特許第6061856号(P6061856)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061856
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】クマリン誘導体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/75 20060101AFI20170106BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20170106BHJP
   C07D 405/06 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   C07D213/75
   C07D405/14
   C07D405/06
【請求項の数】13
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2013-532632(P2013-532632)
(86)(22)【出願日】2012年9月5日
(86)【国際出願番号】JP2012072645
(87)【国際公開番号】WO2013035754
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2015年9月7日
(31)【優先権主張番号】特願2011-193308(P2011-193308)
(32)【優先日】2011年9月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003311
【氏名又は名称】中外製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(72)【発明者】
【氏名】村形 政利
(72)【発明者】
【氏名】池田 拓真
(72)【発明者】
【氏名】市毛 孝弘
【審査官】 伊藤 佑一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/014100(WO,A1)
【文献】 特表2004−509855(JP,A)
【文献】 特表2009−524670(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0039633(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(VI):
【化1】

[式中、Rは水素原子又はハロゲン原子を表し、R及びRは各々独立に、水素原子、又はアミノ基の保護基を表し、或いはR及びRは一緒になってアミノ基の保護基を形成していてもよく、R及びRは各々独立にC1−6アルキル基を表す。]
で表される化合物を製造する方法であって、下記工程A〜Dを含む方法。
工程A:
NH[式中、R及びRは上記と同義である。]を、一般式(I):
【化2】

[式中、Rはハロゲン原子を表し、Halはハロゲン原子を表し、Rは上記と同義である。]
で表される化合物と反応させて、一般式(II):
【化3】

[式中、R、R、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程
工程B:
一般式(II)で表される化合物を塩基及びホルミル化剤と反応させて、一般式(III):
【化4】

[式中、R、R、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程
工程C:
一般式(III)で表される化合物を、一般式(IV):
【化5】

[式中、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物と反応させて、一般式(V):
【化6】

[式中、R、R、R、R、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程
工程D:
一般式(V)で表される化合物を二重結合の還元反応及びRの加水素分解反応に付して、一般式(VI):
【化7】

[式中、R、R、R、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程
【請求項2】
NHがアセトアミド(HCCONH)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
が塩素原子であり、工程Bで使用される塩基とホルミル化剤の組合せが、リチウムヘキサメチルジシラジドとN,N−ジメチルホルムアミドの組合せ又はリチウムヘキサメチルジシラジドと4−ホルミルモルホリンの組合せである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程Cにおいて、一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)で表される化合物との反応が塩基及び酸の存在下で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
工程Cで使用される反応溶媒が、水、酢酸エステル系溶媒及び芳香族炭化水素系溶媒の混合溶媒である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
工程Dで使用される反応溶媒が、酢酸エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒及びアルコール系溶媒の混合溶媒である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
工程C又はDで使用される反応溶媒が2,2,2−トリフルオロエタノールである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
工程Dにおける二重結合の還元反応及びRの加水素分解反応が、トリエチルアミン、ギ酸及び炭素担持パラジウムを用いて行われる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
一般式(VI)で表される化合物が、式:
【化8】
で表される化合物である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
一般式(I)で表される化合物が、式:
【化9】
で表される化合物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
一般式(VII):
【化10】
[式中、R及びRは上記と同義であり、Xはヘテロアリール基又はR1314NCO−を表し、R11は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基、C2−7アルケニル基、カルバモイル基又はC2−7アルキニル基(該C2−7アルキニル基はC1−4アシル基で置換されていてもよい。)を表し、R13、R14、R16及びR17は各々独立に、水素原子、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基又はC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基又は−NR2324で置換されていてもよい。)を表し、或いはR13とR14の組合せ及びR16とR17の組合せは各々独立に、結合する窒素原子と一緒になって、少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員のヘテロ環基を形成していてもよく、R15、R23及びR24は各々独立に水素原子又はC1−6アルキル基を表す。]
で表される化合物又はその薬学上許容し得る塩を製造する方法であって、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法によって一般式(VI)で表される化合物を製造することを含む方法。
【請求項12】
さらに下記工程E〜Gを含む、請求項11に記載の方法。
工程E:
酸の存在下、一般式(VI)で表される化合物を、一般式(VIII):
【化11】
[式中、R11は上記と同義である。]
で表される化合物と反応させて、一般式(IX):
【化12】
[式中、R、R及びR11は上記と同義である。]
で表される化合物又はその薬学上許容し得る塩若しくは酸付加物を得る工程
工程F:
塩基の存在下、一般式(IX)で表される化合物又はその薬学上許容し得る塩若しくは酸付加物を、X−Y[式中、Xは上記と同義であり、Yはハロゲン原子を表す。]と反応させて、一般式(X):
【化13】
[式中、R、R、R11及びXは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程
工程G:
一般式(X)で表される化合物を、一般式(XI):
【化14】
[式中、R16及びR17は上記と同義であり、Zは脱離基を表す。]
で表される化合物と反応させて、一般式(VII’):
【化15】
[式中、R、R、R11、X、R16及びR17は上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程
【請求項13】
一般式(VII)で表される化合物又はその薬学上許容し得る塩が、式:
【化16】
で表される化合物のカリウム塩である、請求項11又は12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クマリン誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般式(VII):
【化1】
[式中、Rは水素原子又はハロゲン原子を表し、RはC1−6アルキル基を表し、Xはヘテロアリール基又はR1314NCO−を表し、R11は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基、C2−7アルケニル基、カルバモイル基又はC2−7アルキニル基(該C2−7アルキニル基はC1−4アシル基で置換されていてもよい。)を表し、R13、R14、R16及びR17は各々独立に、水素原子、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基又はC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基又は−NR2324で置換されていてもよい。)を表し、或いはR13とR14の組合せ及びR16とR17の組合せは各々独立に、結合する窒素原子と一緒になって、少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員のヘテロ環基を形成していてもよく、R15、R23及びR24は各々独立に水素原子又はC1−6アルキル基を表す。]
で表される化合物又はその薬学上許容し得る塩(以下、場合により「一般式(VII)のクマリン誘導体」という。)は、抗腫瘍活性等の薬理活性を有することが知られている(特許文献1、2参照)。
【0003】
一般式(VII)のクマリン誘導体の製造方法は、特許文献1、2に記載されている。特許文献1、2には、例えば、下記スキーム[スキーム中、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを表し、TBSはtert−ブチルジメチルシリル基を表し、dbaはジベンジリデンアセトンを表し、BINAPは2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルを表す。また、構造式の下に付した数値(%)又は「quant.」は該化合物の収率を示す。]に示される方法が記載されている(特許文献1、2の「化合物1j−2−16−2K」の製造例参照)。
【0004】
【化2】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2007/091736
【特許文献2】WO2009/014100
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般式(VII)のクマリン誘導体は特許文献1、2に記載の方法で製造することができるが、特許文献1、2に記載の方法では、ホルミル化反応及び還元反応の後、意図せざる反応を抑制するために、ヒドロキシ基について保護基の導入・除去工程を実施する必要がある。また、ホルミル化反応の際に、反応制御の観点から超低温条件(例えば、−95℃〜−65℃)が必要となる。さらに、アルキル化反応(上記スキームの7番目の工程)では、効率的な合成の観点からアセト酢酸エチルを過剰量使用することが好ましいが、その場合、残存試薬の除去という煩雑な操作が必要となる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡便な操作で効率的に一般式(VII)のクマリン誘導体又はその合成中間体を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一般式(VI):
【化3】
[式中、Rは水素原子又はハロゲン原子を表し、R及びRは各々独立に、水素原子、又はアミノ基の保護基を表し、或いはR及びRは一緒になってアミノ基の保護基を形成していてもよく、R及びRは各々独立にC1−6アルキル基を表す。]
で表される化合物を製造する方法であって、下記工程A〜Dを含む方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、一般式(VII):
【化4】
