特許第6062446号(P6062446)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6062446注入可能食品の封止済みパッケージを移送するための移送デバイスおよび転倒した封止済みパッケージを移送デバイスから除去する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062446
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】注入可能食品の封止済みパッケージを移送するための移送デバイスおよび転倒した封止済みパッケージを移送デバイスから除去する方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/256 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
   B65G47/256
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-537534(P2014-537534)
(86)(22)【出願日】2012年9月5日
(65)【公表番号】特表2014-534936(P2014-534936A)
(43)【公表日】2014年12月25日
(86)【国際出願番号】EP2012067246
(87)【国際公開番号】WO2013064292
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2015年7月17日
(31)【優先権主張番号】11187352.7
(32)【優先日】2011年10月31日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593205554
【氏名又は名称】テトラ・ラヴァル・ホールディングス・アンド・ファイナンス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】TETRA LAVAL HOLDINGS & FINANCE S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ペドレッティ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・カッテラーニ
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭43−004334(JP,Y1)
【文献】 特開2011−140350(JP,A)
【文献】 特開2001−019144(JP,A)
【文献】 特開2010−168071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00−47/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入可能食品の封止済みパッケージ(2)を移送するための移送デバイス(1)であって、
少なくとも部分的に湾曲した経路(P)に沿って前記パッケージ(2)を搬送するための輸送手段(5)を備える移送デバイスにおいて、
前記経路(P)の一方の側に配置され、使用時に前記経路(P)に沿って転倒した前記パッケージ(2)の排出を可能にするように構成された、貫通開口(20)と、
固定フレーム(3)と、
前記フレーム(3)に対して前記輸送手段(5)を支持するための支持手段(33)と、
を備え、
前記支持手段(33)は、第1の軸(A)の周囲に延在し、前記第1の軸(A)を中心として回転し得る、および前記経路(P)の曲線部分に沿って前記輸送手段(5)の前記パッケージ(2)を搬送する作業ブランチ(10)と協働する、少なくとも1のディスク(8)を備え、
前記第1のディスク(8)は、前記開口(20)と同軸であり、前記開口(20)を囲む、第1の貫通ボア(39)を備えることを特徴とする、移送デバイス。
【請求項2】
前記開口(20)の少なくとも一部を画成する定置される中空の第1の本体(60)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の移送デバイス。
【請求項3】
