(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
SMC材料の特性の利点を完全に利用して設計された粉末金属固定子を有して製造された電気モーターは、近年複数の著者によって記述されている。非特許文献3から6を参照のこと。これらの全ては参照によって本明細書に組み込まれ、顕著な性能の利点を報告している。これらのモーターのプロトタイプが等方性材料の潜在性を示す努力をする一方で、高性能SMC材料の製造の複雑さ及びコストはSMC技術のより幅広い展開のための主要な制限因子であり続けている。
【0012】
例えば、MgO絶縁被覆を有する鉄の粉末に基づく高密度SMC材料を製造できるように、以下の段階は1)鉄の粉末が、典型的には水噴霧プロセスを用いて製造される。2)酸化層が鉄粒子の表面上に形成される。3)Mg粉末が追加される。4)混合物が真空中で650℃まで加熱される。5)シリコン樹脂及びガラスバインダーを有するMgが蒸発した粉末の結果物が600から1200MPaで圧縮されて構成要素を形成する。振動が圧縮プロセスの一部として適用されてもよい。6)構成要素は600℃でアニーリングされて応力を除去する。非特許文献2を参照のこと。これは参照によって本明細書に組み込まれている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
絶縁境界を有するドメインを有する材料を製造するためのシステムが提供される。このシステムは溶融合金液滴を形成し溶融合金液滴を表面に指向するように構成された液滴スプレーサブシステム及び1つ以上の反応性ガスを飛翔する液滴に近接した領域に導入するように構成されたガスサブシステムを含む。1つ以上の反応性ガスは飛翔中の液滴上に絶縁層を形成し、液滴は絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する。
【0014】
液滴スプレーサブシステムは、溶融金属合金を形成し溶融金属合金液滴を表面に向けて指向するように構成されたるつぼを含むものであってよい。液滴スプレーサブシステムは、溶融金属合金液滴を形成し、溶融合金液滴を表面に向けて指向するように構成されたワイヤーアーク液滴堆積サブシステムを含むものであってもよい。液滴サブシステムは、それぞれ金属合金液滴を形成し、合金液滴を表面に向けて指向するように構成されたプラズマスプレー液滴堆積サブシステム、デトネーションスプレー液滴堆積サブシステム、火炎スプレー液滴堆積サブシステム、高速酸素燃料スプレー(HVOF)液滴堆積サブシステム、高温スプレー液滴堆積サブシステム、冷間スプレー液滴堆積サブシステム、及びワイヤーアーク液滴堆積サブシステムの1つ以上を含む。ガスサブシステムは、1つ以上の反応性ガスを飛翔中の液滴に近接させて導入するように構成された1つ以上のポートを有するスプレーチャンバーを含むものであってもよい。ガスサブシステムは、1つ以上の反応性ガスを飛翔中の液滴に導入するように構成されたノズルを含むものであってもよい。表面は可動であってもよい。システムは液滴を受けるように構成された表面上にモールドを含み、絶縁境界を有するドメインを有する材料をモールドの形に形成してもよい。液滴スプレーサブシステムは、均一な直径を有する液滴を生成するように構成された均一液滴スプレーサブシステムを含むものであってもよい。このシステムは、材料の特性をさらに改善するために、飛翔中の液滴に近接する作用物質を導入するように構成されたスプレーサブシステムを含むものであってもよい。1つ以上のガスが反応性気体を含むものであってもよい。システムは表面の位置を1つ以上の所定の方向に移動させるように構成されたステージを含むものであってもよい。
【0015】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するシステムが提供される。このシステムはスプレーチャンバー、スプレーチャンバーに結合されて溶融合金液滴を生成しスプレーチャンバーの所定の位置に溶融合金液滴を指向するように構成された液滴スプレーサブシステム及び、1つ以上の反応性ガスをスプレーチャンバー内に導入するように構成されたガスサブシステムを含む。1つ以上の反応性ガスは、飛翔中の液滴上に絶縁層を生成し、液滴は絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する。
【0016】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するシステムが提供される。このシステムは、溶融合金液滴を生成し溶融合金液滴を表面に指向するように構成された液滴スプレーサブシステム及び作用物質を飛翔中の液滴に近接して導入するように構成されたスプレーサブシステムを含む。作用物質は飛翔中の液滴上に絶縁膜を生成し、この液滴は絶縁境界を有するドメインを有する材料を表面上に形成する。
【0017】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するシステムが提供される。システムはスプレーチャンバー、スプレーチャンバーに結合され、溶融合金液滴を生成し、溶融合金液滴をスプレーチャンバー内の所定の位置に指向するように構成された液滴スプレーサブシステム及びスプレーチャンバーに結合されて作用物質を導入するように構成されたスプレーサブシステムを含む。作用物質は飛翔中のこの液滴上に絶縁層を生成し、この液滴は絶縁境界を有するドメインを有する材料を表面上に形成する。
【0018】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する方法が提供される。この方法は、溶融合金液滴を生成する段階、溶融合金液滴を表面に指向する段階、及び飛翔中の液滴に近接して1つ以上の反応性ガスを導入し、1つ以上の反応性ガスが飛翔中の液滴上に絶縁層を生成して液滴が絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する段階を含む。
【0019】
この方法は、1つ以上の所定の方向に表面を移動させる段階を含んでもよい。溶融合金液滴を導入する段階は、均一な直径を有する溶融合金液滴を導入する段階を含んでもよい。この方法は、飛翔中の液滴に近接して作用物質を導入し、材料の特性を改善する段階を含んでもよい。
【0020】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する方法が提供される。この方法は、溶融合金液滴を生成する段階、溶融合金液滴を表面に指向する段階、及び飛翔中の液滴上に近接して作用物質を導入し、飛翔中の液滴上に絶縁層を生成し、液滴が絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する段階を含む。
【0021】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する方法が提供される。この方法は、溶融合金液滴を生成する段階、溶融合金液滴をスプレーチャンバー内に導入する段階、溶融合金液滴をスプレーチャンバー内の所定の位置に指向する段階、及び1つ以上の反応性ガスをチャンバー内に導入して、1つ以上の反応性ガスが飛翔中の液滴上に絶縁層を生成し、液滴が絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する段階を含む。
【0022】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料が提供される。この材料は、その上の絶縁層及びドメイン間の絶縁境界を有する溶融合金液滴から形成された複数のドメインを含む。
【0023】
開示された実施形態の1つの態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するシステムが提供される。このシステムは、溶融合金液滴を生成し、溶融合金液滴を表面に指向するように構成された液滴スプレーサブシステム及び作用物質のスプレーを表面上の堆積された液滴に指向するように構成されたスプレーサブシステムを含む。作用物質は堆積された液滴上に絶縁層を生成し、液滴は絶縁境界を有するドメインを有する材料を表面上に形成する。
【0024】
作用物質は、堆積された液滴上に直接絶縁層を形成して絶縁境界を有するドメインを有する材料を表面上に形成するものであってもよい。作用物質のスプレーは、絶縁層を堆積された液滴上に形成して絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する化学反応を容易にし、及び/または化学反応に加わり、及び/または化学反応を加速させるものであってもよい。液滴スプレーサブシステムは、溶融金属合金を生成し、溶融合金液滴を表面へ向けて指向するように構成されたるつぼを含んでもよい。液滴スプレーサブシステムは、溶融金属合金液滴を生成し溶融合金液滴を表面に向けて指向するように構成されたワイヤーアーク液滴堆積サブシステムを含むものであってもよい。液滴サブシステムは、それぞれ金属合金液滴を形成し合金液滴を表面に向けて指向するように構成された、プラズマスプレー液滴堆積サブシステム、デトネーションスプレー液滴堆積サブシステム、火炎スプレー液滴堆積サブシステム、高速酸素燃料スプレー(HVOF)液滴堆積サブシステム、高温スプレー液滴堆積サブシステム、冷間スプレー液滴堆積サブシステム、及びワイヤーアーク液滴堆積サブシステムの1つ以上を含んでもよい。スプレーサブシステムは、作用物質を堆積された液滴に指向するように構成された1つ以上のノズルを含んでもよい。スプレーサブシステムは、1つ以上のノズルに結合された1つ以上のポートを有するスプレーチャンバーを含んでもよい。液滴スプレーサブシステムは、均一な直径を有する液滴を生成するように構成された均一な液滴スプレーサブシステムを含んでもよい。表面は可動であってもよい。このシステムは、堆積した液滴を受容し、絶縁境界を有するドメインを有する材料をモールドの形に形成するモールドを表面上に含んでもよい。このシステムは、表面を1つ以上の所定の方向に移動させるように構成されたステージを含んでもよい。このシステムは、モールドを1つ以上の所定の方向に移動させるように構成されたステージを含んでもよい。
【0025】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するシステムが提供される。このシステムは、溶融合金液滴を生成しスプレーチャンバーに排出し、溶融合金液滴をスプレーチャンバー内の所定の位置に指向するように構成された液滴スプレーサブシステムを含む。スプレーチャンバーは、堆積された液滴と共に絶縁層を形成して絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する化学反応を容易にし、及び/または化学反応に加わり、及び/または化学反応を加速させる所定の混合ガスを維持するように構成される。
【0026】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するシステムが提供される。このシステムは、少なくとも1つのノズルを含む液滴スプレーサブシステムを含む。液滴スプレーサブシステムは、溶融合金液滴を生成し、1つ以上のスプレーサブチャンバー内に排出し、溶融合金液滴を1つ以上のスプレーサブチャンバー内の所定の位置に指向するように構成される。1つ以上のスプレーサブチャンバーの1つは、その内部に混合ガスと溶融合金液滴及びノズルとの反応を防ぐ第1の所定の圧力及び混合ガスを保持するように構成され、1つ以上のサブチャンバーの他方は堆積された液滴上に絶縁層を形成して絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する化学反応を容易にし、及び/または化学反応に加わり、及び/または化学反応を加速する第2の所定の圧力及び混合ガスを維持するように構成される。
【0027】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する方法が提供される。この方法は、溶融合金液滴を生成する段階、溶融合金液滴を表面に指向する段階、及び作用物質を堆積された液滴に指向し、作用物質が絶縁境界を有するドメインを有する材料を生成する段階を含む。
【0028】
作用物質のスプレーは、絶縁層を堆積された液滴上に直接生成して絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するものであってもよい。作用物質のスプレーは、絶縁層を堆積された液滴上に形成して絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する化学反応を容易にし、及び/または化学反応に加わり、及び/または化学反応を加速するものであってもよい。
【0029】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する方法が提供される。この方法は、溶融合金液滴を生成する段階、溶融合金液滴をスプレーチャンバー内部の表面に指向する段階、及び絶縁層を堆積された液滴上に形成して絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する化学反応を容易にし、及び/または化学反応に加わり、及び/または化学反応を加速する、スプレーチャンバー内で所定の混合ガスを維持する段階を含む。
【0030】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する方法が提供される。この方法は、溶融合金液滴を生成する段階、溶融合金液滴をノズルで1つ以上のスプレーサブチャンバー内の表面に指向する段階、スプレーチャンバーの1つにおいて混合ガスと溶融合金液滴及びスプレーノズルとの反応を防ぐ、第1の所定の圧力及び混合ガスを維持する段階、及びスプレーサブチャンバーの他方において絶縁層を堆積された液滴上に形成して絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する化学反応を容易にし、及び/または化学反応に加わり、及び/または化学反応を加速する第2の所定の圧力及び混合ガスに維持する段階を含む。