[式中、R及びRは上記と同義であり、Xはヘテロアリール基又はR1314NCO−を表し、R11は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基、C2−7アルケニル基、カルバモイル基又はC2−7アルキニル基(該C2−7アルキニル基はC1−4アシル基で置換されていてもよい。)を表し、R13、R14、R16及びR17は各々独立に、水素原子、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基又はC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基又は−NR2324で置換されていてもよい。)を表し、或いはR13とR14の組合せ及びR16とR17の組合せは各々独立に、結合する窒素原子と一緒になって、少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員のヘテロ環基を形成していてもよく、R15、R23及びR24は各々独立に水素原子又はC1−6アルキル基を表す。]
で表される化合物又はその薬学上許容し得る塩を製造する方法であって、下記工程A〜Dを含む方法を提供する。
【0010】
工程A:
NH[式中、R及びRは上記と同義である。]を、一般式(I):
【化5】
[式中、Rは水素原子又はハロゲン原子を表し、Halはハロゲン原子を表し、Rは上記と同義である。]
で表される化合物と反応させて、一般式(II):
【化6】
[式中、R、R、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程
【0011】
工程B:
一般式(II)で表される化合物を塩基及びホルミル化剤と反応させて、一般式(III):
【化7】
[式中、R、R、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程
【0012】
工程C:
一般式(III)で表される化合物を、一般式(IV):
【化8】
[式中、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物と反応させて、一般式(V):
【化9】
[式中、R、R、R、R、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程
【0013】
工程D:
一般式(V)で表される化合物を、
(a)二重結合の還元反応(Rが水素原子の場合)、又は
(b)二重結合の還元反応及びRの加水素分解反応(Rがハロゲン原子の場合)
に付して、一般式(VI):
【化10】
[式中、R、R、R、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程
【0014】
一般式(VI)の化合物は一般式(VII)のクマリン誘導体の合成中間体であり、本発明の方法は、一般式(VII)のクマリン誘導体又はその合成中間体を製造するための新規の方法である。
【0015】
本発明の方法では、ホルミル化反応の後、ホルミル基をヒドロキシ基に変換する工程が含まれないため、保護基の導入・除去工程を実施する必要がない。また、ホルミル化反応を超低温条件で行う必要がない。また、パラジウム触媒及びホスフィン配位子を用いずに、ハロゲン原子を含窒素置換基(アミノ基又は保護されたアミノ基)に変換することができる。また、アルキル化反応(工程C)において、除去に煩雑な操作が必要となるアルキル化試薬(一般式(IV)の化合物)を過剰に使用する必要もない。さらに、本発明の方法では、工程C及びDをワンポットで連続的に実施することが可能である。このように、本発明の方法によれば、従来の方法よりも少ない工程数で一般式(VI)の化合物及び一般式(VII)のクマリン誘導体を合成することが可能となる。また、本発明の方法によれば、簡便な操作で効率的に一般式(VII)のクマリン誘導体又はその合成中間体を製造することが可能となる。
【0016】
一般式(VI)で表される化合物を製造するための本発明の方法は、上記工程A〜Dからなるものであってもよい。
【0017】
一般式(VII)で表される化合物又はその薬学上許容し得る塩を製造するための本発明の方法は、さらに下記工程E〜Gを含んでもよい。
【0018】
工程E:
酸の存在下、一般式(VI)で表される化合物を、一般式(VIII):
【化11】
[式中、R11は上記と同義である。]
で表される化合物と反応させて、一般式(IX):
【化12】
[式中、R、R及びR11は上記と同義である。]
で表される化合物又はその薬学上許容し得る塩若しくは酸付加物を得る工程
【0019】
工程F:
塩基の存在下、一般式(IX)で表される化合物又はその薬学上許容し得る塩若しくは酸付加物を、X−Y[式中、Xは上記と同義であり、Yはハロゲン原子を表す。]と反応させて、一般式(X):
【化13】
[式中、R、R、R11及びXは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程
【0020】
工程G:
一般式(X)で表される化合物を、一般式(XI):
【化14】
[式中、R16及びR17は上記と同義であり、Zは脱離基を表す。]
で表される化合物と反応させて、一般式(VII’):
【化15】
[式中、R、R、R11、X、R16及びR17は上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程
【発明の効果】
【0021】
本発明により、簡便な操作で効率的に一般式(VII)のクマリン誘導体又はその合成中間体を製造する方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
本発明の方法は、一般式(VI):
【化16】
[式中、Rは水素原子又はハロゲン原子を表し、R及びRは各々独立に、水素原子、又はアミノ基の保護基を表し、或いはR及びRは一緒になってアミノ基の保護基を形成していてもよく、R及びRは各々独立にC1−6アルキル基を表す。]
で表される化合物、又は一般式(VII):
【化17】
[式中、R及びRは上記と同義であり、Xはヘテロアリール基又はR1314NCO−を表し、R11は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルキル基、C2−7アルケニル基、カルバモイル基又はC2−7アルキニル基(該C2−7アルキニル基はC1−4アシル基で置換されていてもよい。)を表し、R13、R14、R16及びR17は各々独立に、水素原子、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基又はC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基又は−NR2324で置換されていてもよい。)を表し、或いはR13とR14の組合せ及びR16とR17の組合せは各々独立に、結合する窒素原子と一緒になって、少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員のヘテロ環基を形成していてもよく、R15、R23及びR24は各々独立に水素原子又はC1−6アルキル基を表す。]
で表される化合物又はその薬学上許容し得る塩を製造する方法であり、工程A〜Dを含む。
【0024】
本発明において、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
【0025】
1−6アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖状及び分岐鎖状のアルキル基を意味する。C1−6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルプロピル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基が挙げられる。
【0026】
2−7アルケニル基とは、炭素数2〜7の直鎖状及び分岐鎖状のアルケニル基を意味する。C2−7アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基、ペンタジエニル基、ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、ヘプテニル基、へプタジエニル基、ヘプタトリエニル基が挙げられる。
【0027】
2−7アルキニル基とは、炭素数2〜7の直鎖状及び分岐鎖状のアルキニル基を意味する。C2−7アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ペンタジイニル基、ヘキシニル基、ヘキサジイニル基、ヘプチニル基、へプタジイニル基、ヘプタトリイニル基が挙げられる。
【0028】
1−4アシル基とは、炭素数1〜4のアシル基を意味する。C1−4アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、n−プロピオニル基、i−プロピオニル基、ブチリル基、sec−ブチリル基(イソブチリル基)が挙げられる。
【0029】
1−6アルコキシ基とは、アルキル部分として炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルオキシ基を意味する。C1−6アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基が挙げられる。
【0030】
3−8シクロアルキル基とは、3〜8員環状アルキル基(該環状アルキル基は、環を構成する原子上に、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル置換基を有していてもよい。)を意味する。無置換のC3−8シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。また、置換基を有するC3−8シクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロプロピル基、エチルシクロプロピル基、ジメチルシクロプロピル基、トリメチルシクロプロピル基、ジエチルシクロプロピル基、エチルメチルシクロプロピル基、ジメチルエチルシクロプロピル基、ジエチルメチルシクロプロピル基、メチルシクロブチル基、エチルシクロブチル基、ジメチルシクロブチル基、トリメチルシクロブチル基、テトラメチルシクロブチル基、ジエチルシクロブチル基、エチルメチルシクロブチル基、ジメチルエチルシクロブチル基、メチルシクロペンチル基、エチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、トリメチルシクロペンチル基、エチルメチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基が挙げられる。
【0031】
ヘテロアリール基とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種のヘテロ原子を含む5〜10員芳香族ヘテロ環基(該芳香族ヘテロ環基は、環を構成する原子上に置換基を有してもよい。)を意味する。ヘテロアリール基としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、インドリジニル基、イミダゾピリジル基が挙げられる。
【0032】
ヘテロアリール基は、環を構成する原子上に、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、シアノ基、アミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、カルボキシ基、C2−7アルケニル基、C2−7アルキニル基等の置換基を有してもよい。
【0033】
少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員ヘテロ環基とは、少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員飽和又は不飽和環基(該飽和又は不飽和環基は、酸素原子及び/又は硫黄原子を含んでもよく、また、ベンゼン環と縮合していてもよい。また、環を構成する原子上に置換基を有してもよい。)を意味する。少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員ヘテロ環基としては、例えば、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ピロリル基、ジヒドロピロリル基、イミダゾリル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリル基、ピラゾリニル基、ピリダゾリジニル基、オキサゾリニル基、オキサゾリジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ピリジニル基、ジヒドロピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基が挙げられる。
【0034】
少なくとも1個の窒素原子を含む4〜6員ヘテロ環基は、環を構成する原子上に、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、シアノ基、アミノ基、カルバモイル基、ニトロ基、カルボキシ基、C2−7アルケニル基、C2−7アルキニル基等の置換基を有してもよい。
【0035】
工程A:
工程Aは、RNH[式中、R及びRは上記と同義である。]を、一般式(I):
【化18】
[式中、Rは水素原子又はハロゲン原子を表し、Halはハロゲン原子を表し、Rは上記と同義である。]
で表される化合物と反応させて、一般式(II):
【化19】
[式中、R、R、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程である。
【0036】
