特許第6062479号(P6062479)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6062479ゲームシステム、および、このゲームシステムを実現するためのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062479
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】ゲームシステム、および、このゲームシステムを実現するためのプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/56 20140101AFI20170106BHJP
   A63F 13/47 20140101ALI20170106BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20170106BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20170106BHJP
【FI】
   A63F13/56
   A63F13/47
   A63F13/58
   A63F13/822
【請求項の数】2
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-83275(P2015-83275)
(22)【出願日】2015年4月15日
(62)【分割の表示】特願2009-279056(P2009-279056)の分割
【原出願日】2009年12月9日
(65)【公開番号】特開2015-164540(P2015-164540A)
(43)【公開日】2015年9月17日
【審査請求日】2015年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100161274
【弁理士】
【氏名又は名称】土居 史明
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 充
(72)【発明者】
【氏名】下山 佐助
(72)【発明者】
【氏名】山本 真
【審査官】 古川 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−143557(JP,A)
【文献】 Nintendo DREAM 10月号別冊付録 モンスターハンター3,株式会社毎日コミュニケーションズ,2009年10月 1日,第14巻, 第10号,第2頁
【文献】 カプコン完璧攻略シリーズ46 ロックマンXコマンドミッション必勝攻略法,株式会社カプコン,2004年 9月 5日,第1刷,P.018−020、135、151、194
【文献】 電撃ゲームス 特別付録 攻略MANIAX 2009 SUMMER,株式会社アスキー・メディアワークス,2009年11月 1日,第42-44頁
【文献】 戦国BASARA2 公式ガイドブック,株式会社カプコン 辻本 春弘,2008年 2月22日,第五刷,p.201
【文献】 ラグナロクオンライン公式ガイド 2008 上巻,ソフトバンク クリエイティブ株式会社,2008年 6月16日,初版,p.139
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 − 13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、仮想ゲーム空間上において少なくとも1体の第1のキャラクタおよび前記第1のキャラクタ以外の少なくとも1体の第2のキャラクタを活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
所定の領域内に存在する前記第2のキャラクタの数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によってカウントされた第2のキャラクタ数に応じて、前記第1のキャラクタに対して設定される所定のパラメータ値を変更するパラメータ値変更手段と、
前記所定のパラメータ値に基づいて、前記第1のキャラクタの動作を制御する動作制御手段と、
して機能させ、
前記所定の領域は、前記第1のキャラクタから所定の距離内の領域であり、
前記所定のパラメータ値は、前記第1のキャラクタが、前記所定の領域内または所定の領域外の前記第2のキャラクタに、所定のアイテムを付与する確率であり、
前記所定のアイテムの効果は、前記第2のキャラクタ数に応じて変化する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムを記憶するプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムに基づいて処理を実行するコンピュータと、
を備えていることを特徴とするゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想ゲーム空間上において少なくとも2種類のキャラクタを活動させるゲームシステム、および、このゲームシステムを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤが所定のキャラクタを操作し、仮想ゲーム空間上で、敵であるキャラクタと戦うアクションゲームが開発されている。以下では、プレイヤが操作するキャラクタを「プレイヤキャラクタ」といい、敵であるキャラクタを「敵キャラクタ」という。
【0003】
アクションゲームの中には、所定の敵キャラクタ(以下、「ボスキャラ」という。)を倒すことにより、ステージをクリアすることができるゲームがある。このようなアクションゲームにおいては、一般的に、ボスキャラの周囲にその部下である複数の敵キャラクタ(以下、「ザコキャラ」という。)が配置されている。ザコキャラは、自分の周囲に設定された攻撃範囲にプレイヤキャラクタまたはその部下であるキャラクタ(以下、「部下キャラ」という。)が入った場合、当該プレイヤキャラクタまたは部下キャラを攻撃するように制御されている。このように、ボスキャラを攻撃しようとするプレイヤキャラクタ等をザコキャラが攻撃するよう制御することで、ザコキャラはボスキャラを守ることになる。つまり、ザコキャラは、間接的にボスキャラを守るように制御されている。
【0004】
図7は、従来のアクションゲームの一場面を説明するための図であり、プレイヤキャラクタPCが部下キャラBC1〜BC4(図7ではプレイヤキャラクタPC以外の、胴体部分が白色のキャラクタ。図2において同じ。)を率いて、ボスキャラECの陣を攻めている場面を示している。ボスキャラECの周囲には8体のザコキャラZC1〜ZC8(図7ではボスキャラクタEC以外の、胴体部分が黒色のキャラクタ。図2において同じ。)が配置されている。ザコキャラZC1,ZC4,ZC7は、それぞれ自分の攻撃範囲に入った部下キャラBC1,BC3,BC4と戦っており、ボスキャラECを部下キャラBC1,BC3,BC4の攻撃から守っている。
【0005】
なお、特開2001−149655号公報には、集団を構成する各騎馬兵士がそれぞれ独立に制御され、敵騎馬兵士を索敵して戦闘する戦闘方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−149655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このようなアクションゲームにおいては、ザコキャラが直接的にボスキャラを守るように制御されているのではないので、プレイヤは、ザコキャラをすべて無視してボスキャラのみを倒すように、プレイヤキャラクタを操作することができる。例えば、図7において、ザコキャラZC5,ZC8を避け、部下キャラBC1,BC3と戦闘中のザコキャラZC1,ZC4の背後を通る点線矢印のルートでプレイヤキャラクタPCを移動させた場合、ザコキャラZC1〜ZC8からの攻撃を避けて直接ボスキャラECと戦うことができる。この場合、ザコキャラZCがボスキャラECの周囲に多数存在していたとしてもその存在が全く意味のないものになり、プレイヤはボスキャラECのみを倒すことでステージをクリアすることができるので、ゲーム上の戦略が画一的なものになってしまうおそれがある。
