【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書の第1の態様において、発生したエアロゾルをユーザが吸入するように構成されたエアロゾル発生装置が提供され、該装置は、エアロゾル形成基材を加熱するように構成された加熱要素と、加熱要素に接続された電力源と、加熱要素及び電力源に接続され、電力源から加熱要素に供給される電力を制御して加熱要素を目標温度に維持するように構成され、さらに加熱要素の温度の変化又は加熱要素に供給される電力の変化を監視して、ユーザの吸入を示す加熱要素を通過する空気流量の変化を検出するように構成されたコントローラと、を備える。
【0007】
本明細書で用いる場合、「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基材と相互作用してエアロゾルを発生させる装置乃至装置を意味する。エアロゾル形成基材は、エアロゾル発生物品の一部、例えば喫煙物品の一部とすることができる。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材と相互作用してユーザの口腔を通してユーザの肺に吸入されるエアロゾルを形成する、喫煙装置であることができる。エアロゾル発生装置は容器とすることができる。
【0008】
本明細書で用いる場合、用語「エアロゾル形成基材」は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出することができる基材を意味する。そのような揮発性化合物は、エアロゾル形成基材を加熱することによって放出させることができる。エアロゾル形成基材は、エアロゾル発生物品又は喫煙物品の一部とすることが好都合である。
【0009】
本明細書で用いる場合、用語「エアロゾル発生物品」又は「喫煙物品」は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出することができるエアロゾル形成基材を備える物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザの口腔を通してユーザの肺に吸入されるエアロゾルを形成する喫煙物品とすることができる。エアロゾル発生物品は廃棄することができる。用語「喫煙物品」は、以下において一般的に用いる。喫煙物品は、タバコスティックであり又はこれを含むことができる。
【0010】
本明細書で用いる場合、用語「吸入」は、ユーザが口又は鼻を経由して人体内にエアロゾルを吸い込む動作を意味する。吸入は、エアロゾルがユーザの肺に取り込まれる状態を含み、また、エアロゾルがユーザの人体から排出される前にユーザの口腔又は鼻腔にのみ吸い込まれる状態を含む。
【0011】
コントローラは、プログラマブルマイクロプロセッサを備えることができる。別の実施形態において、コントローラは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用電子チップを備えることができる。一般的に、本明細書で説明した実施形態に適合する、加熱要素を制御できる信号を提供できるあらゆる装置を使用することができる。1つの実施形態において、コントローラは、加熱要素の温度と目標温度との差を監視して、ユーザの吸入を示す加熱要素を通過する空気流の変化を検出するように構成されている。
【0012】
本明細書は、専用の空気流量計を必要とせずに、エアロゾル発生装置を通過する空気流量の変化を検出すること、詳細にはユーザの吸入又は吸煙を検出することを提示する。これにより、専用の空気流量計を備える既存の装置と比べて、費用及びユーザの吸入検出を可能にするための複雑性が低減し、さらに故障する可能性がある部品が少ないので信頼性が向上する。
【0013】
1つの実施形態において、コントローラは、ユーザの吸入を示す加熱要素を通過する空気流の変化を検出するために、加熱要素の温度と目標温度との差が閾値を超えるか否かを監視するように構成することができる。コントローラは、加熱要素の温度と目標温度との差が閾値を所定期間にわたって又は所定の測定繰り返し回数にわたって超えるか否かを監視して、ユーザ吸入を示す加熱要素を通過する空気流の変化を検出するように構成することができる。これにより、温度の短期間の変動がユーザ吸入の誤った検出につながることを確実に防止できる。