及びRの一方が水素原子、他方がアミノ基の保護基である場合、アミノ基の保護基としては、例えば、C1−6アルキルカルボニル基(アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基等)、カルバモイル基、C1−6アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基等)、置換シリル基(トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等)、アリル基、アラルキル基(該アラルキル基中のアリール基(フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等)は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)が挙げられる。
【0037】
また、R及びRの両方がアミノ基の保護基である場合、アミノ基の保護基としては、例えば、C1−6アルキルカルボニル基(アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基等)、置換オキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジルオキシカルボニル基等)、カルバモイル基、置換シリル基(トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等)、アラルキル基(該アラルキル基中のアリール基(フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等)は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい)、アリル基が挙げられる。
【0038】
及びRが一緒になってアミノ基の保護基を形成する場合としては、例えば、2価の置換基(1,1−ジメチルチオメチレン基、ベンジリデン基、p−メトキシベンジリデン基、ジフェニルメチレン基、[(2−ピリジル)メシチル]メチレン基、N,N−ジメチルアミノメチレン基、イソプロピリデン基、p−ニトロベンジリデン基、(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレン基、シクロヘキシリデン基等)がアミノ基中の窒素原子と一緒になってイミノ基を形成する場合が挙げられる。
【0039】
及びRは、一方が水素原子、他方がアミノ基の保護基であるか、両方がアミノ基の保護基であるのが好ましく、一方が水素原子、他方がアミノ基の保護基であるのがより好ましく、一方が水素原子、他方がC1−6アルキルカルボニル基であるのがさらに好ましく、一方が水素原子、他方がアセチル基であるのが特に好ましい。
【0040】
がハロゲン原子の場合、該ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
【0041】
及びRは、R及びRの両方がハロゲン原子であるか、Rが水素原子、Rがハロゲン原子であるか、Rがハロゲン原子、Rが水素原子であるのが好ましく、R及びRの両方がハロゲン原子であるのが特に好ましい。R及びRの両方がハロゲン原子である場合、これらのハロゲン原子は異なっているのが好ましく、Rが塩素原子、Rがフッ素原子であるの特に好ましい。
【0042】
一般式(I)の化合物は、公知文献に記載の方法に基づいて合成することができる。例えば、5−クロロ−2,3−ジフルオロピリジンはSynthetic Communications,34, 4301−4311, 2004に記載されており、該文献に記載の方法により合成することができる。また、一般式(I)の化合物は、市販のものを使用してもよい。例えば、東京化成工業から販売されている製品(製品コード:C2113)を購入することができる。
【0043】
工程Aの反応溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等)、炭化水素系溶媒(ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、及びそれら(少なくとも2種)の混合溶媒が挙げられる。
【0044】
反応は、適当な温度(例えば、−50℃〜150℃)で一定時間(例えば、0.1時間〜5時間)、反応混合物を攪拌することによって行うことができる。
【0045】
NHは、式(I)の化合物と反応させる前に塩基と反応させるのが好ましい。ここで、塩基としては、例えば、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、水素化ナトリウムが好ましい。反応溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等)、炭化水素系溶媒(ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、及びそれら(少なくとも2種)の混合溶媒が挙げられる。反応は、適当な温度(例えば、−30℃〜80℃)で一定時間(例えば、0.1時間〜3時間)、反応混合物を攪拌することによって行うことができる。
【0046】
工程Aの反応終了後の混合物はそのまま工程Bに供してもよいが、通常は、洗浄、抽出等の後処理に付する。さらに単離(濃縮、晶析等)、精製(再結晶、カラムクロマトグラフィー等)を行ってから工程Bに供してもよい。
【0047】
工程B:
工程Bは、一般式(II)で表される化合物を塩基及びホルミル化剤と反応させて、一般式(III):
【化20】
[式中、R、R、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程である。
【0048】
塩基とホルミル化剤の組合せとしては、例えば、リチウムヘキサメチルジシラジドとN,N−ジメチルホルムアミドの組合せ又はリチウムヘキサメチルジシラジドと4−ホルミルモルホリンの組合せが好ましく、リチウムヘキサメチルジシラジドと4−ホルミルモルホリンの組合せが特に好ましい。
【0049】
一般式(II)の化合物を塩基及びホルミル化剤と反応させる際には、まず一般式(II)の化合物と塩基とを混合し、次いでホルミル化剤と混合してもよいし、また、まず一般式(II)の化合物とホルミル化剤とを混合し、次いで塩基と混合してもよい。塩基自体が不安定であるか、一般式(II)の化合物と塩基との反応物が不安定である場合は、まずホルミル化剤と混合し、次いで塩基と混合するのが好ましい。
【0050】
一般式(II)の化合物を塩基と反応させる際の溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等)、炭化水素系溶媒(ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、及びそれら(少なくとも2種)の混合溶媒が挙げられる。反応は、適当な温度(例えば、−100℃〜50℃)で一定時間(例えば、0.1時間〜10時間)、反応混合物を攪拌することによって行うことができる。
【0051】
一般式(II)の化合物をホルミル化剤と反応させる際の溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等)、炭化水素系溶媒(ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、及びそれら(少なくとも2種)の混合溶媒が挙げられる。反応は、適当な温度(例えば、−100℃〜50℃)で一定時間(例えば、0.1時間〜10時間)、反応混合物を攪拌することによって行うことができる。反応温度は、例えば、−100℃〜50℃が好ましく、−50℃〜0℃がより好ましく、−30℃〜−10℃がさらに好ましい。
【0052】
工程Bの反応終了後の混合物はそのまま工程Cに供してもよいし、また、洗浄、抽出等の後処理に付してもよい。また、後処理を行い、さらに単離(濃縮、晶析等)、精製(再結晶、カラムクロマトグラフィー等)を行ってから工程Cに供してもよいが、その場合、単離した段階で工程Cに供するのが好ましい。
【0053】
工程C及びD:
工程Cは、一般式(III)で表される化合物を、一般式(IV):
【化21】
[式中、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物と反応させて、一般式(V):
【化22】
[式中、R、R、R、R、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程である。
【0054】
工程Dは、一般式(V)で表される化合物を、
(a)二重結合の還元反応(Rが水素原子の場合)、又は
(b)二重結合の還元反応及びRの加水素分解反応(Rがハロゲン原子の場合)
に付して、一般式(VI):
【化23】
[式中、R、R、R、R及びRは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程である。
【0055】
工程Cでは、生成収率向上及び/又は反応時間短縮の観点から、反応を塩基又は酸の存在下で行うのが好ましく、塩基及び酸の両方の存在下で行うのが特に好ましい。ここで、塩基としては、例えば、アンモニア、一級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、シクロヘキシルアミン等)、二級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチルイソプロピルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン等)、三級アミン(トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、エチルジイソプロピルアミン、DBU、DABCO等)、ジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、アミノエチルピペリジン、アミノエチルモルホリン等)、グアニジン等のアミンが好ましく、ピペリジンが特に好ましい。また、塩基としては、アミノ酸(アラニン、β−アラニン、ヒスチジン、プロリン、リシン、アルギニン等)の誘導体(ヒスチジンメチルエステル、プロリンエチルエステル、リシンエチルエステル、アルギニンエチルエステル、ジペプチド、トリペプチド等)、アミノリン酸(1−アミノエチルリン酸、2−アミノエチルリン酸等)の誘導体(エステル等)、カルボキシアルキルホスフィン(カルボキシメチルホスフィン、カルボキシエチルホスフィン等)の誘導体(エステル等)、カルボキシアルキルホスフィンオキシド(カルボキシメチルホスフィンオキシド、カルボキシエチルホスフィンオキシド等)の誘導体(エステル等)も使用可能である。酸としては、例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、マロン酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸、酒石酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸等のカルボン酸が好ましく、酢酸が特に好ましい。塩基及び酸の両方を使用する場合は、塩基性官能基及び酸性官能基の両方を有する化合物も使用可能であり、そのような化合物としては、例えば、アミノ酸(アラニン、β−アラニン、ヒスチジン、プロリン、リシン、アルギニン等)又はその塩、アミノリン酸(1−アミノエチルリン酸、2−アミノエチルリン酸等)又はその塩が挙げられ、また、カルボキシアルキルホスフィン(カルボキシメチルホスフィン、カルボキシエチルホスフィン等)、カルボキシアルキルホスフィンオキシド(カルボキシメチルホスフィンオキシド、カルボキシエチルホスフィンオキシド等)又はそれらの塩が挙げられる。また、塩基及び酸の両方を使用する場合は、塩基性官能基を有する化合物(例えば上述の塩基)と酸性官能基を有する化合物(例えば上述の酸)との塩も使用可能であり、そのような塩としては、例えば、アンモニアのシュウ酸塩、エチルアミンの酢酸塩、プロピルアミンの1/2マレイン酸塩、シクロヘキシルアミンの安息香酸塩、N−メチルモルホリンの1/2酒石酸塩、エチレンジアミンの二酢酸塩(エチレンジアミンジアセテート)、エチレンジアミンの二プロピオン酸塩、プロピレンジアミンの二酢酸塩、アミノエチルピペリジンの二酢酸塩が挙げられる。塩基及び酸の両方を使用する場合、それらの組合せとしては、例えばピペリジンと酢酸の組合せが好ましい。また、塩基及び酸の両方を使用する場合は、リシン、ヒスチジン又はエチレンジアミンジアセテート(特にエチレンジアミンジアセテート)を使用するのも好ましい。
【0056】
工程Cの反応は、適当な温度(例えば、0℃〜80℃)で一定時間(例えば、0.1時間〜30時間)、反応混合物を攪拌することによって行うことができる。
【0057】