【0008】
ボスキャラの周囲に存在するザコキャラが多い場合、プレイヤキャラクタがボスキャラを倒すことが難しくなるように設定されていれば、プレイヤは、ボスキャラを倒しやすくするために、まずザコキャラを倒すという戦略を採用する可能性が出てくる。しかし、ボスキャラの周囲に存在するザコキャラの数によってボスキャラの倒し易さを変化させるアクションゲームは、従来開発されていなかった。
【0009】
また、ボスキャラまたはプレイヤキャラクタの周囲に存在するザコキャラの数や部下キャラの数に応じて、ボスキャラまたはプレイヤキャラクタの強さを変化させるアクションゲームも従来開発されていなかった。また、アクションゲーム以外の種類のゲームにおいても、仮想ゲーム空間上のあるキャラクタの周囲に存在する所定のキャラクタの数に応じて、当該あるキャラクタの強さ、スピード、大きさ、行動確率などの所定のパラメータ値を変化させるゲームは、従来開発されていなかった。
【0010】
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、所定の領域に存在する所定のキャラクタの数に応じて別のキャラクタの所定のパラメータ値を変化させるという設定をすることにより、プレイヤがゲーム上の新たな戦略を採用する可能性を生じさせ、ゲーム上の戦略が画一的なものになってしまうことを抑制することができるゲームを提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0012】
本発明の第1の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、仮想ゲーム空間上において少なくとも1体の第1のキャラクタおよび前記第1のキャラクタ以外の少なくとも1体の第2のキャラクタを活動させるゲーム装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、所定の領域内に存在する前記第2のキャラクタの数をカウントするカウント手段と、前記カウント手段によってカウントされた第2のキャラクタ数に応じて、前記第1のキャラクタに対して設定される所定のパラメータ値を変更するパラメータ値変更手段と、前記所定のパラメータ値に基づいて、前記第1のキャラクタの動作を制御する動作制御手段と、して機能させ、前記所定の領域は、前記第1のキャラクタから所定の距離内の領域であり、前記所定のパラメータ値は、前記第1のキャラクタが、前記所定の領域内または所定の領域外の前記第2のキャラクタに、所定のアイテムを付与する確率であり、前記所定のアイテムの効果は、前記第2のキャラクタ数に応じて変化する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の側面によって提供されるゲームシステムは、本発明の第1の側面によって適用されるプログラムを記憶するプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムに基づいて処理を実行するコンピュータと、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、所定の領域内に存在する第2のキャラクタの数に応じて、第1のキャラクタに設定される所定のパラメータ値が変更され、第1のキャラクタの動作が変化する。したがって、ゲームの内容が画一的なものとなることを抑制することができる。
【0015】
すなわち、例えば、第1のキャラクタおよび第2のキャラクタがプレイヤキャラクタと対戦する敵キャラクタの場合、プレイヤは、プレイヤキャラクタを操作することによって第2のキャラクタを倒してその数を減らすことで、第1のキャラクタの動作を変更することができる。これにより、従来は想定されなかった新たな戦略をプレイヤが採用する可能性が生じ、ゲーム上の戦略が画一的なものになってしまうことを抑制することができる。
【0016】
さらに、所定のパラメータ値が第1のキャラクタが第2のキャラクタにプレイヤキャラクタに対する一斉攻撃をさせる確率であって、第1のキャラクタの周囲に存在する第2のキャラクタの数が多いほど所定のパラメータ値が高くなるという設定にした場合、例えば以下のような戦略を採用することができる。すなわち、第1のキャラクタの周囲に存在する第2のキャラクタの数が多ければ、プレイヤキャラクタが一斉攻撃を受ける確率が高くなり、第1のキャラクタを倒すことが難しくなる。したがって、第2のキャラクタを無視して第1のキャラクタを攻撃するという戦略以外に、第2のキャラクタを先に倒して一斉攻撃を受ける確率を下げてから第1のキャラクタを攻撃するという戦略を、プレイヤが採用する可能性が出てくる。これにより、ゲーム上の戦略が画一的なものになってしまうことを抑制することができる。
【0017】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ある合戦における、各陣の構成を説明するための図である。
図2】本実施形態に係るアクションゲームの1場面を説明するための図である。
図3】呼び寄せ確率テーブルの一例を示す図である。
図4】かかれ確率テーブルの一例を示す図である。
図5】本発明に係るゲーム装置を示す構成図である。
図6】陣大将行動処理を説明するためのフローチャートである。
図7】従来のアクションゲームの一場面を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態として、本発明に係るゲームプログラムをゲームソフトに適用した場合について、添付図面を参照して具体的に説明する。以下の説明では、家庭用ゲーム装置(以下、「ゲーム装置」とする。)において、アクションゲームを進行している場合を例として説明する。
【0020】
本実施形態に係るアクションゲームは、日本の戦国時代を舞台としたアクションゲームである。プレイヤは、自分が選択した戦国武将をプレイヤキャラクタとし、そのプレイヤキャラクタを操作して他の武将と戦わせることで、自分がその戦国武将となって他の武将と戦っているかのように感じることを楽しむことができる。このゲームには、プレイヤが戦国武将となって全国に広がる敵の軍勢と戦い、自国の領土を拡げながら天下統一を目指す天下統一モード等の複数のモードが設定されている。天下統一モードでは、他国の軍勢と合戦を行い、敵の総大将を倒して合戦に勝利していくことでゲームが進行していく。各合戦において、敵の総大将は、自国の領土に複数の陣を設けて、これらの陣をそれぞれ陣大将に守らせている。
【0021】
図1は、ある合戦場(ステージ)における、各陣の構成を説明するための図である。同図においては、仮想ゲーム空間上に4つの敵陣(点描している陣)と1つの味方陣(白抜きの陣)が配置されている状態を示している。敵陣のうち1つの陣には総大将(黒色の大丸で示す)が配置されており、その他の各敵陣には陣大将(灰色の大丸で示す)がそれぞれ配置されている。また、各敵陣には、総大将または陣大将の部下である複数の敵足軽(白い小丸で示す)が配置されている。プレイヤは、陣大将を倒すことで敵陣を占領することができ、総大将を倒すことで当該合戦に勝利することができる。なお、敵足軽を倒すだけでは敵陣を占領することはできない。また、倒された陣大将は、ゲーム空間から削除される。
【0022】
プレイヤキャラクタが敵陣を攻めてこれを占領した場合、占領した敵陣を味方陣とすることができる。この場合、味方陣に陣大将(白い大丸で示す)およびその部下である複数の味方足軽(白い小丸で示す)が配置される。なお、合戦開始時における合戦場の陣はすべて敵陣であって、味方陣は存在しない。同図に示す状態は、5つの敵陣のうちの1つをプレイヤキャラクタが占領して味方陣とした状態である。逆に、味方陣が敵キャラクタに攻められて陣大将が倒された場合、当該味方陣は敵キャラクタに占領されて敵陣となり、敵の陣大将および敵足軽が配置される。