前記支持手段(33)は、前記フレーム(3)に対しておよび前記第1の軸(A)を中心として前記少なくとも1つの第1のディスク(8)を回転自在に支持するための軸受手段(35)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の移送デバイス。
【請求項4】
前記軸受手段(35)は、前記軸(A)から径方向に離間されかつ前記軸(A)を囲む複数の第2の軸(B)の周囲に各別に延在する複数の軸受要素(35)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の移送デバイス。
【請求項5】
各前記軸受要素(35)は、
− 前記フレーム(3)に対して取り付けられる少なくとも1つの定置本体(36)と、
− 前記第2の軸(B)を中心として前記定置本体(36)の周囲で回転可能であり、前記第1のディスク(8)の第1の径方向内方端部(47)により画成される第1の突出部と協働する第1の溝(40)を備える、第1のローラ(37)と、
を備えることを特徴とする、請求項4に記載の移送デバイス。
【請求項6】
前記支持手段(33)は、軸方向において前記第1のディスク(8)に対して対向側に位置し、前記第1のディスク(8)に対して反対方向に前記第1の軸(A)を中心として回転可能である、第2のディスク(9)をさらに備え、
前記第2のディスク(9)は、前記経路(P)の前記曲線部分に沿って、前記作業ブランチ(10)と共にループ状の前記輸送手段(5)を形成する前記輸送手段(5)の戻りブランチ(11)と協働し、前記第2のディスク(9)は、前記開口(20)と同軸であり、前記開口(20)を囲む、第2の貫通ボア(39)を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の移送デバイス。
【請求項7】
前記支持手段(33)は、軸方向において前記第1のディスク(8)に対して対向側に位置し、前記第1のディスク(8)に対して反対方向に前記第1の軸(A)を中心として回転可能である、第2のディスク(9)をさらに備え、
前記第2のディスク(9)は、前記経路(P)の前記曲線部分に沿って、前記作業ブランチ(10)と共にループ状の前記輸送手段(5)を形成する戻りブランチ(11)と協働し、前記第2のディスク(9)は、前記開口(20)と同軸であり、前記開口(20)を囲む、第2の貫通ボア(39)を備え、
各前記軸受要素(35)は、前記第2の軸(B)を中心として前記フレーム(3)に対して回転可能であり、前記第2のディスク(9)の第2の径方向内方端部(47)により画成される第2の突出部と協働する第2の溝(40)を備える、第2のローラ(38)を備えることを特徴とする、請求項4または5に記載の移送デバイス。
【請求項8】
前記軸(A)を中心として回転し、前記開口(20)の入口端部(58)を画成し得る、中空の第2の本体(50)をさらに備え、前記第2の本体(50)は、前記第1のディスク(8)に対して連結されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の移送デバイス。
【請求項9】
前記第2の本体(50)は、前記開口(20)の対向側に配置された環状ステップ(56)を画成し、
前記ステップ(56)は、使用時に、前記経路(P)に沿って転倒しなかった前記パッケージ(2)を収容するように構成されることを特徴とする、請求項8に記載の移送デバイス。
【請求項10】
前記フレーム(3)は、使用時に前記環状ステップ(56)に対して対向する側において前記パッケージ(2)を収容するように構成された固定ガイド(26)を備えることを特徴とする、請求項9に記載の移送デバイス。
【請求項11】
前記第2の本体(50)は、前記ステップ(56)の対向側において、前記第1のディスク(8)と共に回転可能であり、前記開口(20)に向けて下降し、前記転倒したパッケージ(2)の前記開口(20)の方向への移動を容易化するために前記パッケージ(2)と摺動自在に協働するように構成された、表面(53)を備えることを特徴とする、請求項10に記載の移送デバイス。
【請求項12】
前記開口(20)の下方に配置され、前記輸送手段(5)から前記排出されるパッケージ(2)を離れる方向に移動するように構成された部分を有する、廃棄コンベヤ(65)を備えることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の移送デバイス。
