特許第6062279号(P6062279)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クラシエホームプロダクツ株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062279
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】液体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20170106BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20170106BHJP
   C11D 1/92 20060101ALI20170106BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20170106BHJP
   C11D 1/74 20060101ALI20170106BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20170106BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20170106BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20170106BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20170106BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20170106BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20170106BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20170106BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20170106BHJP
   C11D 1/90 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   C11D17/08
   C11D1/04
   C11D1/92
   C11D17/04
   C11D1/74
   C11D3/20
   A61K8/02
   A61K8/36
   A61K8/46
   A61Q19/10
   A61K8/34
   A61K8/39
   A61K8/44
   C11D1/90
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-28064(P2013-28064)
(22)【出願日】2013年2月15日
(65)【公開番号】特開2014-156537(P2014-156537A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2015年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】306018365
【氏名又は名称】クラシエホームプロダクツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 裕子
【審査官】 古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−113078(JP,A)
【文献】 特開2005−206804(JP,A)
【文献】 特開2005−336387(JP,A)
【文献】 特開2007−204378(JP,A)
【文献】 特開2005−350454(JP,A)
【文献】 特開2006−183039(JP,A)
【文献】 特開2012−097009(JP,A)
【文献】 特開2001−139990(JP,A)
【文献】 特開2001−181680(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/066193(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 17/08
A61K 8/02
A61K 8/34
A61K 8/36
A61K 8/39
A61K 8/44
A61K 8/46
A61Q 19/10
C11D 1/04
C11D 1/74
C11D 1/90
C11D 1/92
C11D 3/20
C11D 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)〜(D)が泡吐出容器に充填されていることを特徴とする液体洗浄剤組成物。
(A)高級脂肪酸塩 1〜15質量%
(B)カルボベタイン型両性界面活性剤、及びスルホベタイン型両性界面活性剤から選ばれる1種以上 0.1〜15質量%
(C)30℃において固形状のモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン
0.5〜5.0質量%
(D)多価アルコール
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はノンガスタイプの泡吐出容器に充填されている液体洗浄剤組成物に関する。詳しくは、目詰まりがなく、クリーミーで安定した泡が得られ、低温下においても泡の形成性に優れ、しかもすすぎ時のさっぱり感、タオルドライ後のしっとり感に優れる液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ノンガスタイプの泡吐出容器に充填され、使用時にこの容器から泡沫状に吐出される液体洗浄剤組成物については、これまで種々提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。このような液体洗浄剤組成物は、泡吐出容器内部の多孔質膜を通過させることで、組成物と空気を混合して泡沫状とする。しかし、泡質(泡のクリーミーさ、泡の細かさ、等)に優れた泡形成ができる一方で、多孔質膜を通過させる必要があることから、組成物が多孔質膜で目詰まりを起すという問題がある。特に界面活性剤として脂肪酸石鹸を用いた場合、低温保存時における高級脂肪酸の析出により、目詰まりが生じ易いといった問題がある。さらに近年、消費者の使用性等に対する要求も従来に比べ高まる傾向がみられ、泡質のより一層の向上、洗浄後の使用感の向上、目詰まり防止等について、従来にもましてより一層の技術の向上が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−132700号公報
【特許文献2】特開平8−311498号公報
【特許文献3】特開平8−92064号公報
【特許文献4】特開2005−187411号公報
【特許文献5】特開2005−154651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ノンガスタイプの泡吐出容器に充填されている液体洗浄剤組成物において、目詰まりがなく、クリーミーで安定した泡が得られ、低温下においても泡の形成性に優れ、しかもすすぎ時のさっぱり感、タオルドライ後のしっとり感に優れる液体洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的を達成するために鋭意研究した結果、高級脂肪酸塩と、特定の両性界面活性剤と、特定のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、多価アルコールを組み合わせて泡吐出容器に充填することにより、目詰まりがなく、クリーミーで安定した泡が得られ、低温下においても泡の形成性に優れ、しかもすすぎ時のさっぱり感、タオルドライ後のしっとり感に優れる液体洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は下記成分(A)〜(D)が泡吐出容器に充填されている液体洗浄剤組成物である。
