(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
切開部材が開口部と一致したときに切開部材が後退位置から皮膚貫入位置へ旋回するように切開部材に作用するように構成された作動要素をさらに備える、請求項1に記載の装置。
作動要素は案内面を有し、切開部材は該案内面に接して位置し、該案内面は、切開部材が開口部と一致するように試験部材が回転するにつれて切開部材に付勢して旋回させるように構成される、請求項8に記載の装置。
作動要素は、切開部材内の窪み内に位置して、切開部材が開口部と一致するように試験部材が回転するにつれて切開部材に付勢して旋回させるように構成されたタブである、請求項8に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0027】
血糖メータ(BGM)100が、
図1に示されている。BGM100は、斜視図で示されている。BGM100は、図では見えないが、略平坦なベースを有する。BGM100の高さは長さとほぼ同じであり、その幅は高さの約3分の1である。
【0028】
BGMの1つの側面上に、第1の入力101、第2の入力102、および第3の入力103が設けられる。これらの入力は、たとえば押しスイッチまたは接触式の変換器の形態をとることができる。また、BGMのうち、入力デバイス101〜103の隣の側面上には、ディスプレイ104が設けられる。これは、任意の適した形態をとることができ、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)、eインクなどにすることができる。使用の際には、使用者は、入力デバイス101〜103を使用してBGM100を制御することができ、またBGMによってディスプレイ104を介して使用者に情報を提供することができる。
【0029】
BGM100の前面には、開口部105が位置する。開口部105は、BGMの高さの約2分の1に位置する。開口部105は、使用者の身体から血液サンプルを抽出する目的で、使用者の身体の一部を受けることができるように構成される。たとえば、開口部105は、指もしくは親指の端部または側部を受けるように寸法設定することができ、または使用者の手の側面もしくは使用者の腕からの1つまみの皮膚を受けるように寸法設定することができる。開口部は、方形の形状とすることができる。その縁部は、使用者の指を特定の場所へ案内するように、面取りすることができる。
【0030】
開口部105は、カートリッジ106の側面内に設けられる。カートリッジは、略円筒形の形状を有し、BGM100内で垂直に配置される。
【0031】
具体的には、BGMは、第1のハウジング部分107を含む。第1のハウジング部分107は、BGM100のベース、左右の側面、および裏面を形成する。BGM100の前面上では、第1のハウジング部分107はまた、側面の最下部を構成する。第1のハウジング部分107には、固定の蓋部分108が取り付けられる。固定の蓋部分108は、BGM100の上面の大部分を構成する。着脱可能な蓋部分109が、BGM100の上面の残りの部分を構成する。着脱可能な蓋部分は、BGM100の前面でカートリッジ106より上に配置される。
【0032】
第1のハウジング部分107は、BGM100の前面に細長い開口部110を提供するように構成される。細長い開口部110は、BGM100の前面の高さの大部分にわたって延びることができる。細長い開口部110は、最上部では、着脱可能な蓋部分109によって画成され、右、左、および底部では、第1のハウジング部分107によって画成される。BGM100は、カートリッジ106が細長い開口部110の領域全体を占有するように配置される。BGMが使用されていないときは、BGM100のハウジング部分107内の摺動可能または旋回可能なドアが、細長い開口部110のすべてまたは一部を覆うことができる。ドアは、汚れおよび他の潜在的な汚染物質が開口部105内へ侵入するのを防止するために、少なくとも開口部105を覆うことができる。
【0033】
カートリッジ106は、
図2でよりはっきりと見ることができる。
図2は、
図1と同じ図を示すが、着脱可能な蓋部分109および第1のハウジング部分107をワイア・フレームに入れて示す。
図2からわかるように、カートリッジ106は略円筒形の形状を有し、垂直に配置される。カートリッジ106の直径は、開口部110の幅より、たとえば5〜50%だけ大きい。カートリッジ106は、その直径の3または4倍の長さを有する。
【0034】
図3では、着脱可能な蓋部分109は、BGM100から取り外された状態で示す。第1のハウジング部分107、固定の蓋部分108、および着脱可能な蓋部分109は、着脱可能な蓋部分がBGM上で定位置にあるときには3つの構成要素間の機械的相互作用によってカートリッジ106が保持されるが、使用者によって着脱可能であるように構成される。着脱可能な蓋部分109がBGM100から解放される厳密な方法は重要ではなく、本明細書では詳細に説明しない。
【0035】
着脱可能な蓋部分109は、BGM100から取り外されたとき、カートリッジ106をその軸に沿って垂直に動かすことによってカートリッジ106をBGMから引き出すことができるように構成される。
図4では、カートリッジ106は、BGM100から部分的に取り外された状態で示す。完全に取り外されたとき、細長い開口部110は、BGM100内の空胴を露出させる。次いで、古いカートリッジ106が取り外されたのとは逆の方法で、交換用カートリッジをBGM100内へ導入することができる。新しいカートリッジ106は、BGM内の空胴の底部に配置された後、第1のハウジング部分107によって部分的に取り囲まれる。着脱可能な蓋部分109が交換された後、カートリッジ106は、第1のハウジング部分107および着脱可能な蓋部分109の作用によって、
図1に示す位置に対して定位置で保持される。カートリッジ106内の開口部105は、
図1に示す方法と同様に、BGM100の前面に提示される。カートリッジ106およびカートリッジを受ける空胴は、突起および溝、円形でない直径などの鍵締め特性(keying feature)を有することができる。したがって、カートリッジ106が完全に挿入されたとき、開口部105は、細長い開口部110に対して固定の位置にあり、たとえば
図1に示す中心の位置にある。
【0036】
図5は、血糖メータ100のサブシステム200を示す。サブシステム200は、カートリッジ106、駆動輪201、および駆動ベルト202を含む。
【0037】
図5では、カートリッジが、ハウジングの一部を構成する中空の円筒形ハウジング部分203を有する状態で示されている。開口部105は、中空の円筒形ハウジング部分203内に形成される。中空の円筒形部分203と同軸に、細長い軸204が位置する。
図5では、軸204の上部のみを示す。軸204の長さは、軸204の最上端が中空の円筒形ハウジング部分203の最上端よりわずかに下に位置するような長さである。下記で説明するように、軸204は、駆動輪201の回転によって回転可能になるように、駆動ベルト202に機械的にカップリングされる。
【0038】
中空の円筒形ハウジング部分203の内面には、第1の案内部材205および第2の案内部材206が形成される。
図5では、第1の案内部材205および第2の案内部材206が略三角形の横断面を有することを理解することができる。第1の案内部材205および第2の案内部材206の三角形の横断面の1つの面は、中空の円筒形ハウジング部分203の内面と一体化され、三角形の横断面の先端は、カートリッジ106の中心の方へ延びる。
図5では、第1の案内部材205の長さの一部を見ることができるが、この図では、第2の案内部材206の最上面しか見ることができない。
【0039】
図5はまた、血糖メータ100の部材を形成するいくつかの電子構成要素を示す。これらの構成要素は、ハウジング107内に設けられるが、カートリッジ106の一部を形成しない。
【0040】
マイクロプロセッサ212、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)213、読取り専用メモリ(ROM)214、キー・インターフェース215、ディスプレイ・ドライバ216、分析物インターフェース回路219、およびモータ・インターフェース217を含む複数の構成要素を連結するように、バス211が配置される。これらの構成要素はすべて、電池218によって電力供給される。電池218は、任意の適した形態をとることができる。
【0041】
ROM214内には、血糖メータ100の動作を管理するソフトウェアおよびファームウェアが記憶される。これらのソフトウェア/ファームウェアは、マイクロプロセッサ212がRAM213を使用することによって実行される。ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアは、血糖メータ100を動作させて、キーまたは入力デバイス101〜103を通じた使用者による制御を可能にするように動作可能であり、そのような制御は、キー・インターフェース215によって検出される。ディスプレイ・ドライバ216を通じてソフトウェア/ファームウェアおよびマイクロプロセッサ212を動作させることによって、血糖測定および他の情報がディスプレイ104上に適時提供される。
【0042】
モータ・インターフェース217により、マイクロプロセッサ212は、駆動輪201にカップリングされたモータおよび血糖メータ100内に含まれる任意の他のモータを、ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアに従って制御することを可能にする(下記で説明する)。
【0043】
分析物インターフェース回路219は、電気接触端子401、したがって接触パッド318、したがって分析物測定部分316に、特定の電圧を有する電気信号を提供し、信号のパラメータを測定して、マイクロプロセッサ212が血液サンプルの血糖レベルを測定することを可能にするように動作可能である。
【0044】
図6は、ハウジング部分203内部の構成要素を露出させるように中空の円筒形ハウジング部分203をワイア・フレームに入れて示すことを除いて、また電子構成要素が省略されている点で、
図5と同じである。
図6では、第3の案内部材207を見ることができる。この図からわかるように、第1の案内部材205および第2の案内部材206は、カートリッジ106の長さの上半分のみに位置しており、第3の案内部材207は、カートリッジ106の下半分のみに位置している。第1の案内部材205、第2の案内部材206、および第3の案内部材207は、中空の円筒形ハウジング部分203の円周に分散される。具体的には、第1の案内部材205および第2の案内部材206は、互いから約100〜160度に位置する。第3の案内部材207は、第1の案内部材205と第2の案内部材206の各々から約60〜130度に位置する。
【0045】
軸204上には複数の部材が取り付けられており、そのうちの3つをそれぞれ208、209、および210として
図6に示す。以下、これらの部材208〜210を試験円板部材と呼ぶ。試験円板部材208〜210は各々、実質上同じである。
【0046】
1つの試験円板部材208を、
図7にある程度詳細に示す。試験円板部材208は、略円形の形状を有するが、一方の側には切欠き301が形成され、他方の側には切落し部分302が設けられる。切落し部分は、搾出部分を構成しており、それについては以下でより詳細に説明する。
【0047】
試験円板部材208は、最上面303と、
図8に示す最下面304と、円板縁部305とを含む。試験円板部材208の直径は、15〜25ミリメートル、たとえば20ミリメートルである。円板縁部305の高さに等しい円板の厚さは、0.5ミリメートル〜1ミリメートルである。
図8は、試験円板部材208を下側から示す。したがって、下面304を見ることができるが、上面303を見ることはできない。試験円板部材208について、
図7および
図8を参照しながら次に説明する。
【0048】
試験円板部材208の中心に、孔306が形成される。孔306は、2つの主要な部分を構成する。試験円板部材208上には円形部分が中心に位置し、円形部分は、軸204の外径に等しい、またはそれよりわずかに大きい直径を有する。孔306の円形部分には駆動切欠き307が当接し、駆動切欠き307は、駆動ドッグが係合することが可能な縁部を含む。
【0049】
軸204上に、駆動ドッグ320(
図9では部分的に、
図10ではより完全に見ることができる)が形成される。駆動ドッグ320は、試験円板部材208の孔306内の駆動切欠き307に係合する。この係合により、軸204の回転が可能になり、その結果、試験円板部材208の回転が生じる。
【0050】
試験円板部材208の下側には、スペーサ部材308が設けられる。スペーサ部材308は、1片の中空の円筒を構成する。円筒は、試験円板部材208の中心に位置する。スペーサ部材308の内径は、孔306がスペーサ部材308と重複しないように選択される。スペーサ部材308の外径は、内径よりわずかに大きいだけであり、したがってスペーサ部材308はほとんど厚さをもたない。スペーサ部材308の高さは、0.5〜1ミリメートルである。複数の試験円板部材がともに積層されたとき、スペーサ部材308は、1つの試験円板部材の上面303と、その真上に位置する試験円板部材の下面304との間に、離隔距離を提供する。離隔距離は、スペーサ部材308の高さによって決まる。
