特許第6062391号(P6062391)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062391
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
   A63F5/04 512Z
   A63F5/04 512D
【請求項の数】2
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2014-90932(P2014-90932)
(22)【出願日】2014年4月25日
(65)【公開番号】特開2015-208434(P2015-208434A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2014年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】山口 卓
(72)【発明者】
【氏名】段上 輝文
(72)【発明者】
【氏名】藤井 満士
【審査官】 東 治企
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−029410(JP,A)
【文献】 特開2013−172870(JP,A)
【文献】 特開2004−194832(JP,A)
【文献】 特開2013−046694(JP,A)
【文献】 特開2013−094479(JP,A)
【文献】 特開2012−249954(JP,A)
【文献】 特開2004−267304(JP,A)
【文献】 特開2011−147680(JP,A)
【文献】 特開2009−055948(JP,A)
【文献】 特開2013−106690(JP,A)
【文献】 特開2007−242029(JP,A)
【文献】 特開2009−000348(JP,A)
【文献】 特開2009−090019(JP,A)
【文献】 特開2009−195441(JP,A)
【文献】 特開2010−005258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行を制御するとともに、遊技にかかる所定の制御情報を送信する遊技制御手段を有する遊技制御基板と、
取得した前記所定の制御情報に基づいて、遊技の進行に応じた各種演出を遊技の進行に応じて制御する演出制御手段を有する演出制御基板と、
前記遊技制御手段、及び前記演出制御手段を通信可能に接続する通信接続手段と
遊技者により操作される複数のストップスイッチを備えた遊技機であって、
前記遊技制御手段に、
遊技を進行する遊技進行プログラムを少なくとも記憶した第1記憶手段と、
該第1記憶手段に対するアクセスを制限する第1アクセス制限手段と
前記ストップスイッチに対する操作順序により遊技者に付与する利益が異なる報知対象結果を含む役抽選結果を選出する役抽選手段を備え、
前記報知対象結果は、
遊技者に有利となる前記ストップスイッチの操作順序が互いに異なる複数の種類が予め定められており、
前記演出制御手段に、
遊技者にとって有利となる演出である有利演出を報知するか否かを、前記所定の制御情報に基づいて決定する演出決定プログラムを少なくとも記憶した第2記憶手段を備え、
前記演出決定プログラムは、
前記有利演出を報知すると決定すると前記有利演出を報知可能な状態にし、前記有利演出を報知可能な状態において、前記役抽選手段により前記報知対象結果が選出されると、選出された前記報知対象結果の種類に関連付けられた演出契機情報を生成し、
前記演出制御手段に接続されるとともに、前記有利演出の演出内容を決定する演出情報出力プログラム、及び前記各種演出を示す演出情報を記憶した第3記憶手段を備え、
前記演出情報出力プログラムは、
前記演出契機情報に関連付けられた前記報知対象結果の種類に対応した遊技者に有利な前記ストップスイッチの操作順序を、前記有利演出の演出内容として決定し、
前記演出制御手段を、
前記演出決定プログラムを外部へ出力する出力要求を受付けない構成とした
遊技機。
【請求項2】
遊技の進行を制御するとともに、遊技にかかる所定の制御情報を送信する遊技制御手段を有する遊技制御基板と、
取得した前記所定の制御情報に基づいて、遊技の進行に応じた各種演出を遊技の進行に応じて制御する演出制御手段を有する演出制御基板と、
前記遊技制御手段、及び前記演出制御手段を通信可能に接続する通信接続手段と
遊技者により操作される複数のストップスイッチを備えた遊技機であって、
前記遊技制御手段に、
遊技を進行する遊技進行プログラムを少なくとも記憶した第1記憶手段と、
該第1記憶手段に対するアクセスを制限する第1アクセス制限手段と
前記ストップスイッチに対する操作順序により遊技者に付与する利益が異なる報知対象結果を含む役抽選結果を選出する役抽選手段を備え、
前記報知対象結果は、
遊技者に有利となる前記ストップスイッチの操作順序が互いに異なる複数の種類が予め定められており、
前記演出制御手段に、
遊技者にとって有利となる演出である有利演出を報知するか否かを、前記所定の制御情報に基づいて決定する演出決定プログラムを少なくとも記憶した第2記憶手段と、
少なくとも前記第2記憶手段に対するアクセスを制限する第2アクセス制限手段とを備え、
前記演出決定プログラムは、
前記有利演出を報知すると決定すると前記有利演出を報知可能な状態にし、前記有利演出を報知可能な状態において、前記役抽選手段により前記報知対象結果が選出されると、選出された前記報知対象結果の種類に関連付けられた演出契機情報を生成し、
前記演出制御手段に接続されるとともに、前記有利演出の演出内容を決定する演出情報出力プログラム、及び前記各種演出を示す演出情報を記憶した第3記憶手段を備え
前記演出情報出力プログラムは、
前記演出契機情報に関連付けられた前記報知対象結果の種類に対応した遊技者に有利な前記ストップスイッチの操作順序を、前記有利演出の演出内容として決定する
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば遊技の進行を制御するとともに、遊技にかかるコマンドを送信する遊技制御基板と、取得したコマンドに基づいて演出動作を決定する演出制御基板とを有するような遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技者が遊技媒体を投入して遊技を楽しむ遊技機として、遊技者の操作を契機に複数の図柄が描かれたリールを回転させるとともに、適宜のタイミングで停止させた際の図柄によって、遊技者が利益を獲得する回胴式遊技機(以下、スロットマシンと呼ぶ)がある。
【0003】
このようなスロットマシンは、遊技者の操作を契機に内部抽選によって1つの役抽選結果を選出するとともに、リールの回転開始や回転停止を制御する主制御基板あるいはメイン制御基板と呼ばれる遊技制御基板と、役抽選結果に応じて音声や発光などによる演出動作を制御する副制御基板あるいはサブ制御基板と呼ばれる演出制御基板とで、遊技にかかる各種動作を制御している(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、昨今のスロットマシンには、利益の付与に関して遊技者にとって有利となる演出である有利演出として、アシストタイム機能が実装されている。このアシストタイム機能は、例えば、内部抽選で選出した役抽選結果によって決定された利益の範囲において、より多くのメダルを獲得できるストップスイッチの押し順を遊技者に案内するものである。これにより、スロットマシンは、入賞の機会の低下を抑制して、遊技者が獲得するメダルの獲得割合を向上させている。
【0005】
このような有利演出の機能は、遊技制御基板ではなく、遊技制御基板から制御情報を取得した演出制御基板の制御によって行われている。つまり、スロットマシンは、遊技制御基板において、遊技者に付与される利益の範囲を役抽選によって決定する機能を制御し、演出制御基板において、遊技制御基板が決定した利益の範囲の中で、遊技者が獲得する利益の割合を向上させる機能を制御している。そして、スロットマシンは、このような機能を実現するプログラムを、遊技制御基板の記憶手段、及び演出制御手段の記憶手段にそれぞれ記憶している。
【0006】
このため、従来のスロットマシンにおいて、遊技制御基板における動作を制御する遊技制御手段は、例えば、所定の読み出しコードを有する検査機関等に限って記憶手段に対するアクセスを許容するように構成している。これにより、スロットマシンは、悪意を持った第三者によって、プログラムが不正に読み出されることを防止して、遊技制御基板におけるセキュリティ性を向上している。
【0007】
しかしながら、演出制御基板における動作を制御する演出制御手段は、十分なセキュリティ性を備えておらず、悪意を持った第三者による不正な行為に対して、十分な抑制効果を得ることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−22096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑み、演出制御基板におけるセキュリティ性を向上して、不正な遊技を抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、遊技の進行を制御するとともに、遊技にかかる所定の制御情報を送信する遊技制御手段を有する遊技制御基板と、取得した前記所定の制御情報に基づいて、遊技の進行に応じた各種演出を遊技の進行に応じて制御する演出制御手段を有する演出制御基板と、前記遊技制御手段、及び前記演出制御手段を通信可能に接続する通信接続手段とを備えた遊技機であって、前記遊技制御手段に、遊技を進行する遊技進行プログラムを少なくとも記憶した第1記憶手段と、該第1記憶手段に対するアクセスを制限する第1アクセス制限手段とを備え、前記演出制御手段に、遊技者にとって有利となる演出である有利演出を報知するか否かを、前記所定の制御情報に基づいて決定する演出決定プログラムを少なくとも記憶した第2記憶手段を備え、前記演出制御手段に接続されるとともに、前記各種演出を示す演出情報を記憶した第3記憶手段を備え、前記演出制御手段を、前記演出決定プログラムを外部へ出力する出力要求を受付けない構成としたことを特徴とする。
【0011】
上記所定の制御情報は、遊技制御手段における内部抽選によって選出された1つの役抽選結果を示す役抽選結果通知情報、あるいは役抽選結果が選出された回数を示す累積値などとすることができる。
上記通信接続手段は、電気的に通信可能に接続した通信接続手段、光通信によって通信可能に接続した通信接続手段、あるいは無線通信によって通信可能に接続した通信接続手段などとすることができる。
【0012】
上記各種演出は、液晶モニタなどに表示した動画あるいは静止画による演出、音声案内による演出、ランプ類の発光あるいは点滅による演出などをいう。
上記遊技機は、回胴式遊技機、あるいはパチンコ機などとすることができる。
【0013】
上記第1記憶手段に対するアクセスを制限するとは、意図しないアクセスに対して制限する、所定の認証方法による認証が不可の場合にアクセスを制限する、あるいは遊技の進行に応じたアクセス以外のアクセスを禁止することをいう。
上記有利演出を報知するか否かを所定の制御情報に基づいて決定するとは、役抽選結果に基づいて決定する、遊技の回数に基づいて決定することなどをいう。
【0014】
上記有利演出とは、利益の付与に関して遊技者が有利になるような演出であって、例えばストップスイッチの操作順序を報知する演出などをいう。
上記演出情報は、動画データ、静止画データ、音声データ、あるいはランプ類の発光パターンデータなどとすることができる。
【0015】
上記演出制御手段に接続された第3記憶手段は、演出制御基板とは別体で構成した異なる制御基板に配置されるとともに、通信回路、異なる制御基板の制御手段、及びハーネスや光ファイバーなどで構成した所定の接続手段を介して接続された記憶手段とすることができる。あるいは演出制御基板に配置されるとともに、データバスで構成した所定の接続手段を介して接続された記憶手段とすることができる。もしくは演出制御基板の外部に設けるとともに、入出力回路、及びハーネスなどで構成した所定の接続手段を介して接続された記憶手段とすることができる。
【0016】
上記遊技制御手段、及び演出制御手段は、CPU、RAM、及びROMを備えたワンチップマイコンで構成した制御手段、あるいは制御基板上に別々に配置したCPU、RAM、及びROMの協働によって動作を制御する制御手段などとすることができる。
【0017】
この発明により、演出制御基板におけるセキュリティ性を向上して、不正な遊技を抑制することができる。
具体的には、動画や音声を示す情報である演出情報は、遊技者の利益に関わらない情報であるため、万一、演出情報が不正に読み取られて改竄されたとしても、遊技者が獲得する利益には何ら影響が及ばない。加えて、演出情報のデータサイズは、演出決定プログラムのデータサイズに比べて、非常に大きくなり易い。
【0018】
そこで、演出情報を第3記憶手段に記憶することで、演出情報によって第2記憶手段の記憶容量が圧迫されることを抑制できるため、遊技機は、記憶容量の大きな第2記憶手段を不要にすることができる。このため、例えば、記憶容量の小さい第2記憶手段とすることで、遊技機は、不正に利益を獲得できる不正なプログラムが第2記憶手段に記憶されることを防止できる。
【0019】
そして、演出決定プログラムを外部へ出力する出力要求を受付けない構成の演出制御手段としたことにより、遊技機は、遊技者が獲得する利益に関わる演出決定プログラムが、不正に読み出されることを防止できる。このため、遊技機は、演出決定プログラムを確実に保護することができる。
【0020】
従って、遊技機は、演出決定プログラムを外部へ出力する出力要求を受付けない構成とした演出制御手段によって、演出制御基板におけるセキュリティ性を向上して、不正な遊技を抑制することができる。
【0021】
またこの発明は、遊技の進行を制御するとともに、遊技にかかる所定の制御情報を送信する遊技制御手段を有する遊技制御基板と、取得した前記所定の制御情報に基づいて、遊技の進行に応じた各種演出を遊技の進行に応じて制御する演出制御手段を有する演出制御基板と、前記遊技制御手段、及び前記演出制御手段を通信可能に接続する通信接続手段とを備えた遊技機であって、前記遊技制御手段に、遊技を進行する遊技進行プログラムを少なくとも記憶した第1記憶手段と、該第1記憶手段に対するアクセスを制限する第1アクセス制限手段とを備え、前記演出制御手段に、遊技者にとって有利となる演出である有利演出を報知するか否かを、前記所定の制御情報に基づいて決定する演出決定プログラムを少なくとも記憶した第2記憶手段と、少なくとも前記第2記憶手段に対するアクセスを制限する第2アクセス制限手段とを備え、前記演出制御手段に接続されるとともに、前記各種演出を示す演出情報を記憶した第3記憶手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