【0014】
別の実施形態において、コントローラは、加熱要素に供給される電力と予想電力レベルとの間の差を監視して、ユーザの吸入を示す加熱要素を通過する空気流の変化を検出するように構成することができる。代替的に又は追加的に、コントローラは、温度の変化速度又は供給電力の変化速度を閾値と比較して、ユーザの吸入を示す、加熱要素を通過する空気流の変化を検出するように構成することができる。
【0015】
コントローラは、加熱器を通過する空気流の変化が検出される場合に、目標温度を調整するように構成することができる。空気流が増大すると、より多くの酸素が基材と接触する状態になる。これにより、所定の温度で基材が燃焼する可能性が高くなる。基材が燃焼することは望ましくない。従って、基材が燃焼する可能性を低くするために、空気流の増大が検出される場合には目標温度を下げることができる。代替的に又は追加的に、コントローラは、加熱要素を通過する空気流の変化が検出される場合には、加熱要素に供給される電力を調整するように構成することができる。一般的に、加熱要素を通過する空気流は、加熱要素を冷却するよう作用する。加熱要素に対する電力は、この冷却作用を補償するために一時的に高くすることができる。
【0016】
電力源は、例えば直流電圧電源といった任意の適切な電源とすることができる。電源はバッテリとすることができる。1つの実施形態において、電源はリチウムイオンバッテリである。代替的に、電源は、ニッケル水素バッテリ、ニッケルカドミウムバッテリ、又は例えば、リチウムコバルト、リン酸鉄リチウム又はリチウムポリマーバッテリ等のリチウム系バッテリとすることができる。電力は、加熱要素に対してパルス信号で供給することができる。加熱要素に供給される電力量は、電力信号のデューティサイクル又はパルス幅を変えることによって調整できる。
【0017】
1つの実施形態において、コントローラは、加熱要素の電気抵抗の測定値に基づいて加熱要素の温度を監視するように構成することができる。これにより、加熱要素の温度を追加の検出ハードウェアを必要とせずに検出できる。
【0018】
加熱要素の温度は、数ミリ秒毎といった所定の時間間隔で監視することができる。これは、連続して行うこと又は電力が加熱要素に供給される期間にのみ行うことができる。
【0019】
コントローラは、リセットするように、つまり検出温度と目標温度との差が閾値以下の場合に次のユーザ吸煙を検出できる状態になるように構成することができる。コントローラは、検出温度と目標温度との差が所定時間又は測定繰り返し回数にわたって閾値未満であることを必要とするように構成することができる。
【0020】
コントローラはメモリを含むことができる。メモリは、空気流又はユーザ吸煙の検出された変化を記録するように構成することができる。メモリは、ユーザ吸煙又は各吸煙の時間のカウントを記録することができる。また、メモリは加熱要素の温度、及び各吸煙時に供給される電力を記録するように構成することができる。メモリは、必要に応じて、コントローラから入手できるあらゆるデータを記録することができる。
【0021】
このユーザ吸煙は、その後の臨床研究並びに装置のメンテナンス及びデザインで有用な場合がある。ユーザ吸煙データは、外部メモリ又は処理装置に適切なあらゆるデータ出力手段によって送ることができる。例えば、エアロゾル発生装置は、コントローラに接続された無線装置、或いはコントローラ又はメモリに接続されたメモリ又はユニバーサルシリアルバス(USB)ソケットを含むことができる。代替的に、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置が再充電される度に、データを適切なデータ接続部経由でメモリからバッテリ充電装置内の外部メモリに送るように構成することができる。
【0022】
装置は、電気式喫煙装置とすることができる。エアロゾル発生装置は、電気加熱器を備えた電気加熱式喫煙装置とすることができる。用語「電気加熱器」は、1つ又はそれ以上の電気式加熱要素を指す。
【0023】