工程Dにおける二重結合の還元反応としては、例えば不均一系還元又は均一系接触還元が挙げられる。不均一系還元としては、例えば、水素−二酸化白金、水素−白金/炭素、水素−パラジウム/炭素、水素−水酸化パラジウム/炭素、水素−パラジウムブラック、水素−パラジウム/硫酸バリウム、水素−ラネーニッケル、水素−銅クロマイト、水素−ロジウム/炭素、水素−ロジウム/アルミナ、水素−二酸化ルテニウム、水素−ルテニウム/炭素、ギ酸−パラジウム/炭素、ギ酸−水酸化パラジウム/炭素、ギ酸−パラジウムブラックによる還元が挙げられる。均一系接触還元としては、例えば、水素−クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、水素−クロロトリス(トリパラトリルホスフィン)ロジウム(I)、水素−クロロトリス(トリパラメトキシフェニルホスフィン)ロジウム(I)、水素−ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、水素−酢酸ロジウム(II)、水素−酢酸ルテニウム(II)、水素−クロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、水素−カルボキシラートヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、水素−ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)イリジウム(I)、水素−白金(II)−塩化スズ錯体、水素−ペンタシアノコバルト(II)錯体、水素−トリシアノビピリジンコバルト(II)錯体、水素−ビス(ジメチルグリオキシマート)コバルト(II)錯体、水素−安息香酸メチル−トリカルボニルクロム錯体、水素−ビス(トリカルボニルシクロペンタジエニルクロム)、水素−ペンタカルボニル鉄、水素−ビス(シクロペンタジエニル)ジカルボニルチタン、水素−ヒドリドカルボニルコバルト錯体、水素−オクタカルボニル二コバルト、水素−ヒドリドカルボニルロジウム、水素−クロム(III)アセチルアセトナート−トリイソブチルアルミニウム、水素−コバルト(II)アセチルアセトナート−トリイソブチルアルミニウム、水素−ニッケル(II)2−ヘキサノアート−トリエチルアルミニウムによる接触還元が挙げられる。また、還元反応は、水素化金属試剤(水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム−ピリジン錯体、水素化ホウ素ナトリウム−ピコリン錯体、水素化ホウ素ナトリウム−テトラヒドロフラン錯体、トリエチルシラン等)を用いて行うこともできる。還元反応は、常圧下又は加圧下、適当な温度(例えば、−100℃〜50℃)で一定時間(例えば、0.1時間〜20時間)、反応混合物を攪拌することによって行うことができる。
【0058】
工程DにおけるRの加水素分解反応は、触媒の存在下、適当な水素源を用いて行うことができる。触媒は不均一系触媒及び均一系触媒のいずれでもよい。不均一系触媒としては、例えば、二酸化白金、白金/炭素、パラジウム/炭素、水酸化パラジウム/炭素、パラジウムブラック、ラネーニッケルが挙げられる。均一系触媒としては、例えば、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、クロロトリス(トリパラトリルホスフィン)ロジウム(I)、クロロトリス(トリパラメトキシフェニルホスフィン)ロジウム(I)、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、酢酸ロジウム(II)、酢酸ルテニウム(II)、クロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、カルボキシラートヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)が挙げられる。水素源としては、例えば、水素、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸−トリエチルアミン、トリエチルシラン、テトラメチルジシロキサン、ポリメチルヒドロシロキサンが挙げられる。加水素分解反応は、常圧下又は加圧下、適当な温度(例えば、0℃〜100℃)で一定時間(例えば、0.1時間〜20時間)、反応混合物を攪拌することによって行うことができる。
【0059】
工程Dにおいて二重結合の還元反応及びRの加水素分解反応を行う場合、同時に行ってもいずれかの反応を先に行ってもよいが、同時に行うのが好ましい。2つの反応を同時に行う場合、1つの反応操作で行うのが効率性の点で好ましい。
【0060】
工程C及びDで使用する反応溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等)、芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、キノリン、クロロベンゼン等)、脂肪族炭化水素系溶媒(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、トリフルオロエタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等)、酢酸エステル系溶媒(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等)、アセトニトリル、及びこれらの有機溶媒(少なくとも2種)の混合溶媒が好ましく、2,2,2−トリフルオロエタノール及びアセトニトリルがより好ましく、2,2,2−トリフルオロエタノールが特に好ましい。少なくとも2種の有機溶媒の混合溶媒としては、例えば、2−プロパノールとトルエンの混合溶媒、メタノールとベンゼンの混合溶媒、エタノールとキシレンの混合溶媒、n−プロパノールとクロロベンゼンの混合溶媒が挙げられる。水を使用してもよく、また、水と上記有機溶媒(少なくとも2種の有機溶媒の混合溶媒であってもよい。)の混合溶媒を使用してもよい。
【0061】
工程Cで使用する反応溶媒としてはまた、例えば、水、酢酸エステル系溶媒(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等)及び芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、キノリン、クロロベンゼン等)の混合溶媒が好ましい。ここで、酢酸エステル系溶媒としては酢酸エチルが特に好ましく、芳香族炭化水素系溶媒としてはトルエンが特に好ましく、混合溶媒としては水、酢酸エチル及びトルエンの混合溶媒が特に好ましい。水、酢酸エステル系溶媒及び芳香族炭化水素系溶媒の混合溶媒を使用する場合、溶媒組成(水、酢酸エステル系溶媒及び芳香族炭化水素系溶媒の容積比)は、例えば、3〜5:2〜4:4〜6が好ましく、7〜9:5〜7:9〜11がより好ましく、11〜13:8〜10:14〜16がさらに好ましい。また、表1−1、表1−2に示される溶媒組成も、好ましい溶媒組成の具体例として挙げられる。
【0062】
工程Cで塩基及び酸としてピペリジンと酢酸の組合せを使用する場合、反応溶媒としては、例えば上記有機溶媒(少なくとも2種の有機溶媒の混合溶媒であってもよい。)が好ましく、2,2,2−トリフルオロエタノールを単独で使用するのが特に好ましい。また、工程Cで塩基及び酸としてリシン、ヒスチジン又はエチレンジアミンジアセテートを使用する場合、反応溶媒としては、例えば、水と上記有機溶媒(少なくとも2種の有機溶媒の混合溶媒であってもよい。)の混合溶媒が好ましく、水、酢酸エステル系溶媒(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等)及び芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、キノリン、クロロベンゼン等)の混合溶媒がより好ましく、水、酢酸エチル及びトルエンの混合溶媒が特に好ましい。
【0063】
工程Dで使用する反応溶媒としてはまた、例えば、酢酸エステル系溶媒(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等)、芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、キノリン、クロロベンゼン等)及びアルコール系溶媒(メタノール、エタノール、トリフルオロエタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等)の混合溶媒が好ましい。ここで、酢酸エステル系溶媒としては酢酸エチルが特に好ましく、芳香族炭化水素系溶媒としてはトルエンが特に好ましく、アルコール系溶媒としては2−プロパノールが特に好ましく、混合溶媒としては酢酸エチル、トルエン及び2−プロパノールの混合溶媒が特に好ましい。酢酸エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒及びアルコール系溶媒の混合溶媒を使用する場合、溶媒組成(酢酸エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒及びアルコール系溶媒の容積比)は、例えば、2〜4:4〜6:8〜15が好ましく、5〜7:9〜11:20〜26がより好ましく、8〜10:14〜16:44〜48がさらに好ましい。
【0064】
工程C又はDで水と有機溶媒(少なくとも2種の有機溶媒の混合溶媒であってもよい。)の混合溶媒を使用する場合の好適な溶媒組成及び反応温度、工程Cで混合溶媒を使用する場合の好適な触媒(塩基及び/又は酸)は、例えば下表(表1−1、表1−2)のとおりである。下表において、「CPME」はシクロペンチルメチルエーテル、「MTBE」はメチルtert−ブチルエーテルを表す。「室温」とは15℃〜25℃を意味する。リン酸緩衝液(pH6.5)としては、例えば下記組成のものが挙げられる。クエン酸ナトリウム緩衝液(pH5.1、pH4.3)としては、例えば和光純薬工業製のもの(カタログNo.:195−07285、198−07275)を使用することができる。
リン酸緩衝液の組成:
リン酸二水素カリウム:約2.6w/v%
水酸化ナトリウム:約0.2w/v%
【0065】
【表1-1】
【0066】
【表1-2】
【0067】
工程Cの反応終了後の混合物に対しては工程Dの実施前に洗浄、抽出等の後処理や単離・精製を行ってもよいが、そのような処理を行わずにそのまま次の工程Dに供するのが好ましい。工程C及びDをワンポットで連続的に実施する場合、反応溶媒としては、例えば2,2,2−トリフルオロエタノールが好ましい。
【0068】
また、工程Cで使用される反応溶媒が水、酢酸エステル系溶媒及び芳香族炭化水素系溶媒の混合溶媒(例えば、水、酢酸エチル及びトルエンの混合溶媒)である場合は、工程Cの反応終了後の混合物から水層を除去して有機層を得、洗浄、精製等を行わずにアルコール系溶媒(例えば2−プロパノール)を加え、これを工程Dに供するのが効率性等の点で好ましい。
【0069】
工程Dで得られた一般式(VI)の化合物をさらに別の反応(例えば工程Eの反応)に付する場合、工程Dの反応終了後の混合物はそのまま次の工程に供してもよいが、通常は、洗浄、抽出等の後処理に付する。さらに単離(濃縮、晶析等)、精製(再結晶、カラムクロマトグラフィー等)を行ってから次の工程に供してもよい。好ましくは、反応終了後の混合物を後処理(洗浄、抽出等)に付し、さらに単離(濃縮、晶析等)を行った段階で工程Eに供する。
【0070】
また、工程Dで使用される反応溶媒が、酢酸エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒及びアルコール系溶媒の混合溶媒(例えば、酢酸エチル、トルエン及び2−プロパノールの混合溶媒)である場合、工程Dの反応終了後の混合物はそのまま次の工程(例えば工程E)に供してもよいし、ろ過、洗浄、抽出等の後処理を行ってから次の工程(例えば工程E)に供してもよい(後処理を行った場合はさらに単離・精製を行ってもよい)が、ろ過、洗浄、抽出等の後処理を行った後、単離・精製を行わずに次の工程(例えば工程E)に供するのが好ましい。
【0071】
工程Dにおいて一般式(VI)の化合物に加えて、例えば一般式(VI’):
【化24】
[式中、R、R、R、R及びRは上記と同義である。]
の化合物(一般式(VI)の化合物のケト−エノール互変異性体)が得られることがあるが、この場合、一般式(VI’)の化合物を除去せずに次の工程に供してもよい。
【0072】
なお、工程Dにおいて、一般式(VI)の化合物は、一般式(Va):
【化25】
[式中、R、R、R、R及びRは上記と同義である。]
の化合物及び/又は一般式(Vb):
【化26】
[式中、R、R、R、R、R及びRは上記と同義である。]
の化合物を経由して得られてもよい。
【0073】
一般式(VI)で表される化合物を製造するための本発明の方法は、工程A〜Dからなるものであってもよい。
【0074】
一般式(VII)で表される化合物又はその薬学上許容し得る塩を製造するための本発明の方法は、さらに工程E〜Gを含んでもよい。
【0075】
工程E:
工程Eは、酸の存在下、一般式(VI)で表される化合物を、一般式(VIII):
【化27】
[式中、R11は上記と同義である。]
で表される化合物と反応させて、一般式(IX):
【化28】
[式中、R、R及びR11は上記と同義である。]
で表される化合物又はその薬学上許容し得る塩(酸との塩)若しくは酸付加物を得る工程である。
【0076】
酸としては、例えば、無機酸(塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸等)、スルホン酸(メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等)、カルボン酸(ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、マロン酸、グルコン酸、マンデル酸、安息香酸、サリチル酸、フルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、プロピオン酸、グルタル酸等)が挙げられ、スルホン酸が好ましく、メタンスルホン酸が特に好ましい。
【0077】
