(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記熱可塑性ポリマーが、バイオポリマー、ポリ乳酸、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、塩化ビニル、および再利用プラスチックからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
前記熱可塑性ポリマーが、バイオポリマー、ポリ乳酸、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、塩化ビニル、および再利用プラスチックからなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
前記熱可塑性ポリマーが、バイオポリマー、ポリ乳酸、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、塩化ビニル、および再利用プラスチックからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
前記熱可塑性ポリマーが、バイオポリマー、ポリ乳酸、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、塩化ビニル、および再利用プラスチックからなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明は、木材パルプ繊維および熱可塑性ポリマーを含む複合高分子材料を生産する経済的な手段を提供することを対象とする。一実施態様において、木材パルプ繊維は、化学木材パルプ繊維である。一実施態様において、木材パルプ繊維は、クラフト化学木材パルプ繊維である。一実施態様において、木材パルプ繊維は、漂白木材パルプ繊維である。一実施態様において、木材パルプ繊維は、漂白化学木材パルプ繊維である。簡単にするために、用語「木材パルプ繊維」が使用されるが、漂白化学木材パルプ繊維は、他のいくつかの繊維にはない特性を有することに留意されたい。
【0005】
本発明は、パルプ繊維源として多数の樹種を利用することができる。針葉樹および広葉樹種ならびにこれらの混合物を使用することができる。またこれらは、軟材および硬材としても知られている。典型的な軟材種は、様々なトウヒ(例えば、アラスカトウヒ(Sitka Spruce))、モミ(ダグラスファー)、様々なツガ(アメリカツガ)、アメリカカラマツ、カラマツ、様々なマツ(サザンパイン、ストローブマツ、およびカリビアンパイン(Caribbean pine))、ヒノキおよびアメリカスギまたはそれらの混合物である。典型的な硬材種は、トリネコ、アスペン、ハコヤナギ、シナノキ、カバノキ、ブナノキ、クリノキ、ゴム、ニレ、ユーカリ、カエデオーク、ポプラ、およびスズカケノキまたはそれらの混合物である。
【0006】
軟材種または硬材種のどちらを使用するかは、望ましい繊維長さによって部分的に決めることができる。硬材または広葉樹種は、1〜2mmの繊維長さを有する。軟材または針葉樹種は、3.5〜7mmの繊維長さを有する。ダグラスファー、アメリカオオモミ、アメリカツガ、西洋カラマツ(western larch)、およびサザンパインは、4〜6mm範囲の繊維長さを有する。パルプ化および漂白およびダイシングにより、繊維が破断して平均長さが小さくなる可能性がある。
【0007】
セルロース木材パルプ繊維は、リグニンが除去されており、さらにヘミセルロースの一部が除去されている点で木材繊維とは異なる。木材繊維では、これらの材料は保持されたままである。木材パルプ繊維中に残存する材料の量は、その作製過程に依存すると予想される。
【0008】
機械パルプでは、例えば粉砕などの機械的な手段によって繊維が分離されるが、この過程は、蒸煮(steaming)および亜硫酸ナトリウムを用いた何らかの化学的な前処理を包含していてもよい。リグニンが柔らかくなると、繊維がばらばらになる。リグニンおよびヘミセルロース、加えてセルロースの多くが繊維に残る。収量、すなわちパルプ化の後に残る材料のパーセンテージは高い。繊維は過酸化物で漂白することができるが、この過程では材料の多くは除去されない。
【0009】
ケミカルパルプ化では、リグニンは、木材チップとパルプ化のための化学物質との化学反応の間に除去される。またヘミセルロースも、この反応の間に除去される場合がある。除去される材料の量は、パルプ化過程で使用される化学物質に依存すると予想される。クラフトまたは硫酸塩法で除去される材料の量は、前加水分解段階での亜硫酸塩法またはクラフト法よりも少ない。クラフト法における収量は、前加水分解による亜硫酸塩法またはクラフトにおける収量よりも高い。後者の2つの過程では、高いパーセンテージのセルロースを含み、ヘミセルロースまたはリグニンはわずかしか含まない生成物が生成する。
【0010】
漂白化学木材パルプは、より多くのリグニンおよびヘミセルロースが除去されている。
パルプ製造において、木質材料は、ケミカルパルプ化過程で繊維に砕解される。次いで場合により繊維を漂白してもよい。次いでストックチェスト中で繊維と水とを合わせて、スラリーを形成する。次いでスラリーをヘッドボックスに通して、ワイヤー上に置き、脱水し、乾燥させて、パルプシートを形成する。ストックチェスト中、ヘッドボックス中またはその両方で、添加剤を繊維と合わせてもよい。脱水および乾燥の前に、その際に、またはその後に、パルプシート上に材料を噴霧してもよい。クラフトパルプ化過程は、典型的には、木材パルプの製造に使用される。
【0011】
木材繊維と木材パルプ繊維とでは違いがある。木材繊維は、リグニンによって結合した木材繊維のグループである。木材パルプ繊維のルーメンは、乾燥過程中に崩壊する。乾燥した化学木材パルプ繊維は平坦である。木材繊維の束における木材繊維それぞれのルーメンは開いたままである。平坦な木材パルプ繊維は、木材繊維よりも柔軟である。
【0012】
セルロース質木材パルプ繊維は、市販のセルロース質木材パルプの形態であってもよい。パルプは、典型的には、ロールの形態または梱包した形態で送られる。パルプシートは、2つの対向した実質的に平行な面を有し、これらの面と面との距離は、粒子の厚さとなる。典型的なパルプシートは、0.1mm〜4mmの厚さであってもよい。いくつかの実施態様において、厚さは、0.5mm〜4mmであってもよい。
【0013】
