(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記工程(a)の反応中に存在する場合、前記存在するリン酸モノエステルの量が、前記存在するリン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルの合計の量に基づいて0から2重量パーセントである、請求項1に記載のプロセス。
【発明を実施するための形態】
【0010】
様々な好ましい特徴および実施形態が、非限定的な例証によって以下に説明される。
【0011】
開示される技術は、リン酸のヒドロキシ置換エステルの塩を調製するためのプロセスであって、(a)リン酸ジエステルをアルキレンオキシドと反応させる工程、(b)工程(a)の生成物混合物をリン酸処理剤と反応させる工程;および(c)工程(b)の生成物混合物をアミンと反応させる工程を含み;該リン酸ジエステルは、リン酸モノエステルの実質的な非存在下で該工程(a)のアルキレンオキシドと反応されるプロセスを提供する。
【0012】
工程(a)で用いられる第1の反応物質は、リン酸ジエステルを含む。これは、式(RO)
2P(=O)−OH(式中、それぞれのRは、独立して、1から30個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、または典型的には4から20個の炭素原子、例えば、6から18個、もしくは6から12個、もしくは6から10個、もしくは12から18個、もしくは14から18個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)で表され得る物質である。ヒドロカルビル基は、ある種の実施形態において、炭化水素基またはアルキル基であり得る。一価アルコールは、直鎖または分岐であってもよく;同様に飽和または不飽和であってもよい。一例では、R基は、アルキル基であり、2−エチルヘキシル基を含み得る。
【0013】
本明細書で使用される場合、「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」という用語は、当業者に周知である、その通常の意味で使用される。具体的には、分子の残部に直接結合した(アルコールの場合は、アルコールの−OH基に直接結合した)炭素原子を有し、主に炭化水素の特性を有する基を指す。ヒドロカルビル基の例には、以下が含まれる:
炭化水素置換基、すなわち、脂肪族(例えば、アルキルまたはアルケニル)、脂環式(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)置換基、ならびに芳香族−、脂肪族−、および脂環式−置換芳香族置換基、ならびに環が分子の別の部分を介して完成される(例えば、2つの置換基が一緒になって環を形成する)環状置換基;
置換炭化水素置換基、すなわち、本発明の文脈において、その置換基の主に炭化水素の性質を変更しない、非炭化水素基を含有する置換基[例えば、ハロ(特に、クロロおよびフルオロ)、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ、およびスルホキシ];
ヘテロ置換基、すなわち、本発明の文脈において、主に炭化水素の特性を有するが、それ以外は炭素原子から構成される環または鎖中に炭素以外を含有し、ピリジル、フリル、チエニルおよびイミダゾリルのような置換基を包含する置換基。ヘテロ原子には、硫黄、酸素、および窒素が含まれる。ヒドロカルビル基中に炭素原子10個当たり、一般に、2個以下、または1個以下の非炭化水素置換基が存在し;あるいは、ヒドロカルビル基中に非炭化水素置換基が存在していなくてもよい。
【0014】
好適なリン酸ジエステルは、市販されている。それらは、ハロゲン化リン、例えば、塩化リン、PCl
3と、アルコール、典型的には一価アルコールとの反応、その後の塩素化および加水分解によって調製され得る。好適な一価アルコールには、オクチルアルコールの様々な異性体、例えば、とりわけ、2−エチルヘキシルアルコールが含まれる。好適なアルコールの他の例には、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、ドデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、オクタデセノール(オレイルアルコール)、ノナデカノール、エイコシル−アルコール、およびそれらの混合物、例えば、このようなアルコールのそれぞれの1−異性体が含まれる。好適なアルコールの例には、例えば、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチルヘキサノール、イソオクタノール、およびそれらの混合物が含まれる。
【0015】
使用され得る市販のアルコールの例には、MonsantoのOxo Alcohol(登録商標)7911、Oxo Alcohol(登録商標)7900およびOxo Alcohol(登録商標)1100;ICIのAlphanol(登録商標)79;Condea(現在Sasol)のNafol(登録商標)1620、Alfol(登録商標)610およびAlfol(登録商標)810;Afton CorporationのEpal(登録商標)610およびEpal(登録商標)810;Shell AGのLinevol(登録商標)79、Linevol(登録商標)911およびDobanol(登録商標)25L;Condea Augusta、MilanのLial(登録商標)125;Henkel KGaA(現在Cognis)のDehydad(登録商標)およびLorol(登録商標)、ならびにUgine KuhlmannのLinopol(登録商標)7−11およびAcropol(登録商標)91が含まれる。