【0023】
図2は、本実施形態に係るアクションゲームの1場面を説明するための図であり、プレイヤキャラクタがある敵陣を攻めている場面を示している。同図(a)は、プレイヤキャラクタPCが部下足軽BC1〜BC3を率いて、陣大将ECの陣に攻め込んだ場面を示している。敵陣には陣大将ECの部下である敵足軽ZC1〜ZC5が存在している。
【0024】
なお、以下の説明では、部下足軽BC1〜BC3を区別しない場合は「部下足軽BC」とし、敵足軽ZC1〜ZC5を区別しない場合は、「敵足軽ZC」とする。実際のゲームにおいては、多数の部下足軽BCおよび敵足軽ZCが存在するが、同図においては上記のように省略して記載している。また、同図において記載されている破線円弧Aは、陣大将ECを中心とする所定半径の円の一部であって、実際の画面上には表示されない。当該破線円弧Aは、敵足軽ZC1〜ZC5が陣大将ECの周囲に存在するか否かを説明するために、便宜上記載したものである。なお、実際には、各敵足軽ZC1〜ZC5の位置座標と陣大将ECの位置座標とから両者の距離を算出して、当該距離が所定半径以下である敵足軽ZCが陣大将ECの周囲に存在すると判断される。
【0025】
敵足軽ZCは、自分の周囲に設定された攻撃範囲にプレイヤキャラクタPCまたは部下足軽BCが入った場合、当該プレイヤキャラクタPCまたは部下足軽BCを攻撃するように制御されている。なお、攻撃範囲とは、敵キャラクタ毎に予め設定されている領域であり、例えば、各敵キャラクタの位置を中心とする所定半径の円状の領域である。この制御によって、陣大将ECを攻撃しようとするプレイヤキャラクタPC等を攻撃することで、敵足軽ZCは、陣大将ECおよびその陣を守っている。敵足軽ZCにはそれぞれヒットポイントが設定されている。ヒットポイントは、キャラクタ毎にその耐久力に応じて設定されている耐久値であり、攻撃を受けることで減少していく。プレイヤキャラクタPC等の攻撃によって敵足軽ZCのヒットポイントがゼロになると、当該敵足軽ZCは倒されて仮想ゲーム空間上から消滅する。
【0026】
周囲に存在する敵足軽ZCが少なくなると、陣大将ECはプレイヤキャラクタPC等からの攻撃を受けやすくなる。陣大将ECは、単独でもプレイヤキャラクタPC等からの攻撃に対する防御を行うことができるが、敵足軽ZCに対して指示を出して敵陣の防御を強化することもできる。陣大将ECの敵足軽ZCに対する指示行動には、(1)敵足軽ZCを陣大将ECの周囲に集める行動(以下、この行動を「呼び寄せ」という。)、(2)陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCにプレイヤキャラクタPCに対する一斉攻撃を行わせる行動(以下、この行動を「かかれ」という。)、(3)陣内の全敵足軽ZCに所定のアイテム(例えば、回復アイテム)を与える行動(以下、この行動を「降らせ」という。)の3種類がある。陣大将ECは、これらの指示行動と自身の有する攻撃/防御能力(武器や防具などに依存した能力)を駆使してプレイヤキャラクタPC等と対戦し、敵陣を守ろうとする。陣大将ECの行動は、後述する陣大将行動処理に基づいて制御される。
【0027】
陣大将ECは、所定の条件を満たすと、自分を守護させるために敵足軽ZCを自分の周囲に集める「呼び寄せ」を行う場合がある。陣大将ECが「呼び寄せ」を行う確率(以下、「呼び寄せ確率」という。)は、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数に応じて設定されている。なお、「陣大将EC」が本発明の「第1のキャラクタ」に対応するものであり、「敵足軽ZC」が本発明の「第2のキャラクタ」に対応するものである。また、「陣大将ECの周囲」が本発明の「所定の領域」に対応し、「呼び寄せ確率」が本発明の「所定のパラメータ値」に対応するものである。
【0028】
図3は、呼び寄せ確率が設定された呼び寄せ確率テーブルの一例を示す図である。
【0029】
同図の左欄が陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数を示しており、右欄が呼び寄せ確率を示している。同図に示すように、呼び寄せ確率は、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数が少なくなるほど高くなるように設定されている。陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数が少ない場合、陣大将ECが直接プレイヤキャラクタPC等に攻撃される可能性が高くなり、陣大将ECが倒されやすくなる。陣大将ECがプレイヤキャラクタPCに倒されると敵陣が占領されるので、陣大将ECを守護する敵足軽ZCが手薄になるのに応じて呼び寄せ確率を高くして敵足軽ZCの守護力を補強し、敵陣の防御力を可及的に高く維持できるようにしている。また、後述する「かかれ」を行うためには、陣大将ECの周囲に所定数以上の敵足軽ZCが存在する必要がある。当該所定数の敵足軽ZCを陣大将ECの周囲に存在させるためにも、周囲の敵足軽ZCの数が少ないほど呼び寄せ確率が高くなるように設定している。
【0030】
なお、同図に示す呼び寄せ確率テーブルは、あくまでも一例であって、各確率をどのように設定するかは、これに限定されない。例えば、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCが6体以上の場合は、「呼び寄せ」を行わない(呼び寄せ確率を0%にする)ようにしてもよいし、敵足軽ZCが0体の場合は、「呼び寄せ」を必ず行う(呼び寄せ確率を100%にする)ようにしてもよい。また、呼び寄せ確率をテーブルで設定するのではなく、敵足軽ZCの数に基づいて算出するようにしてもよい。なお、本実施形態では、「呼び寄せ」を行ってから少なくとも所定の時間(例えば、30秒)は、次の「呼び寄せ」を行わないようにしている。
【0031】
図2(a)において、陣大将ECの周囲(同図に示す破線円弧内の領域)に存在する敵足軽ZCは2体なので、陣大将ECは70%の確率で「呼び寄せ」を行う(図3参照)。図2(b)は、陣大将ECが「呼び寄せ」を行ったときの場面を示している。同図(b)においては、陣大将ECが「呼び寄せ」を行ったことにより、陣大将ECの周囲に存在しなかった敵足軽ZC6〜ZC8が、陣大将ECの周囲に出現している。なお、陣の中にいる足軽(例えば、図2(b)に示す敵足軽ZC3〜ZC5や、ゲーム画面上に表示されていないが陣の中にいる敵足軽ZC)を呼び寄せるようにしてもよい。
【0032】
また、陣大将ECは、所定の条件を満たすと、周囲に存在する敵足軽ZCにプレイヤキャラクタPCに対する一斉攻撃を行わせる「かかれ」を行う場合がある。陣大将ECは、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数が所定数(例えば、5体)未満の場合は「かかれ」を行わず、所定数以上の場合のみ設定された確率で「かかれ」を行う。以下では、陣大将ECが「かかれ」を行う確率を「かかれ確率」という。なお、当該「かかれ確率」が本発明の「所定のパラメータ値」に対応するものである。
【0033】
図4は、かかれ確率が設定されたかかれ確率テーブルの一例を示す図である。
【0034】
同図の左欄が陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数を示しており、右欄がかかれ確率を示している。同図に示すように、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCが4体以下の場合は「かかれ」を行わないように設定され、5体以上の場合はかかれ確率が70〜90%に設定されている。5体以上の場合は、予め設定されているゲーム全体の難易度(以下、説明の便宜上、「陣の占領のし易さ」という。)に応じてかかれ確率を変化させている。すなわち、当該陣の占領のし易さが「普通」に設定されている場合は70%に設定