(A)高級脂肪酸塩 1〜15質量%
(B)カルボベタイン型両性界面活性剤、及びスルホベタイン型両性界面活性剤から選ばれる1種以上 0.1〜15質量%
(C)30℃において固形状のモノラウリン酸ポリエキシエチレンソルビタン
0.5〜5.0質量%
(D)多価アルコール
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ノンガスタイプの泡吐出容器に充填されている液体洗浄剤組成物において、目詰まりがなく、クリーミーで安定した泡が得られ、低温下においても泡の形成性に優れ、しかもすすぎ時のさっぱり感、タオルドライ後のしっとり感に優れる液体洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の液体洗浄剤組成物について詳細に説明する。
【0009】
本発明の液体洗浄剤組成物で用いられる成分(A)高級脂肪酸塩の高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の炭素数12〜22の高級脂肪酸;オリーブ油、ヤシ油、パーム油、綿実油等の植物性油脂;魚油、牛脂等の動物性油脂等が挙げられる。これらは、それぞれ1種単独、又は2種以上を適宜組合せて用いることができる。本発明においては、洗浄力および起泡力の観点から、炭素数12〜22の高級脂肪酸を用いるのが好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸がより好ましく用いられる。
【0010】
成分(A)高級脂肪酸塩の塩としては、高級脂肪酸をアルカリ剤でケン化、又は中和したアルカリ金属塩や有機アミン塩等が挙げられる。用いられるアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の有機アルカリ等が挙げられる。本発明においては、起泡力の観点から、無機アルカリを用いることが好ましく、水酸化カリウムがより好ましく用いられる。
【0011】
本発明の液体洗浄剤組成物において、成分(A)の配合量は全組成中1〜15質量%(以下、単に「%」と記す。)が必要であり、好ましくは1〜10%である。配合量が1%未満では泡質(クリーミー性)が悪くなる場合があり、15%を超えると低温下において泡の形成性が悪く、目詰まりが起こる場合がある。
【0012】
本発明の液体洗浄剤組成物で用いられる成分(B)は、カルボベタイン型両性界面活性剤、及びスルホベタイン型両性界面活性剤から選ばれる1種単独、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。成分(B)は成分(A)の低温での溶解度を向上させ、結晶析出を抑制し、泡質も良好になる。
【0013】
カルボベタイン型両性界面活性剤としては、例えばラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタイン、ラウロイルアミドプロピルベタイン等が挙げられる。これらは市販品を使用することができ、例えばニッサンアノンBL(日油社製)、リカビオンA−100(新日本理科社製)等が挙げられる。スルホベタイン型両性界面活性剤としては、例えばヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。これらは市販品を使用することができ、例えばアンヒトール20HD(花王社製)が挙げられる。
【0014】
本発明の液体洗浄剤組成物において、成分(B)の配合量は全組成中0.1〜15%が必要であり、好ましくは1〜10%である。配合量が0.1%未満では泡質(クリーミー性)が悪くなる場合があり、15%を超えると、泡立ちが悪くなる場合があり、また洗い流し時のぬるつき、使用感が悪くなる場合がある。
【0015】
本発明の液体洗浄剤組成物で用いられる成分(C)は、30℃において固形状のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであり、泡質(クリーミー性)、泡の持続性を向上させることができる。この30℃において固形状のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えばモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノミリスチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられるが、好ましくはモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタンである。これらは市販品を使用することができ、例えばノニオンLT−280(日油社製)が挙げられる。これらは、それぞれ1種単独、又は2種以上を適宜組合せて用いることができる。
【0016】
また、成分(C)のHLB値はキメ細かな良好な泡質(クリーミー性)を得る観点から、16.5〜19.5の範囲を有するものが好ましい。HLB値が16.5以下では泡質(クリーミー性)、泡の持続性が悪くなることがある。
【0017】
本発明の液体洗浄剤組成物で用いられる成分(D)多価アルコールとしては、例えばプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ペンタエリスリトール、グルコース、トレハロース、フルクトース等が挙げられる。これらは、それぞれ1種単独、又は2種以上を適宜組合せて用いることができる。成分(D)はタオルドライ後のしっとり感を向上させることができる。
【0018】
本発明の液体洗浄剤組成物は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、水溶性高分子化合物(カチオン性、ノニオン性、アニオン性等を含む)、生理活性成分、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、紫外線吸収剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、中和剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
【0019】
上記アニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えばα−ラウロイルスルホン酸ナトリウム、ミリストイルアリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0020】
上記両性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、β−アミノプロピオン酸ナトリウム、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0021】
上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばポリオキシエチレンセチルエーテル、モノステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンジオレイン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0022】
