特許第6061958号(P6061958)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6061958
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】ソフトウェア定義式顕微鏡
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/06 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
   G02B21/06
【請求項の数】19
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-559871(P2014-559871)
(86)(22)【出願日】2012年2月29日
(65)【公表番号】特表2015-510150(P2015-510150A)
(43)【公表日】2015年4月2日
(86)【国際出願番号】US2012027152
(87)【国際公開番号】WO2013130077
(87)【国際公開日】20130906
【審査請求日】2015年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】399117121
【氏名又は名称】アジレント・テクノロジーズ・インク
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100154298
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100161001
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 篤司
(74)【代理人】
【識別番号】100179154
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 真衣
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100184424
【弁理士】
【氏名又は名称】増屋 徹
(72)【発明者】
【氏名】メルテルマイアー,マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】デュドネ,マイケル
【審査官】 越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−275685(JP,A)
【文献】 特開2006−171024(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0212180(US,A1)
【文献】 国際公開第2006/104183(WO,A1)
【文献】 特表2005−508521(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0086145(US,A1)
【文献】 特開2003−121749(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0030902(US,A1)
【文献】 特開2011−128588(JP,A)
【文献】 欧州特許第02325683(EP,B1)
【文献】 特表2000−502472(JP,A)
【文献】 米国特許第06243197(US,B1)
【文献】 特開昭61−156215(JP,A)
【文献】 特開2004−212800(JP,A)
【文献】 特開2006−154290(JP,A)
【文献】 特開2011−152561(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0329247(US,A1)
【文献】 特開平11−101942(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0154398(US,A1)
【文献】 特開2005−292538(JP,A)
【文献】 特開昭61−103116(JP,A)
【文献】 特開平03−265819(JP,A)
【文献】 欧州特許第00446949(EP,B1)
【文献】 特開平07−043639(JP,A)
【文献】 特開平04−093912(JP,A)
【文献】 特表2006−517293(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0171021(US,A1)
【文献】 特開2011−064892(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/069220(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0201366(US,A1)
【文献】 特開2003−059090(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0039196(US,A1)
