【実施例1】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施例1について説明する。
図1〜
図8に示すように、本実施例の垂直導水管1は、土圧を受ける外筒部2と、この外筒部2の内部に設けられ螺旋案内路を構成する螺旋部3と、この螺旋部3の中央に設けた人孔用筒部11とを備え、この人孔用筒部11は、外筒部2の中央に位置すると共に、外筒部2の中心軸と同軸をなす。また、垂直導水管1はコンクリート製のものを用いることができる。尚、人孔用筒部11は、その内部において下から上に空気を逃がす空気抜きの効果は備えていない。
【0024】
前記垂直導水管1は、
図1〜
図3などに示すように、前記外筒部2を長さ方向に分割した分割外筒部5と、前記人孔用筒部4を囲む前記螺旋部3を周方向に分割した分割螺旋部6とを有する基本分割部7を複数備え、前記分割外筒部5は円筒形又は角筒型をなし、この例では円筒形のものを図示している。
【0025】
図6に示すように、前記人孔用筒部11は、前記基本分割部7とは別体で形成され、複数の分割筒部12を長さ方向に水密に連結してなり、その人孔用筒部11の内壁に昇降用ステップ13を上下方向に間隔を置いて配置している。また、前記複数の分割筒部12の少なくとも1つには、透視可能な窓部14を設け、この窓部14は透明板などからなり、水密に形成されている。尚、窓部14は、後述する円弧部の無い箇所に配置され、この例では、上から2段目の分割筒部12と下から2段目の分割筒部に窓部14,14を設け、両窓部14,14は平面で90度回転した位置に配置されているが、180度ずれた位置でもよい。また、人孔用筒部11の下部は、板状の下蓋体15により塞がれている。したがって、人孔用筒部11の下部から人孔用筒部11と外筒部2との間の空気や水が入ってくることがなく、人孔用筒部11内は気密且つ水密に形成されている。
【0026】
さらに、人孔用筒部11の中央には、板状の支持部16を設け、支持部16には人が通過可能な通過孔17を穿設し、通過孔17の付近の上下でステップ13の取りつけ位置を180度異なる位置に設けている。尚、人孔用筒部11の直径(内径)を600mm以上とすることが好ましい。
【0027】
図2及び
図4などに示すように、前記分割螺旋部6は、平板状をなす傾斜板21を水平に対して斜めに配置し、その傾斜板21の外周を前記外筒部2の内周に固定している。また、略扇形の傾斜板21の上側縁面22Uと下側縁面22Sとは、外筒部2の半径方向に形成され、それら上側縁面22Uと下側縁面22Sとは平面視で120度の角度θをなす。この角度θは、360度を自然数で割ったものである。また、傾斜板21の上端角部23Uが分割外筒部5の上面側に位置し、傾斜板21の下端角部23Sが分割外筒部5の下面側に位置する。尚、分割螺旋部6は、上流側である上側縁面22Uに対して平面視で半時計回り方向に位置する下流側である下側縁面22Sに向かって低くなり、傾斜板21の水平に対する角度は45度以下である。
【0028】
そして、前記上側縁面22Uには、上下方向の上垂直板24が上向きに一体に設けられ、この上垂直板24の上面24Jは前記分割外筒部5の上面(上縁面)と略面一であり、また、前記下側縁面22Sには、上下方向の下垂直板25が下向きに一体に設けられ、この下垂直板25の下面(下縁面)25Kは前記分割外筒部5の下面と略面一であり、それら上,下垂直板24,25は側面視で直角三角形をなし、上垂直板24の三角形の90度の角は上部に位置し、下垂直板25の三角形の90度の角は下部に位置する。
【0029】
また、前記傾斜板21の中央縁は、前記人孔用筒部4に対応して、平面視で円弧状に切り欠かれており、その中央縁の上部に分割内筒部たる円弧部26を突設し、この円弧部26の内面が前記人孔用筒部4の外周に添う。また、この円弧部26の平面視における角度は前記角度θと同一である。
【0030】