【請求項13】
注入可能食品の封止済みパッケージ(2)を製造するための包装マシンであって、
− 前記封止済みパッケージ(2)を形成するための形成ユニットと、
請求項1から12のいずれか一項に記載の、および前記形成ユニットの下流側に配置された、移送デバイス(1)と、
を備える、包装マシン。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の移送デバイス(1)から注入可能食品の転倒した封止済みパッケージ(2)を除去する方法であって
記経路(P)に沿って転倒した前記パッケージ(2)を、前記支持手段(33)により画成される開口(20)を通して排出するステップを含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注入可能食品の封止済みパッケージを移送するための移送デバイスに関する。
【0002】
また、本発明は、注入可能食品の転倒した封止済みパッケージを移送デバイスから除去する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
知られているように、果汁、低温殺菌牛乳またはUHT(超高温処理)牛乳、ワイン、トマトソース、等々の多数の食品が、殺菌済み包装材料から作製されたパッケージで販売されている。
【0004】
このタイプのパッケージの1つの典型的な例は、積層されたストリップ包装材料を折り曲げ封止することにより作製される、Tetra Brik Aseptic(登録商標)として知られる液体または注入可能食品用の平行六面体形状パッケージである。
【0005】
この包装材料は、例えば紙などの繊維質材料の層または鉱物添加ポリプロピレン材料の層を備え得る剛性および強度を目的としたベース層と、このベース層の両側を覆う例えばポリエチレンフィルムなどのヒートシールプラスチック材料の複数の層と、を実質的に備える、多層構造を有する。
【0006】
UHT牛乳などの長期保存製品用の無菌パッケージの場合には、包装材料は、例えばアルミニウムフォイルまたはエチルビニルアルコール(EVOH)などのガスバリア性および光バリア性の材料の層をさらに備えてもよい。この層は、ヒートシールプラスチック材料の層の上に重畳され、さらに、食品に最終的に接触するパッケージの内面を形成するヒートシールプラスチック材料の別の層で覆われる。
【0007】
知られているように、この種のパッケージは、全自動包装マシンにおいて製造される。このマシンでは、連続チューブが、ウェブ状包装材料から形成される。包装材料のウェブは、例えば過酸化物溶液などの化学殺菌剤を適用することなどにより、包装マシンにおいて殺菌され、殺菌が完了すると、例えば加熱により気化されるなど、包装材料の表面から除去される。かように殺菌された包装材料のウェブは、閉鎖された無菌環境内に維持され、長手方向に折り曲げられ封止されて、垂直チューブを形成する。
【0008】
このチューブは、殺菌済みまたは殺菌処理済みの食品で連続的に下方に充填され、封止され、次いで均等に離間された横断セクションに沿って切断されて、ピローパックを形成する。次いで、このパックは、折曲げユニットへと送られて、完成パッケージを形成する。
【0009】
より具体的には、ピローパックは、主要部分と、対向する上端部分および下端部分と、を実質的に備え、これら上端部分および下端部分は、主要部分から、パックの軸に対して実質的に直交して延在する上部封止バンドおよび下部封止バンドのそれぞれに向けてテーパ状を成す。詳細には、各端部分は、パックの主要部分と関連する封止バンドとの間に延在する一対の各台形壁部により画成される。
【0010】
また、各ピローパックは、上端部分および下端部分のそれぞれに関して、各封止バンドから突出する細長い実質的に矩形のフィンと、関連する端部分の両側部から突出し、各台形壁部により画成される、一対の実質的に三角形のフラップと、を備える。
【0011】
これらの端部分は、折曲げユニットにより互いに向けて押し付けられることによって、パックの平坦な対向する端壁部を形成し、また同時に、上部部分のフラップを主要部分の各側壁部の上に、および下部部分のフラップを下部封止バンドの上に折り曲げる。
【0012】
この包装マシンのレイアウトにおいては、折曲げ済みパッケージは、終端ステーションにおいて第1の方向に沿っておよび第1の方向に出力されることが必要となる。