上記第2記憶手段に対するアクセスを制限するとは、意図しないアクセスに対して制限する、所定の認証方法による認証が不可の場合にアクセスを制限する、あるいは遊技の進行に応じたアクセス以外のアクセスを禁止することをいう。
【0023】
上記演出制御手段に接続された第3記憶手段は、演出制御基板とは別体で構成した異なる制御基板に配置されるとともに、通信回路、異なる制御基板の制御手段、及びハーネスや光ファイバーなどで構成した所定の接続手段を介して接続された記憶手段とすることができる。あるいは演出制御基板に配置されるとともに、データバスで構成した所定の接続手段を介して接続された記憶手段とすることができる。もしくは演出制御基板の外部に設けるとともに、入出力回路、及びハーネスなどで構成した所定の接続手段を介して接続された記憶手段とすることができる。
【0024】
この発明により、演出制御基板におけるセキュリティ性を向上して、不正な遊技を抑制することができる。
具体的には、動画や音声を示す情報である演出情報は、遊技者の利益に関わらない情報であるため、万一、演出情報が不正に読み取られて改竄されたとしても、遊技者が獲得する利益には何ら影響が及ばない。加えて、演出情報のデータサイズは、演出決定プログラムのデータサイズに比べて、非常に大きくなり易い。
【0025】
そこで、演出情報を第3記憶手段に記憶することで、演出情報によって第2記憶手段の記憶容量が圧迫されることを抑制できるため、遊技機は、記憶容量の大きな第2記憶手段を不要にすることができる。このため、例えば、記憶容量の小さい第2記憶手段とすることで、遊技機は、不正に利益を獲得できる不正なプログラムが第2記憶手段に記憶されることを防止できる。
【0026】
そして、演出決定プログラムを第2記憶手段に記憶することで、遊技機は、遊技者が獲得する利益に関わる演出決定プログラムの不正な読み出しを、第2アクセス制限手段によって防止することができる。これにより、遊技機は、演出決定プログラムを確実に保護することができる。
【0027】
この際、演出情報によって第2記憶手段の記憶容量が圧迫されないため、遊技機は、第2記憶手段に対するアクセスを制限するプログラムを第2記憶手段に記憶することができる。つまり、第3記憶手段を備えたことにより、例えば、記憶容量の小さい第2記憶手段であっても、遊技機は、第2アクセス制限手段を容易に構成することができる。
【0028】
加えて、遊技機は、第1アクセス制限手段によって不正な読み取りや改竄に対して高いセキュリティ性を有する遊技制御手段と、同等のセキュリティ性を有する演出制御手段を容易に構成することができる。
これにより、遊技機は、演出制御基板におけるセキュリティ性を向上して、不正な遊技を抑制することができる。
【0029】
またこの発明の態様として、前記通信接続手段を、第1通信接続手段とし、前記演出制御手段を有する前記演出制御基板を、遊技者に対して前記有利演出を報知するか否かを決定する第1演出制御手段を有する第1演出制御基板とし、報知を決定した前記有利演出の報知を制御する第2演出制御手段を有する第2演出制御基板と、前記第1演出制御手段、及び前記第2演出制御手段を通信可能に接続する第2通信接続手段と、前記第2演出制御手段に接続されるとともに、前記各種演出を示す前記演出情報を前記遊技者に対して報知する演出報知手段とを備え、前記第1演出制御手段に、報知を決定した前記有利演出の報知開始契機を示す演出契機情報を、前記第2通信接続手段を介して前記第2演出制御手段に送信する演出契機送信手段を備え、前記第2演出制御手段に、前記演出契機情報に基づいて、前記演出情報を前記演出報知手段に出力する演出情報出力プログラム、及び前記演出情報を記憶した前記第3記憶手段を備えることができる。
【0030】
この発明により、遊技機は、不正な遊技をより確実に抑制するとともに、第1演出制御手段にかかる負担を軽減することができる。
具体的には、遊技者にとって有利となる有利演出を報知するか否かの決定を第1演出制御手段で制御し、遊技者に対する各種演出の報知を第2演出制御手段で制御することができるため、遊技機は、遊技者に対する各種演出の報知を第1演出制御手段で制御する場合に比べて、第1演出制御手段にかかる負担を軽減することができる。
【0031】
この際、演出決定プログラムの出力要求を受付けない構成の第1演出制御手段、あるいは第2アクセス制限手段による第2記憶手段に対するアクセスの制限によって、遊技機は、第1演出制御手段におけるセキュリティ性を維持したまま、第1演出制御手段にかかる負担を軽減することができる。
従って、遊技機は、第2演出制御手段を有する第2演出制御基板を備えたことにより、不正な遊技をより確実に抑制するとともに、第1演出制御手段にかかる負担を軽減することができる。
【0032】
またこの発明の態様として、前記遊技制御手段、及び前記第2演出制御手段を通信可能に接続する第3通信接続手段を備え、前記遊技制御手段に、前記第1通信接続手段を介して、前記所定の制御情報を前記第1演出制御手段に送信する第1制御情報送信手段と、前記第3通信接続手段を介して、前記所定の制御情報を前記第2演出制御手段に送信する第2制御情報送信手段とを備え、前記第1演出制御手段、また前記第2演出制御手段に、前記第1演出制御手段が取得した前記所定の制御情報と、前記第2演出制御手段が取得した前記所定の制御情報とが適合しない場合、前記有利演出を報知しない制御情報判定手段を備えることができる。
上記有利演出を報知しないとは、有利演出を報知するか否かの決定を行わない、有利演出の報知を決定するが演出報知手段を介して有利演出を報知しないことなどをいう。
【0033】
この発明より、遊技機は、遊技制御手段から送信された所定の制御情報の真偽を確認して、不正な遊技をより確実に抑制することができる。
具体的には、第1演出制御手段は、遊技制御手段から送信された所定の制御情報に基づいて各種演出を決定している。このため、遊技制御手段から送信された所定の制御情報が改竄されると、第1演出制御手段は、有利演出の報知を意図しない契機で決定するおそれがある。
【0034】
そこで、第1演出制御手段が取得した所定の制御情報と、第2演出制御手段が取得した所定の制御情報とが適合するか否かを判定することで、遊技機は、所定の制御情報の真偽を確認することができる。これにより、遊技機は、遊技制御手段から送信された所定の制御情報が改竄されたか否かを判定することができる。
【0035】
そして、第1演出制御手段が取得した所定の制御情報と、第2演出制御手段が取得した所定の制御情報とが適合しない場合、有利演出を報知しないことで、遊技機は、不正な遊技を防止することができる。すなわち、遊技機は、有利演出の報知に対して制御情報判定手段による制限を設けることができる。
【0036】
これにより、演出決定プログラムの出力要求を受付けない構成の第1演出制御手段、あるいは第2アクセス制限手段による第2記憶手段に対するアクセスの制限と、制御情報判定手段による有利演出の報知の制限とによって、遊技機は、不正な遊技に対してより高いセキュリティ性を確保することができる。
従って、遊技機は、制御情報判定手段によって、遊技制御手段から送信された所定の制御情報の真偽を確認して、不正な遊技をより確実に抑制することができる。
【0037】
またこの発明の態様として、前記第2演出制御手段に、前記第3通信接続手段を介して取得した前記所定の制御情報を、前記第1演出制御手段に送信する中継送信手段を備え、前記第1演出制御手段に、前記制御情報判定手段を備えることができる。
【0038】
この発明により、遊技機は、不正な遊技をより確実に抑制することができる。
具体的には、演出決定プログラムの出力要求を受付けない構成の第1演出制御手段、あるいは第2アクセス制限手段による第2記憶手段に対するアクセスの制限により、第1演出制御手段は、第2演出制御手段に比べてセキュリティ性が高い。
【0039】
そこで、第1演出制御手段に制御情報判定手段を備えることで、遊技機は、第1演出制御手段が取得した所定の制御情報と、第2演出制御手段が取得した所定の制御情報との適合を判定するプログラムが改竄されることを防止できる。
従って、遊技機は、第1演出制御手段に制御情報判定手段を備えたことにより、制御情報判定手段の判定基準が改竄されることを防止して、不正な遊技をより確実に抑制することができる。
【0040】
またこの発明の態様として、前記遊技制御手段に、前記所定の制御情報を暗号化して暗号化情報を生成する暗号化手段と、前記暗号化情報、または前記所定の制御情報及び前記暗号化情報を、前記通信接続手段を介して前記演出制御手段に送信する制御情報送信手段とを備え、前記第1記憶手段に、前記所定の制御情報から前記暗号化情報を生成する暗号化プログラムを記憶し、前記演出制御手段に、取得した前記暗号化情報を前記所定の制御情報に復号する復号手段を備え、前記第2記憶手段に、前記暗号化情報を前記所定の制御情報に復号する復号プログラムを記憶することができる。
上記暗号化、及び復号は、RSAなどの暗号化方式とすることができる。
【0041】
この発明により、遊技機は、所定の制御情報の解析を困難にするとともに、不正な遊技を抑制することができる。
具体的には、暗号化手段、及び制御情報送信手段により、遊技機は、遊技制御手段から演出制御手段に送信する所定の制御情報を秘匿した状態にすることができる。このため、遊技機は、所定の制御情報が不正な装置を用いて解析されることを困難にできる。
【0042】
さらに、第1アクセス制限手段により第1記憶手段が保護され、演出決定プログラムの出力要求を受付けない構成の演出制御手段、あるいは第2アクセス制限手段による第2記憶手段に対するアクセスの制限により、遊技機は、暗号化プログラム、及び復号プログラムが不正に解析されることを防止できる。このため、遊技機は、悪意を持った第三者による暗号化情報の解析をより困難にすることができる。
【0043】
これにより、遊技機は、悪意を持った遊技者が不正な装置を用いて所定の制御情報を改竄し、不正に利益を獲得することを抑制できる。
従って、遊技機は、所定の制御情報を暗号化することにより、所定の制御情報の解析を困難にするとともに、不正な遊技をより確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明により、演出制御基板におけるセキュリティ性を向上して、不正な遊技を抑制できる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】スロットマシンにおける正面からの外観を示す正面図。
図2】スロットマシンの前扉を開放した状態における外観を示す外観斜視図。
図3】スロットマシンにおける内部構成を示すブロック図。
図4】各リールのコマ番号と図柄を説明する説明図。
図5】スロットマシンにおける役及び図柄と払出枚数との関係を説明する説明図。
図6】遊技制御装置における第1マイクロコンピュータの内部構成を示すブロック図。
図7】役抽選テーブルを説明するテーブル説明図。
図8】第1演出制御装置における第2マイクロコンピュータの内部構成を示すブロック図。
図9】第2演出制御装置における第3マイクロコンピュータの内部構成を示すブロック図。
図10】役抽選結果と、最初に操作されたストップスイッチと、入賞ライン上の図柄との関係を説明する説明図。
図11】有利演出時の具体的な演出内容を説明する説明図。
図12】遊技制御装置における遊技制御の動作を示すフローチャート。
図13】遊技制御装置における遊技制御の動作を示すフローチャート。
図14】遊技制御装置における外部出力制御の動作を示すフローチャート。
図15】第1演出制御装置における第1演出制御の動作を示すフローチャート。
図16】第1演出制御装置における有利演出決定制御の動作を示すフローチャート。
図17】第2演出制御装置における第2演出制御の動作を示すフローチャート。
図18】実施例2におけるスロットマシンの内部構成を示すブロック図。
図19】実施例2における第1マイクロコンピュータの内部構成を示すブロック図。
図20】実施例2における第2マイクロコンピュータの内部構成を示すブロック図。
図21】実施例2における第3マイクロコンピュータの内部構成を示すブロック図。
図22】実施例3におけるスロットマシンの内部構成を示すブロック図。
図23】実施例3における第2マイクロコンピュータの内部構成を示すブロック図。
図24】実施例4におけるスロットマシンの内部構成を示すブロック図。
図25】実施例4における第2マイクロコンピュータの内部構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0047】
まず、本実施例におけるスロットマシン1について、図1から図11を用いて詳しく説明する。
なお、図1はスロットマシン1における外観の正面図を示し、図2はスロットマシン1の前扉2を開放した状態における外観斜視図を示し、図3はスロットマシン1における内部構成のブロック図を示し、図4は各リールのコマ番号と図柄を説明する説明図を示し、図5はスロットマシン1における役及び図柄と払出枚数との関係を説明する説明図を示している。
【0048】
さらに、図6は遊技制御装置40における第1マイクロコンピュータ48の内部構成のブロック図を示し、図7は役抽選テーブル424を説明するテーブル説明図を示し、図8は第1演出制御装置50における第2マイクロコンピュータ57の内部構成のブロック図を示し、図9は第2演出制御装置60における第3マイクロコンピュータ65の内部構成のブロック図を示している。
【0049】
加えて、図10は役抽選結果と、最初に操作されたストップスイッチ17と、入賞ラインL上の図柄との関係を説明する説明図を示し、図11は有利演出時の具体的な演出内容を説明する説明図を示している。
また、図1中において、矢印Yは左右方向を示し(以下、「左右方向Y」とする)、図2中において、矢印Xは前後方向を示し(以下「前後方向X」とする)。
【0050】
また、前後方向Xにおける前扉2側を前方とし、前後方向Xにおける筐体本体3側を後方とし、左右方向Yにおける図1中の右側を右方向とし、左右方向Yにおける図1中の左側を左方向とする。さらに、図1中の上側を上方とし、図1中の下側を下方とする。
【0051】
スロットマシン1は、図1及び図2に示すように、正面視略矩形の箱状体であって、利用者と対面する前扉2と、前方側が開口した筐体本体3とで構成している。なお、前扉2は、筐体本体3の前方左端を回転中心にして開閉可能に取り付けられている。
【0052】
前扉2における遊技者と対面する表面部分は、図1に示すように、上部ランプ11、液晶モニタ12、及び表示窓13を上方からこの順番で配置している。さらに、表示窓13の下方には、メダル投入口14、最大ベットスイッチ15、及びベットスイッチ16を右側からこの順で並置するとともに、その下方に3つのストップスイッチ17、及びスタートスイッチ18を右側からこの順で並置している。