【0016】
工程(a)の反応で用いられるリン酸ジエステルは、リン酸モノエステル、すなわち、RO−P(=O)(OH)
2を実質的に含まない。さらに、工程(a)の反応は、リン酸モノエステルの実質的な非存在下で行われる。これは、リン酸モノエステルが、反応混合物からまったく不在であり得、または、それは、不純物に特有な量でのみ存在し得、またはそれは、それが本技術の利点を妨げない十分に低い量で存在し得ることを意味する。リン酸モノエステルの好適な量は、0から10重量パーセント、もしくは0から8重量パーセント、もしくは0から4重量パーセント、もしくは0から2重量パーセント、もしくは0から1重量パーセント、もしくは0から0.5重量パーセント、もしくは0.1から2重量パーセント、もしくは0.1から0.5重量パーセント、またはこれらの上限および下限の量の種々の組合せを含み得る。これらの量は、存在するリン酸モノエステルおよびリン酸ジエステルの合計量の百分率として表される。
【0017】
リン酸ジエステルは、アルキレンオキシドと反応される。アルキレンオキシドは、例えば、1から16個、または1から10個、または2から6個、または2から4個の炭素原子を含有し得る。アルキレンオキシドには、酸素原子が隣接する炭素原子を架橋するもの、例えば、1,2−アルキレンオキシドが含まれる。例には、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、および1,2−ブチレンオキシドが含まれる。C5およびより高級なアルキレンオキシドも想定される。したがって、アルキレンオキシドは、例えば、2から10個、または2から6個、または2から4個、または3個の炭素原子を含み得る。一実施形態において、アルキレンオキシドは、1,2−プロピレンオキシドを含む。1,2−アルキレンオキシド、すなわち、エポキシドが、この種のオキシドの最も一般的なものであるが、一方1,3−アルキレンオキシド、すなわち、4員の環状エーテルも公知であり、用いられてもよい。一例は、オキセタン、すなわち、トリメチレンオキシドである。
【0018】
工程(a)の反応、すなわち、リン酸ジエステルとアルキレンオキシドの間の反応は、リン酸ジエステルの酸性部分とアルキレンオキシドとの反応をもたらして、典型的にはアルキレンオキシドの開環によって、それからエステルを形成するのに好適な条件下で行われる。この反応は、必要に応じて、高温、例えば、30から70℃、または40から60℃、または45から55℃で反応の所望の完了度を可能にする十分な時間行われ得る。好適な時間は、当業者に周知であるとおりに、用いられる温度によって変わる。反応のための典型的な時間は、0.5から4時間、または1から3時間、または1.5から2.5時間、すなわち、約2時間を含み得る。
【0019】
工程(a)として本明細書に上記された反応は、通常は、式
【0020】
【化1】
(式中、それぞれのRは、独立して、典型的には元のリン酸ジエステル反応物質上に存在するR基であるアルキル基であり、R’は、アルキレンオキシドのアルキレン基に由来する)
で表される少なくともいくつかの分子を含む生成物混合物をもたらす。アルキレンオキシドがプロピレンオキシドである場合、存在する少なくともいくつかの分子は、構造
【0021】
【化2】
、およびペンダントメチル基が左側の炭素に結合している、すなわち、リン酸基に隣接している代替の構造で表される。上述の構造のある種の実施形態において、それぞれのR基は、独立して、上にリン酸ジエステルと関連して記載されたとおりのアルキル基である。反応混合物は、アルキレンオキシドのダイマーまたはオリゴマー(酸性リン基で開始された)、環状構造を含有する物質、およびP−O−P結合を有する、すなわち、式(I)のR基が、リン(その後のP
2O
5との反応から生じ得る)を含有し得る様々な物質、ならびに式(I)または式(Ia)の右手側に示される酸素原子がリン原子に連結している物質を含む、一定量の他の物質も含有し得る。
【0022】
上記構造で示されるとおりの物質の一部を含有する、反応の工程(a)から得られた該生成物混合物は、その後にリン酸処理剤(リン酸化剤としても公知である)と反応される。用いられ得るリン酸処理剤は、典型的には五酸化リンまたはその反応性等価物である。五酸化リンは、P
4O
10などのより複雑な分子から少なくとも部分的になると考えられるが、通常その実験式であるP
2O
5とみなされる。このような物質の両方ともは、その+5の酸化状態のリンを有する。用いられ得る他のリン物質には、ポリリン酸、およびオキシ三塩化リンなどのオキシ三ハロゲン化リン(すなわち、オキシハロゲン化リン)が含まれる。
【0023】
工程(a)からの中間体混合物は、上記構造(I)または(Ia)の遊離のアルコール性OH基との反応によって酸性リン酸エステルを与えるために好適な条件下でリン酸処理剤と反応され得る。反応のための好適な条件は、40〜60℃(例えば、50℃)で加熱し、五酸化リンを2〜3時間かけて添加し、次いで、70〜90℃に(例えば、80℃)に加熱し、その温度で1〜4時間、例えば、3時間維持することを含み得る。
【0024】
反応生成物は、個々の種の混合物であり、特定の詳述される組成物は、ある程度、反応条件に依存し得る。しかし、反応混合物は、典型的には式(II)
【0025】
【化3】