されており、「難しい」に設定されている場合は80%に設定されており、「究極」に設定されている場合は90%に設定されている。4体以下の場合は、一斉攻撃の効果が少ないので、「かかれ」を行わないように設定されている。なお、4体以下の場合に、「かかれ」を行わないように設定する代わりに、かかれ確率を0%として設定してもよい。
【0035】
なお、同図に示すかかれ確率テーブルは、あくまでも一例であって、各確率をどのように設定するかは、これに限定されない。例えば、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCが4体以下の場合にもかかれ確率を設定してもよいし、5体以上の場合のかかれ確率を一定とせず、敵足軽ZCの数により異なるように設定してもよい。また、敵足軽ZCの数が多いほどかかれ確率が高くなるようにしてもよいし、逆に、敵足軽ZCの数が少ないほどかかれ確率が高くなるようにしてもよい。また、かかれ確率をテーブルで設定するのではなく、敵足軽ZCの数に基づいて算出するようにしてもよい。なお、本実施形態では、「かかれ」を行ってから少なくとも所定の時間(例えば、10秒)は、次の「かかれ」を行わないようにしている。
【0036】
図2(b)において、陣大将ECの周囲(同図に示す破線円弧内の領域)に存在する敵足軽ZCは5体なので、当該陣の占領のし易さが「普通」に設定されている場合、陣大将ECは70%の確率で「かかれ」を行う(図4参照)。図2(c)は、陣大将ECが「かかれ」を行ったときの場面を示している。同図(c)においては、陣大将ECが「かかれ」を行ったことにより、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZC1、ZC2、ZC6〜ZC8が、プレイヤキャラクタPCに対して攻撃を仕掛けている。なお、本実施形態では、部下足軽BC1,BC3と戦っていた敵足軽ZC8,ZC7もプレイヤキャラクタPCに対して攻撃を仕掛けているが、敵足軽ZC8,ZC7が部下足軽BC1,BC3との戦いを優先するようにしてもよい。
【0037】
また、陣大将ECは、所定の時間(例えば、120秒)毎に、陣内に存在する敵足軽ZCに所定のアイテムを与える「降らせ」を行う。陣大将ECが敵足軽ZCに与えるアイテムは陣毎に設定されており、そのアイテムを受け取ったときの効果は受け取ったアイテムに対応して設定されている。例えば、回復アイテムである「おにぎり」を与える陣(以下では、「回復陣」という。)では、「おにぎり」を受け取った敵足軽ZCのヒットポイントが回復する。また、「刀」を与える陣では、受け取った敵足軽ZCの攻撃力が所定の時間増加し、「楯」を与える陣では、受け取った敵足軽ZCの防御力が所定の時間増加する。
【0038】
なお、本実施形態では、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数に関係なく「降らせ」を行うようにしているが、これに限られない。例えば、陣大将ECの周囲(または、陣内)に敵足軽ZCが所定数以上存在する場合にのみ「降らせ」を行うようにしてもよいし、敵足軽ZCの数に応じて「降らせ」を行う確率を変化させるようにしてもよい。また、敵足軽ZCの数に応じて、ヒットポイントの回復度合い、攻撃力や防御力の増加の度合い、または攻撃力や防御力が増加する時間を変化させるようにしてもよい。
【0039】
図2(d)は、陣大将ECが「降らせ」を行ったときの場面を示している。同図(d)においては、当該陣が「回復陣」である場合を示しており、陣大将ECが「降らせ」を行ったことにより、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZC1〜ZC8には「おにぎり」(敵足軽ZC1〜ZC8の左手先端に示す白三角形のアイテム)が与えられ、敵足軽ZC1〜ZC8のヒットポイントが回復している。
【0040】
また、陣大将ECは、上記「呼び寄せ」、「かかれ」、「降らせ」を行わない場合であって、プレイヤキャラクタPCが攻撃範囲内に入っている場合、プレイヤキャラクタPCを攻撃する。なお、本実施形態において、陣大将ECの攻撃範囲は、破線円弧A内の領域より狭い範囲としている(すなわち、攻撃範囲を規定するための所定半径を、陣大将ECの周囲を規定する所定半径より小さくしている。)。また、本実施形態では、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数に関係なく、プレイヤキャラクタPCが攻撃範囲内に入っている場合に、陣大将ECがプレイヤキャラクタPCを攻撃するようにしているが、これに限られない。例えば、陣大将ECの周囲に敵足軽ZCが所定数以上存在する場合にのみ攻撃するようにしてもよいし、敵足軽ZCの数に応じて攻撃する確率を変化させるようにしてもよい。
【0041】
なお、陣大将ECは、上記「呼び寄せ」、「かかれ」、「降らせ」を行っている間、プレイヤキャラクタPCを攻撃することができない。したがって、プレイヤは、陣大将ECが攻撃以外の行動をしているときをねらって、陣大将ECを攻撃することができる。
【0042】
また、陣大将ECは、プレイヤキャラクタPCまたは部下足軽BC1〜3から攻撃を受けた場合、上記に関係なく、攻撃に対する防御を行う。防御が成功するか否かは、陣大将ECのヒットポイントに応じて設定されているガード確率を用いた抽選により決定される。本実施形態においては、ヒットポイントが小さいときに受けた攻撃によって、すぐにヒットポイントがゼロになって、陣大将ECが倒されてしまうことを抑制するために、陣大将ECのヒットポイントが小さいほどガード確率が高くなるように設定されている。なお、本実施形態では、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数に関係なく、プレイヤキャラクタPCなどからの攻撃を受けた場合に、陣大将ECが当該攻撃に対する防御を行うようにしているが、これに限られない。例えば、陣大将ECの周囲に敵足軽ZCが所定数以上存在する場合にのみ防御を行うようにしてもよいし、敵足軽ZCの数に応じて防御を行う確率を変化させるようにしてもよい。また、防御を行う場合に、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数に応じてガード確率を変化させるようにしてもよい。
【0043】
次に、本実施形態のハード構成について説明する。
【0044】
図5は、本発明に係るゲーム装置を示す構成図である。ゲーム装置1は、本体11、操作コントローラ12、およびモニタ13を備えている。操作コントローラ12およびモニタ13は、専用のケーブルによって本体11に接続されている。本体11には、ゲームプログラムやゲームデータが記録されているディスク14が装着され、また、必要に応じてゲームデータを保存するためのメモリカード15も装着される。
【0045】
本体11は、制御部111、描画処理部112、音声処理部113、ディスクドライブユニット114、メモリカード接続ユニット115、I/Oインターフェース部116、および通信処理部117を備える。制御部111には、描画処理部112、音声処理部113、I/Oインターフェース部116、および通信処理部117が接続されている。また、I/Oインターフェース部116には、ディスクドライブユニット114、メモリカード接続ユニット115、操作コントローラ12、およびモニタ13が接続されている。
【0046】
ゲーム装置1では、上記アクションゲームのソフトウェアが記録されたディスク14がディスクドライブユニット114に装着され、このディスクドライブユニット114からディスク14内のゲームプログラムおよびゲームデータが制御部111内のRAM111c(後述)に読み込まれる。読み込まれたゲームプログラムがCPU111a(後述)によって実行されることにより、プレイヤはゲーム内容を楽しむことができる。プレイヤは、操作コントローラ12の操作部材12a〜12c(後述)を操作することによりプレイヤキャラクタを操作し、ゲームを進行させることができる。