そして、さらにその下方には、下部ランプ19、スピーカー20、メダル払出口21、及びメダル受け皿22が上方からこの順番で配置している。
【0053】
前扉2における裏面部分には、メダル投入口14に接続されたメダルセレクタ23、及びメダルセレクタ23を介してメダル投入口14とメダル払出口21とを接続するメダルシュート24を配置している。なお、メダルシュート24は、メダルが流通可能に形成している。
一方、筐体本体3は、図2に示すように、スロットマシン1を制御する制御装置34、リールユニット31、ホッパーユニット32、及び電源ユニット33を配置している。
【0054】
具体的には、スロットマシン1は、図1から図3に示すように、メダルセレクタ23、ベットスイッチ16、最大ベットスイッチ15、スタートスイッチ18、リールユニット31、表示窓13、ストップスイッチ17、ホッパーユニット32、液晶モニタ12、液晶制御基板25、上部ランプ11、下部ランプ19、ランプ制御基板26、スピーカー20、音声制御基板27、電源ユニット33、及び制御装置34で構成している。
【0055】
メダルセレクタ23は、遊技者によるメダルの投入を検知する投入センサ23a、及びソレノイド23bなどで構成し、信号線を介して制御装置34(後述する遊技制御基板41)に接続している。
【0056】
なお、ソレノイド23bは、投入されたメダルの搬送先を択一的に切り替える機能を有しており、制御装置34の指示によって、ホッパーユニット32、あるいはメダルシュート24のいずれか一方にメダルを排出する。
【0057】
ベットスイッチ16は、制御装置34が記憶しているメダル、所謂クレジットに貯留されているメダルから1枚のメダルの投入を所望する遊技者の操作を受付ける機能を有している。このベットスイッチ16は、信号線を介して制御装置34(後述する遊技制御基板41)に接続している。
【0058】
最大ベットスイッチ15は、クレジットに貯留されているメダルから1回の遊技で使用する最大枚数のメダルの投入を所望する遊技者の操作を受付ける機能を有している。この最大ベットスイッチ15は、信号線を介して制御装置34(後述する遊技制御基板41)に接続している。
【0059】
スタートスイッチ18は、後述するリールユニット31を構成する各リールの回転開始を所望する遊技者の操作を受付ける機能を有している。このスタートスイッチ18は、信号線を介して制御装置34(後述する遊技制御基板41)に接続している。
【0060】
リールユニット31は、左右方向Yを回転軸として同軸回転可能に並置した略円筒状の左リール31a、中リール31b、及び右リール31cと、各リールに連結された駆動モーター31eと、各リールに1つずつ設けた突起状のリールインデックス(図示省略)を検出する位置センサ31dなどで構成している。
【0061】
このリールユニット31は、信号線を介して制御装置(後述する遊技制御基板41)に接続されている。なお、位置センサ31dは、例えば、フォトインタラプタなどで構成している。さらに、各リールのリールインデックスは、後述するコマ番号「20」に対応する図柄が入賞ラインL上に位置する際、位置センサ31dによって検出されるように配設している。
【0062】
加えて、各リールには、図4に示すように、複数の図柄がプリントされた図柄シールが貼付されている。この図柄シールは、リールの回転方向に長い略短冊状であって、所定の大きさに区切られた21個のコマにそれぞれ図柄を1つずつ配置している。このコマには、「ベル1」、「ベル2」、「ベル3」、「星」、及び「チェリー」の5種類の図柄のいずれか1つが配置されている。なお、21個のコマには、回転方向に沿って「0」から「20」のコマ番号がそれぞれ定義付けされている。
【0063】
表示窓13は、図1に示すように、リールユニット31の各リールが視認可能な左右方向Yの長さを有するとともに、停止した状態における各リールの図柄が3コマ分視認可能な上下方向の長さを有する略矩形であって、無色透明に形成している。
【0064】
この表示窓13から視認可能で、かつ左右方向Yに並ぶ3つの図柄の組を、上から順に上段図柄、中段図柄、下段図柄とし、入賞の可否判定される図柄の位置を示す入賞ラインLが表示窓13における中段図柄の位置にプリントされている。
【0065】
この入賞ラインL上に揃う図柄によって、遊技者が獲得するメダルの枚数が決定する。詳述すると、役の一覧として、図5に示すように、左リール31aの図柄、中リール31bの図柄、及び右リール31cの図柄がそれぞれ異なる14個の役に対して、払出枚数が予め関連付けて設定されている。この役の一覧は、制御装置34(後述する遊技制御基板41の第1ROM420)に記憶されているものとする。
【0066】
例えば、入賞ライン上の左リール31aの図柄が「ベル1」、中リール31bの図柄が「ベル1」、及び右リール31cの図柄が「ベル1」の場合、役名が「中段ベル」であって、メダルの払出枚数が「9枚」となる。あるいは、入賞ライン上の左リール31aの図柄が「ベル2」、中リール31bの図柄が「ベル1」、及び右リール31cの図柄が「ベル2」の場合、役名が「一枚役5」であって、メダルの払出枚数が「1枚」となる。なお、「any」は、どの図柄でもよいものとする。
【0067】
ストップスイッチ17は、左リール31aに対応する左ストップスイッチ17a、中リール31bに対応する中ストップスイッチ17b、及び右リール31cに対応する右ストップスイッチ17cで構成するとともに、信号線を介して制御装置34(後述する遊技制御基板41)に接続している。このストップスイッチ17は、対応するリールの回転停止を所望する遊技者の操作を受付ける機能を有している。
【0068】
ホッパーユニット32は、メダルセレクタ23から搬送されたメダルを貯留するホッパー容器32c、ホッパー容器32cから溢れ出したメダルを貯留する補助タンク(図示省略)、メダルの払出しを行う駆動モーター32b、及び払い出されるメダルを1枚ずつ検知する払出しセンサ32aなどで構成している。
【0069】
そして、ホッパーユニット32は、投入されたメダルを貯留する機能と、信号線を介して接続された制御装置34(後述する遊技制御基板41)の指示によって、メダル払出口21を介してメダル受け皿22にメダルを排出する機能とを有している。
【0070】
液晶モニタ12は、遊技中の各種演出画面や操作の案内画面を表示する機能を有している。この液晶モニタ12は、信号線を介して接続された液晶制御基板25によって制御されている。
液晶制御基板25は、信号線を介して接続された制御装置34(後述する第2演出制御基板61)の指示によって、遊技の進行に応じた各種演出画面や操作の案内画面などを示す画面情報を液晶モニタ12に出力する機能を有している。
【0071】
上部ランプ11、及び下部ランプ19は、LEDなどで構成され、信号線を介して接続されたランプ制御基板26によって制御されている。
ランプ制御基板26は、信号線を介して接続された制御装置34(後述する第2演出制御基板61)の指示によって、上部ランプ11、及び下部ランプ19を点灯、消灯、あるいは点滅させる機能を有している。
【0072】
スピーカー20は、信号線を介して音声制御基板27に接続され、遊技の進行に応じて音声を出力する機能を有している。
音声制御基板27は、信号線を介して接続された制御装置34(後述する第2演出制御基板61)の指示によって、スピーカー20を制御する機能を有している。
【0073】
電源ユニット33は、外部から供給される電力を制御する機能と、制御した電力を上述した各部に供給する機能とを有している。なお、電源ユニット33には、図2に示すように、電力の供給のオン、オフを切り替える電源スイッチ33aを前面に設けている。
【0074】
制御装置34は、図2及び図3に示すように、遊技制御装置40、演出制御装置35、及び遊技制御装置40と演出制御装置35とを電気的に接続する第1ハーネス36、及び第2ハーネス37とで構成している。さらに、演出制御装置35は、第1ハーネス36を介して遊技制御装置40と接続された第1演出制御装置50、第2ハーネス37を介して接続された第2演出制御装置60、及び第1演出制御装置50と第2演出制御装置60とを電気的に接続する第3ハーネス38で構成している。
【0075】
より詳しくは、遊技制御装置40を構成する遊技制御基板41は、図3に示すように、入力インターフェース回路42、乱数発生回路43、出力インターフェース回路44、外部端子45、送信回路46、及びこれらとデータバス47を介して接続されるとともに、これらの動作を制御する第1マイクロコンピュータ48を備えている。
【0076】
入力インターフェース回路42は、遊技制御基板41に接続されたメダルセレクタ23、ベットスイッチ16、最大ベットスイッチ15、スタートスイッチ18、リールユニット31、ストップスイッチ17、及びホッパーユニット32が出力した検知信号を受付ける機能と、取得した検知信号をデータバス47に出力する機能とを有している。
【0077】
乱数発生回路43は、カウンタ回路、及びラッチ回路で構成され、「0」から「255」の範囲内で乱数値を発生させる機能を有している。
出力インターフェース回路44は、データバス47を介して入力された制御信号を、メダルセレクタ23、リールユニット31、及びホッパーユニット32に出力する機能を有している。
【0078】
外部端子45は、例えば、遊技制御基板41を検査する検査装置(図示省略)のような外部装置と遊技制御基板41との接続を許容する外部接続手段となる接続端子である。
送信回路46は、第1マイクロコンピュータ48が生成したコマンドを制御信号に変換する機能と、第1ハーネス36を介して第1演出制御装置50に制御信号を送信する機能と、第2ハーネス37を介して第2演出制御装置60に制御信号を送信する機能とを有している。なお、制御信号は、遊技制御装置40から第1演出制御装置50、及び第2演出制御装置60への一方向のみに送信される。
【0079】
第1マイクロコンピュータ48は、所謂、ワンチップマイコンであって、図6に示すように、I/Oポート410、第1ROM420、第1RAM430、及び第1CPU440で構成している。
I/Oポート410は、データバス47と第1CPU440との間において、各種情報の入力を受付ける機能と、各種情報を出力する機能とを有している。
【0080】
第1ROM420は、読取り専用のメモリであって、遊技の進行を制御する遊技進行プログラム421、遊技の進行に応じた制御信号を暗号化する暗号化プログラム422、第1ROM420へのアクセスを制限するアクセス制限プログラム423、役抽選テーブル424、及びリールユニット31の回転速度を制御する速度制御データ(図示省略)などを記憶している。
【0081】
なお、役抽選テーブル424は、図7に示すように、後述する役抽選手段442が選択する役抽選データを登録した役抽選データ欄424a、役抽選データごとに固有のデータ値を登録したデータ値欄424b、役抽選データに対応する役抽選グループを登録した役抽選グループ欄424c、役抽選グループに含まれる役を登録した役名欄424d、及び役抽選データごとの当選確率を登録した当選確率欄424eで構成され、役抽選データごとにデータ値、役抽選グループ、役名、及び当選確率を関連付けて登録している。
【0082】
第1RAM430は、読取り書込み可能なメモリであって、第1ROM420に記憶した遊技進行プログラム421に基づいて、遊技の進行にかかる各種情報を一時的に記憶する機能と、遊技の進行に応じて各種情報を読み出す機能とを有している。なお、第1RAM430には、後述する役抽選手段442が選出した役抽選結果を選出役抽選結果431として記憶するとともに、遊技者が獲得したメダルを上限枚数分までクレジットとして記憶している。
【0083】
第1CPU440は、遊技進行プログラム421を実行する機能、及び遊技進行プログラム421に基づいて、可変表示開始手段441、役抽選手段442、リール検出手段443、可変表示停止手段444、図柄判定手段445、利益付与手段446、暗号化手段447、第1役抽選結果送信手段448、第2役抽選結果送信手段449、及び第1アクセス制限手段450を実現する機能を有している。
【0084】
可変表示開始手段441は、遊技進行プログラム421を実行する第1CPU440によって実現され、スタートスイッチ18の検知信号の取得を契機に、リールユニット31における各リールの回転開始をそれぞれ独立して制御する。
【0085】
役抽選手段442は、遊技進行プログラム421を実行する第1CPU440によって実現され、スタートスイッチ18の検知信号の取得を契機に、役抽選テーブル424に基づいてハズレを含む1つの役抽選結果を選出する。
【0086】
リール検出手段443は、遊技進行プログラム421を実行する第1CPU440によって実現され、リールユニット31の位置センサ31dから取得した検知信号、及び駆動モーター31eへの供給パルス数に基づいて、各リールにおける回転位置を識別するとともに、入賞ラインL上に位置するコマのコマ番号を識別する。
【0087】
可変表示停止手段444は、遊技進行プログラム421を実行する第1CPU440によって実現され、ストップスイッチ17の検知信号の取得を契機に、リールユニット31における各リールの回転停止をそれぞれ独立して制御する。
【0088】
図柄判定手段445は、遊技進行プログラム421を実行する第1CPU440によって実現され、リールユニット31が回転停止した状態において、入賞ラインL上に位置する各リールの図柄を判定する。
【0089】
利益付与手段446は、遊技進行プログラム421を実行する第1CPU440によって実現され、図柄判定手段445による判定結果に基づいて、遊技者に対してメダルを払い出す、あるいは第1RAM430にクレジットとして記憶する動作を制御する。
【0090】
暗号化手段447は、遊技進行プログラム421上で暗号化プログラム422を実行する第1CPU440によって実現され、生成されたコマンドを所定の暗号化方法によって暗号化した暗号化コマンドを生成する。
【0091】
第1役抽選結果送信手段448は、遊技進行プログラム421を実行する第1CPU440によって実現され、遊技の進行に応じたコマンドを生成するとともに、暗号化手段447によって暗号化された第1暗号化コマンドを、送信回路46及び第1ハーネス36を介して第1演出制御装置50に送信する。
【0092】
第2役抽選結果送信手段449は、遊技進行プログラム421を実行する第1CPU440によって実現され、遊技の進行に応じたコマンドを生成するとともに、暗号化手段447によって暗号化された第2暗号化コマンドを、送信回路46及び第2ハーネス37を介して第2演出制御装置60に送信する。
【0093】
第1アクセス制限手段450は、遊技進行プログラム421上でアクセス制限プログラム423を実行する第1CPU440によって実現され、外部端子45を介した第1ROM420に対するアクセスを制御する。
【0094】