で表される少なくともいくつかの分子およびそれらの異性体を含有し、ここで、RおよびR’は、上に定義されたとおりである。一実施形態において、物質は、式(IIa)
【0026】
【化4】
で表され得る。一実施形態において、それぞれのRは、独立してアルキル基である。ある種の実施形態において、反応混合物は、このような二酸化合物を含有するだけでなく、その、式
【0027】
【化5】
(式中、それぞれのRは、独立してアルキル基である)で表されるものなどの一酸分子との混合物も含み得る。したがって、典型的には、工程(b)の生成物は、少なくとも1個の酸基を含むリン酸エステルを含む。
【0028】
上記生成物(II)または(IIa)は、通常は合成におけるこの段階で主要で、所望の生成物であるが、一方他の生成物または中間体も存在し得る。これらには、
【0029】
【化6】
が含まれ得る。物質(IIy)は、さらに反応性であって、さらなる構造(II)の物質を与え得るが、(IIx)の物質は、さらなる構造(II)の物質を与え得ない。これらの副生成物のいずれも、必要に応じて、反応混合物から除去され得る。あるいは、それらは、混合物中にそのまま残存させてもよく、それにより、それは、最終の生成物混合物の微量成分として保有され得る。一般に、(IIx)などの副生成物の存在は、本技術で調製される物質中で減少させられると考えられる。
【0030】
リン酸処理剤と、リン酸ジエステルおよびアルキレンオキシドからの中間体との反応から調製される生成物または中間体(または中間体混合物として存在する物質の混合物)を、アミンとさらに反応させて、アミン塩(単数)または塩(複数)を含むと特徴付けられ得る物質の混合物を形成する。生成物は、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、またはそれらの混合物のアミン塩を含む。一実施形態において、第一級アミンは、第三級−脂肪族第一級アミンを含む。当然に、P−N結合を有する一部の物質を含めて、他の物質が存在し得る。
【0031】
好適な第一級アミンの例には、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ビス−2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、およびドデシルアミン、ならびにn−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタデシルアミンおよびオレイルアミンのような脂肪アミンが含まれる。他の有用な脂肪アミンには、市販の脂肪アミン、例えば、「Armeen(登録商標)」アミン(Akzo Chemicals、Chicago、イリノイ州から入手可能な製品)、例えば、Armeen C、Armeen O、Armeen OL、Armeen T、Armeen HT、Armeen SおよびArmeen SD(ここで、文字記号表示は、脂肪族基、例えば、ココ基、オレイル基、タロウ基、またはステアリル基に関連する)が含まれる。
【0032】
好適な第二級アミンの例には、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、メチルエチルアミン、エチルブチルアミン、N−メチル−1−アミノ−シクロヘキサン、Armeen(登録商標)2Cおよびエチルアミルアミンが含まれる。第二級アミンは、ピペリジン、ピペラジンおよびモルホリンなどの環状アミンであってもよい。第三級アミンの例には、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−デシルアミン、トリ−ラウリルアミン、トリ−ヘキサデシルアミン、およびジメチルオレイルアミン(Armeen(登録商標)DMOD)が含まれる。
【0033】
一実施形態において、アミンは、混合物の形態である。好適なアミンの混合物の例には、(i)第三級アルキル第一級基上に11から14個の炭素原子を有するアミン(すなわち、第三級アルキル基中に11から14個の炭素原子を有する第一級アミン)、(ii)第三級アルキル第一級基上の14から18個の炭素原子を有するアミン(すなわち、第三級アルキル基中に14から18個の炭素原子を有する第一級アミン)、または(iii)第三級アルキル第一級基上に18から22個の炭素原子を有するアミン(すなわち、第三級アルキル基中に18から24個の炭素原子を有する第一級アミン)が含まれる。第三級アルキル第一級アミンの他の例には、tert−ブチルアミン、tert−ヘキシルアミン、tert−オクチルアミン(1,1−ジメチルヘキシルアミンなど)、tert−デシルアミン(1,1−ジメチルオクチルアミンなど)、tert−ドデシルアミン、tert−テトラデシルアミン、tert−ヘキサデシルアミン、tert−オクタデシルアミン、tert−テトラコサニルアミン、およびtert−オクタコサニルアミンが含まれる。一実施形態において、有用なアミンの混合物は、「Primene(登録商標)81R」または「Primene(登録商標)JMT」である。Primene(登録商標)81RおよびPrimene(登録商標)JMT(両方とも、Rohm & Haasにより製造販売される)は、それぞれ、C11からC14第三級アルキル第一級アミン、およびC18からC22第三級アルキル第一級アミンの混合物である。
【0034】
ある種の実施形態において、アミンは、合計で、10から22個の炭素原子、または12から20個、もしくは14から18個、もしくは16個の炭素原子を有する少なくとも1種の第二級アミンを含む。ある種の実施形態において、第二級アミンは、それぞれ、5から11個の炭素原子、または6から10個、もしくは7から9個の炭素原子を有する2個のアルキル基を含有する。一例は、ジ(エチルヘキシル)アミンである。