【0013】
しかし、折曲げユニットのレイアウトは、折曲げユニットが、第2の方向に沿って、第1の方向に対して平行にかつスタッガ状(staggered)に、および第1の方向とは逆の第2の方向に折曲げ済みパッケージを出力するレイアウトとなっている。
【0014】
その結果、包装マシンは、折曲げユニットの下流側に配置され、第1の方向と第2の方向との間に延在する180度の円弧に沿って折曲げ済みパッケージを搬送するように構成された、移送デバイスを備える。
【0015】
特に、知られている移送デバイスは、
− フレームと、
− 作業ブランチおよび戻りブランチを備えるループ状チェーンコンベヤと、
− 共通軸を中心として逆回転し、フレームに対してチェーンコンベヤを支持するように構成された、上部完全アイドルディスクおよび下部完全アイドルディスクと、
を実質的に備える。
【0016】
また、チェーンの作業ブランチは、
− 折曲げユニットの出力ステーションから折曲げ済みパッケージを送られる入口直線部分と、
− ディスクの軸上に中心を有し、上部ディスクにより支持される、180度の円弧として形状設定された曲線中間部分と、
− 包装マシンの終端ステーションを画成する出口直線部分と、
を備える。
【0017】
戻りブランチは、作業ブランチとして形状設定される。
【0018】
特に、折曲げ済みパッケージは、入口直線部分に沿って第1の方向とは逆の第2の方向に移動し、出口直線部分に沿って第1の方向に移動する。
【0019】
さらに、作業ブランチおよび戻りブランチの曲線部分は、上部ディスクおよび下部ディスクのそれぞれの第1の半部の外周領域により支持される。ディスクの第2の半部は、チェーンコンベヤと協働しない。
【0020】
また、上部ディスクおよび下部ディスクは、それらの回転軸において固定フレームにより支持される。
【0021】
本出願人は、輸送の曲線部分に沿って移動する際に、例えばフラップが完全には封止されず、したがってパッケージが不安定であることによって、パッケージが上部ディスク上で転倒するリスクが存在することを発見した。
【0022】
さらに、転倒したパッケージは、曲線部分に沿って停止し、さらなるパッケージの転倒を引き起こすため、移送デバイスの、したがって包装マシン全体の停止を引き起こす。
【0023】
転倒したパッケージにより移送デバイスの、したがって包装マシン全体の正確な動作が阻害され得るのを防止することが、業界内において必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
したがって、本発明の1つの目的は、単純にかつ経済的に上記の必要を満たすように設計された、注入可能食品の封止済みパッケージを移送するための移送デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
この目的は、請求項1に記載の注入可能食品の封止済みパッケージを移送するための移送デバイスにより実現される。
【0026】
また、本発明は、請求項15に記載の注入可能食品の転倒した封止済みパッケージを除去する方法に関する。
【0027】
添付の図面を参照として、本発明の好ましい非限定的な実施形態を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明による移送デバイスの斜視図である。
図2図1の線II−IIに沿った断面の拡大図である。
図3】いくつかの部分が明瞭化のために除去された、図1の移送デバイスのいくつかの構成要素の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1図3の符号1は、包装マシン(図示せず)用の移送デバイスを全体的に示す。包装マシンは、知られている包装材料チューブ(図示せず)から低温殺菌牛乳またはUHT牛乳、果汁、ワイン、等々の注入可能食品の封止済みパッケージ2を連続的に製造する。
【0030】
このチューブは、ヒートシールシート材料の知られているウェブ(図示せず)を長手方向に折り曲げ封止することにより、知られている態様で形成される。このヒートシールシート材料は、例えばポリエチレンなどのヒートシールプラスチック材料の層で両側を覆われた紙材料の層を備える。UHT牛乳などの長期保存製品用の無菌パッケージ2の場合には、包装材料は、例えばアルミニウムフォイルなどの酸素バリア材料の層を備える。この層は、食品に接触するパッケージの内方層を最終的に形成する1つまたは複数のヒートシールプラスチック材料の層で重畳される。