【0031】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料が提供される。この材料は、溶融合金液滴から形成され、その上の絶縁層及びドメインの間の絶縁境界を有する複数のドメインを含む。
【0032】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するシステムが提供される。このシステムは燃焼チャンバー、ガスを燃焼チャンバーに導入するように構成されたガス導入部、燃料を燃焼チャンバー内に導入するように構成された燃料導入部、ガスと燃料の混合物に点火して燃焼チャンバー内に所定の温度及び圧力を生成するように構成された点火サブシステム、電気的に絶縁性の材料で被覆された粒子からなる金属粉末を燃焼内に導入するように構成され、所定の温度がチャンバー内で金属粉末からなる調整された液滴を生成する金属粉末導入部、燃焼ガス及び調整された液滴を燃焼チャンバーからステージに向けて排出し、加速して、調整された液滴がステージに付着してその上に絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するように構成された排出部を含む。
【0033】
金属粉末の粒子は、軟磁性材料からなる内部コア及び電気的に絶縁性の材料からなる外層を含んでもよい。調整された液滴は、固体の外部コア及び軟化及び/または部分的に溶融した内部コアを含んでもよい。排出部は、燃焼ガス及び調整された液滴を燃焼チャンバーから所定の速度で排出及び加速するように構成されてもよい。粒子は所定の大きさを有してもよい。ステージは、1つ以上の所定の方向に移動するように構成されてもよい。このシステムは、ステージ上に、調整された液滴を受容して絶縁境界を有するドメインを有する材料をモールドの形状に形成するモールドを含んでもよい。ステージは、1つ以上の所定の方向に移動するように構成されてもよい。
【0034】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する方法が提供される。この方法は、調整された液滴を、電気的に絶縁性の材料で被覆された金属粒子からなる金属粉末から所定の温度及び圧力で生成する段階及び調整された液滴をステージに指向して、調整された液滴がその上に絶縁境界を有するドメインを有する材料を生成する段階を含む。
【0035】
金属粉末の粒子は、軟磁性材料からなる内部コア及び電気的に絶縁性の材料からなる外層を含んでもよく、調整された液滴を生成する段階は、固体の外部コアを提供する一方で内部コアを軟化し部分的に溶融する段階を含む。調整された液滴は、ステージに所定の速度で指向されてもよい。この方法は、ステージを1つ以上の所定の方向に移動する段階を含んでもよい。この方法は、ステージ上にモールドを提供する段階を含んでもよい。
【0036】
開示された実施形態の他の態様に従えば、絶縁境界を有するバルク材料を金属材料及び絶縁材料源から形成するシステムが提供される。このシステムは、加熱デバイス、堆積デバイス、被覆デバイス、及びバルク材料を支持するように構成された支持部を含む。加熱デバイスは、金属材料を加熱して軟化または溶融した状態を有する粒子を形成し、被覆デバイスは金属材料を源からの絶縁材料で被覆し、堆積デバイスは軟化または溶融した状態の金属材料の粒子を支持部上に堆積して絶縁境界を有するバルク材料を形成する。
【0037】
絶縁材料源は、反応性化学源を含んでもよく、堆積デバイスは軟化または溶融された状態の金属材料の粒子を堆積経路における支持部上に堆積し、絶縁境界が、堆積経路における反応性化学源の化学反応から被覆デバイスによって金属材料上に形成される。絶縁材料源は、反応性化学源を含んでもよく、堆積デバイスが軟化または溶融された状態の金属材料の粒子を支持部上に堆積した後に、絶縁境界が反応性化学源の化学反応から被覆デバイスによって金属材料上に形成されてもよい。絶縁材料源は、反応性化学源を含んでもよく、被覆デバイスは、金属材料を絶縁材料で被覆して絶縁境界を、粒子の表面において反応性化学源の化学反応から形成してもよい。堆積デバイスは、均一な液滴スプレー堆積デバイスを含んでもよい。絶縁材料源は、反応性化学源を含んでもよく、被覆デバイスは、金属材料を絶縁材料で被覆して反応気体中で反応性化学源の化学反応から形成される絶縁境界を形成してもよい。絶縁材料源は、反応性化学源及び作用物質を含んでもよく、被覆デバイスは金属材料を絶縁材料で被覆して作用物質の共スプレーによって誘導された反応気体中で反応性化学源の化学反応から形成される絶縁境界を形成してもよい。被覆デバイスは、金属材料を絶縁材料で被覆して、絶縁材料の共スプレーから形成された絶縁境界を形成してもよい。被覆デバイスは、金属材料を絶縁材料で被覆して絶縁材料源からの化学反応及び被覆から形成される絶縁境界を形成してもよい。バルク材料は、金属材料から形成され絶縁境界を有するドメインを含んでもよい。軟化または溶融された状態は、金属材料の融点より低い温度であってもよい。堆積デバイスは、被覆デバイスが金属材料を絶縁材料源から被覆する間に同時に粒子を堆積してもよい。堆積デバイスが粒子を堆積した後に、被覆デバイスが金属材料を絶縁材料で被覆してもよい。
【0038】
開示された実施形態の他の態様に従えば、軟磁性バルク材料を磁性体材料および絶縁材料源から形成するためのシステムが提供される。このシステムは、支持部に接続された加熱デバイスおよび支持部に接続された堆積システムを含み、支持部は軟磁性バルク材料を支持するように構成される。加熱デバイスは磁性体材料を加熱して軟化状態を有する粒子を形成し、堆積デバイスは軟化状態の磁性体材料の粒子を支持部上に堆積して軟磁性バルク材料を形成し、軟磁性バルク材料は絶縁材料源から形成された絶縁境界を有する磁性体材料から形成されたドメインを有する。
【0039】
絶縁材料源は、反応性化学源を含んでもよく、堆積デバイスは軟化または溶融状態の磁性体材料の粒子を堆積経路内の支持部上に堆積し、絶縁境界が磁性体材料上に被覆デバイスによって堆積経路内の反応性化学源の化学反応から形成されてもよい。絶縁材料源は、反応性化学源を含んでもよく、堆積デバイスが軟化または溶融状態の磁性体材料の粒子を支持部上に堆積した後で、絶縁境界が磁性体材料上に被覆デバイスによって反応性化学源の化学反応から形成されてもよい。軟化状態は磁性体材料の融点より高い温度であってもよい。絶縁材料源は、反応性化学源を含んでもよく、絶縁境界が粒子の表面に反応性化学源の化学反応から形成されてもよい。堆積デバイスは、均一な液滴スプレー堆積デバイスを含んでもよい。絶縁材料源は、反応性化学源を含んでもよく、絶縁境界は反応気体中で反応性化学源の化学反応から形成されてもよい。絶縁材料源は、反応性化学源及び作用物質を含んでもよく、絶縁境界は作用物質の共スプレーによって誘導された反応気体内で反応性化学源の化学反応から形成されてもよい。絶縁境界は、絶縁材料の共スプレーから形成されてもよい。絶縁境界は、化学反応及び絶縁材料源からの被覆から形成されてもよい。軟化状態は磁性体材料の融点より低い温度であってもよい。このシステムは磁性体材料を絶縁材料で被覆する被覆デバイスを含んでもよい。粒子は絶縁材料で被覆された磁性体材料を含んでもよい。粒子は、絶縁材料で被覆された磁性体材料の被覆された粒子を含んでもよく、被覆された粒子は加熱デバイスによって加熱される。このシステムは、磁性体材料を源からの絶縁材料で被覆する被覆デバイスを含んでもよく、被覆デバイスが磁性体材料を絶縁材料で被覆する間に同時に堆積デバイスが粒子を堆積する。このシステムは、堆積デバイスが粒子を堆積した後に磁性体材料を絶縁材料で被覆しうる被覆デバイスを含んでもよい。
【0040】
開示された実施形態の他の態様に従えば、磁性体材料及び絶縁材料源から形成された軟磁性バルク材料を形成するシステムが提供される。このシステムは、加熱デバイス、堆積デバイス、被覆デバイスおよび軟磁性バルク材料を支持するように構成された支持部を含む。加熱デバイスは、磁性体材料を加熱して軟化または溶融状態を有する粒子を形成し、被覆デバイスは磁性体材料を源からの絶縁材料源で被覆し、堆積デバイスは軟化または溶融状態の磁性体材料の粒子を支持部上に堆積して、絶縁境界を有する軟磁性バルク材料を形成する。
【0041】
絶縁材料源は、反応性化学源を含んでもよく、被覆デバイスは、磁性体材料を絶縁材料で被覆して粒子の表面に反応性化学源の化学反応から絶縁境界を形成してもよい。絶縁材料源は、反応性化学源を含んでもよく、被覆デバイスは磁性体材料を絶縁材料で被覆して反応気体中の反応性化学源の化学反応から形成された絶縁境界を形成してもよい。絶縁材料源は、反応性化学源及び作用物質を含んでもよく、被覆デバイスは磁性体材料を源からの絶縁材料で被覆して、作用物質の共スプレーによって誘導された反応気体中の反応性化学源の化学反応から形成された絶縁境界を形成するものであってよい。被覆デバイスは、磁性体材料を源からの絶縁材料で被覆して、絶縁材料の共スプレーから形成された絶縁境界を形成してもよい。被覆デバイスは、磁性体材料を源からの絶縁材料で被覆して絶縁材料源からの化学反応及び被覆から形成された絶縁境界を形成してもよい。軟磁性バルク材料は、絶縁境界を有する磁性体材料から形成されたドメインを含んでもよい。軟化状態は、磁性体材料の融点より低い温度であってよい。堆積デバイスは、被覆デバイスが磁性体材料を絶縁材料で被覆する間に同時に粒子を堆積してもよい。堆積デバイスが粒子を堆積した後に被覆デバイスが磁性体材料を絶縁材料で被覆してもよい。
【0042】
開示された実施形態の1つの態様に従えば、絶縁境界を有するバルク材料を形成する方法が提供される。この方法は、金属材料を提供する段階、絶縁材料源を提供する段階、バルク材料を支持するように構成された支持部を提供する段階、金属材料を軟化状態に加熱する段階、及び軟化または溶融状態の金属材料の粒子を支持部上に堆積して絶縁境界を有する金属材料から形成されたドメインを有するバルク材料を形成する段階を含む。
【0043】
絶縁材料源を提供する段階は、反応性化学源を提供する段階を含んでもよく、軟化状態の金属材料の粒子は、堆積経路内の支持部上に堆積されてもよく、絶縁境界は堆積経路内の反応性化学源の化学反応から形成されてもよい。絶縁材料源を提供する段階は、反応性化学源を提供する段階を含んでもよく、絶縁境界は軟化状態の金属材料の粒子を支持部上に堆積する段階のあとに反応性化学源の化学反応から形成されてもよい。この方法は、金属材料の融点よりも高い温度で溶融状態を設定する段階を含んでもよい。絶縁材料源を提供する段階は、反応性化学源を提供する段階を含んでもよく、絶縁境界は粒子の表面において反応性化学源の化学反応から形成されてもよい。粒子を堆積する段階は、支持部上に粒子を均一に堆積する段階を含んでもよい。絶縁材料源を提供する段階は、反応性化学源を提供する段階を含んでもよく、絶縁境界は反応性気体内で反応性化学源の化学反応から形成されてもよい。絶縁材料源を提供する段階は、反応性化学源及び作用物質を提供する段階を含んでもよく、絶縁境界は作用物質の共スプレーによって誘導された反応性気体中で反応性化学源の化学反応から形成されてもよい。この方法は、絶縁材料を共スプレーすることによって絶縁境界を形成する段階を含んでもよい。この方法は、絶縁境界を絶縁材料源からの化学反応及び被覆から形成する段階を含んでもよい。軟化状態は金属材料の融点よりも低い温度であってもよい。この方法は、金属材料を絶縁材料で被覆する段階を含んでもよい。粒子は絶縁材料で被覆された金属材料を含んでもよい。粒子は、絶縁材料で被覆された金属材料の被覆された粒子を含んでもよく、材料を加熱する段階は絶縁境界で被覆する金属材料の被覆された粒子を加熱する段階を含んでもよい。この方法は、粒子を堆積する間に同時に金属材料を絶縁材料で被覆する段階を含んでもよい。この方法は、粒子を堆積した後に金属材料を絶縁材料で被覆する段階を含んでもよい。この方法は、バルク金属材料をアニーリングする段階を含んでもよい。この方法は、粒子を堆積する間に同時にバルク金属材料を加熱する段階を含んでもよい。
【0044】
開示された実施形態の1つの態様に従えば、軟磁性バルク材料を形成する方法が提供される。この方法は磁性体材料を提供する段階、絶縁材料源を提供する段階、軟磁性バルク材料を支持するように構成された支持部を提供する段階、磁性体材料を軟化状態に加熱する段階、及び軟化状態の磁性体材料の粒子を支持部上に堆積して絶縁境界を有する磁性体材料から形成されたドメインを有する軟磁性バルク材料を形成する段階を含む。
【0045】
開示された実施形態の1つの態様に従えば、表面上に形成されたバルク材料が提供される。バルク材料は、複数の金属材料の接着されたドメインを含み、金属材料の複数のドメインのほぼ全てのドメインは高い抵抗率の絶縁材料の所定の層によって離隔される。複数のドメインの第1の部分は表面を形成する。複数のドメインの第2の部分は第1の部分から成長した金属材料の連続的なドメインを含み、連続的なドメインのほぼすべてのドメインはそれぞれ第1の表面及び第2の表面を含み、第1の表面は第2の表面に対向し、第2の表面は連続するドメインの形状に合致した形状であり、第2の部分の連続的なドメイン内のドメインの大部分は、実質的に凸状の表面を含む第1の表面及び1つ以上の実質的に凹状の表面を含む第2の表面を有する。
【0046】
高い抵抗率の絶縁材料の層は、約1×10
3Ωmを超える抵抗率を有する材料を含んでもよい。高い抵抗率の絶縁材料の層は選択可能なほぼ均一な厚さを有してもよい。金属材料は、強磁性体材料を含んでもよい。高い抵抗率の絶縁材料の層は、セラミックを含んでもよい。第1の表面及び第2の表面はドメインの表面全体を形成してもよい。第1の表面は、第1の部分からほぼ均一な方向に成長したものであってよい。
【0047】
