【実施例】
【0039】
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、配合量および付着量に関する数値は乾燥固形分量あるいは実質成分量を表す。
【0040】
(パルプ原料1の調製)
ユーカリ材チップ90質量%/アカシア材チップ10質量%からなる広葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅1.0mm、溝幅2.0mm、刃高4.0mm)にて処理を行い、カナダ標準ろ水度が400mlのパルプ原料1を得た。このときの、長さ加重平均繊維長は0.74mmであった。
【0041】
(パルプ原料2の調製)
ユーカリ材チップ72質量%/アカシア材チップ28質量%からなる広葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅1.0mm、溝幅2.0mm、刃高4.0mm)にて処理を行い、カナダ標準ろ水度が400mlのパルプ原料2を得た。このときの、長さ加重平均繊維長は0.73mmであった。
【0042】
(パルプ原料3の調製)
ユーカリ材チップ70質量%/アカシア材チップ30質量%からなる広葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅1.0mm、溝幅2.0mm、刃高4.0mm)にて処理を行い、カナダ標準ろ水度が400mlのパルプ原料3を得た。このときの、長さ加重平均繊維長は0.72mmであった。
【0043】
(パルプ原料4の調製)
ユーカリ材チップ30質量%/アカシア材チップ70質量%からなる広葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅1.0mm、溝幅2.0mm、刃高4.0mm)にて処理を行い、カナダ標準ろ水度が400mlのパルプ原料4を得た。このときの、長さ加重平均繊維長は0.69mmであった。
【0044】
(パルプ原料5の調製)
ユーカリ材チップ28質量%/アカシア材チップ72質量%からなる広葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅1.0mm、溝幅2.0mm、刃高4.0mm)にて処理を行い、カナダ標準ろ水度が400mlのパルプ原料5を得た。このときの、長さ加重平均繊維長は0.68mmであった。
【0045】
(パルプ原料6の調製)
ユーカリ材チップ67.4質量%/アカシア材チップ32.6質量%からなる広葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅1.0mm、溝幅2.0mm、刃高4.0mm)にて処理を行い、カナダ標準ろ水度が400mlのパルプ原料6を得た。このときの、長さ加重平均繊維長は0.71mmであった。
【0046】
(パルプ原料7の調製)
ユーカリ材チップ67質量%/アカシア材チップ33質量%からなる広葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅1.0mm、溝幅2.0mm、刃高4.0mm)にて処理を行い、カナダ標準ろ水度が400mlのパルプ原料7を得た。このときの、長さ加重平均繊維長は0.71mmであった。
【0047】
(パルプ原料8の調製)
ユーカリ材チップ62.5質量%/アカシア材チップ37.5質量%からなる広葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅1.0mm、溝幅2.0mm、刃高4.0mm)にて処理を行い、カナダ標準ろ水度が400mlのパルプ原料8を得た。このときの、長さ加重平均繊維長は0.69mmであった。
【0048】
(パルプ原料9の調製)
ユーカリ材チップ61.5質量%/アカシア材チップ38.5質量%からなる広葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅1.0mm、溝幅2.0mm、刃高4.0mm)にて処理を行い、カナダ標準ろ水度が400mlのパルプ原料9を得た。このときの、長さ加重平均繊維長は0.68mmであった。
【0049】
(パルプ原料10の調製)
ユーカリ材チップ100質量%からなる広葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅1.0mm、溝幅2.0mm、刃高4.0mm)にて処理を行い、カナダ標準ろ水度が400mlのパルプ原料10を得た。このときの、長さ加重平均繊維長は0.76mmであった。
【0050】
(パルプ原料11の調製)
パイン材チップ100質量%からなる針葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅1.8mm、溝幅5.0mm、刃高5.0mm)にて処理を行い、長さ加重平均繊維長を1.3mmに調整したパルプ原料11を得た。このときのカナダ標準ろ水度は300mlであった。
【0051】
(パルプ原料12の調製)
パイン材チップ100質量%からなる針葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅3mm、溝幅3.5mm、刃高6.0mm)にて処理を行い、長さ加重平均繊維長を2.1mmに調整したパルプ原料12を得た。このときのカナダ標準ろ水度は480mlであった。
【0052】
(パルプ原料13の調製)
パイン材チップ100質量%からなる針葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅1.8mm、溝幅5.0mm、刃高5.0mm)にて処理を行い、長さ加重平均繊維長を1.9mmに調整したパルプ原料13を得た。このときのカナダ標準ろ水度は480mlであった。
【0053】
(パルプ原料14の調製)