【0047】
ディスク14内のゲームデータには、プレイヤキャラクタや敵キャラクタなどのキャラクタ、背景などの画像データ、効果音などの音声データ、および、ゲーム進行や描画の際に参照される各種テーブルなどが含まれる。
【0048】
制御部111は、本体11の全体動作を制御するマイクロコンピュータを有している。マイクロコンピュータは、CPU111a、ROM111b、およびRAM111c等からなり、各部は、それぞれバスラインで接続されている。
【0049】
CPU111aは、ディスクドライブユニット114によってディスク14からRAM111cに読み込まれるゲームプログラムを実行することより、ゲーム進行を統括的に制御する。より具体的には、操作コントローラ12からプレイヤが操作することによる操作信号が入力されると、CPU111aは、ゲームプログラムにしたがってその操作信号に対する所定のゲーム進行処理を行う。CPU111aは、その処理結果をモニタ13に例えば三次元画像によって表示するとともに、モニタ13のスピーカ13a(後述)から効果音などによって出力する。
【0050】
本実施形態において、CPU111aは、敵の陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数をカウントする。すなわち、各敵足軽ZCの位置座標と敵の陣大将ECの位置座標とから両者の距離を算出して、当該距離が所定半径以下である敵足軽ZCの数をカウントする。また、CPU111aは、RAM111cに格納された呼び寄せ確率テーブル(図3参照)を参照して、カウントした敵足軽数に対応する呼び寄せ確率を用いて抽選を行う。例えば、図3に示す呼び寄せ確率テーブルが設定されている場合、カウントした敵足軽数が3体であれば、CPU111aは、「呼び寄せ」が行われる確率として50%を設定して抽選を行う。また、CPU111aは、RAM111cに格納されたかかれ確率テーブル(図4参照)を参照して、カウントした敵足軽数および当該陣の占領のし易さに対応するかかれ確率を用いて抽選を行う。例えば、図4に示すかかれ確率テーブルが設定されている場合、カウントした敵足軽数が5体であり、当該陣の占領のし易さが「普通」であれば、CPU111aは、「かかれ」が行われる確率として70%を設定して抽選を行う。また、CPU111aは、これらの抽選結果などに基づいて、敵の陣大将ECの行動を制御する。CPU111aで実行される敵の陣大将ECの行動処理については後述する。
【0051】
ROM111bには、ディスクローディング機能等のゲーム装置1の基本的な機能やディスク14に記録されたゲームプログラムおよびゲームデータを読み出す手順等を示す基本プログラムが記憶されている。CPU111aは、ディスクドライブユニット114にディスク14が装着されると、ROM111bの基本プログラムにしたがってディスクドライブユニット114を動作させ、ディスク14からゲームプログラムおよびゲームデータをRAM111cに読み込み、ゲーム開始状態に設定する。
【0052】
RAM111cは、ディスクドライブユニット114によってディスク14から読み込まれたゲームプログラムやゲームデータが格納されるエリアと、CPU111aがゲームプログラムを実行するためのワークエリアとを提供するものである。
【0053】
上記ゲームプログラムは、複数のプログラムが組み合わされて構成されており、例えばモニタ13に表示されているプレイヤキャラクタの動作を操作コントローラ12からのプレイヤの操作信号に基づいて制御するゲーム進行プログラムやモニタ13に表示すべき三次元画像を制御するグラフィック制御プログラム等によって構成されている。
【0054】
本実施形態において、RAM111cは、呼び寄せ確率テーブル(図3参照)およびかかれ確率テーブル(図4参照)をゲームデータとして格納している。
【0055】
CPU111aは、操作コントローラ12からのプレイヤの操作信号に基づき、必要に応じてディスク14からゲームプログラムや画像データ等をRAM111cに読み込み、これらのデータを処理したりゲームプログラムを実行したりすることにより、モニタ13に表示すべき三次元画像の内容を決定する。
【0056】
描画処理部112は、描画処理に必要な各種の演算処理を行うものである。CPU111aは、例えば、1/60秒毎に、描画処理部112に描画指令を出力する。このとき、CPU111aは、モニタ13に表示すべき画像を決定し、その画像の描画に必要な画像データ(キャラクタなどのオブジェクトのポリゴンデータ、および背景データ)、および光源データ等をRAM111cから読み出して描画処理部112に供給する。また、CPU111aは、各キャラクタの位置データや、操作コントローラ12から入力される操作信号を描画処理部112に供給する。
【0057】
描画処理部112は、CPU111aから供給される画像データ等および操作信号に基づいて、描画に必要なデータ(各オブジェクトおよび背景の位置関係、モニタ13の画面上における各オブジェクトを構成するポリゴンの座標、各ポリゴンに対応するテクスチャ、並びに各ポリゴンの反射特性等のデータ)を演算し、その演算結果に基づいて描画処理部112内のVRAM(図示せず)に1コマ(1フレーム)の表示画面の画像データを作成する。作成された表示画面の画像データは、例えば、1/60秒毎に映像信号としてモニタ13に出力されて表示される。
【0058】
音声処理部113は、効果音等の音声を発生させる処理に必要な各種の演算処理を行うものである。CPU111aは、モニタ13のスピーカ13aから出力すべき効果音若しくはBGMの音響内容を決定すると、音声処理部113に音声指令を出力する。音声処理部113は、CPU111aからの音声指令に基づき、RAM111cから効果音もしくはBGMの音声データを読み出し、所定の加工処理とD/A変換処理とを施した後、スピーカ13aに出力する。
【0059】
ディスクドライブユニット114は、CPU111aからのローディング指令(ローディングすべきゲームプログラムとゲームデータを指定した読出指令)に基づき、ディスク14に記録されたゲームプログラムやゲームデータを読み出すものである。
【0060】
メモリカード接続ユニット115は、ゲーム進行に関する情報をメモリカード15に書き込んだり、読み出したりするためのユニットである。CPU111aは、ゲーム進行中やゲーム終了時にプレイヤから「データのセーブ」が指令されると、メモリカード接続ユニット115を介してメモリカード15に、ゲーム進行に関する情報(この情報には、例えば、プレイヤが設定したゲームキャラクタの種類、獲得したポイントやアイテムなどの各種の特典などの情報が含まれる。)を記憶する。また、メモリカード15に記憶されたゲーム進行に関する情報は、ゲーム開始前にRAM111cに読み出される。
【0061】
I/Oインターフェース部116は、ディスクドライブユニット114やメモリカード接続ユニット115によって読み出されたゲームプログラムやゲームデータ、および操作コントローラ12からの操作信号等を制御部111に伝送したり、制御部111、描画処理部112や音声処理部113からの映像信号や音声信号等をモニタ13に伝送したりするものである。
【0062】
通信処理部117は、ネットワークを介して他のゲーム装置1と通信を行う場合に、データの送信および受信を行うための制御を行うものである。通信処理部117は、操作コントローラ12から入力される操作信号やCPU111aから出力される信号をネットワークを介して他のゲーム装置1に送信し、ネットワークを介して他のゲーム装置1から送信される信号を受信してCPU111aに入力する。
【0063】
