(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記二酸化炭素分離膜は、ガラス状高分子膜、ゴム状高分子膜、イオン交換樹脂膜、アルミナ膜、シリカ膜、炭素膜、ゼオライト膜、セラミック膜、アミン水溶液膜又はイオン液体膜である請求項4に記載の燃料電池システム。
前記二酸化炭素分離膜の上流を流通する前記オフガスと、前記二酸化炭素分離膜の下流を流通する二酸化炭素が分離された前記オフガスと、の間で熱交換を行なう熱交換器をさらに備える請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2に記載の燃料電池システムは、燃料電池の排ガス(アノード排ガス)を冷却して気水分離した後、排ガスと燃料ガスとを混合し、二酸化炭素改質するシステムである。つまり、これらの燃料電池システムは、排ガス中の二酸化炭素を改質して得られた燃料を発電に用いるとともに、未反応の燃料を再び発電に用いる循環式のシステムである。しかしながら、このような循環式のシステムでは、燃料利用率を向上させて高い発電効率を得ることに限界があり、より高い発電効率が得られるシステムが望ましい。
【0006】
さらに、特許文献1、2に記載の燃料電池システムでは、排ガス(アノード排ガス)を二酸化炭素改質器に戻すための供給経路及びブロワが必要となり、システムが複雑化してしまい、システムの信頼性が低下するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、発電効率に優れ、かつシステムの簡略化により信頼性が向上した燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、例えば以下の手段により解決される。
<1> 原料ガスを二酸化炭素改質して改質ガスを生成する改質器と、前記改質器から供給された前記改質ガスを用いて発電を行なう第1燃料電池と、前記第1燃料電池から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガスから、二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離膜と、前記二酸化炭素分離膜の下流に配置され、二酸化炭素が分離された前記オフガスを用いて発電を行なう第2燃料電池と、前記二酸化炭素分離膜の透過側に配置され、前記二酸化炭素分離膜により分離された二酸化炭素、及び前記原料ガスを前記改質器に供給する原料ガス供給経路と、を備える燃料電池システム。
【0009】
本形態に係る燃料電池システムは、第1燃料電池と第2燃料電池とを備える多段式の燃料電池システムである。そのため、循環式の燃料電池システムと比較して燃料利用率が向上しており、高い発電効率を得ることができる。
【0010】
さらに、本形態に係る燃料電池システムでは、二酸化炭素分離膜は、第1燃料電池から排出された未反応の改質ガスを含むオフガスから二酸化炭素を分離し、第2燃料電池は、二酸化炭素が分離されたオフガスを用いて発電を行なう。そのため、第2燃料電池では、電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧が向上するとともに、オフガス中の二酸化炭素に起因する濃度過電圧が低減される。よって、本形態に係る燃料電池システムは、通常の多段式の燃料電池システムよりも高い発電効率を得ることができる。
【0011】
また、二酸化炭素分離膜により分離された二酸化炭素は、二酸化炭素分離膜の透過側に配置された原料ガス供給経路に供給される。改質器にて二酸化炭素改質される原料ガスが原料ガス供給経路内を流通するため、分離された二酸化炭素は、原料ガスとともに改質器に供給される。したがって、二酸化炭素を改質器に供給するための供給経路及びブロワを別途設ける必要は無く、システムが簡略化されていることにより、システムの信頼性が向上する。
【0012】
また、二酸化炭素分離膜を透過した二酸化炭素は原料ガスとともに原料ガス供給経路内を流通するため、二酸化炭素分離膜の透過側の二酸化炭素分圧は低くなり、二酸化炭素の分離が促進される。したがって、本形態に係る燃料電池システムでは、システムの簡略化とともに二酸化炭素の分離が促進されている。その結果、第2燃料電池に供給されるオフガス中の二酸化炭素濃度をより小さくすることができ、燃料電池システムの発電効率をより高めることができる。
【0013】
<2> 前記第1燃料電池の下流かつ前記第2燃料電池の上流に配置され、前記オフガスから水蒸気を除去する水蒸気除去部をさらに備える<1>に記載の燃料電池システム。
【0014】
本形態に係る燃料電池システムでは、第1燃料電池の下流かつ第2燃料電池の上流に配置された水蒸気除去部により、オフガスから水蒸気が除去された後、オフガスが第2燃料電池に供給されて発電に用いられる。そのため、第2燃料電池の電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧がより向上するとともに、オフガス中の水蒸気に起因する濃度過電圧が低減される。よって、本形態に係る燃料電池システムは、さらに高い発電効率を得ることができる。