開示された実施形態の1つの態様に従えば、表面上に形成された軟磁性バルク材料が提供される。軟磁性バルク材料は、磁性体材料の複数のドメインを含み、磁性体材料の複数のドメインのそれぞれのドメインは高い抵抗率の絶縁材料の選択可能な被覆によって実質的に離隔される。複数のドメインの第1の部分は表面を形成する。複数のドメインの第2の部分は、第1の部分から成長した磁性体材料の連続的なドメインを含み、第2の部分の磁性体材料の連続的なドメイン内のほぼすべてのドメインは、それぞれが第1の表面及び第2の表面を含み、第1の表面は実質的に凸状の表面を含み、第2の表面は1つ以上の実質的に凹状の表面を含む。
【0048】
開示された実施形態の他の態様に従えば、電源に接続された電気的デバイスが提供される。電気的デバイスは軟磁性コア及び軟磁性コアに接続され軟磁性コアの一部を取り囲む巻線を含み、巻線は電源に接続される。軟磁性コアは、磁性体材料の複数のドメインを含み、複数のドメインのそれぞれのドメインは、高い抵抗率の絶縁材料の層によって実質的に離隔される。複数のドメインは軟磁性コアを通じて成長した磁性体材料の連続的なドメインを含む。実質的に、第2の部分における連続的なドメインの全てはそれぞれ、第1の表面及び第2の表面を含み、第1の表面は実質的に凸状の表面を含み、第2の表面は1つ以上の実質的に凹状の表面を含む。
【0049】
開示された実施形態の他の態様に従えば、電源に結合された電気モータが提供される。電気モータはフレーム、フレームに接続された回転子、フレームに接続された固定子を含み、回転子または固定子の少なくとも1つは、電源及び軟磁性コアに接続された巻線を含む。巻線は、軟磁性コアの一部に巻きつけられる。軟磁性コアは、磁性体材料の複数のドメインを含み、複数のドメインのそれぞれのドメインは、高い抵抗率の絶縁材料の層によって実質的に離隔されている。複数のドメインは、軟磁性コアを通して成長した磁性体材料の連続的なドメインを含む。第2の部分における連続的なドメインのほぼ全ては、それぞれ第1の表面及び第2の表面を含み、第1の表面は実質的に凸状の表面を含み、第2の表面は1つ以上の実質的に凹状の表面を含む。
【0050】
開示された実施形態の他の態様に従えば、表面上に形成された軟磁性バルク材料が提供される。軟磁性バルク材料は、磁性体材料の接着された複数のドメインを含み、磁性体材料の複数のドメインのほぼすべてのドメインは高い抵抗率の絶縁材料の層によって離隔される。複数のドメインの第1の部分は表面を形成する。複数のドメインの第2の部分は第1の部分から成長した磁性体材料の連続的なドメインを含み、連続的なドメインのほぼすべてのドメインのそれぞれは第1の表面及び第2の表面を含み、第1の表面は第2の表面と対向し、第2の表面は連続するドメインの形状に合致した形状である。第2の部分における連続的なドメインの大部分のドメインは実質的に凸状の表面を含む第1の表面及び1つ以上の実質的に凹状の表面を含む第2の表面を有する。
【0051】
開示された実施形態の他の態様に従えば、電源に接続された電気的デバイスが提供される。この電気的デバイスは、軟磁性コア及び軟磁性コアに接続され軟磁性コアの一部を取り囲む巻線を含み、巻線は電源に接続される。軟磁性コアは複数のドメインを含み、複数のドメインのそれぞれのドメインは高い抵抗率の絶縁材料の層によって実質的に離隔される。複数のドメインは、軟磁性コアを通して成長した磁性体材料の連続的なドメインを含む。ほぼ全ての連続的なドメインのそれぞれは第1の表面及び第2の表面を含み、第1の表面は第2の表面に対向し、第2の表面は金属材料の連続するドメインの形状に合致した形状であり、第2の部分における連続的なドメインの大部分のドメインは実質的に凸状の表面を含む第1の表面及び1つ以上の実質的に凹状の表面を含む第2の表面を有する。
【0052】
他の対象、特徴及び利点は、以下の実施形態の説明及び添付した図面から当業者へ提供されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】システムの1つの実施形態の一次構成要素及び絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する方法を示す概略的なブロック図である。
【
図2】制御された気体内の液滴スプレーサブシステムの他の実施形態を示す概略的な側面図である。
【
図3】絶縁境界を有するドメインを有する材料の促進する製造のためのシステムおよび方法の他の実施形態を示す概略的な側面図である。
【
図4】絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するシステムおよび方法の他の実施形態を示す概略的な側面図である。
【
図5A】1つ以上の実施形態のシステムおよび方法を用いて生成された絶縁境界を有するドメインを有する材料の1つの実施形態の概略図である。
【
図5B】1つ以上の実施形態のシステムおよび方法を用いて生成された絶縁境界を有するドメインを有する材料の他の実施形態の概略図である。
【
図6】絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するためのシステムおよび方法の他の実施形態の一次構成要素を示す概略的なブロック図である。
【
図7】絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するためのシステムおよび方法の他の実施形態の一次構成要素を示す概略的なブロック図である。
【
図8】絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するためのシステムおよび方法の1つの実施形態の一次構成要素を示す概略的なブロック図である。
【
図9】
図8に示されるシステムに関連する絶縁境界を有する材料の形成の一例を示す側面図である。
【
図10A】1つ以上の実施形態のシステムおよび方法を用いて生成された絶縁境界を有するドメインを有する材料の1つの実施形態の概略図である。
【
図10B】1つ以上の実施形態のシステム及び方法を用いて生成された絶縁境界を有するドメインを有する材料の他の実施形態の概略図である。
【
図11】
図8に示されたシステムに関連する絶縁境界を有するドメインを有する材料の形成の一例を示す側面図である。
【
図12】
図8に示されたシステムに関連する絶縁境界を有するドメインを有する材料の形成の一例を示す側面図である。
【
図13】絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するためのシステムおよび方法の他の実施形態の一次構成要素を示す概略的なブロック図である。
【
図14】
図13に示されたシステムに関連する絶縁境界を有するドメインを有する材料の形成の一例を示す側面図である。
【
図15】絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するためのシステムおよび方法のさらに他の実施形態の一次構成要素を示す概略的なブロック図である。
【
図16】
図8から15の1つ以上に示されたシステムに関連する液滴の個別の堆積プロセスの一例を示す概略的な上面図である。
【
図17】複数のオリフィスを含む
図8から15の1つ以上に示されたシステムのためのノズルの一例を示す概略的な側面図である。
【
図18】
図8から15の1つ以上に示された液滴スプレーサブシステムの他の実施形態を示す概略的な側面図である。
【
図19】絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するためのシステムおよび方法のさらに他の実施形態の一次構成要素を示す概略的なブロック図である。
【
図20】絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するシステムおよび方法のさらに他の実施形態の一次構成要素を示す概略的なブロック図である。
【
図21】絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するためのシステムおよび方法の1つの実施形態の一次構成要素を示す概略的なブロック図である。
【
図22A】
図21に示された絶縁境界を有するドメインを有する構造材料をさらに詳細に示す概略図である。
【
図22B】
図21に示された絶縁境界を有するドメインを有する構造材料をさらに詳細に示す概略図である。
【
図23A】構造材料の1つの実施形態の概略的な断面図である。
【
図23B】構造材料の1つの実施形態の概略的な断面図である。
【
図24】開示された実施形態の構造材料を組み込むブラシレスモーターの1つの実施形態の概略的な分解等角図である。
【
図25】開示された実施形態の構造材料を組み込むブラシレスモーターの1つの実施形態の概略的な上面図である。
【
図26A】開示された実施形態の構造材料を組み込むリニアモーターの概略的な側面図である。
【
図26B】開示された実施形態の構造材料を組み込むリニアモーターの概略的な側面図である。
【
図27】開示された実施形態の構造材料を組み込む発電機の概略的な分解等角図である。
【
図28】開示された実施形態の構造材料を組み込むステッピングモーターの3次元切断等角図である。
【
図29】開示された実施形態の構造材料を組み込むACモーターの3次元分解等角図である。
【
図30】開示された実施形態の構造材料を組み込む音響スピーカーの1つの実施形態の3次元切断等角図である。
【
図31】開示された実施形態の構造材料を組み込むトランスの3次元等角図である。
【
図32】開示された実施形態の構造材料を組み込む電源トランスの3次元切断等角図である。
【
図33】開示された実施形態の構造材料を組み込む電源トランスの概略的な側面図である。
【
図34】開示された実施形態の構造材料を組み込むソレノイドの概略的な側面図である。
【
図35】開示された実施形態の構造材料を組み込むインダクターの概略的な上面図である。
【
図36】開示された実施形態の構造材料を組み込むリレーの概略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下に開示される実施形態とは別に、開示された実施形態の発明は様々な方法で他の実施形態であることが可能であり、実施されまたは実行されることが可能である。従って、開示された実施形態は、その応用において以下の説明に記載されまたは図に示された構成要素の構造及び配置の詳細に限定されないことを理解する必要がある。本明細書においてただ1つの実施形態が説明されている場合には、その特許請求の範囲はその実施形態に限定されるものではない。さらに、本願の特許請求の範囲は、特定の除外、制限または排除を明示する明確で確固たる証拠がなければ、限定的に読み取られるべきではない。
【0055】
図1には、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成するためのシステム10及びその方法が示されている。システム10は溶融合金液滴16を生成し溶融合金液滴16を表面20の方へ指向するように構成された液滴スプレーサブシステム12を含む。1つの設計において、液滴スプレーサブシステム12は溶融合金液滴をスプレーチャンバー18内に指向する。代替的な態様において、スプレーチャンバー18は以下に議論されるように必要とされない。
【0056】
1つの実施形態において、液滴スプレーサブシステム12は、溶融合金液滴16を生成し溶融合金液滴16を表面20の方向へ指向するるつぼ14を含む。るつぼ14は、溶融合金44をチャンバー46内で形成するヒーター42を含んでもよい。溶融合金44を形成するのに用いられる材料は、高い透磁率、低い保磁力及び高い飽和インダクションを有するものであってよい。溶融合金44は、鉄系合金、鉄−コバルト合金、ニッケル−鉄合金、シリコン鉄合金、鉄−アルミニウム合金、フェライト系ステンレス鋼、または類似の種類の合金のような軟磁性鉄合金からなるものであってよい。チャンバー46は、ポート45を介して不活性ガス47を受け取ってもよい。溶融合金44は、ポート45を介して導入される不活性ガス47から印加される圧力のために、オリフィス22を通して排出されてもよい。振動伝達部51を有するアクチュエータ50が、溶融合金44のジェットを特定の振動数で振動させて溶融合金44をオリフィス22を通して排出される液滴16の流動に細分化するために用いられてもよい。るつぼ14はまた、温度センサ48を含んでもよい。図示されるようにるつぼ14は1つのオリフィス22を含むが、代替的に、るつぼ14は表面20上への液滴16の堆積速度をより高く提供するために必要なだけのどのような数のオリフィス22、例えば100以上のオリフィスを有するものであってもよい。
【0057】
類似の部品は類似の符号を与えられた
図2の液滴スプレーサブシステム12’は、溶融合金液滴16を生成し溶融合金液滴16を表面20の方へ指向するワイヤーアーク液滴堆積サブシステム250を含む。ワイヤーアーク液滴堆積サブシステム250は、正のワイヤーアークワイヤー254及び負のアークワイヤー256を収容するチャンバー252を含む。合金258は好適にはワイヤーアークワイヤー254、256のそれぞれに配置される。合金258は、表面20に向けて指向される液滴16を生成するのに用いられてもよく、炭素、硫黄及び窒素成分の非常に低い(例えば、0.005%より少ない)鉄(例えば約98%より多い)から主になるものであってもよく、この例においては、良好な磁気特性を達成するためにSiまたはAlである残りの成分と共にわずかな量のCr(例えば約1%より少ない)を含んでもよい。冶金学的組成は、絶縁境界を有するドメインを有する材料の最終特性の改善を提供するために変更されてもよい。ノズル260は、1つ以上のガス262、264、例えば雰囲気の空気、アルゴン及び類似物の1つ以上を、チャンバー252内にガス268を生成するために導入するように構成されてもよい。圧力制御バルブ266は、1つ以上のガス262、264のチャンバー252への流動を制御する。動作時には、正のアークワイヤ254及び負のアークワイヤ256に印加された電圧は、合金258に、表面20の方向へ指向される溶融合金液滴16を形成させるアーク270を発生させる。1つの例において、約18から48ボルトの間の電圧および約15から400アンペアの間の電流が正のワイヤーアーク254及び負のアークワイヤー256に印加されて液滴16の連続的なワイヤーアークスプレープロセスを提供するものであってもよい。この例において、システム10はスプレーチャンバー16を含む。