図1に示すように、前記垂直導水管1の上部には、分割外筒部5に流入孔31を有する流入側分割部32が設けられる。この流入側分割部32は、内部に平面視の角度θが前記円弧部26と同一の円弧部33を有し、この円弧部33は分割外筒部5と同一長さを有し、前記円弧部26の上流側縁と分割外筒部5の内周とを、半径方向の垂直板34により連結し、この垂直板34は分割外筒部5の全長に設けられている。また、前記流入孔31の左縁31Lは、前記垂直板34の上流側で垂直板34の下流側の面に位置する。即ち、流入孔31の上流側に垂直板34が位置する。そして、前記円弧部33が前記人孔用筒部11の外周に沿う。尚、円弧部26,33は円筒の一部分である。
【0031】
また、流入側分割部32の上部には板状の上蓋体35が設けられ、この上蓋体35の中央には前記人孔用筒部11の上部開口に連通する開口部36が設けられ、この開口部36には開口部蓋(図示せず)が開閉可能に設けられている。
【0032】
図1及び
図5(A)(B)などに示すように、流入側分割部22の下部に連結する上段の基本分割部7は、その上垂直板24が流入側分割部32の垂直板34の下部に位置するように配置される。
【0033】
図3に示すように、前記垂直導水管1の下部には、分割外筒部5に流出孔41を有する流出側分割部42を有する。また、流出側分割部42の下部には板状の下蓋体43が設けられている。
【0034】
次に、前記垂直導水管1の施工方法について説明する。まず、地中に外筒部2を埋設する掘削孔(図示せず)を形成し、この掘削孔の内部において、二次製品から構成する垂直導水管1を組み立てた後、周囲を埋戻し、外筒部2には土圧が加わり、垂直導水管1は土圧に対抗する強度を有する。具体的には、流出側分割部42の下部に下蓋体43を固定し、流出側分割部42の分割外筒部5と下蓋体43との目地部には防水加工を施して水密性を確保する。この場合、部材同士はボルトなどの連結具により連結固定すると共に、連結箇所を防水加工する。
【0035】
流出側分割部42の上に基本分割部7を重ね合わせ、それらの分割外筒部5,5同士を連結する。この場合、
図3及び
図5(D)に示すように、上の基本分割部7は、その下垂直板25が流出孔41の縁41Fの上流側で上部に位置するように、流出側分割部42の上に基本分割部7を重ね合わせる。即ち、下垂直板25と流出孔41の平面位置は、前記上垂直板24と流入孔31の位置と同一であって、流出孔41の上流側に下垂直板25が位置する。
【0036】
流出側分割部42に連結した基本分割部7の上部に、基本分割部7を連結する。この場合、下段の基本分割部7の上垂直板24の上面24Jに、上段の基本分割部7の下垂直板25の下面25Kが位置するように配置して基本分割部7,7同士を連結する。これにより垂直板24,25同士は面一となる。
【0037】
このように、下の基本分割部7の上垂直板24の上面24Jに、上の基本分割部7の下垂直板25の下面25Kが位置するように連結することにより、下の基本分割部7と上の基本分割部7は、それらの分割螺旋部6,6が平面視で120度ずれると共に、連続して配置される。このように3つの基本分割部7,7を連結することにより、360度連続する螺旋部3が形成される。尚、基本分割部7の数は適宜選定することができ、好ましくは角度θが120度の3個以上であり、合計で360度以上とする。
【0038】
また、垂直導水管1の上部においては、
図1及び
図5(A)(B)に示すように、最上段の基本分割部7の上垂直板24に、流入側分割部32の垂直板34を合わせて、最上段の基本分割部7に流入側分割部32を重ね合わせて連結する。
【0039】
また、分割部7,32,42の施工に合わせて、中央に分割筒部12を積み重ねて連結し、人孔用筒部11を構築する。そして、流入側分割部32の上に上蓋体35を取り付けて人孔用筒部11を塞ぐ。また、流入孔31に図示しない流入管を接続し、流出孔41に図示しない流出管を接続する。
【0040】