【文献】 特開平05−100105(JP,A)
【文献】 特開平05−164523(JP,A)
【文献】 特開2003−045204(JP,A)
【文献】 欧州特許第01865353(EP,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0196550(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0120325(US,A1)
【文献】 特開2004−170930(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0084426(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明源から第1の波長の光を受取り、前記第1の波長の光を通すダイクロイックリフレクターを通して対物レンズ内に光を伝達するように前記光を処理する第1の照明空間光変調器(第1の照明SLM)であって、該第1の照明SLMは、第1の反射基板と、該第1の反射基板上に配置された複数の第1のクリアピクセルを有し、該複数の第1のクリアピクセルの各々は、該各第1のクリアピクセルに連結された電極に制御電圧を印加することにより、該各第1のクリアピクセルの屈折率を変化することができる、第1の照明SLMと、
前記対物レンズから光を受取り、カメラ上に画像を形成する結像システムと、
グラフィカルユーザインプット(GUI)を有し、前記画像をユーザに見せ、前記第1の照明SLMを制御して、前記ユーザからのコマンドに応答して前記光の前記処理を変更するコントローラと
を備え、前記コントローラは、前記第1の照明SLMのアライメント誤差及び/又は集束要件を補正するように、前記第1の照明SLMをプログラムすることができる顕微鏡。
【請求項2】
前記コントローラは、前記GUI上でユーザによって指定されるサンプルの領域を選択的に照明する、請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第1の照明SLMに、1つの照明モードでフレネルレンズをエミュレートさせる、請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項4】
前記コントローラは、前記第1の照明SLMに、1つの照明モードでフレネルプリズムをエミュレートさせる、請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項5】
前記光源は複数の光源を備え、前記コントローラは、前記カメラからの前記画像を利用して前記光源のアライメント誤差を修正する、請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項6】
前記対物レンズは、後焦点面と前記対物レンズの中心を通るレンズ軸とを有し、前記コントローラは、前記第1の照明SLMに、前記後焦点面上で前記レンズ軸からオフセットした位置に前記光を集束させるレンズをエミュレートさせる、請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項7】
前記コントローラは、前記顕微鏡によって観察されるサンプルが、前記GUIを用いて前記ユーザによって選択される複数のパターンのうちの1つのパターンで照明されるように、前記光を処理する、請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項8】
前記コントローラは、前記サンプルの第1の視野の第1の画像を前記カメラが受取るように前記光を処理し、前記第1の画像は前記GUI上に表示される、請求項7に記載の顕微鏡。
【請求項9】
前記コントローラは、前記第1の画像を参照して前記GUIを通して入力されるロケーションにおける前記第1の視野の副視野に前記光が集中されるように前記光を処理し、前記副視野は前記第1の視野より小さい、請求項8に記載の顕微鏡。
【請求項10】
さらに、第2の反射基板と、該第2の反射基板上に配置された複数の第2のクリアピクセルを有し、該複数の第2のクリアピクセルの各々は、該各第2のクリアピクセルに連結された電極に制御電圧を印加することにより、該各第2のクリアピクセルの屈折率を変化することができる第2の照明SLMを備え、前記第2の照明SLMは、前記第1の照明SLMからずらされており、前記第1の照明SLMによって処理された光を受取り、
前記コントローラは、前記第2の照明SLMのアライメント誤差及び/又は集束要件を補正するように、前記第2の照明SLMをプログラムすることができ、前記コントローラは、前記第1の照明SLM及び第2の照明SLMの一方が、前記レンズ軸からオフセットした位置で前記後焦点面上に前記光を集束させるように位置決めされ、前記第1の照明SLM及び第2の照明SLMの他方が、前記対物レンズの後焦点面に共役な平面上に実質的に位置決めされる、請求項6に記載の顕微鏡。
