(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る変更装置、変更方法、配信方法、変更プログラム、及び配信システムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る変更装置、変更方法、配信方法、変更プログラム、及び配信システムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.変更処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る変更処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る変更処理の一例を示す図である。なお、本実施形態における変更処理には、コンテンツを配信する処理を含む。
図1に示す例は、所定の編集者が記事を選択する基準により抽出されたマス向けコンテンツと、端末装置10を利用するユーザU1用に抽出した個人向けコンテンツが端末装置10に配信される場合を示す。
【0011】
また、以下に示す例では、個人向けコンテンツを抽出する処理は、マス向けコンテンツを抽出する処理よりも負荷の高い処理であるものとする。なお、以下では、マス向けコンテンツを抽出する処理を「第1抽出処理」とし、個人向けコンテンツを抽出する処理を「第2抽出処理」とする場合がある。また、
図1では、時刻t2において災害発生してから時刻t3においてコンテンツ配信を行うまでの期間を、アクセスが集中している期間とする。以下では、アクセスが集中している期間を「アクセス集中時」とし、それ以外の期間を「通常時」とする。また、
図1に示す例は、コンテンツの配信に関する所定の条件を満たす場合として、コンテンツの配信要求の数が所定に閾値に達した場合、すなわちアクセス集中時の場合を説明する。
【0012】
まず、
図1では、通常時である時刻t1において、端末装置10からコンテンツの配信要求を受け付けた配信装置100(
図4参照)は、端末装置10にマス向けコンテンツMC11と個人向けコンテンツPC11とをブレンドして配信する(ステップS11)。なお、
図1では、説明のためマス向けコンテンツMC11と個人向けコンテンツPC11とが個別に端末装置10へ配信されるように図示するが、マス向けコンテンツMC11と個人向けコンテンツPC11とは、配信装置100においてブレンドされたコンテンツ(以下、「ブレンドコンテンツ」とする場合がある)として配信される。また、配信装置100は、所定の情報記憶装置53(
図2参照)等に格納されたコンテンツ(記事)情報から抽出されたマス向けコンテンツや個人向けコンテンツを配信するが、詳細は後述する。
【0013】
そして、ステップS11においてブレンドコンテンツを受信した端末装置10は、所定の配置順に基づいてブレンドコンテンツを表示する。
図1では、端末装置10は、ブレンドコンテンツのうち配置順が上位のコンテンツである記事MA、記事PA、記事MB、記事PBを表示する。なお、端末装置10を利用するユーザU1は、端末装置10の画面にタッチしスクロール操作等を行うことにより、記事PBから下の記事MC、記事PC等を順次表示させる。
【0014】
その後、時刻t2において災害が発生したことにより、配信装置100への配信要求の数が増大、すなわち配信装置100へのアクセスが集中する(ステップS12)。
図1では、時刻t2における配信装置100へのアクセス数AN11は、所定の閾値TH11を超える。
【0015】
ここで、配信装置100は、アクセス数が閾値TH11に達した、すなわちアクセス数が閾値TH11以上になった場合、アクセス集中時であるとして、処理負荷軽減のために配信するコンテンツを変更する。具体的には、配信装置100は、アクセス集中時において、配信要求の送信元の端末装置に配信されるコンテンツのうち、第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツMC11と、第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツPC11との比率を、マス向けコンテンツMC11の比率が高くなるように変更する。
図1では、アクセス集中時において、配信装置100が第2抽出処理を停止する場合を例に説明する。
【0016】
その後、アクセス集中時である時刻t3において、端末装置10からコンテンツの配信要求を受け付けた配信装置100は、個人向けコンテンツPC11を抽出する第2抽出処理を停止する(ステップS13)。なお、第2抽出処理を停止するタイミングは、アクセス集中時であると判断された時刻t2であってもよい。そして、配信装置100は、端末装置10にマス向けコンテンツMC11のみを配信する(ステップS14)。
【0017】
そして、ステップS14においてマス向けコンテンツMC11を受信した端末装置10は、所定の配置順に基づいてマス向けコンテンツMC11を表示する。
図1では、端末装置10は、マス向けコンテンツMC11のうち配置順が上位のコンテンツである記事MA、記事MB、記事MC、記事MDを表示する。なお、端末装置10を利用するユーザU1は、端末装置10の画面にタッチしスクロール操作等を行うことにより、記事MDから下の記事を順次表示させる。
【0018】
その後、災害が発生した時刻t2から期間が経過した時刻t4において災害が収束したため、配信装置100への配信要求の数が減少、すなわち配信装置100へのアクセスが収束する(ステップS15)。