また、第1演出制御装置50を構成する第1演出制御基板51は、図3に示すように、受信回路52、乱数発生回路53、外部端子54、通信回路55、及びこれらとデータバス56を介して接続されるとともに、これらの動作を制御する第2マイクロコンピュータ57を備えている。
【0095】
受信回路52は、遊技制御基板41の送信回路46から受信した制御信号を、コマンドに変換する機能と、変換したコマンドを一時記憶する機能と、第2マイクロコンピュータ57の割込み制御により記憶したコマンドを第2マイクロコンピュータ57に出力する機能とを有している。
【0096】
乱数発生回路53は、カウンタ回路、及びラッチ回路で構成され、「0」から「255」の範囲内で乱数値を発生させる機能を有している。
外部端子54は、例えば、第1演出制御基板51を検査する検査装置(図示省略)のような外部装置と第1演出制御基板51との接続を許容する外部接続手段となる接続端子である。
【0097】
通信回路55は、第2マイクロコンピュータ57が生成したコマンドを制御信号に変換する機能と、第3ハーネス38を介して制御信号を第2演出制御装置60に送信する機能とを有している。
【0098】
さらに、通信回路55は、第2演出制御装置60から受信した制御信号を、コマンドに変換する機能と、変換したコマンドを一時記憶する機能と、第2マイクロコンピュータ57の割込み制御により記憶したコマンドを第2マイクロコンピュータ57に出力する機能とを有している。
【0099】
第2マイクロコンピュータ57は、所謂、ワンチップマイコンであって、図8に示すように、I/Oポート510、第2ROM520、第2RAM530、及び第2CPU540で構成している。
I/Oポート510は、データバス56と第2CPU540との間において、各種制御信号の入力を受付ける機能と、入力された制御信号を出力する機能とを有している。
【0100】
第2ROM520は、読取り専用のメモリであって、遊技者に有利な有利演出を報知するか否かを、役抽選結果に基づいて決定する演出決定プログラム521、暗号化コマンドを復号する復号プログラム522、第2ROM20へのアクセスを制限するアクセス制限プログラム523、及び有利演出抽選テーブル524などを記憶している。
【0101】
なお、有利演出抽選テーブル524は、詳細な図示を省略するが、後述する有利演出設定抽選における演算に用いられるとともに、当選確率が1/2となる1つのデータ値が登録されている。
【0102】
第2RAM530は、読取り書込み可能なメモリであって、第2ROM520に記憶した演出決定プログラム521に基づいて、演出の進行にかかる各種情報を一時的に記憶する機能と、演出の進行に応じて各種情報を読み出す機能とを有している。なお、第2RAM530には、受信バッファ531、有利演出フラグ532、有利遊技累積値533、第1取得役抽選結果534、及び第2取得役抽選結果535を記憶している。
【0103】
受信バッファ531には、データバス56を介して受信回路52、及び通信回路55から取得したコマンドを記憶している。
有利演出フラグ532には、後述する有利演出決定手段543によって遊技者に有利な有利演出を行うか否かを示すフラグ情報を記憶している。なお、有利演出フラグ532は、有利演出を行う場合、オンに設定される。
【0104】
有利遊技累積値533は、有利演出フラグ532がオンの状態において、遊技を行った回数を示す累積値を記憶している。
第1取得役抽選結果534には、遊技制御装置40から取得した役抽選結果を記憶している。
第2取得役抽選結果535には、第2演出制御装置60から取得した役抽選結果を記憶している。なお、第2演出制御装置60からの役抽選結果の取得については後述する。
【0105】
第2CPU540は、演出決定プログラム521を実行する機能、及び演出決定プログラム521に基づいて、復号手段541、適合判定手段542、有利演出決定手段543、演出契機通知手段544、及び第2アクセス制限手段545を実現する機能を有している。
【0106】
復号手段541は、演出決定プログラム521上で復号プログラム522を実行する第2CPU540によって実現され、暗号化された第1暗号化コマンド、及び第2暗号化コマンドを所定の復号方法によって暗号化前のコマンドに復号する。
【0107】
適合判定手段542は、演出決定プログラム521を実行する第2CPU540によって実現され、遊技制御装置40から取得した役抽選結果と、第2演出制御装置60から取得した役抽選結果とが一致するか否かを判定する。
【0108】
有利演出決定手段543は、演出決定プログラム521を実行する第2CPU540によって実現され、取得した役抽選結果に基づいて、有利演出を許可するか否かを決定する。
【0109】
演出契機通知手段544は、演出決定プログラム521を実行する第2CPU540によって実現され、有利演出フラグ532、及び取得した役抽選結果に基づいて、遊技の進行に応じた各種演出を開始する契機を第2演出制御装置60に通知する。
第2アクセス制限手段545は、演出決定プログラム521上でアクセス制限プログラム523を実行する第2CPU540によって実現され、外部端子54を介した第2ROM520に対するアクセスを制御する。
【0110】
また、第2演出制御装置60を構成する第2演出制御基板61は、図3に示すように、通信回路62、出力インターフェース回路63、及びこれらとデータバス64を介して接続されるとともに、これらの動作を制御する第3マイクロコンピュータ65を備えている。
【0111】
通信回路62は、第3マイクロコンピュータ65が生成したコマンドを制御信号に変換する機能と、第3ハーネス38を介して制御信号を第1演出制御装置50に送信する機能とを有している。
【0112】
さらに、通信回路62は、遊技制御装置40から受信した制御信号を、コマンドに変換する機能と、変換したコマンドを一時記憶する機能と、第3マイクロコンピュータ65の割込み制御により記憶したコマンドを第3マイクロコンピュータ65に出力する機能とを有している。
【0113】
加えて、通信回路62は、第1演出制御装置50から受信した制御信号を、コマンドに変換する機能と、変換したコマンドを一時記憶する機能と、第3マイクロコンピュータ65の割込み制御により記憶したコマンドを第3マイクロコンピュータ65に出力する機能とを有している。
【0114】
出力インターフェース回路63は、データバス64を介して入力された制御信号を、液晶制御基板25、ランプ制御基板26、及び音声制御基板27に出力する機能を有している。
【0115】
第3マイクロコンピュータ65は、所謂、ワンチップマイコンであって、図9に示すように、I/Oポート610、第3ROM620、第3RAM630、及び第3CPU640で構成している。
I/Oポート610は、データバス64と第3CPU640との間において、各種制御信号の入力を受付ける機能と、入力された制御信号を出力する機能とを有している。
【0116】
第3ROM620は、読取り専用のメモリであって、遊技の進行に応じた各種演出を示す演出情報621と、遊技の進行に応じて演出情報621を液晶制御基板25、ランプ制御基板26、及び音声制御基板27に出力する演出情報出力プログラム622などを記憶している。
【0117】
第3RAM630は、読取り書込み可能なメモリであって、第3ROM620に記憶した演出情報出力プログラム622に基づいて、各種演出の進行にかかる各種情報を一時的に記憶する機能と、各種演出の進行に応じて読み出す機能とを有している。
なお、第3RAM630は、データバス64を介して通信回路62から取得したコマンドを受信バッファ631として記憶している。
【0118】
第3CPU640は、演出情報出力プログラム622を実行する機能、及び演出情報出力プログラム622に基づいて、通常演出手段641、有利演出手段642、エラー動作実行手段643、及び中継送信手段644を実現する機能を有している。
【0119】
通常演出手段641は、演出情報出力プログラム622を実行する第3CPU640によって実現され、第1演出制御装置50から取得したコマンドに基づいて、有利演出以外の通常の演出である通常演出の動作を制御する。
【0120】
有利演出手段642は、演出情報出力プログラム622を実行する第3CPU640によって実現され、第1演出制御装置50から取得したコマンドに基づいて、遊技者に有利な有利演出の動作を制御する。
【0121】
エラー動作実行手段643は、演出情報出力プログラム622を実行する第3CPU640によって実現され、遊技の進行における異常を検知した場合、所定のエラー動作を実行する。
【0122】
中継送信手段644は、演出情報出力プログラム622を実行する第3CPU640によって実現され、遊技制御装置40から取得した制御信号を第1演出制御装置50に送信する。
【0123】
以上のような構成のスロットマシン1は、規定枚数のメダルを投入した遊技者によるスタートスイッチ18の操作を検知すると、遊技制御装置40において、役抽選テーブル424に基づいてハズレを含む1つの役抽選結果を選出する。そして、スロットマシン1は、選出した役抽選結果を示すコマンドを変換した制御信号を、第1演出制御装置50に送信するとともに、リールユニット31の各リールの回転を開始する。
【0124】
その後、スロットマシン1は、選出した役抽選結果を示す制御信号を取得した第1演出制御装置50において、役抽選結果が特定の役抽選結果の場合、遊技者に有利な有利演出を行うか否かを決定し、有利演出の実行を決定すると、役抽選結果、及び有利演出の開始契機を示す制御信号を第2演出制御装置60に送信する。
【0125】
この有利演出は、ストップスイッチ17の操作順序を報知することで、遊技者が獲得するメダルの獲得枚数を向上させる演出である。
詳述すると、スロットマシン1は、図10に示すように、最初に操作を検知したストップスイッチ17によって、入賞ラインL上に優先的に停止させる図柄が、当選した役抽選結果ごとに予め設定されている。
【0126】
例えば、役抽選結果が役抽選グループ「左ベル」に当選した場合、左ストップスイッチ17aが最初に操作されると、役抽選グループ「左ベル」の役「中段ベル」に優先的に入賞するように、遊技制御装置40がリールユニット31の回転停止を制御する。一方、左ストップスイッチ17a以外が最初に操作されると、役抽選グループ「左ベル」の役「中段ベル」以外の役に優先的に入賞するように、遊技制御装置40がリールユニット31の回転停止を制御する。
【0127】
この際、役抽選グループ「左ベル」における役「中段ベル」が最も払出し枚数が多い役のため、スロットマシン1は、ストップスイッチ17の操作順番を演出で報知することで、遊技者が獲得するメダルの獲得割合を向上させている。このような有利演出を報知する契機となる特定の役抽選結果を、本実施例では報知対象結果と呼ぶ。
【0128】
役抽選結果、及び有利演出の開始契機を示す制御信号を第2演出制御装置60に送信したスロットマシン1は、第2演出制御装置60において、役抽選結果に応じた有利演出に対応する演出情報621を、液晶モニタ12やスピーカー20などに出力して、遊技者に対してストップスイッチ17の操作順序を報知する。
【0129】
例えば、役抽選結果が役抽選グループ「左ベル」に当選した場合、左ストップスイッチ17aを最初に操作するように報知するため、図11に示すように、ストップスイッチ17を示す3つのボタン画像を表示して、かつ左ストップスイッチ17aを示すボタン画像を強調して表示して、「左を押せ!」というメッセージが表示された演出画像を液晶モニタ12に表示する。
【0130】
そして、液晶モニタ12の表示に沿ったストップスイッチ17の操作を検知すると、スロットマシン1は、引き込み可能な範囲で、役抽選グループの役に対応する図柄が入賞ラインL上に停止するように、リールの回転停止を制御する。
【0131】
全てのリールが回転停止すると、スロットマシン1は、入賞ラインL上の図柄の組合せに応じたメダルを遊技者に対して払い出す。このようにして、遊技者は、スロットマシン1における遊技を楽しむ。
【0132】
このように遊技が進行するスロットマシン1において、遊技者がメダルを投入して各リールが回転、停止するとともに、入賞ラインL上に揃った図柄によってメダルの払出しが行われるまでを1回の遊技とし、1回の遊技における遊技制御基板41、第1演出制御基板51、及び第2演出制御基板61の動作について、図12から図17を用いて詳しく説明する。
【0133】
なお、図12は遊技制御装置40における遊技制御のフローチャートを示し、図13は遊技制御装置40における遊技制御のフローチャートを示し、図14は遊技制御装置40における外部出力制御のフローチャートを示し、図15は第1演出制御装置50における第1演出制御のフローチャートを示し、図16は第1演出制御装置50における有利演出決定制御のフローチャートを示し、図17は第2演出制御装置60における第2演出制御のフローチャートを示している。
【0134】
まず、遊技制御装置40の第1マイクロコンピュータ48における動作について、図12から図14を用いて説明する。電源スイッチ33aをオンにすると、第1マイクロコンピュータ48の第1CPU440は、第1ROM420に記憶している遊技進行プログラム421を読み出して実行することで、遊技制御を開始する。
【0135】
遊技制御を開始すると、第1CPU440は、図12に示すように、外部端子45に入力信号があるか否かを判定する(ステップS101)。外部端子45に入力信号があると(ステップS101:Yes)、第1CPU440は、外部出力制御を開始する(ステップS102)。
【0136】
外部出力制御を開始すると、図14に示すように、第1CPU440の第1アクセス制限手段450は、外部端子45を介して検査装置が出力した認証コードを取得したか否かを判定する(ステップS131)。認証コードを取得していなければ(ステップS131:No)、第1アクセス制限手段450は、認証コードを取得するまで待機する。
【0137】
一方、認証コードを取得すると(ステップS131:Yes)、第1アクセス制限手段450は、取得した認証コードの真偽を判定する(ステップS132)。この際、第1アクセス制限手段450は、第1ROM420に記憶しているコード情報と、取得した認証コードとを比較して真偽を判定する。
【0138】
その後、第1アクセス制限手段450は、コード情報と認証コードとが適合して認証OKの状態になったか否かを判定する(ステップS133)。認証OKであれば(ステップS133:Yes)、第1アクセス制限手段450は、第1ROM420に記憶している遊技進行プログラム421や役抽選テーブル424を、外部端子45を介して検査装置に出力する(ステップS134)。出力が完了すると、第1アクセス制限手段450は、外部出力制御、及び遊技制御を終了する。
【0139】
なお、ステップS133において、認証OKでなれば(ステップS133:No)、第1アクセス制限手段450は、第1ROM420に記憶しているデータを、外部端子45を介して検査装置に出力することなく外部出力制御、及び遊技制御を終了する。