操作コントローラ12は、キャラクタを動作させたり、ゲームに関する各種の設定を行ったりするためにプレイヤによって操作されるものであり、複数のボタン12aと左レバー12bと右レバー12cとを有する。プレイヤによって操作コントローラ12が操作されると、その操作信号が制御部111に伝送され、モニタ13に表示されたキャラクタが所定の動作を行う。所定の動作としては、例えば、走る、しゃがむ、ジャンプする等の移動動作や武器を使用して相手を攻撃する攻撃動作がある。移動動作は、主に左レバー12bによって操作され、攻撃動作は主に複数のボタン12aおよび右レバー12cによって操作される。
【0064】
モニタ13は、本体11から送られてきた映像信号に応じてゲーム進行状態を示す表示画面を映し出したり、本体11から送られてきた音声信号に応じてスピーカ13aから効果音等の音声を出力させたりするための装置である。モニタ13は、映像信号や音声信号を入力するための外部入力端子を備えた、例えばテレビジョン受像機によって構成されている。
【0065】
ディスク14は、例えばDVD−ROM又はCD−ROM等の光ディスクである。ディスク14には、ゲームプログラムやそのゲームプログラムの実行に必要な種々のデータや画像データが記録されている。メモリカード15は、例えばフラッシュメモリ等のデータの書き換えが可能な不揮発性の記録媒体である。RAM111cのワークエリアの記録は、ゲーム装置本体11の電源を切ると消滅してしまうことから、メモリカード15は、RAM111cのワークエリアの記録のうち消滅させずに残しておくべきゲーム進行に関する情報を記録する。
【0066】
ゲーム装置1は、ネットワークアダプタ16を介して、インターネット回線などのネットワーク回線2に接続することができる。この場合、ネットワーク回線2を介して、複数のゲーム装置1間でゲームを行うこともできる(いわゆる「オンラインゲーム」)。本実施形態では、ゲーム装置1単独で行うゲームについて説明しているが、このようなオンラインゲームでも本発明を適用することができる。
【0067】
次に、敵の陣大将ECの行動処理について、図6を参照して説明する。
【0068】
敵の陣大将ECの行動は、CPU111aによって制御される。陣大将ECの行動には、上述したように、5つの行動(すなわち、(1)「呼び寄せ」、(2)「かかれ」、(3)「降らせ」、(4)「攻撃」、および(5)「防御」)があり、陣大将ECは、各行動を行うための要件を満たした場合(なお、「呼び寄せ」および「かかれ」については、更に抽選に当選した場合)に、それぞれの行動を行う。
【0069】
図6は、ゲーム装置1のCPU111aで行われる、敵の陣大将ECの行動処理(以下、「陣大将行動処理」という。)を説明するためのフローチャートである。陣大将行動処理は、陣大将ECの行動を制御するための処理であり、プレイヤキャラクタPCが敵陣を攻めるために敵陣に入ったときに開始される。なお、当該陣大将ECが倒された場合、陣大将行動処理は終了される。
【0070】
まず、前回「呼び寄せ」を行ってから所定時間(例えば、30秒)が経過しているか否かが判別される(S1)。所定時間が経過していない場合(S1:NO)、「呼び寄せ」処理(後述)を行わないので、ステップS5に進む。一方、所定時間が経過している場合(S1:YES)、「呼び寄せ」抽選処理が行われ(S2)、当選したか否かが判別される(S3)。「呼び寄せ」抽選処理は、「呼び寄せ」を行うか否かを抽選するための処理であり、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数をカウントする処理、呼び寄せ確率テーブル(図3参照)を参照してカウントした敵足軽数に対応する呼び寄せ確率を決定する処理、および、決定された呼び寄せ確率を用いて抽選を行う処理からなる。
【0071】
「呼び寄せ」抽選に当選しなかった場合(S3:NO)、「呼び寄せ」処理を行わないので、ステップS5に進む。一方、「呼び寄せ」抽選に当選した場合(S3:YES)、「呼び寄せ」処理が行われ(S4)、ステップS1に戻る。「呼び寄せ」処理は、陣大将ECに「呼び寄せ」を行わせる処理であり、陣大将ECに敵足軽ZCを呼び寄せる動作をさせる処理と敵足軽ZCを陣大将ECの周囲に移動させる処理を行う。当該処理と別途実行されている描画処理とによって、陣大将ECが敵足軽ZCを呼び寄せる映像(以下、適宜、「呼び寄せモーション」という。)と敵足軽ZCが陣大将ECの周囲に出現する映像が表示される(図2(b)参照)。陣大将ECの周囲に出現する敵足軽ZCの数は、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数や、陣大将EC毎に設定されているパラメータ値などにより異なり、また、所定の数以上にならないように制限されている。
【0072】
ステップS5において、前回「かかれ」を行ってから所定時間(例えば、10秒)が経過しているか否かが判別される(S5)。所定時間が経過していない場合(S5:NO)、「かかれ」処理(後述)を行わないので、ステップS10に進む。一方、所定時間が経過している場合(S5:YES)、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数が所定数(例えば、5体)以上であるか否かが判別される(S6)。所定数未満の場合(S6:NO)、「かかれ」処理を行わないので、ステップS10に進む。一方、所定数以上の場合(S6:YES)、「かかれ」抽選処理が行われ(S7)、当選したか否かが判別される(S8)。「かかれ」抽選処理は、「かかれ」を行うか否かを抽選するための処理であり、かかれ確率テーブル(図4参照)を参照して、当該陣の占領のし易さに対応するかかれ確率を決定する処理、および、決定されたかかれ確率を用いて抽選を行う処理からなる。なお、かかれ確率テーブルにおいて敵足軽数が所定数以下の場合のかかれ確率を0%に設定してもよい。この場合、ステップS7の「かかれ」抽選処理で、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数をカウントし、カウントした敵足軽数および当該陣の占領のし易さに対応するかかれ確率を決定するようにすればよい。
【0073】
「かかれ」抽選に当選しなかった場合(S8:NO)、「かかれ」処理を行わないので、ステップS10に進む。一方、「かかれ」抽選に当選した場合(S8:YES)、「かかれ」処理が行われ(S9)、ステップS1に戻る。「かかれ」処理は、陣大将ECに「かかれ」を行わせる処理であり、プレイヤキャラクタPCに対する一斉攻撃を仕掛けるための合図の動作をさせる処理と、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCに、その攻撃範囲に関係なくプレイヤキャラクタPCを攻撃させる処理を行う。当該処理と別途実行されている描画処理とによって、陣大将ECが一斉攻撃の合図の動作を行う映像と陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCがプレイヤキャラクタPCを一斉攻撃する映像が表示される(図2(c)参照)。
【0074】
ステップS10において、前回「降らせ」を行ってから所定時間(例えば、120秒)が経過しているか否かが判別される(S10)。所定時間が経過していない場合(S10:NO)、「降らせ」処理(後述)を行わないので、ステップS13に進む。一方、所定時間が経過している場合(S10:YES)、陣大将ECがゲーム画面に表示されているか否かが判別される(S11)。当該判別は、ゲーム画面を表示するための仮想的なカメラの位置座標および向き、並びに陣大将ECの位置座標によってなされる。すなわち、当該仮想的なカメラが陣大将ECの方を向いていない場合は、陣大将ECがゲーム画面に表示されていないと判別される。陣大将ECがゲーム画面に表示されていないときに「降らせ」が行われた場合、プレイヤは「降らせ」が行われたことを認識することができない。この場合、プレイヤが知らないうちに敵足軽ZCのヒットポイントが回復したり、敵足軽ZCの攻撃力などが増加したりすることになる。したがって、本実施形態においては、陣大将ECがゲーム画面に表示されていない場合には、「降らせ」を行わないことにしている。なお、陣大将ECがゲーム画面に表示されているか否かに関係なく「降らせ」を行うようにしてもよい。