木材パルプシートは、計量や熱可塑性ポリマーとの混合を容易にするために、粒子に形成される。
繊維シートおよび粒子は、12g/m
2(gsm)〜2000g/m
2の基本重量を有していてもよい。一実施態様において、粒子は、600g/m
2〜1900g/m
2の基本重量を有していてもよい。他の実施態様において、粒子は、500g/m
2〜900g/m
2の基本重量を有していてもよい。紙シートの場合、一実施態様は、70gsm〜120gsmの基本重量を有していてもよい。他の実施態様において、板紙は、100gsm〜350gsmの基本重量を有していてもよい。他の実施態様において、特殊な用途の繊維シートは、350gsm〜500gsmの基本重量を有していてもよい。
【0014】
またパルプ用添加剤または前処理によっても、粒子の特徴は変化する可能性がある。デボンダーで処理したパルプは、デボンダー処理していないパルプよりもゆるい粒子を提供すると予想される。ゆるい粒子は、その粒子と合わせられる材料中により容易に分散することができる。パルプシートの厚さは、粒子の厚さを決定できる要素の1つである。
【0015】
一実施態様において、粒子は六角形であり、その一実施態様を
図1に示す。六角形は、完全に等辺の六角形から完全に非対称の六角形まであらゆるタイプのものであってもよい。等辺ではない場合、長軸は、4〜8ミリメートル(mm)であってもよく、短軸は、2〜5mmであってもよい。六角形の辺のうちいくつかが同じ長さを有していてもよいし、辺のいくつかまたは全ては異なる長さを有していてもよい。六角形の円周または外周は、12mm〜30mmであってもよいし、粒子の上面または下面24または26の面積は、12〜32mm
2であってもよい。一実施態様において、粒子は、0.1〜1.5mmの厚さ、4.5〜6.5mmの長さ、3〜4mmの幅、および15〜20mm
2の1つの面の面積を有していてもよい。他の実施態様において、粒子は、1〜4mmの厚さ、5〜8mmの長さ、2.5〜5mmの幅、および12〜20mm
2の1つの面の面積を有していてもよい。
【0016】
六角形に成形された粒子の2つの例を示す。
図1〜3において、粒子10は六角形であり、長さが等しく、他の4つの辺14、16、20、および22よりも長い2つの対向した辺12および18を有する。他の4つの辺14、16、20、および22は示した通りに同じ長さであってもよく、または4つの辺は異なる長さであってもよい。これらの辺のうち2つ、例えば14と20または14と22のような両端にある辺が、同じ長さであってもよいし、両端における他の2辺、16と22または16と20が、同じ長さであってもよいし、または異なる長さを有していてもよい。これらのバリエーションのそれぞれにおいて、辺10および18は、同じ長さであってもよいし、または異なる長さであってもよい。粒子の端部は、鋭くてもよいし、または丸められていてもよい。
【0017】
粒子10の上部24と下部26との距離は、0.1mm〜4mmであってもよい。
図4および5は、六角形の6つの辺それぞれの長さが異なる実施態様を例示する。示された実施態様は例示的なものである。辺の長さの順番と辺の長さのサイズは様々であってもよい。
【0018】
上記で説明した形状、サイズ、および基本重量を有する粒子は、重量の減少や、当業界周知の定量供給システムで計量することができる。
粒子内の繊維のアライメントは、六角形の長軸に平行であってもよいし、または六角形の長軸に垂直であってもよいし、またはその間のあらゆる方向であってもよい。
【0019】
六角形の粒子は、ヘニオン(Henion)ダイサーで形成が可能であるが、他の手段を使用して六角形の粒子を生産することも可能である。
またパルプ粒子の他の形態も使用することができる。添加の容易さは、粒子の形状に依存する可能性がある。
【0020】
ポリマーマトリックスは、ホストポリマーとして機能し、これは、化学木材パルプ供給材料を包含する溶融加工可能な組成物の成分である。溶融加工を使用して、ポリマーと化学木材パルプ繊維とを合わせることができる。溶融加工では、ポリマーを加熱し、融解させて、このポリマーと化学木材パルプ繊維とを合わせる。この過程中に、繊維は単一化される。
【0021】
ポリマーは熱可塑性である。
溶融加工に好適であると当業界において慣習的に認められている多種多様のポリマーが、ポリマーマトリックスとして有用である。ポリマーマトリックスは、実質的に、特に妨害要素または他の不混和性ポリマーと組み合わされた場合に溶融加工しにくいと言われることもあるポリマーを包含する。これらは、炭化水素ポリマーと非炭化水素ポリマーの両方を包含する。有用なポリマーマトリックスの例としては、これらに限定されないが、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィンコポリマー(例えば、エチレン−ブテン、エチレン−オクテン、エチレンビニルアルコール)、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー(例えば、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリ塩化ビニル(PVC)、フルオロポリマー、液晶ポリマー、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、エポキシ、アルキド、メラミン、フェノール系樹脂、尿素、ビニルエステル、またはそれらの組み合わせなどが挙げられる。所定の実施形態において、最も好適なポリマーマトリックスは、ポリオレフィンである。
【0022】
また再利用プラスチックから誘導されるポリマーマトリックスも、より低コストであることが多いため、適用可能である。しかしながら、このような材料は、複数種の廃棄物ストリームに由来する材料から誘導されることが多いために、これらは大いに異なる溶融レオロジーを有する可能性がある。これは、加工するのに極めて問題のある材料をもたらす可能性がある。再利用高分子マトリックスにセルロース質供給材料を添加することにより、溶融粘度が高くなり、全体的なばらつきが小さくなり、したがって加工性が改善されると予想される。
【0023】