パイン材チップ100質量%からなる針葉樹チップをクラフト蒸解した漂白クラフトパルプをダブルディスクリファイナー(刃幅1.8mm、溝幅5.0mm、刃高5.0mm)にて処理を行い、長さ加重平均繊維長を1.2mmに調整したパルプ原料14を得た。このときのカナダ標準ろ水度は280mlであった。
【0054】
(実施例1)
パルプ原料1の100質量部からなるパルプスラリーに、填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.50μmおよび平均長径/平均短径が4.5)19質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、内添サイズ剤(アルキルケテンダイマー型サイズ剤、商品名:サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.12質量部、歩留まり剤(両性アクリル樹脂、商品名:ポリテンション1001、荒川化学工業社製)0.008質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面あたり、リン酸エステル化澱粉を2.7g/m
2およびインク定着向上剤(ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、商品名:ジェットフィックス36N、里田化工社製)を1.8g/m
2付着させ、乾燥し、マシンカレンダー処理をして坪量80g/m
2、密度0.8g/cm
3の実施例1の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は15g/m
2、灰分は10質量%であった。
【0055】
(実施例2)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.50μmおよび平均長径/平均短径が4.5)10質量部、インク定着向上剤(ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、商品名:ジェットフィックス36N、里田化工社製)を両面あたり1.5g/m
2付着とする以外は実施例1と同様にして、実施例2の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は10g/m
2、灰分は5質量%であった。
【0056】
(実施例3)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.50μmおよび平均長径/平均短径が4.5)50質量部、内添サイズ剤(アルキルケテンダイマー型サイズ剤、商品名:サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.33質量部、インク定着向上剤(ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、商品名:ジェットフィックス36N、里田化工社製)を両面あたり4.0g/m
2付着とする以外は実施例1と同様にして、実施例3の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は100g/m
2、灰分は30質量%であった。
【0057】
(実施例4)
パルプ原料2とする以外は実施例1と同様にして、実施例4の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は15g/m
2、灰分は10質量%であった。
【0058】
(実施例5)
パルプ原料3とする以外は実施例1と同様にして、実施例5の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は16g/m
2、灰分は10質量%であった。
【0059】
(実施例6)
パルプ原料4とする以外は実施例1と同様にして、実施例6の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は15g/m
2、灰分は10質量%であった。
【0060】
(実施例7)
パルプ原料5とする以外は実施例1と同様にして、実施例7の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は17g/m
2、灰分は10質量%であった。
【0061】
(実施例8)
パルプ原料3の100質量部からなるパルプスラリーに、填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.50μmおよび平均長径/平均短径が4.5)27質量部とする以外は実施例1と同様にして、実施例8の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は62g/m
2、灰分は14質量%であった。
【0062】
(実施例9)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.50μmおよび平均長径/平均短径が4.5)を30質量部とする以外は実施例8と同様にして、実施例9の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は65g/m
2、灰分は15質量%であった。
【0063】
(実施例10)
パルプ原料4、填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.50μmおよび平均長径/平均短径が4.5)44質量部、内添サイズ剤(アルキルケテンダイマー型サイズ剤、商品名:サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.25質量部とする以外は実施例1と同様にして、実施例10の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は94g/m
