(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1によるダンプトラックでは、乗降部材を車体側に取付ける構成となっており、乗降部材の上側部分を車体の通路部材側に設けられた手摺りに対し2部材連結装置を用いて連結している。このように、2個の構造物を連結する場合、特許文献2の2部材連結装置のように、ボルトとナットを用いて連結したり、特許文献3の2部材連結装置のように、専用のブラケット、ボルト等を用いて連結している。
【0010】
しかし、各特許文献2,3による2部材連結装置は、ボルト等を用いて2個の構造物を連結しているに過ぎない。一方、2個の構造物、該構造物が取付けられる通路部材等には、それぞれ製造、組立に関して公差が設けられている。従って、2個の構造物間に位置ずれが生じる場合がある。
【0011】
2個の構造物間の位置ずれがボルトの軸方向と直交する方向に生じたものである場合には、ボルト挿通孔を大きく形成して遊びをもたせることにより、この位置ずれを吸収することができる。ところが、2個の構造物がボルトの軸方向に位置ずれを生じた場合には、各特許文献2,3による2部材連結装置では、この位置ずれを吸収することができず、組立作業に手間を要してしまうという問題がある。
【0012】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、2個の構造物間に位置ずれが生じている場合でも、この2個の構造物を容易に連結することができ、組立作業性を向上できるようにした建設機械に用いる2部材連結装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による建設機械に用いる2部材連結装置は、
自走可能な車体と、該車体に取付けられたキャブと、前記車体に設けられ該キャブに乗降するときの通路となる通路部材と、該通路部材の周囲に沿って立設された手摺りと、前記車体に設けられ前記通路部材と地面との間を乗降するための乗降部材とを備えた建設機械に用いられ、前記手摺りに設けられた
手摺り側ブラケットと、前記
手摺りから離間した
前記乗降部材に設けられた
乗降部材側ブラケットと、前記
手摺り側ブラケットに取付けられる第1の取付部位と前記
乗降部材側ブラケットに取付けられる第2の取付部位とを有し、前記
手摺りと前記
乗降部材との間を連結
している連結ブラケットと、前記
手摺り側ブラケットと前記連結ブラケットの前記第1の取付部位との間を連結
している第1の連結部材と、前記
乗降部材側ブラケットと前記連結ブラケットの前記第2の取付部位との間を連結
している第2の連結部材とを備えてなる。
【0014】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記連結ブラケットには、前記第1の取付部位と前記第2の取付部位との間に位置して山形形状に折曲げられた折曲部
が設け
られ、前記連結ブラケットの前記第1の取付部位と前記
手摺り側ブラケットには、前記第1の連結部材が上,下方向および/または水平方向に移動可能な第1の調整孔
がそれぞれ設け
られ、前記連結ブラケットの前記第2の取付部位と前記
乗降部材側ブラケットには、前記第2の連結部材が上,下方向および/または水平方向に移動可能な第2の調整孔
がそれぞれ設け
られ、前記連結ブラケットは、前記第1の取付部位が前記第1の連結部材を介して前記手摺り側ブラケットに取付けられると共に前記第2の取付部位が前記第2の連結部材を介して前記乗降部材側ブラケットに取付けられることにより、前記手摺りと前記乗降部材との間を連結したことにある。
【0015】
請求項2の発明は、前記第1の連結部材と前記第2の連結部材は、それぞれ防振部材により構成
されたことにある。
【0017】
請求項
3の発明は、前記連結ブラケットの折曲部は、前記第1,第2の取付部位を基点として頂部が前記通路部材から離れる方向に折曲がった山形形状をなして取付け
られ、前記第1,第2の連結部材を前記連結ブラケットに固定するために設けられた固定具は、前記連結ブラケットの前記山形形状内に収まるように配置
されたことにある。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、連結ブラケットは、折曲部を設けることにより、第1の取付部位と第2の取付部位との間を山形形状に折曲げている。この上で、第1の取付部位と
手摺り側ブラケットには、第1の連結部材を上,下方向および/または水平方向に移動させるための第1の調整孔をそれぞれ設け、第2の取付部位と
乗降部材側ブラケットには、第2の連結部材を上,下方向および/または水平方向に移動させるための第2の調整孔をそれぞれ設けている。
【0019】
従って、第1の調整孔と第2の調整孔とは、山形形状の連結ブラケットによって軸線が互いに交差するように配置することができる。これにより、各調整孔によって各連結部材、即ち、連結ブラケットを上,下方向および/または水平方向に移動させることができる。
【0020】
この結果、
手摺りと