【0035】
ある種の実施形態において、アミン塩は、式(III)
【0036】
【化7】
(式中、mおよびnは両方とも、正のゼロでない整数であり、但し、(m+n)の合計は、4に等しいことを条件とする)の構造で表される一部の分子を含む。ある種の条件下で複数の酸性OH基を中和し得るが、典型的には式(II)の酸性OH基の1つだけがアミンで中和されることが企図される。
【0037】
式(III)の左側のアニオン部分が、式(I)、式(Ia)、式(II)、または式(IIa)の物質から誘導されたアニオンの表示であり、それらの式に関連した前述の表示および説明のそれぞれは、式(III)のアニオン部分にも適用できることは明らかである。同様に、式(III)の右側のカチオン部分は、上記のとおりのアミンから誘導されたカチオンの表示であり、R’’はこのようなアミン由来のヒドロカルビル基を表す。一実施形態において、それぞれのR’’は独立に1〜22個の炭素原子のヒドロカルビル基である。
【0038】
一例として、式(III)の物質を含むアミン塩は、1種または複数の金属イオンの一部も含有し得る。すなわち、それは、混合されたアミンおよび金属塩であり得る。ある種の実施形態において、全生成組成物におけるアニオン部分の価数の少なくとも半分は、または少なくとも75%または少なくとも90%は、アミンカチオンによって満たされる。一実施形態において、その塩は、金属イオンを含まない。金属イオンは、存在する場合、一価もしくは二価の金属、またはそれらの混合物からであってもよい。一実施形態において、金属イオンは二価である。一実施形態において、金属イオンの金属には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、銅、ニッケル、スズ、または亜鉛が含まれる。一実施形態において、金属イオンの金属には、リチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、または亜鉛が含まれる。一実施形態において、金属イオンの金属は亜鉛である。
【0039】
上記された物質の一部は、最終配合物中で相互に作用してもよく、その結果、最終配合物の成分は、当初に加えられるものと異なっていてもよいことは公知である。例えば、金属イオン(例えば、清浄剤の)は、上記された生成物などの他の分子の他の酸性もしくはアニオン性部位に移動し得る。それにより形成される生成物は、その意図された用途において本発明の組成物を用いた場合に形成される生成物を含めて、容易な説明が可能であり得ない。それにもかかわらず、このような変更および反応生成物のすべては、本技術の範囲内に含まれ;本技術は、上記された成分を混合することによって調製される組成物を包含する。
【0040】
上記されたアミン塩組成物は、典型的には潤滑組成物で用いる。潤滑組成物の成分の一つは、潤滑粘度の油である。これらには、潤滑粘度の天然油および合成油、水素化分解、水素化、または水素化仕上げ由来の油、ならびに未精製油、精製油、および再精製油、ならびにそれらの混合物が含まれる。
【0041】
天然油には、動物油、植物油、鉱油およびそれらの混合物が含まれる。合成油には、炭化水素油、シリコン系油(silicon−based oil)、およびリン含有酸の液体エステルが含まれる。合成油は、他のガスツーリキッド(gas to liquid)油と同様に、フィッシャー−トロプシュのガスツーリキッド合成手順によって製造され得る。一実施形態において、本発明の組成物は、ガス−ツーリキッド油で用いる場合に有用である。しばしば、フィッシャー−トロプシュ炭化水素またはワックスは、水素異性化され得る。一実施形態において、基油は、PAO−2、PAO−4、PAO−5、PAO−6、PAO−7、またはPAO−8を含むポリアルファオレフィンを含む。一実施形態におけるポリアルファオレフィンは、ドデセンから、別の実施形態において、デセンから調製される。一実施形態において、潤滑粘度の油は、アジペートなどのエステルである。
【0042】
潤滑粘度の油はまた、アメリカ石油協会(API)基油互換可能指針(American Petroleum Institute (API) Base Oil Interchangeability Guidelines)に特定されたとおりに定義され得る。一実施形態において、潤滑粘度の油は、APIグループI、II、III、IV、V、VIの基油、またはそれらの混合物、および別の実施形態において、APIグループII、III、IVの基油、またはそれらの混合物を含む。別の実施形態において、潤滑粘度の油は、グループIIIまたはIVの基油、および別の実施形態において、グループIVの基油である。
【0043】
存在する潤滑粘度の油の量は、典型的には、約100重量%から、本技術の化合物ならびに他の列挙される成分、例えば、摩擦調整剤、慣用的なリン耐摩耗剤および/または極圧剤、有機スルフィド、ならびに他の性能添加剤の量の合計を差し引いた後に残る残余である。一実施形態において、潤滑組成物は、濃縮物および/または完全に配合された潤滑剤の形態である。リン含有添加剤および任意の他の性能添加剤が、濃縮物(これは、さらなる油と混ぜ合わされて、全体的または部分的に、完成潤滑剤を形成し得る)の形態である場合、潤滑組成物の成分と、潤滑粘度の油および/または希釈油との比は、重量で1:99から約99:1、または重量で80:20から10:90の範囲を含む。
【0044】