【0140】
一方、外部端子45に入力信号がない場合(ステップS101:No)、第1CPU440は、全てのストップスイッチ17の操作の受付を無効化する(ステップS103)。この際、第1CPU440は、遊技者によってストップスイッチ17の操作を検知しても、検知した信号に対する制御動作を何ら行わないことで無効化する。
【0141】
ストップスイッチ17の操作の受付を無効化すると、第1CPU440は、規定枚数のメダルを検知したか否かを判定する(ステップS104)。この際、第1CPU440は、メダルセレクタ23の投入センサ23aによるメダルの検知、あるいは最大ベットスイッチ15もしくはベットスイッチ16の操作を検知して、規定枚数のメダルが投入されたか否かを判定する。
【0142】
規定枚数のメダルを検知していなければ(ステップS104:No)、第1CPU440は、規定枚数のメダルを検知するまで待機する。
一方、規定枚数のメダルを検知すると(ステップS104:Yes)、第1CPU440は、遊技者によるスタートスイッチ18の操作を検知したか否かを判定する(ステップS105)。スタートスイッチ18の操作を検知していなければ(ステップS105:No)、第1CPU440は、スタートスイッチ18の操作を検知するまで待機する。
【0143】
スタートスイッチ18の操作を検知すると(ステップS105:Yes)、第1CPU440は、メダルの受付けを無効化する(ステップS106)。詳しくは、第1CPU440は、投入されたメダルがメダルシュート24へ排出されるようにソレノイド23bを切替えることで、メダルの受付けを無効化する。
【0144】
メダルの受付けを無効化すると、第1CPU440は、ハズレを含む1つの役抽選結果を選出する役抽選を開始する(ステップS107)。
詳述すると、第1CPU440の役抽選手段442は、遊技制御基板41の乱数発生回路43に「0」から「255」の範囲において乱数値を1つ発生させる。そして、役抽選手段442は、第1ROM420に記憶している役抽選テーブル424を読み出すとともに、役抽選テーブル424の役抽選データ欄424aから1つ目の役抽選データを選択する。なお、選択される役抽選データは、予め順番が定められており、その1つ目を選択するものとする。
【0145】
その後、役抽選手段442は、役抽選テーブル424のデータ値欄424bから選択した役抽選データに対応するデータ値を取得する。そして、役抽選手段442は、乱数発生回路43から取得した乱数値から、選択した役抽選データのデータ値を減算する。この際、減算した値が「0」を下回ると、選出した役抽選データに当選したと判定する。
【0146】
一方、減算した値が「0」を下回らなければ、役抽選手段442は、乱数値からデータ値を減算した値を新しい乱数値とするとともに、役抽選テーブル424から2つ目の役抽選データを選択して、選択した役抽選データのデータ値を取得する。その後、役抽選手段442は、新しい乱数値から2つ目の役抽選データのデータ値を減算して、減算した値が「0」を下回るか否かを判定する。
【0147】
このように減算した値が「0」を下回れなければ、役抽選テーブル424から役抽選データを順番に選択して、乱数値から順番が最後の役抽選データにおけるデータ値を減算した値が「0」を下回らなければ、役抽選手段442は、ハズレと判定する。
【0148】
例えば、乱数発生回路43から取得した乱数値が「5」で、かつ1つ目の役抽選データが「第1役抽選データ」の場合、乱数値「5」から第1役抽選データのデータ値「8」を減算した値が「0」を下回るため、役抽選手段442は、第1役抽選データ、すなわち役抽選グループ「左ベル」に当選したと判定する。
【0149】
あるいは、乱数発生回路43から取得した乱数値が「50」で、かつ1つ目の役抽選データが「第1役抽選データ」の場合、乱数値「50」から第1役抽選データのデータ値「8」を減算した値が「42」となり「0」を上回るため、「42」を新しい乱数値に設定して、2つ目の役抽選データ「第2役抽選データ」を選択する。その後、新しい乱数値「42」から第2役抽選データのデータ値「8」を減算すると、減算した値が「34」となるため、「34」を新しい乱数値に設定する。同様に、第3役抽選データ、第4役抽選データの順にデータ値から乱数値を減算すると、最終的に減算した値が「24」となり、「0」を下回らないため、ハズレと判定する。
【0150】
その後、役抽選手段442は、当選した役抽選グループ、あるいはハズレを1つの役抽選結果とするとともに、役抽選結果を示す情報を選出役抽選結果431として第1RAM430に記憶する(ステップS108)。
【0151】
例えば、役抽選グループ「左ベル」に当選していれば「1」、役抽選グループ「中ベル」に当選していれば「2」、役抽選グループ「右ベル」に当選していれば「3」、役抽選グループ「中チェリー」に当選していれば「4」、ハズレであれば「0」を、選出役抽選結果431として記憶する。なお、第1RAM430の選出役抽選結果431は、遊技毎にその内容が更新されるものとする。
【0152】
役抽選結果を記憶すると、第1CPU440の第1役抽選結果送信手段448、及び第2役抽選結果送信手段449は、第1RAM430に記憶している選出役抽選結果431に基づいて、選出した役抽選結果を示す役抽選結果通知コマンドを生成する。
【0153】
その後、暗号化プログラム422を実行することで、暗号化手段447が、生成した役抽選通知結果コマンドを所定の暗号化方法で暗号化する(ステップS109)。詳しくは、暗号化手段447は、生成した役抽選通知結果コマンドを所定の暗号化方法で暗号化した第1暗号化コマンドと、第2暗号化コマンドとを生成する。
【0154】
第1暗号化コマンド、及び第2暗号化コマンドを生成すると、第1役抽選結果送信手段448は、送信回路46及び第1ハーネス36を介して、第1暗号化コマンドを第1演出制御装置50に送信する(ステップS110)。
【0155】
一方、第2役抽選結果送信手段449は、送信回路46及び第2ハーネス37を介して、第2暗号化コマンドを第2演出制御装置60に送信する(ステップS111)。
なお、詳しくは後述するが、第2役抽選結果送信手段449から第2演出制御装置60に送信された第2暗号化コマンドは、第2演出制御装置60から第1演出制御装置50に送信される。
【0156】
第1暗号化コマンド、及び第2暗号化コマンドを送信すると、第1CPU440は、図13に示すように、全てのリールの回転を開始する(ステップS112)。詳しくは、第1CPU440の可変表示開始手段441は、第1ROM420に記憶している速度制御データに基づいて、リールユニット31の駆動モーター31eの回転速度を制御する。この際、第1CPU440のリール検出手段443は、各リールの回転位置や駆動モーター31eの回転速度を監視して、表示窓13から視認可能な図柄の識別を開始する。
【0157】
各リールが所望する回転速度に達すると、第1CPU440は、リールユニット31の位置センサ31dがリールインデックスを検知したか否かを判定する(ステップS113)。リールインデックスを検知していなければ(ステップS113:No)、第1CPU440は、リールインデックスを検知するまで待機する。
【0158】
一方、リールインデックスを検知すると(ステップS113:Yes)、第1CPU440は、全てのストップスイッチ17の操作の受付けを有効にする(ステップS114)。詳しくは、第1CPU440は、遊技者によるストップスイッチ17の操作を示す信号を検知すると、検知した信号に対する制御動作を行うことで、操作の受付けを有効にする。
【0159】
ストップスイッチ17の操作の受付けを有効にすると、第1CPU440は、有効なストップスイッチ17の操作を検知したか否かを判定する(ステップS115)。有効なストップスイッチ17の操作を検知していなければ(ステップS115:No)、第1CPU440は、有効なストップスイッチ17の操作を検知するまで待機する。
【0160】
有効なストップスイッチ17の操作を検知すると(ステップS115:Yes)、第1CPU440は、検知したストップスイッチ17に対応するリールの回転を停止する(ステップS116)。詳しくは、第1CPU440の可変表示停止手段444は、役抽選手段442が選出した役抽選結果と、ストップスイッチ17の操作を検知したタイミングとに基づいて、ストップスイッチ17に対応するリールの回転を停止させる。
【0161】
この際、役抽選結果がハズレでなければ、可変表示停止手段444は、引き込み可能な範囲で、役抽選グループの役に対応する図柄が入賞ラインL上に停止するように、リールユニット31の駆動モーター31eの回転停止を制御する。
【0162】
詳しくは、可変表示停止手段444は、ストップスイッチ17の操作を検知した際に入賞ラインL上を通過した図柄と、当該図柄から4コマ分の図柄の範囲で、リールの回転を停止させるように制御する。このストップスイッチ17の操作を検知してから実際にリールの回転が停止するまでのリールの回転量である5コマ分を、引き込み可能な範囲としている。
【0163】
このため、ストップスイッチ17の操作を検知したタイミングと、役抽選結果とによっては、役抽選結果の役に対応する図柄が引き込み可能な範囲に位置せず、所謂、取りこぼしが発生する。なお、複数の役で構成した役抽選グループに当選した場合、可変表示停止手段444は、予め定めた優先順位にしたがって図柄を入賞ラインL上に停止させる。
【0164】
操作を検知したストップスイッチ17に対応するリールの回転を停止させると、第1CPU440は、当該ストップスイッチ17の操作の受付けを無効化する(ステップS117)。詳しくは、第1CPU440は、遊技者によるストップスイッチ17の操作を示す信号を検知しても、検知した信号に対する制御動作を何ら行わないことで、操作の受付けを無効化する。
【0165】
その後、第1CPU440は、全てのリールの回転が停止したか否かを判定する(ステップS118)。全てのリールの回転が停止していなければ(ステップS118:No)、第1CPU440は、ステップS115に戻る。一方、全てのリールの回転が停止していれば(ステップS118:Yes)、第1CPU440は、小役に入賞したか否かを判定する(ステップS119)。
【0166】
なお、本実施例における小役は、メダルが払い出される役であって、役抽選グループ「左ベル」に含まれる役、役抽選グループ「中ベル」に含まれる役、役抽選グループ「右ベル」に含まれる役、及び役抽選グループ「中段チェリー」に含まれる役をいう。
【0167】
具体的には、第1CPU440の図柄判定手段445は、リール検出手段443によって検出した各リールの停止位置に基づいて、入賞ラインL上に位置する図柄をリールごとに判定する。そして、第1CPU440は、入賞ラインL上に揃った図柄の組合せが、役抽選グループの役に対応する図柄の組合せと一致する場合、小役に入賞したと判定する。
【0168】
小役に入賞すると(ステップS119:Yes)、第1CPU440の利益付与手段446は、ホッパーユニット32の駆動モーター32bを駆動させて、遊技者に対して所定枚数のメダルを払い出させる(ステップS120)。この際、規定枚数分のクレジットが記憶されていなければ、利益付与手段446は、払い出すメダル枚数分をクレジットとして第1RAM430に記憶する。
【0169】
その後、第1CPU440は、メダルの受付けを有効化する(ステップS121)。この際、第1CPU440は、メダル投入口14から投入されたメダルがホッパーユニット32へ流通するように、メダルセレクタ23のソレノイド23bを切替えることで、メダルの受付けを有効化する。
メダルの受付けを有効化すると、第1CPU440は、1回の遊技における遊技制御を終了する。
【0170】
一方、ステップS119において、小役に入賞していなければ(ステップS119:No)、第1CPU440は、ステップS121へ進み、メダルの受付けを有効化したのち、1回の遊技における遊技制御を終了する。
なお、スロットマシン1は、上述したステップS101からステップS121までを、電源スイッチ33aがオフになるまで繰返し行うものとする。
【0171】
次に、第1演出制御装置50の第2マイクロコンピュータ57における動作について、図15及び図16を用いて説明する。なお、第2マイクロコンピュータ57における動作は、ストップスイッチ17の操作が有効になるまでの間に行わるものとする。
【0172】
電源スイッチ33aをオンにすると、第2マイクロコンピュータ57の第2CPU540は、第2ROM520に記憶している演出決定プログラム521を読み出して実行することで、第1演出制御を開始する。
【0173】
第1演出制御を開始すると、第2CPU540は、図15に示すように、外部端子54に入力信号があるか否かを判定する(ステップS201)。外部端子54に入力信号があると(ステップS201:Yes)、第2CPU540は、外部出力制御を開始する(ステップS202)。
【0174】
外部出力制御を開始すると、第2CPU540の第2アクセス制限手段545は、図14に示した遊技制御装置40における外部出力制御と同様の制御をおこなったのち、第1演出制御を終了する。なお、図14のステップS134において、第2アクセス制限手段545が、第2ROM520に記憶されたデータを出力する点が異なる以外は、遊技制御装置40における外部出力制御と同様の制御のため、詳細な説明を省略する。
【0175】
一方、外部端子54に入力信号がない場合(ステップS201:No)、第2CPU540は、受信バッファ531にコマンドが記憶されているか否かを判定する(ステップS203)。受信バッファ531にコマンドが記憶されていなければ(ステップS203:No)、第2CPU540は、ステップS201に戻り、外部端子54への入力信号を検知する、あるいは受信バッファ531にコマンドが記憶されるまで待機する。
【0176】
受信バッファ531にコマンドが記憶されていると(ステップS203:Yes)、第2CPU540は、記憶されているコマンドが第1暗号化コマンド、及び第2暗号化コマンドであるか否かを判定する(ステップS204)。記憶されているコマンドが第1暗号化コマンド、及び第2暗号化コマンドである場合(ステップS204:Yes)、第2CPU540が復号プログラム522を実行することで、復号手段541は、第1暗号化コマンドを所定の復号方法に基づいて、役抽選結果通知コマンドに復号する(ステップS205)。
【0177】
その後、第2CPU540は、復号した役抽選結果通知コマンドが示す役抽選結果、すなわち遊技制御装置40から取得した役抽選結果を、第1取得役抽選結果534として第2RAM530に記憶する(ステップS206)。
【0178】