乗降部材との間に位置ずれが生じている場合でも、この位置ずれの方向に合わせて連結ブラケットを様々な方向(上,下方向、水平方向)に移動させることにより、この位置ずれを吸収することができる。これにより、
手摺りと乗降部材との間に位置ずれが生じていても、この
手摺りと乗降部材との間を容易に連結することができ、組立作業性を向上することができる。
また、建設機械は、自走可能な車体と、該車体に取付けられたキャブと、前記車体に設けられ該キャブに乗降するときの通路となる通路部材と、該通路部材の周囲に沿って立設された手摺りと、前記車体に設けられ前記通路部材と地面との間を乗降するための乗降部材とを備えている。この上で、第1の構造物側ブラケットを、手摺り側ブラケットとして前記手摺りに取付ける。一方、第2の構造物側ブラケットを、乗降部材側ブラケットとして前記乗降部材に取付ける。この状態で、連結ブラケットは、第1の取付部位を第1の連結部材を介して前記手摺り側ブラケットに取付けると共に、第2の取付部位を第2の連結部材を介して前記乗降部材側ブラケットに取付ける。これにより、手摺りと乗降部材との間を2部材連結装置を用いて連結することができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、
手摺り側ブラケット
および乗降部材側ブラケットと連結ブラケットの各取付部位との間を連結する各連結部材は、防振部材により構成
されているから、
手摺りと乗降部材との間で振動を減衰することができる。これにより、例えば振動モードが異なる
手摺りと乗降部材とを連結した場合でも、この振動の差を吸収することができ、耐久性を向上することができる。
【0023】
請求項
3の発明によれば、手摺りと乗降部材との間を連結する場合、山形形状に折曲がった連結ブラケットは、第1,第2の取付部位を基点として折曲部の頂部が通路部材から離れるように配置
されている。この上で、第1,第2の連結部材を連結ブラケットに固定するための固定具は、連結ブラケットの山形形状内に収まるように配置
されている。これにより、通路部材を通行するときには、各固定具に引っ掛かることなく、スムーズに通行することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る建設機械に用いる2部材連結装置の実施の形態として、鉱山で採掘された鉱物等の運搬作業に用いられるダンプトラックに用いる2部材連結装置を例に挙げ、
図1ないし
図10を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図1、
図2において、1は大型の建設機械の代表例であるダンプトラックを示している。このダンプトラック1は、自走可能な車体2と、該車体2に取付けられた後述のキャブ10、通路部材11、手摺り12,13、乗降用ステップ19、2部材連結装置31を含んで構成されている。また、車体2は、後述のフレーム3、前輪4、後輪5、荷台6、建屋8、上側デッキ9等により構成されている。
【0027】
3は車体2のベースとなるフレームで、該フレーム3は、製缶構造をもった強固な支持構造体として形成されている。このフレーム3は、前,後方向に延びるベースフレーム3Aと、該ベースフレーム3Aの前,後方向の中間部前寄りに位置して該ベースフレーム3Aの上方に配置された上部横梁3Bとにより構成されている。ここで、ベースフレーム3Aの前側には、エンジン(図示せず)と、該エンジンを覆う後述の建屋8とが設けられている。一方、ベースフレーム3Aの後側には、後述する荷台6が取付けられている。
【0028】
4はフレーム3の前部側に回転可能に設けられた左,右の前輪、5はフレーム3の後部側に回転可能に設けられた左,右の後輪をそれぞれ示している。左,右の前輪4は、ダンプトラック1のオペレータによって操舵(ステアリング操作)される操舵輪となり、左,右の後輪5は駆動輪となっている。そして、各前輪4、後輪5は、例えば2〜4メートルに及ぶタイヤ径(外径寸法)をもって形成されている。
【0029】
6は車体2上に傾転可能に搭載された荷台(ベッセル)を示し、該荷台6は、例えば大量の鉱物等を積載するものである。この荷台6は、鉱物等を大量に積載するため、全長が10〜14メートルにも及ぶ大型の容器として形成されている。ここで、荷台6の後側底部は、ベースフレーム3Aの後端側に、連結ピン6Aを介して回動可能に連結されている。一方、荷台6の前部側には、その上端部から前方に向けて水平に延びる庇部6Bが一体に設けられ、この庇部6Bは、後述のキャブ10を上側から覆った状態で上側デッキ9の前端部近傍まで延びている。
【0030】
荷台6は、ベースフレーム3Aとの間に設けられたホイストシリンダ7を伸長または縮小することにより、連結ピン6Aを支点として上,下方向に傾転(回動)することができる。これにより、荷台6は、ホイストシリンダ7を伸長して前部側を上方に持上げることにより、積載した鉱物等を排出することができる。
【0031】