いくつかの実施態様において、以下の熱可塑性ポリマー;バイオポリマー、例えばポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース、セルロースプロピオナート、酪酸セルロースなど;ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、例えばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、スチレンブロックコポリマー、塩化ビニル(PVC)、および再利用プラスチックが使用される可能性がある。
【0024】
熱可塑性ポリマーは、バイオポリマー、ポリ乳酸、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、塩化ビニル、および再利用プラスチックからなる群より選択することができる。
【0025】
一実施態様において、化学木材パルプ供給材料は、不相容性ポリマーマトリックス(例えば、ポリオレフィン)と共に溶融加工される。他の実施態様において、化学木材パルプ供給材料は、相溶性ポリマーマトリックス(例えば、変性セルロース系ポリマー)と共に溶融加工される。例えば、本発明の化学木材パルプ供給材料が、プロピオン酸セルロース(テナイト(Tenite)(商標)350E)と共に溶融加工される場合、その結果得られた複合材料は、優れた繊維の分散度と機械特性を有することが見出された。
【0026】
また本発明は、複合調合物に相溶化物質を使用することも考慮する。相溶化物質は、典型的には、フィラーと高分子マトリックスとの界面の湿潤を改善するのに使用される。カップリング剤または相溶化剤の添加は、その結果得られた複合材の機械特性を改善することが多い。本発明は、従来知られているように、本発明の化学木材パルプ繊維と高分子マトリックスとの間の湿潤を改善するために相溶化物質を利用する。しかしながら、本発明者らはさらに、相溶化物質の添加は、本発明の化学木材パルプ供給材料とある種のポリマーとの分散を改善することも見出した。相溶化物質とカップリング剤とが、2種の材料間の相溶性を提供するために異なって作用したとしても、これらは同義的に使用される場合もある。
【0027】
ポリオレフィンと使用するのに好ましい相溶化物質は、ポリオレフィン−グラフト−無水マレイン酸コポリマーである。一実施態様において、このポリマーマトリックスおよびセルロース質供給材料は、ポリオレフィン−グラフト−無水マレイン酸コポリマーと共に溶融加工される。本発明の市販の相溶化物質としては、ポリボンド(Polybond(商標))(ケムチュラ(Chemtura))、エクセラー(Exxelor(商標))(エクソン・モービル(Exxon Mobil))、フサボンド(Fusabond(商標))(デュポン(DuPont))、ロタデール(Lotader(商標))(アルケマ(Arkema))、ボンディーラム(Bondyram(商標))(マルーン(Maroon))、インテグレート(Integrate)(エキスター(Equistar))という商品名で販売されているものが挙げられる。ポリマーマトリックスは、化学木材パルプ供給材料に加えて、1種またはそれより多くのフィラーを含有していてもよい。グラフトコポリマー中のポリオレフィンは、高分子マトリックス中のポリマーとして使用されるポリオレフィンと同じであると予想される。例えばポリエチレン−グラフト−無水マレイン酸は、ポリエチレンと共に使用され、ポリプロピレン−グラフト−無水マレイン酸は、ポリプロピレンと共に使用されると予想される。
【0028】
一実施態様では、約5〜10%、他の実施態様では0.2〜5%の量の相溶化物質が複合調合物および溶融加工可能な組成物に取り入れられる。
望ましい物理特性を付与するために、または所定の用途に必要なポリマーの量を少なくするために、化学木材パルプ繊維以外のフィラーおよび繊維が繊維/ポリマーブレンドに添加されてもよい。フィラーは水分を含有することが多いため、ポリマーマトリックス中に存在する相溶化剤の有効性を低下させる。フィラーおよび繊維の非限定的な例としては、木粉、化学木材パルプ繊維以外の天然繊維、ガラス繊維、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、粘土、水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウム(aluminum trihydroxide)が挙げられる。
【0029】
本発明の他の形態において、溶融加工可能な組成物は、他の添加剤を含有していてもよい。従来の添加剤の非限定的な例としては、酸化防止剤、光安定剤、繊維、発泡剤、発泡添加剤、アンチブロッキング剤、熱安定剤、衝撃改質剤、殺生剤、難燃剤、可塑剤、粘着性付与剤、着色剤、加工助剤、潤滑剤、相溶化剤、および顔料が挙げられる。添加剤は、粉末、ペレット、顆粒の形態で、または他のあらゆる押出し可能な、もしくは配合可能な形態で溶融加工可能な組成物に取り入れられてもよい。溶融加工可能な組成物中の従来の添加剤の量およびタイプは、ポリマーマトリックスおよび完成した組成物の望ましい物理的特性に応じて様々であり得る。溶融加工分野の当業者であれば、完成した材料の望ましい物理的特性を達成するために、添加剤の適切な量およびタイプを選択して、特定のポリマーマトリックスに適合させることができる。
【0030】
本発明の複合ポリマーは、熱可塑性ポリマーマトリックス中に均一に分散された木材パルプ繊維を有する。まず木材パルプ繊維を熱可塑性ポリマーマトリックス中に分散させるが、ここで木材パルプ繊維は、組成物全量の65〜90重量%である。
【0031】
高分子マトリックス全体に化学木材パルプ繊維を均一に分散させることに関連する問題がある。繊維は、最初のうちは乾燥パルプシートの形態である。乾燥により、パルプ繊維が壊れる。また乾燥により、パルプ繊維が水素結合により結合する。実質的にばらけた繊維を得るために、水素結合は破壊しなければならない。繊維の一部は結合したままと予想される。これらは、サイズに応じてノットまたはニットと呼ばれる。通常、繊維間の水素結合を破壊した後に残るノットおよびニットはわずかであると予想される。
【0032】
また、繊維/ポリマー混合物の総重量の65重量%またはそれより高いレベルで化学木材パルプ繊維を提供することに関連する問題もある。ポリマーの量がより少ないということは、高分子マトリックス中に繊維を分散することがより難しいということである。繊維/ポリマー混合物は、繊維の量が増加するにつれてより粘性になり、したがって、マトリックス内で繊維を移動させて分散させることがより難しくなる。目的は、繊維の凝集塊がほとんどない状態にすることである。
【0033】