さらに、復号手段541は、第2暗号化コマンドを所定の復号方法に基づいて、役抽選結果通知コマンドに復号する(ステップS207)。そして、第2CPU540は、復号した役抽選結果通知コマンドが示す役抽選結果、すなわち第2演出制御装置60から取得した役抽選結果を、第2取得役抽選結果535として第2RAM530に記憶する(ステップS208)。
その後、第2CPU540は、メダルの獲得枚数を向上させるストップスイッチ17の操作順序を有利演出として報知するか否かを決定する有利演出決定制御を開始する(ステップS209)。
【0179】
有利演出決定制御を開始すると、第2CPU540の適合判定手段542は、図16に示すように、第2RAM530に記憶した第1取得役抽選結果534が示す役抽選結果と、第2取得役抽選結果535が示す役抽選結果とが一致するか否かを判定する(ステップS221)。
【0180】
第1取得役抽選結果534が示す役抽選結果と、第2取得役抽選結果535が示す役抽選結果とが一致する場合(ステップS221:Yes)、第2CPU540は、第2RAM530に記憶している第1取得役抽選結果534を取得する(ステップS222)。
【0181】
その後、第2CPU540の有利演出決定手段543は、有利演出フラグ532がオンに設定されているか否かを判定する(ステップS223)。
有利演出フラグ532がオンでなければ(ステップS223:No)、有利演出決定手段543は、第1取得役抽選結果534が示す役抽選結果が有利設定契機結果に当選しているか否かを判定する(ステップS224)。この有利設定契機結果は、有利演出フラグ532をオンに設定するか否かを決定する契機となる役抽選結果であって、本実施例では役抽選グループ「中段チェリー」とする。
【0182】
第1取得役抽選結果534が示す役抽選結果が有利設定契機結果の場合(ステップS224:Yes)、すなわち役抽選グループ「中段チェリー」に当選した場合、有利演出決定手段543は、有利演出フラグ532をオンにするか否かを報知抽選で決定する有利演出設定抽選を開始する(ステップS225)。
【0183】
この際、有利演出決定手段543は、第1演出制御基板51の乱数発生回路53に「0」から「255」の範囲において乱数値を1つ発生させる。さらに、有利演出決定手段543は、第2ROM520に記憶している有利演出抽選テーブル524を読み出すとともに、データ値を取得する。
【0184】
そして、有利演出決定手段543は、乱数発生回路53から取得した乱数値から、データ値を減算して有利演出設定抽選を行う。なお、減算した値が「0」を下回ると、有利演出設定抽選に当選したと判定し、減算した値が「0」を下回らなければ、ハズレと判定する。
【0185】
有利演出設定抽選を行うと、有利演出決定手段543は、有利演出設定抽選に当選したか否かを判定する(ステップS226)。有利演出設定抽選に当選すると(ステップS226:Yes)、有利演出決定手段543は、第2RAM530の有利演出フラグ532をオンに設定する(ステップS227)。
【0186】
そして、有利演出決定手段543は、第2RAM530の有利遊技累積値533の値を「0」で更新して初期化する(ステップS228)。その後、有利演出決定手段543は、有利演出決定制御を終了し、図15のステップS209に戻る。
【0187】
なお、ステップS224において、有利設定契機結果に当選していない場合(ステップS224:No)、またはステップS226において、有利演出設定抽選に当選していない場合(ステップS226:No)、有利演出決定手段543は、有利演出決定制御を終了して、図15のステップS209に戻る。
【0188】
また、ステップS223において、有利演出フラグ532がオンの場合(ステップS223:Yes)、第2CPU540の有利演出決定手段543は、第1取得役抽選結果534が示す役抽選結果が報知対象結果であるか否かを判定する(ステップS229)。
【0189】
ここで、報知対象結果は、上述したように、有利演出フラグ532がオンの状態において、遊技者に対して有利演出の報知を行う契機となる役抽選結果であって、本実施例では、役抽選グループ「左ベル」、「中ベル」、及び「右ベル」とする。
【0190】
第1取得役抽選結果534が示す役抽選結果が報知対象結果である場合(ステップS229:Yes)、第2CPU540の演出契機通知手段544は、第2演出制御装置60に対して有利演出の開始契機を示す有利演出開始コマンドを生成する(ステップS230)。この際、演出契機通知手段544は、第1取得役抽選結果534が示す役抽選結果を関連付けて有利演出開始コマンドを生成する。
【0191】
有利演出開始コマンドを生成すると、演出契機通知手段544は、通信回路55及び第3ハーネス38を介して、生成した有利演出開始コマンドを第2演出制御装置60に送信する(ステップS231)。
【0192】
その後、有利演出決定手段543は、第2RAM530の有利遊技累積値533の値に「1」を加算して有利遊技累積値533を更新する(ステップS232)。有利遊技累積値533を更新すると、有利演出決定手段543は、有利遊技累積値533の値が閾値と等しいか否かを判定する(ステップS233)。換言すると、有利演出決定手段543は、有利演出フラグ532がオンの状態における遊技回数が所定回数に到達したか否かを判定する。閾値としては、例えば「20」などの値とする。
【0193】
有利遊技累積値533の値が閾値と等しければ(ステップS233:Yes)、有利演出決定手段543は、有利演出フラグ532をオフに設定したのち(ステップS234)、有利演出決定制御を終了して、図15のステップS209に戻る。
【0194】
一方、ステップS233において、有利遊技累積値533の値が閾値と等しくなければ(ステップS233:No)、有利演出決定手段543は、有利演出決定制御を終了して、図15のステップS209に戻る。
【0195】
またステップS229において、第1取得役抽選結果534が示す役抽選結果が報知対象結果でない場合(ステップS229:No)、演出契機通知手段544は、有利演出を報知しないと判定し、通常の演出である通常演出の開始契機を通知する通常演出開始コマンドを生成する(ステップS235)。
【0196】
この際、演出契機通知手段544は、第1取得役抽選結果534が示す役抽選結果を関連付けて通常演出開始コマンドを生成する。その後、演出契機通知手段544は、ステップS231に進み、生成した通常演出開始コマンドを、第2演出制御装置60に送信する。
【0197】
さらに、有利演出決定手段543は、有利遊技累積値533を更新するとともに、有利遊技累積値533と閾値とを比較して等しければ、有利演出フラグ532をオフに設定したのち、有利演出決定制御を終了し、図15のステップS209に戻る。
【0198】
またステップS221において、第1取得役抽選結果534が示す役抽選結果と、第2取得役抽選結果535が示す役抽選結果とが一致しない場合(ステップS221:No)、適合判定手段542は、遊技者に有利な有利演出を報知するか否かの決定を行わず、エラーを示すエラーコマンドを生成する(ステップS236)。その後、適合判定手段542は、生成したエラーコマンドを、第2演出制御装置60に送信したのち(ステップS237)、有利演出決定制御を終了して、図15のステップS209に戻る。
【0199】
図15のステップS209に戻り、有利演出決定制御を終了すると、第2CPU540は、1回の遊技における第1演出制御を終了する。
なお、図15のステップS204において、記憶されているコマンドが第1暗号化コマンド、及び第2暗号化コマンドでない場合(ステップS204:No)、取得したコマンドに応じた演出を決定する(ステップS210)。例えば、取得したコマンドが電源投入を示すコマンドの場合、上部ランプ11などの点灯を演出として決定する。
【0200】
演出を決定すると、第2CPU540は、決定した演出に応じたコマンドを生成し、通信回路55及び第3ハーネス38を介して第2演出制御装置60に送信して(ステップS211)、1回の遊技における第1演出制御を終了する。
【0201】
なお、スロットマシン1は、上述したステップS201からステップS211までを、電源スイッチ33aがオフになるまで繰返し行うものとする。
【0202】
引き続き、第2演出制御装置60の第3マイクロコンピュータ65における動作について、図17を用いて説明する。
電源スイッチ33aをオンにすると、第3マイクロコンピュータ65の第3CPU640は、第3ROM620に記憶している演出情報出力プログラム622を読み出して実行することで、第2演出制御を開始する。
【0203】
第2演出制御を開始すると、第3CPU640は、図17に示すように、受信バッファ631に記憶しているコマンドが有利演出開始コマンドか否かを判定する(ステップS301)。受信バッファ631に記憶しているコマンドが有利演出開始コマンドの場合(ステップS301:Yes)、第3CPU640の有利演出手段642は、ストップスイッチ17の操作順序を報知する有利演出の内容を決定する(ステップS302)。この際、有利演出開始コマンドに関連付けられた役抽選結果に基づいて、演出内容を決定する。
【0204】
例えば、役抽選結果が役抽選グループ「左ベル」に当選した場合、左ストップスイッチ17aを最初に操作するように報知するため、図11に示すように、ストップスイッチ17を示す3つのボタン画像を表示して、かつ左ストップスイッチ17aを示すボタン画像を強調して表示して、「左を押せ!」というメッセージを液晶モニタ12に表示させるような演出内容を決定する。
【0205】
有利演出の内容を決定すると、有利演出手段642は、遊技者にストップスイッチ17の操作順序を報知する演出を実行する(ステップS303)。この際、有利演出手段642は、決定した演出内容に対応する演出情報621を第3ROM620から読み出して、液晶制御基板25、ランプ制御基板26、及び音声制御基板27にそれぞれ制御信号を送信する。その後、有利演出手段642は、1回の遊技における第2演出制御を終了する。
【0206】
一方、ステップS301において、受信バッファ631に記憶しているコマンドが有利演出開始コマンドでない場合(ステップS301:No)、第3CPU640は、受信バッファ631に記憶しているコマンドが第2暗号化コマンドか否かを判定する(ステップS304)。
【0207】
受信バッファ631に記憶しているコマンドが第2暗号化コマンドであれば(ステップS304:Yes)、第3CPU640の中継送信手段644は、第3ハーネス38を介して第1演出制御装置50に第2暗号化コマンドを送信する(ステップS305)。その後、中継送信手段644は、1回の遊技における第2演出制御を終了する。
【0208】
なお、ステップS304において、受信バッファ631に記憶しているコマンドが第2暗号化コマンドでなければ(ステップS304:No)、第3CPU640は、受信バッファ631に記憶しているコマンドが通常演出開始コマンドか否かを判定する(ステップS306)。
【0209】
受信バッファ631に記憶しているコマンドが通常演出開始コマンドの場合(ステップS306:Yes)、第3CPU640の通常演出手段641は、通常演出開始コマンドに関連付けられた役抽選結果に基づいて、通常演出の内容を決定する(ステップS307)。例えば、役抽選結果がハズレの場合、ハズレを報知する上部ランプ11及び下部ランプ19の点灯パターンを通常演出内容として決定する。
【0210】
演出内容を決定すると、通常演出手段641は、決定した通常演出の内容に対応する演出情報621を第3ROM620から読み出して、液晶制御基板25、ランプ制御基板26、及び音声制御基板27にそれぞれ制御信号を送信して、通常演出を実行する(ステップS308)。その後、通常演出手段641は、1回の遊技における第2演出制御を終了する。
【0211】
一方、ステップS306において、受信バッファ631に記憶しているコマンドが通常演出開始コマンドでない場合(ステップS306:No)、第3CPU640は、取得したコマンドに応じた演出を決定する(ステップS309)。例えば、エラーコマンドを取得した場合、第3CPU640のエラー動作実行手段643は、液晶モニタ12にエラーを示すエラー画面を表示させるとともに、スピーカー20を介した音声案内によってエラーを報知するエラー演出を決定する。
【0212】
その後、第3CPU640は、決定した演出を実行して(ステップS310)、1回の遊技における第2演出制御を終了する。なお、スロットマシン1は、上述したステップS301からステップS310までを、電源スイッチ33aがオフになるまで繰返し行うものとする。
【0213】
以上のような動作を実現するスロットマシン1は、第1演出制御基板51におけるセキュリティ性を向上して、不正な遊技を抑制することができる。
具体的には、動画や音声を示す情報である演出情報621は、遊技者の利益に関わらない情報であるため、万一、演出情報621が不正に読み取られて改竄されたとしても、遊技者が獲得する利益には何ら影響が及ばない。加えて、演出情報621のデータサイズは、演出決定プログラム521のデータサイズに比べて、非常に大きくなり易い。
【0214】
そこで、演出情報621を第3ROM620に記憶することで、演出情報621によって第2ROM520の記憶容量が圧迫されることを抑制できるため、スロットマシン1は、記憶容量の大きな第2ROM520を不要にすることができる。このため、例えば、記憶容量の小さい第2ROM520とすることで、スロットマシン1は、不正に利益を獲得できる不正なプログラムが第2ROM520に記憶されることを防止できる。
【0215】
そして、演出決定プログラム521を第2ROM520に記憶することで、スロットマシン1は、第1マイクロコンピュータ48が決定した利益の範囲の中で遊技者が獲得する利益に関わる演出決定プログラム521の不正な読み出しを、第2アクセス制限手段545によって防止することができる。これにより、スロットマシン1は、演出決定プログラム521を確実に保護することができ、不正な遊技を抑制することができる。
【0216】
この際、演出情報621によって第2ROM520の記憶容量が圧迫されないため、スロットマシン1は、第2ROM520に対するアクセス制限プログラム523を第2ROM520に記憶することができる。つまり、第3ROM620を備えたことにより、例えば記憶容量の小さい第2ROM520であっても、スロットマシン1は、第2アクセス制限手段545を容易に構成することができる。
【0217】
加えて、スロットマシン1は、第1アクセス制限手段450によって不正な読み取りや改竄に対して高いセキュリティ性を有する第1マイクロコンピュータ48と、同等のセキュリティ性を有する第2マイクロコンピュータ57を容易に構成することができる。
これにより、スロットマシン1は、第1演出制御基板51におけるセキュリティ性を向上して、不正な遊技を抑制することができる。
【0218】