電気加熱器は、単一の加熱要素を備えることができる。代替的に、電気加熱器は、2つ以上の加熱要素を備えることができる。単一の加熱要素又は複数の加熱要素は、エアロゾル形成基材を最も効率的に加熱するように適切に配置することができる。
【0024】
電気加熱要素は、電気抵抗材料を含むことができる。適切な電気抵抗材料としては、限定されるものではないが、ドープセラミックスのような半導体、導電性セラミックス(例えば、二珪化モリブデン)、炭素、グラファイト、金属、金属合金、及びセラミック材料及び金属材料から作られる複合材料を挙げることができる。このような複合材料は、ドープ又は非ドープセラミックスを含むことができる。適切なドープセラミックスの例としてはドープ炭化ケイ素を挙げることができる。適切な金属の例としては、チタニウム、ジルコニウム、タンタル、及び白金族金属を挙げることができる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル−、コバルト−、クロム−、アルミニウム−チタニウム−ジルコニウム−、ハフニウム−、ニオビウム−、モリブデン−、タンタル−、タングステン−、錫−、ガリウム−、マンガン、金−、及び鉄含有合金、及びニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼、Timetal(登録商標)、及び鉄−マンガン−アルミニウムベースの合金をベースにした超合金を挙げることができる。複合材料において、随意的にエネルギ伝達の動力学及び所要の外部物理化学的特性に基づいて、電気抵抗材料は、絶縁材料に埋め込むこと、封入すること、又はそれでコーティングすること、又はその逆とすることができる。セラミック及び/又は絶縁材料は、例えば、酸化アルミニウム又はジルコニア酸化物(ZrO
2)を含むことができる。代替的に、電気加熱器は、赤外線加熱要素、光学的ソース、又は誘導加熱要素を含むことができる。
【0025】
電気加熱要素は、任意の適切な形態とすることができる。例えば、電気加熱要素は、加熱ブレードの形態とすることができる。代替的に、電気加熱要素は、異なる導電性部分を有するケーシング又は基材、又は電気抵抗材料の管体の形態とすることができる。代替的に、すでに説明したようにエアロゾル形成基材の中心を貫通する1つ又はそれ以上の加熱ニードル又はロッドとすることができる。代替的に、電気加熱要素は、円板型(端部)加熱器、又は円板型加熱器を加熱ニードル又はロッドに組み合わせたものとすることができる。別の例として、例えば、Ni−Cr(ニッケル−クロム)、白金、金、銀、タングステン、又は合金ワイヤである加熱ワイヤ又はフィラメント、又は加熱プレートを含む。随意的に、加熱要素は、硬質担体材料上に堆積させることができる。このような1つの実施形態において、電気抵抗加熱要素は、温度と抵抗率との間で所定の関連性を有する金属を用いて形成することができる。このような例示的な装置において、セラミック材料のような適切な絶縁材料上に金属のトラックを形成し、次にガラスのような他の絶縁材料でサンドイッチすることができる。このようにして形成された加熱器は、作動時に加熱器を加熱すると共に温度を監視するために使用することができる。
【0026】
電気加熱要素は、吸熱及び蓄熱して、後で経時的に放熱してエアロゾル形成基材を加熱することができる材料を備える、ヒートシンク又はヒートリザーバを備えることができる。ヒートシンクは、好適な金属又はセラミック材料等の何らかの好適な材料から形成することができる。1つの実施形態において、材料は、高い熱容量を有する(顕熱蓄熱材料)か、又は吸熱後に高温相変化のような可逆プロセスによって放熱することができる材料であることが好ましい。好適な顕熱蓄熱材料には、シルカゲル、アルミナ、炭素、ガラスマット、ガラス繊維、無機物、及びアルミニウム、銀、もしくは鉛等の金属又は合金、並びに紙などのセルロース材料が挙げられる。可逆的相変化によって放熱する他の好適な材料には、パラフィン、酢酸ナトリウム、ナフタレン、ワックス、ポリエチレンオキシド、金属、金属塩、共晶塩の混合物、又は合金が挙げられる。
【0027】
ヒートシンク又はヒートリザーバは、エアロゾル形成基材と直接接触して、蓄熱を直接エアロゾル形成基材に伝達できるように配置することができる。代替的に、ヒートシンク又はヒートリザーバに貯えられた熱は、金属管体のような熱伝導体によってエアロゾル形成基材に伝達することができる。