【0015】
<3> 前記二酸化炭素分離膜は、前記オフガスから二酸化炭素及び水蒸気を分離する膜であり、前記改質器の上流に配置され、前記二酸化炭素分離膜により分離された水蒸気を除去する水蒸気除去部をさらに備える<1>又は<2>に記載の燃料電池システム。
【0016】
本形態に係る燃料電池システムでは、二酸化炭素分離膜により二酸化炭素とともに水蒸気がオフガスから分離され、改質器の上流に配置された水蒸気除去部により、分離された水蒸気が除去される。これにより、第1燃料電池及び第2燃料電池に供給される水蒸気の量が低減され、燃料電池システムの発電効率をより高めることができる。
【0017】
<4> 前記二酸化炭素分離膜は、有機高分子膜、無機材料膜、有機高分子−無機材料複合膜又は液体膜である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
<5> 前記二酸化炭素分離膜は、ガラス状高分子膜、ゴム状高分子膜、イオン交換樹脂膜、アルミナ膜、シリカ膜、炭素膜、ゼオライト膜、セラミック膜、アミン水溶液膜又はイオン液体膜である<4>に記載の燃料電池システム。
【0018】
本形態に係る燃料電池システムでは、前述の二酸化炭素分離膜を用いることにより、第1燃料電池から排出された未反応の改質ガスを含むオフガスから二酸化炭素を好適に分離することができる。
【0019】
<6> 前記二酸化炭素分離膜の上流を流通する前記オフガスと、前記二酸化炭素分離膜の下流を流通する二酸化炭素が分離された前記オフガスと、の間で熱交換を行なう熱交換器をさらに備える<1>〜<5>のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
【0020】
本形態に係る燃料電池システムでは、二酸化炭素分離膜の上流を流通するオフガスと、二酸化炭素分離膜の下流を流通するオフガスと、の間で熱交換が行なわれる。そのため、二酸化炭素分離膜に供給されるオフガスが二酸化炭素の分離に適した温度まで冷却されるとともに、第2燃料電池に供給される二酸化炭素分離後のオフガスが発電に適した温度に加熱される。よって、システム全体の発電効率及び熱効率がより向上する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、発電効率に優れ、かつシステムの簡略化により信頼性が向上した燃料電池システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0024】
まず、本発明の燃料電池システムの比較対象となる燃料電池システムについて、
図4を用いて説明する。
図4は、比較対象となる循環式燃料電池システムを示す概略構成図である。
【0025】
図4において、比較対象となる循環式燃料電池システム100は、原料ガス供給経路124と、改質器114と、燃料電池111と、オフガス循環経路101とを備えるシステムである。このシステムでは、メタンなどの原料ガスを改質器114に送るためのブロワ125が原料ガス供給経路124に配置されており、原料ガスが原料ガス供給経路124内を流通して改質器114の改質部119に供給される。
【0026】
改質器114は、原料ガスを二酸化炭素改質して改質ガスを生成するためのものであり、燃焼部118と、改質用触媒を備える改質部119とを有している。改質器114の改質部119にて、供給された原料ガスが二酸化炭素改質され、水素を含む改質ガスが生成される。水素を含む改質ガスは、改質ガス供給経路142を通じて燃料電池111のアノード(図示せず)に供給されて発電に用いられる。
【0027】
改質器114の燃焼部118は、酸素供給経路144を通じて供給された酸素を含むガス(酸化剤ガス)と、オフガス経路146を通じて供給されたオフガスとの混合ガスを燃焼させ、改質部119内の改質用触媒を加熱する。燃焼部118からの排気ガスは、排気経路148を通じて排出されるが、このとき、熱交換器122により、酸素供給経路144内を流通する酸素を含むガスが加熱される。そして、熱交換器122により加熱された酸素を含むガスは、燃料電池111のカソード(図示せず)に供給されて発電に用いられる。
【0028】
燃料電池111は、アノードと、電解質(図示せず)と、カソードとを備え、アノードに供給された水素を含む改質ガス、及びカソードに供給された酸素を含むガスを用いて発電を行なう。この燃料電池111は、例えば750℃程度で作動する高温型の燃料電池であり、具体的には、固体酸化物形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池などである。
【0029】