潤滑配合物は、粘度調整剤(これは、潤滑粘度の油の成分の一部と見なされることもある)を含有し得る。粘度調整剤(VM)および分散性粘度調整剤(DVM)は、周知である。VMおよびDVMの例には、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリオレフィン、スチレン−マレイン酸エステルコポリマー、および同様のポリマー物質(ホモポリマー、コポリマー、およびグラフトコポリマーを含む)が含まれ得る。DVMは、窒素含有メタクリレートポリマー、例えば、メチルメタクリレートおよびジメチルアミノプロピルアミン由来のポリマー、例えば、同様にメチルメタクリレートおよびジメチルアミノプロピルアミンから誘導されるモノマー由来のポリマーを含み得る。
【0045】
市販のVM、DVMおよびそれらの化学製品タイプの例には以下が含まれ得る:ポリイソブチレン(BP Amoco製Indopol(商標)またはExxonMobil製Parapol(商標)など);オレフィンコポリマー(Lubrizol製Lubrizol(商標)7060、7065、および7067、ならびにMitsui製Lucant(商標)HC−2000LおよびHC−600など);水素化スチレン−ジエンコポリマー(Shell製Shellvis(商標)40および50、ならびにLubrizol製LZ(登録商標)7308、および7318など);分散性コポリマーである、スチレン/マレエートコポリマー(Lubrizol製LZ(登録商標)3702および3715など);ポリメタクリレート、これの一部は、分散特性を有する(RohMax製Viscoplex(商標)シリーズにおけるもの、Afton製Hitec(商標)シリーズ、ならびにLubrizol製LZ 7702(商標)、LZ 7727(商標)、LZ 7725(商標)、およびLZ 7720C(商標)など);オレフィン−グラフト−ポリメタクリレートポリマー(RohMax製Viscoplex(商標)2−500および2−600など);ならびに水素化ポリイソプレン星型ポリマー(Shell製Shellvis(商標)200および260など)。用いられ得る粘度調整剤は、米国特許第5,157,088号、同第5,256,752号および同第5,395,539号に記載されている。VMおよび/またはDVMは、最大20重量%の濃度で機能性流体中に用いられ得る。1から12重量%、または3から10重量%の濃度を用いてもよい。
【0046】
潤滑配合物は、上記されたリン塩組成物に加えて、1種または複数の慣用的なリン耐摩耗剤および/または極圧剤を含有し得る。あるいは、潤滑配合物は、このような慣用的な剤を含まなくてもよい。慣用的なリン耐摩耗剤および/または極圧剤は、潤滑組成物の0重量%から10重量%、0重量%から8重量%、0重量%から6重量%、0.05重量%から2.5重量%、1重量%から2重量%、および0.05重量%から4重量%の量で存在し得る。好適な剤には、米国特許第3,197,405号に記載されたものが含まれ;例えば、その実施例1から実施例25を参照されたい。
【0047】
慣用的なリン耐摩耗剤および/または極圧剤には、非イオン性リン化合物、上に開示されたもの以外のリン化合物のアミン塩(例えば、モノアルキルおよびジアルキルのリン酸エステルの混合物のアミン塩)、上に開示されたもの以外のリン化合物のアンモニウム塩、金属ジアルキルジチオホスフェート、金属ジアルキルホスフェート、またはそれらの混合物が含まれ得る。一実施形態において、慣用的なリン耐摩耗剤または極圧剤は、非イオン性リン化合物、金属ジアルキルジチオホスフェート、金属ジアルキルホスフェート、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0048】
一実施形態において、慣用的なリン耐摩耗剤および/または極圧剤には、金属ジアルキルジチオホスフェートが含まれる。ジアルキルジチオホスフェートのアルキル基は、直鎖または分岐であってもよく、2から20個の炭素原子を含有し得るが、但し、炭素の合計数は、金属ジアルキルジチオホスフェート油を油溶性にさせるのに十分であることを条件とする。金属ジアルキルジチオホスフェートの金属には、典型的には一価または二価の金属が含まれる。好適な金属の例には、ナトリウム、カリウム、銅、カルシウム、マグネシウム、バリウム、または亜鉛が含まれる。一実施形態において、リン含有酸、塩またはエステルは、亜鉛ジアルキルジチオホスフェートである。好適な亜鉛ジアルキルホスフェート(しばしば、ZDDP、ZDPまたはZDTPと称される)の例には、亜鉛ジ−(2−メチルプロピル)ジチオホスフェート、亜鉛ジ−(アミル)ジチオホスフェート、亜鉛ジ−(1,3−ジメチルブチル)ジチオホスフェート、亜鉛ジ−(ヘプチル)ジチオホスフェート、亜鉛ジ−(オクチル)ジチオホスフェート、亜鉛ジ−(2−エチルヘキシル)ジチオホスフェート、亜鉛ジ−(ノニル)ジチオホスフェート、亜鉛ジ−(デシル)ジチオホスフェート、亜鉛ジ−(ドデシル)ジチオホスフェート、亜鉛ジ−(ドデシルフェニル)ジチオホスフェート、亜鉛ジ−(ヘプチルフェニル)ジチオホスフェート、および(メチルプロピルアルコールおよびアミルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールおよびイソプロピルアルコール、または4−メチル−2−ペンチルアルコールおよびイソプロピルアルコールなどの)混合アルコールから調製されたZDDP;またはそれらの混合物が含まれる。
【0049】