【0031】
次いで、包装材料のチューブは、包装用の食品で充填され、封止され、均等に離間された横断セクションに沿って切断されて、複数のピローパックを形成する。次いで、これらのピローパックは、折曲げユニットへと送られ、そこで機械的に折り曲げられて、各パッケージ2を形成する。
【0032】
移送デバイス1は、折曲げユニットにより複数の折曲げ済みパッケージ2を送られ、包装マシンの終端ステーションを画成する。
【0033】
移送デバイス1は、
− フレーム3と、
− フレーム3に対して移動可能であり、相互に関節連結された複数のリンク4(それらのいくつかのみが図1および図2に図示される)により形成された、ループ状チェーンコンベヤ5と、
− フレーム3に対してコンベヤ5を支持するための支持手段33と、
を実質的に備える。
【0034】
また、フレーム3は、
− 軸Aの対向側においてコンベヤ5を囲むU字型本体6と、
− 軸Aの周囲に延在し、軸Aの側において本体6に対して連結される、環状プレート7と、
を備える。
【0035】
また、U字型本体6は、
− 相互に対面する一対の直線壁部17と、
− 壁部17に対して平行であり、相互に対面し、軸Aに対して各壁部17の対向側に位置する、一対の直線壁部19と、
− 軸Aに対して径方向に外方に位置する壁部17、19の間に位置する曲線壁部18と、
を備える(図3)。
【0036】
径方向外方壁部17、19の両方および曲線壁部18は、C字型断面を有し、
− 主要本体30と、
− 本体30から軸Aに向けて突出する一対の上部翼部および下部翼部31と、
を備える(図2)。
【0037】
さらに、フレーム3は、
− 各壁部18、19に対して取り付けられ、軸Aの対向側に位置する側部上にパッケージ2を収容するように構成された、一対の固定ガイド26、27と、
− 壁部19に対して取り付けられ、軸Aの側にパッケージ2を収容するように構成された、一対のガイド28と、
を備える。
【0038】
また、コンベヤ5は、作業ブランチ10および戻りブランチ11を備える。
【0039】
作業ブランチ10は、折曲げユニットから折曲げ済みパッケージを送られる位置である受領ステーションと包装マシンの終端ステーションとの間に延在する経路Pに沿ってパッケージ2を搬送する。
【0040】
経路Pは、U字型である。
【0041】
より正確には、作業ブランチ10は、
− 折曲げユニットからパッケージ2を受け、方向Cに沿って第1の方向にそれらのパッケージ2を移動させる、直線部分12と、
− 実質的に円弧形状の軌道に沿ってパッケージ2を移動させる曲線部分13と、
− 方向Cに対して平行な方向Dに沿っておよび方向Cからスタッガ状に、ならびに第1の方向とは逆の第2の方向に、パッケージ2を移動させる、直線部分14と、
を備える。
【0042】
詳細には、曲線部分13は、180度の円弧として実質的に形状設定される。
【0043】
部分14は、包装マシンの図示されない端部に向けてパッケージ2を移動させる。
【0044】
全く同様に、戻りブランチ11は、部分12、14の下方に配置される第1の直線部分および第2の直線部分と、第1の直線部分と第2の直線部分との間におよび部分13の下方に配置される円弧部分16(図2)と、を備える。
【0045】
作業ブランチ10および戻りブランチ11は、相互に対して逆方向に移動する。
【0046】
部分12および戻りブランチ11の第1の部分は、各壁部17によりそれらの両側において囲まれる。部分13、16は、壁部18により軸Aに対する対向側の側において囲まれる。部分14および戻りブランチ11の第2の部分は、各壁部19によりそれらの両側部において囲まれる。
【0047】
ガイド26は、部分11、16を囲み、軸Aに対する部分11、16の対向側に配置される。
【0048】
ガイド27は、軸Aに対する部分12の対向側に配置される。
【0049】
ガイド28は、ガイド27の正面に、および部分12に対する軸Aの側に配置される。
【0050】
詳細には、コンベヤ5は、相互に対して平行な軸を中心として回転する一対のプーリ21(それらの1つのみが図1に図示される)の周囲にループする。
【0051】