図1では、時刻t4における配信装置100へのアクセス数AN12は、閾値TH11未満になる。そこで、配信装置100は、通常時に戻ったとして、配信するコンテンツを変更前のコンテンツに戻す。具体的には、配信装置100は、通常時において、第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツMC11と、第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツPC11との比率を元の比率に変更する。
図1では、配信装置100は、第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツMC11と、第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツPC11との比率を時刻t2よりも前の時点における比率に戻す。
【0019】
その後、通常時である時刻t5において、端末装置10からコンテンツの配信要求を受け付けた配信装置100は、ステップS11と同様に、端末装置10にマス向けコンテンツMC11と個人向けコンテンツPC11とをブレンドして配信する(ステップS16)。
【0020】
そして、ステップS16においてブレンドコンテンツを受信した端末装置10は、所定の配置順に基づいてブレンドコンテンツを表示する。
図1では、端末装置10は、ブレンドコンテンツのうち配置順が上位のコンテンツである記事MA、記事PA、記事MB、記事PBを表示する。なお、端末装置10を利用するユーザU1は、端末装置10の画面にタッチしスクロール操作等を行うことにより、記事PBから下の記事MC、記事PC等を順次表示させる。
【0021】
上述したように、配信装置100は、アクセス集中時においては、個人向けコンテンツPC11を抽出する第2抽出処理を停止し、第2抽出処理より処理負荷の軽い第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツMC11のみを配信する。これにより、配信装置100は、コストの増大を抑制し、アクセス集中時における処理負荷を軽減することができる。また、配信装置100は、通常時においては、マス向けコンテンツMC11と個人向けコンテンツPC11とをブレンドしたブレンドコンテンツを配信する。これにより、配信装置100は、通常時においては、ユーザの興味や関心に基づいた記事と社会的な重要性に基づいた記事とをバランスよくユーザに配信することができる。
【0022】
なお、
図1に示す例においては、アクセス集中時において第2抽出処理を停止する場合を例に説明したが、配信するブレンドコンテンツに含まれるマス向けコンテンツの比率を大きくすることにより、相対的に個人向けコンテンツの抽出に係る負荷を軽減してもよい。例えば、配信装置100は、アクセス集中時において、マス向けコンテンツを8割、個人向けコンテンツを2割含むブレンドコンテンツを配信することにより、第2抽出処理における負荷を軽減してもよい。また、配信装置100は、アクセス集中することの予測に基づいて第2抽出処理を停止してもよい。例えば、配信装置100は、災害発生に関する情報を取得した場合、災害発生に関する情報を取得してから所定期間経過後にアクセス集中時になることの予測し、所定期間経過後に第2抽出処理を停止してもよい。また、配信装置100は、過去の配信要求の数の推移に基づいて、アクセス集中するかを予測し、その予測に基づいて第2抽出処理を停止してもよい。なお、
図1では、配信装置100は、アクセス集中時において、第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を変更する場合を示したが、比率を変更する場合は上記に限らず、比率の変更は種々の条件に基づいて行ってもよい。例えば、配信装置100は、第2抽出処理に必要なコンポーネント(例えば、第2処理装置群PG11(
図2参照)のいずれか)が不調で、第2抽出処理が一定時間以上かかる場合や、第2抽出処理がエラーになるケースが一定時間内に多発する場合などにおいても、第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を変更してもよい。
【0023】
〔2.配信システムの構成〕
図2及び
図3に示すように、配信システム1には、端末装置10と、2台の第1処理装置51−1、51−2、4台の第2処理装置52−1〜52−4、情報記憶装置53と、配信装置100と、が含まれる。以下では、第1処理装置51−1と第1処理装置51−2とを第1処理装置群MG11に含まれるものとし、第1処理装置51−1と第1処理装置51−2とを特に区別なく説明する場合は、第1処理装置51とする。また、第2処理装置52−1〜52−4を第2処理装置群PG11に含まれるものとし、第2処理装置52−1〜52−4を特に区別なく説明する場合は、第2処理装置52とする。なお、第1処理装置群MG11には、主に第1抽出処理に使用される装置が含まれ、第2処理装置群PG11には、主に第2抽出処理に使用される装置が含まれるものとする。
【0024】
また、端末装置10と、配信装置100とは所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。また、第1処理装置51−1、51−2、第2処理装置52−1〜52−4、情報記憶装置53と、配信装置100とは所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。
