特許第6062040号(P6062040)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6062040冷ミスト汚染除去ユニットおよびその操作方法
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  • 特許6062040-冷ミスト汚染除去ユニットおよびその操作方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062040
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】冷ミスト汚染除去ユニットおよびその操作方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/22 20060101AFI20170106BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20170106BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20170106BHJP
   A61L 9/14 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   A61L2/22
   A61L2/18 102
   A61L9/01 E
   A61L9/01 M
   A61L9/14
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-511437(P2015-511437)
(86)(22)【出願日】2013年3月6日
(65)【公表番号】特表2015-515909(P2015-515909A)
(43)【公表日】2015年6月4日
(86)【国際出願番号】US2013029248
(87)【国際公開番号】WO2013169328
(87)【国際公開日】20131114
【審査請求日】2014年11月10日
(31)【優先権主張番号】13/779,958
(32)【優先日】2013年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/645,254
(32)【優先日】2012年5月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】302044247
【氏名又は名称】アメリカン ステリライザー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒル、アーロン、エル.
(72)【発明者】
【氏名】ミールニック、サディアス、ジェイ.
【審査官】 小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−136035(JP,A)
【文献】 特表平01−502722(JP,A)
【文献】 特表2009−504244(JP,A)
【文献】 特表2000−513247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00−9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋または空間を滅菌、消毒、または除菌して汚染除去する方法であって、
a)汚染除去剤の濃度が既知である液体汚染除去溶液から、汚染除去剤と水とを含有する霧化されたミストを生成することができる冷ミスト汚染除去装置であって、前記汚染除去装置が、前記汚染除去装置の作動を制御する内部プロセッサを有するものを提供する工程と、
b)前記部屋または空間の寸法および容積を測定および/または前記内部プロセッサに入力し、前記汚染除去溶液中の汚染除去剤の濃度を特定および/または前記内部プロセッサに入力する工程と、
c)前記部屋または空間内の温度および湿度を測定および/または前記内部プロセッサに入力する工程と、
d)前記部屋または空間内の表面に前記汚染除去剤を凝縮させることなく、霧化された状態で前記部屋または空間内に導入可能な前記汚染除去溶液の最大量を、前記部屋または空間内の容積、温度、および湿度を基に決定し、かつ、前記最大量の汚染除去溶液中の汚染除去剤の実際の量を決定する工程と、
e)コントローラに格納された経験的データに基づく、前記部屋または空間内に導入可能な汚染除去剤の実際の量に基づき、前記部屋または空間内の所定のレベルの汚染除去を達成するのに要する時間を決定する工程と、
f)前記汚染除去装置を作動させ、前記部屋または空間内に、前記汚染除去溶液の霧化されたミストを導入する工程と、
g)前記部屋または空間内に前記最大量が導入されると、汚染除去溶液の霧化されたミストの生成を終了する工程と、
h)霧化されたミストの生成が終了した時刻から計測して、前記時間が経過したとき、前記時間が終了したという表示を提供する工程と、