また、支持手段33が、フレーム3に対して軸Aを中心として回転する一対のディスク8、9(図2および図3)を備える。
【0052】
図2に示すように、各リンク4は、
− 軸Aに対して直交な平面内に位置し、ディスク8(9)から上方に(下方に)突出し、リンク4の上端部(下端部)を画成する、プレート22と、
− ディスク8(9)の下方(上方)に配置される要素23と、
− 軸方向においてプレート22と要素23との間に配置される連結ストレッチ24と、
− 軸方向においてプレート22に対して対向側に位置し、ストレッチ24に対する要素23の対向側に配置され、ストレッチ24より薄い厚さを有する、端部25と、
を実質的に備える。
【0053】
詳細には、ディスク8、9は、コンベヤ5の部分13、16をそれぞれ支持し、図2においては部分的にのみ図示される平面7に対して軸Aを中心として回転自在に支持される。
【0054】
有利には、移送デバイス1は、経路Pの一方の側に配置され、使用時にはコンベヤ5の部分13に沿って転倒したパッケージ2の排出を可能にするように構成された、開口20を備える。
【0055】
より厳密には、開口20は、環状であり、軸Aを中心として延在する。
【0056】
ディスク8、9はそれぞれ、軸Aを中心として延在し、軸Aを中心として開口20を囲む、貫通ボア39をそれぞれ画成する。
【0057】
特に、軸Aに対して平行なディスク8、9の厚さは、軸Aに対して平行な開口20の高さ未満である。
【0058】
ディスク8、9は、同軸状であり、逆回転する。
【0059】
各ディスク8、9は、
− 軸方向において相互に対向側に位置する一対の表面45、46と、
− 径方向内方端部47と、
− 端部47の対向側に位置し、軸方向において表面45、46の間に位置する径方向外方端部48と、
を備える。
【0060】
ディスク8、9は、相互に対して対向側に取り付けられる。特に、表面46は、相互に対面し、軸方向において表面45間に位置する。
【0061】
表面45(46)は、ディスク8(9)の上端部を画成し、表面46(45)は、ディスク8(9)の下端部を画成する。
【0062】
ディスク8(9)の端部48は、対応する翼部31に対してストレッチ24の対向側に、径方向隙間を伴いつつ配置される。
【0063】
ディスク8は、部分13の同一方向に回転し、ディスク9は、部分16の同一方向において軸Aを中心として回転する。
【0064】
図示する実施形態においては、および図3を参照すると、ディスク8は、反時計回り方向に回転し、ディスク9は、時計回り方向に回転する。
【0065】
ディスク8、9は、複数の軸受要素35を介してプレート7に対して軸Aを中心として回転自在に支持される。
【0066】
プレート7は、軸Aに対して環状であり、軸受要素35により係合される複数の径方向突出部を備え、軸Aの周囲に延在する貫通ボア66を画成する。
【0067】
軸受要素35は、軸Aに対して平行であり軸Aからスタッガ状である関連する軸Bの周囲に延在する。
【0068】
さらに、軸受要素35は、軸Aを中心として角度方向に均等に離間される。
【0069】
各軸受要素35は、
− プレート7に取り付けられる中央本体36と、
− 本体36に対して関連する軸Bを中心として回転可能である一対のローラ37、38と、
を備える。
【0070】
さらに詳細には、各軸受要素35のローラ37、38は、関連する軸受要素35の両軸方向端部を画成し、本体36は、軸方向において関連するローラ37、38間に位置する。
【0071】
ローラ37、38は、上部軸受および下部軸受32(図2)が介在することにより、本体36によって支持される。
【0072】
各軸受要素35のローラ37、38は、各溝40を画成する。
【0073】
各ディスク8(9)の端部47は、軸Aの側に配置され、関連するローラ37(38)の環状溝40に係合する、径方向環状突出部を画成する。
【0074】
各ディスク8(9)の端部48は、端部47に対して径方向に対向側に位置し、作業ブランチ10(戻りブランチ11)の部分13(16)を形成するリンク4により画成される環状座部44に係合する、径方向環状突出部を画成する。
【0075】
より厳密には、座部44が、部分13(16)を形成するリンク4のプレート22および要素23により軸方向において境界設定され、軸Aの対向側において、これらのリンク4のストレッチ24により径方向において境界設定される。