【請求項11】
前記結像システムは、前記コントローラによって制御される結像SLMであって、第3の反射基板と、該第3の反射基板上に配置された複数の第3のクリアピクセルを有し、該複数の第3のクリアピクセルの各々は、該各第3のクリアピクセルに連結された電極に制御電圧を印加することにより、該各第3のクリアピクセルの屈折率を変化することができる、結像SLMを備え、前記コントローラは、前記結像SLMのアライメント誤差及び/又は集束要件を補正するように、前記結像SLMをプログラムすることができ、前記結像SLMは前記ダイクロイックリフレクターからの光を前記カメラ上に結像する、請求項1に記載の顕微鏡。
【請求項12】
前記コントローラは、前記結像SLMに前記対物レンズの収差を修正させる、請求項11に記載の顕微鏡。
【請求項13】
さらに偏光ビーム分割アセンブリを備え、前記偏光ビーム分割アセンブリは、前記ダイクロイックリフレクターから光を受取り、前記光を分割し、それにより第1の偏光の光が前記結像SLMの第1の領域内で前記結像SLMに衝突し、直交偏光の光が偏光回転アセンブリを通過し、前記第1の領域とは離れている第2の領域内で前記結像SLMに衝突する、請求項11に記載の顕微鏡。
【請求項14】
さらに偏光ビーム分割アセンブリを備え、前記偏光ビーム分割アセンブリは、前記ダイクロイックリフレクターから光を受取り、前記光を分割し、それにより、第1の偏光の光が前記結像SLMに衝突し、直交偏光の光が前記カメラ上に結像される、請求項11に記載の顕微鏡。
【請求項15】
前記コントローラは、前記結像SLMに、前記結像SLMに衝突する前記光から第1の画像を前記カメラ上の前記第1の領域内に形成させ、また、前記結像SLMに衝突する前記光から第2の画像を前記第2の領域内に形成させ、前記第1の画像は、前記カメラにおいても前記第2の画像から離れている請求項13に記載の顕微鏡。
【請求項16】
前記コントローラは、前記結像SLMに、前記顕微鏡を用いて観察されるサンプルのスペクトル強調画像を生成するフレネルプリズムをエミュレートさせる、請求項11に記載の顕微鏡。
【請求項17】
前記対物レンズ及び前記結像SLMは、前記サンプル内の焦点深度で特徴づけられ、前記コントローラは、前記結像SLMに前記焦点深度を変更させる、請求項11に記載の顕微鏡。
【請求項18】
前記コントローラは、前記結像SLMに中心セクションが閉鎖されているレンズをエミュレートさせる、請求項11に記載の顕微鏡。
【請求項19】
前記レンズは超解像デジレンズである、請求項18に記載の顕微鏡。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
強力なレーザ及び感度の高いカメラ等の蛍光顕微鏡の進歩により、現在、生体細胞内の単一の色素分子の検出が可能になっている。色素は、細胞の成分に直接結合するか、又は、細胞成分に結合する標的分子に付着する。しかし、従来の顕微鏡におけるこうした単一分子の結像を実施することは、かなりの難題を呈する。
【0002】
照明源は、サンプル上の目的のエリアを単に照明することを超えて、いくつかの特徴を提供しなければならない。数ミリ秒以内に単一の色素分子から十分に強い信号(数百〜数千の光子)を収集するために、1kW/cmより大きい照明強度が必要とされる。しかし、典型的なレーザ光源が生成するのは、100mW未満である。このパワーの一部だけを対物レンズを通して投影することができる。したがって、照明することができる最大エリアは、径が100ミクロン未満である。実際には、好ましくは大きなエリアが照明され、目的の細胞が見出される。そして、より強い局所化照明が、目的の細胞の周りのより小さなエリア内で使用されて、目的の細胞の画像が形成されることができる速度を増加させ、その時に結像されていない周囲の細胞に対する光誘導性のダメージを減少させる。したがって、照明光スポットのサイズ、ロケーション、及び強度が可変でなければならない。
【0003】
さらに、照明源の波長は、問題の色素に応じて変動する必要がある場合がある。サンプルが異なる励起波長を有する複数の色素を含む場合、照明源は、同じ画像を取得する間に、複数の波長を提供する必要がある場合がある。
【0004】
単一分子検出によって生じる問題に加えて、幾つかの画像形成モードにおいて、照明光がサンプルに衝突する角度もまた、制御されなければならない。例えば、1つの照明モードにおいて、入射光は、サンプルがその上に配置されるスライドとサンプルとの間の境界に、照明光が境界から全反射されることを保証する角度で衝突しなければならない。この照明方法は、ガラスに近接する小さな体積が励起されることをもたらし、画像の信号対雑音比を改善する。
【0005】