【0075】
陣大将ECがゲーム画面に表示されていない場合(S11:NO)、「降らせ」処理を行わないので、ステップS13に進む。一方、陣大将ECがゲーム画面に表示されている場合(S11:YES)、「降らせ」処理が行われ(S12)、ステップS1に戻る。「降らせ」処理は、陣大将ECに「降らせ」を行わせる処理であり、陣内に存在する敵足軽ZCに所定のアイテム(例えば、おにぎり)を与える動作を陣大将ECにさせる処理と、敵足軽ZCのヒットポイントを回復させたり、攻撃力などを増加させたりする処理(与えられた所定のアイテムに応じて、定められている。)を行う。当該処理と別途実行されている描画処理とによって、陣大将ECが敵足軽ZCに所定のアイテムを与える映像が表示される(図2(d)参照)。なお、本実施形態においては、ヒットポイントの回復などが映像において表現されないが、回復する様子を映像化するようにしてもよい。
【0076】
ステップS13において、プレイヤキャラクタPCが陣大将ECの攻撃範囲内に入っているか否かが判別される(S13)。当該判別は、プレイヤキャラクタPCの位置座標と陣大将ECの位置座標とから両者の距離を算出して、当該距離が攻撃範囲を規定するための所定半径以下であるか否かで判別される。
【0077】
プレイヤキャラクタPCが陣大将ECの攻撃範囲内に入っている場合(S13:YES)、攻撃処理が行われ(S14)、ステップS1に戻る。攻撃処理は、陣大将ECにプレイヤキャラクタPCに対する攻撃を行わせる処理であり、この攻撃に対するプレイヤキャラクタPCの防御が成功したか否かで処理内容が変化する。当該処理と別途実行されている描画処理とによって、処理内容に応じた映像が表示される。すなわち、プレイヤキャラクタPCが防御をしなかった場合、および、プレイヤキャラクタPCの防御が失敗した場合、プレイヤキャラクタPCのヒットポイントは減少され、陣大将ECの攻撃がプレイヤキャラクタPCにヒットした映像が表示される。一方、プレイヤキャラクタPCの防御が成功した場合、プレイヤキャラクタPCのヒットポイントは減少されず、陣大将ECの攻撃をプレイヤキャラクタPCが防御した映像が表示される。
【0078】
一方、プレイヤキャラクタPCが陣大将ECの攻撃範囲内に入っていない場合(S13:NO)、待機が行われた上で、ステップS1に戻る。この場合、陣大将ECは、所定のフレーム数だけ、何の行動も行わないことになる。本実施形態では、待機するフレーム数によって、当該陣の占領のし易さを設定している。待機するフレーム数が多い場合、陣大将ECが何の行動も行っていない時間の割合が相対的に高くなるので、プレイヤは陣大将ECを攻撃しやすくなる。したがって、陣大将ECを倒し易くなるので、当該陣の占領の難易度が低くなる。逆に、待機するフレーム数が少ない場合、プレイヤキャラクタPCが陣大将ECの攻撃範囲内にいるときは、陣大将ECによる攻撃の時間の割合が相対的に高くなるので、プレイヤは攻撃しにくくなる。また、プレイヤキャラクタPCが陣大将ECの攻撃範囲内にいないときは、「呼び寄せ」、「かかれ」、「降らせ」が行われる割合が相対的に高くなるので、プレイヤは攻撃しにくくなる。したがって、陣大将ECを倒しにくくなるので、当該陣の占領の難易度が高くなる。
【0079】
なお、陣大将ECの行動のうち(5)「防御」は、陣大将行動処理とは別の処理で制御される。なお、「防御」についての処理の詳細な説明は省略する。
【0080】
本実施形態によると、陣大将ECが「かかれ」を行う確率は、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数に応じて変化し、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCが5体未満の場合は0%となり、5体以上の場合は占領のし易さに応じて70〜90%となる。陣大将ECが「かかれ」を行うと、敵足軽ZCがプレイヤキャラクタPCに一斉攻撃を仕掛けるので、プレイヤキャラクタPCが陣大将ECを倒すことが難しくなる。すなわち、陣大将ECの周囲に敵足軽ZCが5体以上存在する場合、陣大将ECを倒すことが難しくなる。したがって、プレイヤは、陣大将ECを倒しやすくするために、まず陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCを倒すという戦略を採用する可能性が出てくる。これにより、ゲーム上の戦略が画一的なものになってしまうことを抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態によると、陣大将ECが「呼び寄せ」を行う確率は、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数に応じて変化し、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数が少ないほど高くなる。陣大将ECが「呼び寄せ」を行うと、敵足軽ZCが陣大将ECの周囲に集まってくる。すなわち、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数が少なくなった場合に敵足軽ZCを陣大将ECの周囲に集めることができるので、陣大将ECが「かかれ」を行うことができずにプレイヤキャラクタPCに容易に倒されてしまうことを防ぐことができる。
【0082】
また、プレイヤが陣大将ECによる「かかれ」を避けるために陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数を減らすという戦略を採用する場合に、敵足軽ZCの数を減らしすぎると陣大将ECが「呼び寄せ」を行う確率が高くなる。この場合、「呼び寄せ」を行うことによって敵足軽ZCの数が多くなる可能性が高くなり、かえって「かかれ」が行われる可能性が高くなるおそれがある。一方、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCを4体(陣大将ECが「かかれ」を行わない最大の数)より減らさないようにした場合でも、これら4体の敵足軽ZCを避けて陣大将ECを攻撃するために時間がかかった場合は、陣大将ECから離れた位置にいた敵足軽ZCが陣大将ECに近づくことにより陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数が増加する。この場合は、陣大将ECが「かかれ」を行う可能性がでてくる。したがって、プレイヤは、陣大将ECが「呼び寄せ」を行う確率が高くなるが陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数を一気に減らして素早く陣大将ECを倒すという戦略を採用することもできるし、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCを4体にキープしながら陣大将ECを倒すという戦略を採用することもできる。これにより、ゲーム上の戦略が画一的なものになってしまうことを更に抑制することができる。
【0083】
また、「呼び寄せモーション」を再生している間、陣大将ECは無防備となる。したがって、このことを利用して、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCを全て倒して陣大将ECにあえて「呼び寄せ」を行わせ、無防備となった陣大将ECを攻撃するという戦略を採用することもできる。これにより、ゲーム上の戦略が画一的なものになってしまうことを更に抑制することができる。
【0084】