一実施形態において、慣用的なリン耐摩耗剤および/または極圧剤には、金属ヒドロカルビルホスフェートまたはジヒドロカルビルホスフェートが含まれる。金属ジアルキルホスフェートのヒドロカルビル基には、直鎖もしくは分岐のアルキル基、環状アルキル基、直鎖もしくは分岐のアルケニル基、アリール基、またはアリールアルキル基が含まれる。一実施形態において、金属ジアルキルホスフェートのヒドロカルビル基は、油溶性アルキル基である。アルキル基は、典型的には約1から約40個、または約4から約40個、または約4から約20個、または約6から約16個の炭素原子を含む。好適なヒドロカルビル基またはアルキル基の例は、国際公開第2008/094759号、段落0069から段落0076までに記載されている。
【0050】
一実施形態において、金属ヒドロカルビルホスフェートまたはジヒドロカルビルホスフェートには、モノ−アルキルホスフェートの金属塩、および別の実施形態において、ジ−アルキルホスフェートの金属塩が含まれる。一実施形態において、金属ヒドロカルビルホスフェートまたはジヒドロカルビルホスフェートの金属は、一価の金属であり、別の実施形態において、金属は二価であり、別の実施形態において、金属は三価である。金属ヒドロカルビルホスフェートまたはジヒドロカルビルホスフェートの金属には、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ、鉛、マンガン、銀、またはそれらの混合物が含まれ得る。一実施形態において、金属は亜鉛である。
【0051】
一実施形態において、潤滑組成物は、有機スルフィドをさらに含む。一実施形態において、有機スルフィドは、ポリスルフィド、チアジアゾール化合物、またはそれらの混合物の少なくとも1種を含む。異なる実施形態において、有機スルフィドは、潤滑組成物の0重量%から10重量%、0.01重量%から10重量%、0.1重量%から8重量%、0.25重量%から6重量%、2重量%から5重量%、または3重量%から5重量%の範囲で存在する。
【0052】
チアジアゾールの例には、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、またはそのオリゴマー、ヒドロカルビル置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、ヒドロカルビルチオ置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、またはそれらのオリゴマーが含まれる。ヒドロカルビル置換2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのオリゴマーは、典型的には、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール単位間の硫黄−硫黄結合を形成して、前記チアジアゾール単位の2つ以上のオリゴマーを形成することによって形成する。チアジアゾール化合物のさらなる例は、国際公開第2008/094759号、段落0088から段落0090までに見られる。
【0053】
有機スルフィドは、代替としてポリスルフィドであってもよい。一実施形態において、ポリスルフィド分子の少なくとも約50重量%は、トリスルフィドまたはテトラスルフィドの混合物である。他の実施形態において、ポリスルフィド分子の少なくとも約55重量%、または少なくとも約60重量%は、トリスルフィドまたはテトラスルフィドの混合物である。ポリスルフィドは、油、脂肪酸もしくはエステル、オレフィンまたはポリオレフィン由来の硫化有機ポリスルフィドを含む。
【0054】
硫化され得る油には、天然油または合成油、例えば、鉱油、ラード油、脂肪族アルコールと脂肪酸または脂肪族カルボン酸とから誘導されたカルボキシレートエステル(例えば、ミリスチルオレエートおよびオレイルオレエート)、および合成不飽和エステルまたはグリセリドが含まれる。
【0055】
脂肪酸は、8から30、または12から24個の炭素原子を含有するものを含む。脂肪酸の例には、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、およびトール油が含まれる。硫化脂肪酸エステルは、混合不飽和脂肪酸エステル(トール油、アマニ油、大豆油、菜種油、および魚油を含む、動物脂肪および植物油から得られるようなもの)から調製される。
【0056】
ポリスルフィドは、典型的には1つまたは複数の二重結合を有する、広範なアルケンから誘導されるオレフィンからも誘導されてもよい。一実施形態におけるオレフィンは、3から30個の炭素原子を含有する。他の実施形態において、オレフィンは、3から16個、または3から9個の炭素原子を含有する。一実施形態において、硫化オレフィンには、プロピレン、イソブチレン、ペンテン、またはそれらの混合物から誘導されるオレフィンが含まれる。一実施形態において、ポリスルフィドは、上記されたとおりのオレフィンを、公知の技術によって重合させることから誘導されるポリオレフィンを含む。一実施形態において、ポリスルフィドには、ジブチルテトラスルフィド、オレイン酸の硫化メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテン、硫化ジシクロペンタジエン、硫化テルペン、および硫化Diels−Alder付加体;リン硫化炭化水素(phosphosulfurized hydrocarbon)が含まれる。
【0057】
一実施形態において、潤滑組成物は、摩擦調整剤をさらに含む。異なる実施形態において、摩擦調整剤は、潤滑組成物の0重量%から7重量%、0.1重量%から6重量%、0.25重量%から5重量%、または0.5重量%から5重量%の量で存在する。