図2及び
図3は、実施形態に係る配信システムの構成例を示す図である。なお、
図2及び
図3に示した配信システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の情報記憶装置53や、複数台の配信装置100が含まれてもよい。また、配信システム1には、3台以上の第1処理装置51や、5台以上の第2処理装置52が含まれてもよい。
【0025】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、ユーザによる種々の操作を受け付ける。なお、以下では、端末装置10をユーザと表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザを端末装置10と読み替えることもできる。なお、上述した端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
【0026】
また、端末装置10は、配信装置100へコンテンツの配信を要求する。また、端末装置10は、配信装置100から配信されたコンテンツを所定のアプリにより表示する。なお、所定のアプリはブラウザであってもよい。
【0027】
第1処理装置群MG11に含まれる第1処理装置51−1は、例えばマス向けコンテンツを生成する。例えば、第1処理装置51−1は、情報記憶装置53からコンテンツ(記事)を取得し、マス向けコンテンツを生成する。また、第1処理装置群MG11に含まれる第1処理装置51−2は、例えばマス向けコンテンツ等の各種データを集約する。例えば、第1処理装置51−2は、第1処理装置51−1からマス向けコンテンツを取得し、配信装置100からの要求に応じて配信するマス向けコンテンツを抽出する。
【0028】
第2処理装置群PG11に含まれる第2処理装置52−1は、例えば個人向けコンテンツとして配信する記事の表示情報等を保持する。例えば、第2処理装置52−1は、情報記憶装置53からコンテンツ(記事)を取得し、個人向けコンテンツとして配信する記事の表示情報等を保持する。また、第2処理装置群PG11に含まれる第2処理装置52−2は、例えばインデックスとして記事に関するデータを持つ検索エンジンの機能を有する。例えば、第2処理装置52−2は、検索クエリに対して該当する記事を返す。
【0029】
また、第2処理装置群PG11に含まれる第2処理装置52−3は、例えばユーザの素性情報を保持する。例えば、第2処理装置52−3は、アクセスしてきたユーザが関心のある単語を蓄積する。例えば、第2処理装置52−3は、ユーザの素性情報としてユーザに関する文字情報を保持する。また、第2処理装置群PG11に含まれる第2処理装置52−4は、例えばユーザの素性情報を生成する。例えば、第2処理装置52−4は、各単語に対して重みを機械学習により導出する。また、第2処理装置52−4は、例えばモデルの学習用データを生成する。例えば、第2処理装置52−4は、学習情報を記憶する。また、第2処理装置52−4は、所定のKPI(Key Performance Indicators)を集計する。
【0030】
情報記憶装置53は、記事情報を格納する。例えば、情報記憶装置53は、各種サービスから記事の入稿を受け付ける。また、例えば、情報記憶装置53は、入稿された記事の画像等を加工(トリミング)する。また、例えば、情報記憶装置53は、入稿された記事の文字情報に対して形態素解析を行う。
【0031】
配信装置100は、端末装置10にコンテンツを配信するサービスを提供する情報処理装置である。また、配信装置100は、配信要求(アクセス)の数に基づいて、第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツと、第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツとが配信するブレンドコンテンツに含まれる比率を、第1抽出処理により抽出されるコンテンツの比率が高くなるように変更する変更装置である。
【0032】
また、配信装置100は、第1処理装置群MG11に含まれる第1処理装置51にマス向けコンテンツを要求し、所定の第1処理装置51(
図2及び
図3の場合、第1処理装置51−2)からマス向けコンテンツを取得する。また、配信装置100は、第2処理装置群PG11に含まれる第2処理装置52に個人向けコンテンツを要求し、所定の第2処理装置52から個人向けコンテンツを取得する。
【0033】
〔2−1.通常時の配信処理〕
次に
図2を用いて、通常時の配信システム1におけるコンテンツ配信について説明する。
図2は、実施形態に係る通常時における配信処理の一例を示す図である。
【0034】
まず、配信装置100は、端末装置10からアクセス、すなわちコンテンツの配信要求を受け付ける(ステップS21)。この場合、配信装置100は、通常時であるため、第1処理装置群MG11および第2処理装置群PG11の両方にコンテンツを要求する。
【0035】
図2では、配信装置100は、第1処理装置群MG11の第1処理装置51−2にコンテンツ要求を送信する(ステップS22)。配信装置100からコンテンツ要求を受け付けた第1処理装置51−2は、他の第1処理装置51−1と協働してマス向けコンテンツを抽出する第1抽出処理を行い、抽出したマス向けコンテンツを配信装置100へ送信する(ステップS23)。
【0036】