なお、上記実施形態は、敵の陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数に応じて呼び寄せ確率やかかれ確率を変化させる場合について説明したが、これに限られない。「降らせ」を行う確率、攻撃を行う確率、防御を行う確率、ガード確率などの他の行動確率も、周囲に存在する敵足軽ZCの数に応じて変化させるようにしてもよい。例えば、周囲に存在する敵足軽ZCの数が多いほど陣大将ECが攻撃を行う確率が高くなるように設定すると、周囲に存在する敵足軽ZCの数が多い場合に陣大将ECを倒しにくくなる。したがって、まず周囲に存在する敵足軽ZCを倒して陣大将ECが攻撃を行う確率が低くなってから陣大将ECを攻撃するという戦略を、プレイヤに採用させるように仕向けることができる。
【0085】
また、行動確率だけでなく、陣大将ECの防御力や攻撃力など他のパラメータ値を、陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数に応じて変化させるようにしてもよい。例えば、周囲に存在する敵足軽ZCの数が多いほど陣大将ECの防御力が高くなるように設定すると、周囲に存在する敵足軽ZCの数が多い場合に陣大将ECを倒しにくくなる。したがって、まず周囲に存在する敵足軽ZCを倒して陣大将ECの防御力が低くなってから陣大将ECを攻撃するという戦略を、プレイヤに採用させるように仕向けることができる。また、周囲に存在する敵足軽ZCの数が多いほど陣大将ECが油断して防御が甘くなるので防御力が低くなり、周囲に存在する敵足軽ZCの数が少ないほど陣大将ECが気を引き締めるので防御力が高くなるという設定にすることもできる。また、パラメータ値を変化させるための敵足軽ZCの数は、敵の陣大将ECの周囲に存在する敵足軽ZCの数に限定されるものではない。例えば、当該陣内に存在するすべての敵足軽ZCの数に応じて変化させるようにしてもよい。
【0086】
なお、上記実施形態は、敵の陣大将ECのパラメータ値を変化させる場合について説明したが、これに限られない。例えば、敵の総大将(図1参照)のパラメータ値を、仮想ゲーム空間上に存在する敵の陣大将(すなわち、生き残っている敵の陣大将)の数に応じて変化させるようにしてもよい。この場合、「敵の総大将」が本発明の「第1のキャラクタ」に対応し、「敵の陣大将」が本発明の「第2のキャラクタ」に対応し、「合戦場(ステージ)全体」が本発明の「所定の領域」に対応するものとなる。例えば、生き残っている敵の陣大将の数が多いほど敵の総大将の防御力が高くなるように設定した場合、未熟なプレイヤは、まず陣大将を倒して総大将の防御力が低くなってから総大将を攻撃するという戦略を採用することができる。一方、熟練したプレイヤは、陣大将を無視して、いきなり総大将を攻撃するという戦略を採用することができる。
【0087】
また、味方の陣大将(図1参照)のパラメータ値を、当該陣大将の周囲に存在する味方足軽の数に応じて変化させるようにしてもよい。この場合、「味方の陣大将」が本発明の「第1のキャラクタ」に対応し、「味方足軽」が本発明の「第2のキャラクタ」に対応するものとなる。
【0088】
また、プレイヤキャラクタPCのパラメータ値を、プレイヤキャラクタPCの周囲に存在する部下足軽BCの数に応じて変化させるようにしてもよい。この場合、「プレイヤキャラクタPC」が本発明の「第1のキャラクタ」に対応し、「部下足軽BC」が本発明の「第2のキャラクタ」に対応するものとなる。
【0089】
また、敵の陣大将ECのパラメータ値を敵の陣大将ECの周囲に存在する部下足軽BCの数に応じて変化させるようにしてもよい。この場合、「敵の陣大将EC」が本発明の「第1のキャラクタ」に対応し、「部下足軽BC」が本発明の「第2のキャラクタ」に対応するものとなる。
【0090】
また、プレイヤキャラクタPCのパラメータ値をプレイヤキャラクタPCの周囲に存在する敵足軽ZCの数に応じて変化させるようにしてもよい。例えば、敵足軽ZCに囲まれた場合、プレイヤキャラクタPCはこの包囲網を解くためにスピードアップするという設定にする場合、プレイヤキャラクタPCの周囲に存在する敵足軽ZCの数が多いほど、プレイヤキャラクタPCの動作速度のパラメータ値を大きくするように設定すればよい。この場合、「プレイヤキャラクタPC」が本発明の「第1のキャラクタ」に対応し、「敵足軽ZC」が本発明の「第2のキャラクタ」に対応するものとなる。
【0091】
なお、上記実施形態では、あるアクションゲームを例として説明したが、これに限られない。本発明は、他のアクションゲームにも適用することができる。他のアクションゲームにおいては、いわゆる「ボスキャラ」が上記「敵の陣大将EC」に相当し、いわゆる「ザコキャラ」が上記「敵足軽ZC」に相当する。
【0092】
また、上記実施形態では、アクションゲームを例に説明したが、これに限られない。例えば、RPG(ロールプレイングゲーム)やシューティングゲームや格闘ゲームなどの、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが戦うゲームにおいても、本発明を適用することができる。また、本発明は、複数のプレイヤの操作するキャラクタ若しくはCPUの制御するキャラクタがチームを組んで協同して敵キャラクタと対戦するようなゲームや、敵キャラクタとしての他のプレイヤの操作するキャラクタと対戦するようなゲームにも適用することができる。
【0093】
また、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとが戦うゲームでなくても、2種類以上のキャラクタが登場するゲームであれば、本発明を適用することができる。例えば、アドベンチャーゲームにおいて、プレイヤキャラクタの周囲に存在する他のキャラクタの数に応じて、プレイヤキャラクタの移動速度を変更したり、アイテムの出現確率を変更したりしてもよい。
【0094】
また、プレイヤキャラクタと特定のキャラクタとを組み合わせてゲームを行った場合、その特定のキャラクタとコンビを組んだときにしか出せない特殊技をプレイヤキャラクタ(または特定のキャラクタ)が繰り出すことができる構成としてもよい。なお、この場合には、本発明における「所定の領域」が仮想ゲーム空間であると考えることができる。
【0095】
上記実施形態では、家庭用ゲーム装置でゲームを実施する場合について説明したが、これに限られない。本発明は、ゲームが実施されるゲーム装置の種類に限定されず適用することができ、例えば、携帯型ゲーム装置、アーケードゲーム装置、および、ゲームソフトが搭載されているパーソナルコンピュータ等でゲームを実施する場合にも適用することができる。
【0096】
上記実施形態では、ゲーム装置1を単独で用いる場合について説明したが、これに限られない。本発明は、複数のゲーム装置1をケーブルあるいは無線通信により接続したり、ゲーム装置1をゲームサーバにネットワーク回線2で接続したり、ゲーム装置1同士をネットワーク回線2でP2P接続することにより、複数のゲーム装置1で同時にゲームを実施する場合にも適用することができる。
【0097】
本発明に係るゲームシステム、およびプログラムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るゲームシステム、およびプログラムの具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0098】
1 ゲーム装置
11 本体
111 制御部
111a CPU(カウント手段、パラメータ値変更手段、動作制御手段)
111b ROM
111c RAM
112 描画処理部
113 音声処理部
114 ディスクドライブユニット
115 メモリカード接続ユニット
116 I/Oインターフェース部
117 通信処理部
12 操作コントローラ
13 モニタ
14 ディスク
15 メモリカード
16 ネットワークアダプタ
2 ネットワーク回線
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図1