【0051】
図7を再び参照すると、円板縁部305から突出するランセット309が示されている。ランセット309は、切落し部分302内に設けられる。ランセット309の第1の端部は、試験円板部材208の材料内に埋め込まれており、第2の端部は鋭利な先端を備え、外方へ延びている。ランセット309は、ランセット309の端部が試験円板部材内に埋め込まれている位置で試験円板部材208の半径線から30〜60度の角度で延びる。ランセット309の第2の端部は、試験円板部材208の円周311に、またはそのすぐ外側に位置する。
図7では、円周311が有形ではなく仮想であるため、円周311を点線として示す。ランセット309は、円板縁部上の第1の位置312で円板縁部305から延びる。第1の位置312は、切落し部分302が開始する第2の位置313に近接している。切落し部分302は、第3の位置314で終了する。第2の位置313と第3の位置314との間で、切落し部分302の反対側では、円板縁部305は略円形の形態をとるが、切欠き301が円に割り込んでいる。
【0052】
第3の位置314の隣には、血液収集部分315が位置する。血液収集部分315は、任意の適した形態をとることができる。たとえば、血液収集部分315は、積層材料を含むことができる。血液収集部分315は、第3の位置で円板縁部305に接触している血液を試験円板部材208内へ引き込んで、血液収集部分315に隣接する血液分析物測定部分316、たとえば血糖測定のための酵素を含む部分などへ送る機能を有する。血液は、毛管作用によって引き込むことができる。分析物測定部分316は、血液と化学反応する酵素を含み、それによって血糖レベルを測定することができる。分析物測定部分316は、第1〜第3の伝導トラック317によって第1〜第3の接触パッド318に連結される。接触パッド318および伝導トラック317は、試験円板部材208の上面303上に形成される。分析物測定部分316はまた、試験円板部材208の上面303上に形成される。伝導トラック317、接触パッド318、および分析物測定部分316のいくつかまたはすべては、試験円板部材208の上面303上へ印刷することができる。
【0053】
以下で詳細に説明するように、使用の際には、第1にランセット309によって使用者の一部が穿孔され、次いで切落し部分302の円板縁部305によってその部分が搾られ、次いで血液収集部分315を通って分析物測定部分316へ血液が提供される。次いで、伝導トラック317および接触パッド318によって分析物測定部分316に連結された測定回路が、使用者の血糖レベルを判定することが可能である。次いでこのレベルが、ディスプレイ104上に表示される。
【0054】
動作について、図を参照しながら次に説明する。
【0055】
図6に示すように、試験円板部材208〜210は同じ向きで始まる。ここでは、第1の試験円板部材208が最も上に位置する。第3の案内部材207は、最下部の試験円板部材209、210の切欠き301内に位置する。第1の試験円板部材208の切欠き301は、第3の案内部材207と位置合わせ(align)されるが、それによって制限されない。最上の試験円板部材208の上面303は、第1の案内部材205の最下面に接触している。第2の案内部材206の最下面は、第1の案内部材205の最下端と同じ高さである。しかし、第2の案内部材206は、
図6に示す試験円板部材208の向きで、第1の試験円板部材208の切落し部分302の一部と一致する。したがって、第1の試験円板部材がこの位置にあるとき、第2の案内部材206と第1の試験円板部材208との間は接触しない。試験円板部材208〜210は、付勢手段(図示せず)によって上方方向に付勢される。この付勢手段は、ばねとすることができる。しかし、第1の試験部材208の上面303と第1の案内部材205の最下端との間の接触のため、試験円板部材208〜210はカートリッジ106内で上方へ動かないようになっている。
【0056】
図6に示す位置で、ランセット309の遠位端は、開口部105と同じ位置にない。したがって、ランセット309は、この位置では動作しない。言い換えれば、ランセット309はこの位置で、ハウジングの一部を構成する中空の円筒形部分203によって遮蔽される。
【0057】
図6に示す位置から、軸204は、駆動輪201および駆動ベルト202の作用によって時計回りの方向に回転させられる。駆動ドッグ320は、試験円板部材208の孔306内で駆動切欠き307に係合し、したがって軸204の回転を可能にし、その結果、試験円板部材208の回転が生じる。回転により、ランセット309は開口部105の前へ動く。したがって、使用者の皮膚で覆われた部分(以下、便宜上、この部分を使用者の指と呼ぶ)が、ランセット309によって切開される。これにより、指の皮膚内に穿刺部が生じ、血液は穿刺部を通って漏れることができる。
図9は、ランセット309が使用者の指を切開するように動作可能になる位置へ回転させた第1の試験円板部材208を示す。軸204は、所定の量だけ回転させられ、ランセット309の最大行程範囲が制御される。当業者には理解されるように、使用者の指の中へのランセット309の貫入は、複数の要因に依存する。回転量、したがって貫入の深さは、使用者によって画成可能とすることができる。使用者によって指定される貫入深さは、ソフトウェアまたはファームウェアで軸204の回転を制御することによって実現することができる。貫入深さは、使用者がたとえば第1の入力101、第2の入力102、および第3の入力103の1つまたはそれ以上を使用することによって画成することができる。たとえば、第1の入力101および第2の入力102は、それぞれ増大および低減することができ、第3の入力103は、選択または確認入力である。深さを画成する値は、メモリ内に記憶することができる。その後、軸204は、反時計回りの方向に回転するように制御される。これにより、ランセット309は使用者の指から取り外され、円板縁部305は切落し部分302で、試験円板部材208が回転すると使用者の指をこする。試験円板部材208の回転中のある時点で、第2の案内部材206の最下部は、切落し部分302に一致するのを止め、したがって試験円板部材208の上面303に反力を及ぼすことが可能になる。その直後、第1の案内部材205の最下部は、切落し部分302と一致し、試験円板部材208の上面303に接触するのを止める。この時点では、第2の案内部材206が、第1の試験円板部材208がカートリッジ206内で上方へ動くのを防止する。
【0058】
試験円板部材208が引き続き回転した後、血液収集部分315は開口部105と位置合わせされる。ここで、回転が止まる。この場所で、ランセット309および使用者の指上の円板縁部305の作用によって使用者の指から排出させられる血液は、毛管作用によって分析物測定部分316へ引き込まれる。次いで、血液と酵素が反応する。
【0059】
適した時点で、軸204は、反時計回りの方向にさらに回転させられる。ここで、試験円板部材208は、血液収集部分315が開口部105と一致する
図10に示す位置から、
図11に示す位置へ回転させられる。ここで、切欠き301は、第2の案内部材206と位置合わせされる。この場所で、第1の案内部材205は、試験円板部材208の切落し部分302と一致するため、第1の案内部材205と第2の案内部材206はどちらも、第1の試験円板部材208の上方への運動を防止しない。したがって、第1の円板部材208、第2の円板部材209、および第3の円板部材210は、付勢手段(図示せず)によって上方へ動かされる。
【0060】
第1の試験円板部材208が上方へ動くとき、
図11と
図12との間で、駆動ドッグ320は、第1の試験円板部材208の孔306の駆動切欠き307と協働するのを止める。第1の試験円板部材208が
図12に示す位置に到達する前に、駆動ドッグ320の下面が第2の試験円板部材209の上面303に接触する。これにより、第2の試験円板部材209のさらなる上方への運動が防止され、したがって試験円板部材210のさらなる運動が防止される。この位置で、軸204は、駆動輪201および駆動ベルト202によって回転させられ、その結果、駆動ドッグ320が第2の試験円板部材209の駆動切欠き307と一致する。この場所で、第2の円板部材209は、軸204上で上方へ動くことが可能になり、それによって駆動ドッグ320を第2の試験円板部材209の駆動切欠き307に係合させる。第2の試験円板部材209が、スペーサ部材308の高さに等しい距離だけ上方へ動いた後、第1の案内部材205と第2の試験円板部材209の上面303との間の接触によって、第2の試験円板部材209のさらなる上方への運動が防止される。
図12に示すこの時点で、第2の案内部材206は、第1の試験円板部材208の切欠き301内に位置する。これにより、カートリッジ106内での第1の試験円板部材208のさらなる回転が防止される。
【0061】
第1の試験円板部材208、第2の試験円板部材209、および第3の試験円板部材210をカートリッジ106の上へ動かすことによって、第3の案内部材207は第2の試験円板部材209の切欠き301内に位置しなくなる。この段階で、第3の案内部材207は、第2の円板部材209の回転運動を防止しない。
【0062】
図12に示す位置で、第2の試験円板部材209は、
図6に示す位置における第1の試験円板部材208とちょうど同じ位置にある。さらに、軸204、したがって駆動ドッグ320は、同じ向きを有する。したがって、第1の試験円板部材208と同様に、第2の試験円板部材209を使用して、使用者から血液サンプルを引き出し、その血糖レベルを試験することが可能である。
【0063】
カートリッジ106内に試験円板部材208〜210の積層体を提供し、適した物理的配置を提供することによって、カートリッジ106を複数の試験に対して使用することができる。カートリッジ106が新しいとき、試験円板部材208〜210は、カートリッジ106の下半分に位置し、最上の試験円板部材が、開口部105と位置合わせされる。試験円板部材が使用されるにつれて、試験円板部材の積層体はカートリッジ内で上方へ動く。最後の試験円板部材が使用されたとき、このカートリッジは使用済みであるということができる。この段階で、試験円板部材はすべて、カートリッジ106の最上部分内に位置する。
【0064】
カートリッジ106内に収容できる試験円板部材208〜210の数、したがってカートリッジ106によって提供できる試験の回数は、カートリッジ106の高さおよび隣接する試験円板部材208〜210の対応する部分(たとえば、上面)間の離隔距離に応じることが理解されよう。カートリッジをより高くし、かつ/または試験円板部材の離隔距離を低減することで、単一のカートリッジ106を使用して実行できる試験の回数が増大する。
【0065】
図13〜15を次に参照されたい。
図13〜15は、測定回路(図示せず)に対する分析物測定部分316の連結を示す。
【0066】
第1に
図13を参照すると、中空の円筒形ハウジング部分203が示されており、開口部105および軸204が上記のように位置する。中空の円筒形ハウジング部分203内に、スリット開口部400が設けられる。スリット開口部400は、開口部105と実質上同じ高さに位置する。しかし、スリット開口部400は、中空の円筒形ハウジング部分203のうち、開口部105から実質上反対側に位置する。
【0067】
スリット開口部400は、BGM100の前側に形成された細長い開口部110と一致しない。したがって、カートリッジ106がBGM100内で定位置にあるときは、スリット開口部400を見ることができない。
【0068】
図14は、
図13に示すものと同じ図であるが、中空の円筒形ハウジング部分203が省略されている。
【0069】
スリット開口部400に隣接して、スイング・アーム401が位置する。スイング・アーム401は、
図15に示すように、スピンドル402の周りを回転可能である。スピンドル402は、軸204の軸に対して平行な軸を有する。スピンドル402の軸は、駆動ベルト202より上に位置する。連結アーム403が、スピンドル402をスイング・アーム401に連結する。この例では、連結アーム403は、垂直連結部404によってスイング・アーム401に連結される。垂直連結部404により、連結アーム403が取り付けられたスピンドル402を、スイング・アーム401に対して異なる垂直位置に配置することが可能になる。スピンドル402、連結アーム403、および垂直連結部404は、連結アームがスピンドル402の軸上を回転したときに、スイング・アーム401が軸の方へ動かされるように配置される。スイング・アーム401の動きは、軸204に対して実質上径方向である。
【0070】
スイング・アーム401上には、第1〜第3の電気接触端子405が取り付けられる。各電気接触端子405は、略水平アーム405aと、垂れ下がる接触ヘッド405bとを含む。電気接触端子405は、弾性の伝導性材料、たとえば金属から作られる。垂れ下がる接触ヘッド405bは、スイング・アーム401から最も遠い端部で傾斜している。
【0071】
図13および