ここで、第1処理装置群MG11において第1抽出処理時には、例えば、第1処理装置51−2は、第1処理装置51−1からマス向けコンテンツを取得し、抽出する。また、例えば、第1処理装置51−1は、所定の間隔(例えば10分おきや1時間おき等)でマス向けコンテンツを生成する。例えば、第1処理装置群MG11は、マス向けコンテンツが更新されるまでの間、例えば第1処理装置51−1がマス向けコンテンツを生成する所定の間隔の間、配信要求に対して同じマス向けコンテンツを配信する。このように、第1処理装置群MG11における第1抽出処理では、コンテンツを抽出する処理は第2抽出処理よりも少なくなる。
【0037】
また、
図2では、配信装置100は、第2処理装置群PG11の所定の第2処理装置52にコンテンツ要求を送信する(ステップS24)。なお、ステップS24においてコンテンツ要求を送信するタイミングは、ステップS22と同時であってもよいし、ステップS22よりも前であってもよい。配信装置100からコンテンツ要求を受け付けた所定の第2処理装置52は、他の第2処理装置52と協働して個人向けコンテンツを抽出する第2抽出処理を行い、抽出した個人向けコンテンツを配信装置100へ送信する(ステップS25)。例えば、第2処理装置52−2は、他の第2処理装置52と協働して個人向けコンテンツを抽出する第2抽出処理を行い、抽出した個人向けコンテンツを配信装置100へ送信してもよい。
【0038】
ここで、第2処理装置群PG11において第2抽出処理時には、例えば、第2処理装置52−3は、アクセスしたユーザに関する学習情報(例えば単語ベクトル)を、検索エンジン機能を有する第2処理装置52−2に送信する。そして、第2処理装置52−2は、第2処理装置52−3から取得した学習情報に基づいて記事を抽出する。また、第2処理装置52−2が抽出した記事の重複排除を所定の第2処理装置52が行うこと等により、配信する個人向けコンテンツが決定される。このように、第2処理装置群PG11における第2抽出処理では、種々の第2処理装置52がユーザからのアクセス毎に上述する処理を行うため、第1抽出処理よりも処理負荷が高くなる。
【0039】
その後、ステップS23において第1処理装置群MG11からマス向けコンテンツを取得し、ステップS25において第2処理装置群PG11から個人向けコンテンツを取得した配信装置100は、所定の比率に基づいてマス向けコンテンツと個人向けコンテンツとをブレンドしたブレンドコンテンツを端末装置10へ配信する(ステップS26)。このように、通常時においては、配信装置100は、第1処理装置群MG11と第2処理装置群PG11との両方から取得したコンテンツをブレンドして配信する。
【0040】
〔2−2.アクセス集中時の配信処理〕
次に
図3を用いて、アクセス集中時の配信システム1におけるコンテンツ配信について説明する。
図3は、実施形態に係るアクセス集中時における配信処理の一例を示す図である。
【0041】
まず、アクセス集中時においては、配信装置100は、第2処理装置群PG11へのコンテンツ要求を停止する(ステップS30)。すなわち、アクセス集中時においては、配信システム1は、第2抽出処理を行わないようにする。この状態における配信処理を以下説明する。
【0042】
図3では、配信装置100は、端末装置10からアクセス、すなわちコンテンツの配信要求を受け付ける(ステップS31)。この場合、配信装置100は、アクセス集中時であるため、第1処理装置群MG11のみにコンテンツを要求する。
【0043】
図3では、配信装置100は、第1処理装置群MG11の第1処理装置51−2にコンテンツ要求を送信する(ステップS32)。配信装置100からコンテンツ要求を受け付けた第1処理装置51−2は、他の第1処理装置51−1と協働してマス向けコンテンツを抽出する第1抽出処理を行い、抽出したマス向けコンテンツを配信装置100へ送信する(ステップS33)。
【0044】
その後、ステップS33において第1処理装置群MG11からマス向けコンテンツを取得した配信装置100は、マス向けコンテンツを端末装置10へ配信する(ステップS34)。このように、アクセス集中時においては、配信装置100は、第1処理装置群MG11のみから取得したコンテンツを配信する。これにより、配信装置100は、アクセスが集中した場合であっても、第2抽出処理を停止し、処理負荷を軽減することにより多くのアクセスに対応可能となる。
【0045】
なお、
図2及び
図3に示す各装置の接続関係は、説明に必要な接続のみを示しており、
図2及び
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。また、第1処理装置群MG11及び第2処理装置群PG11についても、第2処理装置群PG11に含まれる装置が、第1抽出処理に関する処理に用いられたりしてもよい。例えば、第2処理装置群PG11に含まれる第2処理装置52−4に格納された学習情報を第1処理装置群MG11に含まれる第1処理装置51−1が取得して、第1抽出処理を行ってもよい。
【0046】
また、
図2及び
図3に示す配信システム1の構成は一例であり、装置の性能や提供するサービスの規模等に応じて適宜最適な配信システム1の構成が採用されてもよい。また、配信システム1の各装置は一体であってもよい。例えば、配信システム1における端末装置10以外の装置の機能を配信装置100が有してもよい。この場合、配信装置100は、第1抽出処理や第2抽出処理を行い、アクセス集中時は第2抽出処理を行わず、マス向けコンテンツのみの配信を行ってもよい。
【0047】