最後に、異なる照明パターンが、異なる結像モードについて必要とされる。ストライプ、円、リング、又はスポットからなるパターンでサンプルが照明されるモードが、結像モードに応じて必要とされる場合がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、照明源から第1の波長の光を受取り、第1の波長の光を通すダイクロイックリフレクターを通して対物レンズ内に光を伝達するように、その光を処理する、第1の照明空間光変調器(SLM:spatial light modulator)を有する顕微鏡を含んでいる。顕微鏡はまた、対物レンズから光を受取り、カメラ上に画像を形成する結像システムと、グラフィカルユーザインプットを有し、画像をユーザに表示し、第1の照明SLMを制御して、ユーザからのコマンドに応答して光の処理を変更する、コントローラとを含む。照明SLMは、従来の顕微鏡の照明光学トレイン内の1つ若しくは複数のレンズ又はプリズムによって通常実施されることになる機能を提供するように制御される。さらに、コントローラは、照明SLMを利用して、カメラ画像を使用することによって第1の波長の光を生成する光源内のアライメント誤差を補正し、それにより、SLMのプログラミングを最適化することができる。結像システムは、コントローラによって制御される結像SLMを含むことができ、結像SLMは、ダイクロイックリフレクターからの光をカメラ上に結像する。コントローラは、結像SLMを利用して、対物レンズの収差を補正し、対物レンズからの光の偏光依存性処理を実施することができる。コントローラはまた、結像SLMを利用して、対物レンズによって観察されるオブジェクトについて向上したスペクトル情報を有する画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明による顕微鏡の一実施形態を示す図である。
図2】光学要素を置換するように位相変調SLMを使用する一方法を示す図である。
図3】異なる波長の2つの単色光源を有する光源を示す図である。
図4】本発明による顕微鏡で使用する光源の別の実施形態を示す図である。
図5】GUI上で表示されるカメラ画像において見られるスライドの視野を示す図である。
図6】全内部反射結像モードが従来の顕微鏡において実施される方法を示す図である。
図7】本発明による顕微鏡内のSLMが利用されて、可動フォーカスレンズを必要とすることなく軸外集束を提供することができる態様を示す図である。
図8図8Aおよび図8Bは、本発明の一実施形態による顕微鏡で使用する入力光学チェーンの別の実施形態を示す図である。
図9A】本発明の1つの実施形態による放出光処理光学部品の一部分を示す図である。
図9B】本発明の1つの実施形態による放出光処理光学部品の一部分を示す図である。
図10図10Aは、従来のデジレンズ(daisy lens)の回折パターンを示す図である。図10Bは、超解像デジレンズの回折パターンを示す図である。
図11】SLMがプリズムパターンを提供するようにプログラムされるときの、顕微鏡の視野内の1つの蛍光スポットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明がその利点を提供する態様は、図1を参照してより容易に理解されることができ、図1は、本発明による顕微鏡の一実施形態を示す。顕微鏡20は、スライド25’上に目的の細胞を含むサンプル25の画像を形成する。サンプルは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)29を介して顕微鏡20のユーザと通信するコントローラ28によって制御される複数の離散的な波長の光源を含み得る光源21によって照明される。光源21からの光は、SLM22によって処理され、SLM22は、光源21からの光の位相を、光がSLM22に衝突するロケーションに応じて異なる程度に変更する。SLM22は、以下でより詳細に論じられるであろう。SLM22からの処理済みの光は、サンプル上に光を集束させる対物レンズ24内に結像される。オプションのテレスコープ32は、SLM22から出力される光ビームのサイズを減少させ、それにより、光ビームは、対物レンズ24の入力アパーチャによって収容される。
【0009】
ダイクロイックリフレクター23は入射波長の光を通す。SLM26はまた、SLM26に入射する光の位相を変更する。SLM26によって処理された光は、その出力がコントローラ28に入力されるカメラ27上に結像される。画像は、SLM22及び26によって提供される処理を調整するために使用される種々の制御パラメータをユーザが通信することを可能にする態様でGUI29上に表示される。
【0010】
上記で述べたように、光源21の出力は、位相変調SLMであるSLM22によって処理される。ここで、位相変調SLMを示す図2を参照されたい。SLM40は、反射基板42上のクリアピクセル41のアレイとみなすことができる。各ピクセルの屈折率は、各ピクセルに連結されたピクセル内の電極に適切な制御電圧を印加することによって、個々に変化し得る。この構成のSLMは、個々のピクセルを制御する制御回路部及び電極を含むシリコン基板上に液晶材料を堆積させることによって実施することができる。このタイプのSLMは、商業的に入手可能であり、したがって、本明細書では詳細には論じない。本検討のために、ピクセルを通過する光の観点から、3の屈折率及び1ユニットの厚さを有するピクセルが、1.5の屈折率及び2ユニットの厚さを有するピクセルと同じ作用を光に対して有することを留意することで十分である。したがって、こうしたSLMは、43で示すフレネルレンズをエミュレートすることができ、次に、レンズ44と実質的に同じ態様で光を処理する。