を備えることを特徴とする部屋または空間を汚染除去する方法。
【請求項2】
前記汚染除去剤は過酸化水素であることを特徴とする請求項1記載の部屋または空間を汚染除去する方法。
【請求項3】
前記汚染除去溶液中の汚染除去剤の濃度は、前記汚染除去溶液の入った容器のデジタルコードから汚染除去剤およびその濃度を特定するセンサーにより、前記内部プロセッサに入力されることを特徴とする請求項1記載の部屋または空間を汚染除去する方法。
【請求項4】
前記汚染除去溶液中の汚染除去剤の濃度は、オペレーターにより前記内部プロセッサに入力されることを特徴とする請求項1記載の部屋または空間を汚染除去する方法。
【請求項5】
前記部屋または空間の寸法および容積は、前記部屋または空間の寸法および容積を検出するセンサーにより、前記内部プロセッサに入力されることを特徴とする請求項1記載の部屋または空間を汚染除去する方法。
【請求項6】
前記部屋または空間の寸法および容積は、オペレーターにより前記内部プロセッサに入力されることを特徴とする請求項1記載の部屋または空間を汚染除去する方法。
【請求項7】
前記汚染除去剤は滅菌剤であることを特徴とする請求項1記載の部屋または空間を汚染除去する方法。
【請求項8】
前記汚染除去剤は消毒剤であることを特徴とする請求項1記載の部屋または空間を汚染除去する方法。
【請求項9】
前記汚染除去剤は除菌剤であることを特徴とする請求項1記載の部屋または空間を汚染除去する方法。
【請求項10】
前記内部プロセッサに入力される前記温度は、前記部屋または空間内の最低温度であることを特徴とする請求項1記載の部屋または空間を汚染除去する方法。
【請求項11】
前記部屋内の前記最低温度は赤外線センサーにより決定されることを特徴とする請求項10記載の部屋または空間を汚染除去する方法。
【請求項12】
i)前記部屋または空間内に存在する霧化ミストの蒸気を除去する工程
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の部屋または空間を汚染除去する方法。
【請求項13】
j)前記部屋または空間内の蒸気が消失する消失時間を決定する工程と、
k)部屋または空間が人間により安全に使用されるという表示を前記消失時間の経過後に提供する工程と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の部屋または空間を汚染除去する方法。
【請求項14】
部屋または空間を滅菌、消毒、または除菌して汚染除去する方法であって、
a)汚染除去装置とその作動を制御するプロセッサとを含む、汚染除去システムを提供する工程と、
b)汚染除去の対象である部屋または空間の容積、および、部屋または空間内の温度および湿度を決定する工程と、
c)容器に設けられたバーコードが汚染除去システム内に位置するバーコードリーダーにより読み取られるように、液体滅菌溶液の容器を汚染除去システム内に配置することによって、液体滅菌溶液内の滅菌剤の濃度を決定する工程であって、液体滅菌溶液中の滅菌剤の濃度はバーコード内に符号化されている工程と、
d)プロセッサに工程(b)および(c)で得られた情報を入力し、プロセッサは、入力された情報を用いて、部屋または空間内に位置する物体上に滅菌剤を凝縮させないよう、霧化されたミストの状態で部屋または空間内に導入可能な滅菌剤の最大量を計算する工程と、
e)汚染除去システムを作動させ、汚染除去装置によって、部屋または空間内に、液体滅菌溶液の霧化されたミストを導入する工程と、
f)部屋または空間内に最大量の滅菌剤が導入されると、液体滅菌溶液の霧化されたミストの生成を終了する工程と、
g)部屋または空間内に位置する物体を汚染除去するために十分な、部屋または空間内に導入可能な滅菌剤の前記最大量に基づいて求められる時間にわたって、部屋または空間内の物体を霧化されたミストに曝露する工程と、
を備えることを特徴とする部屋または空間を汚染除去する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、汚染除去システムに関し、より詳細には、部屋または空間を汚染除去するために冷ミストを利用する汚染除去システムに関する。
【背景技術】
【0002】
汚染除去方法は、広い適用範囲で用いられるとともに、同様に広い範囲の滅菌剤を用いてきた。本明細書で用いられる「汚染除去」という用語は、「生物学的汚染の不活性化」と、「化学的汚染の不活性化」と、「滅菌」と、「消毒」と、「除菌」という処理を含むが、これらに限定されない処理を指す。本明細書において、汚染除去を達成するために用いられる薬品は、「汚染除去剤」または「滅菌剤」と称する。
【0003】