反応溶媒としては、反応に不活性な溶媒を使用することができる。そのような溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等)、芳香族炭化水素系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、キノリン、クロロベンゼン等)、脂肪族炭化水素系溶媒(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等)、酢酸エステル系溶媒(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等)、アセトニトリル、及びそれら(少なくとも2種)の混合溶媒が挙げられ、2,2,2−トリフルオロエタノールが好ましい。また、酢酸エステル系溶媒も好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。なお、工程Dの反応終了後の混合物を、後処理(ろ過、洗浄、抽出等)及び/又は単離・精製を行わずに工程Eに供する場合、工程Dで使用された溶媒(例えば、酢酸エチル等の酢酸エステル系溶媒)が混合物中に残存していることがあるが、工程Eは残存溶媒を除去せずに実施することができる。
【0078】
反応温度は、通常−20℃〜150℃、好ましくは−10℃〜100℃である。反応時間は反応温度等により適宜決定されるが、通常2時間〜20時間、好ましくは2時間〜10時間である。
【0079】
反応後、酸を中和しなければ、式(IX)の化合物の薬学上許容し得る塩又は酸付加物が得られる。他方、反応後、塩基(例えば、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム)を加えて酸を中和すれば、式(IX)の化合物のフリー体が得られる。
【0080】
式(IX)の化合物の薬学上許容し得る塩又は酸付加物が得られる場合、反応混合物に溶媒を加えることによって目的物を結晶として析出させることができる。溶媒としては、例えば水とアルコール系溶媒の組合せが挙げられ、水とエタノールの組合せが好ましい。水とエタノールの組合せを使用する場合、さらに2−プロパノールを組み合わせてもよい。結晶析出の際には、種晶を加えて結晶析出を促進させることもできる。
【0081】
工程F:
工程Fは、塩基の存在下、一般式(IX)で表される化合物又はその薬学上許容し得る塩若しくは酸付加物を、X−Y[式中、Xは上記と同義であり、Yはハロゲン原子を表す。]と反応させて、一般式(X):
【化29】
[式中、R、R、R11及びXは上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程である。
【0082】
塩基としては、例えば、弱塩基性無機塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)、金属水素化物(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)が挙げられ、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウムが好ましい。
【0083】
反応溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等)、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられ、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
【0084】
反応温度は、反応溶媒等により適宜決定されるが、Xが電子不足のヘテロアリール基(ピリジル基、ピリミジニル基等)である場合は、通常60℃〜150℃、好ましくは70℃〜100℃である。Xが電子リッチなヘテロアリール基(チアゾリル基等)である場合は、通常90℃〜200℃、好ましくは100℃〜120℃である。XがRNCO−である場合は、通常0℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃である。反応時間は反応温度等により適宜決定されるが、通常30分間〜5時間、好ましくは40分間〜2時間である。
【0085】
Xが電子リッチなヘテロアリール基(チアゾリル基等)である場合は、例えば1価の銅塩(ヨウ化銅(I)、CuPF、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)等)、好ましくはヨウ化銅(I)の共存下、マイクロ波を照射しながら反応を行ってもよい。
【0086】
工程G:
工程Gは、一般式(X)で表される化合物を、一般式(XI):
【化30】
[式中、R16及びR17は上記と同義であり、Zは脱離基を表す。]
で表される化合物と反応させて、一般式(VII’):
【化31】
[式中、R、R、R11、X、R16及びR17は上記と同義である。]
で表される化合物を得る工程である。
【0087】
Zで表される脱離基としては、例えば、ハロゲン原子、2−オキサゾリジノン−3−イル基が挙げられ、ハロゲン原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
【0088】
反応溶媒としては、例えば、塩化メチレン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられ、一般式(X)の化合物の溶解性の点で、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
【0089】
反応は塩基の存在下で行ってもよい。塩基としては、有機アミン(ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等)が好ましい。
【0090】
反応温度は、通常15℃〜120℃、好ましくは20℃〜85℃である。反応時間は、通常1時間〜2日間、好ましくは2時間〜24時間である。
【0091】
15がC1−6アルキル基である一般式(VII)の化合物は、式(VII’)の化合物をC1−6アルキル化することによって得られる。C1−6アルキル化は、例えば、Bioorganic Medicinal Chemistry 2005, 13, 1393−1402、Organic Preparations and Procedures International 2004, 36, 347−351、又はJournal of Medicinal Chemistry 2004, 47, 6447−6450に記載の方法に基づいて行うことができる。
【0092】
一般式(VII)の化合物の薬学上許容し得る塩は、該化合物と、医薬品の製造に使用可能な酸又は塩基と、を接触又は反応させることにより製造することができる。そのような塩としては、例えば、無機酸塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等)、スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等)、カルボン酸塩(ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、グルコン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フルオロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、プロピオン酸塩、グルタル酸塩等)、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、ルビジウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)、アンモニウム塩(アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩等)が挙げられ、アルカリ金属塩が好ましく、カリウム塩が特に好ましい。
【実施例】
【0093】
以下、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
【0094】
以下の実施例において、核磁気共鳴(NMR)分析は、核磁気共鳴装置JNM−ECP500(JEOL製)を用いて行った。質量分析(MS)は、質量分析装置LCT Premier XE(Waters製)を用いて行った。
【0095】
なお、以下において、N,N−ジメチルホルムアミドは「DMF」、テトラヒドロフランは「THF」、高速液体クロマトグラフィーは「HPLC」、トリフルオロ酢酸は「TFA」と略記する。また、「室温」とは15℃〜25℃を意味する。
【0096】
[実施例1]
工程1:
2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジンの合成:
【化32】
窒素雰囲気下、アセトアミド(94.8g,1.61mol)にDMF(200mL)及びTHF(830mL)を加え、50℃に昇温した。得られた溶液に40wt%ナトリウムヘキサメチルジシラジドのTHF溶液(629g,1.37mol)を滴下し、同温で2時間攪拌した。5−クロロ−2,3−ジフルオロピリジン(100.0g,0.67mol)を加えた後、THF(20mL)を加え、同温で3時間攪拌した。0℃に冷却後、反応液に2.8M HCl(500mL)を加え、室温に昇温して有機層を分離した。有機層を20wt%食塩水(500mL)で洗浄後、減圧下で溶媒留去した。残渣にTHF(500mL)を加え、70℃に加熱して残渣を溶解した。室温に冷却して固体析出を確認後、n−ヘプタン(1500mL)を加えてさらに0℃に冷却し、同温で3時間攪拌した。析出した結晶をろ取し、THF(100mL)及びn−ヘプタン(500mL)の混合溶媒で洗浄後、減圧下乾燥して標題化合物(91.2g)を得た。
収率:72%
H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.36(3H,s),7.49(1H,dd,J=2.0,9.5Hz),7.78(1H,br),8.17(1H,d,J=2.0Hz).
MS(ESI):189[M+1]
【0097】
工程2:
2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロ−4−ホルミルピリジンの合成:
【化33】
窒素雰囲気下、室温にて2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン(70.0g,0.37mol)及び4−ホルミルモルホリン(128.2g,1.11mol)をTHF(840mL)に溶解した。この溶液を−20℃に冷却し、24wt%リチウムヘキサメチルジシラジドのTHF溶液(595g,0.85mol)を滴下し、同温で5.5時間攪拌した。この反応液を、クエン酸一水和物(257g)及び食塩(70g)を水(420mL)に溶解させた水溶液に、攪拌下0℃にて加えた。有機層を分離し、50wt%リン酸水素二カリウム水溶液(350mL)及び20wt%食塩水(350mL)で順次洗浄して有機層(1458g)を得た。この有機層の一部(292g)を分析用に採取し、残り(1166g)を減圧下で溶媒留去した。残渣にTHF(350mL)を加え、減圧下で溶媒留去した。再度、残渣にTHF(350mL)を加え、減圧下で溶媒留去して、標題化合物を含む固体(81.4g)を得た。生成物は、さらに精製することなく次の工程に使用した。
採取しておいた有機層(292g)の一部(29g)を、減圧下で溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液:AcOEt/ヘキサン(1/4〜9/1)]に付し、標題化合物(1.05g,4.85mmol)を白色粉末状固体として得た。
収率:66%
H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.40(3H,s),7,59(1H,br),8.34(1H,br),10.42(1H,s).
MS(ESI):217(M+1)
【0098】
工程3:
2−[(2−アセチルアミノ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−オキソブタン酸 エチルエステルの合成:
【化34】
窒素雰囲気下、工程2の固体生成物(81.4g)を2,2,2−トリフルオロエタノール(448mL)に溶解し、ピペリジン(4.4g,51.7mmol)、酢酸(3.1g,51.7mmol)及び3−オキソブタン酸エチル(37.0g,0.28mol)を加え、50℃に昇温後3時間攪拌した。この反応液を室温に冷却後、トリエチルアミン(758mL,5.5mol)及びギ酸(172mL,4.6mol)の2−プロパノール(1248mL)溶液と20%Pd(OH)炭素(21.2g,含水率46.2%)とを加え、50℃に昇温して4時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、残渣を2−プロパノール(679mL)で洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせ(2795g)、その一部(399g)を減圧下で溶媒留去した(残り(2396g)は保存した)。溶媒留去で得られた残渣に酢酸エチル(24.2mL)を加え、減圧下で溶媒留去した。再度、残渣に酢酸エチル(182mL)を加え、有機層を20wt%食塩水(61mL)、10wt%リン酸二水素カリウム水溶液(61mL)及び20wt%食塩水(61mL)で順次洗浄後、減圧下で溶媒留去した。さらに、残渣に2,2,2−トリフルオロエタノール(24mL)を加え、減圧下で溶媒留去して、標題化合物を含む油状物(15.0g)を得た。生成物は、さらに精製することなく次の工程に使用した。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.24(3H,t,J=7.0Hz),2.27(3H,s),2.37(3H,s),3.16−3.26(2H,m),3.86(1H,t,J=7.5Hz),4.15−4.22(2H,m),6.98(1H,t,J=5.0Hz),7.68(1H,br),8.05(1H,d,J=5.0Hz).