〔3.配信装置の構成〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係る配信装置100の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る配信装置100の構成例を示す図である。
図4に示すように、配信装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、配信装置100は、配信装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0048】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、端末装置10や第1処理装置51や第2処理装置52等との間で情報の送受信を行う。
【0049】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、
図4に示すように、アクセス情報記憶部121を有する。
【0050】
(アクセス情報記憶部121)
実施形態に係るアクセス情報記憶部121は、アクセス(配信要求)に関する各種情報を記憶する。
図5に、実施形態に係るアクセス情報記憶部121の一例を示す。
図5に示すアクセス情報記憶部121は、「ログID」、「日時」、「要求元」といった項目を有する。
【0051】
「ログID」は、アクセスを識別するための識別情報を示す。「日時」は、対応するアクセスがあった日時を示す。また、「要求元」は、アクセスの要求元を示す。例えば、「要求元」には、要求元であるユーザを識別するための識別情報が記憶される。
【0052】
例えば、
図5に示す例において、ログID「L11」により識別されるアクセスは、2015年8月14日12時25分1秒に要求元「ユーザU1」が利用する端末装置10から送信されたアクセスであることを示す。
【0053】
なお、アクセス情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、アクセス情報記憶部121は、所定の期間におけるアクセスの合計等を記憶してもよい。
【0054】
(制御部130)
図4の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、配信装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(変更プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0055】
図4に示すように、制御部130は、受付部131と、変更部132と、送信部133と、取得部134と、決定部135と、配信部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0056】
(受付部131)
受付部131は、コンテンツの配信要求を受け付ける。例えば、受付部131は、端末装置10からコンテンツの配信要求を受け付ける。例えば、受付部131は、複数の端末装置10からコンテンツの配信要求を受け付ける。また、受付部131は、複数の端末装置10から受け付けた配信要求(アクセス)をアクセス情報記憶部121に記憶する。
【0057】
(変更部132)
変更部132は、受付部131により配信要求が受け付けられるコンテンツの配信に関する所定の条件を満たす場合、配信要求の送信元の端末装置に配信されるコンテンツのうち、所定の基準に基づく第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第1抽出処理よりも負荷の高い処理である第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を変更する。例えば、変更部132は、所定の条件としてコンテンツの配信要求の数が所定に閾値に達した場合、第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を変更する。また、例えば、変更部132は、所定の条件として、第2抽出処理に所定の時間以上を要する場合、または、所定の期間内の第2抽出処理において所定の回数以上エラーが発生する場合、第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を変更する。例えば、変更部132は、配信要求の数が多くなるほど、第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツと、第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツの比率を、第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツの比率が高くなるように変更する。
【0058】
また、変更部132は、第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツと、配信対象となるユーザに関する情報に基づいてコンテンツを抽出する第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツとの比率を変更する。変更部132は、所定の編集者がコンテンツを選択する基準によりコンテンツを抽出する第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツと、第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツとの比率を変更する。