近年、部屋または空間を不活性化するために滅菌剤または汚染除去剤の冷ミストを利用するシステムが開発されてきた。冷ミストシステムは、典型的には、汚染除去を達成するために、部屋または空間内に、霧化された汚染除去剤または滅菌剤を導入する。これらのシステムのほとんどは、簡易である傾向があり、かつ、部屋または空間内に霧化された滅菌剤または汚染除去剤を導入する前に、部屋または空間内の空気をあらかじめ条件付けしない。既存の冷ミスト汚染除去システムは、通常、部屋または空間の容積に基づき、部屋または空間内に、所定量の滅菌剤を導入する。しかし、部屋または空間内の空気が滅菌剤を保持する能力を考慮に入れない。この点に関して、部屋または空間内が、その表面に滅菌剤を凝縮させることなく保持することができる滅菌剤の量は、部屋または空間内の温度および初期湿度レベルの関数である。そのようなシステムの1つの問題は、特に、霧化された過酸化水素をシステムが利用する場合、水の蒸気圧が過酸化水素の蒸気圧よりも高いことにある。その結果、霧化された水滴は、部屋または空間内で、霧化された過酸化水素の滴よりも速く、気化、すなわち蒸発する。一定の条件下において、濃度5%の過酸化水素水は、部屋または空間内で、過酸化水素濃度38%の液滴をつくることができ、それは極めて腐食性が高く、非常に燃えやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、部屋または空間内の環境条件を評価すること、および、霧化された過酸化水素ミストが部屋または空間内の物体上に凝縮しないレベルで、霧化された過酸化水素ミストを部屋または空間内に導入することにより、汚染除去サイクルを最適化する、冷ミスト過酸化水素汚染除去システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい態様により、部屋または空間を汚染除去する方法を提供する。この方法は、
a)汚染除去剤の濃度が既知である液体汚染除去溶液から、汚染除去剤と水とを含有する霧化されたミストを生成することができる冷ミスト汚染除去装置であって、その汚染除去システムが、汚染除去装置の作動を制御する内部プロセッサを有するものを提供する工程と、
b)内部プロセッサに、部屋または空間のパラメータ、および、汚染除去溶液中の汚染除去剤の濃度を入力する工程と、
c)部屋または空間内の温度および湿度を測定する工程と、
d)部屋または空間内の表面に汚染除去剤を凝縮させることなく、霧化された状態で部屋または空間内に導入可能な汚染除去溶液の最大量を決定し、かつ、最大量の汚染除去溶液中の汚染除去剤の実際の量を決定する工程と、
e)コントローラに格納された経験的データに基づく、部屋または空間内に導入可能な汚染除去剤の実際の量に基づき、所定のレベルの、部屋または空間内の汚染除去を達成するのに要する時間を決定する工程と、
f)汚染除去ユニットを作動させ、部屋または空間内に、汚染除去溶液の霧化されたミストを導入する工程と、
g)部屋または空間内に最大量が導入されると、汚染除去溶液の霧化されたミストの生成を終了する工程と、
h)霧化されたミストの生成が終了した時刻から計測して、前記時間が経過したとき、表示を提供する工程と、
を備える。
【0006】
本発明の利点は、部屋または空間を汚染除去する過酸化水素/水溶液の冷たい霧化されたミストを生成する、汚染除去ユニットにある。
本発明の別の利点は、過酸化水素を部屋または空間内の物体上に凝縮させることなく、部屋または空間内に導入可能な過酸化水素/水溶液の最大量を決定する、上述の汚染除去ユニットにある。
【0007】
本発明のさらなる利点は、部屋または空間内に導入可能な過酸化水素の最大量に基づき、曝露時間を決定する、上述の汚染除去ユニットにある。
本発明の別の利点は、部屋または空間を、滅菌、除菌、または消毒することができる、上述の汚染除去ユニットにある。
【0008】
本発明のさらなる利点は、部屋または空間のパラメータと、部屋または空間内の条件と、滅菌処理、除菌処理、または消毒処理のいずれが行われるかとに基づき、過酸化水素を部屋または空間内の物体上に凝縮させることなく、部屋または空間内に導入可能な過酸化水素の最大量を計算することができる、上述の汚染除去ユニットにある。
【0009】
本発明のさらなる利点は、部屋または空間内の最低温度を検出することができ、かつ、過酸化水素が部屋または空間内の物体上に凝縮することなく、部屋または空間内に導入可能な、霧化された冷ミストの状態の過酸化水素の最大量を計算することができる、上述の汚染除去ユニットにある。
【0010】
本発明のさらなる利点は、過酸化水素/水溶液の容器のコードをスキャンすることにより、過酸化水素/水溶液中の過酸化水素の濃度を検知することができる、上述の汚染除去ユニットにある。
【0011】
これらの利点や他の利点は、添付の図面および添付の請求項と併せて、次の好ましい実施態様の説明から明らかになる。