2、灰分は25質量%であった。
【0064】
(実施例11)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.50μmおよび平均長径/平均短径が4.5)を46質量部、内添サイズ剤(アルキルケテンダイマー型サイズ剤、商品名:サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.3質量部とする以外は実施例10と同様にして、実施例11の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は98g/m
2、灰分は26質量%であった。
【0065】
(実施例12)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.15μmおよび平均長径/平均短径が4.0)とする以外は実施例9と同様にして、実施例12の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は70g/m
2、灰分は15質量%であった。
【0066】
(実施例13)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.20μmおよび平均長径/平均短径が6.5)とする以外は実施例9と同様にして、実施例13の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は64g/m
2、灰分は15質量%であった。
【0067】
(実施例14)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.20μmおよび平均長径/平均短径が6.0)とする以外は実施例9と同様にして、実施例14の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は68g/m
2、灰分は15質量%であった。
【0068】
(実施例15)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.20μmおよび平均長径/平均短径が3.0)とする以外は実施例9と同様にして、実施例15の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は71g/m
2、灰分は15質量%であった。
【0069】
(実施例16)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.40μmおよび平均長径/平均短径が3.0)とする以外は実施例9と同様にして、実施例16の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は68g/m
2、灰分は15質量%であった。
【0070】
(実施例17)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.40μmおよび平均長径/平均短径が6.0)とする以外は実施例9と同様にして、実施例17の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は63g/m
2、灰分は15質量%であった。
【0071】
(実施例18)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.45μmおよび平均長径/平均短径が5.5)とする以外は実施例9と同様にして、実施例18の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は66g/m
2、灰分は15質量%であった。
【0072】
(実施例19)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.40μmおよび平均長径/平均短径が2.7)とする以外は実施例9と同様にして、実施例19の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は69g/m
2、灰分は15質量%であった。
【0073】
(実施例20)
填料として柱状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.30μmおよび平均長径/平均短径が5.5)とする以外は実施例9と同様にして、実施例20の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は70g/m
2、灰分は15質量%であった。
【0074】
(実施例21)
填料として立方状軽質炭酸カルシウム(平均粒子径0.30μm)とする以外は実施例9と同様にして、実施例21の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は70g/m
2、灰分は15質量%であった。
【0075】
(実施例22)
填料として重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.30μm)とする以外は実施例9と同様にして、実施例22の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は75g/m
2、灰分は15質量%であった。
【0076】
(実施例23)