8はフレーム3の前端側に設けられた建屋を示し、該建屋8は、フレーム3等と共に車体2の一部を構成するものである。建屋8は、ベースフレーム3Aの左側部位に立設された左面板8Aと、該左面板8Aと間隔をもって対面するようにベースフレーム3Aの右側部位に立設された右面板8Bと、これら左,右の面板8A,8Bの上端部間に亘って設けられた上面板8Cと、前記ベースフレーム3A上で前記左面板8A、右面板8B、上面板8Cに囲まれたフロントグリル8Dとによりボックス状に構成されている。
【0032】
建屋8の内部には、エンジン、油圧ポンプ、熱交換装置等(いずれも図示せず)が収容されている。一方、建屋8は、フレーム3を構成する上部横梁3Bと協働して、後述の上側デッキ9、キャブ10等を下側から支持する支持構造物を構成している。さらに、建屋8の前側には、後述の乗降用ステップ19が配設されている。
【0033】
9は建屋8の上側に配設された上側デッキを示し、該上側デッキ9は、その一部が後述のキャブ10に乗降するときの通路となる通路部材11を構成している。この上側デッキ9は、水平方向に延びる矩形状の台座として形成され、建屋8とフレーム3の上部横梁3Bとによって下側から支持されている。上側デッキ9上は、例えば左エリア9A、中央エリア9Bおよび右エリア9Cに区分することができ、中央エリア9Bは、左エリア9A、右エリア9Cよりも前側に突出している。
【0034】
ここで、上側デッキ9は、左エリア9Aにキャブ10が設置され、中央エリア9Bにコントロールキャビネット14が設置され、右エリア9Cにグリッドボックス15が設置され、これらを設置した残りの部分は、オペレータや各種作業を行う作業者が通行するための通行エリアとなっている。即ち、上側デッキ9のうち、左エリア9Aでキャブ10を取囲む部位および中央エリア9Bの一部は、キャブ10に乗降するときに通る後述の通路部材11となっている。
【0035】
10は荷台6の前側に位置して車体2の上部左側に取付けられたキャブである。このキャブ10は、上側デッキ9上に配置され、フレーム3の上部横梁3Bと建屋8とによって下側から支持されている。キャブ10は、内部がオペレータが乗込む運転室となり、この運転室には、運転席、操舵用のハンドル、始動スイッチ、アクセルペダル、ブレーキペダル、操作レバー等(いずれも図示せず)が設けられている。ここで、キャブ10は、上側デッキ9の左エリア9Aに対し、前側と左側と後側とに通行するための間隔をもって配置されている。これにより、左エリア9Aには、キャブ10に乗降するときに通行する通路部材11の周辺通路11Aを設けることができる。
【0036】
11は車体2の上側デッキ9に設けられた通路部材を示している。この通路部材11は、キャブ10の前側、左側、後側に設けられたC字状の周辺通路11Aと、中央エリア9Bの左前側に位置して該周辺通路11Aから前方に延びた連絡通路11B(
図3、
図4参照)とにより構成されている。そして、通路部材11を含む上側デッキ9上の通行エリアには、滑止め処理が施された鋼板が敷設されている。
【0037】
12は上側デッキ9の周囲に立設された複数個の周辺手摺りを示している。この複数個の周辺手摺り12は、左エリア9Aの周囲、中央エリア9Bの前側および右エリア9Cの前側から右側に亘って配置されている。これらの周辺手摺り12は、上側デッキ9の外周を取囲むことにより、上側デッキ9上を通行したり、メンテナンス作業を行うときの安全性を確保するものである。
【0038】
13は連絡通路11Bの左側に位置して通路部材11の周囲に沿って立設された連絡手摺りを示している。この連絡手摺り13は、車体2側に設けられた第1の構造物を構成するものである。連絡手摺り13は、左エリア9Aの前側の左辺部に前,後方向に延びるように立設されている。詳しくは、連絡手摺り13は、前,後方向に間隔をもって上,下方向に延びた前縦パイプ13A,後縦パイプ13Bと、該各縦パイプ13A,13Bを連結するように前,後方向に延びた上横パイプ13C,中横パイプ13Dと、該上横パイプ13Cに連続するように前記前縦パイプ13Aから前側に張出した張出しパイプ13Eとにより逆L字状に形成されている。
【0039】
また、各縦パイプ13A,13Bの下端部には、取付フランジ13Fが設けられ、連絡手摺り13は、該各取付フランジ13Fを介して連絡通路11Bにボルト止めされている。さらに、連絡手摺り13の前縦パイプ13Aには、後述する2部材連結装置31の手摺り側ブラケット32が取付けられている。
【0040】
14はキャブ10の右側に並んで上側デッキ9の中央エリア9Bに配置されたコントロールキャビネットである。このコントロールキャビネット14は、モータを制御するインバータと、エンジンに設けられた発電機により発生する電流およびエンジン速度を制御する制御盤(いずれも図示せず)とによって構成されている。
【0041】
15はコントロールキャビネット14の右側に並んで上側デッキ9の右エリア9Cに配置されたグリッドボックスである。このグリッドボックス15は、車両の減速時にモータが発生する電力を消費する抵抗器とその抵抗器を冷却するブロアからなるリターダ装置(いずれも図示せず)を構成するものである。