【0058】
類似の部品には類似の符号が与えられた
図3のシステム10’は、溶融合金液滴16を生成し溶融合金液滴16を表面20の方向へ指向するワイヤーアーク液滴堆積サブシステム250’を有する液滴スプレーサブシステム12’’を含む。ここで、システム10’は
図2のチャンバー252及び
図1、2のチャンバー18を含まない。その代わりに、
図3のノズル260は、1つ以上のガス262、264を導入して正のアークワイヤー254及び負のアークワイヤー256に近接した領域内にガス268を発生させるように構成されてもよい。
図2を参照して上述したのと同様に、正のアークワイヤー254及び負のアークワイヤー256に印加された電圧は、合金258に、表面20に向けて指向される溶融合金液滴16を形成させるアーク270を発生させる。反応性ガス26(以下に議論する)が飛翔中の溶融合金液滴16に近接した領域に、例えばノズル263を用いて導入される。シュラウド261が反応性ガス26及び液滴16を表面20に近接した領域に収容するように用いられてもよい。
【0059】
類似した部品に類似した符号が与えられた
図4のシステム10’’は、表面20上への溶融合金液滴16のより高いスプレー堆積速度を同時に達成するのに用いられうる、複数の正アークワイヤー254、負のアークワイヤー256及びノズル260を有するワイヤーアーク液滴堆積サブシステム250’’を有する液滴スプレー堆積サブシステム12’ ’ ’を含んでもよい。ワイヤーアーク254、256及び上述の類似の堆積デバイスは、異なる方向に提供されて絶縁境界のドメインを有する材料を形成するものであってもよい。ワイヤーアーク液滴堆積サブシステム250’’はチャンバー内に収容されていない。代替的な態様において、ワイヤーアークスプレー250’’はチャンバー、例えば
図2のチャンバー252に収容されてもよい。チャンバーが用いられない場合、
図4のシュラウド261が反応性ガス26及び液滴16を表面20に近接した領域に収容するのに用いられる。
【0060】
代替的な態様において、
図1から4の液滴スプレーサブシステム12は、プラズマスプレー液滴堆積サブシステム、デトネーションスプレー液滴堆積サブシステム、火炎スプレー液滴堆積サブシステム、高速酸素燃料スプレー(HVOF)液滴堆積サブシステム、高温スプレー液滴堆積サブシステム、冷間スプレー液滴堆積サブシステム、またはどのような類似の種類のスプレー液滴堆積サブシステムを利用するものであってもよい。従って、どのような適切な堆積システムが上述の1つ以上の開示された実施形態に従って用いられてもよい。
【0061】
図1から4の液滴スプレーサブシステム12は、単一または複数のロボットアーム上及び/または機械的構成上に搭載されて品質を改善し、スプレー時間を短縮し、プロセスの経済性を改善するものであってもよい。サブシステムは、同一の近接した位置に同時に液滴16をスプレーしてもよく、または順次特定の位置にスプレーするように互い違いであってもよい。液滴スプレーサブシステム12は、以下のスプレーパラメータ:ワイヤー速度、ガス圧力、シュラウドガス圧力、スプレー距離、電圧、電流、基板の移動速度及び/またはアークツールの移動速度の1つ以上を制御することによって制御され、促進されてもよい。
【0062】
図1及び2のシステム10はまたガス26、例えば反応性気体をスプレーチャンバー28に導入するように構成されたスプレーチャンバー18に接続されたポート24を含んでもよい。
図3及び4のシステム10’、10’’はガス26、例えば反応性気体を飛翔中の液滴16に近接する領域に導入してもよい。ガス26は、液滴16が表面20に向けて飛翔しているときに液滴16上に絶縁層を形成するように選択されてもよい。液滴との反応に加わりうる1つ以上のガスの混合物が飛翔中の液滴16に近接した領域に導入されてもよい。
図1における符号28は、
図1から4に示されるように、表面20への飛翔中に飛翔中の溶融合金液滴16上に形成される絶縁層30の例を示している。絶縁層30を有する液滴16が表面20上に付着すると、それらは絶縁境界を有するドメインを有する材料32の初期状態を形成する。その後、絶縁層30を有する後続の液滴16が、それ以前に形成された材料32上に付着する。開示された実施形態の1つの態様において、例えばX−Yステージ、回転テーブル、表面20の縦方向回転及び横方向回転角度を追加的に変更できるステージのようなステージ40や、形成時に制御された状態で材料32を支持し及び/または材料32を移動させることが可能なその他どのような適切な構成も用いて、表面20は移動可能である。システム10は、当業者に知られたどのような所望の形状も有する材料32を生成するために表面20上に配置されたモールド(図示されない)を含んでもよい。
【0063】
図5Aは、間に絶縁境界36を有するドメイン34を含む材料32の例を示す。絶縁境界36は、液滴16上の絶縁層、例えば
図1の絶縁層30から形成される。
図5Aの材料32は、図示されたように実質的に完全に形成された隣接するドメイン34との間に境界36を含んでもよい。開示された実施形態の他の態様において、
図5Bにおける材料32は、図示されるように隣接するドメイン34との間に不連続部を有する境界36を含んでもよい。
図5A、5Bにおける材料32は、渦電流損失を低減し、隣接するドメイン34の間の境界36における不連続部は材料32の機械的特性を向上する。結果的に、材料32は合金の高い透磁率、低い保磁力及び高い飽和インダクションを保ちうる。ここで、境界36は隣接するドメイン34の間の導電率を制限する。材料32は、その透磁率、保磁力及び飽和特性のために優れた磁力経路を提供する。材料32の制限された伝導率は、例えばモーターが回転する際の磁場の急速な変化に関連する渦電流損失を最小化する。システム10及びその方法は、単一の段階であってもよく、時間及び金額を省く完全に自動化されたプロセスであってもよく、実質的に廃棄物を発生させない。開示された実施形態の代替的な態様において、システム10は手動で、半自動で、またはその他の方法で動作してもよい。
【0064】
類似の部分が類似の符号を含む
図6のシステム10’’’は、作用物質64をスプレーチャンバー18内に導入するように構成された少なくとも1つのポート、例えばポート62及び/または63を含むスプレーサブシステム60も含んでもよい。液滴16が表面20に向けて飛翔中に、スプレーサブシステム60は、上に絶縁層、例えば
図1における絶縁層30を有する液滴16を
図3における作用物質64で被覆するスプレー作用物質64のスプレー66及び/またはスプレー67を発生させる。作用物質64は好適には絶縁層30を形成する化学反応を誘導し及び/または粒子を覆って絶縁層30を形成させてもよく、または同時にまたは連続的に発生しうるそれらの組み合わせでもよい。同様に、
図3のシステム10’及び
図4のシステム10”もまた飛翔中の液滴16に作用物質を導入してもよい。
図1における符号28は、絶縁被覆30で液滴16を被覆する作用物質64(点線部)の一例を示している。作用物質64は、材料32に追加的な絶縁性を提供する。作用物質64は、好適には絶縁層30を形成する化学反応を誘導するものであってよく、粒子を被覆して絶縁層30を形成するものであってよく、または同時あるいは連続的に発生しうるそれらの組み合わせであってもよい。
【0065】
図1、2、6におけるシステム10は、
図6におけるDC源72に接続された帯電平板70を含んでもよい。帯電平板70は、液滴16の荷電状態を発生させて表面20へ向かう軌跡を制御する。好適には、コイル(図示されない)が液滴16の軌跡を制御するのに用いられてもよい。帯電平板70は、いくつかの応用例において液滴16を電気的に荷電させて互いに反発させ、互いに結合しないようにするために利用されてもよい。
【0066】
図1、2、6におけるシステム10は、
図6におけるガス排気ポート100を含んでもよい。排気ポート100は、ポート24によって導入された過剰なガス26及び/またはスプレーサブシステム60によって導入された過剰な作用物質64を排出するために用いられてもよい。さらに、ガス26(例えば反応性気体)内の特定のガスが消費されることとなると、排気ポート100は制御された状態でスプレーチャンバー18内にガス26を置き換えることを可能とする。同様に、
図3におけるシステム10’及び
図4におけるシステム10’’もまたガス排気ポートを含んでも良い。
【0067】
図1、2、6におけるシステム10は、
図1におけるチャンバー46の内部または
図2におけるチャンバー252の内部に圧力センサ102を含んでもよい。
図1、2、6におけるシステム10はまた、スプレーチャンバー18内の
図2における圧力センサ104及び/またはるつぼ14とスプレーチャンバー18との間の
図1、2、6における圧力差センサ106及び/またはチャンバー252とスプレーチャンバー18との間の
図2における圧力差センサ106を含んでもよい。センサ102及び104または106によって提供される圧力差に関する情報は、
図1から6における不活性ガス47のるつぼ14への供給およびスプレーチャンバー18内へのガス26の供給またはチャンバー252への
図2におけるガス262、264の供給を制御するために利用されてもよい。圧力差は、オリフィス20を通した溶融合金44の排出率を制御する方法として用いられてもよい。1つの設計において、ポート45に接続された
図6における制御可能なバルブ108は、チャンバー46への不活性ガスの流動を制御するのに用いられてもよい。同様に、制御バルブ266は、チャンバー252内へのガス262、264の流動を制御するために用いられてもよい。ポート24に接続された
図1、2、6における制御可能なバルブ110は、スプレーチャンバー18内へのガス26の流動を制御するために利用されてもよい。流量計(図示されない)がまたスプレーチャンバー18内へのガス26の流量を測定するためにポート24へ接続されてもよい。
【0068】
図1、2、6におけるシステム10は、センサ102、104及び/または106からの測定結果及びポート24に接続された流量計からの情報を利用して制御可能なバルブ108、110または266を調整し、チャンバー46とスプレーチャンバー18との間またはチャンバー252とスプレーチャンバー18との間の所望の圧力差及びスプレーチャンバー18内へのガス26の所望の流量を維持しうるコントローラ(図示せず)もまた含んでもよい。コントローラは、るつぼ14内の温度センサ48からの測定結果を利用してヒーター42の動作を調整し、溶融合金44の所望の温度を達成/維持してもよい。コントローラはまた、るつぼ14内の振動伝達部51の
図1におけるアクチュエータ50によって作り出される力の周波数(及び可能な場合強度)もまた制御してもよい。
【0069】
図1、2、6におけるシステム10は、材料32上に堆積された液滴16の温度を測定するためのデバイスおよび材料32上に堆積された液滴の温度を制御するデバイスを含んでもよい。
【0070】
類似の部分が類似の符号を含む
図7におけるシステム10’’は、作用物質80をスプレーチャンバー18内に導入するように構成された少なくとも1つのポート、例えばポート62及び/またはポート63を含むスプレーサブシステム60を含んでもよい。ここで、反応性ガスが利用されなくてもよい。スプレーサブシステム60は、液滴16が表面20に向けて飛翔中に、液滴16上へ
図1の絶縁被覆30を形成するために作用物質80で液滴16を被覆するスプレー作用物質80のスプレー86及び/またはスプレー87を発生させる。このことによって例えば上述のように、絶縁境界36を有する
図5A、5Bにおけるドメイン34を有する材料32が生成される。
【0071】
図1から4、6、7における液滴スプレーサブシステム12は、均一な直径を有する液滴16を生成するように構成された均一液滴スプレーシステムであってもよい。
【0072】
絶縁境界を有するドメインを含む材料32を形成するための
図1から4、6、7におけるシステム10及び関連するその方法は、モーターコアまたは以下にさらに詳細に説明されるように絶縁境界を有するドメインを有する材料から利点を得られうるどのような類似の種類のデバイスのための代替的な材料及び製造プロセスであってもよい。電気モーターの固定子巻芯は本発明の1つ以上の実施形態のシステム及び方法を用いて製造されてもよい。システム10は、
図1から7を参照して上述されたように、好適には液滴スプレー堆積サブシステム12及びポート24によって導入されて液滴16の表面上の絶縁層30の制御された形成を促進する反応性気体を用いる単一ステップネット形状の製造プロセスであってもよい。
【0073】
液滴16を形成するために選択された材料は、低い保磁力及び高い飽和インダクションを有する透磁率の高い材料32を形成する。
図5A、5Bにおける境界36は、材料32の良好な磁力経路を提供する能力をやや低下させる。しかしながら、境界36は非常に薄くてもよく、例えば約0.05μmから約5μmであり、材料32が非常に密度が高くてもよいため、この低下は比較的小さい。材料32の形成コストが低いことに加えて、このことは、SMCにおける金属粉末の近接する粒子の会合する表面が完全に合致していないために個々の粒子間により大きな空隙を有するような、背景技術において説明した従来のSMCに対する他の利点である。絶縁境界36は、隣接するドメイン34間の導電率を制限する。材料32はその透磁率、保磁力及び飽和特性のために優れた磁力経路を提供する。材料30の制限された導電率は、モーターが回転する際の磁場の急速な変化に関連する渦電流損失を最小化する。
【0074】
電気モーターのハイブリッド場幾何形状は絶縁境界36を有するドメイン34を有する材料32を用いて発展させられてもよい。材料32は従来のモーターの非等方的に積層されたコアに関する設計制約を排除しうる。本発明の1つ以上の実施形態の材料32を形成するシステムおよび方法は、モーターのコアが内蔵冷却経路及びコギング低減測定に適合することを可能にしうる。効率的な冷却は、例えば電気自動車における高いモーター出力のために巻線内の電流密度を増加させるために不可欠である。コギング低減測定は、基板取り扱いや医療ロボットを含む精密機械における低い振動のために重要である。