次に、前記構成につき、その作用を説明する。流入孔31から流れ込んだ水は、
図5(A)(B)において、垂直板34,24及び円弧部33,26に案内されて、傾斜板21に沿って旋回流となり、
図5(B)(C)において、重ね合わせた上垂直板24と下垂直板25から
図5(C)の傾斜板21に落下し、傾斜板21に沿って流れ、同様に、
図5(C)(D)において、重ね合わせた上垂直板24と下垂直板25から傾斜板21に落下し、傾斜板21に沿って流れ、
図5(D)の下垂直板25から旋回流として、流出側分割部42に流れ込み、流出孔41から外部に流出する。この場合、コンクリート製の外筒部2が土圧を受けるため、水が流れる外筒部2の内部の断面積を大きく取ることができ、流量に比べて大きな断面積を備えた垂直導水管1を構成することができるため、従来のような空気抜きが不要となる。また、垂直導水管1を埋め戻すから、コストの削減が可能となる。
【0041】
また、観察者は、上部開口から人孔用筒部11内に入り、コ字型のステップ13を使って昇降し、窓部14から垂直導水管1内の水の流れを確認することができる。そして、流れを確認できるだけでなく、観察の結果、流れを妨げるものや、長期使用により破損箇所を早期に確認して対応することができる。
【0042】
このように本実施例では、請求項1
及び2に対応して、外筒部2と、この外筒部2の内部に設けた螺旋部3とを備えた螺旋流方式の垂直導水管1において、前記螺旋部3の中央に人孔用筒部11を設け、この人孔用筒部11の下部を閉塞し、人孔用筒部11に視認可能な窓部14を設け、人孔用筒部
11の内壁に昇降用ステップ
13を設けたから、人孔用筒部11に入った作業者は、昇降用ステップ13を用いて人孔内を昇降し、窓部14を通して垂直導水管1内の水流を観察することができる。
【0043】
また、このように本実施例では、請求項
2及び3に対応して、外筒部2を長さ方向に分割した分割外筒部5と、人孔用筒部11を囲む螺旋部3を周方向に分割した分割螺旋部6とを備えた基本分割部7を形成し、複数の基本分割部7,7を長さ方向に連結してなるから、基本分割部7,7・・・を積み重ねるように長さ方向に連結して分割螺旋部6,6・・・が連続した垂直導水管1を形成することができる。
【0044】
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、同一の基本分割部7,7,7を長さ方向に連結してなる
から、同一形状の基本分割部7,7,7を積み重ねて垂直導水管1を形成することができるため、部品管理及び施工が容易となる。
【0045】
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、基本分割部7は、人孔用筒部11の外側に沿う支持部たる円弧部26を備えるから、円弧部26により人孔用筒部11を支持することができる。また、人孔用筒部11を円弧部26に連結してもよい。
【0046】
また、本実施例上の効果として、基本分割部7,32,42と別個に人孔用筒部11を形成するから、人孔用筒部11の水密性を確保することができる。また、分割螺旋部6は、平板状をなす傾斜板21を外筒部2の中心軸に対して斜めに配置したから、螺子状の螺旋に比べて製造が容易になる。さらに、基本分割部7,7は、上,下垂直板24,25を合わせることにより、施工が容易となる。また、外筒部2は大径(2000mm以上)であるから、満水になることは少なく、空気抜きが不要となる。さらに、円弧部33,26は平面視で人孔用筒部11の全周を支持するから、人孔用筒部11が安定する。また、固定支持体たる下蓋体43の上に人孔用筒部11を立設し、人孔用筒部11の下部は、板状の下蓋体15により塞がれ、下蓋板15を介して人孔用筒部11が下蓋体43に支持されるから、人孔用筒部11を安定して設置することができる。この場合、人孔用筒部11の下部を下蓋体43により塞ぐと共に、下蓋板43により人孔用筒部11を支持してもよい。