燃料電池111のカソードから未反応の酸素を含むガスが排出され、未反応の酸素を含むガスは、下流側の酸素供給経路144内を流通して改質器114の燃焼部118へ供給される。一方、燃料電池111のアノードから未反応の改質ガスを含むオフガスが排出され、このオフガスは、一部はオフガス経路146内を流通して改質器114の燃焼部118へ供給され、それ以外はオフガス循環経路101内を流通し、原料ガス供給経路124内を流通する原料ガスとともに改質器114の改質部119へ供給される。そして、オフガス循環経路101を通じて供給されたオフガスに含まれる二酸化炭素により原料ガスを二酸化炭素改質し、再度発電に用いる改質ガスを生成する。
【0030】
上述したように、循環式燃料電池システム100は、燃料電池111のアノードから排出される未反応の改質ガスを含むオフガスを、改質器114の改質部119へ供給するオフガス循環経路101を備える必要があり、さらに、オフガス循環経路101はオフガスを改質部119へ送るためのブロワ102を有する必要がある。したがって、循環式燃料電池システム100では、システム構成が複雑化し、システムの制御も複雑化してしまう。
【0031】
さらに、この循環式燃料電池システム100では、循環系内での二酸化炭素濃度の増加を抑制するため、改質反応に寄与しない二酸化炭素を、アノードから排出される未反応の改質ガスを含むオフガスと共に一定割合系外に排出する必要がある。そこで、燃料電池111のアノードから排出される未反応の改質ガスを含むオフガスの一部を、オフガス循環経路101を通じて改質器114の改質部119へ供給し、それ以外を、オフガス経路146を通じて改質器114の燃焼部118へ供給している。そのため、循環式燃料電池システム100では、燃料利用率を高めることに限界があり、より高い発電効率が得られるシステムとすることが望ましい。
【0032】
一方、本発明に係る燃料電池システムは、発電効率に優れ、かつシステムの簡略化により信頼性が向上したものである。以下、本発明の燃料電池システムの一実施形態について
図1を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図である。
【0033】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る燃料電池システム10は、原料ガスを二酸化炭素改質して改質ガスを生成する改質器14と、改質器14から供給された前記改質ガスを用いて発電を行なう第1燃料電池11と、第1燃料電池11から排出された未反応の前記改質ガスを含むオフガスから、二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離膜16と、二酸化炭素分離膜16の下流に配置され、二酸化炭素が分離された前記オフガスを用いて発電を行なう第2燃料電池12と、二酸化炭素分離膜16の透過側16Bに配置され、二酸化炭素分離膜16により分離された二酸化炭素、及び前記原料ガスを改質器14に供給する原料ガス供給経路24と、を備える。
【0034】
本実施形態に係る燃料電池システム10は、第1燃料電池11と第2燃料電池12とを備える多段式の燃料電池システムである。循環式の燃料電池システムでは、循環系内での二酸化炭素濃度の増加を抑制するため、アノードから排出されるオフガスを循環系外に一部排出する必要があるが、そのときに未反応の改質ガスも循環系外に一部排出されてしまうため、燃料利用率を高めることに限界がある。一方、多段式の燃料電池システムでは、前段の燃料電池のアノードから排出されるオフガスに含まれる改質ガスが、後段の燃料電池のアノードに全て供給される。そのため、多段式である燃料電池システム10は、前述の循環式燃料電池システム100、その他循環式燃料電池システムなどと比較して燃料利用率が向上しており、高い発電効率を得ることができる。
【0035】
さらに、燃料電池システム10では、二酸化炭素分離膜16は、第1燃料電池11から排出された未反応の改質ガスを含むオフガスから二酸化炭素を分離し、第2燃料電池12は、二酸化炭素が分離されたオフガスを用いて発電を行なう。そのため、第2燃料電池12では、電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧が向上するとともに、オフガス中の二酸化炭素に起因する濃度過電圧が低減される。よって、燃料電池システム10は、通常の多段式の燃料電池システムよりも高い発電効率を得ることができる。
【0036】
また、二酸化炭素分離膜16により分離された二酸化炭素は、二酸化炭素分離膜16の透過側16Bに配置された原料ガス供給経路24に供給される。改質器14にて二酸化炭素改質される原料ガスが原料ガス供給経路24内を流通するため、分離された二酸化炭素は、原料ガスとともに改質器14に供給される。したがって、二酸化炭素を改質器14に供給するための供給経路及びブロワを別途設ける必要は無く、システムが簡略化されていることにより、システムの信頼性が向上する。