【0076】
図示する実施形態においては、端部47により画成される突出部は、V字型断面形状を有し、軸Aに向けて収束する一方で、端部48により画成される突出部は、L字型断面形状を有する。
【0077】
本体36は、ネジ43により相互に連結された2つの要素68、69において作製される。さらに、要素68は、ローラ37を支持し、要素69は、ローラ38を支持する。
【0078】
上部軸受32は、第1のワッシャと本体36の要素68により画成される第1のショルダとの間に軸方向に取り付けられる。第1のワッシャは、ネジ41により上部軸受32に対して押し付けられる。
【0079】
全く同様に、下部軸受32が、第2のワッシャと要素69により画成される第2のショルダとの間において軸方向に取り付けられる。第2のワッシャは、ネジ42により下部軸受32に対して軸方向に押し付けられる。
【0080】
また、移送デバイス1は、軸Aを中心としてディスク8と共に回転する環状カバー50(図3には図示せず)を備える。
【0081】
カバー50は、軸Aを中心として延在し、複数のネジ51を介してディスク8に対して取り付けられ、ローラ37の上端部49を覆う。
【0082】
カバー50は、
− 軸Aに対して直交する平面上に位置し、ディスク8の表面45と協働し、ディスク8に対して螺合される、下部表面52と、
− 表面52の対向側の上部表面53と、
− 軸Aに対して環状である側壁部54と、
− 表面52、53間に延在し、ローラ37の端部49により軸方向に離間される、輪郭設定表面55と、
を実質的に備える。
【0083】
また、カバー50は、軸Aを中心として延在し、軸Aに対して表面53の対向側に位置する、連続環状ステップ56を備える。
【0084】
ステップ56は、ガイド26の対向側においてパッケージ2を収容する。
【0085】
ステップ56は、コンベヤ5の作業ブランチ10の部分13を形成するリンク4のプレート22から軸方向隙間の上方に配置され、その分だけ分離される。
【0086】
表面53は、軸Aに対して傾斜を成し、特に、壁部54から軸Aに向けて進むとした場合に、下降する。
【0087】
特に、表面53は、直線状に下降し、軸Aを基準として相互に対向側に位置する径方向外方端部57および径方向内方端部58を備える。
【0088】
また、表面53の端部58は、開口20の上部入口端部を画成する。
【0089】
また、カバー50およびディスク8は、軸Aの対向側において、部分13を形成するリンク4のプレート22の径方向内方端部29により部分的に係合される環状ショルダ59を画成する。
【0090】
ショルダ59は、ステップ56とディスク8の表面45との間において軸方向に画成される。
【0091】
特に、ディスク8の表面45は、端部29により部分的に、および表面52により部分的に覆われる。
【0092】
ディスク9の表面45は、戻りブランチ11の部分16を形成するリンク4のプレート22の端部29と軸方向において協働する。
【0093】
表面55は、ネジ41の頭により軸方向隙間を伴いつつ係合される環状座部71を画成する。
【0094】
さらに、移送デバイス1は、軸Aを中心として延在し、開口20を画成する、本体60(図3には図示せず)を備える。
【0095】
詳細には、本体60は、
− 径方向隙間を伴いつつディスク8のボア39を貫通し、表面53の端部58の下方に配置される、管状要素61と、
− 軸Aの対向側において要素61から突出し、軸方向において表面55とディスク8の表面45の平面との間に配置される、環状プレート62と、
を備える。
【0096】
要素61は、開口20の輪郭を画成する。
【0097】
プレート62は、軸方向隙間を伴いつつ、ローラ37の端部49の上方におよび表面55の下方に配置される。
【0098】
プレート62は、ネジ41の頭が通過する複数の径方向貫通座部70を画成する。
【0099】
また、移送デバイス1は、開口20の下方に配置される部分を有する廃棄コンベヤ65を備える(図1)。コンベヤ65は、開口20から転倒したパッケージ2を受け、包装マシンから離れる方向にそれらのパッケージ2を移動させるように構成される。
【0100】
コンベヤ65は、図示する実施形態においては、ベルトコンベヤである。
【0101】