【0011】
同様に、位相変調SLMは、光ビームを向け直し、広スペクトル光源をその成分波長に分離するプリズムをエミュレートすることができる。単一のSLMが、原理上、複数のレンズ及びプリズムを有する光学アセンブリをシミュレートすることができることは留意されるべきである。所望の光学処理が与えられると、等価な位相シフトパターンを、SLMに対する入力として導出することができる。
【0012】
SLMはまた、光学的分解能の限界内で、レンズの焦点面においてほぼ任意の強度分布を生成するのに使用することができる。SLMは、レンズ面と共役に配置され、SLMから反射される光はレンズを通過する。レンズの焦点面における強度分布は、SLM上の位相パターンのフーリエ変換であることになる。所望の強度分布に基づいてSLM設定を計算する公表されている幾つかの方法が存在する。
【0013】
SLMは、原理上、かなり抑えたコストで、顕微鏡を含む非SLM内で使用される従来の光学アセンブリによって提供される入力光処理と同じ入力光処理を提供することができる。従来の入力光学トレインは、入力光の波長が特定の用途に応じて変化する場合があるため、色消しレンズ及び要素を利用しなければならない構成要素について構築されなければならない。さらに、要素のアライメント公差は、エンドユーザがアライメントを容易に変更できないため小さい。
【0014】
SLMは、光源の波長が変更されるときに、シミュレートされるレンズの有効焦点長を電子的に変更することができる。さらに、SLMは、他の固定光学要素に関連して、電子的に、レンズの位置を「移動させる(move)」又はリフレクターの角度を変更することができる。したがって、これらのパラメータは、自動的に又はユーザからの入力に応答して、実験のセットアップ及び実行中に変更することができる。
【0015】
例えば、顕微鏡の視野内の照明スポットの位置及びサイズが、SLM上のピクセルのパターンを調整するソフトウェアを使用して制御されて、カメラから見られる視野内で所望のビーム形状及びサイズを提供することができる。光源21が、レーザ等の複数の単色光源から構築される場合を考える。通常、レーザが顕微鏡の視野内で同じ形状を有するスポットを同じロケーションに生成することを、実験は必要とする。個々の光源のアライメントは、従来の顕微鏡においてかなりの難題を呈する。その理由は、アライメントが、アライメント誤差を補正することができる、ある形態の機械的アセンブリによって制御されなければならないからである。
【0016】
ここで、異なる波長の2つの単色光源を有する光源50を示す図3を参照されたい。光源の一方だけが任意の所与の時間にアクティブであり、光源の一方がアライメントがずれている場合を考える。51及び52で示す2つの光源からの光は、ダイクロイックリフレクター53及びミラー54の助けを借りて結合される。理想的には、各光源は、57に示す方向に光ビームを生成する。アライメント誤差のため、光源52からの光は、56に示すようにミスアライン状態である。ミスアライメントはSLM55によって補正される。光源52がアクティブであるとき、視野内において結果として生じるスポットの位置は、図1に示すカメラ27によって測定される。SLMプログラムは、プリズム並びにリフレクターをエミュレートするようSLMをプログラムすることによって、スポットが所望のロケーションになるように設定される。プリズムはミスアライメントを補正する。光源51がアクティブであるとき、SLMは、単純なリフレクターであるようにプログラムされる。上記で述べたように、SLMはまた、プリズムと協同してレンズをエミュレートすることができ、したがって、ビームが集束される場合、SLMはまた、所望のレンズエミュレーションを提供することができる。さらに、各光源からの光が単色であるため、SLMは、その波長に関して適切に動作するプリズム及び/又はレンズを提供するようにプログラムされることができ、したがって、高価な色消しレンズは必要とされない。
【0017】
この配置構成はまた、照明スポットの位置を変更することなく、光が1つの波長から別の波長に高速に切換えられる実験を可能にする。サンプルが1つの波長で刺激され、次いで第2の波長で観察される実験に容易に対応できる。
【0018】