【0028】
電気加熱要素は、エアロゾル形成基材を熱伝導で加熱することができる。電気加熱要素は、少なくとも部分的に基材、又は基材が堆積された担体に接触することができる。代替的に、電気加熱要素からの熱は、熱伝導要素によって基材に伝達することができる。
【0029】
代替的に、電気加熱器は、使用時に電気加熱式喫煙システムを通って引き込まれる流入周囲空気に熱を伝達することができ、さらに加熱された空気は対流によってエアロゾル形成基材を加熱することができる。周囲空気は、エアロゾル形成基材を通過する前に加熱することができる。
【0030】
1つの実施形態において、エアロゾル形成基材からエアロゾルを生成するために、電気加熱器に対して該電気加熱器の1つ又は複数の加熱要素が約250℃から440℃の間の温度に達するまで電力が供給される。約250℃から440℃の間の温度に達するように1つ又は複数の加熱要素の加熱を制御するために、任意の適切な温度センサ及び制御回路を用いることができ、1つ又はそれ以上の追加の加熱器の使用を含む。このことは、タバコ及びシガレットラッパーの燃焼温度が800℃に達する従来のシガレットとは対照的である。
【0031】
エアロゾル形成基材は、喫煙物品に含めることができる。作動時、エアロゾル形成基材を含む喫煙物品は、完全にエアロゾル発生装置内に収容される。この場合、ユーザは、エアロゾル発生装置のマウスピース上で吸煙することができる。マウスピースは、エアロゾル発生物品又はエアロゾル発生装置が発生するエアロゾルを直接ユーザの口腔内へ吸入するためにユーザの口腔内に入れられる、エアロゾル発生装置の任意の部分とすることができる。エアロゾルは、マウスピースを通過してユーザの口腔内に運ばれる。代替的に、作動時、エアロゾル形成基材を含む喫煙物品は、エアロゾル発生装置内に部分的に収容することができる。この場合、ユーザは、喫煙物品のマウスピースで直接吸煙することができる。
【0032】
喫煙物品は、ほぼ円筒形とすることができる。喫煙物品は、ほぼ細長い形状とすることができる。喫煙物品は、全長及び該全長にほぼ直交する外周を有することができる。エアロゾル形成基材は、ほぼ円筒形とすることができる。エアロゾル形成基材は、ほぼ細長い形状とすることができる。また、エアロゾル形成基材は、全長及び該全長にほぼ直交する外周を有することができる。エアロゾル形成基材は、エアロゾル発生装置のスライド容器内に収容することができ、エアロゾル形成基材の全長が、エアロゾル発生装置内の空気流の方向にほぼ平行となっている。
【0033】
喫煙物品の全長は、約30mmから約100mmとすることができる。喫煙物品の外径は、約5mmから約12mmとすることができる。喫煙物品は、フィルタプラグを備えることができる。フィルタプラグは、喫煙物品の下流端に設けることができる。フィルタプラグは、セルロースアセテートフィルタプラグとすることができる。1つの実施形態において、フィルタプラグの長さは、約7mmであるが、約5mmから約10mmの長さをもつことができる。
【0034】
1つの実施形態において、喫煙物品の全長は約45mmである。喫煙物品の外径は、約7.2mmとすることができる。さらに、エアロゾル形成基材の長さは、約10mmとすることができる。代替的に、エアロゾル形成基材の長さは、約12mmとすることができる。さらに、エアロゾル形成基材の外径は、約5mmから約12mmである。喫煙物品は、外側紙ラッパーを含むことができる。さらに、喫煙物品は、エアロゾル形成基材とフィルタプラグとの間に離隔距離を含むことができる。離隔距離は、約18mmとすることができるが、約5mmから約25mmの範囲とすることができる。
【0035】
エアロゾル形成基材は、固形のエアロゾル形成基材とすることができる。代替的に、エアロゾル形成基材は、固形及び液体成分を含むことができる。エアロゾル形成基材は、加熱時に基材から放出された揮発性タバコ香味化合物を含有する、タバコ含有材料を含むことができる。代替的に、エアロゾル形成基材は、非タバコ材料を含むことができる。エアロゾル形成基材は、高濃度で安定したエアロゾルの生成を助長するエアロゾル生成物をさらに含むことができる。適切なエアロゾル生成物の例は、グリセリン及びプロピレングリコールである。