【0042】
16はベースフレーム3Aの左前側に設けられた左下側デッキを示している。この左下側デッキ16は、例えば前,後方向に長尺な長方形状の台座として形成されている。左下側デッキ16は、地面と上側デッキ9との間で踊り場を構成するもので、その前側には、地面に向けて下側に延びる下側梯子16Aが設けられ、上側には、下側梯子16Aの昇降時に把持するための手摺り16Bが設けられている。さらに、左下側デッキ16上には、上側デッキ9に向けて立上がる上側梯子17が設けられている。
【0043】
18はベースフレーム3Aの右前側に設けられた右下側デッキを示している。この右下側デッキ18は、例えば前,後方向に長尺な長方形状の台座として形成されている。右下側デッキ18は、左下側デッキ16と同様に、地面と上側デッキ9との間で踊り場を構成するもので、その前側には、地面に向けて下側に延びる下側梯子18Aが設けられ、上側には、下側梯子18Aの昇降時に把持するための手摺り18Bが設けられている。
【0044】
19は車体2の前側に設けられた乗降用ステップを示している。この乗降用ステップ19は、通路部材11と地面との間を乗降するための乗降部材を構成している。乗降用ステップ19は、オペレータ等がキャブ10に乗降するための階段を構成するもので、建屋8のフロントグリル8Dの前方を横切るように右下側デッキ18から上側デッキ9に向けて斜め上向きに延びている。ここで、乗降用ステップ19は、後述のステップ本体(階段)20、手摺り21,22,23,24を含んで構成されている。
【0045】
20は乗降用ステップ19のステップ本体を示し、該ステップ本体20は、右下側デッキ18と上側デッキ9の中央エリア9B(通路部材11の連絡通路11B)との間に掛け渡されている。ステップ本体20は、前,後方向で対面しつつ間隔をもって配置された一対の側面板20Aと、該各側面板20A間に所定の間隔をもって配置された複数段の踏み板20Bと、前記各側面板20Aの最上部に位置して平坦に形成された長方形状の踊り場20Cと、該踊り場20Cを取囲むように前記各側面板20Aに接続された枠板20Dとを含んで構成されている。ステップ本体20の各踏み板20B、踊り場20Cには、滑止め機能を有する鋼板が用いられている。
【0046】
21はステップ本体20に設けられたステップ用手摺りを示し、該ステップ用手摺り21は、前側に位置する側面板20Aに設けられ、該側面板20Aの長さ方向のほぼ全域に亘って延びている。ステップ用手摺り21は、乗降用ステップ19を乗降するオペレータ等が把持することにより、その乗降時の安全性を確保するものである。
【0047】
22はステップ本体20の踊り場20C上に設けられた可動手摺りで、該可動手摺り22は、踊り場20Cと上側梯子17との間の連絡路を開,閉するドアを構成している。可動手摺り22は、その前側部分がステップ用手摺り21にヒンジ22Aを介して回動可能に取付けられている。一方、可動手摺り22の後側部分には、ロック部材22Bが設けられ、このロック部材22Bは、可動手摺り22で前記連絡路を閉塞した状態で、該可動手摺り22を後述する梯子用後手摺り24に固定するものである。一方、ロック部材22Bのロックを解除したときには、可動手摺り22を開くことができ、踊り場20Cと上側梯子17との間を行き来することができる。
【0048】
23は乗降用ステップ19の上側に位置して設けられた梯子用前手摺りで、該梯子用前手摺り23は、上側梯子17を昇降するときに一方の手(例えば左手)で掴むものである。梯子用前手摺り23は、上側梯子17の上部前側に位置し、ステップ本体20の枠板20Dよりも左側に張出すように略D字状に形成されている。そして、梯子用前手摺り23は、その上部がステップ用手摺り21の上側位置に取付けられ、下部が枠板20Dに取付けられている。
【0049】
24は梯子用前手摺り23と前,後方向で対面しつつ乗降用ステップ19の上側に位置して設けられた梯子用後手摺りを示し、該梯子用後手摺り24は、乗降用ステップ19側に設けられた第2の構造物を構成するものである。梯子用後手摺り24は、梯子用前手摺り23と上側梯子17を挟んで前,後方向で対をなすもので、ステップ本体20の踊り場20Cから上側に延びつつ、左側に張出して形成されている。詳しくは、梯子用後手摺り24は、踊り場20Cの左後の角隅位置に上,下方向に延びて設けられた右縦パイプ24Aと、該右縦パイプ24Aの左側に間隔をもって配置され上,下方向に延びた左縦パイプ24Bと、該各縦パイプ24A,24Bを連結するように左,右方向に延びた上横パイプ24C,中横パイプ24Dとにより構成されている。
【0050】
ここで、右縦パイプ24Aの下端部は、取付フランジ24Eを介して踊り場20Cにボルト止めされている。これにより、右縦パイプ24Aは、
図7に示すように、第1の構造物となる連絡手摺り13の前縦パイプ13Aの中心を通る前,後方向の直線O−O上に配置されている。一方、左縦パイプ24Bは、上側梯子17を昇降するときに他方の手(例えば右手)で掴むものであり、その下部は枠板20Dに取付けられている。さらに、梯子用後手摺り24の右縦パイプ24Aには、後述する2部材連結装置31の乗降部材側ブラケット33が取付けられている。