【0037】
また、二酸化炭素分離膜16を透過した二酸化炭素は原料ガスとともに原料ガス供給経路24内を流通するため、二酸化炭素分離膜16の透過側16Bの二酸化炭素分圧は低くなり、二酸化炭素の分離が促進される。したがって、燃料電池システム10では、システムの簡略化とともに二酸化炭素の分離が促進されている。その結果、第2燃料電池12に供給されるオフガス中の二酸化炭素濃度をより小さくすることができ、燃料電池システム10の発電効率をより高めることができる。
【0038】
(原料ガス供給経路)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、二酸化炭素分離膜16の透過側16Bに配置され、二酸化炭素分離膜16により分離された二酸化炭素、及び原料ガスを改質器14に供給する原料ガス供給経路24を備えている。また、原料ガス供給経路24には、二酸化炭素分離膜16により分離された二酸化炭素、及び原料ガスを改質器14へ送るためのブロワ25が設置されている。
【0039】
原料ガス供給経路24内を流通する原料ガスとしては、二酸化炭素改質が可能なガスであれば特に限定されず、炭化水素燃料が挙げられる。炭化水素燃料としては、天然ガス、LPガス(液化石油ガス)、石炭改質ガス、低級炭化水素ガスなどが例示される。低級炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン等の炭素数4以下の低級炭化水素が挙げられ、特にメタンが好ましい。なお、炭化水素燃料としては、上述した低級炭化水素ガスを混合したものであってもよく、上述した低級炭化水素ガスを含む天然ガス、都市ガス、LPガス等のガスであってもよい。
【0040】
(改質器)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、原料ガスを二酸化炭素改質して改質ガスを生成する改質器14を備えている。改質器14は、例えば、バーナ又は燃焼触媒を配置した燃焼部18と、改質用触媒を備える改質部19とにより構成される。
【0041】
改質部19は、上流側にて原料ガス供給経路24と接続しており、下流側にて改質ガス供給経路42と接続している。そのため、原料ガス供給経路24を通じてメタンなどの原料ガスが改質部19に供給され、改質部19にて原料ガスを二酸化炭素改質した後に、生成された改質ガスが改質ガス供給経路42を通じて第1燃料電池11に供給される。
【0042】
燃焼部18は、上流側にて酸素供給経路44及びオフガス経路46と接続しており、下流側にて排気経路48と接続している。燃焼部18は、酸素供給経路44を通じて供給された酸素を含むガスと、オフガス経路46を通じて供給されたオフガスとの混合ガスを燃焼させ、改質部19内の改質用触媒を加熱する。燃焼部18からの排気は、排気経路48を通じて排出される。
【0043】
排気経路48及び酸素供給経路44には熱交換器22が設置されており、熱交換器22により、排気経路48内を流通する排気と、酸素供給経路44内を流通する酸素を含むガスと、の間で熱交換を行なう。これにより、排気経路48内を流通する排気は冷却された後に排出され、酸素供給経路44内を流通する酸素を含むガスは、第1燃料電池11の作動温度に適した温度に加熱された後に第1燃料電池11のカソードに供給される。
【0044】
改質部19で起こる二酸化炭素改質は大きな吸熱を伴うので、反応の進行のためには外部から熱の供給が必要であり、そのため、燃焼部18で発生する燃焼熱により改質部19を加熱することが好ましい。あるいは、燃焼部18を設置せずに各燃料電池から放出される熱を用いて改質部19を加熱してもよい。
【0045】
原料ガスの一例であるメタンを二酸化炭素改質させた場合、改質部19にて、以下の式(a)の反応により一酸化炭素および水素が生成される。
CH
4+CO
2→2CO+2H
2・・・・(a)
【0046】
改質部19内に設置される改質用触媒としては、二酸化炭素改質反応の触媒となるものであれば特に限定されないが、Ni,Rh,Ru,Ir,Pd,Pt,Re,Co,Fe及びMoの少なくとも一つを触媒金属として含む二酸化炭素改質用触媒が好ましい。
【0047】
改質部19に供給される原料ガス(好ましくはメタン)の炭素原子数(A)と二酸化炭素の分子数(B)との比(A:B)は、二酸化炭素改質を効率よく行なう観点から、1:1.5〜3.0が好ましく、1:2.0〜2.5がより好ましい。
【0048】
また、燃焼部18は、二酸化炭素改質を効率よく行なう観点から、改質部19を、600℃〜800℃に加熱することが好ましく、600℃〜700℃に加熱することがより好ましい。
【0049】