【0036】
エアロゾル形成基材が固形エアロゾル形成基材である場合、固形エアロゾル形成基材は、例えば、1つ又はそれ以上の、粉体、粒体、ペレット、細断片、スパゲティ、ストリップ、又はシートを含むことができ、これらは1つ又はそれ以上のハーブ葉、タバコ葉、タバコ茎の断片、再構成タバコ、均質化タバコ、押し出しタバコ、及び膨張タバコを含むことができる。固形エアロゾル形成基材は、容器に入っていない形態とすること、又は適切な容器又はカートリッジで提供することができる。随意的に、固形エアロゾル形成基材は、追加のタバコ又は非タバコ揮発性香味化合物を含むことができ、基材の加熱時に放出されることになる。また、固形エアロゾル形成基材は、例えば、追加のタバコ又は非タバコ揮発性香味化合物を含むカプセルを有することができ、このカプセルは、固形エアロゾル形成基材の加熱時に溶融する。
【0037】
本明細書で用いる場合、均質化タバコは、凝集粒子状タバコで形成された材料を指す。均質化タバコは、シートの形態とすることができる。均質化タバコ材料のエアロゾル生成物の含有量は、乾燥重量ベースで5%よりも多い。代替的に、均質化タバコ材料のエアロゾル生成物の含有量は、乾燥重量ベースで5%から30%の間とすることができる。均質化タバコ材料シートは、タバコ葉身及びタバコ葉柄の一方又は両方を破砕又は粉砕することによって得られる凝集粒子状タバコで形成することができる。代替的に又は追加的に、均質化タバコ材料シートは、例えば、タバコの処理時、搬送時、及び配送時に生じる1つ又はそれ以上のタバコの灰、タバコの粉末、及び他の粒子状タバコ副生成物を含むことができる。均質化タバコ材料シートは、粒子状タバコの凝集を助けるために、タバコ内因性のバインダである1つ又はそれ以上の内因性バインダ、タバコ外因性のバインダである1つ又はそれ以上の外因性バインダ、又はこれらの組み合わせを含むことができる。代替的に又は追加的に、限定されるものではないが、均質化タバコ材料シートは、タバコ及び非タバコ繊維、エアロゾル生成物、湿潤剤、可塑剤、香味料、増量剤、水性溶媒又は非水溶媒、及びこれらの組み合わせを含む他の添加物を含むことができる。
【0038】
特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成基材は、均質化タバコ材料のギャザー付きの皺寄せシートを含む。本明細書で用いる場合、用語「皺寄せシート」は、複数のほぼ平行な隆起部又は皺部を有するシートを指す。好ましくは、エアロゾル発生物品が組み立てられた場合、ほぼ平行な隆起部又は皺部は、エアロゾル発生物品の長手方向軸に沿って又はそれに平行に延在する。これは、エアロゾル形成基材を形成するために、好都合に均質化タバコ材料の皺寄せシートのギャザー寄せを助長する。しかしながら、代替的に又は追加的に、エアロゾル発生物品内に包含する均質化タバコ材料の皺寄せシートは、エアロゾル発生物品が組み立てられた場合に、エアロゾル発生物品の長手方向軸線に対して鋭角又は鈍角でもって配置されるほぼ平行な複数の隆起部又は波形部を有することができることを理解されたい。特定の実施形態において、エアロゾル形成基材は、全表面上にほぼ均一に凹凸を付けた均質化タバコ材料のギャザー付きシートを含むことができる。例えば、エアロゾル形成基材は、シートの幅を横切ってほぼ均一に離間した複数のほぼ平行な隆起部又は波形部を備える、均質化タバコ材料のギャザー付きの皺寄せシートを含むことができる。
【0039】
随意的に、固形エアロゾル形成基材は、熱的に安定した担体上に設けること又はそれに組み込むことができる。担体は、粉体、粒体、ペレット、細断片、スパゲティ、ストリップ、又はシートの形態とすることができる。代替的に、担体は、その内面、外面、又は内面及び外面の両面に堆積された薄層の固形基材を有する管状担体とすることができる。このような管状担体は、例えば、紙又は紙状材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の荒いメッシュの金属スクリーン、又は有孔金属箔、又は耐熱性ポリマーマトリクスの形を成すことができる。
【0040】