【0051】
なお、建屋8と該建屋の前側に別個に設けられた乗降用ステップ19とは、質量、構造等が異なるために走行時や作業時に生じる振動にも差が生じる。即ち、建屋8と乗降用ステップ19とは振動モードが異なるために、建屋8側の連絡手摺り13と乗降用ステップ19側の梯子用後手摺り24とを固定的に連結すると連結部位が損傷する虞がある。そこで、本実施の形態では、連絡手摺り13と梯子用後手摺り24とを、防振部材を用いて弾性的に連結する構成としている。
【0052】
次に、本実施の形態によるダンプトラック1に用いる2部材連結装置31の構成について詳細に説明する。
【0053】
31はダンプトラック1に設けられた2部材連結装置を示している。この2部材連結装置31は、第1の構造物をなす連絡手摺り13と第2の構造物をなす乗降用ステップ19との間を連結するものである。2部材連結装置31は、後述の手摺り側ブラケット32、
乗降部材側ブラケット33、連結ブラケット34、第1の連結部材35、第2の連結部材38を含んで構成されている。
【0054】
32は連絡手摺り13に設けられた第1の構造物側ブラケットとしての手摺り側ブラケットを示している。この手摺り側ブラケット32は、
図4、
図7に示すように、前縦パイプ13Aの上,下方向の中間部に左斜め前側に突出して設けられている。具体的には、手摺り側ブラケット32は、十分な厚さ寸法をもった長方形状の板体からなり、前縦パイプ13Aに対し前述した直線O−Oから左側に約45度回転した角度位置に溶接手段を用いて固着されている。
【0055】
手摺り側ブラケット32には、
図6、
図7に示すように、第1の調整孔32Aが設けられている。この第1の調整孔32Aは、後述する第1の連結部材35の固定ボルト35Bが径方向に移動することができる遊び(余地)をもった円形状の大孔として形成されている。これにより、第1の調整孔32Aは、第1の連結部材35を上,下方向および/または水平方向、具体的には、第1の連結部材35を手摺り側ブラケット32の取付面に沿った全方向に移動させることができる。
【0056】
33は梯子用後手摺り24に設けられた第2の構造物側ブラケットとしての乗降部材側ブラケットを示している。この乗降部材側ブラケット33は、右縦パイプ24Aの上,下方向の中間部に左斜め後側に突出して設けられている。具体的には、乗降部材側ブラケット33は、十分な厚さ寸法をもった長方形状の板体からなり、右縦パイプ24Aに対し前述した直線O−Oから左側に約45度回転した角度位置に溶接手段を用いて固着されている。
【0057】
乗降部材側ブラケット33には、第2の調整孔33Aが設けられている。この第2の調整孔33Aは、前述した第1の調整孔32Aと同様に、後述する第2の連結部材38の固定ボルト38Bが径方向に移動することができる遊び(余地)をもった円形状の大孔として形成されている。これにより、第2の調整孔33Aは、第2の連結部材38を上,下方向および/または水平方向、具体的には、第2の連結部材38を乗降部材側ブラケット33の取付面に沿った全方向に移動させることができる。
【0058】
34は車体2側の連絡手摺り13と乗降用ステップ19側の梯子用後手摺り24との間を連結する連結ブラケットを示している。この連結ブラケット34は、手摺り側ブラケット32と乗降部材側ブラケット33の両方に取付けられるものである。即ち、連結ブラケット34は、
図5、
図6に示すように、長方形状(短冊状)の板体を長さ方向の中央位置でほぼ直角に折曲げることにより、山形形状(V字形状)の曲げ板として形成されている。連結ブラケット34は、山形形状の頂部が折曲部34Aとなり、この折曲部34Aを挟んだ一方側(連絡手摺り13側)が手摺り側ブラケット32に取付けられる第1の取付部位34Bとなっている。一方、折曲部34Aを挟んだ他方側(梯子用後手摺り24側)が乗降部材側ブラケット33に取付けられる第2の取付部位34Cとなっている。
【0059】
第1の取付部位34Bには、第1の調整孔34Dが設けられている。この第1の調整孔34Dは、後述する第1の連結部材35の固定ボルト35Cが径方向に移動することができる遊び(余地)をもった長円形状の大孔として形成されている。これにより、第1の調整孔34Dは、第1の連結部材35を上,下方向および/または水平方向、具体的には、第1の連結部材35を第1の取付部位34Bの取付面に沿った全方向に移動させることができる。特に、第1の調整孔34Dは、連結ブラケット34の長さ方向に長尺に形成しているから、
図5ないし
図9に示すように、連絡手摺り13に対して梯子用後手摺り24が左,右方向(矢示X方向)と前,後方向(矢示Y方向)に位置ずれしたときの調整代を大きくとることができる。
【0060】