複数の光源が一度に動作される場合、各光源がそれ自身のSLMを有する配置構成を利用することができる。ここで、本発明による顕微鏡で使用する光源の別の実施形態を示す図4を参照されたい。光源60は、いくつかの単色光源を有し、そのうち、光源61及び62が典型的である。各光源は、65及び66で示すように、対応するSLMを有する。SLMは、カメラ上のスポットを観測し、スポットが所望の位置にあり、かつ、所望の形状を有するまでSLMプログラムを補正することによって、関連する光源についてアライメント誤差及び任意の集束要件を補正するようにプログラムされる。個々の光源によって生成される光ビームは、その後、リフレクター63及び64等のダイクロイックリフレクターを使用して結合される。
【0019】
顕微鏡の視野内の照明スポットのロケーション、サイズ、及び形状を制御する能力は、本発明に係る顕微鏡が、より効率的な態様で、かつ、従来の顕微鏡と比較して低減されたコストを有する構成要素によって動作することを可能にする。
【0020】
従来の顕微鏡では、ユーザは、最初に、低倍率対物レンズを通して視野を検査し、対象の細胞を含んでいるであろう対象の領域にステージをシフトさせる。次いで、ユーザは、対象の細胞を見出すように高倍率に切換える。その後、ユーザは、対象の細胞をモータのついたx−yステージによって中心に配置し、それにより、対象の細胞が視野の中心にあり、照明が適切に高いレベルになり、所望の測定が実施される。ユーザは、その後、光学系をカメラに切換えて、所望の測定を行う。精密ステージのコストは相当なものである。さらに、対象の細胞を中心に配置するプロセスは時間がかかる。
【0021】
本発明の一実施形態に係る顕微鏡では、ユーザは、カメラ出力及び高倍率の対物レンズを観察することによってこれらの動作の全てを実施する。カメラは、対象の任意のサブエリアに対するデジタルズームを可能にするのに十分な解像度を有する。SLMは、カメラ上でユーザによって観察されることができるエリア全体を照明するようにプログラムされる。ユーザは、マウス又はGUIの一部である他のポインティングデバイスを使用して対象の細胞を選択する。SLMは、その後、ユーザによって指示されるロケーションに合うようにスポットのサイズ及び位置を変更する。ここで、光の全てがユーザによって指示される領域内に集中するため、照明強度は実質的により高く、より高速な結像をもたらす。さらに、顕微鏡ステージの必要とされる精度は、実質的に低減される。その理由は、位置の微調整が、ユーザが対象の細胞を中心に配置しなければならない固定視野によってではなく、ユーザによって選択されるカメラ視野のエリアによって提供されるからである。
【0022】
試料上のスポットの形状を制御するとともにロケーションを移動させるSLMの能力は、対象のオブジェクトのより効率的な照明及び対象の測定に干渉する可能性のある近くのオブジェクトを回避することを可能にする。ここで、GUI上で表示されるカメラ画像において見られるスライドの視野を示す図5を参照されたい。画像は、視野78内のオブジェクトの全てを照明するように設定された照明スポットサイズで撮影される。例示的な細胞は71及び72で示される。ユーザは、73〜75で示すように、照明されるべき副視野の境界をマーク付けすることによって高い強度で照明されるべきエリアを選択することができる。ユーザはまた、照明副視野の形状を指定することができる。形状は、正方形、長方形、又は円形等の形状の所定のメニューから選択することができる。さらに、76で示す境界等の或る特定の自由形式の形状を設けることができる。対象のオブジェクトの境界により密接に一致する形状を選択することによって、光が必要とされる場所に光が集中し、背景光が低減される。
【0023】
その後、ユーザは、選択された副視野のうちの1つが、指定された波長でより高い照明を受けることを指示する。コントローラは、スポットのロケーション及び境界をSLMに適用されるパターンに変換し、カメラは画像を記録する。この後者のフェーズ中に、ユーザによって指示されたエリアだけが照明される。所定の形状の場合、パターンをコントローラに記憶することができる。より自由形式のパターンの場合、コントローラは、必要とされるSLMパターンを計算する必要があることになる。知られているロケーションで知られているスポットサイズを生成するSLMパターンを決定するコンピュータプログラムは、当技術分野で知られており、したがって、本明細書では詳細に論じない。
【0024】
幾つかの実験では、試料が配置されるスライドの底面に照明光が衝突する角度は臨界(critical)である。例えば、全内部反射結像では、ガラスと試料含有流体との屈折率の差によって、ガラスと試料との間の界面で光が反射するような角度で照明光がスライドに衝突する。この配置構成は、試料内にエバネッセント電界を生じ、エバネッセント電界は結像するように試料を励起する。結果得られる画像は、より従来的な照明で撮影される画像より高いコントラストを有する。この実験的配置構成を提供するのに、スライドは、臨界角度より大きい角度で、光の平行ビームによって照明されなければならない。
【0025】