実際の使用においては、コンベヤ5の作業ブランチ10は、折曲げステーションから折曲げ済みパッケージ2を受け、経路Pに沿っておよび包装マシンの終端ステーションに向けてそれらのパッケージ2を搬送する。
【0102】
詳細には、折曲げユニットは、作業ブランチ10の部分12に折曲げ済みパッケージ2を送る。
【0103】
さらに、部分12は、方向Cに対して平行におよび第1の方向にパッケージ2を搬送し、部分13は、円弧形状部分に沿っておよび軸Aを中心としてパッケージ2を搬送し、部分14は、方向Dに対して平行におよび第2の方向にパッケージ2を搬送する。
【0104】
コンベヤ5の部分13は、カバー50と共に軸Aを中心として回転するディスク8により支持される。同時に、戻りブランチ11の部分16は、ディスク8の逆方向において軸Aを中心として回転するディスク9により支持される。
【0105】
コンベヤ5の部分13に沿って移動する際に、パッケージ2は、ガイド26により、軸Aに対するそれらの径方向に外側にのみ収容される。
【0106】
パッケージ2がコンベヤ5の部分13上において転倒する場合には、パッケージ2は、表面53上に摺動し、その後、転倒したパッケージ2は、端部58により画成された入口を通過し、開口20内部に落下する。
【0107】
ステップ56は、それらの径方向内側に、すなわちガイド26に対する対向側に、パッケージ2を収容する。
【0108】
コンベヤ65は、転倒したパッケージ2を受け、それらのパッケージ2を包装マシンから離れる方向に搬送する。
【0109】
部分13に沿って転倒しなかったパッケージ2は、作業ブランチ10の部分14に沿って前進され、包装マシンの終端ステーションに到達する。
【0110】
戻りブランチ11は、作業ブランチ10とは逆方向に移動する。
【0111】
本発明による移送デバイス1のおよび方法の利点が、前述の説明より明らかになろう。
【0112】
特に、移送デバイス1は、経路Pの一方の側に配置された開口20を備える。
【0113】
このようにすることで、経路Pの曲線部分に沿って転倒したパッケージ2は、開口20を通過し、コンベヤ65に到達する。
【0114】
したがって、転倒したパッケージ2は、経路Pの曲線部分に沿ってもはや停止することはなく、移送デバイス1のおよび包装マシン全体の中断を引き起こすことももはやない。
【0115】
開口20により転倒したパッケージの排出が可能となることにより、移送デバイス1は、パッケージ2を横方向に収容するための径方向内方ガイドの存在をもはや必要としない。したがって、移送デバイス1の設計自由度が向上する。
【0116】
さらに、下降表面53により、開口20内部における転倒したパッケージ2の移動が容易になる。
【0117】
最後に、ステップ56は、それらの径方向内方側には、すなわちガイド26の対向側には転倒したパッケージ2を収容しない。このようにすることで、ステップ56は、特に少なくとも部分的に円形形状の断面を有するパッケージ2が、それら自体の軸を中心として回転するのを防止する。
【0118】
自明ではあるが、添付の特許請求の範囲において規定される範囲から逸脱することなく、本明細書において説明および図示するような移送デバイス1および方法に対して変更を行い得る。
【符号の説明】
【0119】
1 移送デバイス、2 封止済みパッケージ、3 フレーム、4 リンク、5 ループ状チェーンコンベヤ、6 U字型本体、7 環状プレート、8,9 ディスク、10 作業ブランチ、11 戻りブランチ、12,14 直線部分、13 曲線部分、16 円弧部分、17,19 直線壁部、18 曲線壁部、20 開口、21 プーリ、22 プレート、23 要素、24 連結ストレッチ、25 端部、26,27 固定ガイド、28 ガイド、29 径方向内方端部、30 主要本体、31 上部翼部および下部翼部、32 上部軸受および下部軸受、33 支持手段、35 軸受要素、36 本体、37,38 ローラ、39 貫通ボア、40 溝、41,42,43,51 ネジ、44 環状座部、45,46 表面、47,48,57,58 径方向外方端部、9 上端部、50 環状カバー、52 下部表面、53 上部表面、54 側壁部、55 輪郭設定表面、56 連続環状ステップ、59 環状ショルダ、60 本体、61 管状要素、62 環状プレート、65 廃棄コンベヤ、66 貫通ボア、68,69 要素、70 径方向貫通座部、71 環状座部、A,B 軸、C,D 方向、P 経路
図1
図2
図3