【0058】
摩擦調整剤には、脂肪アミン、ホウ酸化(borated)グリセロールエステル、脂肪酸アミド、非ホウ酸化脂肪エポキシド、ホウ酸化脂肪エポキシド、アルコキシ化脂肪アミン、ホウ酸化アルコキシ化脂肪アミン、脂肪酸の金属塩、脂肪イミダゾリン、アルキルサリチレートの金属塩(これは、清浄剤とも称され得る)、スルホネートの金属塩(これは、清浄剤とも称され得る)、カルボン酸もしくはポリアルキレン−ポリアミンの縮合生成物、またはヒドロキシアルキル化合物のアミドが含まれる。一実施形態において、摩擦調整剤は、グリセロールの脂肪酸エステルを含む。脂肪酸は、6から24個、または8から18個の炭素原子を含有し得る。一実施形態において、摩擦調整剤は、イソステアリン酸とテトラエチレンペンタミンとの生成物を含み得る。可能な摩擦調整剤のより詳細なリストは、国際公開第2008/094759号、段落0100から段落0113までに見られる。
【0059】
本発明の組成物は、少なくとも1種の他の性能添加剤を場合によってさらに含む。他の性能添加剤には、金属不活性化剤、清浄剤、分散剤、酸化防止剤、腐食防止剤、抑泡剤、解乳化剤、流動点降下剤、シール膨潤剤、およびそれらの混合物が含まれる。異なる実施形態において、他の性能添加剤化合物の合計の合わせた量は、潤滑組成物の0重量%から25重量%、約0.1重量%から15重量%、または0.5重量%から10重量%である。1種または複数の他の性能添加剤が存在してもよいが、他の性能添加剤が、互いに対して異なる量で存在することが一般的である。
【0060】
酸化防止剤には、モリブデンジチオカルバメートなどのモリブデン化合物、硫化オレフィン、ヒンダードフェノール、アミン化合物、例えば、アルキル化ジフェニルアミン(典型的にはジ−ノニルジフェニルアミン、オクチルジフェニルアミン、またはジ−オクチルジフェニルアミン)が含まれる。
【0061】
清浄剤には、中性または過塩基性清浄剤、(フェネート、硫化フェネート、スルホネート、カルボン酸、リン含有酸、モノおよび/もしくはジチオリン酸、サリゲニン、アルキルサリチレート、ならびにサリキサレートの1種または複数と一緒の)アルカリ金属、アルカリ土類金属または遷移金属のニュートニアンまたは非ニュートニアンの塩基性塩が含まれる。
【0062】
分散剤には、N−置換長鎖アルケニルスクシンイミド、およびマンニッヒ縮合生成物、ならびにそれらの後処理されたバージョンが含まれる。後処理された分散剤には、尿素、チオ尿素、ジメルカプトチアジアゾール、二硫化炭素、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、炭化水素置換無水コハク酸、ニトリル、エポキシド、ホウ素化合物、およびリン化合物との反応によるものが含まれる。一実施形態において、分散剤には、ホウ酸化ポリイソブチレンスクシンイミドが含まれる。典型的には、ポリイソブチレンの数平均分子量は、約450から5000、または550から2500の範囲である。異なる実施形態において、分散剤は、潤滑組成物の0重量%から10重量%、0.01重量%から10重量%、または0.1重量%から5重量%の量で存在する。
【0063】
腐食防止剤には、オクチルアミンオクタノエート、ドデセニルコハク酸もしくは無水コハク酸の縮合生成物、オレイン酸などの脂肪酸とポリアミンとの縮合生成物、または上記されたチアジアゾール化合物が含まれる。金属不活性化剤には、ベンゾトリアゾール(典型的にはトリルトリアゾール)、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾール、2−アルキルジチオベンゾイミダゾールまたは2−アルキルジチオベンゾチアゾールの誘導体が含まれる。
【0064】
抑泡剤には、ポリシロキサン、ならびにアクリル酸エチルと、アクリル酸2−エチルヘキシルと、場合によって酢酸ビニルとのコポリマーが含まれる。解乳化剤には、トリアルキルホスフェート、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよび(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)ポリマーが含まれる。流動点降下剤には、無水マレイン酸のエステル−スチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、またはポリアクリルアミドが含まれる。シール膨潤剤には、Exxon Necton−37(商標)(FN1380)およびExxon Mineral Seal Oil(FN3200)が含まれる。
【0065】
一実施形態において、本明細書で記載される潤滑組成物は、グリースであってもよく、このような組成物は、典型的にはグリース増粘剤をさらに含む。グリース増粘剤には、(i)無機粉末(例えば、クレー、有機クレー、ベントナイト、ヒュームドシリカ、方解石、カーボンブラック、顔料、銅フタロシアニンまたはそれらの混合物)、(ii)カルボン酸および/またはエステル(例えば、モノカルボン酸もしくはポリカルボン酸および/またはそれらのエステル)、(iii)ポリ尿素またはジ尿素、あるいは(iv)それらの混合物から誘導される物質が含まれる。具体的なグリース増粘剤の詳細な説明は、国際公開第2008/094759号、段落0135から段落0145までに見られる。グリース組成物は、1種または複数の金属不活性化剤、酸化防止剤、耐摩耗剤、錆止め剤、粘度調整剤、極圧剤(上記のとおりの)またはそれらの2種以上の混合物も含有し得る。
