21.30、y=2.56)2部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール5部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、基材として白色布帛にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:チヌビン328)5部、アクリル樹脂キシレン溶液20部、消泡剤1部、粘度調整剤2部を混合した無色のトップコート剤をスクリーン印刷して光吸収層を設けて光変色性布帛を得た。
なお、前記光吸収層の波長390nmにおける透過率は4%であり、400nmにおける透過率は6%、410nmにおける透過率は20%であった。
前記光変色性布帛を裁断、縫製して平面状の玩具本体(光変色性シート)を得た。
【0098】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ照射箇所が白色から橙色に変色して文字を形成することができた。次に暗所に放置したところ橙色の文字は消えて元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
また、太陽光下で玩具本体は殆ど変色せず、その状態で光照射具の光を照射したところ照射箇所が濃い橙色に変色して文字や像を形成することができ、光照射を止めると徐々に橙色の文字や像が視認されなくなり、太陽光下での繰り返しの実用性を満足させていた。
【0099】
実施例25
ステンシルシートの作製
透明性塩化ビニルシート表面に不透明性インキを用いて、ネガデザイン(ネガフィルム形態)の緻密な写真調の恐竜の絵柄をスクリーンに印刷してステンシルシートを得た。
【0100】
光照射具の作製
円筒形の本体(直径25mm、長さ200mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具を得た。
【0101】
玩具本体の作製
1,3,3−トリメチル−8′−シアノ−スピロ[ベンゾ[e]インドリン−2,3′−[3H]ナフト[2,1−b][1,4]オキサジン](y/x=0.09、x=18.59、y=1.67)2部、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(イーストマンコダック社製、商品名:ピコラスティックA−75)15部をウレタン樹脂からなるマイクロカプセルに内包してフォトクロミックマイクロカプセル顔料(平均粒子径10μm)を得た。
前記フォトクロミックマイクロカプセル顔料5部、アクリル樹脂エマルジョン6部、消泡剤0.5部、粘度調整剤1部を混合してフォトクロミックインキを得た。
前記フォトクロミックインキを用いて、基材としてピンク色の合成紙にスクリーン印刷にて全面に印刷してフォトクロミック層を設け、更にその上面に水分散型紫外線吸収剤(BASF社製、製品名:チヌビン477-DW)3部、アクリル樹脂エマルジョン50部、消泡剤1部、粘度調整剤2部を混合した無色のトップコート剤をスクリーン印刷して光吸収層を設けて光変色性合成紙を得た。
なお、前記光吸収層の波長390nmにおける透過率は2%であった。
前記光変色性合成紙を正方形に裁断して平面状の玩具本体(光変色性シート)を得た。
【0102】
前記光照射具と玩具本体とステンシルシートを組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体にステンシルシートを載置して光照射具を用いて光照射したところ照射箇所がピンク色から紫色に変色してステンシルシートによる恐竜の像を形成することができた。次に暗所に放置したところ恐竜の像は消えて元の白色に変色した。その変化は繰り返し行なうことができ、光源はピーク発光波長が430nmであって青色光を照射するため、人体への影響が少なく、安全性が高い光変色性玩具を得ることができた。
【0103】
比較例1
光照射具の作製
円筒形の本体(直径20mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具1を得た。
【0104】
玩具本体の作製
実施例1の1,3,3−トリメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン(y/x=0.03)を1,3,3−トリメチル−スピロインドリンナフトオキサジン(y/x=0.016、x=41.93、y=0.69)に替えた以外は実施例1と同様の方法によりフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、基材として白色ABS製ミニカーにスプレーガンにて塗装し、フォトクロミック層を設けて玩具本体(光変色性ミニカー)を得た。
【0105】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が白色から淡青色に変色したが、色変化を殆ど視認できないため、光変色性玩具としての実用性を満足させていなかった。
【0106】
比較例2
光照射具の作製
円筒形の本体(直径20mm、長さ150mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具1を得た。
【0107】
玩具本体の作製
実施例1の1,3,3−トリメチル−6′−(1−ピペリジニル)−スピロインドリンナフトオキサジン(y/x=0.03)を3,3−ビス(4−メトキシ−フェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン(y/x=0.00、x=51.51、y=0)に替えた以外は実施例1と同様の方法によりフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、基材として白色ABS製ミニカーにスプレーガンにて塗装し、フォトクロミック層を設けて玩具本体(光変色性ミニカー)を得た。
【0108】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射しても照射箇所が白色のままであり、色変色を視認することができなかった。
【0109】
比較例3
光照射具の作製
円筒形の本体(直径25mm、長さ200mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具1を得た。
【0110】
玩具本体の作製
実施例17の1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−ナフトオキサジン(y/x=0.06、x=60.92、y=3.62)を1,3,3−トリメチル−スピロインドリンナフトオキサジン(y/x=0.016、x=41.93、y=0.69)に替えた以外は実施例17と同様の方法によりフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、基材として肌色塩化ビニル製人形の頭部にスプレーガンにて星型に塗装し、フォトクロミック層(フォトクロミック像)を設けて玩具本体(光変色性人形)を得た。
【0111】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射したところ、照射箇所が白色から淡赤色に変色したが、色変化を殆ど視認できないため、光変色性玩具としての実用性を満足させていなかった。
【0112】
比較例4
光照射具の作製
円筒形の本体(直径25mm、長さ200mm)内に電源として電池を内蔵し、先端部に光源としてLED(ピーク波長430nm)を取り付け、表面部にスイッチを設けて光照射具1を得た。
【0113】
玩具本体の作製
実施例17の1,3,3−トリメチル−6−トリフルオロメチル−インドリノ−6′−(1−ピペリジニル)−ナフトオキサジン(y/x=0.06、x=60.92、y=3.62)を3,3−ビス(4−メトキシ−フェニル)−3H−ナフト[2,1−b]ピラン(y/x=0.00、x=51.51、y=0)に替えた以外は実施例17と同様の方法によりフォトクロミック塗料を得た。
前記フォトクロミック塗料を用いて、基材として肌色塩化ビニル製人形の頭部にスプレーガンにて星型に塗装し、フォトクロミック層(フォトクロミック像)を設けて玩具本体(光変色性人形)を得た。
【0114】
前記光照射具と玩具本体を組み合わせた光変色性玩具は、玩具本体に光照射具を用いて光照射しても照射箇所が白色のままであり、色変色を視認することができなかった。
【0115】
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な修正や変更を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2011年7月13日出願の日本特許出願2011−154488、2012年6月16日出願の日本特許出願2012−136454、及び2012年6月16日出願の日本特許出願2012−136455に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【符号の説明】
【0116】
1 光変色性玩具
2 光照射具
21 本体
22 電源
23 光源
3 玩具本体
図1
図2