(第1燃料電池)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、改質ガス供給経路42を通じて改質器14から供給された改質ガスを用いて発電を行なう第1燃料電池11を備えている。第1燃料電池11としては、例えば、空気極(カソード)、電解質及び燃料極(アノード)を備える燃料電池セルであってもよく、燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックであってもよい。また、第1燃料電池としては、600℃〜800℃程度で作動する高温型の燃料電池、例えば、700℃〜800℃程度で作動する固体酸化物形燃料電池、600℃〜700℃程度で作動する溶融炭酸塩形燃料電池が挙げられる。
【0050】
第1燃料電池11が固体酸化物形燃料電池の場合、第1燃料電池11のカソード(図示せず)には、酸素供給経路44を通じて酸素を含むガス(酸化剤ガス)が供給される。酸素を含むガスがカソードに供給されることにより、以下の式(b)に示す反応が起こり、その際、酸素イオンが固体酸化物電解質(図示せず)の内部を移動する。
O
2+4e
−→2O
2−・・・・(b)
【0051】
第1燃料電池11が固体酸化物形燃料電池の場合、第1燃料電池11のアノード(図示せず)には、改質ガス供給経路42を通じて水素を含む改質ガスが供給される。固体酸化物電解質の内部を移動する酸素イオンからアノードと固体酸化物電解質との界面にて水素が電子を受け取ることにより、以下の式(c)に示す反応が起こる。
H
2+O
2−→H
2O+2e
−・・・・(c)
【0052】
第1燃料電池11が溶融炭酸塩形燃料電池の場合、第1燃料電池11のカソード(図示せず)には、酸素供給経路44を通じて酸素及び二酸化炭素を含むガスが供給される。酸素及び二酸化炭素を含むガスがカソードに供給されることにより、以下の式(d)に示す反応が起こり、その際、炭酸イオンが電解質(図示せず)の内部を移動する。
O
2+2CO
2+4e
−→2CO
32−・・・・(d)
【0053】
第1燃料電池11が溶融炭酸塩形燃料電池の場合、第1燃料電池11のアノード(図示せず)には、改質ガス供給経路42を通じて水素を含む改質ガスが供給される。電解質の内部を移動する炭酸イオンからアノードと電解質との界面にて水素が電子を受け取ることにより、以下の式(e)に示す反応が起こる。
H
2+CO
32−→H
2O+CO
2+2e
−・・・・(e)
【0054】
上記式(c)及び式(e)に示すように、第1燃料電池11での改質ガスの電気化学的な反応により、固体酸化物形燃料電池では主に水蒸気が生成され、溶融炭酸塩形燃料電池では主に水蒸気及び二酸化炭素が生成される。また、アノードで生成された電子は、外部回路を通じてカソードに移動する。このようにして電子がアノードからカソードに移動することにより、第1燃料電池11にて発電が行なわれる。なお、固体酸化物形燃料電池であっても、一部の一酸化炭素が発電に用いられることで、二酸化炭素が生成される。
【0055】
カソードから排出された未反応の酸素を含むガスは、下流側の酸素供給経路44を通じて、第2燃料電池12のカソード(図示せず)に供給される。
【0056】
一方、アノードから排出された未反応の改質ガスを含むオフガスは、オフガス経路52を通じて二酸化炭素分離膜16の供給側16Aへ供給される。ここで、未反応の改質ガスを含むオフガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気などを含む混合ガスである。
【0057】
オフガス経路52及びオフガス経路54には熱交換器21が設置されており、熱交換器21により、オフガス経路52内を流通するオフガスと、オフガス経路54内を流通する二酸化炭素分離後のオフガスと、の間で熱交換を行なう。これにより、オフガス経路52内を流通するオフガスは、二酸化炭素分離膜により二酸化炭素を分離する際に好ましい温度まで冷却され、オフガス経路54内を流通する二酸化炭素分離後のオフガスは、第2燃料電池12の作動温度に適した温度に加熱される。そのため、システム全体の発電効率及び熱効率がより向上する。
【0058】
(二酸化炭素分離膜)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、第1燃料電池11から排出された未反応の改質ガスを含むオフガスから、二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離膜16を備えている。オフガス経路52内を流通するオフガスは、二酸化炭素分離膜16の供給側16Aに供給され、オフガス中の二酸化炭素は、供給側16Aから透過側16Bへ矢印A方向に二酸化炭素分離膜16を通過する。二酸化炭素を分離した後のオフガスは、供給側16Aからオフガス経路52内を流通し、第2燃料電池12へ供給され、分離された二酸化炭素は、透過側16Bを流れる原料ガスと混合され、透過側16Bから原料ガス供給経路24内を流通し、改質器14の改質部19へ供給される。
【0059】