【0059】
また、変更部132は、配信要求の数が所定の閾値に達した場合、第1抽出処理により抽出されたマス向けコンテンツのみの配信に変更する。
図1では、配信装置100は、アクセス数が閾値TH11に達した、すなわちアクセス数が閾値TH11以上になった場合、第2抽出処理を停止し、第1抽出処理により抽出されたマス向けコンテンツMC11のみを配信する。
【0060】
また、変更部132は、配信要求の数が所定の閾値未満になった場合、第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツと、第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツとの比率を元の比率に変更する。
図1では、配信装置100は、閾値TH11未満になった場合、第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツMC11と、第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツPC11との比率を元の比率に変更する。
【0061】
(送信部133)
送信部133は、外部の情報処理装置に各種情報を送信する。例えば、送信部133は、端末装置10や第1処理装置群MG11に含まれる第1処理装置51や第2処理装置群PG11に含まれる第2処理装置52に各種情報を送信する。
【0062】
また、送信部133は、第1処理装置群MG11の所定の第1処理装置51にコンテンツ要求を送信する。例えば、送信部133は、第1処理装置群MG11の第1処理装置51−2にマス向けコンテンツの要求を送信する。例えば、送信部133は、通常時及びアクセス集中時に関わらず、第1処理装置群MG11の所定の第1処理装置51にコンテンツ要求を送信する。
【0063】
また、送信部133は、第2処理装置群PG11の所定の第2処理装置52にコンテンツ要求を送信する。例えば、送信部133は、第2処理装置群PG11の所定の第2処理装置52に個人向けコンテンツの要求を送信する。例えば、送信部133は、通常時にのみ、第2処理装置群PG11の所定の第2処理装置52にコンテンツ要求を送信する。また、例えば、送信部133は、アクセス集中時には、第2処理装置群PG11の所定の第2処理装置52にコンテンツ要求を送信しない。
【0064】
(取得部134)
取得部134は、第1処理装置群MG11の所定の第1処理装置51からマス向けコンテンツを取得する。例えば、取得部134は、コンテンツ要求を送信した第1処理装置群MG11の所定の第1処理装置51からマス向けコンテンツを取得する。
図2では、取得部134は、第1処理装置群MG11の第1処理装置51−2からマス向けコンテンツMC11を取得する。
【0065】
また、取得部134は、第2処理装置群PG11の所定の第2処理装置52から個人向けコンテンツを取得する。例えば、取得部134は、コンテンツ要求を送信した第2処理装置群PG11の所定の第2処理装置52から個人向けコンテンツを取得する。
図2では、取得部134は、第2処理装置群PG11の所定の第2処理装置52から個人向けコンテンツPC11を取得する。
【0066】
(決定部135)
決定部135は、通常時において、マス向けコンテンツと個人向けコンテンツとの比率(割合)を決定し、決定した比率に基づいて、ブレンドコンテンツに含ませるマス向けコンテンツと個人向けコンテンツとを決定する。
図1では、決定部135は、通常時において、マス向けコンテンツMC11と個人向けコンテンツPC11とから、記事MA、記事PA、記事MB、記事PB、記事MC、記事PC等を含むブレンドコンテンツを決定する。また、決定部135は、アクセス集中時においては、マス向けコンテンツだけが配信されるため、マス向けコンテンツの配置順を決定してもよい。
【0067】
(配信部136)
配信部136は、通常時において、決定部135により決定されたブレンドコンテンツをユーザが利用する端末装置10に配信する。
図1では、配信部136は、通常時において、決定部135によりマス向けコンテンツMC11と個人向けコンテンツPC11とがブレンドされたブレンドコンテンツを端末装置10に配信する。また、配信部136は、アクセス集中時において、マス向けコンテンツのみを端末装置10に配信する。
図1では、配信部136は、アクセス集中時において、マス向けコンテンツMC11のみを配信する。
【0068】
〔4.変更処理〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る配信システム1における配信するコンテンツの変更処理の手順について説明する。
図6は、実施形態に係る変更処理の一例を示すフローチャートである。
【0069】
図6に示すように、配信装置100は、所定期間内(例えば1分間など)のアクセス数(配信要求数)が閾値以上かどうかを確認する(ステップS101)。すなわち、配信装置100は、アクセス集中時になったかどうかを確認する。
【0070】
そして、配信装置100は、所定期間内のアクセス数が閾値未満である場合(ステップS101:No)、ステップS101に戻って処理を繰り返す。また、この時点において端末装置10から配信要求を受け付けた配信装置100は、端末装置10へブレンドコンテンツを配信する。
【0071】