図14に示す1つの位置で、電気接触端子405は、垂れ下がる接触ヘッド405bがスリット開口部400内に位置するように、または別法として中空の円筒形ハウジング部分203の外側に位置するように、スイング・アーム401によって支持される。
図14に示すように、試験円板部材208が回転され、その結果、血液収集部分315が開口部105と一致したとき、接触パッド318は、スリット開口部400と一致する/位置合わせされる。試験円板部材208がこの位置で保持されるとき、連結アーム403はスピンドル402の軸の周りを回転させられ、その結果、スイング・アーム401が軸204の方へ動く。この配置は、電気接触端子405が試験円板部材208の上面303より上の容積内へ動くため、水平アーム405aではなく電気接触端子405の垂れ下がる接触ヘッド405bが接触パッド318に接触するような配置である。電気接触端子405の弾性特性により、電気接触端子は接触パッド318に押し付けられる。したがって、電気接触端子405の水平アーム405aと分析物測定部分316との間に、電気接続がもたらされる。電気接触端子405に連結された電子測定手段(図示せず)が、接触端子405および分析物測定部分316に電圧をかけて電気パラメータの測定を行うように動作し、これらの電気パラメータから、分析物濃度レベル、たとえば血糖レベルの測定値を判定することができる。
【0072】
連結アーム403は、所定の時間にわたって、または別法として血糖レベル測定が行われたことが検出されるまで、
図15に示す位置内に留まるように制御され、その後、連結アーム403は軸402の周りを回転させられ、電気接触端子405が試験円板部材208の上面より上の位置から取り外される。この段階で、配置は
図14に示すとおりである。電気接触端子405が後退された後、試験円板部材208は、反時計回りに回転して、試験円板部材208〜210が軸204上で上方へ動くのを可能にする。
【0073】
別法または追加として、伝導性コンタクト318は各々、その長さの少なくとも一部にわたって、軸402と略同心円状とすることができる。これにより、部材が回転する間に、複数の端子405がそれぞれの伝導性コンタクト318と接触したまま留まることを可能にすることができる。したがって、たとえば、試験円板部材208は、血液分析部分が血液サンプルを収集するように露出される位置から離れるように回転しながら、複数の端子405が血液分析部分と電気的に接触したまま留まることを可能にすることができる。
【0074】
許容しうる電気接触端子405の最大高さ寸法は、スペーサ部材308の高さによって決まることが理解されよう。スペーサ部材が厚ければ厚いほど、より大きい電気接触端子405を使用することが可能になる。しかし、これは、隣接する試験円板部材208〜210間の離隔距離の増大、したがってカートリッジ106の容量の低減を伴う。水平アーム405aおよび垂れ下がる接触ヘッド405bを含む電気接触端子405を使用することで、電気接触端子の高さ寸法を最小にすることが可能になり、一方で、電気接触端子と接触パッド318との間の良好な電気的接触が可能になり、また十分なサイクル数にわたって電気接触端子405を正確に動作させることが可能になる。
【0075】
図16〜21を次に参照すると、新規な切開技法を用いる代替の配置が示されている。
【0076】
図16に示すように、中空の円筒形ハウジング部分203は、開口部105およびスリット開口部400を備える。軸204は、カートリッジ106の中空の円筒形ハウジング部分203内に中心で支持される。しかし、軸の直径は、上記の実施形態より小さい。
【0077】
プランジング・アーム501およびプランジング・ヘッド502を備えるプランジャ配置500が、中空の円筒形ハウジング部分203内のプランジング開口部(図示せず)に隣接して設けられる。プランジング開口部(図示せず)は、スリット開口部400の隣に位置する。プランジング開口部(図示せず)は、開口部105からちょうど反対側に位置する。プランジャ開口部とスリット開口部400とを組み合わせて、単一の開口部を形成することができる。プランジャ開口部は、プランジング・アーム501によってプランジング・ヘッド502を中空の円筒形ハウジング部分203内部の位置へ押し込むことが可能になるように構成される。
【0078】
カートリッジ106内には複数の試験円板部材が位置しており、その1つを
図17に505として示す。ここでは、同様の要素に対して、前述の図からの参照番号が保持される。
【0079】
切落し部分302内で円板縁部305から延びるランセット506が設けられる。具体的には、ランセット506は、試験円板部材505の中心に対して径方向に延びる。ランセット506は、第2の位置313付近の第4の位置507から延びる。第4の位置507は、上記の実施形態における対応する第1の位置312より、第2の位置313から遠くに位置する。しかし、ランセット506は試験円板部材505に対して径方向であるため、ランセット506の遠位端506A、すなわち試験円板部材505の中心から最も遠い端部は、ランセット309の対応する端部とほぼ同じ位置にある。
【0080】
試験円板部材505の大部分は、実質上剛性である。しかし、環状の中心部分508は、弾性的に変形可能な材料から構成される。具体的には、環状の中心位置508は、外部から加えられる力の存在下で変形可能である。これは、以下でより詳細に説明するように、軸204に対して試験円板部材505を変位させることができることを意味する。環状の中心部分508を形成するために使用される材料は、任意の適した形態をとることができ、たとえばゴム加工されたプラスチックとすることができる。
【0081】
図18では、中空の円筒形ハウジング部分203は図から省略されている。
図18では、試験円板部材505は、ランセット506が開口部105と一致する位置へ回転した状態で示す。プランジング・ヘッド502は、試験円板部材505と位置合わせされ、その結果、プランジング・アーム501の長手方向軸に沿ったプランジャ配置500の動きにより、プランジング・ヘッドが試験円板部材505に接触して力を加えることを理解することができる。プランジング・アーム501の長手方向軸は、軸204に対して径方向であるため、プランジャ配置によって加えられる力は、軸204の方へ誘導される。
【0082】
図19では、プランジャ配置500に力を加えてプランジャ配置500を所定の量だけ変位させた後の配置を示す。ここで、プランジング・ヘッド502は、試験円板部材のうち、ランセット506から反対側で、試験円板部材505に接触している。環状の中心部分508は、プランジャ配置500によって力が供給される方向に、試験円板部材505全体を変位させることを可能にするために、プランジャ配置500に最も近い側で圧縮されている。試験円板部材505は、スペーサ部材308によって水平のまま留まる。
【0083】
プランジャ配置500によって力が供給される方向に試験円板部材505を変位させる結果、軸204から離れて径方向にランセット506の変位が生じている。この位置で、ランセット506は、使用者の指の皮膚に貫入する。プランジャ配置500によって力を除去することで、環状の中心部分508は、弾性的な復元によって、元の形態に戻ることが可能になる。プランジャ配置500が完全に後退した後、配置は再び
図18に示す形態を有する。ここで、試験円板部材505は元の位置にあり、ランセット506は使用者の指から後退されている。プランジャ配置500を通じて加えられた力が除去された後、試験円板部材505の環状の中心部分508の弾性により、試験円板部材505がこの位置に戻ることが可能になることが理解されよう。
【0084】
プランジャ配置500によって供給された力の除去後、試験円板部材505は、使用者の指を絞り、次いで血液収集部分315において血液を収集するように、駆動輪201および駆動ベルト202によって回転させることができる。血液収集部分315の位置を、
図20に示す。血糖レベルの測定が行われた後、試験円板部材505はさらに反時計回りに回転され、その結果、第2の案内部材206が切欠き301と位置合わせされ、したがって試験円板部材505がカートリッジ106内で上方へ動くことが可能になる。その結果、第1の試験円板部材505の真下に位置する試験円板部材509もまた、カートリッジ106内で上方へ動き、開口部105、スリット開口部400、およびプランジャ開口部(図示せず)と一致するように提供される。その後、プランジャ配置500によってプランジング力を加えることで、
図21に示すように、第2の試験円板部材509のランセット506を開口部105から押し出す。このプロセスは、カートリッジ106内に含まれる他の試験円板部材に対しても繰り返すことができる。
【0085】
図16〜21に示す配置の利点は、回転配置を使用しながら、ランセット506がランセット506に対して長手方向に使用者の皮膚に貫入することを可能にすることができることである。別の利点は、指の端部の側面上でわずかに穿刺を行うのではなく、任意の所望の場所で、たとえば使用者の指の端部上で、穿刺を行うことができることである。
【0086】
別の利点は、この配置により、ランセット506の貫入深さを容易に予測可能とすることができることである。
【0087】
さらに、この配置により、貫入または穿刺深さを調整可能とすることが可能である。具体的には、貫入深さの調整は、軸204の方へのプランジャ配置の動きを制限する機械的な配置によって実現することができる。別法として、貫入深さの調整は、機構の一部の場所または変位を測定し、プランジャ配置500の動きに影響を与えるために使用されるソレノイドまたは他の変換器に対する励磁電圧の印加を止めることによって、電気機械的に実現することができる。ランセットの貫入は通常痛みを伴うため、貫入深さの制御は多くの使用者にとって重要であり、貫入深さの制御により、使用者は、経験をある程度制御することが可能になる。
【0088】
試験円板部材600の代替形態を、
図22に示す。同様の要素に対して、前述の実施形態からの参照番号が保持される。
【0089】
試験円板部材600は、主に湾曲したランセット601を使用する点で、
図7に示す試験円板部材208とは異なる。湾曲したランセット601は、切落し部分302が始まる第2の位置313に比較的近接している位置602で、円板縁部305から突出する。
【0090】
湾曲したランセット601のうち、円板縁部305に隣接している部分では、湾曲したランセット601の長手方向軸は、湾曲したランセット601と円板縁部305との間の接合部と、軸204の中心との間に引かれた直線に対して、角度Xをなす。湾曲したランセット601の曲線は、円板縁部305から離れた端部における湾曲したランセットの長手方向軸が、湾曲したランセット601と円板縁部305との間の接合部と、軸204の中心との間に引かれた線に対して、角度Xより大きい角度をなすような曲線である。その影響で、湾曲したランセット601は、円板縁部305に隣接している端部より、その遠位端で、試験円板部材600の円周と位置合わせされる。これには、試験円板部材600の回転によりランセットが使用者の指または他の身体部分に貫入するとき、使用者の指に貫入するにつれてランセットがとる経路が、まっすぐなランセットを有する対応する配置で経験される場合より、ランセットの形状および向きとより密接に整合するという良い影響がある。
【0091】
この影響は、ランセット601の円筒形の形状が遠位端で斜めの切断によって終端するため、ランセット601によって向上される。具体的には、湾曲したランセット601の遠位端は、円筒の長手方向軸に対して直角でない角度で切断された円筒に類似している。したがって、湾曲したランセット601の端面は、長円の形状を有する。長円は、半長軸および半短軸を有し、半長軸のうち、円板縁部305から最も遠い端部に位置する点が、先端を形成する。切断は、試験円板部材600に対して実質上円周方向に延びる先端が形成されるように、ランセット601によって行われる。
【0092】
試験円板部材208〜210、505、600の構成は、動作の結果、ランセット309によって使用者の指内の穿刺部が搾られるような構成である。具体的には、開口部105は、使用者が指を開口部105に押し付けたとき、使用者の指の端部を構成する肉の量が円筒形部分203の内容積内に存在することが可能になるように構成される。使用者が、指で開口部105内に力を加えたとき、指は歪み、中空の円筒形ハウジング部分203の内径内に球状部分が提供される。球状部分の寸法、具体的には球状部分の高さは、使用者の指の身体的特性および使用者が加える力の量、ならびに開口部105の構成を含む複数の要因に依存する。
【0093】
開口部105は、通常の使用(すなわち、典型的な使用者が典型的な量の力を加える)の際に、使用者の指の球状部分が中空の円筒形ハウジング部分203の内容積内へ、約1ミリメートルの深さまで延びるように寸法設定される。試験円板部材208〜210、505、600は、ランセット309が使用者の指を切開できる位置にあるときに、円板縁部305が使用者の指に接触していない(すなわち、円板縁部305と開口部105との間の離隔距離が1mmより大きい)ような形状の切落し部分302を有するように構成される。切落し部分302のこの部分を、第1の搾出部分と呼ぶことができる。この位置で、使用者によって及ぼされる圧力の結果、指の球状部分内の流体圧力は、正常圧力よりわずかに大きくなる。圧力の増大は、使用者が指に加える力に起因する。この圧力は、ランセット309によってもたらされた穿刺部の出血を促進する。有利には、関連する特性の配置は、ランセット309が0.4〜0.7ミリメートルの深さまで使用者の指に貫入するような配置である。