【0075】
本発明の1つ以上の実施形態の材料32を形成するシステム10及び方法は、均一液滴スプレー(UDS)堆積技術の分野の最新の開発成果を利用してもよい。UDSプロセスは、溶融ジェットの制御された毛細管微粒子化を単一寸法の均一な液滴に利用する急速固体化プロセスの方法である。例えば、Chun,J.−H.及びPassow,C.H.による“Production of Charged Uniformly Sized Metal Droples”と題する特許文献1及びRoy,S.及びAndo T.による非特許文献7を参照のこと。これらは共に参照によって本明細書に組み込まれる。均一な溶融金属液滴は基板上に高密度に堆積され急速に固体化して小型で強い堆積物に結合するため、UDSプロセスは液滴によって目的とする液滴を作り出すことが可能である。
【0076】
従来のUDSプロセスでは、るつぼ内の金属はヒーターによって溶融され、不活性ガス供給から印加される圧力によってオリフィスを通して排出される。排出された溶融金属は層流ジェットを形成し、圧電トランスデューサによって特定の周波数で振動される。振動による擾乱はジェットの均一な液滴の流れへの制御された破砕を引き起こす。帯電平板が、いくつかの応用例において、液滴が互いに反発し、結合を防ぐように液滴を電気的に帯電させることに利用されてもよい。
【0077】
材料32を形成するシステム10及び方法は均一な直径を有する、
図1から4、6、7の液滴16を生成するために従来のUDS堆積プロセスの基本的な要素を用いてもよい。
図1における液滴スプレーサブシステム12は、液滴16の飛翔中に液滴16の表面上に絶縁層30の同時形成と組み合わされた従来のUDSプロセスを用い、隣接するドメイン間の導電率を制限する絶縁境界を有する実質的に均質な材料の小さなドメインによって特徴づけられる微小構造を有する密度の高い材料32を製造するものであってもよい。液滴の表面上の絶縁層の同時形成のためのガス26、例えば反応気体または類似の種類のガスの導入は、個々のドメイン内に実質的に均質な材料の構造の同時制御、粒子表面上への層の形成(結果的に生成される材料内の隣接するドメイン間の導電性を制限する)、及び個々のドメイン間の十分な結合を補助する一方で十分な電気的絶縁性を提供するための堆積における層の破砕という特徴を追加する。
【0078】
従って、システム10及びその方法はさらに、飛翔中の液滴上に絶縁層を形成し、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する。開示された他の実施形態において、
図8におけるシステム310及びその方法は、表面または基板上に堆積された液滴の上に絶縁層を形成し、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する。システム310は、溶融合金液滴316をオリフィス322から生成及び排出し、溶融合金液滴316を表面320に向けて指向するように構成された液滴スプレーサブシステム312を含む。ここで、液滴スプレーサブシステム312は、溶融合金液滴をスプレーチャンバー318内に排出する。代替的な態様において、スプレーチャンバー318は以下に詳述するように必要でなくともよい。
【0079】
液滴スプレーサブシステム312は、溶融合金液滴316を生成し溶融合金液滴316をスプレーチャンバー318内部の表面320に向けて指向するるつぼ314を含んでもよい。ここで、るつぼ314はチャンバー346内に溶融合金344を形成するヒーター342を含んでもよい。溶融合金344を作るのに用いられる材料は、高い透磁率、低い保磁力及び高い飽和インダクションを有するものであってよい。1つの例において、溶融合金344は、鉄系合金、鉄コバルト合金、ニッケル鉄合金、シリコン鉄合金、フェライト系ステンレス鋼または類似の種類の合金のような軟磁性鉄合金から形成されてもよい。チャンバー346は、不活性ガス347をポート345を介して受容する。ここで、溶融合金344は、ポート345を介して導入された不活性ガス347から印加された圧力のために、オリフィス322を通して排出される。振動伝達部351を有するアクチュエータ350は、溶融合金344のジェットを所定の周波数で振動させて、溶融合金344を、オリフィス322を通して排出される液滴316の流れに破砕する。るつぼ314はまた、温度センサ348を含んでもよい。図示されるようにるつぼ314は1つのオリフィス322を含むが、他の例においてはるつぼ314は表面320の液滴316のより高い堆積率を達成することを必要とされるように、いくつの数のオリフィス322を有してもよく、例えば100以上のオリフィスに達してもよい。溶融合金液滴316は、オリフィス322から排出されて表面320の方向へ指向され、以下に詳述するようにその上に基板512を形成する。
【0080】
表面320は好適には、例えばX−Yステージ、回転テーブル、表面320の縦回転及び横回転角度を追加的に変更可能なステージまたは基板512を支持し及び/または基板512を形成されるように制御された方法で移動することが可能な他のどのような適した構成でもありうるステージ340を用いて移動可能である。1つの例において、システム310は表面320上に配置されたモールド(図示されない)を含んでもよく、基板512がモールドを埋める。
【0081】
システム310はまた作用物質を堆積された液滴316の基板512上に指向し、基板512の表面514上またはその上方に指向された作用物質504のスプレー506及び/またはスプレー508を形成するように構成された1つ以上のスプレーノズル、例えばスプレーノズル500及び/またはスプレーノズル502を含んでもよい。ここで、スプレーノズル500及び/またはスプレーノズル502はスプレーチャンバー318に結合される。スプレー506及び/またはスプレー508は、液滴316が基板512上に堆積される前またはされた後に、液滴316上に絶縁層を直接形成することによってまたは表面320上に堆積された液滴316の表面上に絶縁層を形成する化学反応を補助し、加わり、及び/または加速することによって堆積された液滴316の表面上へ絶縁層を形成してもよい。
【0082】
例えば、作用物質504のスプレー506、508は基板512を形成しまたは基板512上に続けて堆積された、堆積された液滴316上に絶縁層を形成する化学反応を補助し、加わり、及び/または加速するために用いられてもよい。例えば、スプレー506、508は
図9において符号511で示されるように基板512に指向されてもよい。この例において、スプレー506、508は基板512(及びその上に堆積された液滴316の後続の層)との化学反応を補助し、加速し及び/または加わって図示されるように堆積された液滴316の表面上に絶縁層530を形成する。液滴316の後続の層が堆積されると、スプレー506、508は例えば符号513、515で示したように、液滴の堆積された後続の層上に絶縁層330を形成するための化学反応を補助し、加速し及び/または加わる。材料332は間に絶縁境界336を有するドメイン334を有して形成される。
【0083】
図10Aは、間に絶縁境界336を有するドメイン334を含み、
図8、9の1つ以上を参照して上述したシステム310の1つの実施形態を用いて形成された材料332の1つの例を示す。絶縁境界336は液滴316上に、
図9における絶縁層330から形成される。1つの例において、
図10Aの材料332は、図示されるようにほぼ完全に形成された隣接するドメイン334の間に境界336を含む。他の例では、
図10Bの材料332は、図示されるように不連続部を有する隣接するドメイン334間の境界336’を含んでもよい。
図9、10A、10Bの材料332は、渦電流損失を低減し、隣接するドメイン334間の不連続な境界336は材料332の機械的特性を向上する。結果として、材料332は合金の高い透磁率、低い保磁力及び高い飽和インダクションを保持してもよい。境界336は、隣接するドメイン334の間の導電性を制限する。材料332は、その透磁率、保磁力及び飽和特性により優れた磁力経路を提供する。材料332の制限された導電率は、モーターが回転する際の磁場の急速な変化に関連する渦電流を最小化する。システム310及びその方法は、単一のステップであってもよく、時間及び金額を省く完全に自動化されたプロセスであってもよく、実質的に廃棄物を発生させないものである。
【0084】
図11は、
図8のシステム310の1つの実施形態を示し、
図9に示されるような絶縁層を形成する化学反応を補助し、加わり、及び/または加速する代わりにスプレー506、508は
図8の絶縁層330を基板512上に堆積された液滴316上に直接形成する。この例において、基板512は、例えば矢印517によって示される方向に、
図8のステージ340を用いて移動される。
図11のスプレー506、508は、次いで符号519で示されるように基板512上に堆積された液滴316に指向される。次いで絶縁層330が図示されるように堆積された液滴316のそれぞれの上に形成する。符号521、523で示されるように、液滴316の後続の層が堆積されると、作用物質504のスプレー506、508はその上にスプレーされて新しい層のそれぞれの堆積された液滴のそれぞれの上に絶縁層330を直接生成する。その結果、例えば
図9から10Bを参照して説明したように絶縁境界336を有するドメイン334を含む材料332が生成される。
【0085】
図12は、
図8のシステム310の1つの例を示しており、符号525で示されるように液滴316が堆積される前に、
図12のスプレー506、508が基板512上にスプレーされてその上に絶縁層を形成する。その後、スプレー506、508は基板512上に堆積された液滴316の後続の層に指向されて、符号527、529に示される絶縁層330を形成してもよい。結果として、例えば
図10A、10Bを参照して上述したように、絶縁境界336を有するドメイン334を含む材料332が生成される。
【0086】
堆積された液滴16上の絶縁層330は、
図8から12の1つ以上を参照して上述されたプロセスのどの組み合わせで形成されてもよい。2つのプロセスが、順にまたは同時に行われてもよい。
【0087】
1つの例において、
図8から12のスプレー506及び/またはスプレー508を形成する作用物質504は、フェライト粉末、フェライト粉末を含む溶液、酸、水、加湿空気または基板の表面上の絶縁層を製造するプロセスに伴うその他どのような適切な作用物質であってもよい。
【0088】
類似の部分が類似の符号を有する
図13におけるシステム310’は、好適には副チャンバー526、528を形成する分離障壁524を有するチャンバー318を含む。分離障壁524は、好適には液滴316、例えば溶融合金344または類似の種類の材料の液滴が副チャンバー526から副チャンバー528へ流動することが可能であるように構成された開口部529を含む。副チャンバー526は、副チャンバー226内で所定の圧力及びガス混合物、例えば実質的に中性のガス混合物を維持するように構成されたガス導入部528及びガス排出部530を含んでもよい。副チャンバー528は、副チャンバー528内で所定の圧力及びガス混合物、例えば実質的に反応性ガス混合物を維持するように構成されたガス導入部530及びガス排出部532を含んでもよい。
【0089】
副チャンバー526内の所定の圧力は、副チャンバー528の所定の圧力よりも高く、副チャンバー526から副チャンバー528へのガスの流動を制限するものであってもよい。1つの例において、副チャンバー526内の実質的に中性のガス混合物は、液滴316が基板512の表面に付着する前に、液滴316の表面上で液滴316とオリフィス322との反応を防ぐために利用されてもよい。副チャンバー528内の実質的に反応性のガス混合物は、基板512及び堆積された液滴316の後続の層との化学反応に加わり、補助し及び/または加速するために導入されて、堆積された液滴316上に絶縁層330を形成してもよい。例えば、
図14における絶縁層330は、液滴316が基板512上に付着した後に堆積された液滴316上で形成されうる。堆積された液滴316は、符号531で示された絶縁層330を生成する化学反応を補助し、加わり及び/または加速する
図13における副チャンバー528内の反応性ガスと反応する。液滴の後続の層が追加されると、副チャンバー528内のガスは液滴316との反応を補助し、加わり及び/または加速して符号533、535に示されるように基板512上に絶縁層330を生成してもよい。次いで、間に絶縁境界336を有するドメイン334を有する材料332が、例えば
図10A、10Bを参照して上述したように形成される。
【0090】
類似の部分が類似の符号を有する
図15のシステム310’’は、好適にはただ1つのチャンバー528を有するチャンバー314を含む。この設計において、液滴316がオリフィス322と基板512の表面510との間の液滴316の移動距離を最小化するように好適に設計されたチャンバー528内へ直接指向される。このことは好適には液滴316の副チャンバー528内の実質的な反応性ガスへの暴露を制限する。システム310’’は
図14のシステム310’に類似したように材料332を生成する。
【0091】
液滴316の堆積プロセスに関して、
図8、9及び11から15のシステム310は、ステージ340の表面320上の基板512をるつぼ314または類似の種類のデバイスから排出された液滴316の流動に対する移動を提供する。システム310はまた、例えば磁力、ガス流動またはその他適切な偏向システムで液滴316の偏向を提供してもよい。そのような偏向は単独でまたはステージ340と組み合わせて用いられてもよい。いずれかの場合、液滴316は実質的に個別の状態で堆積され、すなわち2つの連続した液滴316が堆積において重畳が制限されまたは全くない状態を呈するものであってよい。例として、以下の関係式が、システム310の1つ以上の実施形態に従う個別堆積に対して満足されるものであってよい。