一方、配信装置100は、所定期間内のアクセス数が閾値以上である場合(ステップS101:Yes)、第2抽出処理によるコンテンツ抽出を停止する(ステップS102)。例えば、配信装置100は、第2処理装置群PG11へのコンテンツ要求を停止し、第1処理装置群MG11のみにコンテンツ要求を送信する。すなわち、この時点において端末装置10から配信要求を受け付けた配信装置100は、端末装置10へマス向けコンテンツを配信する。
【0072】
その後、配信装置100は、所定期間内のアクセス数が閾値未満かどうかを確認する(ステップS103)。すなわち、配信装置100は、アクセスが収束し通常時になったかどうかを確認する。そして、配信装置100は、所定期間内のアクセス数が閾値以上である場合(ステップS103:No)、ステップS103の処理を繰り返す。また、この時点において端末装置10から配信要求を受け付けた配信装置100は、端末装置10へマス向けコンテンツを配信する。なお、ステップS101で用いる閾値とステップS103で用いる閾値とは異なる閾値であってもよい。
【0073】
一方、配信装置100は、所定期間内のアクセス数が閾値未満である場合(ステップS103:Yes)、第2抽出処理によるコンテンツ抽出を再開する(ステップS104)。例えば、配信装置100は、第2処理装置群PG11へのコンテンツ要求を再開し、第1処理装置群MG11及び第2処理装置群PG11にコンテンツ要求を送信する。すなわち、この時点において端末装置10から配信要求を受け付けた配信装置100は、端末装置10へブレンドコンテンツを配信する。その後、配信装置100は、ステップS101に戻って処理を繰り返す。
【0074】
〔5.コンテンツの配信〕
次に、
図7を用いて、実施形態に係る配信システム1におけるコンテンツの配信手順について説明する。
図7は、実施形態に係るコンテンツ配信の一例を示すフローチャートである。
【0075】
図7に示すように、配信装置100は、コンテンツの配信要求を受け付けたかどうかを確認する(ステップS201)。そして、配信装置100は、配信要求を受け付けていない場合(ステップS201:No)、ステップS201に戻って処理を繰り返す。
【0076】
一方、配信装置100は、配信要求を受け付けた場合(ステップS201:Yes)、第2抽出処理が停止中かどうかを確認する(ステップS202)。すなわち、配信装置100は、アクセス集中時かどうか確認する。
【0077】
そして、配信装置100は、第2抽出処理が停止中でない場合(ステップS202:No)、マス向けコンテンツ及び個人向けコンテンツの取得を要求する(ステップS203)。例えば、配信装置100は、第1処理装置群MG11にマス向けコンテンツの要求を送信する。配信装置100は、第2処理装置群PG11へ個人向けコンテンツの要求を送信する。
【0078】
その後、配信装置100は、マス向けコンテンツを取得する(ステップS204)。例えば、配信装置100は、第1処理装置群MG11からマス向けコンテンツを取得する。また、配信装置100は、個人向けコンテンツを取得する(ステップS205)。例えば、配信装置100は、第2処理装置群PG11から個人向けコンテンツを取得する。
【0079】
その後、配信装置100は、マス向けコンテンツと個人向けコンテンツとをブレンドしたブレンドコンテンツを配信する(ステップS206)。例えば、配信装置100は、配信要求を送信した端末装置10へ、マス向けコンテンツと個人向けコンテンツとをブレンドしたブレンドコンテンツを配信する。
【0080】
一方、配信装置100は、第2抽出処理が停止中である場合(ステップS202:Yes)、マス向けコンテンツの取得を要求する(ステップS207)。例えば、配信装置100は、第1処理装置群MG11のみにコンテンツ要求を送信する。
【0081】
その後、配信装置100は、マス向けコンテンツを取得する(ステップS208)。例えば、配信装置100は、第1処理装置群MG11からマス向けコンテンツを取得する。
【0082】
そして、配信装置100は、マス向けコンテンツを配信する(ステップS209)。例えば、配信装置100は、配信要求を送信した端末装置10へ、マス向けコンテンツを配信する。
【0083】
〔6.変形例〕
上述した実施形態に係る配信システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。例えば、配信システムは、複数の配信装置と、複数の配信装置を管理する管理装置とを有してもよい。そこで、以下では、複数の配信装置100A−1〜100A−4と、複数の配信装置100A−1〜100A−4を管理する管理装置200とを有する配信システム2について説明する。なお、配信装置100A−1〜100A−4を特に区別しない場合は、配信装置100Aと記載する。また、以下の変形例において実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0084】
〔6−1.配信システムの構成〕
図8及び
図9に示すように、配信システム2には、端末装置10と、複数台の配信装置100Aと、管理装置200とが含まれる。端末装置10と、各配信装置100Aとは所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。また、配信装置100Aと管理装置200とは所定のネットワークを介して、有線または無線により通信可能に接続される。
図8及び
図9は、変形例に係る配信システムの構成例を示す図である。なお、
図8及び
図9に示した配信システム2には、複数台の端末装置10や、複数台の管理装置200が含まれてもよい。
【0085】
なお、
図8及び
図9では図示することは省略するが、各配信装置100Aは、