一実施態様において、本発明の木材パルプ供給材料は、木材パルプシート材料を機械的にダイシングすることにより生産される。一実施態様において、木材パルプ供給材料は、従来の供給装置で使用できるように六角形にダイシングされる。他の実施態様において、形状は、三角形、長方形または五角形の粒子であってもよい。本発明の複合材料は、化学木材パルプ供給材料と共にポリマーマトリックスを溶融加工することによって生産される。一実施態様において、化学木材パルプ供給材料は、溶融加工後に、ポリマーマトリックス中に均一に分散される。
【0034】
本発明は、よく分散された化学木材パルプ繊維を含有する複合材料を生産する経済的な手段を提供するための解決法を対象とする。これは、増加したかさ密度を有し、従来の供給技術を使用して溶融加工装置に供給することができる木材パルプ供給材料を利用することによって達成される。本発明の複合材料は、ポリマーマトリックス中によく分散された木材パルプ繊維を有する。
【0035】
次いで水素結合したセルロース木材パルプ繊維をポリマーに分散させる。1つの方法は、65〜85重量%のセルロース木材パルプ繊維と、15〜35重量%のポリマーとを有する繊維高含有のマスターバッチをつくることである。必要であれば、ポリマーの一部が相溶化剤であってもよい。
【0036】
ポリマーへのセルロースパルプ繊維の最初の添加は、2工程での操作である。
第一の工程では、混合操作でパルプ粒子をポリマーと混ぜ合わせる。混合は、サーモカイネティックミキサー(thermokinetic mixer)またはジェリマットミキサー(Gelimat mixer)で行ってもよい。
【0037】
材料中の化学セルロース木材パルプ繊維の量は、65〜85重量%であり、ポリマーの量は、15〜35重量%である。相溶化剤が使用される場合、ポリマーの量は、相溶化剤の量の分少なくなると予想される。5重量%の相溶化剤が使用される場合、ポリマーの量は、5重量%少なくなると予想される。例えばオレフィンなどの非極性ポリマーは、相溶化剤を使用すると予想される。典型的な相溶化剤は、例えば無水マレイン酸ポリプロピレン、または無水マレイン酸ポリエチレンなどのグラフトコポリマーである。ポリマーがポリプロピレンである場合、最大2重量%の酸化防止剤も使用されると予想される。一実施態様において、0.5重量%の酸化防止剤が使用されると予想される。繊維およびポリマーは、ふわふわした材料としてサーモカイネティックミキサーから出ると予想される。
【0038】
図6にミキサー30を示す。ミキサー30は、ホッパー32を有し、これを介して材料が供給される。材料は、スクリューフィーダー34によって、モーター40によりブレード38が急速に回転する混合チャンバー36に運搬される。ブレード38が混合物中で回転すると、ブレード38により生じた遠心力により材料が混合チャンバー壁42に向かって外側に移動する。摩擦熱により高分子材料、ポリマー、および相溶化剤が溶融し、繊維がポリマーに混合される。混合後、ドア44を介して混合チャンバー36からポリマーが取り出される。
【0039】
第一の工程で使用できる他の方法は、ダイプレートが開放型のツインスクリュー押出機である。ツインスクリュー押出機は、押出機からの材料の流れが妨げられないように出口端が開放型のダイプレートを有する。繊維、ポリマー、および相溶化剤の量は、上記で説明したのと同じである。材料は、塊がある材料としてツインスクリュー押出機から出ると予想される。ツインスクリューミキサーおよびその操作は、以下でより詳細に説明される。
【0040】
解決すべき問題は、高分子マトリックス中に繊維を実質的にばらけた形態で提供すること、および木材パルプ繊維/複合材料が複合材料全体に実質的に均一に分散された木材パルプ繊維が得られるように実質的に一定量で繊維を計量してポリマーに供給することである。本発明は、木材パルプシートからとった化学木材パルプのダイシングされた粒子を提供すること、さらに、それらを計量してポリマーに供給し、木材パルプとポリマーとを混合しながら木材パルプ繊維を実質的に単一化することである。
【0041】
他の実施態様において、例えば鉱油などの油が、複合材料成分に添加されてもよい。一実施態様において、鉱油の量は、複合ポリマー材料中の材料の総重量の0.1〜5重量%であってもよい。一実施態様において、鉱油の量は、複合ポリマー材料中の材料の総重量の0.1〜2%であってもよい。一実施態様において、鉱油の量は、複合ポリマー材料中の材料の総重量の1〜2%であってもよい。一実施態様において、鉱油の量は、複合ポリマー材料中の材料の総重量の1〜1.5%であってもよい。一実施態様において、鉱油の量は、複合ポリマー材料中の材料の総重量の1.15%であってもよい。鉱油は、ポリマー形成に使用される可能性がある押出機を通る複合材料の押出し量を増加させ、複合材料中の繊維の分散に役立つと考えられる。
【0042】
鉱油は、0.8〜0.9の比重を有する粘性の油である。鉱油は、無色透明で無臭であり得る。一実施態様において、鉱油は、標準的な白色鉱油である。一実施態様において、鉱油は、ドラコール(Drakol)600、CAS番号8042−47−5である。
【0043】
鉱油は、第一のマスターバッチミキサーに添加され、それに続くミキサーにも添加されてもよい。鉱油は、パルプ粒子および熱可塑性ポリマーと共に添加され、材料の混合と処理速度を促進する。
【0044】
図10において、漂白化学木材パルプ繊維粒子24または24aは、ホッパー102を介してツインスクリュー押出機100に投入される。さらにポリマーペレットも、ホッパー104を介してツインスクリュー押出機100に投入される。ホッパー104は、ホッパー102の前にあってもよいし、またはその後にあってもよい。木材パルプ繊維粒子およびポリマーペレットは、同じホッパーを介してツインスクリュー押出機に投入されてもよい。
【0045】
一実施態様において、ツインスクリュー押出機は、開放型ダイフェースを有する。他の実施態様において、ツインスクリュー押出機は、レストリクター105を使用することによって部分開放型ダイフェースを有する。部分的な開口部106は、どのような形状であってもよい。一実施態様において、開口部は、開放型ダイフェースの面積の20〜80%の面積を有する。他の実施態様において、開口部は、開放型ダイフェースの総面積の40〜60%の面積を有する。部分開放型ダイフェースは、ポリマー中の繊維の分散を促進する。
【0046】
