【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の方法主題によれば、
ねじりトルク計は第一状態に置かれ、パワーシャフトによって出力されたトルクの値が第一所定トルク範囲内に収まり、その後ねじりトルク計のシャフトが第一温度となり、
第一セットの測定が実行され、それによって第一および第二角度オフセットが決定され、パワーシャフトによって出力されたトルクは基準トルク計を用いて測定され、
ねじりトルク計は第二状態に置かれ、パワーシャフトによって出力されたトルクの値が第二所定トルク範囲内に収まり、第二所定トルク範囲は第一所定トルク範囲とは異なっており、その後ねじりトルク計のシャフトが実質的に第一温度となり、
第二セットの測定が実行され、それによって第一および第二角度オフセットが決定され、パワーシャフトによって出力されたトルクは基準トルク計を用いて決定され、
トルク計は第三状態に置かれ、パワーシャフトによって出力されたトルクの値が第二所定トルク範囲内に収まり、ねじりトルク計のシャフトが第一温度とは異なる第二温度となり、
第三セットの測定が実行され、それによって第一および第二角度オフセットが決定され、パワーシャフトによって送達されるトルクは基準トルク計を用いて測定され、
トルク計は第四状態に置かれ、それによりパワーシャフトによって出力されたトルクの値は第一所定トルク範囲内に収まり、その一方でねじりトルク計のシャフトは実質的に第二温度となり、
第四セットの測定が実行され、それによって第一および第二角度オフセットが決定され、パワーシャフトによって出力されたトルクは基準トルク計を用いて測定され、
計算ユニットは、第一、第二、第三、および第四セットの測定から較正される。
【0011】
第一、第二、第三、および第四セットの測定は較正データの決定を可能にするが、これは後に、ねじりトルク計によって測定されるようなトルク値を計算するために、計算ユニットによって使用される。
【0012】
一旦較正されると、ねじりトルク計の計算ユニットは、第一および第二角度オフセットから、ならびに較正データから、トルクの値を決定する。
【0013】
較正方法は、4セットの測定および2つの温度安定化されたトルク値のみを必要とするので、特に高速で実行しやすい。前記較正は、熟練の操作者によって30分未満で実行されることが可能である。
【0014】
加えて、本発明の較正方法は、好ましくはトルク計がターボ機械に実装されているときに実現される。したがって較正は、ターボ機械を取り外すことなく、テストベンチ上で容易に実行されることが可能である。
【0015】
本発明の方法を実現することによって較正されたトルク計は先行技術によるトルク計よりも優れた精度を有することが、付加的に見いだされた。実際、得られた精度は、較正に使用される基準トルク計の精度をほんのわずかに下回るだけである。
【0016】
一旦較正されると、ねじりトルク計は、パワーシャフトの温度を判定する必要性を伴わずに、正確なトルク値を提供することができる。その結果、パワーシャフトによって伝達されるトルクを計算できるようにするために、温度の関数としてパワーシャフトの材料の挙動モデルの知識を有する必要は、もはやなくなる。
【0017】
好適な一実施形態によれば、第二所定トルク範囲は第一所定トルク範囲よりも高く、その一方で第二温度値は第一温度値よりも高い。
【0018】
したがって、好ましくは、第二セットの測定は、実質的に第一セットの測定と同じ温度で行われる。第三セットの測定は、第二セットの測定と同じ範囲内で行われる。第四セットの測定は、第三セットの測定と同じ温度で、および第一セットの測定と同じトルク範囲内で、行われる。
【0019】
「実質的に」という語によって、好ましくはプラスまたはマイナス5から20%の許容範囲を意味する。
【0020】
好ましくは、第二セットの測定は、熱慣性を通じてシャフトの温度が上昇してさらにトルクの上昇を招く時間を持たないように、第一セットの測定の直後、たとえば第一セットの測定から1分以内に実行される。第一および第二所定トルク値の間のトルクの上昇は、その加熱およびひいてはシャフトの温度の上昇を引き起こすターボ機械の速度を増加させることによって、得られる。
【0021】
同様に、第四セットの測定は、熱慣性を通じてシャフトの温度が低下してさらにトルクの低下を招く時間を持たないように、第三セットの測定の直後、たとえば第三セットの測定から1分以内に実行される。
【0022】
また、第一所定トルク範囲は好ましくは、ただしこれに限らないが、ねじりトルク計を備えるターボ機械が発生させることが可能な最大トルクの0から20%の間の第一平均トルク値の領域に含まれる。
【0023】
第二所定トルク範囲は好ましくは、ただしこれに限らないが、前記最大トルクの80%を超える第二平均トルク値の領域に含まれる。
【0024】
非限定例として、第一トルク範囲の規模は、第一平均値プラスまたはマイナス10%に相当する。同様に、非限定例として、第二トルク範囲の規模は、第二平均値プラスまたはマイナス10%に相当する。
【0025】
較正の精度を改善するためには、第三セットの測定を行う前に、トルク計のシャフトの温度が第二温度値で安定するまで待機する。
【0026】
発明者らは、シャフトの温度が第二温度値で安定するのに、約15分の時間で十分であることを突き止めた。
【0027】
有利なことに、第一、第二、第三、および第四セットの測定は、計算ユニットのメモリ内に記憶される較正データを決定するために使用される。
【0028】
これは好ましくは、必要であればターボ機械の寿命にわたってねじりトルク計の較正が何回か実行され得るように、メモリを書き換える。
【0029】
有利なことに、第一および第二ホイールはフォニックホイールであり、角度基準点は歯である。
【0030】
加えて、測定装置は好ましくは単一の磁気センサによって形成される。
【0031】
本発明はまた較正済みねじりトルク計にも関し、これは、
軸の周りの回転トルクを伝達するように意図されたパワーシャフトであって、前記パワーシャフトは第一および第二シリーズの角度基準点を担持する第一ホイールを備える、パワーシャフトと、
パワーシャフトの一端に取り付けられた第一末端と、第三および第四角度基準点を担持する第二ホイールが設けられた第二末端とを有する基準シャフトであって、第一および第三シリーズの角度基準点は互いに平行であり、その一方で第二および第四シリーズの角度基準点は、第一および第三シリーズの基準点に対して傾斜しながら互いに平行である、基準シャフトと、
第一および第三シリーズの角度基準点にそれぞれ属する2つの基準点の間の第一角度オフセットと第二および第四シリーズの角度基準点にそれぞれ属する2つの角度基準点の間の第二角度オフセットとを測定するための測定装置と、
測定装置によって測定された第一および第二角度オフセットに基づいて、パワーシャフトによって出力されたトルク値を決定するための計算ユニットであって、計算ユニットは本発明の方法を実現することによって得られた較正データを記憶するためのメモリを含み、計算ユニットによって決定されるようなトルク値は、第一および第二角度オフセットの、および前記較正データの関数である、計算ユニットと、を含む。
【0032】
最後に、本発明は、本発明にしたがって較正されたねじりトルク計を含むターボ機械に関する。
【0033】
本発明は、以下の添付図面を参照して、非限定例として示される本発明の一実施形態の下記の説明を読むと、より良く理解されるだろう。