パルプ原料3の100質量部からなるパルプスラリーに、填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.30μmおよび平均長径/平均短径が4.5)38質量部、嵩高剤(商品名:サイズパインDL−15、荒川化学工業社製)0.3質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、内添サイズ剤(アルキルケテンダイマー型サイズ剤、商品名:サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.12質量部、歩留まり剤(両性アクリル樹脂、商品名:ポリテンション1001、荒川化学工業社製)0.008質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で両面あたり、リン酸エステル化澱粉を2.7g/m
2およびインク定着向上剤(ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、商品名:ジェットフィックス36N、里田化工社製)を1.8g/m
2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量80g/m
2、密度0.8g/cm
3の実施例23の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は18g/m
2、灰分は20質量%であった。
【0077】
(実施例24)
嵩高剤(商品名:サイズパインDL−15、荒川化学工業社製)0.27質量部とする以外は、実施例23と同様にして、実施例24の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は20g/m
2、灰分は20質量%であった。
【0078】
(実施例25)
嵩高剤(商品名:サイズパインDL−15、荒川化学工業社製)0.1質量部とする以外は、実施例23と同様にして、実施例25の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は60g/m
2、灰分は20質量%であった。
【0079】
(実施例26)
嵩高剤(商品名:サイズパインDL−15、荒川化学工業社製)0.05質量部とする以外は、実施例23と同様にして、実施例26の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は62g/m
2、灰分は20質量%であった。
【0080】
(実施例27)
パルプ原料6:92質量%/パルプ原料11:8質量%の100質量部からなるパルプスラリーに、填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.30μmおよび平均長径/平均短径が4.5)38質量部、嵩高剤(商品名:サイズパインDL−15、荒川化学工業社製)0.15質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、内添サイズ剤(アルキルケテンダイマー型サイズ剤、商品名:サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.12質量部、歩留まり剤(両性アクリル樹脂、商品名:ポリテンション1001、荒川化学工業社製)0.008質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置で、リン酸エステル化澱粉を固形分として2.7g/m
2およびインク定着向上剤(ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、商品名:ジェットフィックス36N、里田化工社製)を1.8g/m
2付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量80g/m
2、密度0.8g/cm
3の実施例27の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は40g/m
2、灰分は20質量%であった。
【0081】
(実施例28)
パルプ原料7:90質量%/パルプ原料12:10質量%の100質量部からなるパルプスラリーとする以外は、実施例27と同様にして、実施例28の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は50g/m
2、灰分は20質量%であった。
【0082】
(実施例29)
パルプ原料7:90質量%/パルプ原料11:10質量%の100質量部からなるパルプスラリーとする以外は、実施例27と同様にして、実施例29の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は41g/m
2、灰分は20質量%であった。
【0083】
(実施例30)
パルプ原料7:90質量%/パルプ原料13:10質量%の100質量部からなるパルプスラリーとする以外は、実施例27と同様にして、実施例30の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は49g/m
2、灰分は20質量%であった。
【0084】
(実施例31)
パルプ原料8:80質量%/パルプ原料11:20質量%の100質量部からなるパルプスラリーとする以外は、実施例27と同様にして、実施例31の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は41g/m
2、灰分は20質量%であった。
【0085】
(実施例32)
パルプ原料8:80質量%/パルプ原料13:20質量%の100質量部からなるパルプスラリーとする以外は、実施例27と同様にして、実施例32の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は45g/m
2、灰分は20質量%であった。
【0086】
(実施例33)
パルプ原料8:80質量%/パルプ原料14:20質量%の100質量部からなるパルプスラリーとする以外は、実施例27と同様にして、実施例33の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は39g/m