図11に、このダイフェースの一実施態様を示す。この実施態様において、ダイフェース領域から開口部領域への移行は段階的である。レストリクター105の上面および下面107および108は、開口部106への材料の流れが制限されるように内側に向かって伸長しており、それにより開放型ダイフェースよりも高さが低い開口部が提供され、側面109および110は、外側に向かって延びており、それにより開放型ダイフェースよりも幅広な開口部が提供される。レストリクターは、押出機に押し通される材料の圧力に耐えるものであり、単一の機械加工部品であってもよい。
【0047】
図12に他の実施態様を示す。開口部は、数個の開口部111に分割されている。この場合でも、一実施態様において、開口部は、開放型ダイフェースの面積の20〜80%の面積を有する。他の実施態様において、開口部は、開放型ダイフェースの総面積の40〜60%の面積を有する。
【0048】
ツインスクリュー押出機中でポリマーに添加される漂白化学木材パルプ繊維の量は、繊維、ポリマー、および添加剤の総重量の65〜85重量%である。
第一の段階の実施態様は、材料の65重量%〜85重量%が繊維であるマスターバッチの複合材料と、材料の10重量%〜50重量%が繊維である希釈複合材料(let-down composite)とで両方とも同じである。
【0049】
本発明はまた、10〜50重量パーセントの化学木材パルプ繊維を包含する複合高分子材料を生産する経済的な手段を提供するための解決法も対象とする。一実施態様において、パルプ繊維は、ポリマーマトリックス中に均一に分散される。
【0050】
一実施態様において、化学木材パルプ繊維は、漂白化学木材パルプ繊維である。無漂白木材パルプ繊維の代わりに漂白化学木材パルプ繊維を使用するには理由がある。
理由の1つは、色である。漂白化学木材パルプ繊維は、実質的に全てがセルロースおよびヘミセルロースである。セルロースおよびヘミセルロースはもとの色がないため、複合材料をわずかしか着色しないか、またはまったく着色しないと予想される。一方で、例えばケナフまたは木材繊維全体のような天然繊維などの無漂白繊維は、天然の状態で有色であるか、または熱可塑化処理の温度に加熱すると有色になると予想されるリグニンおよび他の化合物を最大50%有する。無漂白の、天然の、または全体の木材繊維を含む複合材料は、有色、恐らく暗褐色になると予想される。
【0051】
他の理由は、臭いである。セルロースは臭いがないため、漂白木材パルプ繊維を含む複合材料は、セルロースに起因する臭いがほとんどない。無漂白繊維中のリグニンおよび他の成分は、溶融加工すると強い特徴的な臭いを発し、その結果得られた複合材料に強い臭いを付与し、例えば自動車内装などの囲まれた領域でのその使用を制限する。
【0052】
非相溶性ポリマーに関する実施態様は、以下の成分を含有していてもよい。
【0054】
マスターバッチにおいて、材料は、例えばカリフォルニア(California)ペレットミルなどのペレットミルで、または例えばボノ(Bonnot)シングルスクリュー押出機などのシングルスクリュー押出機でさらに加工されると予想される。
【0055】
図7および8にペレットミルの実験室バージョンを示す。ペレットミル50は、ホッパー52を有し、このホッパー52に、サーモカイネティックミキサーもしくはツインスクリュー押出機または他のミキサーからの繊維/ポリマー複合材54が移される。複合材54は、穴の開いたプレート56の上に落とされる。穴の開いたプレート56上のアパーチャ58は、押出されたペレット60の直径のサイズである。一対のホイール62により複合材料をアパーチャ58に通過させ、ペレット60が形成される。ホイール62は軸64にマウントされる。軸64はローター66にマウントされる。ローター66をモーター(示さず)により回転させて、ホイール62を穴の開いたプレート56の周りで回転させる。この装置からペレット60を取り出し、回収する。
【0056】
繊維は、高い繊維レベルになると凝集する傾向がある。シングルスクリュー押出機を使用して、ポリマー全体にセルロースパルプ繊維を分散することができる。繊維の分散を達成するには、押出機を通る材料の流れの方向を変える必要があることが発見された。これは、押出機の外壁から押出機の空隙方向へ伸長するピンを配置することによってなされる。材料をこの装置からダイの孔に通過させることにより、押出されたペレットが形成される。材料はダイプレートの裏で詰まりやすいため、材料が効率的にダイを通過できなくなる可能性がある。ダイフェースの裏面にワイパーを付け足すことにより、複合材はより効率的にダイの孔に通過する。
【0057】
図9にシングルスクリュー押出機を示す。押出機80は、ホッパー82を有し、このホッパー82に、ミキサーからの繊維複合材が入れられる。ホッパー82はバレル84と連結しており、バレル84内にスクリュー86が通っている。スクリュー86をモーター(示さず)により回転させて、バレル中の材料をダイプレート88に向かわせる。スクリューは、複合材料がバレルを通過するときに複合材料に程度の差はあるが圧力がかかるような設計になっている。ピン90は、バレルに沿って配置される。ピン90を内側または外側に向かって移動させることにより、バレルを通る材料の流れを変えて、ポリマー内への繊維の分散を促進してもよい。ダイプレート86は、多数のアパーチャ92を有し、このアパーチャ92を材料が通過して、ストランドが形成され、場合によりペレットに切断される。
【0058】
一実施態様において、第一のツインスクリューミキサーは、第二のシングルスクリュー押出機と直接連結されていてもよく、材料は、第一のミキサーから第二のミキサーに直接受け渡されると予想される。同じモーターでこれら両方を稼働させてもよい。
図14にこの実施態様を示す。
【0059】
マスターバッチのペレットは、65〜85重量%の化学木材パルプ繊維と、15〜35重量%のポリマーとを含有する。
図10は、50%またはそれ未満の化学木材パルプ繊維を有する高分子複合材料を製造するための方法および装置の実施態様である。
【0060】
ツインスクリュー押出機からの材料を第二のツインスクリュー押出機120に移し、ホッパー122を介して追加のポリマーを添加する。他の成分も同様に、スロートに添加してもよいし、またはサイドスタッファー(図には示さず)を介して添加してもよい。ポリマーは、第一のツインスクリュー押出機100で使用したものと同じである。添加されるポリマーの量は、複合材料中の望ましい木材パルプ繊維含量を達成するのに必要な量である。