【0093】
ここで、v
lは基板の速度、fは堆積周波数、すなわちるつぼ314からの液滴316の排出周波数、d
sは基板の表面上へ付着した後の液滴によって形成された平板の直径である。
【0094】
液滴316の個別堆積を実施するシステム310の開示された実施形態の1つ以上の態様の例が、
図8、9及び11から15の1つ以上に示される。1つの実施形態において、液滴316の流動に対する基板512の相対移動は制御されて基板の領域に渡る個別堆積が、例えば
図6に示されるように達成されてもよい。以下の関係式は、液滴316の堆積プロセスのこの例に関して用いられてもよい。
【0099】
ここでd
s及びbは液滴316によって生成された第1の層の間隔を表し、m及びnは液滴316の連続する層のそれぞれへのオフセットである。
【0100】
図16に示される例において、
図8、13、15のステージ340上の基板512の移動が制御されてもよく、
図16の行A、B、Cが個別の状態で連続的に堆積される。例えば、行A
1、B
1、C
1は層1として示される第1の層を表し、行A
2、B
2、C
2は層2として示される第2の層を表し、行A
3、B
3、C
3は堆積した液滴316の層3として示される第3の層を表してもよい。
図16に示されたパターンにおいて、層の配置は第3の層のあとはそれ自体を繰り返してもよく、すなわち層3に成長した層は層1と間隔及び位置の点で同一となる。代替的に、層は各第2層後に繰り返してもよい。代替的に、層またはパターンのどのような適切な組み合わせが提供されてもよい。
【0101】
図8、13、15のシステム310は、液滴316の複数の行を同時に堆積してより高い堆積速度を達成するために採用された間隔をあけた複数のオリフィス、例えば
図17の間隔をあけたオリフィス322を有するノズル323を含んでもよい。
図16、17に示されるように、上述の液滴316の堆積プロセスは詳細に上述した、間に絶縁境界を有するドメインを有する材料332となってもよい。
【0102】
図8、13、15を参照して上述したように、溶融合金液滴316をスプレーチャンバー318内へ排出するように構成されたるつぼ314を有する液滴スプレーサブシステム312が示されるが、これは開示された実施形態の必須の限定事項ではない。類似した部分が類似した符号を与えられた
図18のシステム310は、液滴スプレーサブシステム312’を含んでもよい。この例において、液滴スプレーサブシステム312’は好適には溶融合金液滴316を生成し溶融合金液滴316をスプレーチャンバー318内部の表面320に向かって指向するワイヤーアーク液滴スプレーサブシステム550を含む。ワイヤーアーク液滴スプレーサブシステム550はまた好適には正のワイヤーアークワイヤー554及び負のアークワイヤー556を収容するチャンバー552を含む。合金558は、アークワイヤー554、556のそれぞれの中に配置されてもよい。1つの態様において、基板512の方向へスプレーされる液滴316を生成するのに用いられる合金558は、非常に少量の炭素、硫黄及び窒素成分(例えば約0.005%よりも少ない)を有する大部分が鉄からなる(例えば約98%より多い)ものであってもよく、この例において、良好な磁気特性を達成するためにSiであるような残りの成分とともに、わずかな量のAl及びCr(例えば約1%より少ない)を含んでもよい。冶金学的成分は絶縁境界を有するドメインを有する材料の最終特性の改善を提供するために変更されてもよい。1つ以上のガス562、564、例えば雰囲気の空気、アルゴン、及び類似のものを導入するように構成され、チャンバー552及びチャンバー318の内部にガス568を生成するノズル560が示されている。好適には、圧力制御バルブ566は、チャンバー552内へ入る1つ以上のガス562、564の流動を制御する。
【0103】
動作時には、正のアークワイヤー554及び負のアークワイヤー556に印加される電圧が、合金558がチャンバー318の内部の表面320に向けて指向される溶融合金液滴316を形成させるアーク570を生成する。1つの例において、約18ボルトから48ボルトの間の電圧および約15から400アンペアの電流が正のアークワイヤー554及び負のアークワイヤー556に印加されて液滴316の連続的なワイヤーアークスプレープロセスを提供してもよい。堆積された溶融液滴316は、表面上で
図19、20にも示されるように周囲のガス568と反応して、堆積された液滴316上に非導電性表面層を成長させてもよい。この層は、絶縁境界を有するドメインを有する
図10A、10Bの材料332の内部の渦電流損失を抑制する役割を果たすものであってよい。例えば、周囲のガス568は大気の空気であってもよい。この場合、酸化物層が鉄液滴316上に形成してもよい。これらの酸化物層は、いくつかの化学種、例えばFeO、Fe
2O
3、Fe
3O
4及び類似のものを含む化学種を含んでもよい。これらの化学種のうち、FeO及びFe
2O
3は純鉄よりも8から9桁高い抵抗率を有しうる。対照的に、Fe
3O
4の抵抗率は鉄よりも2から3桁高いものでありうる。他の反応性ガスもまた表面上に他の高い抵抗率の化学種を生成するのに用いられてもよい。より高い抵抗率、例えばラッカーまたはエナメルを誘導する金属スプレープロセスにおいて、同時にまたは個別に、例えば
図8、9及び11から15の1つ以上を参照して上述したように絶縁作用物質が共スプレーされてもよい。共スプレーは、表面反応を誘導または触媒してもよい。
【0104】
他の例において、類似の部分が類似の符号を与えられた
図19のシステム310’’’は液滴スプレーサブシステム312’’を含む。サブシステム312’’は、溶融合金液滴316を生成し溶融合金液滴316を表面320の方向へ指向するワイヤーアーク堆積サブシステム550’を含む。この例において、液滴スプレーサブシステム312’’は、
図18のチャンバー552及びチャンバ―318を含まない。その代わりに、
図19のノズル560は、ガス568を生成する1つ以上のガス562、564を正のアークワイヤー554及び負のアークワイヤー556に近接する領域に導入するように構成される。ガス568は、液滴316を表面514の方向へ押し出す。次いで作用物質504のスプレー506及び/またはスプレー508は、その上に堆積された液滴316を有する基板512の表面412の上または上方に、例えば上述したものと類似のスプレーノズル513を用いて指向される。この設計において、シュラウド、例えばシュラウド523が、作用物質504のスプレー506及び/またはスプレー508並びに基板512上に堆積された液滴316を取り囲んでもよい。
【0105】
類似の部分は類似の符号が与えられた
図20におけるシステム310’’’は、ワイヤーアークスプレーサブシステム550’’が、溶融合金液滴316のより高いスプレー堆積速度を達成するために同時に用いられうる複数の正のアークワイヤー554、負のアークワイヤー556及びノズル560を含むことを除いて、
図19のシステム310’’に類似する。ワイヤーアーク254、256及び類似の堆積デバイスは、異なる方向に提供されて絶縁境界のドメインを有する材料を形成するものであってよい。作用物質504のスプレー506及び/またはスプレー508は、
図19を参照して上述したものと類似して基板512の表面514上またはその上方に指向される。ここで、シュラウド、例えばシュラウド523が、作用物質504のスプレー506及び/またはスプレー508並びに基板512上に堆積された液滴316を取り囲んでもよい。
【0106】
他の例において、
図8から19の1つ以上に示された液滴スプレーサブシステム312は、プラズマスプレー液滴堆積サブシステム、デトネーションスプレー液滴堆積サブシステム、火炎スプレー液滴堆積サブシステム、高速酸素燃料スプレー(HVOF)液滴堆積サブシステム、高温スプレー液滴堆積サブシステム、冷間スプレー液滴堆積サブシステム及びワイヤーアーク液滴堆積サブシステムの1つ以上を含んでもよく、それぞれは金属合金液滴を形成し、溶融合金液滴を表面320の方向へ指向するように構成される。
【0107】
図19、20のワイヤーアーク液滴堆積サブシステム550は、以下のスプレーパラメータ、ワイヤー速度、ガス圧力、シュラウドガス圧力、スプレー距離、電圧、電流、基板の移動速度及び/またはアークツールの移動速度の1つ以上を制御し、補助することによって絶縁境界を形成しうる。以下のプロセス選択の1つ以上もまた絶縁境界を有するドメインを有する材料の改善された構造及び特性を達成するために最適化されてもよい。ワイヤーの組成、シュラウドガス/気体の組成、気体及び/または基板の事前加熱または冷却、基板及び/または部品のプロセス中の冷却及び/または加熱。2つ以上のガスの組み合わせがプロセスの結果を向上するために圧力制御に加えて採用されてもよい。
【0108】
図8、13、15、18、19、20の液滴スプレーサブシステム312は、部品の品質を改善し、スプレー時間を低減し、プロセスの経済性を改善することができるように単一または複数のロボティックアーム及び/または機械的構成要素の上に搭載されてもよい。サブシステムは、液滴316を同一の近接した場所に同時にスプレーしてもよく、スプレーが順に特定の位置となるように互い違いとされてもよい。液滴スプレーサブシステム312は、以下のスプレーパラメータ、ワイヤー速度、ガス圧力、シュラウドガス圧力、スプレー距離、電圧、電流、基板移動速度及び/またはアークツールの移動速度の1つ以上を制御することによって制御されまたは促進されてもよい。
【0109】
上述の開示された実施形態のどの態様においても、絶縁境界を有するドメインを有する形成された材料の磁気特性及び電気特性の全体は絶縁材料の特性を調整することによって改善されうる。絶縁材料の透磁率及び抵抗はネット特性に顕著な影響を及ぼす。絶縁境界を有するドメインを有するネット材料の特性は、そのため追加的な作用物質によって改善されてもよく、または絶縁特性を改善する反応の導入、例えば酸化鉄系絶縁被覆内のMn、Znスピネル形成の促進が材料の等時性全体を顕著に改善しうる。
【0110】
従ってさらに、システム10、システム310及びその方法は飛翔中または堆積された液滴上に絶縁層を形成して絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する。他の開示された実施形態において、
図21のシステム610及びその方法は、絶縁材料で被覆された金属粒子を含む金属粉末をチャンバー内に導入して絶縁層を部分的に溶融することによって、絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する。次いで調整された粒子はステージに指向されて絶縁境界を有するドメインを有する材料を形成する。システム610は燃焼チャンバー612及びガス616をチャンバー612内に導入するガス導入部614を含む。燃料導入部618は、燃料620をチャンバー612内に導入する。燃料620は灯油、天然ガス、ブタン、プロパン及び類似のような燃料であってよい。ガス616は、純粋な酸素、混合空気または類似の種類のガスであってよい。その結果、可燃混合物がチャンバー612内に生じる。点火器622は燃料及びガスの可燃混合物に点火して燃焼チャンバー612内に所定の温度及び圧力を発生させる。点火器622はスパークプラグまたは類似の種類のデバイスであってよい。結果的に発生する燃焼は燃焼チャンバー612内の温度及び圧力を増加させ、燃焼生成物は排出部624を介してチャンバー612の外部へ押し出される。一度燃焼プロセスが有効な状態に到達すると、すなわち燃焼チャンバー内の温度及び圧力が例えば約1500Kの温度及び約1MPaの圧力に達して安定すると、金属粉末624は導入部626を介して燃焼チャンバー612内に導入される。金属粉末624は好適には絶縁材料で被覆された金属粒子626からなる。符号630で示されるように、金属粉末624の粒子626は、鉄や類似の種類の材料のような軟磁性材料からなる内部コア632及び好適にはアルミナ、マグネシア、ジルコニア及び類似のようなセラミック系材料からなる電気的に絶縁性の材料からなる外層634を含み、その結果外層634は高い融点を有するようになる。1つの例において、絶縁材料634で被覆された内部コア632を有する金属粒子626からなる金属粉末624は、機械的なプロセス(メカノフュージョン)または化学的なプロセス(ソフトジェル)によって製造されてもよい。代替的に、絶縁層634は例えばアニーリングのような加熱温度を妨げまたは制限することによる高い反応性透磁率のために、磁気特性を改善することができるフェライト型材料に基づくことができる。
【0111】
金属粉末624があらかじめ調整された燃焼チャンバー612内に導入されると、金属粉末624の粒子626は、チャンバー612内の高温のために軟化し、部分的に溶融し、チャンバー612内に調整された液滴638を形成する。好適には、調整された液滴638は軟磁性材料からなる軟化した及び/または部分的に溶融した内部コア632及び電気的に絶縁性の材料からなる固体外層634を有する。調整された液滴638は次いで加速され、燃焼ガス及び調整された液滴638の両方を含む流動640として排出部624から排出される。符号642で示されるように、流動640内の液滴638は好適には完全に固体の外層634及び軟化した及び/または部分的に溶融した内部コア632を有する。調整された液滴638を搬送する流動640は、ステージ644に指向される。流動640は好適には所定の速度、例えば約350m/sで進んでいる。調整された液滴638は次いでステージ644に衝突し、接着してその上に絶縁境界を有するドメインを有する材料648を形成する。符号650は、電気的に絶縁性の境界652を有する軟磁性材料のドメイン650を有する材料648のさらに詳細な一例を示している。
【0112】
図22Aは間に絶縁境界652を有するドメイン650を含む材料48の例を示している。1つの例において、材料648は、図示されるように実質的に完全に形成された隣接するドメイン650の間に境界652を含む。他の例において、
図22Bの材料648は、図示されるように隣接するドメイン50の間に不連続部を有する境界652’を含んでもよい。