MS(ESI):297(M+1)
【0099】
工程4:
3−(3−フルオロ−2−アミノピリジン−4−イルメチル)−7−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン メタンスルホネートの合成:
【化35】
窒素雰囲気下、工程3の油状生成物(15.0g)を2,2,2−トリフルオロエタノール(33mL)に溶解した。この溶液にレゾルシノール(5.3g,47.9mmol)及びメタンスルホン酸(11.7mL,181mmol)を24℃で加えた後、90℃で4時間攪拌した。室温に冷却して13時間静置し、さらに、エタノール(33mL)及び水(11mL)を加え、90℃で4.5時間攪拌した。55℃に冷却して2−プロパノール(105mL)を加えた後、室温に冷却して14時間静置した。析出した結晶をろ取し、2−プロパノール(33mL)で2回洗浄後、減圧下乾燥して標題化合物(8.2g)を得た。
収率(工程2で使用した2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジンからの通算収率):49%
MS(ESI):301[M+1−MsOH]
【0100】
工程5:
4−メチル−3−(3−フルオロ−2−アミノピリジン−4−イルメチル)−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランの合成:
【化36】
窒素雰囲気下、3−(3−フルオロ−2−アミノピリジン−4−イルメチル)−7−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン メタンスルホネート(7.6g,19.2mmol)及び2−ブロモピリミジン(4.0g,24.9mmol)をDMF(122mL)に溶解し、炭酸カリウム(5.8g,42.2mmol)を加えて、115℃で3.5時間攪拌した。この反応液を28℃に冷却後、水(122mL)を同温で0.5時間かけて滴下し、2分間攪拌した。さらに、0℃に冷却後、1時間攪拌し、析出した結晶をろ取した。得られた結晶を水(61mL)及びアセトニトリル(61mL)で順次洗浄し、減圧下乾燥して標題化合物を結晶(6.5g)として得た。
得られた結晶の一部(0.1g)を分析用に採取し、残り(6.4g)をDMF(70mL)に懸濁した。得られた懸濁液を60℃に加熱して5分間攪拌した後、同温でアセトニトリル(185mL)を加えて80分間攪拌した。その後、40℃に冷却して0.5時間攪拌し、さらに25℃に冷却して0.5時間攪拌した。さらに0℃に冷却して1.5時間攪拌した後、析出した結晶をろ取した。得られた結晶をアセトニトリル(46mL)で洗浄後、減圧下乾燥して標題化合物(5.5g)を得た。なお、標題化合物は、WO2007/091736に記載の化合物である。
収率:76%
【0101】
工程6:
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランの合成:
【化37】
窒素雰囲気下、4−メチル−3−(3−フルオロ−2−アミノピリジン−4−イルメチル)−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン(1.7g,4.5mmol)をDMF(18mL)に懸濁した。この溶液にピリジン(0.8mL,9.9mmol)を加えて10℃に冷却し、N−メチルスルファモイルクロライド(1.05g,8.1mmol)のアセトニトリル(18mL)溶液を、内温が15℃以下に維持されるように滴下した。同温で90分間攪拌後、アセトニトリル(3.4mL)を加え、さらに水(50mL)を、内温が20℃以下に維持されるように滴下した。外温0℃に冷却し、内温5℃到達後2時間攪拌した。析出した結晶をろ取し、水(8.5mL)で洗浄後、乾燥して標題化合物(1.9g,4.0mmol)を得た。
収率:88%
MS(ESI):472[M+1]
【0102】
工程7:
3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン カリウム塩の合成:
【化38】
窒素雰囲気下、3−{2−(メチルアミノスルホニル)アミノ−3−フルオロピリジン−4−イルメチル}−4−メチル−7−(ピリジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン(1.6g,3.4mmol)をTHF(10mL)に懸濁し、水(3mL)を加えた。この懸濁溶液に2.0M水酸化カリウム水溶液(1.8mL,3.6mmol)を25℃で10分間かけて滴下し、60℃に昇温後、同温で2時間攪拌した。この反応液を20℃に冷却後、THF(8mL)を30分間かけて滴下した。滴下終了後、外温−5℃に冷却し、内温0℃到達後160分間攪拌した。析出した結晶をろ取し、THF(14mL)及び水(1.6mL)の混合液(予め5℃に冷却)で洗浄し、さらにTHF(8mL)で洗浄した後、乾燥して標題化合物(0.72g,1.4mmol)を得た。
収率:42%
MS(ESI):472[M+2H−K]
【0103】
[実施例2]
2−[(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン)メチレン]−3−オキソブタン酸 エチルエステルの合成:
【化39】
実施例1の工程1、2と同様にして得た固体生成物(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロ−4−ホルミルピリジンを含有)(327mg)を2,2,2−トリフルオロエタノール(1.6mL)に溶解し、ピペリジン(18μL,0.18mmol)、酢酸(11μL,0.18mmol)及び3−オキソブタン酸エチル(134μL,1.1mmol)を加え、50℃に昇温後3時間攪拌した。室温に冷却後、反応液に氷冷水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒留去して粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー[溶離液:n−ヘプタン/酢酸エチル(1/1〜1/4)]で精製して、標題化合物(E,Z異性体混合物)(277mg)を得た。
収率:92%
H−NMR(CDCl)(E,Z異性体混合物)δ(ppm):1.13(1.7H,t,J=7.0Hz),1.37(1.3H,t,J=7.0Hz),2.32(1.3H,s),2.33(1.7H,s),2.43(1.3H,d,J=1.5Hz),2.49(1.7H,s),4.22(1.1H,q,J=7.0Hz),4.36(0.9H,q,J=7.0Hz),7.42−7.43(1H,m),8.01(0.4H,brs),8.04(0.6H,brs),8.20(0.4H,s),8.22(0.6H,s).
MS(ESI):329(M+1)
【0104】
[実施例3]
2−[(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−オキソブタン酸 エチルエステルの合成:
【化40】
2−[(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン)メチレン]−3−オキソブタン酸 エチルエステル(50mg)を2−プロパノール(0.8mL)及び酢酸エチル(0.8mL)の混合溶媒に溶解した。この溶液に10%Pd(OH)炭素(PE−Type,エヌ・イー ケムキャット)(7mg,含水率51.8%)を加え、水素雰囲気下、室温で40分間攪拌した。反応液をろ過し、減圧下で溶媒留去して粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー[溶離液:n−ヘプタン/酢酸エチル(1/1〜1/2)]で精製して、標題化合物(39mg)を固体として得た。
収率:78%
H−NMR(CDCl)δ(ppm):1.23(3H,t,J=7.0Hz),2.27(3H,s),2.35(3H,s),3.29−3.39(2H,m),3.89(1H,t,J=7.5Hz),4.18(2H,q,7.0Hz),7.69(1H,br),8.16(1H,s).