【0061】
バッチ操作において、複合材を第一のツインスクリュー押出機に二度循環させて、この2回目の押出機通過時に追加のポリマーを添加することにより、第一のツインスクリュー押出機を第二のツインスクリュー押出機として使用することができる。この操作において、押出機のダイフェースは、開放型または部分開放型ダイフェースからダイ開口部を有するダイフェースに変化して、押出し物を形成すると予想される。
【0062】
さらに追加の添加剤も、第二のツインスクリュー押出機に添加することができる。
複合材料は、ダイプレート中のダイ開口部を通って押出され、所定サイズに切断される。
【0063】
第二のツインスクリュー押出機からの押出し物は、水中用ペレタイザーによってペレットに形成してもよい。パルプ繊維は親水性であるため、水中用ペレタイザーはパルプ繊維と共に使用することはできないと考えられてきた。水中用ペレタイザーを使用することができ、ペレット中の繊維の含水量は1%またはそれ未満であることが見出された。いくつかの実施態様において、水の取り込みによる有害な作用はない。
【0064】
図15は、水中用ペレタイザーの略図である。ペレットはダイプレート126中のダイのアパーチャ124を通って第二のツインスクリュー押出機120から出て切断チャンバー128に送られ、そこで押出し物はペレットに切断される。ペレットは、パイプ132により水で切断チャンバー128から分離セクション130に運搬される。熱いペレットが水で冷却される。一実施態様において、ペレットは、処理中に回転楕円体に成形される。分離セクション130では、ろ過によりペレットを水から分離する。分離した水は熱交換器134を通過し、そこで水が冷却される。水はパイプ136を通って切断チャンバー128に戻る。
【0065】
分離したペレットは乾燥機セクション138を通過し、そこで残った水が除去される。サイクロン乾燥機が示されているが、乾燥機はどのような種類の乾燥機であってもよい。次いで乾燥させたペレットはペレットシュートに入り、袋詰め操作に送られ、そこでペレットは袋詰めされる。
【0066】
多数の水中用ペレタイザーの製造元がある。このような製造元としては、ガーラ・インダストリーズ(Gala Industries)、ネオプラスト(Neoplast)、バーリン(Berlyn)、および デービス・スタンダード(Davis Standard)が挙げられる。
【0067】
水中用ペレタイザーは多くの利点があるが、あらゆるタイプのペレタイザーを使用することができる。
溶融ポンプを使用して、ツインスクリュー押出機により発生する圧力および流れの振動を緩衝することにより、連続的な規則正しい押出し物供給を確実にすることができる。
【0068】
図14は、混合システムの他の実施態様を示す。
ポリマー中により多くのセルロース木材パルプ繊維を分散させることが必要な場合がある。2つのツインスクリューミキサーの間に、例えば
図9に示されるシングルスクリュー押出機などの混合デバイスを配置させる。シングルスクリュー押出機を使用して、さらに繊維を分散させることができる。
【0069】
以下に示す希釈ペレット(let-down pellet)の様々な実施態様の議論において、それぞれ個々のペレットが、これらの実施態様のそれぞれのうち1種またはそれより多くであってもよいことが理解されるものとする。
【0070】
以下の試験のうちいくつかにおいて、複合ポリマーは、ドッグボーンの形状に成形され、このドッグボーンの形状は、以下の寸法:6〜3/8インチの長さ、1/8インチの厚さ、3/4インチ幅の端部断面、2/1インチ幅の中央断面、および2.7インチまたは68mmの中央断面の長さを有する。これらは、文章中でドッグボーンが述べられた場合のドッグボーンの寸法である。ドッグボーンの成形は、加熱および圧縮下でなされる。大量の繊維を含むマスターバッチのペレットの成形は、材料を成形するのに必要な大きい熱量および圧力のために繊維の分解を引き起こし、それにより繊維は茶色に変色する。
【0071】
一実施態様において、10〜50重量%の漂白化学木材パルプ繊維を有する希釈複合材料が提供される。その残りは、ポリマーおよび他の添加剤である。他の実施態様において、20〜40重量パーセントの漂白化学木材パルプ繊維を有する希釈複合材料(let-down composite)が提供され、その残りは、上述したようにポリマーおよび他の添加剤である。
【0072】
一実施態様において、希釈複合材料は、白色度試験によって測定した場合、少なくとも20の白色度を有する。他の実施態様において、希釈複合材料は、白色度試験によって測定した場合、少なくとも30の白色度を有する。
【0073】
組成物中に65重量%またはそれより多くの繊維を有するマスターバッチ組成物は、材料をドッグボーンに形成するのに必要な熱および圧力により繊維が劣化して茶または黒への着色が起こるために、この白色度を有さない。
【0074】
白色度試験
この方法は、開口部を通して単一光源を45度の角度でドッグボーンに集中させ、反射光を標準的なスペクトル特性を有するフィルターに通過させて、ドッグボーンの上面に垂直に配置した光検出器によって測定を行う方法である。反射光の量を、機器のメモリに保存された公知のスペクトル特性を有する酸化マグネシウムと比較する。反射光の酸化マグネシウムに対する比率は、パーセンテージで示される。
【0075】
この機器は、テクニダイン(Technidyne)のブライトイメーター・マイクロS−5(Brightimeter MICRO S-5)である。この機器は、試験の30分前に温められると予想される。反射光は、457ナノメートルの有効波長を有するフィルターを通過する。
【0076】
1つのドッグボーンを、例えば異なるポリマー、異なるポリマー量、異なる繊維量、異なる添加剤などのそれぞれ異なる複合材料条件で試験する。ドッグボーンの上部に重量1kgのおもりを置く。ドッグボーンは4つの主要コンパス点を回り、4つの色度値を得て、これらを平均する。
【0077】