図22A、22Bの材料648は、渦電流損失を低減し、隣接するドメイン650の間の不連続な境界652は材料648の機械的特性を改善する。その結果、材料648は合金の高い透磁率、低い保磁力及び高い飽和インダクションを保持する。境界652は隣接するドメイン650の間の導電率を制限する。材料648はその透磁率、保磁力及び飽和特性のために、好適には優れた磁力経路を提供する。材料648の制限された導電性は、モーターの回転時の磁場の急速な変化に関連する渦電流損失を最小化する。システム610及びその方法は、単一のステップ、時間及び金額を省く完全に自動化されたプロセスであってもよく、実質的に廃棄物を発生させないものである。
【0113】
図1から22Bの1つ以上に示されたシステム10、310、610は金属材料44、344、558、624及び絶縁材料源26、64、504、634からのバルク材料32、332、512、648の形成を提供し、金属材料および絶縁材料はどのような適切な金属または絶縁材料であってもよい。バルク材料を形成するためのシステム10、310、610は例えばバルク材料を支持するように構成された支持部40、320、644を含む。支持部40、320、644は図示されるように平らな表面を有してもよく、または代替的にどのような適切な形状の表面を有してもよく、例えば、バルク材料が形状に合致するのに望ましいものであってよい。システム10、310、610はまた加熱デバイス、例えば42、254、256、342、554、556、612、堆積デバイス、例えば堆積デバイス22、270、322、570、624及び被覆デバイス、例えば被覆デバイス24、263、500、502もまた含む。堆積デバイスは、どのような適切な堆積デバイスであってもよく、例えば、圧力、場、振動、圧電、ピストン及びオリフィスによるもの、背圧または差圧によるもの、排出またはその他のどのような適切な方法であってもよい。加熱デバイスは金属材料を軟化または溶融状態まで加熱する。加熱デバイスは、電気的加熱素子、誘導、燃焼またはどのような適切な加熱方法によるものであってもよい。被覆デバイスは、金属材料を絶縁材料で被覆する。被覆デバイスは、直接印加、ガス、固体または液体との化学反応、反応性気体、機械的拡散、ゾルゲル、スプレー被覆、スプレー反応またはどのような適した被覆デバイス、方法、またはその組み合わせによるものであってもよい。堆積デバイスは軟化または溶融状態の金属材料の粒子をバルク材料を形成する支持部上に堆積する。被覆は単一または多層被覆であってもよい。1つの態様において、絶縁材料源は反応性化学源であってもよく、堆積デバイスは軟化または溶融状態の金属材料の粒子を堆積経路16、316、640内の支持部上に堆積し、絶縁境界が、被覆デバイスによって堆積経路における反応性化学源の化学反応から金属材料上に形成される。他の態様において、絶縁材料源は反応性化学源であってもよく、絶縁境界が、堆積デバイスが軟化または溶融状態の金属材料の粒子を支持部上に堆積した後に被覆デバイスによって反応性化学源の化学反応から金属材料上に形成される。他の態様において、絶縁材料源は反応性化学源であってもよく、被覆デバイスは、金属材料34、334、642を粒子表面における反応性化学源の化学反応から絶縁境界36、336、652を形成する絶縁材料で被覆する。他の態様において、堆積デバイスは、均一液滴スプレー堆積デバイスであってもよい。他の態様において、絶縁材料源は、反応性化学源であってもよく、被覆デバイスは金属材料を反応性気体中の反応性化学源の化学反応から形成された絶縁境界を形成する絶縁材料で被覆する。絶縁材料源は、反応性化学源及び作用物質であってもよく、被覆デバイスは、金属材料を作用物質の共スプレーによって誘導された反応性気体中の反応性化学源の化学反応から形成された絶縁境界を形成する絶縁材料で被覆する。被覆デバイスは、金属材料を絶縁材料の共スプレーから形成された絶縁境界を形成する絶縁材料で被覆してもよい。さらに、被覆デバイスは、金属材料を絶縁材料源からの化学反応及び被覆から形成された絶縁境界を形成する絶縁材料で被覆してもよい。ここで、バルク材料は絶縁材料から形成された絶縁境界36、336、652を有する金属材料から形成されたドメイン34、334、650を有する。軟化状態は、金属材料の融点より低い温度におけるものであってもよく、被覆デバイスが金属材料を絶縁材料で被覆する間に同時に堆積デバイスが粒子を堆積してもよい。代替的に、堆積デバイスが粒子を堆積した後に、被覆デバイスが金属材料を絶縁材料で被覆してもよい。開示された実施形態の1つの態様において、システムは軟磁性バルク材料32、332、512、648を磁性体材料44、344、558、624及び絶縁材料源26、64、504、634から形成するために提供されてもよい。軟磁性バルク材料を形成するためのシステムは、軟磁性バルク材料を支持するように構成された支持部40、320、644を有してもよい。加熱デバイス42、254、256、342、554、556、612及び堆積デバイス22、270、322、570、612は支持部に結合されてもよい。加熱デバイスは磁性体材料を軟化状態まで加熱し、堆積デバイスは軟化状態の磁性体材料の粒子16、316、638を支持部上に堆積して軟磁性バルク材料を形成し、軟磁性バルク材料は、絶縁材料源から形成された絶縁境界36、336、652を有する磁性体材料から形成されたドメイン34、334、650を有する。ここで、軟化状態は磁性体材料の融点より高い温度でも低い温度であってもよい。
【0114】
ここで
図23A、23Bを参照すると、バルク材料700の断面の1つの例が示される。バルク材料700は、軟磁性材料であってもよく、上述の特徴、例えば材料32、332、512、648またはそれ以外に関する特徴を有してもよい。例として、軟磁性材料は低い保磁力、高い透磁率、高い飽和フラックス、低い渦電流損失、低いネット鉄損という特性または強磁性、鉄、電気鋼またはその他の適切な材料の特性を有してもよい。対照的に、硬質磁性体材料は高い保磁力、高い飽和フラックス、高いネット鉄損を有し、または磁石または永久磁石またはその他の適切な材料の特性を有する。
図23A、23Bはまたスプレー堆積されたバルク材料の断面、例えば
図16に示されるような多層材料の断面を示す。ここで、
図23A、23Bのバルク材料700は、表面702上に形成されることが示されている。バルク材料700は金属材料の複数の接着されたドメイン710を有し、金属材料の複数のドメインの実質的にすべてのドメインは高い抵抗率の絶縁材料712の所定の層によって離隔されている。金属材料は、どのような適切な金属材料であってもよい。金属材料の複数のドメインの第1の部分714は、表面702に対応する形成された表面716を形成することが示されている。金属材料の複数のドメイン710の第2の部分718は、第1の部分714から成長した金属材料の連続的なドメイン、例えばドメイン720、722を有することが示されている。第1の表面730及び第2の表面732を有する金属材料の連続的なドメイン720、722・・・における実質的にすべてのドメインは、それぞれ第1の表面が第2の表面に対向し、第2の表面が金属材料のドメインの形状に合致した形状であり、第2の表面は例えば第1の表面730及び第2の表面732の間の矢印733によって示されるようにそこから成長する。金属材料の連続的なドメインにおけるドメインの大部分は、実質的に凸状の表面である第1の表面及び1つ以上の実質的に凹状の表面を有する第2の表面を有する。高い抵抗率の絶縁材料の層は、どのような電気的に絶縁性の材料であってもよい。例えば、1つの態様においてこの層は約1×10
3Ωmよりも大きな抵抗率を有する材料から選択されてもよい。他の態様において、電気的に絶縁性の層または被覆はアルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、マグネシア、チタニアまたはその他の適切な高い電気抵抗率の材料のような高い電気抵抗率を有してもよい。他の態様において、この層は約1×10
8Ωmよりも大きな抵抗率を有する材料から選択されてもよい。高い抵抗率の絶縁材料の層は、例えば開示されているように実質的に均一な選択可能な厚さを有してもよい。金属材料はまた強磁性体材料であってもよい。1つの態様において、高い抵抗率の絶縁材料の層はセラミックであってもよい。ここで、第1の表面及び第2の表面はドメインの表面全体を形成してもよい。第1の表面は第1の部分から実質的に均一な方向に成長したものであってもよい。バルク材料700は表面702上に形成された軟磁性バルク材料であってもよく、軟磁性バルク材料は磁性体材料の複数のドメイン710を有し、磁性体材料の複数のドメインのそれぞれのドメインは高い抵抗率の絶縁材料712の選択可能な被覆によって実質的に離隔される。磁性体材料の複数のドメインの第2の部分718は第1の部分714から成長した磁性体材料の連続的なドメイン720、722・・・を有する一方で、磁性体材料の複数のドメインの第1の部分714が表面702に対応する形成された表面716を形成してもよい。磁性体材料の連続的なドメインにおける実質的にすべてのドメインは第1の表面730及び第2の表面732を有し、第1の表面は実質的に凸状の表面を有し、第2の表面は1つ以上の実質的に凹状の表面を有する。他の態様において、ボイド740が
図23Bに示される材料700内に存在してもよい。ここで、磁性体材料は強磁性体材料であってもよく、高い抵抗率の絶縁材料の選択的な被覆はセラミックであってもよく、第2の表面に実質的に対向する第1の表面を有し、第1の表面は第1の表面714から実質的に均一な方向741に成長する。
【0115】
図24から36に関して説明されるように、電力源に接続されうる電気的デバイスが示される。それぞれの場合において、電気的デバイスは本明細書で開示されたような材料を有する軟磁性コア及び軟磁性コアに結合され軟磁性コアの一部を取り囲む巻線を有し、巻線は電源に接続される。代替的な態様において、本明細書において開示されるような材料を有するコアまたは軟磁性コアを有するどのような適切な電気的デバイスが提供されてもよい。例えば、また開示されるように、コアは磁性体材料の複数のドメインを有してもよく、磁性体材料の複数のドメインのそれぞれのドメインは高い抵抗率の絶縁材料の層によって実質的に離隔されている。磁性体材料の複数のドメインは軟磁性コアを通して成長した磁性体材料の連続的なドメインを有し、磁性体材料の実質的に全ての連続的なドメインは第1及び第2の表面を有し、第1の表面は実質的に凸状の表面を含み、第2の表面は1つ以上の実質的に凹状の表面を含む。ここで、また開示されるように、第2の表面は金属材料のドメインの形状に合致した形状であり、第2の表面は、そこから連続しており、金属材料の連続的なドメインの大部分のドメインは、実質的に凸状の表面を含む第1の表面及び1つ以上の実質的に凹状の表面を含む第2の表面を有する。例として、電気的デバイスは電源に結合された電気的モーターであってよく、電気的モーターは回転子を有するフレーム及びフレームに結合された固定子を有する。ここで、回転子または固定子のいずれかは電源に接続された巻線及び軟磁性コアを有し、巻線は軟磁性コアの一部に巻かれている。軟磁性コアは、磁性体材料の複数のドメインを有してもよく、磁性体材料の複数のドメインのそれぞれのドメインは、本明細書で開示されるように高い抵抗率の絶縁材料の層によって実質的に離隔される。代替的な態様において、本明細書で開示されるような材料を有する軟磁性コアを有するどのような適切な電気的デバイスが提供されてもよい。
【0116】
ここで
図24を参照すると、ブラシレスモーター800の分解等角図が示される。モーター800は回転子802、固定子804及びハウジング806を有して示される。ハウジング806は位置センサまたはホール素子808を有してもよい。固定子804は巻線810及び固定子コア812を有してもよい。回転子802は回転子コア814及び磁石816を有してもよい。開示された実施形態において、固定子コア812及び/または回転子コア814は上述の絶縁ドメイン及びその方法を有する上述の材料および方法から形成されてもよい。ここで、固定子コア812及び/または回転子コア814は、材料32、332、512、648、700のようなバルク材料から完全にまたは部分的に形成されてもよく、上述のように材料は絶縁境界を有する高い透磁率を有する材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料である。開示された実施形態の代替的な態様において、モーター800のどの部分もそのような材料から形成されてもよく、モーター800は絶縁境界を有する高い透磁率の磁性体材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料から形成されたどのような構成要素または構成要素の一部として用いるどのような適切な電気的モーターまたはデバイスであってもよい。
【0117】
ここで
図25を参照すると、ブラシレスモーター820の概略図が示される。モーター820は回転子822、固定子824及び基部826を有して示される。モーター820はまた誘導モーター、ステッパーモーターまたは類似の種類のモーターであってもよい。ハウジング827は位置センサまたはホール素子828を有してもよい。固定子824は巻線830及び固定子コア832を有してもよい。回転子822は回転子コア834及び磁石836を有してもよい。開示された実施形態において、固定子コア832及び/または回転子コア834は開示された材料から及び/または上述の方法によって製造されてもよい。ここで、固定子コア832及び/または回転子コア834は、材料32、332、512、648、700のようなバルク材料から完全にまたは部分的に製造されてもよく、上述のように材料は絶縁境界を有する高い透磁率の材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料である。代替的な態様において、モーター820のどの部分も、そのような材料から形成されてもよく、モーター820は絶縁境界を有する高い透磁率の磁性体材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料から形成されたどのような構成要素または構成要素の一部として用いるどのような適切な電気モーターまたはデバイスであってもよい。