第2の取付部位34Cには、第2の調整孔34Eが設けられている。この第2の調整孔34Eは、第1の調整孔34Dと同様に、後述する第2の連結部材38の固定ボルト38Cが径方向に移動することができる遊び(余地)をもった長円形状の大孔として形成されている。これにより、第2の調整孔34Eは、第2の連結部材38を上,下方向および/または水平方向、具体的には、第2の連結部材38を第2の取付部位34Cの取付面に沿った全方向に移動させることができる。特に、第2の調整孔34Eは、連結ブラケット34の長さ方向に長尺に形成しているから、連絡手摺り13の前縦パイプ13Aに対して梯子用後手摺り24の右縦パイプ24Aが左,右方向(矢示X方向)と前,後方向(矢示Y方向)に位置ずれしたときの調整代を大きくとることができる。
【0061】
ここで、連結ブラケット34の折曲部34Aは、
図7に示すように、第1の取付部位34B,第2の取付部位34Cを基点A,Bとして頂部Cが通路部材11の連絡通路11Bから離れる方向に折曲がった山形形状をなして取付けられている。これにより、連結ブラケット34の前記山形形状内、即ち、三角形状スペースSには、後述する各連結部材35,38の固定ボルト35C,38Cと各ナット37を収めることができる。
【0062】
35は連絡手摺り13と連結ブラケット34の第1の取付部位34Bとの間を連結する第1の連結部材である。この第1の連結部材35は、防振部材により構成されている。即ち、第1の連結部材35は、円柱状の防振ゴム35Aと、該防振ゴム35Aの両端の中心位置に軸方向に延びて設けられた固定具としての固定ボルト35B,35Cとにより構成されている。第1の連結部材35は、各固定ボルト35B,35C間で防振ゴム35Aを弾性変形させることにより、振動の伝達を抑制するものである。
【0063】
第1の連結部材35は、一方の固定ボルト35Bを連絡手摺り13に設けられた手摺り側ブラケット32の第1の調整孔32Aに挿通し、この固定ボルト35Bにワッシャ36を取付けた状態で固定具としてのナット37を螺着することにより、軸方向の一方側が手摺り側ブラケット32に取付けられている。また、第1の連結部材35は、他方の固定ボルト35Cを連結ブラケット34に設けられた第1の取付部位34Bの第1の調整孔34Dに挿通し、この固定ボルト35Cにワッシャ36を取付けた状態でナット37を螺着することにより、軸方向の他方側が連結ブラケット34の第1の取付部位34Bに取付けられている。
【0064】
この場合、通路部材11の連絡通路11B側に位置する固定ボルト35C、ナット37は、連結ブラケット34から突出している。しかし、固定ボルト35C、ナット37は、連結ブラケット34の三角形状スペースSに収めることができるから、通行中に衣服等が引っ掛からないようにすることができる。
【0065】
38は梯子用後手摺り24と連結ブラケット34の第2の取付部位34Cとの間を連結する第2の連結部材である。この第2の連結部材38は、第1の連結部材35と同様に、防振ゴム38Aおよび固定具としての各固定ボルト38B,38Cにより防振部材として構成されている。第2の連結部材38は、一方の固定ボルト38Bを梯子用後手摺り24に設けられた乗降部材側ブラケット33の第2の調整孔33Aに挿通することにより、ワッシャ36、ナット37を用いて軸方向の一方側が乗降部材側ブラケット33に取付けられている。
【0066】
また、第2の連結部材38は、他方の固定ボルト38Cを連結ブラケット34に設けられた第2の取付部位34Cの第2の調整孔34Eに挿通することにより、ワッシャ36、ナット37を用いて軸方向の他方側が連結ブラケット34の第2の取付部位34Cに取付けられている。この場合にも、第1の連結部材35と同様に、第2の連結部材38の固定ボルト38C、ナット37は、連結ブラケット34の三角形状スペースSに収めることができる。
【0067】
次に、本実施の形態による2部材連結装置31を用いて連絡手摺り13と乗降用ステップ19との間を連結した場合の作業手順の一例について説明する。
【0068】
まず、第1の連結部材35の固定ボルト35Bを連絡手摺り13に設けられた手摺り側ブラケット32の第1の調整孔32Aに挿通し、ワッシャ36、ナット37によって取付ける。一方、第2の連結部材38の固定ボルト38Bを乗降用ステップ19の梯子用後手摺り24に設けられた乗降部材側ブラケット33の第2の調整孔33Aに挿通し、ワッシャ36、ナット37によって取付ける。
【0069】
この状態で、連結ブラケット34の第1の調整孔34Dに第1の連結部材35の固定ボルト35Cを挿入し、第2の調整孔34Eに第2の連結部材38の固定ボルト38Cを挿入する。この状態で、固定ボルト35Cをワッシャ36、ナット37を用いて第1の取付部位34Bに取付け、固定ボルト38Cをワッシャ36、ナット37を用いて第2の取付部位34Cに取付ける。これにより、車体2側の連絡手摺り13と乗降用ステップ19側の梯子用後手摺り24との間を2部材連結装置31を用いて連結することができる。この場合、防振部材からなる連結部材35,38を用いているから、両者間の振動差を吸収することができる。
【0070】