ここで、燃料電池システム10では、分離された二酸化炭素は、原料ガスとともに改質器14に供給される。したがって、二酸化炭素を改質器14に供給するための供給経路及びブロワを別途設ける必要は無く、システムが簡略化されていることにより、システムの信頼性が向上する。
【0060】
さらに、二酸化炭素分離膜16を透過した二酸化炭素は原料ガスとともに原料ガス供給経路24内を流通するため、二酸化炭素分離膜16の透過側16Bの二酸化炭素分圧は低くなり、供給側16Aと透過側16Bとの二酸化炭素分圧差を大きくすることができる。そのため、より多くの二酸化炭素を透過側16Bへ移動させることができ、二酸化炭素の分離が促進される。
【0061】
したがって、燃料電池システム10では、システムの簡略化とともに二酸化炭素の分離が促進されている。その結果、第2燃料電池12に供給されるオフガス中の二酸化炭素濃度をより小さくすることができ、燃料電池システム10の発電効率をより高めることができる。
【0062】
二酸化炭素分離膜は、二酸化炭素を透過する膜であれば特に限定されないが、例えば、有機高分子膜、無機材料膜、有機高分子−無機材料複合膜、液体膜などが挙げられる。また、二酸化炭素分離膜は、ガラス状高分子膜、ゴム状高分子膜、イオン交換樹脂膜、アルミナ膜、シリカ膜、炭素膜、ゼオライト膜、セラミック膜、アミン水溶液膜又はイオン液体膜であることがより好ましい。
【0063】
二酸化炭素分離膜としては、例えば、ガラス状高分子膜、ゴム状高分子膜、イオン交換樹脂膜などの有機高分子膜が挙げられる。有機高分子膜の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリスチレン、酢酸セルロース、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリピロール、ポリフェニレンオキシド、ポリアニリン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、等の各種有機材料が挙げられる。また、有機高分子膜は、1種の有機材料から構成される膜であってもよく、2種以上の有機材料から構成される膜であってもよい。
【0064】
また二酸化炭素分離膜としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩共重合体、ポリエチレングリコールなどの吸水性を有する有機高分子と、二酸化炭素と親和性を有し、かつ水溶性を示す二酸化炭素キャリアとを含む有機高分子膜であってもよい。
【0065】
二酸化炭素キャリアとしては、無機材料及び有機材料が用いられ、例えば、無機材料としては、アルカリ金属塩(好ましくはアルカリ金属炭酸塩)、アンモニア、アンモニウム塩などが挙げられ、有機材料としては、例えば、アミン、アミン塩、ポリアミンなどが挙げられる。なお、二酸化炭素キャリアは、無機材料膜、有機高分子−無機材料複合膜、液体膜等に含まれていてもよい。
【0066】
二酸化炭素分離膜としては、例えば、アルミナ膜、シリカ膜、炭素膜、ゼオライト膜、セラミック膜などの無機材料膜が挙げられ、無機材料膜としては、中でもゼオライト膜が好ましい。ゼオライトとしては、例えば、A型、Y型、T型、ZSM−5型、ZSM−35型、モルデナイト系などが挙げられる。また、無機材料膜は、1種の無機材料から構成される膜であってもよく、2種以上の無機材料から構成される膜であってもよい。
【0067】
二酸化炭素分離膜は、有機高分子−無機材料複合膜であってもよい。有機高分子−無機材料複合膜としては、有機材料及び無機材料から構成される膜であれば特に限定されないが、例えば、上述した有機材料から選択される少なくとも1種の有機材料及び上述した無機材料から選択される少なくとも1種の無機材料から構成される複合膜であることが好ましい。
【0068】
二酸化炭素分離膜としては、例えば、アミン水溶液、イオン液体などの液体膜が挙げられる。これら液体膜は、前述の有機高分子膜、無機材料膜、有機高分子−無機材料複合膜に、アミン水溶液又はイオン液体を含浸させたものであってもよい。
【0069】
二酸化炭素分離膜として、アミン水溶液膜を用いた場合、オフガス中の二酸化炭素をアミン水溶液膜に化学的に吸着させた後、加熱することで二酸化炭素が分離され、アミン水溶液膜の透過側に二酸化炭素が移動する。アミン水溶液としては、モノエタノールアミンなどのアミノアルコールなどが挙げられる。
【0070】
二酸化炭素分離膜として、イオン液体膜を用いた場合、オフガス中の二酸化炭素がイオン液体膜に吸着し、吸着された二酸化炭素をイオン液体膜から分離することで、イオン液体膜の透過側に二酸化炭素が移動する。ここで、イオン液体は、150℃以下の比較的低温の融点を有する塩であり、例えば、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオンなどの陽イオンと、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオンなどの陰イオンと、から構成される。