MS(ESI):353(M+Na)
【0105】
[実施例4]
3−(3−フルオロ−2−アセチルアミノピリジン−4−イルメチル)−7−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン及び3−(3−フルオロ−2−アミノピリジン−4−イルメチル)−7−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランの合成:
【化41】
【化42】
窒素雰囲気下、2−[(2−アセチルアミノ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−オキソブタン酸 エチルエステル(122mg,0.41mmol)を2,2,2−トリフルオロエタノール(360μL)に溶解した。この溶液にレゾルシノール(59mg,0.53mmol)及びメタンスルホン酸(130μL,2.0mmol)を室温で加えた後、85℃で3時間攪拌した。0℃に冷却してトリエチルアミンを加えた後、室温に昇温し、減圧下で溶媒留去して粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー[溶離液:ジクロロメタン/メタノール(20/1〜10/1)]で精製し、標題化合物[3−(3−フルオロ−2−アセチルアミノピリジン−4−イルメチル)−7−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン(64mg)及び3−(3−フルオロ−2−アミノピリジン−4−イルメチル)−7−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン(31mg)]を各々固体として得た。
3−(3−フルオロ−2−アセチルアミノピリジン−4−イルメチル)−7−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン:
収率:46%
MS(ESI):365[M+Na]
3−(3−フルオロ−2−アミノピリジン−4−イルメチル)−7−ヒドロキシ−4メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン:
収率:25%
MS(ESI):323[M+Na]
【0106】
[実施例5]
工程1:
2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジンの合成:
【化43】
窒素雰囲気下、アセトアミド(6.6g,112mmol)にDMF(14mL)及びTHF(44mL)を加え、50℃に昇温した。得られた溶液に1.9MナトリウムヘキサメチルジシラジドのTHF溶液(51mL,96mmol)を滴下し、同温で3時間攪拌した。5−クロロ−2,3−ジフルオロピリジン(7.0g)を加えた後、THF(1.4mL)を加え、同温で3時間攪拌した。0℃に冷却後、反応液に、クエン酸一水和物(20g)及び食塩(4.9g)を水(35mL)で溶解した水溶液を加えた。室温に昇温して有機層を分離し、有機層を20wt%食塩水(35mL)で洗浄後、減圧下で溶媒留去した。残渣にヘプタン及びtert−ブチルメチルエーテル(15:1)の混合溶媒(70mL)と水(35mL)とを加え、室温で10分間攪拌した。これをろ過し、得られた固体を水(35mL)で2回洗浄した。さらにヘプタン及びtert−ブチルメチルエーテル(15:1)の混合溶媒(70mL)で洗浄後、減圧下乾燥して標題化合物(6.5g)を得た。
収率:74%
H−NMR及びMSスペクトルは、実施例1(工程1)で得られた標題化合物のそれらと一致した。
【0107】
工程2:
2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロ−4−ホルミルピリジンの合成:
【化44】
窒素雰囲気下、2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン(6.0g)及びDMF(7.4mL,95mmol)をTHF(60mL)に溶解した。この溶液を−20℃に冷却して1.0MリチウムヘキサメチルジシラジドのTHF溶液(127mL,127mmol)を滴下した後、同温で5時間攪拌した。この反応液を、クエン酸一水和物(33g)及び食塩(7.5g)を水(48mL)で溶解した水溶液に攪拌下0℃で加えた。室温に昇温して有機層を分離し、有機層を40wt%リン酸水素二カリウム水溶液(30mL)及び20wt%食塩水(30mL)で順次洗浄後、減圧下で溶媒留去した。残渣にTHF(30mL)を加え、減圧下で溶媒留去した。再度、残渣にTHF(30mL)を加え、減圧下で溶媒留去して、標題化合物を含む固体(7.3g)を得た。生成物は、さらに精製することなく次の工程に使用した。
H−NMR及びMSスペクトルは、実施例1(工程2)で得られた標題化合物のそれらと一致した。
【0108】
工程3及び4:
3−(3−フルオロ−2−アミノピリジン−4−イルメチル)−7−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン メタンスルホネートの合成:
【化45】
窒素雰囲気下、工程2の固体生成物(7.3g)にアセトニトリル(45mL)、ピペリジン(0.5mL,5.2mmol)、酢酸(0.3mL,5.2mmol)及び3−オキソブタン酸エチル(3.6mL,29mmol)を室温で加え、50℃に昇温後4.5時間攪拌した。この反応液(47g)を室温に冷却後、反応液の一部(5g)を採取し、残りの反応液(42g)に、2−プロパノール(36mL)と、トリエチルアミン(69mL,496mmol)及びギ酸(16mL,409mmol)の2−プロパノール(78mL)溶液と、20%Pd(OH)炭素(3.9g,含水率50%)と、を加え、50℃に昇温して5.5時間攪拌した。室温に冷却後、反応液をセライトろ過し、残渣を酢酸エチル(386mL)で洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせ、10wt%食塩水(116mL)で2回洗浄した。有機層を飽和重曹水(116mL)及び20wt%食塩水(116mL)で順次洗浄し、減圧下で溶媒留去した。溶媒留去で得られた残渣に酢酸エチル(77mL)を加え、水(39mL)及び20wt%食塩水(39mL)で順次洗浄して有機層(124.2g)を得た。この有機層の一部(0.36g)を採取した後、残り(123.8g)を減圧下で溶媒留去して、標題化合物を含む油状物(7.0g)を得た。
この油状物を2,2,2−トリフルオロエタノール(15mL)に溶解し、レゾルシノール(2.4g,21mmol)及びメタンスルホン酸(5.3mL,81mmol)を室温で加えた後、95℃で16時間攪拌した。この反応液を室温に冷却後、エタノール(15mL)及び水(4.9mL)を加え、さらに95℃で3時間攪拌した。この溶液を55℃に冷却後、2−プロパノール(47mL)を加え、さらに室温に冷却して1.5時間攪拌した。析出した結晶をろ取し、2−プロパノール(15mL)で2回洗浄後、減圧下乾燥して、標題化合物を含む固体(4.0g)を得た。生成物は、さらに精製することなく次の工程に使用した。
固体中の標題化合物の含量をH−NMR分析(内部標準物質:N,N−ジメチルアセトアミド)により求め、それに基づいて標題化合物の収率を算出した。
含量:79%
収率(工程2で使用した2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジンからの通算収率):28%
MSスペクトルは、実施例1(工程4)で得られた標題化合物のそれと一致した。
【0109】
工程5:
4−メチル−3−(3−フルオロ−2−アミノピリジン−4−イルメチル)−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2−オキソ−2H−1−ベンゾピランの合成:
【化46】
窒素雰囲気下、工程4の固体生成物(3.0g)及び2−ブロモピリミジン(1.6g,9.8mmol)のDMF(48mL)溶液に炭酸カリウム(2.3g,17mmol)を加え、115℃で2.5時間攪拌した。この反応液を28℃に冷却後、水(48mL)を同温で5分間かけて滴下し、さらに0℃に冷却して2時間攪拌した。析出した結晶をろ取し、水(24mL)及びアセトニトリル(24mL)で順次洗浄後、減圧下乾燥して粗結晶(2.3g)を得た。得られた粗結晶(2.3g)にDMF(65mL)を加え、60℃に加熱して溶解確認後、25℃に冷却した。25℃で水(65mL)を加え、さらに0℃に冷却して4時間攪拌した。析出した結晶をろ取し、水(22mL)及びアセトニトリル(22mL)で順次洗浄後、減圧下乾燥して標題化合物(2.1g)を得た。なお、標題化合物は、WO2007/091736に記載の化合物である。
収率(工程2で使用した2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジンからの通算収率):27%
【0110】
[実施例6]
2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジンの合成:
【化47】
窒素雰囲気下、アセトアミド(620mg,10.5mmol)及びt−ブトキシカリウム(1.01g,10.5mmol)のDMF(4.5mL)懸濁溶液を50℃に加熱して1.5時間攪拌した。0℃に冷却後、5−クロロ−2,3−ジフルオロピリジン(450mg,3.0mmol)を滴下し、DMF(0.45mL)を追加して、同温で2.5時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(4.5mL)及び水(4.5mL)を順次加え、酢酸エチル(9.0mL)で抽出した。水層を酢酸エチル(9.0mL)で2回抽出し、合わせた有機層を食塩水(4.5mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層の一部(22.1%)をH−NMR定量用に採取した後、残りの有機層を減圧下で溶媒留去した。残渣にヘプタン及びt−ブチルメチルエーテル(15:1)の混合溶媒(7.0mL)を加えて懸濁攪拌した。析出した固体をろ取し、ヘプタン及びt−ブチルメチルエーテル(15:1)の混合溶媒(3.5mL)で洗浄後、減圧下乾燥して標題化合物(321mg,1.7mmol)を得た。
収率は、先に採取した有機層のH−NMR分析(内部標準物質:1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)により算出した。
収率:78%
H−NMR(CDCl)δ(ppm):2.37(3H,s),7.49(1H,dd,J=2.0,9.5Hz),7.62(1H,br),8.18(1H,d,J=2.0Hz).
MS(ESI):189[M+1]
【0111】
[実施例7]
2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジンの合成:
【化48】
窒素雰囲気下、アセトアミド(4.1g,70mmol)をDMF(30mL)に溶解した。この溶液に水素化ナトリウム(含量50〜72%,2.4g,60mmol(含量60%とする。))を0℃で3回に分けて加えた。5−クロロ−2,3−ジフルオロピリジン(3.0g,20mmol)を0℃で滴下し、室温まで昇温しながら3時間攪拌した。0℃に冷却後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、さらに室温に昇温して酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で溶媒留去した。残渣をヘプタン及びt−ブチルメチルエーテル(15:1)の混合溶媒に懸濁し、懸濁液を室温で攪拌した。これをろ過し、得られた固体を減圧下乾燥して標題化合物(2.7g)を得た。
収率:70%
H−NMR及びMSスペクトルは、実施例1(工程1)で得られた標題化合物のそれらと一致した。
【0112】
[実施例8]
2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロ−4−ホルミルピリジンの合成:
【化49】
窒素雰囲気下、室温にて2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン(20mg,0.11mmol)及び4−ホルミルモルホリン(64μL,0.64mmol)をTHF(0.2mL)に溶解した。この溶液を−20℃に冷却後、1.0MリチウムヘキサメチルジシラジドのTHF溶液(244μL,0.24mmol)を滴下し、同温で2時間攪拌した。この反応液を下記条件でHPLC分析に付し、標題化合物及び出発化合物(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン)の面積比から純度及び変換率を算出した。なお、変換率(%)=100−(出発化合物の面積比)である。
純度:96.8%
変換率:97.6%
HPLC条件:
カラム:TOSOH TSK−GEL ODS−100V(4.6mmI.D.×7.5cm,3μm)
移動相:A液:HO/TFA(2000/1);B液:アセトニトリル/TFA(2000/1)
グラジェント操作:B液:0%(3分間),0%〜30%(10分間),30%(3分間),30%〜100%(6分間),100%(1分間)
流速:1.0mL/分
温度:30.0℃
検出波長:287nm
【0113】
[実施例9]
2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロ−4−ホルミルピリジンの合成:
【化50】
窒素雰囲気下、室温にて2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン(50mg,0.27mmol)及びDMF(123μL,1.6mmol)をTHF(0.5mL)に溶解した。この溶液を−20℃に冷却後、24wt%リチウムヘキサメチルジシラジドのTHF溶液(492μL,0.61mmol)を滴下し、同温で3時間攪拌した。この反応液を実施例8と同様の条件でHPLC分析に付し、標題化合物及び出発化合物(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン)の面積比から純度及び変換率を算出した。なお、変換率(%)=100−(出発化合物の面積比)である。
純度:76.3%
変換率:77.1%
【0114】
[実施例10]
2−[(2−アセチルアミノ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−オキソブタン酸 エチルエステルの合成:
【化51】
窒素雰囲気下、実施例1の工程1、2と同様にして得た固体生成物(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロ−4−ホルミルピリジンを含有)(114mg)にアセトニトリル(0.4mL)、ピペリジン(5μL,0.046mmol)、酢酸(3μL,0.046mmol)及び3−オキソブタン酸エチル(34μL,0.27mmol)を加え、50℃に昇温後6時間攪拌した。この反応液を下記条件でHPLC分析に付し、生成物(2−[(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン)メチレン]−3−オキソブタン酸エチルエステル)及び出発化合物(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロ−4−ホルミルピリジン)の面積比から純度及び変換率を算出した。なお、変換率(%)=100−(出発化合物の面積比)である。
純度:86.3%
変換率:99.3%
HPLC条件(1):
カラム:TOSOH TSK−GEL ODS−100V(4.6mmI.D.×7.5cm,3μm)
移動相:A液:HO/TFA(2000/1);B液:アセトニトリル/TFA(2000/1)
グラジェント操作:B液:0%(3分間),0%〜30%(10分間),30%(3分間),30%〜100%(6分間),100%(1分間)
流速:1.0mL/分
温度:30.0℃
検出波長:210nm
【0115】
上記反応液を室温に冷却後、トリエチルアミン(670μL,4.9mmol)及びギ酸(150μL,4.0mmol)の2−プロパノール(1.1mL)溶液と20%Pd(OH)炭素(19mg,含水率50%)とを加え、50℃に昇温して4.5時間攪拌した。この反応液を下記条件でHPLC分析に付し、標題化合物及びその前駆体(2−[(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−オキソブタン酸 エチルエステル)の面積比から各々の純度を算出した。
純度:標題化合物:82.2%;前駆体:7.3%
HPLC条件(2):
カラム:TOSOH TSK−GEL ODS−100V(4.6mmI.D.×7.5cm,3μm)
移動相:A液:HO/TFA(2000/1);B液:アセトニトリル/TFA(2000/1)
グラジェント操作:B液:0%(3分間),0%〜30%(10分間),30%(3分間),30%〜100%(6分間),100%(1分間)
流速:1.0mL/分
温度:30.0℃
検出波長:210nm
【0116】
[実施例11]
2−[(2−アセチルアミノ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−オキソブタン酸 エチルエステルの合成:
【化52】
窒素雰囲気下、実施例1の工程1、2と同様にして得た固体生成物(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロ−4−ホルミルピリジンを含有)(114mg)に2,2,2−トリフルオロエタノール(0.4mL)、ピペリジン(5μL,0.046mmol)、酢酸(3μL,0.046mmol)及び3−オキソブタン酸エチル(34μL,0.27mmol)を加え、50℃に昇温後5時間攪拌した。この反応液を実施例10のHPLC条件(1)と同様の条件でHPLC分析に付し、生成物(2−[(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン)メチレン]−3−オキソブタン酸エチルエステル)及び出発化合物(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロ−4−ホルミルピリジン)の面積比から純度及び変換率を算出した。なお、変換率(%)=100−(出発化合物の面積比)である。
純度:89.9%
変換率:99.5%
【0117】
上記反応液を室温に冷却後、トリエチルアミン(670μL,4.9mmol)及びギ酸(150μL,4.0mmol)の2−プロパノール(1.1mL)溶液と20%Pd(OH)炭素(19mg,含水率50%)とを加え、50℃に昇温して4.5時間攪拌した。この反応液を実施例10のHPLC条件(2)と同様の条件でHPLC分析に付し、標題化合物とその前駆体(2−[(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−オキソブタン酸 エチルエステル)の面積比から各々の純度を算出した。
純度:標題化合物:89.3%;前駆体:0.4%
【0118】
[実施例12]
2−[(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン)メチレン]−3−オキソブタン酸 エチルエステルの水素添加による還元反応:
【化53】
実施例2と同様にして得た2−[(2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジン)メチレン]−3−オキソブタン酸 エチルエステル(13mg)をメタノール(0.2mL)及び酢酸エチル(0.02mL)の混合溶媒に溶解した。この溶液に、10%Pd(OH)炭素(PE−Type,エヌ・イー ケムキャット)(2mg,含水率51.8%)を加え、水素雰囲気下、室温で1.5時間攪拌した。反応液をろ過後、減圧下で溶媒留去して粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー[まずn−ヘプタン/酢酸エチル(1/1〜0/1)で溶出、次いで酢酸エチル/メタノール(15/1)で溶出]で精製し、油状物(1mg)を得た。
収率:9%
H−NMR及びMSスペクトルは、実施例1(工程3)で得られた化合物のそれらと一致した。
【0119】
[実施例13]
工程1及び2:
2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロ−4−ホルミルピリジンの合成:
【化54】
実施例1の工程1、2と同様にして、標題化合物を含む固体(3.43g)を得た。生成物は、さらに精製することなく次の工程に使用した。
【0120】
工程3:
2−[(2−アセチルアミノ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−オキソブタン酸 エチルエステルの合成:
【化55】
窒素雰囲気下、工程2の固体生成物(3.43g)に水(8.0mL)を加え、さらに攪拌しながら3−オキソブタン酸(1.32g,10.1mmol)、エチレンジアミンジアセテート(830mg,4.61mmol)、トルエン(10.0mL)及び酢酸エチル(6.0mL)を加え、40℃に昇温後5時間攪拌した。この反応液を室温に冷却して有機層を分離した後、有機層に2−プロパノール(12.1mL)を加え、さらに攪拌しながら20%Pd(OH)炭素(1.52g,含水率46.2%)とトリエチルアミン(20.3g,201mmol)及びギ酸(7.43g,161mmol)の2−プロパノール(10.6mL)溶液とを順次加え、50℃に昇温して3時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、残渣を2−プロパノール(30.3mL)で洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせた後、減圧下で溶媒留去し、残渣に酢酸エチル(6.1mL)を加え、減圧下で溶媒留去した。再度、残渣に酢酸エチル(6.1mL)を加え、減圧下で溶媒留去し、さらに、残渣に酢酸エチル(54.5mL)を加え、有機層を20wt%食塩水(15.2mL)、10wt%リン酸二水素カリウム水溶液(15.2mL)及び20wt%食塩水(15.2mL)で順次洗浄後、減圧下で溶媒留去した。得られた残渣に酢酸エチル(6.1mL)を加えて不溶物をろ別し、ろ液を減圧下で溶媒留去して、標題化合物を含む油状物(2.70g)を得た。生成物は、さらに精製することなく次の工程に使用した。
H−NMRスペクトルは、実施例1(工程3)で得られた標題化合物のそれと一致した。
【0121】
工程4:
3−(3−フルオロ−2−アミノピリジン−4−イルメチル)−7−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−2H−1−ベンゾピラン メタンスルホネートの合成:
【化56】
窒素雰囲気下、工程3の油状生成物(2.70g)を酢酸エチル(5.47mL)に溶解し、攪拌しながらレゾルシノール(1.32g,12.0mmol)及びメタンスルホン酸(8.20mL,126mmol)を室温で加え、50℃に昇温後4時間攪拌した。この反応液を室温に冷却して16時間静置した後、水(2.7mL)を加え、80℃で7時間攪拌した。この反応液を室温に冷却して16時間静置し、70℃に昇温後、種晶(27.4mg)を加えた。その後、水(5.5mL)を加えて1時間攪拌し、さらにエタノール(13.7mL)を加え30分間攪拌した。25℃に冷却し、エタノール(38.2mL)を加えて30分間攪拌した後、析出した結晶をろ取した。得られた結晶をエタノール(16.4mL)で2回洗浄後、減圧下乾燥して標題化合物(2.20g)を得た。
収率(工程2で使用した2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロピリジンからの通算収率):53%
MSスペクトルは、実施例1(工程4)で得られた標題化合物のそれと一致した。
【0122】
[実施例14]
工程1及び2:
2−アセチルアミノ−5−クロロ−3−フルオロ−4−ホルミルピリジンの合成:
【化57】
実施例1の工程1、2と同様にして、標題化合物を含む固体(3.44g)を得た。生成物は、さらに精製することなく次の工程に使用した。
【0123】
工程3:
2−[(2−アセチルアミノ−3−フルオロピリジン−4−イル)メチル]−3−オキソブタン酸 エチルエステルの合成:
【化58】
窒素雰囲気下、工程2の固体生成物(3.44g)に水(8.0mL)を加え、さらに攪拌しながら3−オキソブタン酸(1.35g,10.4mmol)、エチレンジアミンジアセテート(852mg,4.73mmol)、トルエン(10.0mL)及び酢酸エチル(6.0mL)を加え、40℃に昇温後5時間攪拌した。この反応液を室温に冷却して有機層を分離した後、有機層(16.70g)の一部(4.18g)に2−プロパノール(3.0mL)を加え、さらに攪拌しながら20%Pd(OH)炭素(383mg,含水率46.2%)とトリエチルアミン(5.07g,50.1mmol)及びギ酸(1.87g,40.6mmol)の2−プロパノール(2.7mL)溶液とを順次加え、50℃に昇温して2時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、残渣を2−プロパノール(7.6mL)で洗浄した。ろ液と洗浄液(21.7g)を合わせた後、減圧下で溶媒留去し、残渣に酢酸エチル(1.5mL)を加え、減圧下で溶媒留去した。再度、残渣に酢酸エチル(13.7mL)を加え、有機層を20wt%食塩水(3.8mL)、10wt%リン酸二水素カリウム水溶液(3.8mL)及び20wt%食塩水(3.8mL)で順次洗浄後、減圧下で溶媒留去して、標題化合物を含む油状物(655mg)を得た。
H−NMRスペクトルは、実施例1(工程3)で得られた標題化合物のそれと一致した。