ここで、全内部反射結像モードが従来の顕微鏡において実施される態様を示す図6を参照されたい。サンプル88は、エバネッセント電界領域87を生成するために下から照明されるスライド84上に搭載される。照明システムは、レーザからの平行光ビームを対物レンズ83の後焦点面82上に集束させる別個のフォーカスレンズ81を必要とする。この配置構成で、対物レンズを出る光は平行ビームであることになる。対物レンズの軸に対する平行ビームの角度は、対物レンズの軸88に対する後焦点面82内の焦点の変位によって決定される。この変位は、フォーカスレンズ81が矢印86によって示すように横方向に移動されることを必要とする。この配置構成のコストは相当なものである。第1に、幾つかの異なる励起波長のうちの任意の励起波長が必要とされる場合があるため、フォーカスレンズ81は色消しレンズである必要がある。第2に、フォーカスレンズ81は、その位置が容易に調整でき、また、従来の照明が所望されるときに取外すことができる可動マウントに搭載されなければならない。
【0026】
ここで、可動フォーカスレンズを必要とすることなく所望のフォーカシングを提供するために、本発明に係る顕微鏡内のSLMを利用することができる態様を示す図7を参照されたい。この実施形態では、図1に示すSLM22は、対物レンズ83の後焦点面上の正しい位置にレーザ光89をフォーカスさせる軸外フォーカスレンズを提供するようにプログラムされる。照明システムが従来のモードで使用されるとき、SLMは、そのモードの対応するパターンに再プログラムされるだけである。
【0027】
SLMが、全内部反射モードについて必要とされる狭い焦点を提供できないが、従来の照明について必要とされる照明パターンを依然として提供する場合、第2のSLMが、入力照明チェーン内に設けられてもよい。全内部反射モードの場合、SLMは、視野内で移動させることができるスポットを照明するように向けられる照明の場合に比べて、対物レンズからより遠くにある必要がある。入力光セクション内で2つの異なる離間したSLMを使用することによって、2つの異なる距離が適応されることができる。
【0028】
ここで、本発明の一実施形態に係る顕微鏡で使用する入力光学チェーンの別の実施形態を示す図8A及び図8Bを参照されたい。図8Aは、従来の照明が所望されるときの入力チェーン処理を示し、図8Bは、全内部反射照明が所望されるときの入力チェーン処理を示す。この実施形態では、2つのSLMが利用される。図8Aを参照すると、入力チェーンはSLM91及びSLM92を使用する。非内部反射モードで動作するとき、SLM91は、リフレクターとして働くだけであり、SLM92は、試料上に所望の照明パターンを提供するようにプログラムされる。本発明の一態様では、SLM92は、対物レンズの後焦点面82と実質的に共役である平面上に位置決めされる。図8Bを参照すると、全内部反射モードで動作するとき、SLM91は、オフセンタフレネルレンズパターンを提供して、対物レンズ24の後焦点面上にレーザビームを集束させるのに使用され、SLM93は、単純なリフレクターであるようにプログラムされる。
【0029】
再び図1を参照されたい。本発明の一態様では、放出光パイプはまた、放出経路内にプログラム可能光学部品(optics)を提供するSLMを含む。放出経路内でSLMを使用することは、SLMが偏光を処理する要件によって複雑化される。レーザ源の偏光が適切にアラインされることが可能なため、これは入力光経路において重大な問題を呈しない。放出経路では、利用可能な光を2分の1に減少させる偏光フィルタによってもたらされる損失を補償するほどに、利用可能な光強度をオフセットすることはできない。
【0030】
ここで、本発明の一実施形態に係る放出光処理光学部品の一部分を示す図9Aを参照されたい。以下の議論を簡単にするために、図1の要素に類似する機能を果たす顕微鏡100の要素は、同じ参照符号を与えられている。顕微鏡100は、光学経路を曲げて、よりコンパクトな装置を提供するミラー111を含む。
【0031】
この配置構成では、偏光依存ビームスプリッタ101は、サンプルからの光を受取る。偏光依存ビームスプリッタ101は、光を、102及び103に示すように異なる方向に進み、異なる直交偏光を有する2つのビームに分離する。テレスコープ110は、対物レンズの出力を偏光依存ビームスプリッタ101の入力に整合させる。偏光回転要素104は、ビームのうちの一方の偏光を、SLM105用の所望の偏光に回転させる。このビームは、ビーム103がSLM105に衝突する領域107から離れているSLM105の領域106上に入射する。SLM105は、互いに隣りに配置される2つの別個のSLMを提供するようにコントローラ120によってプログラムされる。それぞれのセクションの出力は、カメラ112の異なる領域上に結像されて、異なる偏光を有する光による2つの画像を提供する。代替的に、2つの光ビームは、別の回転要素及び偏光依存ビームスプリッタを使用することによって、処理後に再結合されて、2つの光ビームを分離するのに使用されるプロセスを反転させることができる。
【0032】
図9Aに示す実施形態では、結像SLMプロセスにおいて、偏光依存ビームスプリッタによって生成される画像の両者は、SLM105の異なる部分によって処理される。これは、SLM105のピクセルを、2つの画像の間で分割し、したがって、それぞれの画像に適用されることが可能なSLMの解像度を減少させる。