また、第2マイクロコンピュータ57を有する第1演出制御基板51と、第3マイクロコンピュータ65を有する第2演出制御基板61と、第3ハーネス38とで演出制御装置35を構成し、演出情報出力プログラム622、及び演出情報621を第3マイクロコンピュータ65の第3ROM620に記憶したことにより、スロットマシン1は、不正な遊技をより確実に抑制するとともに、第2マイクロコンピュータ57にかかる負担を軽減することができる。
【0219】
具体的には、遊技者にとって有利となる有利演出を報知するか否かの決定を第2マイクロコンピュータ57で制御し、遊技者に対する各種演出の報知を第3マイクロコンピュータ65で制御することができるため、スロットマシン1は、遊技者に対する各種演出の報知を第2マイクロコンピュータ57で制御する場合に比べて、第2マイクロコンピュータ57にかかる負担を軽減することができる。
【0220】
この際、第2アクセス制限手段545によって第2ROM520のデータが保護されているため、スロットマシン1は、第2マイクロコンピュータ57におけるセキュリティ性を維持したまま、第2マイクロコンピュータ57にかかる負担を軽減することができる。
従って、スロットマシン1は、第2マイクロコンピュータ57を有する第1演出制御基板51を備えたことにより、不正な遊技をより確実に抑制するとともに、第2マイクロコンピュータ57にかかる負担を軽減することができる。
【0221】
また、第1マイクロコンピュータ48から取得した役抽選結果と、第3マイクロコンピュータ65から取得した役抽選結果とが適合しない場合、有利演出を報知しない適合判定手段542を第2マイクロコンピュータ57に備えたことにより、スロットマシン1は、第1マイクロコンピュータ48から送信された役抽選結果通知コマンドの真偽を確認して、不正な遊技をより確実に抑制することができる。
【0222】
具体的には、第2マイクロコンピュータ57は、第1マイクロコンピュータ48から送信された役抽選結果通知コマンドに基づいて各種演出を決定している。このため、第1マイクロコンピュータ48から送信された役抽選結果通知コマンドが改竄されると、第2マイクロコンピュータ57は、有利演出の報知を意図しない契機で決定するおそれがある。
【0223】
そこで、第1マイクロコンピュータ48から取得した役抽選結果と、第3マイクロコンピュータ65から取得した役抽選結果とが適合するか否かを判定することで、スロットマシン1は、役抽選結果通知コマンドの真偽を確認することができる。これにより、スロットマシン1は、第1マイクロコンピュータ48から送信された役抽選結果通知コマンドが改竄されたか否かを判定することができる。
【0224】
そして、第1マイクロコンピュータ48から取得した役抽選結果と、第3マイクロコンピュータ65から取得した役抽選結果とが適合しない場合、有利演出を報知しないことで、スロットマシン1は、不正な遊技を防止することができる。すなわち、スロットマシン1は、有利演出の報知に対して適合判定手段542による制限を設けることができる。
【0225】
さらに、第3マイクロコンピュータ65に比べてセキュリティ性が高い第2マイクロコンピュータ57に適合判定手段542を備えることで、スロットマシン1は、第1マイクロコンピュータ48から取得した役抽選結果と、第3マイクロコンピュータ65から取得した役抽選結果との適合を判定するプログラムが改竄されることを防止できる。
【0226】
これにより、第2アクセス制限手段545による第2ROM520に対するアクセスの制限と、適合判定手段542による有利演出の報知の制限とによって、スロットマシン1は、不正な遊技に対してより高いセキュリティ性を確保することができる。
従って、スロットマシン1は、適合判定手段542によって、不正な遊技に対してより高いセキュリティ性を確保して、不正な遊技をより確実に抑制することができる。
【0227】
また、役抽選結果通知コマンドを暗号化して第1暗号化コマンド、及び第2暗号化コマンドを生成する暗号化手段447を第1マイクロコンピュータ48に備えるとともに、取得した第1暗号化コマンド、及び第2暗号化コマンドを役抽選結果通知コマンドに復号する復号手段541を第2マイクロコンピュータ57に備え、暗号化プログラム422を第1ROM420に記憶し、復号プログラム522を第2ROM520に記憶したことにより、スロットマシン1は、役抽選結果通知コマンドの解析を困難にするとともに、不正な遊技を抑制することができる。
【0228】
具体的には、暗号化手段447、第1役抽選結果送信手段448、及び第2役抽選結果送信手段449により、スロットマシン1は、第1マイクロコンピュータ48から第2マイクロコンピュータ57に送信する役抽選結果通知コマンドを秘匿した状態にすることができる。このため、スロットマシン1は、役抽選結果通知コマンドが不正な装置を用いて解析されることを困難にできる。
【0229】
さらに、第1アクセス制限手段450により第1ROM420が保護され、第2アクセス制限手段545により第2ROM520が保護されているため、スロットマシン1は、暗号化プログラム422、及び復号プログラム522が不正に解析されることを防止できる。このため、スロットマシン1は、悪意を持った第三者による第1暗号化コマンド、及び第2暗号化コマンドの解析をより困難にすることができる。
【0230】
これにより、スロットマシン1は、悪意を持った遊技者が不正な装置を用いて役抽選結果通知コマンドを改竄し、不正に利益を獲得することを抑制できる。
従って、スロットマシン1は、役抽選結果通知コマンドを暗号化することにより、役抽選結果通知コマンドの解析を困難にするとともに、不正な遊技をより確実に抑制することができる。
【0231】
なお、上述の実施例1において、第1暗号化コマンドが示す役抽選結果と、第2暗号化コマンドが示す役抽選結果とが一致するか否かを適合判定手段542によって判定したが、これに限定せず、遊技制御装置40から取得したコマンドが示す情報と、第2演出制御装置60から取得したコマンドが示す情報とが一致するか否かを適合判定手段542で判定する構成であれば適宜の構成としてもよい。
【0232】
例えば、遊技制御装置40から第1演出制御装置50、及び第2演出制御装置60に累積値を送信し、第1演出制御装置50において、遊技制御装置40から取得した累積値と、第2演出制御装置60から取得した累積値とが一致するか否かを適合判定手段542によって判定してもよい。
【0233】
また、第1暗号化コマンドが示す役抽選結果と、第2暗号化コマンドが示す役抽選結果とが一致するか否かを第1演出制御装置50で判定したが、これに限定せず、第1暗号化コマンドが示す役抽選結果と、第2暗号化コマンドが示す役抽選結果とが一致するか否かを第2演出制御装置60で判定する構成としてもよい。
【0234】
また、遊技制御装置40から第2演出制御装置60に第2暗号化コマンドを送信したが、これに限定せず、第2暗号化コマンドに代えて、役抽選結果を示す役抽選結果通知コマンドを遊技制御装置40から第2演出制御装置60に送信する構成としてもよい。
【0235】
また、第1演出制御基板51において、有利演出あるいは通常演出の報知を決定し、第2演出制御基板61において、決定した演出に応じた演出情報621を出力する構成のスロットマシン1としたが、これに限定せず、第1演出制御基板51において、有利演出を報知するか否かを決定し、第2演出制御基板61において、通常演出を報知するか否かを決定するとともに、決定した演出に応じた演出情報621を出力する構成のスロットマシン1としてもよい。
【0236】
また、図14の外部出力制御のステップS133において、認証OKでなければ外部出力制御を終了するとともに、遊技制御を終了する構成としたが、これに限定せず、認証OKでなければ報知する、第1CPU440及び第2CPU540の動作を停止させるなど適宜の構成としてもよい。
【0237】
図16における有利演出決定制御のステップS221において、役抽選結果が一致しなければ、有利演出を報知するか否かの決定を行わない構成としたが、これに限定せず、有利演出の報知を決定するが、液晶モニタ12を介して有利演出を報知しない構成としてもよい。
【0238】
また、図16のステップS230において、役抽選結果を関連付けた有利演出開始コマンドとしたが、これに限定せず、ストップスイッチ17の操作順序を示す情報を関連付けた有利演出開始コマンドとしてもよい。
【0239】
また、遊技者に有利な有利演出を報知するか否かを、役抽選結果に基づいて決定する演出決定プログラム521としたが、これに限定せず、遊技者に有利な有利演出を報知するか否かを、遊技の回数に基づいて決定する、あるいはリールユニット31の各リールが回転停止した際の図柄に基づいて決定する演出決定プログラムとしてもよい。
【0240】
また、第1マイクロコンピュータ48と第2マイクロコンピュータ57とを第1ハーネス36を介して電気的に接続し、第1マイクロコンピュータ48と第3マイクロコンピュータ65とを第2ハーネス37を介して電気的に接続し、第2マイクロコンピュータ57と第3マイクロコンピュータ65とを第3ハーネス38を介して電気的に接続する構成としたが、これに限定せず、光通信によって接続する構成、あるいは無線によって接続する構成としてもよい。
例えば、第1ハーネス36に代えて光ファイバーケーブルを用いて、第1マイクロコンピュータ48と第2マイクロコンピュータ57とを通信可能に接続した構成としてもよい。
【実施例2】
【0241】
次に、実施例2におけるスロットマシン1について、図18から図21を用いて説明する。
なお、図18は実施例2におけるスロットマシン1の内部構成のブロック図を示し、図19は実施例2における第1マイクロコンピュータ48の内部構成のブロック図を示し、図20は実施例2における第2マイクロコンピュータ57の内部構成のブロック図を示し、図21は実施例2における第3マイクロコンピュータ65の内部構成のブロック図を示している。
また、上述の実施例と同一の構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0242】
実施例2におけるスロットマシン1は、図18に示すように、上述の実施例1に対して、遊技制御装置40と第2演出制御装置60とを電気的に接続する第2ハーネス37を備えていない点が異なる。
【0243】
さらに、遊技制御装置40における第1マイクロコンピュータ48は、図19に示すように、上述の実施例1における第1マイクロコンピュータ48に対して、第1CPU440の第2役抽選結果送信手段449を備えていない点が異なる。
【0244】
また、第1演出制御装置50における第2マイクロコンピュータ57は、図20に示すように、上述の実施例1における第2マイクロコンピュータ57に対して、第2CPU540の適合判定手段542を備えていない点が異なるとともに、第2RAM530に第2取得役抽選結果535を記憶していない点が異なる。
【0245】
また、第2演出制御装置60における第3マイクロコンピュータ65は、図21に示すように、上述の実施例1における第3マイクロコンピュータ65に対して、第3CPU640の中継送信手段644を備えていない点が異なる。
【0246】
このような構成のスロットマシン1は、実施例1の遊技制御において、第2暗号化コマンドを第2演出制御装置60に送信する制御(図12のステップS111)を不要にしている。このため、実施例1の第1演出制御における図15のステップS204において、第2CPU540は、受信バッファ531に記憶されているコマンドが第1暗号化コマンド、及び第2暗号化コマンドであるか否かを判定するのではなく、第1暗号化コマンドであるか否かを判定する。
【0247】
そして、受信バッファ531に記憶されたコマンドが第1暗号化コマンドである場合(ステップS204:Yes)、第2CPU540は、ステップS205、及びステップS206を経たのち、ステップS207、及びステップS208をスキップしてステップS209の有利演出決定制御を開始する。
【0248】
有利演出決定制御を開始すると、第2CPU540は、図16のステップS221をスキップして、ステップS222へ進んだのち、有利演出フラグ532がオンであるか否かを判定する。
つまり、実施例2におけるスロットマシン1は、第1演出制御装置50において、遊技制御装置40から取得した役抽選結果と、第2演出制御装置60から取得した役抽選結果とが一致するか否かの判定を不要にしている。
【0249】
以上のような動作を実現するスロットマシン1は、上述の実施例1と同様に、第2アクセス制限手段545によって、第1演出制御基板51におけるセキュリティ性を向上して、不正な遊技を抑制することができる。
【0250】
さらに、第2マイクロコンピュータ57を有する第1演出制御基板51と、第3マイクロコンピュータ65を有する第2演出制御基板61と、第3ハーネス38とで演出制御装置35を構成し、演出情報出力プログラム622、及び演出情報621を第3マイクロコンピュータ65の第3ROM620に記憶したことにより、スロットマシン1は、不正な遊技をより確実に抑制するとともに、第2マイクロコンピュータ57にかかる負担を軽減することができる。
従って、第2マイクロコンピュータ57におけるセキュリティ性を確保するとともに、第2マイクロコンピュータ57にかかる負担を軽減したスロットマシン1を構成することができる。
【実施例3】
【0251】
次に、実施例3におけるスロットマシン1について、図22及び図23を用いて説明する。
なお、図22は実施例3におけるスロットマシン1の内部構成のブロック図を示し、図23は実施例3における第2マイクロコンピュータ78の内部構成のブロック図を示している。
また、上述の実施例と同一の構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0252】
実施例3におけるスロットマシン1は、図22に示すように、遊技制御装置40、及び演出制御装置70で構成している。
なお、遊技制御装置40における第1マイクロコンピュータ48は、上述の実施例2と同様の構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0253】
詳しくは、実施例3における演出制御装置70を構成する演出制御基板71は、受信回路72、乱数発生回路73、出力インターフェース回路74、外部端子75、外部ROM76、及びこれらとデータバス77を介して接続されるとともに、これらの動作を制御する第2マイクロコンピュータ78を備えている。
なお、受信回路72、乱数発生回路73、外部端子75、及びデータバス77は、上述の実施例1における第1演出制御基板51の受信回路52、乱数発生回路53、外部端子54、及びデータバス56と同様の構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0254】
出力インターフェース回路74は、上述の実施例1における第2演出制御基板61の出力インターフェース回路63と同様の構成のため、その詳細な説明を省略する。