ここで、車体2や乗降用ステップ19を組立てる場合には、各部品の公差によって位置ずれが生じてしまう。この場合の位置ずれは、左,右方向、前,後方向、上,下方向の全ての方向に生じる。
【0071】
本実施の形態によるダンプトラック1は上述の如き構成を有するもので、このダンプトラック1を用いて鉱物等の運搬作業を行う場合について説明する。まず、右下側デッキ18から乗降用ステップ19を通って上側デッキ9上に上り、通路部材11を通ってキャブ10内に乗込む。キャブ10に乗込んだオペレータは、ダンプトラック1を操作して鉱山等の採掘現場まで走行し、油圧ショベル(図示せず)によって採掘された鉱物等を、荷台6上に積載する。
【0072】
そして、荷台6に大量の鉱物を積載したダンプトラック1は、荷下し場まで走行した後、ホイストシリンダ7を伸長させることにより、荷台6を連結ピン6Aを支点として上向きに回動させる。これにより、荷台6に積載した鉱物等を排出することができる。
【0073】
次に、
図7ないし
図9に示す本実施の形態による2部材連結装置31と、
図10に示す比較例による2部材連結装置101との比較について説明する。
【0074】
まず、比較例による2部材連結装置101は、連絡手摺り13の前縦パイプ13Aから前側に延びた第1の構造物側ブラケットとしての手摺り側ブラケット102と、梯子用後手摺り24の右縦パイプ24Aから後側に延びた第2の構造物側ブラケットとしての乗降部材側ブラケット103と、前記手摺り側ブラケット102に取付けられる第1の取付部位104Aと前記乗降部材側ブラケット103に取付けられる第2の取付部位104Bとを有し、前記前縦パイプ13Aと前記右縦パイプ24Aとの間を連結する平板状の連結ブラケット104と、前記手摺り側ブラケット102と前記連結ブラケット104の前記第1の取付部位104Aとの間を連結する第1の連結部材105と、前記乗降部材側ブラケット103と前記連結ブラケット104の前記第2の取付部位104Bとの間を連結する第2の連結部材106とにより構成されている。
【0075】
各連結部材105,106は、実施の形態による各連結部材35,38と同様に、防振ゴム105A,106A、各固定ボルト105B,105C,106B,106Cにより構成されている。
【0076】
また、手摺り側ブラケット102には、第1の連結部材105の固定ボルト105Bが移動可能に挿入される第1の調整孔102Aが設けられ、連結ブラケット104の第1の取付部位104Aには、第1の連結部材105の固定ボルト105Cが移動可能に挿入される第1の調整孔104Cが設けられている。一方、乗降部材側ブラケット103には、第2の連結部材106の固定ボルト106Bが移動可能に挿入される第2の調整孔103Aが設けられ、連結ブラケット104の第2の取付部位104Bには、第2の連結部材106の固定ボルト106Cが移動可能に挿入される第2の調整孔104Dが設けられている。
【0077】
このように構成された比較例による2部材連結装置101について、連結作業の手順の一例について説明する。第1の連結部材105の固定ボルト105Bを手摺り側ブラケット102の第1の調整孔102Aに挿通し、ワッシャ107、ナット108によって取付ける。一方、第2の連結部材106の固定ボルト106Bを乗降部材側ブラケット103の第2の調整孔103Aに挿通し、ワッシャ107、ナット108によって取付ける。
【0078】
さらに、連結ブラケット104の第1の調整孔104Cに第1の連結部材105の固定ボルト105Cを挿入し、第2の調整孔104Dに第2の連結部材106の固定ボルト106Cを挿入する。この状態で、固定ボルト105Cをワッシャ107、ナット108を用いて第1の取付部位104Aに取付け、固定ボルト106Cをワッシャ107、ナット108を用いて第2の取付部位104Bに取付ける。
【0079】
ここで、比較例による2部材連結装置101は、手摺り側ブラケット102の第1の調整孔102Aを大孔として第1の連結部材105の固定ボルト105Bの移動(位置調整)を許し、連結ブラケット104の第1の調整孔104Cを大孔として第1の連結部材105の固定ボルト105Cの移動(位置調整)を許す構成としている。同様に、乗降部材側ブラケット103の第2の調整孔103Aによって第2の連結部材106の固定ボルト106Bの移動を許し、連結ブラケット104の第2の調整孔104Dによって第2の連結部材106の固定ボルト106Cの移動を許す構成としている。
【0080】
これにより、比較例による2部材連結装置101は、手摺り側ブラケット102と乗降部材側ブラケット103が前,後方向や上,下方向に位置ずれした場合、各調整孔102A,103A,104C,104Dを大孔として得た調整代の分だけ調整することができ、この前,後方向や上,下方向の位置ずれを吸収することができる。
【0081】
しかし、手摺り側ブラケット102と乗降部材側ブラケット103が、各連結部材105,106の軸方向(取付方向)となる左,右方向(矢示X方向)に位置ずれした場合には、調整代を得ることができない。このため、部品の加工や部品の追加が必要になるから、組立作業性の低下やコストの上昇を招いてしまう。