【0071】
二酸化炭素分離膜の厚さは、特に限定されないが、機械的強度の観点からは、通常、10μm〜3000μmの範囲が好ましく、より好ましくは10μm〜500μmの範囲であり、さらに好ましくは15μm〜150μmの範囲である。
【0072】
なお、二酸化炭素分離膜は、多孔質性の支持体に支持されていてもよい。支持体の材質としては、紙、セルロース、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、金属、ガラス、セラミックなどが挙げられる。
【0073】
二酸化炭素を分離した後のオフガスは、供給側16Aからオフガス経路52内を流通し、第2燃料電池12へ供給される。このとき、前述のように、オフガス経路52及びオフガス経路54に設置された熱交換器21により、オフガス経路54内を流通する二酸化炭素分離後のオフガスは、第2燃料電池12の作動温度に適した温度に加熱される。
【0074】
(第2燃料電池)
本実施形態に係る燃料電池システム10は、二酸化炭素分離膜16の下流に配置され、二酸化炭素が分離されたオフガスを用いて発電を行なう第2燃料電池12を備えている。第2燃料電池12としては、例えば、空気極(カソード)、電解質及び燃料極(アノード)を備える燃料電池セルであってもよく、燃料電池セルを複数積層した燃料電池スタックであってもよい。なお、第2燃料電池12は、上述の第1燃料電池11と同様の構成であるため、共通する事項に関する説明は省略する。
【0075】
燃料電池システム10では、第2燃料電池12は、二酸化炭素が分離されたオフガスを用いて発電を行なう。そのため、第2燃料電池12では、電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧が向上するとともに、オフガス中の二酸化炭素に起因する濃度過電圧が低減され、特に高電流密度時に高い性能を発揮することができる。よって、燃料電池システム10は、後段の燃料電池にて二酸化炭素が分離されていないオフガスを用いて発電を行なう通常の多段式の燃料電池システムと比較して、高い発電効率を得ることができる。
【0076】
第2燃料電池12のカソードから排出された未反応の酸素を含むガスは、下流側の酸素供給経路44を通じて改質器14の燃焼部18へ供給される。一方、第2燃料電池12のアノードから排出されたオフガスは、オフガス経路46を通じて改質器14の燃焼部18へ供給される。
【0077】
本実施形態では、2つの燃料電池(第1燃料電池11及び第2燃料電池12)を備える燃料電池システムについて説明したが、本発明はこれに限定されず、3つ以上の燃料電池を備える燃料電池システムであってもよく、例えば、第2燃料電池12の下流に第3燃料電池を備える構成であってもよい。
【0078】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る燃料電池システム20は、第1燃料電池11の下流かつ第2燃料電池12の上流に、オフガスから水蒸気を除去する水蒸気除去部をさらに備えている点で第1実施形態に係る燃料電池システム10とは相違する。以下、本実施形態に係る燃料電池システム20について
図2を用いて説明するが、上述の第1実施形態に係る燃料電池システム10と共通する構成については、その説明を省略する。
図2は、第2実施形態に係る燃料電池システムを示す概略構成図であり、本実施形態では、
図2に示すB1又はB2の位置に、水蒸気除去部が設置される。
【0079】
本実施形態に係る燃料電池システム20では、第1燃料電池11の下流かつ第2燃料電池12の上流に配置された水蒸気除去部により、オフガスから水蒸気が除去された後、オフガスが第2燃料電池12に供給されて発電に用いられる。そのため、第2燃料電池12の電極間の酸素分圧差に起因する理論電圧がより向上するとともに、オフガス中の水蒸気に起因する濃度過電圧が低減される。よって、本実施形態に係る燃料電池システム20では、第1実施形態に係る燃料電池システム10よりも高い発電効率を得ることができる。
【0080】
水蒸気除去部は、オフガスから水蒸気を除去するためのものであり、水蒸気を分離する分離膜、水蒸気を吸着する吸着剤、水蒸気を凝縮する凝縮器などであればよい。
【0081】
水蒸気除去部は、第1燃料電池11の下流かつ第2燃料電池12の上流に配置されており、より詳細には、二酸化炭素分離膜16の供給側16Aの上流かつ熱交換器21の下流(
図2中、B1)又は二酸化炭素分離膜16の供給側16Aの下流かつ熱交換器21の上流(
図2中、B2)に配置される。
【0082】
水蒸気除去部が凝縮器である場合、水蒸気除去部は、オフガスから二酸化炭素を分離する際の二酸化炭素分離膜16の加熱温度に応じて、配置場所を変更することが好ましい。例えば、二酸化炭素分離膜16を高温に加熱して二酸化炭素を分離する場合、水蒸気除去部を二酸化炭素分離膜16の供給側16Aの下流(