本発明は、特定の部品や部品の配列に関する物理的な形状を取り、好ましい実施態様は明細書に詳述され、その実施態様の一部をなす添付の図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、過酸化水素および水の霧化された冷ミストを用いて、部屋または空間を汚染除去するための、汚染除去ユニットを模式的に示す部分断面正面図であり、本発明の好ましい実施態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、その説明は本発明の好ましい実施態様を示すためだけのものであって本発明を制限するものではない図面を参照すると、図1は汚染除去装置10を示し、本発明の好ましい実施態様を示す。汚染除去装置10は、冷ミスト滅菌剤を利用して、部屋または空間を汚染除去するよう設計されている。本明細書で用いられる「汚染除去」という用語は、「滅菌」、「消毒」または「除菌」を指す。
【0014】
滅菌とは、製品を、あらゆる形態の生育可能な微生物の無い状態にするプロセスまたは方法を指す。
消毒とは、疾患を引き起こす病原体またはその他の有害微生物を破壊するが、細菌芽胞を必ずしも殺さない、プロセスまたは方法を指す。
【0015】
除菌とは、細菌を少なくとも99.9%減少させるプロセスまたは方法を指す。
図示される実施態様において、汚染除去装置10は略矩形状の外側ハウジング12を備える。外側ハウジング12は、頂壁14と、底壁16と、対向する側壁22,24とを含む。側壁22にパネル26が形成され、外側ハウジング12の内部へのアクセスを可能にする。底壁16の下側に車輪またはキャスター28が設けられ、汚染除去装置10は、図1において32と示される床面に沿って容易に運搬可能になっている。外側ハウジング12内に配置される内側ハウジング42は、ミスト生成チャンバー44を画定する。図示される実施態様において、ミスト生成チャンバー44は略円筒形状であり、外側ハウジング12の頂壁14に取り付けられるとともに外側ハウジング12の頂壁14を通る開口48を画定する、開口した上端46を含む。ダクト52が、内側ハウジング42の下端に接続される。ダクト52は、内側ハウジング42の底の開口を通ってミスト生成チャンバー44に連通する内部通路54を画定する。ダクト52により画定される通路54は、側壁24の開口56を通って、外側ハウジング12の外部と連通する。この点に関して、ダクト52を通る通路54を介して外側ハウジング12を通り、かつ、内側ハウジング42により画定されるミスト生成チャンバー44を通って、経路Pが画定される。内側ハウジング42の上端46は、外側に延びて環状面64を画定するフランジまたはカラー部62を有するよう形成される。
【0016】
ミスト化装置92が、ミスト生成チャンバー44内に設けられる。空気ライン94が、ミスト化装置92を、外側ハウジング12内に配置される空気圧縮機96に接続する。汚染除去剤ライン112が、ミスト化装置92を、汚染除去剤の供給源114に接続する。図示される実施態様において、汚染除去剤の供給源114は、液体汚染除去溶液118の入った容器116である。サイフォン管122が、容器116内の液体汚染除去溶液118内に延びる。サイフォン管122は、継手124により、汚染除去剤ライン112に接続される。以下により綿密に記述されるように、容器116は、バーコード126により特定される。図示される実施態様において、バーコードは、容器116に設けられる。バーコード126は、容器116に入った汚染除去溶液118の組成および濃度に関する、符号化情報を提供する。好ましい実施態様において、汚染除去溶液118は、過酸化水素と水の溶液である。
【0017】
計量ポンプ132が、汚染除去剤ライン112内に配置され、所定量の汚染除去溶液118を、容器116からミスト化装置92に供給する。ポンプモータ134が、計量ポンプ132を駆動する。図示される実施態様において、ミスト化装置92は、ポンプ132により容器116からくみ上げられた液体汚染除去溶液118が空気圧縮機96からの圧縮空気と混合されるときにミストを生成することが可能な従来のノズル136を備える。
【0018】
送風ファン142が通路54内に設けられ、外側ハウジング12の外部から空気を、ミスト生成チャンバー44を通過させて搬送する。ファンモータ144が、送風ファン142に接続され、送風ファン142を駆動する。
【0019】
計量ポンプモータ134およびファンモータ144の作動を制御するコントローラ152が設けられる。汚染除去の対象である部屋または空間内の特定のパラメータを決定する、温度センサー154と、赤外線温度センサー156と、湿度センサー158と、過酸化水素センサー159と、方向レーザーセンサー162とが設けられる。温度センサー154は、コントローラ152に接続され、汚染除去装置10を囲む部屋または空間内の温度を示す信号を、コントローラ152に供給するよう作動可能である。赤外線センサー156は、コントローラ152に接続され、部屋または空間の、異なる領域内の温度を示す信号を供給するように作動可能である。この点に関して、赤外線センサー156は、部屋または空間内の温度の低い範囲または区域を検出することができる。