【0094】
次いで試験円板部材208〜210、505、600が反時計回りに回転すると、ランセット309は使用者の指から取り外される。その直後、使用者の指の球状部分の端部は、切断部分203に沿った経路の約3分の1〜5分の2の位置で、円板縁部305に接触する。この部分を、第2の搾出部分と呼ぶことができる。試験円板部材208〜210、505、600は、第2の搾出部分に対して実質上一定の半径を有し、第2の搾出部分は、切落し部分302に沿った経路の約3分の2または5分の4の位置まで延びる。試験円板部材208〜210、505が回転するとき、使用者の指がランセット309に接触していた時間と比較すると、第2の搾出部分が使用者の指の球状部分と一致する時間にわたって、使用者の指の球状部分の内圧は増大する。さらに、円板縁部305が指の球状部分と接触してその上を覆うと、皮膚の下の血液は、ランセットによってもたらされた穿刺部の方へ押し込まれる。
【0095】
第2の搾出部分と血液収集部分315の場所との間では、試験円板部材208〜210、505、600の半径が低減され、言い換えればより低い値を有する。この部分を、第3の搾出部分と呼ぶことができる。したがって、第2の搾出部分後、使用者の指が血液収集部分315に接触する前に、円板縁部305によって使用者の指の球状部分に加えられる圧力は、第2の搾出部分に加えられる圧力と比較すると低減される。有利には、第3の搾出部分における試験円板部材208〜210、505、600の半径は、使用者の指の球状部分が円板縁部305に接触しない(すなわち、円板縁部305と開口部105との間の離隔距離が1mmより大きくなる)ように選択される。試験円板部材208〜210、505、600が回転すると、第3の搾出部分が使用者の指と一致する一方で、血液は、ランセット309によって作られた穿刺部から自由に退出することができる。試験円板部材208〜210、505、600が引き続き回転すると、円板縁部305は、血液収集部分315の直前の場所で、使用者の指の球状部分に再び接触する。これにより、使用者の指の球状部分内の内圧が再び増大する。これにより、分析物測定部分316の方へ流れる血液の動きが促進される。血液収集部分315の場所における円板縁部305と開口部105との間の離隔距離は、約0.5mmである。
【0096】
したがって、試験円板部材208〜210、505、600の構成は、使用者の指からの血液サンプルの搾出を促進する。このシーケンスは、次のとおりである。第1に、ランセット309によって比較的低い圧力(円板縁部305および使用者の指と接触しないことによってもたらされる)で切開し、それに続く期間では、比較的低い量の圧力ならびにこする動きが第2の搾出部分によって使用者の指に与えられ、それに続く期間では、円板縁部305によって使用者の指に対してほとんどまたはまったく圧力が与えられず、それに続いて、血液収集部分315の直前および血液収集部分315において、円板縁部305によって使用者の指に対して比較的高い圧力が与えられる。
【0097】
血糖メータ100の動作について、
図23の流れ図を参照して次に説明する。動作は、工程S1で開始する。工程S2で、使用者は、開口部105内に指を配置する。上記のように、使用者は、切開および血液収集を可能にするのに適した圧力または力で開口部105内へ指を押し込む。工程S3で、使用者は、血糖測定を開始する。これには、使用者が入力101〜103の1つを押すことを伴う。これは、キー・インターフェース215を介してマイクロプロセッサ212によって検出される。ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアは、キー入力を使用して、機能を呼び出し、またはソフトウェア・モジュールを実行する。次いで、ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアは、マイクロプロセッサ212に、軸204を時計回りの方向に回転させるためのコマンドを、モータ・インターフェース217を通って、駆動輪201に取り付けられたモータへ発行させる。ソフトウェア/ファームウェアは、回転の範囲を制御する。工程S4で、回転量は、ランセット309で使用者の指を切開するのに十分になる。次いで、工程S5で、ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアは、マイクロプロセッサ212に、軸204を逆方向に回転させるようにモータを制御させる。工程S6で、試験円板部材が反時計回りに回転するとき、搾出が行われる。第1に、工程S6Aでは、試験円板部材によって指に圧力が加えられていない。工程S6Bで、中程度の量の圧力が指に加えられる。工程S6Cでは、試験円板部材によって指に圧力がほとんどまたはまったく加えられていない。この時点で、指は、試験円板部材のうち、血液収集部分315の直前の部分と一致する。
【0098】
工程S7で、軸214が、血液収集部分315が開口部105、したがって使用者の指と一致するような軸であるとき、ソフトウェア/ファームウェアは、マイクロプロセッサ212に、回転を止めるようにモータを制御させる。工程S8で、ソフトウェア/ファームウェアは、スイング・アーム401を軸204の方へ回転させるように、モータを制御する。ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアは、マイクロプロセッサ212がスイング・アーム401の必要な量の行程のみをもたらすようなソフトウェア/ファームウェアである。この時点で、分析物インターフェース回路219は、血液分析物測定部分316に直接カップリングされており、血液分析物測定部分316には、血液収集部分315の作用によって、使用者の指からの血液が提供されている。工程S9で、分析物測定が実行される。これには、分析物インターフェース回路219が、電気接続接点318へ、したがって血液分析物測定部分316へ電圧を与え、その結果得られる信号のパラメータを測定することを伴う。測定されたパラメータ、特に電圧パラメータは、ROM214内に記憶されてプロセッサ212によって実行されるソフトウェア/ファームウェアによって、使用者の血糖測定レベルを計算するために使用される。次いで、血糖測定は、ディスプレイ・ドライブ216上のマイクロプロセッサ212の作用を通じて、ソフトウェア/ファームウェアによってディスプレイ104上に表示される。工程S10で、スイング・アームは、ROM214内に記憶されたソフトウェアの制御を受けたマイクロプロセッサ212、モータ・インターフェース217、およびモータ(図示せず)の作用によって取り外される。
【0099】
工程S11で、ソフトウェア/ファームウェアにより、マイクロプロセッサ212は、反時計回りに回転するように駆動円板201を制御する。回転は、試験円板部材上の切欠き301がガイド206と一致するまで継続する。工程S12で、試験円板部材は、カートリッジ106を上昇させる。カートリッジ106の上への試験円板の付勢が、付勢手段、たとえばばねによって与えられる場合、工程S12では、ソフトウェア/ファームウェアおよびマイクロプロセッサ212の一部に対する作用を必要としないが、次の工程の前に休止を入れることができる。軸204に沿った試験円板部材の動きが駆動作用によって行われる実施形態では、工程S12には、ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアの制御を受けたマイクロプロセッサ212が、モータ・インターフェース217を通じてモータを制御することが伴う。その後、工程S13で、マイクロプロセッサ212は、ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアの制御を受けて、軸204を時計回りの方向に再び回転させ、駆動ドッグ320がカートリッジ106内で次の試験円板部材の駆動スロット307に係合すると回転を止める。この段階で、試験円板部材は、カートリッジ106をわずかに上昇させる。
【0101】
図24は、
図16〜21を参照して説明する血糖メータ100の動作を示す。
【0102】
動作は、工程T1で開始する。工程T2で、使用者は、開口部105内に指を配置する。上記のように、使用者は、切開および血液収集を可能にするのに適した圧力または力で開口部105内へ指を押し込む。工程T3で、使用者は、血糖測定を開始する。これには、使用者が入力101〜103の1つを押すことを伴う。これは、キー・インターフェース215を介してマイクロプロセッサ212によって検出される。ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアは、キー入力を使用して、機能を呼び出し、またはソフトウェア・モジュールを実行する。次いで、ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアは、マイクロプロセッサ212に、軸204を時計回りの方向に回転させるためのコマンドを、モータ・インターフェース217を通って、駆動輪201に取り付けられたモータへ発行させる。ソフトウェア/ファームウェアは、回転の範囲を制御する。
【0103】
工程T3後、工程T4Aで、マイクロプロセッサ212は、ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアの制御を受けて、モータ・インターフェース217を通じてモータによって軸204を回転させ、ランセット508が開口部105と位置合わせされ、したがって使用者の指と位置合わせされた後に回転を止める。工程T4Bで、マイクロプロセッサ212は、ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアの制御を受けて、モータ・インターフェース217を通じてプランジャ配置500を作動させる。プランジャの作動の制御は、ランセット508の動きの範囲を所定の範囲に制限するように行われる。所定の範囲は、血糖測定前に、キー102、103の動作を通じて使用者によって設定される。実質的には、使用者は、キー102、103を使用して、切開深さを設定することができ、これは、ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアの制御を受けて動作するマイクロプロセッサ212の作用によって、適した方法でROM214内に記憶される。
【0104】
工程T4Bで、最大のプランジャ作動範囲に到達したとき、工程T4Cで、プランジャ配置500は、ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアの制御を受けてマイクロプロセッサ212によって作動停止され、切開は止まる。この工程では、試験円板部材は、試験円板部材508の環状の中心部分508の弾性の作用によって元の位置に戻る。
【0105】
これらの図、特に
図7には、3つの伝導トラック317および3つの伝導パッド318が示されているが、これは単なる例示であることが理解されよう。代わりに、2つの伝導トラック317および2つの伝導パッド318のみを有することができ、または別法として、4つ以上の伝導トラックおよび伝導パッドを有することもできる。
【0106】
次いで、工程T5で、ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアは、マイクロプロセッサ212に、軸204を逆方向に回転させるようにモータを制御させる。工程T6で、試験円板部材が反時計回りに回転するとき、搾出が行われる。第1に、工程T6Aでは、試験円板部材によって指に圧力が加えられていない。工程T6Bで、中程度の量の圧力が指に加えられる。工程T6Cでは、試験円板部材によって指に圧力がほとんどまたはまったく加えられていない。この時点で、指は、試験円板部材のうち、血液収集部分315の直前の部分と一致する。
【0107】
工程T7で、軸214が、血液収集部分315が開口部105、したがって使用者の指と一致するような軸であるとき、ソフトウェア/ファームウェアは、マイクロプロセッサ212に、回転を止めるようにモータを制御させる。工程T8で、ソフトウェア/ファームウェアは、スイング・アーム401を軸204の方へ回転させるように、モータを制御する。ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアは、マイクロプロセッサ212がスイング・アーム401の必要な量の行程のみをもたらすようなソフトウェア/ファームウェアである。この時点で、分析物インターフェース回路219は、血液分析物測定部分316に直接カップリングされており、血液分析物測定部分316には、血液収集部分315の作用によって、使用者の指からの血液が提供されている。工程T9で、分析物測定が実行される。これには、分析物インターフェース回路219が、電気接続接点318へ、したがって血液分析物測定部分316へ電圧を与え、その結果得られる信号のパラメータを測定することを伴う。測定されたパラメータ、特に電圧パラメータは、ROM214内に記憶されてプロセッサ212によって実行されるソフトウェア/ファームウェアによって、使用者の血糖測定レベルを計算するために使用される。次いで、血糖測定は、ディスプレイ・ドライブ216上のマイクロプロセッサ212の作用を通じて、ソフトウェア/ファームウェアによってディスプレイ104上に表示される。工程T10で、スイング・アームは、ROM214内に記憶されたソフトウェアの制御を受けたマイクロプロセッサ212、モータ・インターフェース217、およびモータ(図示せず)の作用によって取り外される。