【0082】
これに対し、本実施の形態による2部材連結装置31は、連結ブラケット34に折曲部34Aを設けることにより、第1の取付部位34Bと第2の取付部位34Cとの間を山形形状に折曲げている。この上で、手摺り側ブラケット32と第1の取付部位34Bには、第1の連結部材35を上,下方向および/または水平方向に移動させるための第1の調整孔32A,34Dを設け、乗降部材側ブラケット33と第2の取付部位34Cには、第2の連結部材38を上,下方向および/または水平方向に移動させるための第2の調整孔33A,34Eを設けている。
【0083】
従って、第1の調整孔32A,34Dと第2の調整孔33A,34Eとは、山形形状の連結ブラケット34によって軸線が互いに交差するように配置することができる。これにより、各調整孔32A,33A,34D,34Eによって得られた調整代を適宜に組合せることにより、連結ブラケット34、各連結部材35,38を上,下方向および/または水平方向に移動させることができる。
【0084】
即ち、
図8に示すように、手摺り側ブラケット32と乗降部材側ブラケット33とが左,右方向(矢示X方向)に寸法G1だけ位置ずれした場合でも、第1の連結部材35の固定ボルト35Cを連結ブラケット34の第1の調整孔34Dに対し頂部C側に片寄せて配置し、第2の連結部材38の固定ボルト38Cを連結ブラケット34の第2の調整孔34Eに対し基点B側に片寄せて配置する。これにより、X方向の位置ずれ寸法G1を吸収して、手摺り側ブラケット32と乗降部材側ブラケット33とを簡単に、かつ確実に連結することができる。しかも、各ブラケット32,33の調整孔32A,33Aによる調整代を利用することで、さらに大きな位置ずれにも対応することができる。
【0085】
さらに、
図9に示すように、手摺り側ブラケット32と乗降部材側ブラケット33とが前,後方向(矢示Y方向)に寸法G2だけ位置ずれした場合でも、第1の連結部材35の固定ボルト35Cを連結ブラケット34の第1の調整孔34Dに対し基点A側に片寄せて配置し、第2の連結部材38の固定ボルト38Cを連結ブラケット34の第2の調整孔34Eに対し基点B側に片寄せて配置する。これにより、2部材連結装置31の全長を伸ばしてY方向の位置ずれ寸法G2を吸収できるから、手摺り側ブラケット32と乗降部材側ブラケット33とを簡単に、かつ確実に連結することができる。
【0086】
この結果、第1の構造物となる連絡手摺り13と第2の構造物となる梯子用後手摺り24との間に位置ずれが生じている場合でも、この位置ずれの方向に合わせて連結ブラケット34を様々な方向(上,下方向、水平方向)に移動(変形)させることにより、この位置ずれを吸収することができる。これにより、位置ずれの有無に関係なく、連絡手摺り13と梯子用後手摺り24との間を容易に連結することができ、組立作業性の向上、製造コストの低減を図ることができる。
【0087】
手摺り側ブラケット32、乗降部材側ブラケット33と連結ブラケット34の各取付部位34B,34Cとの間を連結する各連結部材35,38は、防振ゴム35A,38Aを備えた防振部材により構成しているから、連絡手摺り13と梯子用後手摺り24との間で振動を減衰することができる。これにより、例えば振動モードが異なる車体2側の連絡手摺り13と乗降用ステップ19側の梯子用後手摺り24とを連結した場合でも、この振動の差を吸収することができ、耐久性を向上することができる。
【0088】
さらに、連結ブラケット34の折曲部34Aは、第1の取付部位34B,第2の取付部位34Cを基点A,Bとして頂部Cが通路部材11の連絡通路11Bから離れる方向に折曲がった山形形状をなして取付けている。これにより、連結ブラケット34の前記山形形状内、即ち、三角形状スペースSには、各連結部材35,38の固定ボルト35C,38Cと各ナット37を収めることができる。この結果、通路部材11の連絡通路11Bを通行するときには、各固定ボルト35C,38C、各ナット37に引っ掛かることなく、スムーズに通行することができる。
【0089】
なお、実施の形態では、第1の構造物として車体2側の連絡手摺り13を例示し、第2の構造物として乗降用ステップ19側の梯子用後手摺り24を例示し、この連絡手摺り13と梯子用後手摺り24とを2部材連結装置31によって連結した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば2部材連結装置31を、車体2側に設けられた2個の手摺りを連結したり、乗降用ステップ19側に設けられた2個の手摺りを連結したり、手摺り以外のものを連結するのに用いる構成としてもよい。
【0090】
さらに、実施の形態では、2部材連結装置31を建設機械としての大型のダンプトラック1に用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、油圧ショベル、ホイールローダ等の他の建設機械に2部材連結装置31を用いる構成としてもよい。