【0066】
一実施形態において、本技術は、動力伝達系デバイス(例えば、ギア、車軸、またはトランスミッション)を潤滑する方法であって、該動力伝達系デバイスに本明細書で開示される潤滑組成物を供給する工程を含む方法を提供する。潤滑剤はグリースであり得る。動力伝達系デバイスは、ギア、ギアボックス、車軸ギア、トラクションドライブトランスミッション、オートマチックトランスミッションまたはマニュアルトランスミッションの少なくとも1種を含み得る。一実施形態において、動力伝達系デバイスは、マニュアルトランスミッション、またはギア、ギアボックス、または車軸ギアである。オートマチックトランスミッションは、連続可変トランスミッション(CVT)、無段可変トランスミッション(IVT)、トロイダルトランスミッション、連続滑りトルク変換クラッチ(CSTCC)、多段オートマチックトランスミッション、または二段クラッチトランスミッション(DCT)であってもよい。
【0067】
一実施形態において、本発明は、耐摩耗性能、極圧性能、許容される堆積物制御、許容される酸化安定性、および臭い減少の少なくとも1つを与えるための、ギアおよびトランスミッションにおける本明細書で開示される潤滑組成物の使用を提供する。
【0068】
記載されるそれぞれの化学成分の量は、特に断りのない限り、市販用物質に通例は存在し得る任意の溶媒または希釈油を除いて、すなわち、活性化学物質基準で示される。しかし、特に断りのない限り、本明細書で言及されるそれぞれの化学物質または組成物は、異性体、副生成物、誘導体、および市販用グレードで存在すると通常は理解されるような他の物質を含有し得る市販用グレードの物質であると解釈されるべきである。
【実施例】
【0069】
(実施例1)
300gのジ−(2−エチルヘキシル)リン酸(そのジエステル)を、窒素の穏やかな流れ下で混合しながら40℃に加熱する。この酸に、51.0gのプロピレンオキシドを、液面下の管を介して2時間かけて添加する。反応混合物を70℃に加温し、この温度で2時間維持し、その後、それを<4kPa(<30トール)で1時間真空ストリッピングする。得られた混合物を窒素の穏やかな流れ下で撹拌しながら50℃に冷却し、この時点で35.5gの五酸化リンを2時間かけて添加する。反応混合物を80℃に加温し、この温度で3時間維持し、ろ過する。次いで、反応混合物を窒素の穏やかな流れ下で撹拌しながら48℃に再度加温し、この時点で109gのビス−2−エチルヘキシルアミンを2〜2.5時間かけて滴下する。反応混合物を75℃に加温し、この温度で2.5時間維持する。反応生成物は、さらに精製することなく用いる。
【0070】
(参考実施例2)
ジ−(2−エチルヘキシル)リン酸と2−エチルヘキシルリン酸との混合物300gを、窒素の穏やかな流れ下で混合しながら40℃に加熱する。この酸に、62.0gのプロピレンオキシドを、液面下の管を介して2時間かけて添加する。反応混合物を70℃に加温し、この温度で2時間維持し、その後、それを<4kPa(<30トール)で1時間真空ストリッピングする。得られた混合物を窒素の穏やかな流れ下で撹拌しながら50℃に冷却し、この時点で39.3gの五酸化リンを2時間かけて添加する。反応混合物を80℃に加温し、この温度で3時間維持し、ろ過する。次いで、反応混合物を窒素の穏やかな流れ下で撹拌しながら48℃に再度加温し、この時点で、反応混合物に138gのビス−2−エチルヘキシルアミンを2〜2.5時間かけて滴下する。反応混合物を75℃に加温し、この温度で2.5時間維持する。反応生成物は、さらに精製することなく用いる。
【0071】
実施例1および参考実施例2の粘度を100℃で測定する(希釈しないで):
【0072】
【表1】
実施例1の物質を、以下のさらなる成分を含む試験配合物に、以下に示す量で与える:
潤滑粘度の合成ポリアルファオレフィン油(100%に等しくする)
ポリメタクリレート粘度調整剤、20.4%(22%の希釈油を含む)
ポリイソブチレン粘度調整剤、11.5%
硫化オレフィン耐摩耗剤(単数または複数)、4%
腐食防止剤、2.5%
スクシンイミド分散剤、1.25%(33%の油を含む)
市販用消泡剤、0.15%
長鎖アミン、0.5%
実施例1の物質:1.46%。
【0073】
本技術の物質は、参考物質と比較して、著しく減少した粘度を与える。それらはまた、腐食試験で良好な性能を与える。この物質はまた、参考物質と比較して、著しくより高い収率または有用に活性な成分への変換率で調製される。
【0074】
上記に言及される文書のそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。いずれの文書の言及も、このような文書が従来技術として資格があることまたはいかなる権利範囲においても当業者の一般的知識を構成することの承認ではない。実施例においてまたは別に明示的に示される場合を除いて、物質、反応条件、分子量、炭素原子の数などの量を特定する、本説明における数量はすべて、「約」という語句によって修飾されると理解されるべきである。本明細書で示される上限および下限の量、範囲、および比率の限定は、独立して組み合わせてもよい。同様に、本発明のそれぞれの要素についての範囲および量は、他の要素のいずれかについての範囲または量と一緒に用いることができる。本明細書で使用される場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」という表現は、考慮中の本組成物の基本的および新規な特徴に実質的に影響を与えない物質の包含を容認する。