2、灰分は20質量%であった。
【0087】
(実施例34)
パルプ原料9:78質量%/パルプ原料13:22質量%の100質量部からなるパルプスラリーとする以外は、実施例27と同様にして、実施例34の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は48g/m
2、灰分は20質量%であった。
【0088】
(比較例1)
パルプ原料10の100質量部からなるパルプスラリーとする以外は、実施例1と同様にして、比較例1の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は17g/m
2、灰分は10質量%であった。
【0089】
(比較例2)
インク定着向上剤(ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、商品名:ジェットフィックス36N、里田化工社製)を両面あたり1.3g/m
2付着させる以外は、実施例1と同様にして、比較例2の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は15g/m
2、灰分は10質量%であった。
【0090】
(比較例3)
インク定着向上剤(ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、商品名:ジェットフィックス36N、里田化工社製)を両面あたり4.3g/m
2とすること以外は、実施例1と同様にして、比較例3の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は19g/m
2、灰分は10質量%であった。
【0091】
(比較例4)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.50μmおよび平均長径/平均短径が4.5)を8質量部とすること以外は、実施例1と同様にして、比較例4の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は12g/m
2、灰分は3質量%であった。
【0092】
(比較例5)
填料として紡錘状軽質炭酸カルシウム(平均短径0.50μmおよび平均長径/平均短径が4.5)を58質量部とすること以外は、実施例1と同様にして、比較例5の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は90g/m
2、灰分は33質量%であった。
【0093】
(比較例6)
内添サイズ剤(アルキルケテンダイマー型サイズ剤、商品名:サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.02質量部とすること以外は、実施例1と同様にして、比較例6の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は105g/m
2、灰分は10質量%であった。
【0094】
(比較例7)
内添サイズ剤(アルキルケテンダイマー型サイズ剤、商品名:サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.15質量部とすること以外は、実施例1と同様にして、比較例7の記録用紙を作製した。このとき、10秒コッブサイズ度は8g/m
2、灰分は10質量%であった。
【0095】
<オフセット印刷機における発色性、インク裏抜け抑制性および耐ブランケットパイリング性の評価>
ミヤコシ社製オフセットフォーム輪転機で、印刷速度:150m/分、使用インク:T&K TOKA UVベストキュア墨および金赤、UV照射量:8kW2基の条件で6000mの印刷を行い、印刷サンプルの印刷画像部の色濃度、印刷画像のインク裏抜け状態および印刷後ブランケットパイリングの発生状況について各々目視により官能評価した。本発明において、オフセット印刷機に対する発色性、インク裏抜け抑制性および耐ブランケットパイリング性が良好である記録用紙は、△〜◎の評価である。
◎:極めて良好。
○:良好。
△:実用上問題ない範囲。
×:不良。
【0096】
<オフセット印刷機における操業性の評価>
オフセット印刷機において、ミヤコシ社製オフセットフォーム輪転機で、印刷速度150m/分、使用インク:T&K TOKA UVベストキュア墨および金赤、UV照射量:8kW2基の条件で、巻き長さ6000mのロールに印刷を行った。10ロール印刷を行い、紙切れ回数によって評価した。本発明において、オフセット印刷機における操業性が良好である記録用紙は、△〜◎の評価である。
◎:10ロールとも紙切れがなく操業性に極めて優れる。
○:10ロール中、紙切れが1回であり、操業性に優れる。
△:10ロール中、紙切れが2回であり、操業性に問題ない。
×:10ロール中、紙切れが3回以上あり、操業性に問題あり。
【0097】
<産業用インクジェット印刷機における発色性の評価>
水性染料インクについては、ミヤコシ社製産業用インクジェット印刷機MJP20Cを用い、評価画像を150m/分で6000m印刷した。水性顔料インクについては、コダック社製産業用インクジェット印刷機Prosper 5000XL Pressを用い、評価画像を75m/分で6000m印刷した。ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクでの2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタパターンを、2cm×2cm四方で横一列に隙間なく並べて記録するという方法で印刷を行った。各色ベタ印刷画像部分の色濃度を目視により官能評価した。本発明において、発色性に優れる記録用紙は、△〜◎の評価である。
◎:色濃度および色鮮やかさが共に良好である。