図2中、B2)に配置することが好ましい。このとき、水蒸気除去部を二酸化炭素分離膜16の供給側16Aの上流に配置すると、水蒸気を凝縮するために冷却したオフガスを二酸化炭素を分離するために再度加熱する必要があり、熱効率的に不利である。
【0083】
例えば、二酸化炭素分離膜16を40℃以上に加熱して二酸化炭素を分離する場合、水蒸気除去部を二酸化炭素分離膜16の供給側16Aの下流に配置することが好ましい。
【0084】
一方、二酸化炭素分離膜16を高温に加熱せずに常温付近で二酸化炭素を分離する場合、水蒸気除去部を二酸化炭素分離膜16の供給側16Aの上流(
図2中、B1)に配置することが好ましい。このとき、水蒸気除去部を二酸化炭素分離膜16の供給側16Aの上流に配置することで、二酸化炭素分離膜16にて、二酸化炭素の分離を阻害する液水の発生を抑制することができる。
【0085】
例えば、二酸化炭素分離膜16を40℃未満の常温にて二酸化炭素を分離する場合、水蒸気除去部を二酸化炭素分離膜16の供給側16Aの上流に配置することが好ましい。
【0086】
なお、水蒸気除去部は、第1燃料電池11の下流かつ第2燃料電池12の上流に配置されていればよく、本実施形態のように、二酸化炭素分離膜16の供給側16Aの上流かつ熱交換器21の下流(
図2中、B1)又は二酸化炭素分離膜16の供給側16Aの下流かつ熱交換器21の上流(
図2中、B2)に配置される構成に限定されない。そのため、例えば、第1燃料電池11の下流かつ熱交換器21の上流に配置されていてもよく、熱交換器21の下流かつ第2燃料電池12の上流に配置されていてもよい。
【0087】
[第3実施形態]
第3実施形態に係る燃料電池システム30は、二酸化炭素分離膜16が、オフガスから二酸化炭素及び水蒸気を分離する膜である点、並びに改質器14の上流に、二酸化炭素分離膜16により分離された水蒸気を除去する水蒸気除去部26をさらに備える点で第1実施形態に係る燃料電池システム10とは相違する。以下、本実施形態に係る燃料電池システム30について
図3を用いて説明するが、上述の第1実施形態に係る燃料電池システム10と共通する構成については、その説明を省略する。
【0088】
本実施形態に係る燃料電池システム30では、二酸化炭素分離膜16により二酸化炭素とともに水蒸気がオフガスから分離され、改質器14の上流に配置された水蒸気除去部26により、分離された水蒸気が除去される。これにより、第1燃料電池11及び第2燃料電池12に供給される水蒸気の量が低減され、燃料電池システム30の発電効率をより高めることができる。
【0089】
燃料電池システム30では、二酸化炭素及び水蒸気を分離する膜を二酸化炭素分離膜16として用いている。二酸化炭素及び水蒸気を分離する膜としては、前述の第1実施形態にて説明した有機高分子膜、無機材料膜、有機高分子−無機材料複合膜、液体膜などが挙げられる。
【0090】
本実施形態において、二酸化炭素分離膜としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩共重合体、ポリエチレングリコールなどの吸水性を有する有機高分子を含む有機高分子膜が好ましく、この有機高分子と、二酸化炭素と親和性を有し、かつ水溶性を示す二酸化炭素キャリアとを含む有機高分子膜であることがより好ましい。
【0091】
二酸化炭素キャリアとしては、無機材料及び有機材料が用いられ、例えば、無機材料としては、アルカリ金属塩(好ましくはアルカリ金属炭酸塩)、アンモニア、アンモニウム塩などが挙げられ、有機材料としては、例えば、アミン、アミン塩、ポリアミンなどが挙げられる。
【0092】
二酸化炭素及び水蒸気を分離する二酸化炭素分離膜としては、例えば、「Zi Tong et al., "Water vapor and CO
2 transport through amine-containing facilitated transport membranes", Reactive & Functional Polymers (2014)に記載の膜を用いてもよい。
【0093】
なお、第1実施形態及び第2実施形態の変形例として、二酸化炭素分離膜16が、オフガスから二酸化炭素及び水蒸気を分離する膜とし、かつ、改質器14の上流に水蒸気除去部26を設けない構成としてもよい。このとき、改質器14の改質部19に二酸化炭素分離膜16により分離された水蒸気が供給されるため、改質部19の内部にて炭素析出が抑制され、燃料電池システムの信頼性を高めることができる。
【0094】
本発明は、前述の第1実施形態〜第3実施形態に限定されず、本発明の技術的思想内で、当業者によって、前述の各実施形態を組み合わせて実施される。さらに、熱交換器の設置場所、組み合わせなどについてもこれら実施形態に限定されない。