湿度センサー158は、コントローラ152に接続され、汚染除去の対象である部屋または空間内の湿度を示す信号を供給する。過酸化水素センサー159は、コントローラ152に接続され、部屋または空間内の過酸化水素のレベルを示す信号を、コントローラ152に供給するよう作動可能である。レーザーセンサー162は、コントローラ152に接続され汚染除去装置10の位置する部屋または空間の寸法を示す信号を供給するように作動可能である。また、汚染除去剤容器116のバーコード126を読み取るセンサー164が設けられる。上述のように、バーコード126は汚染除去剤容器116に設けられ、容器116内の汚染除去溶液118に関する情報を提供する。したがって、センサー164は、汚染除去剤容器116の格納位置に隣接して配置され、汚染除去剤容器116の内容物を示す信号を、コントローラ152に供給する。一端においてコントローラ152に接続される電力ケーブル172が、外側ハウジング12の側壁22を通って延びる。電力ケーブル172は、汚染除去の対象である部屋または空間内の標準的な電源コンセントに接続するための従来のプラグ174を含み、汚染除去装置10に作動電力を供給する。汚染除去装置10は、その中に含まれる各種の構成部分に作動電力を供給するために、バッテリなどの内部電源を含んでいてもよい。入力表示パネル176が、外側ハウジング12の側壁22の外面に設けられる。入力表示パネル176は、コントローラ152に接続され、汚染除去装置10のユーザーがコントローラ152に情報を入力できるようにする。また、入力表示パネル176は、作動状況などの、汚染除去装置10の作動に関する情報を表示してもよい。
【0020】
次に、汚染除去装置10の操作方法を記述する。汚染除去処理を行うのに先立って、汚染除去溶液118の入った容器116が、汚染除去装置10の側壁22のアクセスパネル26から汚染除去装置10に挿入される。本発明の一態様によれば、汚染除去溶液118は、滅菌溶液、消毒溶液、または除菌溶液であってもよい。この点に関して、それぞれの溶液の種類に対応して、それらに関連する、容器116に入った溶液の種類を特定するために容器116に適用される固有の識別バーコード126を有する。容器116のバーコード126は、汚染除去溶液118中の活性成分の種類を特定するのに加えて、汚染除去溶液118中の活性成分の濃度も特定する。
【0021】
容器116のバーコード126がセンサー164に近接して配置され、そこで容器116のバーコード126がセンサー164によりスキャンされ読み取られることが可能であるように、容器116は、外側ハウジング12内に配置される。センサー164により供給された信号に基づき、コントローラ152は、容器116の内容物を特定することができる。具体的には、コントローラ152は、活性成分(汚染除去剤)、すなわち、滅菌剤、消毒剤、または除菌剤、の種類、および、容器116内の汚染除去溶液118中の汚染除去剤の濃度を特定することができる。以下により綿密に記述されるように、コントローラ152は、3つのモード、すなわち、滅菌モード、消毒モード、または除菌モードで作動するようプログラムされている。容器116の内容物を特定することにより、コントローラ152は、所望の汚染除去処理を行うために適切な汚染除去溶液118が汚染除去装置10内に存在することを確認できる。
【0022】
汚染除去装置10の作動中に、液体汚染除去溶液118は、計量ポンプモータ134の作動により、ミスト化装置92に供給される。コントローラ152は、ポンプモータ134の作動速度を制御し、ミスト生成チャンバー44内に配置されたミスト化装置92内に導入される汚染除去溶液118の量を制御する。汚染除去溶液118は、空気圧縮機96により空気ライン94を通ってミスト化装置92内に導入される圧縮空気の流れ中に導入される。液体汚染除去溶液118および圧縮空気がミスト化装置92のミスト化ノズル136中へ導入されることにより、ミスト生成チャンバー44内で、汚染除去溶液118の霧化されたミストが生成される。ミスト化装置92がミストを生成するのと同時に、コントローラ152は、ファンモータ144を作動させ、送風ファン142によって、外気を、ダクト52の通路54の中を通し、ミスト生成チャンバー44の中を通すように搬送させる。ミスト生成チャンバー44を流れる空気は、霧化された汚染除去剤のミストを集め、部屋または空間内に導入する。
【0023】
本発明の一態様によれば、コントローラ152は、計量ポンプモータ134およびファンモータ144の作動を制御して、所定量の汚染除去剤を、霧化されたミストの状態で、部屋または空間内に導入するよう、プログラムされている。部屋または空間内に導入される汚染除去剤の量は、部屋または空間のパラメータ、および、部屋または空間内の条件、すなわち、部屋または空間内の温度および湿度に基づく。
【0024】