希釈複合材料の一実施態様において、希釈複合材料中の漂白化学木材パルプ繊維の平均分散度は、90%に等しいかまたはそれよりも大きい。希釈複合材料の他の実施態様において、希釈複合材料中の漂白化学木材パルプ繊維の平均分散度は、95%に等しいかまたはそれよりも大きい。他の実施態様において、希釈複合材料中の漂白化学木材パルプ繊維の平均分散度は、98%に等しいかまたはそれよりも大きい。他の実施態様において、希釈複合材料中の漂白化学木材パルプ繊維の平均分散度は、99%に等しいかまたはそれよりも大きい。平均分散度とは、繊維が複合材料全体に実質的に均一に分布していることを意味し、パーセンテージは、塊になっていない繊維の数である。これらのパーセンテージは、分散試験を使用して決定される。
【0078】
分散試験
分散度の測定は、ImageJ(NIH)を使用することによって達成される。ImageJは、http//imagej.nih.gov/ij/download.htmlでダウンロードできるフリーウェアである。以下のカスタムマクロで使用されるエロージョン(Erode)、バックグラウンド減算(Subtract Background)、粒子の分析(Analyze Particles)およびその他のコマンドは、ImageJにおける標準コマンドである。マクロは、標準的なIMageJコマンドを所定の順番で使用するだけで情報を得ることができる。
【0079】
サンプルは、上記で説明したようなドッグボーンである。サンプルのX線写真を撮り、その写真をスキャンしてデジタル画像にする。画像をImageJで開き、カスタムマクロを使用して画像を分析する。
【0080】
カスタムマクロは、画像中のサンプルの位置を突き止める。次いでカスタムマクロは、エロージョン(Erode)コマンドを4回実行して、サンプル境界のアーティファクトを除去する。直径5ピクセルの転がるボール(rolling ball)、明るいバックグラウンド、およびスムージング不使用(smoothing disabled)で、バックグラウンド減算(Subtract Background)コマンドを適用する。ユーザー指定の閾値を使用することによってグレースケール画像を白黒に変換する。典型的な閾値は、241である。
【0081】
ここで画像は、未分散の繊維に相当する黒色の粒子を示す。粒子の分析(Analyze Particles)コマンドを使用して粒子を数える。縁に接触するものを除いた全ての粒子を数える。これは、マクロに粒子のように見えるが実際には粒子ではない辺縁効果が起こることが多いためである。
【0082】
他の仮説は、処理工程に供給されたダイシング済みの木材パルプ材料は、中心線に沿って一回分裂または離層すると予想され、これらの分裂した粒子はさらに中心線に沿って一回分裂または離層する可能性があるというものである。マクロは、分析した粒子の半分が、一回分裂または離層したものであり、残りの半分が2回分裂または離層したものであると推測する。
【0083】
マクロは、未分散の粒子の領域を報告する。マクロは、全領域の半分が一回分裂した未分散の粒子で占められ、全領域の半分が2回分裂した粒子によって占められると推測する。
【0084】
次いで未分散の粒子または繊維の総重量を計算する。以下の議論では、750グラム/平方メートル(gsm)の基本重量を有するパルプシートが使用される。マクロは、粒子の半分の基本重量は一回分裂した粒子であり、375gsmの基本重量を有し、分析した粒子の残りの半分は2回分裂した粒子であり、187gsmの基本重量を有すると推測する。未分散の粒子または繊維の総重量は、以下の式:
未分散の粒子の重量=0.0001×[0.5×(未分散の粒子の面積)cm
2×(375gsm)+0.5×(未分散の粒子の面積)cm
2×(187gsm)]
によって決定される。
【0085】
未分散の粒子の重量パーセントは、以下の式:
未分散の粒子の重量%=100×未分散の粒子の重量/サンプル中の繊維の総重量
によって算出される。
【0086】
分散された繊維の重量パーセントは、未分散の粒子の重量パーセントを100パーセントから引くことによって算出される。
実際のマクロは、以下の通りである。
【0088】
分散度は、繊維の含有量に依存する可能性がある。20重量%の漂白化学木材パルプ繊維を有する複合材料の一実施態様において、分散度は、99%に等しいかまたはそれよりも大きいことが見出された。30重量%の漂白化学木材パルプ繊維を有する複合材料の一実施態様において、分散度は、98%に等しいかまたはそれよりも大きいことが見出された。40重量%の漂白化学木材パルプ繊維を有する複合材料の一実施態様において、分散度は、92%に等しいかまたはそれよりも大きいことが見出された。
【0089】
希釈複合材料の臭いのレベルを、他の材料を含有する熱可塑性ポリマーの臭いのレベルと比較した。3つのレベルの希釈複合材料、すなわち20重量%の漂白化学木材パルプ繊維を含有するポリマー、30重量%の漂白化学木材パルプ繊維を含有するポリマー、および40重量%の漂白化学木材パルプ繊維を含有するポリマーを試験した。これらを、熱可塑性ポリマー単独の対照、30重量%のガラス繊維を含有するポリマー、30重量%のサイザルを含有するポリマー、および30重量%のカエデ木粉を含有するポリマーと比較した。
【0090】
使用した試験は、ASTM E679であり、セントクロイクス・センサリー(St. Croix Sensory、1−800−879−9231)より入手可能なアセント嗅覚計(Ac’scent olfactometer)を使用した。この試験において、サンプルを、試験前に40℃で24時間、9Lのテドラー(Tedlar)バッグ中に置く。嗅覚計は、バルブを通過する速い流速の無臭の空気によりサンプルバッグから空気を引き抜き空気ストリームに送るベンチャーバルブシステムを使用する。8〜66,000の希釈係数を得ることができる。報告された数値は、サンプルの臭いが検出された希釈係数である。希釈の数値が大きければ大きいほど、その材料はより臭いが強い。結果は以下の通りである。
【0092】
漂白化学木材パルプ繊維を含む熱可塑性ポリマーの希釈レベルは、ガラス繊維などの他の材料のどれよりも低く、熱可塑性ポリマーに取り入れられた木材パルプ繊維の量に関係なく実質的に同じであることがわかる。
【0093】
希釈複合材料の実用性を決定するために、希釈ペレットのモールドフロー(Moldflow)(登録商標)レポートを依頼した。モールドフロー(登録商標)レポートは、どの程度材料を成形過程に循環させるかを決定し、射出成形過程中の材料の挙動に関する知見を得るために産業界で使用されている。このレポートで、30%漂白化学木材パルプ繊維を含むポリプロピレン複合材料と、2種の20%ガラス充填ポリプロピレン複合材料とを比較した。
【0094】