外部ROM76は、読取り専用のメモリであって、上述の実施例1における第3マイクロコンピュータ65の第3ROM620に記憶した演出情報621と同様の演出情報76aなどを記憶している。
【0255】
実施例3における第2マイクロコンピュータ78は、所謂、ワンチップマイコンであって、図23に示すように、I/Oポート710、第2ROM720、第2RAM730、及び第2CPU740で構成している。なお、I/Oポート710は、上述の実施例1における第2マイクロコンピュータ57のI/Oポート510と同様の構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0256】
実施例3における第2ROM720には、復号プログラム721、演出プログラム722、アクセス制限プログラム723、及び有利演出抽選テーブル724を記憶している。
なお、復号プログラム721、アクセス制限プログラム723、及び有利演出抽選テーブル724は、上述の実施例1における第2マイクロコンピュータ57の復号プログラム522、アクセス制限プログラム523、及び有利演出抽選テーブル524と同様の構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0257】
演出プログラム722は、演出決定プログラム725、及び演出情報出力プログラム726で構成している。なお、演出決定プログラム725は、上述の実施例1における第2マイクロコンピュータ57の演出決定プログラム521と同様の構成であり、演出情報出力プログラム726は、上述の実施例1における第3マイクロコンピュータ65の演出情報出力プログラム622と同様の構成のため、その詳細な説明を省略する。
【0258】
第2RAM730は、受信バッファ731、有利演出フラグ732、有利遊技累積値733、及び取得役抽選結果734を記憶している。
なお、受信バッファ731、有利演出フラグ732、及び有利遊技累積値733は、上述の実施例1における第2マイクロコンピュータ57の受信バッファ531、有利演出フラグ532、及び有利遊技累積値533と同様のため、その詳細な説明を省略する。
取得役抽選結果734は、遊技制御装置40から取得した役抽選結果を記憶している。
【0259】
第2CPU740は、演出プログラム722を実行する機能、及び演出プログラム722に基づいて、復号手段741、有利演出決定手段742、第2アクセス制限手段743、通常演出手段744、有利演出手段745、及びエラー動作実行手段746を実現する機能を有している。
復号手段741、有利演出決定手段742、及び第2アクセス制限手段743は、上述した実施例1における第2マイクロコンピュータ57の復号手段541、有利演出決定手段543、第2アクセス制限手段545と同様の機能のため、その詳細な説明を省略する。
【0260】
通常演出手段744、有利演出手段745、及びエラー動作実行手段746は、上述した実施例1における第3マイクロコンピュータ65の通常演出手段641、有利演出手段642、及びエラー動作実行手段643と同様の機能のため、詳細な説明を省略する。
【0261】
このような構成により、上述の実施例1における第1演出制御装置50が制御した遊技者に有利な有利演出を報知するか否かの判定、及び第2演出制御装置60が制御した有利演出の実行を、実施例3のスロットマシン1は、演出制御装置70で実行する。
【0262】
以上のような構成のスロットマシン1は、演出制御基板71におけるセキュリティ性を向上して、不正な遊技をより確実に抑制することができる。
具体的には、演出情報76aを外部ROM76に記憶することで、演出情報76aによって第2ROM720の記憶容量が圧迫されることを抑制できるため、スロットマシン1は、第2アクセス制限手段743を容易に構成することができる。
【0263】
そして、演出プログラム722を第2ROM720に記憶することで、スロットマシン1は、遊技制御基板41が決定した利益の範囲の中で遊技者が獲得する利益に関わる演出プログラム722の不正な読み出しを、第2アクセス制限手段743によって防止することができる。これにより、スロットマシン1は、演出プログラム722を確実に保護することができ、不正な遊技を抑制することができる。
【0264】
加えて、スロットマシン1は、第1アクセス制限手段450によって不正な読み取りや改竄に対して高いセキュリティ性を有する第1マイクロコンピュータ48と、同等のセキュリティ性を有する第2マイクロコンピュータ78を容易に構成することができる。
これにより、スロットマシン1は、演出制御基板71におけるセキュリティ性を向上して、不正な遊技を抑制することができる。
【0265】
また、暗号化手段447、第1役抽選結果送信手段448、及び復号手段741により、スロットマシン1は、第1マイクロコンピュータ48から第2マイクロコンピュータ78に送信する役抽選結果通知コマンドを秘匿した状態にすることができる。このため、スロットマシン1は、役抽選結果通知コマンドが不正な装置を用いて解析されることを困難にできる。
これにより、スロットマシン1は、悪意を持った遊技者が不正な装置を用いて役抽選結果通知コマンドを改竄し、不正に利益を獲得することを抑制できる。
【実施例4】
【0266】
次に、実施例4におけるスロットマシン1について、図24及び図25を用いて説明する。
なお、図24は実施例4におけるスロットマシン1の内部構成のブロック図を示し、図25は実施例4における第2マイクロコンピュータ57の内部構成のブロック図を示している。
【0267】
実施例4におけるスロットマシン1は、図24及び図25に示すように、外部からの出力要求を受付けることができないように第2マイクロコンピュータ57を構成している。
より詳しくは、スロットマシン1は、図24に示すように、上述の実施例1に対して、第1演出制御基板51に外部端子54を備えないことで、検査装置などからの出力要求を受付けられないようにしている。
【0268】
さらに、スロットマシン1は、詳細な図示を省略するが、演出決定プログラム521や復号プログラム522を第2マイクロコンピュータ57の外部に出力する出力要求を示す入力信号に対して、入力信号を受付ける手段を備えていない第2マイクロコンピュータ57としている。すなわち、第2マイクロコンピュータ57は、演出決定プログラム521及び復号プログラム522を外部へ出力する出力要求を受付けない構成としている。
【0269】
このため、第2マイクロコンピュータ57は、図25に示すように、上述の実施例1に対して、第2ROM520のアクセス制限プログラム523、及び第2アクセス制限手段545を不要にしている。
【0270】
このような構成により、スロットマシン1は、遊技制御基板41が決定した利益の範囲の中で遊技者が獲得する利益に関わる演出決定プログラム521や復号プログラム522が、不正に読み出されることを防止できる。このため、スロットマシンは、演出決定プログラム521及び復号プログラム522を確実に保護することができる。
【0271】
従って、スロットマシン1は、演出決定プログラム521及び復号プログラム522を外部に出力する出力要求を受付けない構成とした第2マイクロコンピュータ57によって、第1演出制御基板51におけるセキュリティ性を向上して、不正な遊技を抑制することができる。
【0272】
なお、上述の実施例1から実施例4において、リールの図柄を「ベル1」、「ベル2」、「ベル3」、「星」、及び「チェリー」としたが、これに限定せず、「リプレイ」や「7」などの適宜の図柄としてもよい。
また、役抽選手段442によって、役抽選グループ「左ベル」、「中ベル」、「右ベル」、「中段チェリー」、及び「ハズレ」のいずれかが選出される構成としたが、これに限定せず、適宜の構成としてもよい。例えば、遊技者が所有するメダルあるいはクレジットを消費することなく遊技を開始する再遊技役、次回以降の遊技において予め定めた役抽選グループの当選確率を変更する状態移行役、上述した各役抽選グループ、及び「ハズレ」のいずれかが役抽選手段442によって選出される構成としてもよい。
【0273】
また、メダルが払い出される役を小役としたが、これに限定せず、再遊技役、あるいは状態移行役などを小役としてもよい。
また、中段図柄の位置を入賞ラインLとしたが、これに限定せず、上段図柄の位置、及び下段図柄の位置を入賞ラインとしてもよい。さらに、表示窓13の対角線を入賞ラインとしてもよい。
【0274】
また、実施例における説明を容易にするために、入賞ラインLがプリントされた表示窓13としたが、これに限定せず、入賞ラインLがプリントされていない表示窓13であってもよい。この際、第1マイクロコンピュータ48は、予め設定した仮想上の入賞ラインに位置する図柄に応じて入賞の可否を判定する。
【0275】
また、有利演出として、ストップスイッチ17の操作順序を液晶モニタ12に表示して報知したが、これに限定せず、スピーカー20を介した音声による報知、あるいはストップスイッチ17の内部に照明ランプを設けて、照明ランプの点灯や点滅による報知としてもよい。
また、遊技制御基板41に外部端子45を設けたが、これに限定せず、外部端子45を備えていない遊技制御基板41であってもよい。
【0276】
また、役抽選データ欄424a、データ値欄424b、役抽選グループ欄424c、役名欄424d、及び当選確率欄424eで構成された役抽選テーブル424としたが、これに限定せず、役抽選手段442によって1つの役抽選結果を選出できる構成あれば、適宜の構成としてもよい。例えば、役抽選データ欄424a、データ値欄424b、及び役抽選グループ欄424cで構成した役抽選テーブル424であってもよい。
【0277】
また、制御手段として、第1マイクロコンピュータ48、第2マイクロコンピュータ57、及び第3マイクロコンピュータ65を用いて説明したが、これに限定せず、CPUとRAMやROMなどの記憶手段をそれぞれ制御基板上に備え、CPUと記憶手段との協働によって動作を制御する構成を制御手段としてもよい。
この際、例えば、制御基板に復号回路を設けるとともに、暗号化した状態の各種データやプログラムをROMに記憶し、復号回路で復号した各種データやプログラムをCPUで実行するようにしてもよい。
【0278】
また、第1CPU440の第1アクセス制限手段450によって、第1ROM420に対するアクセスを制限し、第2CPU540の第2アクセス制御手段545によって、第2ROM520に対するアクセスを制限したが、これに限定せず、第1ROM420、及び第2ROM520に対するアクセスを制限できる構成であれば、適宜の構成としてもよい。例えば、第1ROM420に第1アクセス制限手段を設け、第2ROM520に第2アクセス制限手段を設けてもよい。
【0279】
また、遊技制御装置40から送信される役抽選結果通知コマンドを暗号化手段447によって暗号化して第1演出制御装置50に送信したが、これに限定せず、暗号化手段447を備えない遊技制御装置40とし、暗号化することなく役抽選通知コマンドを送信してもよい。
【0280】
また、第2アクセス制御手段545を、外部端子54に接続された検査装置からの第2ROM520に対するアクセスを制限する構成としたが、これに限定せず、第2RAM530及び第2ROM520に対するアクセスを制限する構成としてもよい。
また、外部端子54を介した第2ROM520に対するアクセスを制限する第2アクセス制限手段545としたが、これに限定せず、遊技の進行に応じた各種データの読み出し以外のデータの読み出しを禁止する構成としてもよい。
【0281】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の所定の制御情報は、実施形態の第1暗号化コマンド、第2暗号化コマンド、及び役抽選結果通知コマンドに対応し、
以下同様に、
遊技制御手段は、第1マイクロコンピュータ48に対応し、
演出制御手段、及び第1演出制御手段は、第2マイクロコンピュータ57に対応し、
演出制御手段は、第2マイクロコンピュータ78に対応し、
通信接続手段、及び第1通信接続手段は、送信回路46、第1ハーネス36、及び受信回路52、並びに送信回路46、第1ハーネス36、及び受信回路72に対応し、
遊技機は、スロットマシン1に対応し、
第1記憶手段は、第1ROM420に対応し、
第2記憶手段は、第2ROM520,720に対応し、
第3記憶手段は、第3ROM620、及び外部ROM76に対応し、
第2演出制御手段は、第3マイクロコンピュータ65に対応し、
第2通信接続手段は、通信回路55、第3ハーネス38、及び通信回路62に対応し、
演出報知手段は、液晶モニタ12、上部ランプ11、下部ランプ19、スピーカー20、液晶制御基板25、ランプ制御基板26、及び音声制御基板27に対応し、
演出契機情報は、有利演出開始コマンドに対応し、
演出契機送信手段は、演出契機通知手段544に対応し、
第3通信接続手段は、送信回路46、第2ハーネス37、及び通信回路62に対応し、
第1制御情報送信手段、及び制御情報送信手段は、第1役抽選結果送信手段448に対応し、
第2制御情報送信手段、及び制御情報送信手段は、第2役抽選結果送信手段449に対応し、
制御情報判定手段は、適合判定手段542に対応し、
暗号化情報は、第1暗号化コマンド、及び第2暗号化コマンドに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0282】
本発明は、スロットマシンに限定せず、遊技制御基板と、演出制御基板とを備えた遊技機に適用することができる。
【符号の説明】
【0283】
1…スロットマシン
11…上部ランプ
12…液晶モニタ
19…下部ランプ
20…スピーカー
25…液晶制御基板
26…ランプ制御基板
27…音声制御基板
36…第1ハーネス
37…第2ハーネス
38…第3ハーネス
41…遊技制御基板
46…送信回路
48…第1マイクロコンピュータ
51…第1演出制御基板
52…受信回路
55…通信回路
57…第2マイクロコンピュータ
59…外部ROM
61…第2演出制御基板
62…通信回路
65…第3マイクロコンピュータ
71…演出制御基板
72…受信回路
76…外部ROM
76a…演出情報
78…第2マイクロコンピュータ
420…第1ROM
421…遊技進行プログラム
422…暗号化プログラム
447…暗号化手段
448…第1役抽選結果送信手段
449…第2役抽選結果送信手段
450…第1アクセス制限手段
520…第2ROM
521…演出決定プログラム
522…復号プログラム
541…復号手段
542…適合判定手段
544…演出契機通知手段
545…第2アクセス制限手段
620…第3ROM
621…演出情報
622…演出情報出力プログラム
644…中継送信手段
720…第2ROM
721…復号プログラム
725…演出決定プログラム
726…演出情報出力プログラム
741…復号手段
743…第2アクセス制限手段
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