本発明によれば、コントローラ152は、選択された汚染除去処理のタイプに基づき、所望量の汚染除去溶液118を、霧化されたミストとして、部屋または空間内に導入するために、汚染除去装置10を作動するようプログラムされている。この点に関して、コントローラ152は、3つのモード、すなわち滅菌モード、消毒モード、または除菌モードで作動するようプログラムされている。これら3つの作動モードのうちの1つが、入力表示パネル176を用いて、ユーザーにより選択される。作動モードが選択されると、コントローラ152は、部屋または空間に関する特定のパラメータを決定する。部屋または空間の温度、湿度、および寸法に関するパラメータは、入力表示パネル176を用いて入力されてもよい。あるいは、この情報は、汚染除去装置10の部分を形成するセンサー154,156,158,162を用いて決定されてもよい。この点に関して、温度センサー154は、部屋または空間内の温度に関する表示を提供する。湿度センサー158は、コントローラ152に、部屋または空間内の湿度レベルに関する情報を提供する。方向レーザーセンサー162は、部屋または空間のパラメータ、すなわち、壁どうしの間隔や天井と床との間隔、に関する示度を提供し、部屋または空間の容積を提供する。部屋または空間内の温度の低い箇所、領域または範囲は、赤外線センサー156を用いて決定されることができる。この点に関して、本明細書を読み進めることで理解されるように、部屋または空間内に導入される汚染除去剤の量に関する計算は、部屋または空間内の表面において液体滅菌剤の凝縮が最も生じやすい、部屋または空間内のもっとも温度の低い領域に基づき、決定される。また、コントローラ152は、汚染除去溶液118中における活性のある汚染除去剤の実際の量を決定する。この情報は、入力表示パネル176を用いて汚染除去装置10に入力されることができ、また、容器116に隣接して配置されたセンサー164は、容器116の内容物を特定するバーコード126に基づき、容器116の内容物を決定することができる。部屋または空間のパラメータ、および、部屋または空間内の温度や相対湿度特性を知り、さらに、汚染除去溶液118中の活性のある汚染除去剤、すなわち、滅菌剤、消毒剤、または除菌剤、の実際の量を知って、コントローラ152は、部屋または空間内の表面へ汚染除去溶液118の凝縮を生じさせることなしに部屋または空間内に導入可能な、汚染除去溶液118の最大量を決定する。この、部屋または空間内に導入可能な汚染除去溶液118の最大量の決定は、コントローラ152のメモリに格納された経験的データに基づく。
【0025】
コントローラ152は、部屋または空間内に導入可能な汚染除去溶液118の最大量を決定したうえで、部屋または空間内に導入可能な滅菌剤、消毒剤、または除菌剤の実際の量に基づき、選択された汚染除去、すなわち、滅菌、消毒、または除菌のレベルを達成するのに要する時間を決定する。コントローラ152は、次に、汚染除去装置10の作動を開始し、汚染除去溶液118の霧化されたミストを、部屋または空間内に導入する。部屋または空間内に汚染除去溶液118の最大量が導入されると、汚染除去装置10の作動が終了する。霧化されたミストの生成が終了し、部屋または空間を汚染除去するための所要時間が経過すると、コントローラ152は、所望のレベルの汚染除去を達成するのに要する、所定の曝露制限時間が終了したという表示を提供する。この時点で、コントローラ152は、除去装置に接続されていてもよい。この除去装置は、除去ユニット(図示せず)の作動を開始して、部屋または空間内に未だ存在している可能性のある、あらゆる滅菌剤の蒸気または消毒剤の蒸気を除去する。これに代えて、コントローラ152は、「消失時間」を決定するようプログラムされていてもよい。消失時間は、部屋または空間内の蒸気が消失するかまたは除去される時間である。その後に、コントローラ152は、部屋または空間が人間により安全に使用されるという表示を提供することができる。
【0026】
本発明は、フィードバック制御システムを組み込んでいる。フィードバック制御によって、コントローラが、温度、相対湿度および過酸化水素濃度に基づき、部屋の露点を計算できるようにする。もっとも温度の低い表面での凝縮を防止するために、赤外線センサー156により最低温度が測定される。露点は、戻り気流内で温度センサーにより測定される。その制御は、過酸化水素と水のレベル(濃度および飽和度)を考慮するDバルブとともにプログラムされ、接触時間を決定する。
【0027】
本発明は、このように、簡易な汚染除去、および、自動的に部屋または領域を滅菌、消毒、または除菌するための、その汚染除去の使用法を提供する。
前述の説明は、本発明の特定の実施例に関するものである。この実施例は、単に例示を目的として説明されたものであり、本発明の要旨および範囲を逸脱することなく、多数の変更および修正が当業者において実施されるであろうことが理解されるべきである。全てのそれらの修正および変更は、それらが特許請求の範囲にかかる発明およびそれと同一の範囲に入る限りは、本発明に含まれるものとする。
図1