【0108】
工程T11で、ソフトウェア/ファームウェアにより、マイクロプロセッサ212は、反時計回りに回転するように駆動円板201を制御する。回転は、試験円板部材上の切欠き301がガイド206と一致するまで継続する。工程T12で、試験円板部材は、カートリッジ106を上昇させる。カートリッジ106の上への試験円板の付勢が、付勢手段、たとえばばねによって与えられる場合、工程T12では、ソフトウェア/ファームウェアおよびマイクロプロセッサ212の一部に対する作用を必要としないが、次の工程の前に休止を入れることができる。軸204に沿った試験円板部材の動きが駆動作用によって行われる実施形態では、工程T12には、ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアの制御を受けたマイクロプロセッサ212が、モータ・インターフェース217を通じてモータを制御することが伴う。その後、工程T13で、マイクロプロセッサ212は、ROM214内に記憶されたソフトウェア/ファームウェアの制御を受けて、軸204を時計回りの方向に再び回転させ、駆動ドッグ320がカートリッジ106内で次の試験円板部材の駆動スロット307に係合すると回転を止める。この段階で、試験円板部材は、カートリッジ106をわずかに上昇させる。
【0110】
血液収集部分315を第3の位置314の隣に配置する代わりに、すなわち円板縁部305のうち、純粋に円周の部分だけに接するのではなく、血液収集部分は、切落し部分302と円周部分との間の接合部で円板縁部305上に位置することもできる。この例で、血液収集部分315は、切落し部分302で円板縁部305に沿って0.5mm〜2mmにわたって延びることができる。この例で、血液収集部分315はまた、円周部分で円板縁部305に沿って0.5mm〜2mmにわたって延びることもできる。
【0111】
別法または追加として、分析物測定部分316は、2層の吸上げ材料間に挟むことができ、吸上げ材料は、分析物測定部分316を通って血液を引き込む。
【0112】
上記では、軸204は、駆動ベルト202によって軸204にカップリングされた駆動輪201によって駆動されると述べたが、駆動は、直接的に行うこともでき(すなわち、駆動機構が軸204に直接カップリングされる)、または切欠き付きのベルト、V字状のベルト、もしくは直結歯車機構によって、連結を行うこともできる。電気モータの代わりに、時計仕掛けのドライブを使用することもできる。時計仕掛けの駆動機構には、複数の利点があり、特に電池もしくは電池チャージャまたは電力供給へのアクセスが制限される。時計仕掛けの機構が使用される実施形態では、使用者は、電池がなくなったためにBGM100が動作を止めないことを確実にすることができる。時計仕掛けの機構は、発展途上国および新興市場にとって特に適したものとすることができる。
【0113】
軸204を駆動するために電気モータが使用される実施形態では、好ましくは、ソフトウェアによってモータに対して制御が及ぼされる。このようにして、回転速度を容易に制御することができる。追加として、回転範囲もより容易に制御することができる。モータは、ステッパ・モータとすることができる。
【0114】
別法として、機械駆動配置は、たとえば手動作動向けのレバーまたは他のデバイスを使用して、存在することができる。適した機構は、SLRカメラ内で以前から使用されているものに類似の機構とすることができる。
【0115】
スイング・アーム401は、任意の適した方法で作動させることができる。たとえば、スイング・アーム401は、軸204と同じモータまたは機構によって駆動させることができる。別法として、スイング・アーム401は、別個のモータによって駆動させることもできる。いずれの場合も、スイング・アーム401の回転には、カム機構またはピンおよびスロット(経路追跡)機構によって影響を与えることができる。電気モータが使用される場合、モータは、好ましくはソフトウェアで駆動される。モータは、好ましくはステッパ・モータである。
【0116】
機械配置は、付勢手段、たとえば機械圧縮ばねを付勢し、次いで解放して、電気接触端子405を定位置へ押し込む機構を含むことができる。次いで、端子405を、回転運動を使用するスイング・アーム401によって後退させることができる。全体的な機構を、掛止型トリガ機構(latch type trigger mechanism)と呼ぶことができる。
【0117】
スイング・アーム401を使用して電気接触端子405を定位置へ回転させる代わりに、円板縁部305上に接触パッド318を配置して、固定の電気接触端子405の使用を可能にすることができる。電気接触端子は、ブラシまたは他の変形可能な特性を含むことができ、その結果、試験円板部材208〜210、505、600は、構成要素のいずれに対しても損傷を与えることなく、電気接触端子に接触しながら動くことができる。類似の配置は、ブラシ付きDCモータ内で使用される。この場合、電気接触端子405は、接触パッド308に接触するように試験円板部材208〜210、505、600の周辺部上に位置する可撓性のフィンガ接点とすることができる。
【0118】
別法として、スイング・アーム401の代わりに、定位置への電気接触端子405の長手方向の動きに影響を与えて接触パッド318に接触させるための機構を使用することができる。
【0119】
伝導トラック317および接触パッド318は、リードフレームによって形成することができる。別法として、オーバーモールディングを使用することもできる。別法として、プリント回路基板(PCB)印刷を使用することもできる。
【0120】
場合により、試験円板部材209、210、505、600は各々、膜(図面には図示せず)によって隣接する試験円板部材から分離される。この場合、膜は、好ましくは、中空の円筒形ハウジング部分203の内面に密接に嵌合する。膜の作用は、円板の相互汚染の可能性を低減することである。膜を使用することで、試験円板部材208〜210、505、600が、膜を使用しない場合より低減された離隔距離を有することを可能にすることができる。
【0121】
上記では、試験円板部材208〜210、505、600は、付勢手段、たとえば圧縮ばねによって上方へ付勢されると述べた。カートリッジの上へ試験円板部材208〜210、505、600を動かす代替機構を使用することができる。たとえば、軸204上に、または別法として中空の円筒形ハウジング部分203の内面上に、ねじ付のリフティング・カムを設けることができる。別法として、試験円板部材208〜210、505、600は、静止したままとすることができ、代わりに開口部105および駆動ドッグ320が、カートリッジ106の軸に沿って動かされる。開口部105の動きは、細長いスロット内で摺動ドアを使用することによって実現することができる。ドアの動きにより、開口部105で異なるストリップを露出させることができる。
【0122】
血液収集部分315が血液を分析物測定部分316の方へ吸い上げるのではなく、血液は、重力によって分析物測定部分316に連通させることができる。
【0123】
追加として、試験円板部材208〜210、505、600は、切開前に指に接触する消毒または洗浄部分を含むことができる。これにより、傷の感染のリスクを低減することができ、また、特に皮膚からあらゆるグルコースを取り除くことによって、精度を増大させることができる(果物を食べた後などに生じうる)。
【0124】
追加または別法として、試験円板部材208〜210、505、600は、血液収集部分315に続いて指に接触するように配置された洗浄部分を含むことができる。これにより、指から追加の血液を取り出すことができ、また、穿刺部の閉鎖を助ける働きをすることができる。
【0125】
図25〜27を次に参照すると、新規な切開技法を用いる代替の配置が示されている。同様の要素に対して、前述の実施形態からの参照番号が保持される。
【0126】
代替の血糖メータ(BGM)100の一部を、
図25に示す。BGMのこの実施形態では、BGM100の前面内に開口部700が形成される。BGM100の上記の実施形態で説明した細長い開口部110(
図1参照)は省略されており、その結果、第1のハウジング部分107がBGM100の前面全体にわたって延びている。開口部700は、第1のハウジング部分107の前面内に形成される。第1のハウジング部分107は、ハウジングの一部を構成する。開口部700は、BGMの高さの約2分の1に位置する。開口部700は、使用者の身体から血液サンプルを抽出する目的で、使用者の身体の一部を受けることが可能になるように構成される。たとえば、開口部700は、指もしくは親指の端部または側部を受けるように寸法設定することができ、または使用者の手の側面もしくは使用者の腕からの1つまみの皮膚を受けるように寸法設定することができる。開口部は、方形の形状とすることができる。その縁部は、使用者の指を特定の場所へ案内するように、面取りすることができる。
【0127】
開口部105は、カートリッジ106の側面内に設けられる。カートリッジは、略円筒形の形状を有し、BGM100内で垂直に配置される。BGM100は、カートリッジ106が第1のハウジング部分107内に受けられたとき、カートリッジ106の側面内に設けられた開口部105が開口部700と位置合わせされるように配置される。したがって、開口部700が使用者の身体の一部を受けるとき、使用者の身体のその部分は、開口部105に配置される。
【0128】
本実施形態では、第1のハウジング部分107内に開口部が形成され、カートリッジ106の側面内に設けられる開口部105が、開口部700と位置合わせされるが、代替の配置では、カートリッジ106内の開口部105は、使用者の身体の一部を受けることが可能になるように構成され、
図1に示すように、第1のハウジング部分107の前面内には、開口部105へのアクセスを提供するための細長い開口部が設けられることが理解されよう。
【0129】
カートリッジ106は、第1のハウジング部分107内の空胴内に受け入れられる。カートリッジ106が空胴から完全に取り外されたとき、次いで古いカートリッジ106が取り外されたのとは逆の方法で、交換用カートリッジを導入することができる。着脱可能な蓋部分(
図1に示す)が交換された後、カートリッジ106は、第1のハウジング部分107および着脱可能な蓋部分の作用によって定位置で保持される。カートリッジ106内の開口部105は、第1のハウジング部分107内の開口部700で提示される。カートリッジ106およびカートリッジを受ける空胴は、開口部700を開口部105と位置合わせするために、突起および溝、円形でない直径などの鍵締め特性を有する。したがって、カートリッジ106が完全に挿入されたとき、開口部700は、開口部105に位置合わせされる。
【0130】
図25〜27では、カートリッジ106は、ハウジングの一部を構成する中空の円筒形ハウジング部分203を有する状態で示す。開口部105は、中空の円筒形ハウジング部分203内に形成される。中空の円筒形部分203と同軸に、細長い軸204が位置する。軸204上には複数の試験円板部材701が取り付けられるが、
図25〜27では、1つのみを見ることができる。試験円板部材701は各々、実質上同じである。試験円板部材701は、略円形の形状を有するが、一方の側のみに、突起702が設けられる。突起702は、搾出部分を構成しており、それについては以下でより詳細に説明する。
【0131】
試験円板部材701は、最上面703と、最下面(
図25〜27では見ることができない)と、円板縁部704とを含む。試験円板部材は、上記の試験円板部材と概して同じ寸法を有する。試験円板部材701の中心に、孔705が形成される。孔705は、試験円板部材701上で中心に位置し、軸204の外径に等しい、またはそれよりわずかに大きい直径を有する円形部分と、孔705の円形部分に当接し、軸204上の駆動ドッグが係合することが可能な縁部を含む駆動切欠き706とを含む。
【0132】
軸204上に、駆動ドッグ320が形成される。駆動ドッグ320は、試験円板部材701の駆動切欠き706に係合する。この係合により、軸204の回転が可能になり、その結果、試験円板部材701の回転が生じる。試験円板部材701は、各試験円板部材701の下側に位置するスペーサ部材によって、隣接する試験円板部材から隔置される。試験円板部材701の回転および動きは、上記の実施形態で説明した動作と概して同じ動作によって実現される。
【0133】
突起702上に、血液収集部分707が配置される。血液収集部分707は、上記の実施形態で説明した血液収集部分に類似している。本実施形態では、血液収集部分707は、突起702上に搾出部分とともに形成される。しかし、血液収集部分707は、上記の実施形態で説明して