【0118】
ここで
図26Aを参照すると、リニアモーター850の概略図が示されている。リニアモーター850は1次側852及び2次側854を有する。1次側852は1次コア862及び巻線856、858、860を有する。2次側854は2次プレート864及び永久磁石866を有する。開示された実施形態において、1次コア862及び/または2次プレート864は、本明細書で開示された材料から及び/または開示された方法によって製造されてもよい。ここで、1次コア862及び/または2次プレート864は、材料32、332、512、648、700のようなバルク材料から完全にまたは部分的に製造されてもよく、本明細書に開示されるように材料は絶縁境界を有する高い透磁率の材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料である。代替的な態様において、モーター850のどの部分も、そのような材料から形成されてもよく、モーター850は絶縁境界を有する高い透磁率の磁性体材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料から製造されたどのような構成要素または構成要素の一部として用いるどのような適切な電気的モーターまたはデバイスであってもよい。
【0119】
ここで
図26Bを参照すると、リニアモーター870の概略図が示されている。リニアモーター870は、1次側872及び2次側874を有する。1次側872は、1次コア882、永久磁石886及び巻線876、878、880を有する。2次側874は、歯付き2次プレート884を有する。開示された実施形態において、1次コア882及び/または2次プレート884は、本明細書で開示された材料から及び/または開示された方法によって製造されてもよい。ここで、1次コア882及び/または2次プレート884は、材料32、332、512、648、700のようなバルク材料から完全にまたは部分的に製造されてもよく、本明細書で開示されるように材料は絶縁境界を有する高い透磁率の材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料である。代替的な態様において、モーター870のどの部分もそのような材料から形成されてもよく、モーター870は絶縁境界を有する高い透磁率の磁性体材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料から製造されるどのような構成要素または構成要素の一部として用いるどのような適切な電気的モーターまたはデバイスであってもよい。
【0120】
ここで
図27を参照すると、発電機890の分解等角図が示される。発電機またはオルタネーター890は回転子892、固定子894及びフレーム又はハウジング896を有して示される。ハウジング896はブラシ898を有してもよい。固定子894は巻線900及び固定子コア902を有してもよい。回転子892は回転子コア895及び巻線906を有してもよい。開示された実施形態において、固定子コア902及び/または回転子コア895は開示された材料から及び/または開示された方法によって製造されてもよい。ここで、固定子コア902及び/または回転子コア904は材料32、332、512、648、700のようなバルク材料から完全にまたは部分的に製造されてもよく、開示されるように材料は絶縁境界を有する高い透磁率の材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料である。代替的な態様において、オルタネーター890のどの部分もそのような材料から形成されてもよく、オルタネーター890は絶縁境界を有する高い透磁率の磁性体材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料から製造されたどのような構成要素または構成要素の一部として用いるどのような適切な発電機、オルタネーターまたはデバイスであってもよい。
【0121】
ここで
図28を参照すると、ステッピングモーター910の切断等角図が示されている。モーター910は、回転子912、固定子914及びハウジング916を有して示される。ハウジング916はベアリング918を有してもよい。固定子914は巻線920及び固定子コア922を有してもよい。回転子912は回転子カップ924及び永久磁石926を有してもよい。開示された実施形態において、固定子コア922及び/または回転子カップ924は開示された材料から及び/または開示された方法によって製造されてもよい。ここで、固定子コア922及び/または回転子カップ924は材料32、332、512、648、700のようなバルク材料から完全にまたは部分的に製造されてもよく、開示されるように材料は絶縁境界を有する高い透磁率の材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料である。代替的な態様において、モーター890のどの部分もそのような材料から形成されてもよく、モーター890は絶縁境界を有する高い透磁率の磁性体材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料から製造されたどのような構成要素または構成要素の一部として用いるどのような適切な電気的モーターまたはデバイスであってもよい。
【0122】
ここで
図29を参照すると、ACモーター930の分解等角図が示される。モーター930は、回転子932、固定子934及びハウジング936を有して示される。ハウジング936はベアリング938を有してもよい。固定子934は巻線940及び固定子コア942を有してもよい。回転子932は回転子コア944及び巻線946を有してもよい。開示された実施形態において、固定子コア942及び/または回転子コア944は開示された材料から及び/または開示された方法により製造されてもよい。ここで、固定子コア942及び/または回転子コア944は材料32、332、512、648、700のようなバルク材料から完全にまたは部分的に製造されてもよく、開示されるように材料は絶縁境界を有する高い透磁率の材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料である。開示された実施形態の代替的な態様において、モーター930のどの部分もそのような材料から形成されてもよく、モーター930は絶縁境界を有する高い透磁率の磁性体材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料から製造されたどの構成要素または構成要素の一部として用いるどのような適切な電気的モーターまたはデバイスであってもよい。
【0123】
ここで
図30を参照すると、音響スピーカー950の切断等角図が示される。スピーカー950はフレーム952、コーン954、磁石956、巻線またはボイスコイル958及びコア960を有して示される。ここで、コア960は材料32、332、512、648、700のようなバルク材料から完全にまたは部分的に製造されてもよく、開示されるように材料は絶縁境界を有する高い透磁率の材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料である。代替的な態様において、スピーカー950のどの部分もそのような材料から形成されてもよく、スピーカー950は絶縁境界を有する高い透磁率の磁性体材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料から製造されたどのような構成要素または構成要素の一部として用いるどのような適切なスピーカーまたはデバイスであってもよい。
【0124】
ここで
図31を参照すると、トランス970の等角図が示されている。トランス970は、コア972及びコイルまたは巻線974を有して示されている。ここで、コア972は材料32、332、512、648、700のようなバルク材料から完全にまたは部分的に製造されてもよく、開示されるように材料は絶縁境界を有する高い透磁率の材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料である。開示された実施形態の代替的な提要において、トランス970のどの部分もそのような材料から形成されてもよく、トランス970は絶縁境界を有する高い透磁率の磁性体材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料から製造されたどのような構成要素または構成要素の一部として用いるどのような適切なトランスまたはデバイスであってもよい。
【0125】
ここで
図32及び33を参照すると、電力トランス980の切断等角図が示される。トランス980はオイルで満たされたハウジング982、ラジエータ984、コア986及びコイルまたは巻線988を有して示される。ここで、コア986は材料32、332、512、648、700のようなバルク材料から完全にまたは部分的に製造されてもよく、説明されるように材料は絶縁境界を有する高い透磁率の材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料である。開示された実施形態の代替的な態様において、トランス980のどの部分もそのような材料から形成されてもよく、トランス980は絶縁境界を有する高い透磁率の磁性体材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料から製造されたどのような構成要素または構成要素の一部として用いるどのような適切なトランスまたはデバイスであってもよい。
【0126】
ここで
図34を参照すると、ソレノイド1000の概略図が示される。ソレノイド1000は、プランジャー1002、コイルまたは巻線1004及びコア1006を有して示される。ここで、コア1006及び/またはプランジャー1002は材料32、332、512、648、700のようなバルク材料から完全にまたは部分的に製造されてもよく、説明されるように材料は絶縁境界を有する高い透磁率の材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料である。開示された実施形態の代替的な態様において、ソレノイド1000のどの部分もそのような材料から形成されてもよく、ソレノイド1000は絶縁境界を有する高い透磁率の磁性体材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料から製造されたどのような構成要素または構成要素の一部として用いるどのような適切なソレノイドまたはデバイスであってもよい。
【0127】
ここで
図35を参照すると、インダクター1020の概略図が示される。インダクター1020は、コイルまたは巻線1024及びコア1026を有して示される。ここで、コア1026は材料32、332、512、648、700のようなバルク材料から完全にまたは部分的に製造されてもよく、説明されるように材料は絶縁境界を有する高い透磁率の材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料である。開示された実施形態の代替的な態様において、インダクター1020のどの部分もそのような材料から製造されてもよく、インダクター1020は絶縁境界を有する高い透磁率の磁性体材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料から製造されたどのような構成要素または構成要素の一部として用いるどのような適切なインダクターまたはデバイスであってもよい。
【0128】
図36はリレーまたはコンタクター1030の概略図である。リレー1030はコア1032、コイルまたは巻線1034、バネ1036、接極子1038及び接点1040を有して示される。ここで、コア1032及び/または接極子1038は材料32、332、512、648、700のようなバルク材料から完全にまたは部分的に製造されてもよく、説明されるように材料は絶縁境界を有する高い透磁率の材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料である。開示された実施形態の代替的な態様において、リレー1030のどの部分もそのような材料から形成されてもよく、リレー1030は絶縁境界を有する高い透磁率の磁性体材料のドメインを有する高い透磁率の磁性体材料から製造されたどのような構成要素または構成要素の一部として用いるどのような適切なリレーまたはデバイスであってもよい。
【0129】
開示された実施形態の特定の特徴がいくつかの図面に示され、他には示されていないが、これは単に便宜上、それぞれの特徴が本発明に従う任意のまたはすべての他の特徴と組み合わされてもよいものとしているだけである。本明細書で用いられるように、「含む」、「備える」、「有する」及び「有して」という語は幅広く総合的に解釈されるべきであり、どのような物理的な相互接続にも制限されない。さらに、対象とする応用例で開示されたどのような実施形態も、単にありうる実施形態としてとらえるべきではない。
【0130】
さらに、本特許出願の審査においてなされるどのような補正も、出願された際の特許出願において存在するどの請求項の構成要素の否認でもない。当業者であれば全てのありうる等価物を文字通り包含する請求項を記載することを合理的に予期されることはできず、多くの等価物が補正の時点では予見不可能であり、(どのようなものであれ)放棄されるべきであるものの公正な解釈を超えるものであり、補正の根拠は多くの等価物に対して関連のない関係以上のものを負わないものでありえ、及び/または出願人が補正されたどの請求項の構成要素に関する特定の実質的でない代替物を説明することを予期できない多くの他の理由が存在する。
【0131】
その他の実施形態が当業者によってなされ、それらは以下の特許請求の範囲内にある。