上記水溶性高分子としては、特に限定されるものではないが、例えば塩化ジメチルジアリ
ルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、及びアクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、ポリエチレングリコール、高重合ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリグルタミン酸、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキルコポリマー、アクリル酸アルキルコポリマー等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0023】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
【0024】
上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マドンナリリー花エキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0025】
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベン
ザルコニウム等の殺菌剤、l−メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。
【0026】
本発明に用いられるノンガスタイプの泡吐出容器とは、噴射剤を使用するエアゾール型の泡吐出容器以外のノンエアゾール型のものを意味し、吐出容器内に充填されている組成物と、空気とを混合して多孔質膜を通過させることにより泡沫状に吐出することができる容器である。具体的には、ポンプフォーマーやスクイズフォーマー等を例示することができる。
【0027】
また、吐出容器内部の多孔質膜は、一つ又は複数設けられ、それらの膜の孔数は特に限定されないが、キメ細かな泡質にする観点から、100〜400メッシュが好ましく、200〜300メッシュのものを用いるのがより好ましい。
【0028】
本発明の液体洗浄剤組成物は、常法により製造することができ、洗顔、クレンジング、ボディシャンプー、ハンドソープ、シェービング料、マッサージ料等の皮膚洗浄剤組成物として好適に使用できる。
【実施例】
【0029】
次に本発明の液体洗浄剤組成物について、実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、以下の全ての実施例及び比較例における配合量は質量%である。
【0030】
・実施例1〜9、及び比較例1〜8
表1に示す組成の皮膚洗浄剤組成物を常法に準じて調製し、容量200mLのポンプフォーマー型容器(200メッシュ2枚使用)に200mL充填し、ノンガスタイプの液体皮膚洗浄剤組成物を得た。得られた皮膚洗浄剤組成物について下記評価を行い、その結果を表1に併せて示す。
【0031】
(1)室温での泡のクリーミー性(吐出時、及び吐出から1分経過後)
室温にてパネラー10名がそれぞれ通常のスクイズ動作を行い、内容物を吐出させて手に取り、泡吐出時と、泡吐出から1分経過後に、泡の見た目と感触により、泡のクリーミー性を下記評価基準に従って室温にて官能評価した。
<評価基準>
◎:泡がかなりクリーミーで良好
○:泡がクリーミーで良好
△:泡がやや粗い、やや柔らかすぎる
×:泡が粗い、柔らかすぎる
【0032】
(2)低温でのポンプフォーマー容器からの吐出性
皮膚洗浄剤組成物を5℃に1週間保存したのち、5℃の条件において容器から吐出させる操作を100回繰返し、下記評価基準に基づいてポンプの目詰まり性、吐出性を評価した。
<評価基準>
◎:ポンプの目詰まりがなく、泡の吐出が容易にできる
○:部分的な目詰まりにより、泡を吐出するために力を要するが、品質上問題ない
△:部分的な目詰まりにより、泡を吐出するために強い力を要し、品質上問題がある
×:ポンプの目詰まりにより、泡の吐出ができない
【0033】
(3)低温での泡のクリーミー性(吐出時、及び吐出から1分経過後)
5℃にてパネラー10名がそれぞれ通常のスクイズ動作を行い、内容物を吐出させて手に
取り、泡吐出時と、泡吐出から1分経過後に、泡の見た目と感触により、泡のクリーミー性を下記評価基準に従って室温にて官能評価した。
<評価基準>
◎:泡がかなりクリーミーで良好
○:泡がクリーミーで良好
△:泡がやや粗い、やや柔らかすぎる
×:泡が粗い、柔らかすぎる
【0034】
(4)低温安定性
皮膚洗浄剤組成物を50mL容透明サンプル管にそれぞれ充填し、5℃に1週間保存して、下記の基準で評価した。
<評価基準>
◎:外観が透明で析出物なし
○:ごく微かに濁っているが析出物なし
△:やや白濁し、析出物が少しある
×:析出物が多く認められる
【0035】
(5)すすぎ時の感触及び仕上がり感試験法
10名の専門パネルにより、実施例及び比較例のノ皮膚洗浄剤組成物を使用し、すすぎ時のさっぱり感、タオルドライ後のしっとり感の各項目について官能評価により評価を行った。尚、評価基準は以下の通りである。
[すすぎ時のさっぱり感]
◎:極めて良好 (さっぱりすると答えた被験者の数が8人以上)
○:良好 (さっぱりすると答えた被験者の数が6人以上、8人未満)
△:やや悪い (さっぱりすると答えた被験者の数が4人以上、6人未満)
×:悪い (さっぱりすると答えた被験者の数が4人未満)
[タオルドライ後のしっとり感]
◎:極めて良好 (しっとりすると答えた被験者の数が8人以上)
○:良好 (しっとりすると答えた被験者の数が6人以上、8人未満)
△:やや悪い (しっとりすると答えた被験者の数が4人以上、6人未満)
×:悪い (しっとりすると答えた被験者の数が4人未満)
【0036】
【表1】
【0037】
以下、本発明の液体洗浄剤組成物のその他の処方例を実施例10として挙げる。
【0038】
実施例10 抗炎症剤及び殺菌剤配合液体洗浄剤組成物
(1)ラウリン酸カリウム 3.0
(2)ミリスチン酸カリウム 2.0
(3)ステアリン酸カリウム 1.0
(4)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 2.0
(5)ラウリルヒドロキシスルホベタイン 3.0
(6)モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 3.0
(7)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 0.5
(8)グリセリン 5.0
(9)ジプロピレングリコール 10.0
(10)桃葉エキス 0.1
(11)アロエベラ葉エキス 0.1
(12)グリコシルトレハロース 0.5
(13)レモンエキス 0.1
(14)加水分解コラーゲン液 0.1
(15)ノバラエキス 0.1
(16)シルクエキス 0.1
(17)N−アセチルグルコサミン 0.1
(18)ローヤルゼリーエキス 0.1
(19)アンズ果実エキス 0.1
(20)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(21)イソプロピルメチルフェノール 0.1
(22)エデト酸二ナトリウム 0.1
(23)香料 0.2
(24)精製水 残 余
【0039】
実施例1〜9と同様の方法により上記組成のノンガスタイプの液体洗浄剤組成物を調製した。室温での泡質(クリーミィ性)、低温下での吐出性、及び泡質(クリーミィ性)、製剤の低温安定性、すすぎ時のさっぱり感、タオルドライ後のしっとり感について評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。