【0033】
ここで、本発明の別の実施形態に係る放出光処理光学部品の一部分を示す図9Bを参照されたい。以下の議論を簡単にするために、図9Aの要素に類似する機能を果たす顕微鏡130の要素は、同じ参照符号を与えられている。顕微鏡130は、SLM105がビーム103からの光を処理するのに使用され、ビーム102からの光が、ミラー131によってカメラ内に反射されるだけである点において、顕微鏡100と異なる。この配置構成は、カメラ内で2つの並んだ画像、すなわち、SLM105によって処理されている画像と、そのように処理されていない画像とを提供する。例えば、SLM105が、対物レンズの焦点深度を変更するのに使用される場合、画像は、従来の画像と、サンプル内の位置のより狭い帯域に制限される画像とを示す。
【0034】
本発明の一態様では、放出経路内のSLMはまた、プログラム可能レンズとして使用されて、球面収差、コマ収差、及び非点収差等の対物レンズの誤差を修正する。修正は、既知のキャリブレーションターゲットについてカメラ画像を解析し、十分な補正が達成されるまで、SLMパターンを反復的に改善することによって達成される。本発明のこの態様は、より安価な対物レンズが顕微鏡内で使用されることを可能にする。顕微鏡の使用可能な視野は、たとえ良い品質の対物レンズを用いても、上述した光学的不完全性によって制限されることも留意されるべきであり、したがって、本発明のこの態様はまた、より大きな視野を可能にする。
【0035】
本発明の別の態様では、放出経路内のSLMは、対物レンズとSLMとの組合せが「超解像度レンズ(super resolution lens)」をエミュレートするようにプログラムされる。超解像度レンズでは、レンズの中心領域が閉鎖される。これは、画像内に或るアーチファクトを導入するという代償を払って、画像内のより高い空間周波数が強調される画像をもたらす。アーチファクトは、いわゆる超解像度デジレンズを使用することによって、より不都合でなくすることが可能である。従来のデジレンズ及び超解像度デジレンズのフーリエ回折パターンは、図10A及び図10Bにそれぞれ示される。
【0036】
本発明のプログラム可能レンズの態様はまた、サンプル内の分子の深さに関して蛍光分子を位置特定するのに使用されることができる。ここで、SLMによって提供される追加の焦点レンズは、SLMレンズと対物レンズの組合せの焦点距離を変更する。さらに、焦点深度は、スライドの底部から既知の距離にある分子だけが合焦状態になるように減少される。
【0037】
本発明の別の態様では、放出経路内のSLMはまた、画像内の削除点のそれぞれについて分光表示を生成するのに使用される。SLMは、本発明のこれらの実施形態において、フレネルプリズムパターンを用いてプログラムされる。ここで、SLMがプリズムパターンを提供するようにプログラムされるときの、顕微鏡の視野内の1つの蛍光スポットを示す図11を参照されたい。プリズムは、それぞれの点121の光を「ストリーク(streak)」122に分散させ、ストリーク内の位置は異なる波長に対応する。したがって、カメラは、画像内の照明される点のそれぞれに対応するスペクトルを測定する。蛍光色素のスペクトルがわかっているため、このスペクトルは、既知のスペクトルと背景とを足したものにスペクトルを当てはめることによってSN比(signal−to−noise ratio)を改善するように使用されることができる。
【0038】
2つのSLMパターンが、SLM上で2つの並んだパターンとして実装されることができ、カメラ上に並んだ画像をもたらすことが留意されるべきである。その2つのパターンは、異なる焦点距離の2つのレンズを提供することができるため、焦点外れの量は、3次元でオブジェクトを位置付けするのに使用することができる。代替的に、又は組合せて、レンズのうちの1つのレンズは、オリジナル画像とスペクトルを有する画像とを示すように、レンズパターンとともにプリズムパターンを含むことができる。
【0039】
単にソフトウェア変更を通してそれ自身を再構成するシステムの能力は、測定モード間の迅速な変更を可能にする。また、システムは、配備後に、新しい測定モードにアップグレードすることができる。ユーザはまた、ハードウェアに対する修正を実施する必要なしで新しいモード及びプロトコルを設計することができる。
【0040】
本発明の上述した実施形態は、本発明の種々の態様を示すために提供されている。しかし、異なる特定の実施形態で示される本発明の異なる態様が組み合わされて、本発明の他の実施形態を提供することができることは理解されるべきである。さらに、本発明に対する種々の修正は、上述の記載及び添付図面から明らかになるであろう。したがって、本発明は、以下の請求項の範囲によってのみ限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図11
図10