図7に示す搾出部分から隔置できることが理解されよう。血液収集部分707は、円板縁部704に接触している血液を、血液収集部分707に隣接している血液分析物測定部分708(
図17参照)へ引き出す機能を有する。突起702によって形成された搾出部分は、使用者の指の球状部分に加えられる圧力を増大させる機能を有する。搾出部分が使用者の指に接触してその上を覆うと、皮膚の下の血液は、ランセットによってもたらされた穿刺部の方へ押し込まれる。
【0134】
試験円板部材701は、最上面703内に形成された凹状区間709を有する。凹状区間709は、試験円板部材701の厚さが低減された区間を画成する。凹状区間709は、円板縁部704から延び、ベース710を有する。ベース710は、試験円板部材701の最上面703に対して平行であるが最上面703から隔置された平面に沿って延びる。円板縁部704から壁711が延び、凹状区間のベース710と試験円板部材701の最上面703との間に段を画成する。壁711は、背部712と、背部712と円板縁部704との間に延びる端部713とを有する。
【0135】
壁711から凹状区間709内へ、作動要素として作用する弾性部材714が延びる。弾性部材714は、試験円板部材701と一体形成される。弾性部材714は、試験円板部材701の残り部分に対して動くように構成された自由端部714Aを有する。試験円板部材701は、下部の円板部分715と、下部の円板部分715の上面に取り付けられた上部の円板部分716とを有する積層体から形成される。上部の円板部分716は、凹状区間709を画成するための切落しを有する。弾性部材714は、上部の円板部分716内に画成された切落し内に延びるアームによって形成される。
【0136】
下部の円板部分715は、上部の円板部分716に取り付けられる。下部の円板部分715の上面の一部分は、凹状区間709のベース710を形成する。上部の円板部分716は、たとえば接着剤を使用することによって、下部の円板部分715に固定して取り付けられる。しかし、弾性部材714は、弾性部材714に作用する力または弾性部材714に作用する力の除去に応答して、試験円板部材に対して自由に偏向できることが理解されよう。
【0137】
上部の円板部分716は、弾性材料から形成され、その結果、弾性部材は、弾性部材714に対する力の印加または除去に応答して偏向することが可能である。下部の円板部分715は、試験円板部材701の偏向を制限するために、剛性を増大させた円板部分から形成することができる。
【0138】
凹状区間は最上面内に形成されているが、凹状区間は、最下面内に形成することができることが理解されよう。前述の実施形態の試験円板部材は、上部および下部の円板部分の積層体から形成される。しかし、試験円板部材を単一の円板部分から形成し、その中に凹状区間を形成できることが理解されよう。さらに、弾性部材714は、一方の端部で円板部分に固定して取り付けることができる。これにより、試験円板部材701に対して異なる弾性特性を有する材料から弾性部材714を形成することが有効になる。
【0139】
凹状区間709内には、切開部材718が旋回式に取り付けられる。切開部材718のピボット軸は、軸204の長手方向軸に対して平行に延びるが、そこから隔置される。切開部材718は、ピボット・ピン719によって、凹状区間709のベース710に旋回可能に取り付けられる。ピボット・ピン719の一方の端部は、試験円板部材内に埋め込まれて、凹状区間709のベースから直立する。切開部材718は、ピボット・ピン719の周りを旋回する。別法として、ピボット・ピン719は、切開部材内に埋め込まれて、凹状区間のベース内に形成された孔の中で回転する。切開部材718は、自由に回転することができ、その結果、切開部材718の遠位端720は、円板縁部704から延びる。上面と底面との間の切開部材718の厚さは、凹状区間709の深さに相当し、またはそれより小さい。したがって、切開部材718は、試験円板部材の703の最上面から突出しない。
【0140】
試験円板部材208の下部部分715および上部部分716の各々の直径は等しい。凹状区間709の深さは、円板の厚さの約2分の1である。
【0141】
切開部材718は細長く、切開部材718のピボット軸は切開部材718の一方の端部に対してずれており、その結果、切開部材718の遠位端720は、ピボット軸の周りを回転することが可能である。以下で詳細に説明するように、切開部材718は、弾性部材714に接して位置するように構成された内側のカム面721と、カートリッジ106の内面723に接して位置するように構成された外側のカム面722とを有する。外側のカム面722は、カムとして作用する。外側のカム面722は弧状であり、凹面を形成する。内側のカム面721は弧状であり、凹面を形成する。
【0142】
切開部材718から突出するランセット309が示されている。ランセット309は、切開部材718の遠位端720に設けられる。ランセット309は、切開部材718の材料内に埋め込まれており、切開部材718から外方へ延びる鋭利な先端を有する。ランセット309は、切開部材718の内側のカム面721から延び、その結果、ランセット309は、カートリッジ106の内面723に接触しない。ランセット309は、ピボット軸切開部材718から実質上径方向に延びる。
【0143】
動作について、
図25〜27を参照しながら次に説明する。
【0144】
図25に示すように、試験円板部材701は同じ向きで始まり、第1の試験円板部材208が最上に位置する。試験円板部材の動作および動きは、上述して
図1〜24に図示した実施形態の場合と概して同じであり、したがって詳細な説明は省略する。さらに、
図25〜27では、案内部材および切欠きを図示しない。
【0145】
図25で、試験円板部材701は、最初の後退位置に配置されている。この位置で、ランセット309は、開口部105と同じ位置にない。したがって、ランセット309は、この位置では動作しない。言い換えれば、ランセット309はこの位置で、ハウジングの一部を構成する中空の円筒形部分203によって遮蔽される。
【0146】
作動要素として作用する弾性部材714の自由端部714Aが、切開部材718に接して位置する。弾性部材714は、切開部材718の背面に作用し、切開部材718を付勢して、ピボット・ピン719によって画成されたそのピボット軸の周りを旋回させる。弾性部材714は、試験円板部材701の中心から離れるように切開部材718を付勢する。切開部材718は、カートリッジ107の内面723に接して位置する。弾性部材714は、内面723に接するように切開部材718の遠位端を付勢する。切開部材は、遠位端が内面723に接して位置することで、そのピボット軸の周りを旋回しないようになっている。
【0147】
図25に示す位置から、軸204は、時計回りの方向に回転させられる。駆動ドッグ320は、試験円板部材701の孔705の駆動切欠き706に係合し、したがって軸204の回転を可能にし、その結果、試験円板部材701の回転が生じる。切開部材718は、試験円板部材701の回転軸の周りを試験円板部材701とともに回転する。しかし、切開部材718は、内面723によって、試験円板部材701に対して旋回しないようになっている。切開部材718は、試験円板部材701が回転するにつれて、カートリッジ107の内面723に沿って摺動する。カートリッジ107の円筒形の内面723は、切開部材718が試験円板部材701に対して旋回するのを防止する。ランセット309は、切開部材718の内側のカム面721から延びる。したがって、ランセット309は、カートリッジ107の内面723から離れて隔置される。ランセット309の向きは、ランセット309が内面723に衝突するのを防止する。
【0148】
試験円板部材701の回転により、開口部105の前に位置する切開部材718は、
図26に示す中間位置へ動かされる。カートリッジ107の内面723に接触している切開部材718の外側のカム面722が、開口部105の縁部105Aに沿って摺動して縁部105Aを越えると、切開部材718は、試験円板部材701の中心から離れる方向に旋回することが可能である。切開部材718が開口部105の縁部に対して摺動すると、弾性部材714は、試験円板部材701の中心から離れる方向に切開部材718を付勢する。試験円板部材701がさらに回転すると、外側のカム面722の弧が開口部の縁部105Aに沿って摺動するため、弾性部材714は切開部材をそのピボット軸の周りで旋回させる。切開部材718の旋回運動により、ランセットは開口部105の方へ変位させられる。したがって、ランセット309は、開口部105内へかつ/または開口部105を通って延びる。
【0149】
したがって、使用者の皮膚で覆われた部分(以下、便宜上、この部分を使用者の指と呼ぶ)が、ランセット309によって切開される。これにより、指の皮膚内に穿刺部が生じ、血液は穿刺部を通って漏れることができる。
図27は、ランセット309が使用者の指を切開するように動作可能になる位置へ回転させた試験円板部材701を示す。壁711の端部713は、切開部材718の回転を制限するための端部止め具として作用する。外側のカム面722は、端部713に当接して回転を制限する。軸204は、所定の量だけ回転させられ、したがってランセット309の最大行程範囲が制御される。当業者には理解されるように、使用者の指の中へのランセット309の貫入は、複数の要因に依存する。回転量、したがって貫入の深さは、使用者によって画成可能とすることができる。貫入の深さはまた、切開部材718の長さおよび弾性部材714の弾性に依存する。
【0150】
図25〜27に示す実施形態の利点は、試験円板部材701の回転配置を使用しながら、ランセット309がランセット309に対して長手方向に使用者の皮膚に貫入することを可能にすることができることである。別の利点は、指の端部の側面上でわずかに穿刺を行うのではなく、任意の所望の場所で、たとえば使用者の指の端部上で、穿刺を行うことができることである。
【0151】
その後、軸204は、反時計回りの方向に回転するように制御される。これにより、切開部材718は、開口部105の縁部105Aに沿って摺動させられる。切開部材718の遠位端は、試験円板部材701の中心の方へ旋回する。切開部材718、したがってランセット309の経路は、切開部材718の外側のカム面722が開口部105の縁部105Aに対して摺動するプロファイルによって画成される。切開部材718が旋回することで、ランセット309が使用者の指から取り外され、開口部105から離れるように後退させられる。
【0152】
次いで、切開部材718は、カートリッジ106の内面723に沿って摺動する。試験円板部材701が反時計回りの方向に引き続き回転すると、突起702によって画成された搾出部分および血液収集部分708は、開口部105と位置合わせされる。この時点で、増大された圧力が指に加えられ、血液が穿刺部から排出されるのを促進する。ここで、回転が止まる。この場所で、ランセット309および使用者の指にかかる増大された圧力によって使用者の指から排出させられた血液は、血液収集部分707によって収集される。
【0153】
上記の実施形態で説明したように、適した時点で、軸204は反時計回りの方向にさらに回転させられ、その結果、試験円板部材は上方へ動かされる。
【0154】
図28〜30を次に参照すると、新規な切開技法を用いる代替の配置が示されている。同様の要素に対して、前述の実施形態からの参照番号が保持される。この配置の試験円板部材は、上記の実施形態の試験円板部材と概して同じであり、したがって、ここでは詳細な説明を省略する。
【0155】
図28〜30では、第1のハウジング部分107内の空胴内に配置されたカートリッジ106が示されている。開口部105は、カートリッジ106の中空の円筒形ハウジング部分203内に形成される。軸204上には複数の試験円板部材750が取り付けられるが、
図28〜30では1つのみを見ることができる。試験円板部材750は、略円形の形状を有し、一方の側に突起702が設けられる。突起702は搾出部分を構成し、突起702上に血液収集部分707が配置される。
【0156】
図28〜30に示す試験円板部材750は、
図25〜27に示す試験円板部材701と概して同じ配置および特性を有しており、したがって、ここでは詳細な説明を省略する。さらに、試験円板部材750の回転および動きは、上記の実施形態で説明した動作と概して同じ動作によって実現される。試験円板部材750の中心に、孔750Aが形成される。孔750Aは、試験円板部材750上で中心に位置し、軸204の外径に等しい、またはそれよりわずかに大きい直径を有する円形部分と、孔750Aの円形部分に当接し、軸204上の駆動ドッグ(
図28〜30には図示せず)が係合することが可能な縁部を含む駆動切欠き(
図28〜30には図示せず)とを備える。
【0157】
試験円板部材750は、最上面703内に形成された凹状区間709を有する。凹状区間709は、厚さが低減された区間を画成する。凹状区間709は、円板縁部704から延び、ベース710を有する。ベース710は、試験円板部材750の最上面703に対して平行であるが最上面703から隔置された平面に沿って延びる。円板縁部704から壁711が延び、凹状区間のベース710と試験円板部材750の最上面703との間に段を画成する。壁711は、背部712と、背部712と円板縁部704との間に延びる端部713とを有する。