○:色濃度または色鮮やかさのいずれかが「◎」より劣るが、良好である。
△:色濃度および色鮮やかさが実用的に問題ないレベルである。
×:色濃度または色鮮やかさのいずれかが「△」より劣り、実用上問題である。
【0098】
<産業用インクジェット印刷機におけるインク裏抜け抑制性の評価>
水性染料インクについては、ミヤコシ社製産業用インクジェット印刷機MJP20Cを用い、評価画像を150m/分で6000m印刷した。水性顔料インクについては、コダック社製産業用インクジェット印刷機Prosper 5000XL Pressを用い、評価画像を75m/分で6000m印刷した。ブラックのベタ印刷パターンを10cm×10cm四方で記録するという方法で印刷を行った。印刷画像のインク裏抜け状態について、目視により官能評価した。本発明において、産業用インクジェット印刷機に対するインク裏抜け抑制性が良好である記録用紙は、△〜◎の評価である。
◎:極めて良好。
○:良好。
△:実用上問題ない範囲。
×:不良。
【0099】
<産業用インクジェット印刷機における耐水性の評価>
水性染料インクについてはミヤコシ社製産業用インクジェット印刷機MJP20Cを用い、印刷速度150m/分で、水性顔料インクについてはコダック社産業用インクジェット印刷機Prospaer 5000XL Pressを用い、印刷速度75m/分で、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、各単色の50面積%網点パターンおよび文字の印刷を行った。24時間放置後の印刷部分を水中に30秒間浸け、余分な水分を濾紙で拭き取った後、自然乾燥を行い、印刷部分の滲み具合を目視により官能評価した。本発明において、良好な画像耐水性を有する記録用紙は、△〜◎の評価である。
◎:滲みがまったくない。
○:僅かに滲みがあるが、ほとんど気にならない。
△:滲みはあるものの、網点ドットおよび文字がはっきり識別できる。
×:滲みがあり、網点ドットおよび文字がはっきりせず、ぼやけて見える。
【0100】
<産業用インクジェット印刷機における耐汚れ性の評価>
水性染料インクについてはミヤコシ社製産業用インクジェット印刷機MJP20Cを用い、印刷速度150m/分で、水性顔料インクについてはコダック社製産業用インクジェット印刷機Prosper 5000XL Pressを用い、印刷速度75m/分で、それぞれ巻き長さ6000mのロールに印刷後、インクジェット印刷機の各ロールの汚れ状態および印刷物の汚れ状態を目視により官能評価した。本発明において、産業用インクジェット印刷機における耐汚れ性が良好である記録用紙は、△〜◎の評価である。
◎:汚れが認められない。
○:極僅かに汚れが認められるが概ね良好である。
△:汚れが認められるが、実用上影響しない程度である。
×:汚れが認められ、実用上問題となる程度である。
【0101】
<産業用インクジェット印刷機における操業性の評価>
水性染料インクについてはミヤコシ社製産業用インクジェット印刷機MJP20Cを用い、印刷速度150m/分で、水性顔料インクについてはコダック社製産業用インクジェット印刷機Prosper 5000XL Pressを用い、印刷速度75m/分で、それぞれ巻き長さ6000mのロールに印刷を行った。10ロール印刷を行い、紙切れ回数によって評価した。本発明において、産業用インクジェット印刷機における操業性が良好である記録用紙は、△〜◎の評価である。
◎:10ロールとも紙切れがなく操業性に極めて優れる。
○:10ロール中、紙切れが1回であり、操業性に優れる。
△:10ロール中、紙切れが2回であり、操業性に問題ない。
×:10ロール中、紙切れが3回以上あり、操業性に問題あり。
【0102】
<産業用インクジェット印刷機におけるバーコード読取性の評価>
水性染料インクについてはミヤコシ社製産業用インクジェット印刷機MJP20Cを用い印刷速度150m/分で、また水性顔料インクについてはコダック社製産業用インクジェット印刷機Prosper 5000XL Pressを用い印刷速度75m/分で、(財)流通システム開発センターが作成した「UCC/EAN128による標準料金代理収納ガイドライン」に従い、「UCC/EAN128コード」のバーコードを印刷した。
【0103】
印刷されたバーコードについて、「UCC/EAN128による標準料金代理収納ガイドライン」に従い、ANSI X3.182に準拠してバーコード検証を行った。バーコード検証器は、HHP社製の「Quick Check PC600」を用い、測定部開口径が3mil(0.075mm)のリーダーでバーコードを50回走査し評価した。ランク判定基準は以下の通りである。本発明において、バーコード読取性に優れる記録用紙は、D〜Aの評価である。
A:バーコードリーダーの50回の走査のうち、50回とも読み取れるレベル。
B:バーコードリーダーの50回の走査のうち、45〜49回読み取れるレベル。
C:バーコードリーダーの50回の走査のうち、40〜44回読み取れるレベル。
D:バーコードリーダーの50回の走査のうち、35〜39回読み取れるレベル。
F:バーコードリーダーの50回の走査のうち、読み取れる回数が35回未満。
【0104】
オフセット印刷機および産業用インクジェット印刷機における各評価結果を表1に示した。
【0105】
【表1】
【0106】
表1より、本発明に相当する各実施例の記録用紙は、オフセット印刷における発色性、インク裏抜け抑制性、耐ブランケットパイリング性および操業性が良好であり、且つ水生染料インクおよび水性顔料インクを使用した産業用インクジェット印刷機における発色性、インク裏抜け抑制性、耐水性、耐汚れ性、操業性およびバーコード読取性に優れることが分かる。
【0107】
一方、表1より、本発明の条件を満足しない各比較例では本発明の効果は得られないと分かる。