以下に示すレポートからの表は、頑丈な部分に関する冷却時間の研究を提供する。ランナーとは、金型に至るチャンネルであり、この金型は、ホットランナーでもよいし、またはコールドランナーでもよい。コールドの場合、部品を用いてランナーを取り出し、縁を切り落とし、再利用するかまたは廃棄物として捨てなければならない。ホットの場合、内容物を溶融した状態に保ち、これを次の射出サイクルのための射出されたプラスチックの最初のビットとして使用する。
【0096】
漂白化学木材パルプ繊維充填ポリプロピレンは、ガラス充填ポリプロピレンよりもかなり短い冷却時間を有していたことがわかる。これは、サイクル時間がより速く、所定期間でより多くの部品が生産されることと解釈される。
【0097】
これはさらに、レポートからの別の表、すなわち20%ガラス充填ポリプロピレン材料および30%漂白化学木材パルプ繊維充填ポリプロピレン材料に関して、成形された部品の一般的な「平均」サイクル時間を比較した表でも示される。
【0099】
化学木材パルプ繊維が充填された材料の一般的な「平均」サイクル時間は、ガラス充填材料のサイクル時間の75%である。これは、かなり速い生産速度をもたらす。
また、10〜50重量%の木材パルプ繊維と、25〜85重量%の熱可塑性ポリマーとを含む組成物は、別の特性を有することにも留意する。成形された構造の端部は、触覚的な傷がないか、または実質的にない。触覚的な傷とは、手または指を成形された部品の端部に沿って移動させたときに感じることができる傷である。触覚的な傷は、視覚的な傷と区別すべきである。部品が、見てわかる視覚的な端部の傷を有するが、感じることができる触覚的な端部の傷を有さない場合がある。部品の端部は、部品の2つの面と面との間の境界層である。部品の端部は、通常は丸められているか、または部品の面と所定角度をなしている。部品の端部は、丸められているか、または部品の面と90°の角度をなしていることが多い。一実施態様において、端部は、触覚的な傷がないと予想される。他の実施態様において、端部は、端部1フィートまたはそれ未満につき平均して1つまたはそれ未満の触覚的な傷を有すると予想される。他の実施態様において、端部は、端部1フィートまたはそれ未満につき平均して2つまたはそれ未満の触覚的な傷を有すると予想される。用語「1フィートまたはそれ未満」は、合計端部長さが正確なフィート数よりも小さい場合、合計端部長さは、触覚的な傷を決定する際、2番目に大きいフィート長として扱われることを意味する。例えば、構造が8インチの合計端部長さを有する場合、合計端部長さは、触覚的な傷の数を決定する際、1フィートの合計端部長さを有するものとして扱われ、合計端部長さが2フィート4インチの場合、合計端部長さは、触覚的な傷の数を決定する際、3フィートの合計端部長さを有するものとして扱われる。
【0100】
また65〜85重量パーセントの繊維を含有するマスターバッチのペレットも、成形部品を形成するための射出成形操作で、10〜50重量パーセントの繊維または20〜40重量パーセントの繊維に希釈させる(let down)ことができる。射出成形機にペレットを添加し、さらに射出成形機に、繊維の量を10〜50重量パーセントの繊維または20〜40重量%の繊維に減らすのに必要な追加の熱可塑性ポリマーを添加する。ポリマーは、最終的な繊維量に希釈され(let down)、それと同時に成形部品が形成される。それにより、別個の操作として繊維の量を減らすのにかかる費用が少なくなる。
【0101】
例示的な実施態様を図示し、説明したが、特許請求された主題の本質および範囲から逸脱することなくそれらに様々な変化を施すことができることが理解されよう。
(1) 木材パルプ繊維と熱可塑性ポリマーとを含むペレットの製造方法であって、該方法は、10〜50重量%の木材パルプ繊維と、45〜85重量%の熱可塑性ポリマーとを含む押出し物をダイで押出し成形すること、押出し物を切断してペレットにすること、押出し物より温度が低い水を用いて押出し物からペレットを取り出すこと、ペレットを水からろ過すること、を含み、ここでペレット中の木材パルプ繊維は、1%またはそれ未満の含水量を有する、上記製造方法。
(2) 前記木材パルプ繊維が、漂白化学木材パルプ繊維である、(1)に記載の方法。
(3) 前記熱可塑性ポリマーが、バイオポリマー、ポリ乳酸、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、塩化ビニル、および再利用プラスチックからなる群より選択される、(1)に記載の方法。
(4) 前記ペレットからろ過された水を冷却すること、水を押出し物に再利用すること
をさらに含む、(1)に記載の方法。
(5) 前記木材パルプ繊維が、漂白化学木材パルプ繊維である、(4)に記載の方法。
(6) 前記熱可塑性ポリマーが、バイオポリマー、ポリ乳酸、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、塩化ビニル、および再利用プラスチックからなる群より選択される、(4)に記載の方法。
(7) 前記材料をダイにポンプで送ることをさらに含む、(1)に記載の方法。
(8) 押出し物が、20〜40重量%の木材パルプ繊維と、55〜&5重量%の熱可塑性ポリマーとを含む、(1)に記載の方法。
(9) 前記木材パルプ繊維は膨潤していない、(1)に記載の方法。
(10) 前記木材パルプ繊維が、漂白化学木材パルプ繊維である、(9)に記載の方法。
(11) 前記熱可塑性ポリマーが、バイオポリマー、ポリ乳酸、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、塩化ビニル、および再利用プラスチックからなる群より選択される、(9)に記載の方法。
(12) 前記ペレットからろ過された水を冷却すること、水を押出し物に再利用すること、をさらに含む、(9)に記載の方法。
(13) 前記木材パルプ繊維が、漂白化学木材パルプ繊維である、(12)に記載の方法。
(14) 前記熱可塑性ポリマーが、バイオポリマー、ポリ乳酸、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、塩化ビニル、および再利用プラスチックからなる群より選択される、(12)に記載の方法。
(15) 前記材料をダイにポンプで送ることをさらに含む、(9)に記載の方法。
(16) 押出し物が、20〜40重量%の木材パルプ繊維と、55〜&5重量%の熱可塑性ポリマーとを含む、(9)に記載の方法。