【0158】
凹状区間709内には、切開部材751が旋回式に取り付けられる。切開部材751のピボット軸は、軸204の長手方向軸に対して平行に延びるが、そこから隔置される。切開部材751は、ピボット・ピン752によって、凹状区間709のベース710に旋回可能に取り付けられる。ピボット・ピン752の一方の端部は、試験円板部材内に埋め込まれて、凹状区間709のベースから直立する。切開部材751は、ピボット・ピン752の周りを旋回する。別法として、ピボット・ピン752は、切開部材751内に埋め込まれ、凹状区間のベース内に形成された孔の中で回転する。切開部材751の厚さは、凹状区間709の厚さの深さに相当し、またはそれより小さい。したがって、切開部材751は、試験円板部材の703の最上面から突出しない。
【0159】
切開部材751は細長く、ピボット軸は一方の端部に対してずれており、その結果、切開部材751の遠位端は、ピボット軸の周りを回転することが可能である。切開部材751は、カートリッジ106の内面723に接して位置するように構成された外側のカム面753を有する。外側のカム面753は、外縁部754および傾斜部分755を有する。
【0160】
切開部材751の遠位端には、切開部材751の外側で外側のカム面753に隣接して、切断部755が形成される。切開部材718から、ランセット309が突出する。ランセット309は、切開部材718内に形成された切断部755内に設けられる。ランセット309は、切開部材718の材料内に埋め込まれており、切開部材718から外方へ延びる鋭利な先端を有する。ランセット309は、切開部材751のピボット軸に対して実質上直角に延びる。切開部材751は、切欠部内に延び、その結果、ランセット309は、カートリッジ106の内面723に接触しない。ランセット309は、軸204の長手方向軸から実質上径方向に延びる。
【0161】
作動要素として作用する弾性部材756が、切開部材751の背面757から延びる。弾性部材756は、切開部材751の背面757に固定して取り付けられる。本実施形態では、弾性部材756は螺旋ばねである。しかし、代替の弾性手段、たとえばゴム要素を使用できることが理解されよう。弾性部材756は、試験円板部材750の凹状区間709内で、壁711の背部712に接して位置するように構成される。弾性部材756は、切開部材751のピボット軸から隔置され、その結果、切開部材751に回転力を加えることができる。
【0162】
弾性部材756は、切開部材751に固定して取り付けられ、凹状区間709の壁711の方へ延びて壁711に接して配置可能であるが、代替実施形態では、弾性部材756は、凹状区間709の壁711に固定して取り付けられ、切開部材751の背面757の方へ延び、背面757に接して配置可能であることが理解されよう。弾性部材756はまた、壁711と切開部材751との間に固定して取り付けることもできる。この配置の利点は、弾性部材756を使用して切開部材751が旋回可能な角度を制限できることである。
【0163】
動作について、
図28〜30を参照しながら次に説明する。
【0164】
図28に示すように、試験円板部材750は同じ向きで始まり、第1の試験円板部材750が最上に位置する。試験円板部材の動作および動きは、上述して
図1〜27に図示した実施形態の場合と概して同じであり、したがって詳細な説明は省略する。さらに、
図28〜30では、案内部材および切欠きを図示しない。
【0165】
図28で、試験円板部材750は、後退位置に配置されている。したがって、ランセット309は、この位置では動作しない。切開部材751の外側のカム面753の外縁部754は、カートリッジ107の内面723に接して位置する。作動要素として作用する弾性部材756は、切開部材751の背面から延び、切開部材751と壁711との間で圧縮される。弾性部材756は、切開部材751の背面に作用し、切開部材751を付勢して、ピボット・ピン752によって画成されたそのピボット軸の周りを旋回させる。弾性部材756は、試験円板部材701中心から離れるように切開部材751を付勢する。弾性部材756は、内面723に接するように切開部材718の外側のカム面753の外縁部754を付勢する。
【0166】
次いで、軸204は、上記の実施形態で説明したように、時計回りの方向に回転させられる。切開部材751は、試験円板部材750の回転軸の周りを試験円板部材750とともに回転する。しかし、切開部材751は、外縁部754が内面723に接して位置することによって、ピボット軸の周りを試験円板部材750に対して旋回しないようになっている。外縁部754は、試験円板部材701が回転するにつれて、カートリッジ107の内面723に沿って摺動する。ランセット309は、切開部材751内の切断部755内に延び、したがって、カートリッジ107の内面723から隔置される。したがって、ランセット309は、内面723に衝突しないようになっている。
【0167】
試験円板部材750の回転により、切開部材の外側のカム面753の外縁部754は、開口部105の縁部105Aへ動かされる。次いで、ランセット309は、
図26に示すように、中間位置で開口部105と一致する。試験円板部材750が引き続き回転すると、切開部材751の外側のカム面753は、開口部105の縁部105Aに沿って摺動する。したがって、切開部材は、試験円板部材750の中心から離れる方向に旋回する。弾性部材756は、試験円板部材750の中心から離れる方向に切開部材751を付勢する。外側のカム面753のプロファイルおよび角度により、切開部材は、そのピボット軸の周りを旋回させられる。したがって、ランセット309は、開口部105の方へ変位し、開口部105内へかつ/または開口部105を通って延びる。
【0168】
したがって、使用者の皮膚で覆われた部分(以下、便宜上、この部分を使用者の指と呼ぶ)が、ランセット309によって切開される。
図30は、ランセット309が使用者の指を切開するように動作可能になる位置へ回転させた試験円板部材750を示す。軸204は、所定の量だけ回転させられ、したがってランセット309の最大行程範囲は、外側のカム面753が開口部の縁部105Aに接して位置することによって制御される。当業者には理解されるように、使用者の指の中へのランセット309の貫入は、複数の要因に依存する。回転量、したがって貫入の深さは、使用者によって画成可能とすることができる。貫入の深さはまた、切開部材718の長さ、ならびに弾性部材714の弾性および拡大寸法に依存する。
【0169】
図28〜30に示す配置の利点は、試験円板部材750の回転配置を使用しながら、ランセットがランセットに対して長手方向に使用者の皮膚に貫入することを可能にすることができることである。別の利点は、指の端部の側面上でわずかに穿刺を行うのではなく、任意の所望の場所で、たとえば使用者の指の端部上で、穿刺を行うことができることである。
【0170】
その後、軸204は、反時計回りの方向に回転するように制御される。これにより、切開部材751の外側のカム面753は、縁部105Aに沿って摺動させられ、切開部材751の遠位端は、試験円板部材701の中心の方へ旋回させられる。切開部材718が旋回することで、ランセット309が使用者の指から取り外され、開口部105から離れるように後退させられる。
【0171】
次いで、装置の動作は、上記の実施形態に関連して説明した方法と同様に継続する。
【0172】
図31〜33を次に参照すると、新規な切開技法を用いる代替の配置が示されている。同様の要素に対して、前述の実施形態からの参照番号が保持される。この配置の試験円板部材は、上記の実施形態の試験円板部材と概して同じであり、したがって、ここでは詳細な説明を省略する。
【0173】
図31〜33では、第1のハウジング部分107内の空胴内に配置されたカートリッジ106が示されている。開口部105は、カートリッジ106の中空の円筒形ハウジング部分203内に形成される。軸204上には複数の試験円板部材800が取り付けられるが、
図31〜33では1つのみを見ることができる。
【0174】
図31〜33に示す試験円板部材800は、
図1〜30に示す試験円板部材と概して同じ配置および特性を有しており、したがって、ここでは詳細な説明を省略する。さらに、試験円板部材の回転および動きは、上記の実施形態で説明した動作と概して同じ動作によって実現される。しかし、本実施形態では、試験円板部材800は、外側部分801および内側部分802を有する。内側部分802は、円形のプロファイルを有する。内側部分802の中心に、孔803が形成される。孔803は、試験円板部材800上で中心に位置し、軸204の外径に等しい、またはそれよりわずかに大きい直径を有する円形部分と、孔803の円形部分に当接し、軸204上の駆動ドッグが係合することが可能な縁部を含む駆動切欠き(
図31〜33には図示せず)とを備える。
【0175】
外側部分801は、内側部分802の周りを環状に延びる。外側部分801は、環形または円板として形成され、内側部分802と同じ平面上に位置する。
【0176】
試験円板部材800の大部分は、実質上剛性である。しかし、2つの弾性アーム804が、外側部分801と内側部分802との間に延びる。各弾性アーム804は、外側部分801と内側部分802との間を径方向に延びる。弾性アーム804は、外部から加えられた力の存在下で変形可能である。これは、試験円板部材800の外側部分801を軸204に対して変位させることができることを意味する。2つの弾性アーム804は、内側部分802の両側から直径方向に延びる。
【0177】
内側部分802および外側部分801ならびに弾性アーム804は、互いに一体形成される。内側部分802、外側部分801、および弾性アーム804が一体形成される利点は、試験円板部材800を簡単に製造でき、組立てを必要としないことである。試験円板部材は、プラスチック材料、たとえばゴム加工されたプラスチックから形成することができる。
【0178】
弾性アーム804の弾性は、各弾性アーム804の横断面積および形状に依存する。各弾性アーム804の幅および厚さは、所望の弾性を与えるように構成される。しかし、各弾性アーム804の幅および厚さはまた、外側部分801が内側部分802に対してねじれないように構成される。
【0179】
外側部分801は、最上面703内に形成された凹状区間709を有する。凹状区間709は、厚さが低減された区間を画成する。凹状区間709は、円板縁部704から延び、ベース710を有する。円板縁部704から壁711が延び、凹状区間のベース710と外側部分801の最上面703との間に段を画成する。凹状区間709は、外側部分801に沿って2つの弾性アーム804間の中間に位置する。凹状区間709は、外側部分のうち、弾性アーム804に対して実質上直角の領域内に形成される。
【0180】
凹状区間709内には、切開部材805が旋回式に取り付けられる。切開部材805のピボット軸は、軸204の長手方向軸に対して平行に延びるが、そこから隔置される。切開部材805は、ピボット・ピン806によって、凹状区間709のベース710に旋回可能に取り付けられる。切開部材805は、ピボット・ピン806の周りを旋回する。
【0181】
切開部材805は細長く、ピボット軸は一方の端部に対してずれている。
【0182】
切開部材805の側面には、窪み807が形成される。作動要素として作用する対応するタブ808が、カートリッジ106の内面723上に形成される。窪み807は、切開部材805の後端809内に形成される。切開部材805から、ランセット309が突出する。ランセット309は、切開部材805の前端810から突出し、窪み807から隔置される。ランセット309は、窪み807と切開部材805のピボット軸との間に画成される径方向の線に対して実質上直角に突出する。タブ808は、内面723から内方へ突出する。タブ808は、開口部105の縁部105Aに隣接して配置される。
【0183】
切開部材805のピボット軸は、円板縁部704に近接して画成され、その結果、切開部材805は円板縁部704から突出する。
【0184】
動作について、
図31〜33を参照しながら次に説明する。
【0185】
試験円板部材の動作および動きは、上述して
図1〜30に図示した実施形態の場合と概して同じである。したがって、詳細な説明は省略する。さらに、
図31〜33では、案内部材および切欠きを図示しない。
【0186】
図31で、試験円板部材800は、後退位置に配置されている。したがって、ランセット309は、この位置では動作しない。切開部材805が回転させられ、その結果、ランセット309が凹状区間709内に受け入れられる。切開部材805の後端809は、円板縁部704から突出する。後端809は、カートリッジ106の内面723に近接して配置されるが、そこから隔置される。切開部材805内に形成された窪み807は、カートリッジ106の内面723から内方へ突出するタブ808に対向する。
【0187】