固形エアロゾル形成基材は、例えば、シート、発泡体、ゲル、又はスラリーの形態で担体表面に堆積することができる。固形エアロゾル形成基材は、担体の全表面に堆積すること、又は代替的に使用時に不均一な香味送出をもたらすために所定のパターンで堆積することができる。
【0041】
前述の固形エアロゾル形成基材を参照したが、他の実施形態において当業者には他の形態のエアロゾル形成基材を利用できることは明らかである。例えば、エアロゾル形成基材は、液体エアロゾル形成基材とすることができる。液体エアロゾル形成基材を設ける場合、エアロゾル発生装置は、液体を保管する手段を備えることが好ましい。例えば、液体エアロゾル形成基材は、容器内に保管することができる。代替的に又は追加的に、液体エアロゾル形成基材は、多孔性担体材料内に吸収することができる。多孔性担体材料は、何らかの適切な吸収プラグ又は吸収体で作られており、例えば、発泡金属又はプラスチック材料、ポリプロピレン、テリレン、ナイロン繊維、又はセラミックである。液体エアロゾル形成基材は、エアロゾル発生装置の使用前に多孔性担体材内に保持すること、又は代替的に、液体エアロゾル形成基材材料は、使用中又は直前に多孔性担体材料内に放出することができる。例えば、液体エアロゾル形成基材は、カプセル内に設けることができる。カプセルの殻は、加熱されると溶けて液体エアロゾル形成基材を多孔性担体材料内に放出することが好ましい。随意的に、カプセルは、液体エアロゾル形成基材と一緒に固形エアロゾル形成基材を含むことができる。
【0042】
代替的に、担体は、タバコ成分が組み込まれた不織布又は繊維束とすることができる。不織布又は繊維束は、例えば、炭素繊維、天然セルロース繊維、又はセルロース誘導体繊維を含むことができる。
【0043】
エアロゾル発生装置は空気入口を備えることができる。さらに、エアロゾル発生装置は空気出口を備えることができる。さらに、エアロゾル発生装置は、所望の特性を有するエアロゾルを形成可能とするための凝縮チャンバを備えることができる。
【0044】
アロゾル発生装置は、ユーザが片手の指の間に楽に保持することできる、手持ち型エアロゾル発生装置であることが望ましい。エアロゾル発生装置は、ほぼ円筒形とすることができる。エアロゾル発生装置は、多角形横断面を有し、一面には突出ボタンが形成されている。この実施形態において、エアロゾル発生装置の外径は、平坦面から反対側の平坦面まで測定した場合、約12.7mmから約13.65mmの間、縁部から反対側の縁部まで(即ち、エアロゾル発生装置の片側の2つの表面の交差部から他方側の対応する交差部まで)測定した場合、約13.4mmから約14.2mmの間、及び底部の頂部から反対側の底部平坦面まで測定した場合、約14.2mmから約15mmの間とすることができる。エアロゾル発生装置の長さは、約70mmから約120mmの間とすることができる。
【0045】
本明細書の別の態様によれば、電気加熱式エアロゾル発生装置を通過するユーザ吸入を検出するための方法が提供され、装置は、加熱要素と該加熱要素に電力を供給するための電力源とを備える、該方法は、電力源から加熱要素に供給される電力を制御して加熱要素を目標温度に維持する段階と、加熱要素の温度の変化又は加熱要素に供給される電力の変化を監視してユーザ吸入を示す、加熱要素を通過する空気流量の変化を検出する段階と、を含む。
【0046】
監視段階は、加熱要素の温度と目標温度との差を監視してユーザ吸入を示す、加熱要素を通過する空気流の変化を検出する段階を備えることができる。
【0047】
本方法は、ユーザ吸入を示す、加熱要素を通過する空気流の変化が検出される場合に、目標温度力を調整する段階をさらに含むことができる。説明したように、空気流が増えるとより多くの酸素が基材に接触する状態になる。
【0048】
本明細書の別の態様によれば、コンピュータ又は他の適切な処理装置で実行される場合、上述した別の態様による方法を実行するコンピュータプログラムが提供される。本明細書は、プラグラマブルコントローラ並びに他の所要のハードウェア要素を有するエアロゾル発生装置で作動するのに適したソフトウェア物品として実装することができる実施形態を含む。
【0049】
各実施形態は、以下に添付図面を参照して例示的に詳細に説明される。