次いで、軸204は、上記の実施形態で説明したように、時計回りの方向に回転させられる。試験円板部材800が回転すると、弾性アーム804の剛性のため、外側部分801が内側部分802とともに回転する。切開部材805は、試験円板部材800の回転軸の周りを試験円板部材800とともに回転する。切開部材805の後端809が内面723に当接することによって、切開部材805は試験円板部材800に対して旋回しないように制限される。
【0188】
試験円板部材800の回転により、窪み807が、カートリッジ106の内面723から内方へ突出するタブ808に接触する。タブ808は、内面723から直立しているため、試験円板部材800が回転すると窪み807内に位置する。したがって、タブ808は、切開部材805が試験円板部材800とともに回転するのを制限する。試験円板部材のさらなる回転により、タブ808は切開部材805に力を及ぼし、切開部材805は付勢されて、そのピボット軸の周りを旋回する。タブ808が切開部材805に作用すると、弾性アーム804は付勢されて、弾性的に変形する。したがって、外側部分801は、内側部分802に対して動き、弾性力が切開部材805に作用する。切開部材805は、試験円板部材800の中心から離れる方向に付勢される。
【0189】
試験円板部材800のさらなる回転により、切開部材805はその軸の周りをさらに旋回し、その後、切開部材805のピボット軸が窪み807を越えて径方向に回転する。この時点で、タブ808は窪み807から解放され、切開部材805は自由に回転することができる。試験円板部材800によって切開部材805に径方向に及ぼされる力は、解放される。これにより、切開部材はそのピボット軸の周りを旋回し、ランセット309がはじかれ、その結果、ランセット309は、開口部105の方へ変位し、開口部105内へかつ/または開口部105を通って延びる。
【0190】
したがって、使用者の皮膚で覆われた部分(以下、便宜上、この部分を使用者の指と呼ぶ)が、ランセット309によって切開される。
図33は、ランセット309が使用者の指を切開する位置へ旋回させた切開部材805を示す。当業者には理解されるように、使用者の指の中へのランセット309の貫入は、複数の要因に依存する。
【0191】
図31〜33に示す配置の利点は、試験円板部材750の回転配置を使用しながら、ランセットがランセットに対して長手方向に使用者の皮膚に貫入することを可能にすることができることである。別の利点は、指の端部の側面上でわずかに穿刺を行うのではなく、任意の所望の場所で、たとえば使用者の指の端部上で、穿刺を行うことができることである。本実施形態のさらなる利点、切開力および切開速度は、試験円板部材750の回転速度とは関係なく、使用者の指に制御可能に切開するように決定できることである。
【0192】
その後、軸204は、反時計回りの方向に回転するように制御される。これにより、タブ808は、切開部材805の窪み807内に移動させられる。したがって、切開部材805は付勢されて逆方向に旋回し、最初の位置へ戻る。別法として、穿孔動作に続いて、切開部材805は回転することができ、その結果、切開部材805は引き続き回転して凹状区間709内に落ち込み、タブ808が窪み807内に移動する必要はないことが理解されよう。切開部材805が旋回することで、ランセット309が使用者の指から取り外され、開口部105から離れるように後退させられる。
【0193】
次いで、装置の動作は、上記の実施形態に関連して説明した方法と同様に継続する。
【0194】
2つの直径方向で対向する弾性アームを示すが、代替の配置も可能であることが理解されよう。たとえば、代替の数または配置の弾性アームを使用することができる。さらに、弾性アームは、外側部分と内側部分との間に延び、または外側部分から軸まで延びる、弾性材料から形成された円板に置き換えることができる。
【0195】
図34〜36を次に参照すると、新規な切開技法を用いる代替の配置が示されている。同様の要素に対して、前述の実施形態からの参照番号が保持される。この配置の試験円板部材は、上記の実施形態の試験円板部材と概して同じであり、したがって、ここでは詳細な説明を省略する。
【0196】
図34〜36では、開口部105は、カートリッジ106の中空の円筒形ハウジング部分203内に形成される。試験円板部材850は、略円形の形状を有し、一方の側に突起702が設けられる。突起702は搾出部分を構成し、突起702上に血液収集部分が配置される。
【0197】
図34〜36に示す試験円板部材850は、
図25〜30に示す試験円板部材と概して同じ配置および特性を有しており、したがって、ここでは詳細な説明を省略する。さらに、試験円板部材850の回転および動きは、上記の実施形態で説明した動作と概して同じ動作によって実現される。試験円板部材850の中心に、孔850Aが形成される。孔850Aは、試験円板部材850上で中心に位置し、軸204の外径に等しい、またはそれよりわずかに大きい直径を有する円形部分と、孔850Aの円形部分に当接し、軸204上の駆動ドッグ(
図34〜36には図示せず)が係合することが可能な縁部を含む駆動切欠き(
図34〜36には図示せず)とを備える。
【0198】
試験円板部材850は、最上面703内に形成された凹状区間709を有する。凹状区間709は、厚さが低減された区間を画成する。凹状区間709は、円板縁部704から延び、ベース710を有する。ベース710は、試験円板部材750の最上面703に対して平行であるが最上面703から隔置された平面に沿って延びる。円板縁部704から壁711が延び、凹状区間のベース710と試験円板部材750の最上面703との間に段を画成する。
【0199】
凹状区間709内には、切開部材851が旋回式に取り付けられる。切開部材851のピボット軸は、軸204の長手方向軸に対して平行に延びるが、そこから隔置される。切開部材851は、ピボット・ピン852によって、凹状区間709のベース710に旋回可能に取り付けられる。ピボット・ピン852の一方の端部は、試験円板部材内に埋め込まれて、凹状区間709のベースから直立する。切開部材851は、ピボット・ピン852の周りを旋回する。別法として、ピボット・ピン852は、切開部材851に固定して取り付けられ、凹状区間のベース内に形成された孔の中で回転する。切開部材851の厚さは、凹状区間709の厚さの深さに相当し、またはそれより小さい。したがって、切開部材851は、試験円板部材850の703の最上面から突出しない。
【0200】
切開部材851は細長く、ピボット軸は、切開部材851の一方の端部に対してずれており、その結果、切開部材751の遠位端853は、ピボット軸の周りを回転することが可能である。切開部材851は、凹状区間709の壁711に接して配置可能な内側のカム面854を有する。切開部材851はまた、カートリッジ106の内面723に対向する外側のカム面855を有する。
【0201】
切開部材851から、ランセット309が突出する。ランセット309は、切開部材851の遠位端853に設けられる。ランセット309は、切開部材851の材料内に埋め込まれており、切開部材851から外方へ延びる鋭利な先端を有する。ランセット309は、切開部材851から延び、その結果、ランセット309は、カートリッジ106の内面723に接触しない。
【0202】
作動要素として作用する案内部材856が、カートリッジ106の内面723から延びる。内面723は、開口部105の一方の縁部105Bから延びる案内縁部857を有する。案内部材856は、試験円板部材850の凹状区間709内に位置するように構成されたフランジである。試験円板部材850がカートリッジ106内で上方へ付勢されたとき、凹状区間709のベース710は、案内部材856の下面に接して位置することができる。案内部材856は、試験円板部材の上方運動を制限するように作用することができる。案内縁部857は、開口部105の縁部105Bと試験円板部材の中心との間の径方向の線に対して角度をなして延びる。案内縁部857は、開口部105の後ろの空間内へ突出する。
【0203】
試験円板部材850を通って、凹状区間709のベース710と試験円板部材850の下面との間には、間隙858が形成される。間隙858は、凹状区間709のうち、切開部材851とは反対側の端部に形成される。
【0204】
動作について、
図34〜36を参照しながら次に説明する。
【0205】
図34に示すように、試験円板部材850は同じ向きで始まり、第1の試験円板部材850が最上に位置する。試験円板部材の動作および動きは、上述して
図1〜27に図示した実施形態の場合と概して同じであり、したがって詳細な説明は省略する。さらに、
図34〜36では、案内部材および切欠きを図示しない。
【0206】
図34で、試験円板部材750は、後退位置に配置されている。したがって、ランセット309は、この位置では動作しない。切開部材851は、凹状区間709内へ延びる。内側のカム面854は、壁711に接して位置する。
図34に示す位置から、軸204は、上記の実施形態で説明したように、時計回りの方向に回転させられる。切開部材851は、試験円板部材850の回転軸の周りを試験円板部材850とともに回転する。しかし、切開部材851は、外側のカム面855がカートリッジの内面723に接して位置し、試験円板部材750が回転すると内面723に沿って摺動することによって、ピボット軸の周りを試験円板部材850に対して旋回しないように制限される。ランセット309は、凹状区間709内で後退され、したがって、カートリッジ107の内面723から離れるように隔置される。したがって、ランセット309は、内面723に衝突しないようになっている。案内部材856は、試験円板部材が回転すると凹状区間709内で摺動する。
【0207】
試験円板部材850の回転により、開口部105の前の切開部材851は、
図35に示す中間位置へ動かされる。案内部材856の案内縁部857が開口部105の後ろの空間内へ延びるとき、切開部材851の遠位端853は、案内部材856の案内縁部857の自由端部に接触する。試験円板部材850がさらに回転すると、案内縁部857は、切開部材851の内側のカム面854に作用し、切開部材851をピボット軸の周りで旋回させる。切開部材851の内側のカム面854は、案内縁部857に沿って摺動し、切開部材851をピボット軸の周りでさらに旋回させる。切開部材851の旋回運動により、ランセット309は開口部105の方へ変位させられる。したがって、切開部材は、開口部105内へまたは開口部105を通って延びる。切開部材718が旋回すると、ランセット309は、開口部105の方へ変位し、開口部105内へかつ/または開口部105を通って延びる。
【0208】
したがって、使用者の皮膚で覆われた部分(以下、便宜上、この部分を使用者の指と呼ぶ)が、ランセット309によって切開される。これにより、指の皮膚内に穿刺部が生じ、血液は穿刺部を通って漏れることができる。
図36は、ランセット309が使用者の指を切開するように動作可能になる位置へ回転させた試験円板部材851を示す。軸204は、所定の量だけ回転させられ、したがってランセット309の最大行程範囲が制御される。カムとして作用する切開部材851は、試験円板部材701の回転を制限できることが理解されよう。当業者には理解されるように、使用者の指の中へのランセット309の貫入は、複数の要因に依存する。回転量、したがって貫入の深さは、使用者によって画成可能とすることができる。
【0209】
図34〜36に示す配置の利点は、試験円板部材701の回転配置を使用しながら、ランセット309がランセット309に対して長手方向に使用者の皮膚に貫入することを可能にすることができることである。別の利点は、指の端部の側面上でわずかに穿刺を行うのではなく、任意の所望の場所で、たとえば使用者の指の端部上で、穿刺を行うことができることである。
【0210】
その後、軸204は、反時計回りの方向に回転するように制御され、したがって試験円板部材850は反時計回りの方向に回転する。これにより、外側のカム面855はカートリッジ106の縁部105Aに接触させられる。縁部105Aは、切開部材851に作用し、切開部材は、開口部105の縁部105Aに沿って摺動する。したがって、切開部材851の遠位端853は、試験円板部材850の中心の方へ旋回する。切開部材851が試験円板部材850の中心の方へ旋回することで、ランセット309が使用者の指から取り外され、開口部105から離れるように後退させられる。
【0211】
次いで、切開部材851は、カートリッジ106の内面723に沿って摺動する。試験円板部材701が反時計回りの方向に引き続き回転すると、突起702によって画成された搾出部分および血液収集部分は、開口部105と位置合わせされる。この時点で、増大された圧力が指に加えられ、血液が穿刺部から排出されるのを促進する。ここで、回転が止まる。この場所で、ランセット309および使用者の指にかかる増大された圧力によって使用者の指から排出させられた血液は、血液収集部分によって収集される。
【0212】
上記の実施形態を参照して説明したように、適した時点で、軸204は反時計回りの方向にさらに回転させられる。試験円板部材850は、案内部材857が間隙858と一致するまで回転する。間隙858は、案内部材857が間隙858を通過することが可能になるように構成される。したがって、案内部材857は、第1の試験円板部材850の上方運動を防止しない。したがって、試験円板部材の積層体は、付勢手段(図示せず)を用いて上方へ動かされる。