図2及び
図3に示す第1処理装置群MG11に含まれる第1処理装置51や、第2処理装置群PG11に含まれる第2処理装置52と通信可能であるものとする。すなわち、各配信装置100Aは、配信装置100と同様に第1処理装置群MG11からマス向けコンテンツを取得し、第2処理装置群PG11から個人向けコンテンツを取得するものとする。
【0086】
配信装置100Aは、端末装置10にコンテンツを配信するサービスを提供する情報処理装置である。また、配信装置100Aは、配信要求(アクセス)の数に基づいて、第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツと、第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツとを所定の比率(以下、「配合比率」とする場合がある)で含む複数のコンテンツ、すなわちブレンドコンテンツを配信する。また、配信装置100Aは、管理装置200にアクセスに関する情報を定期的(例えば1分おきや10分おき等)に送信する。また、配信装置100Aは、管理装置200からの指示に応じて、配合比率を変更する。
【0087】
例えば、配信装置100Aは、第1処理装置群MG11に含まれる第1処理装置51にマス向けコンテンツを要求し、所定の第1処理装置51からマス向けコンテンツを取得する。また、例えば、配信装置100Aは、第2処理装置群PG11に含まれる第2処理装置52に個人向けコンテンツを要求し、所定の第2処理装置52から個人向けコンテンツを取得する。
【0088】
管理装置200は、各配信装置100Aから配信要求に関する情報を取得し、各配信装置100Aにおける配信要求の数に基づいて、各配信装置100Aにおける配合比率を変更する情報処理装置である。例えば、管理装置200は、取得した配信要求の数が所定の閾値以上である配信装置100Aの数が所定数以上である場合、各配信装置100Aにおける第2抽出処理を停止する変更を行う。なお、
図8では、管理装置200は、各配信装置100Aへのアクセス数に基づいて、配信装置100Aにおける第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を変更する場合を示したが、比率を変更する場合は上記に限らず、比率の変更は種々の条件に基づいて行ってもよい。例えば、管理装置200は、配信装置100Aにおける第2抽出処理に必要なコンポーネント(例えば、第2処理装置群PG11(
図2参照)のいずれか)が不調で、第2抽出処理が一定時間以上かかる場合や、第2抽出処理がエラーになるケースが一定時間内に多発する場合などにおいても、配信装置100Aにおいて第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を変更してもよい。
【0089】
〔6−2.変更処理〕
次に
図8を用いて、配信システム2における配合比率の変更について説明する。
図8は、変形例に係る変更処理の一例を示す図である。なお、
図8では、管理装置200は、アクセスが急増している配信装置100Aの数が2つ以上になった場合、各配信装置100Aにおける第2抽出処理を停止する変更を行う例を説明する。また、配信装置100Aは、定期的(例えば3分おきや15分おき等)に管理装置200へアクセス情報を送信するものとする。
【0090】
まず、通常時において、配信装置100A−1は、端末装置10からアクセス、すなわちコンテンツの配信要求を受け付ける(ステップS41)。この場合、配信装置100A−1は、通常時であるため、第1処理装置群MG11および第2処理装置群PG11の両方にコンテンツを要求する。
【0091】
そして、配信装置100A−1は、第1処理装置群MG11からマス向けコンテンツを取得し、第2処理装置群PG11から個人向けコンテンツを取得する。その後、配信装置100A−1は、所定の比率に基づいてマス向けコンテンツと個人向けコンテンツとをブレンドしたブレンドコンテンツを端末装置10へ配信する(ステップS42)。
【0092】
その後、配信装置100A−1は、アクセスが急増していることを示すアクセス情報を管理装置200へ送信する(ステップS43)。すなわち、配信装置100A−1は、所定期間内における配信要求の数が所定の閾値以上であることを示す情報を管理装置200へ送信する。
【0093】
また、配信装置100A−2は、アクセスが急増していることを示すアクセス情報を管理装置200へ送信する(ステップS44)。すなわち、配信装置100A−2は、所定期間内における配信要求の数が所定の閾値以上であることを示す情報を管理装置200へ送信する。なお、ステップS43及びステップS44は時間的に近接していれば、ステップS43及びステップS44は同時であってもよいし、ステップS43よりもステップS44が先であってもよい。また、他の配信装置100Aもアクセス情報を管理装置200へ送信してもよい。
【0094】
そして、配信装置100Aからアクセス情報を取得した管理装置200は、配信要求の数が所定の閾値以上である配信装置100Aの数が所定数以上であるかどうかを判定する(ステップS45)。
図8では、配信装置100A−1及び配信装置100A−2の2台の配信装置100Aにおいて所定期間内における配信要求の数が所定の閾値以上であるため、管理装置200は、アクセス集中時であると判定する。
【0095】
そこで、管理装置200は、各配信装置100Aにおける第2抽出処理を停止するように変更する(ステップS46)。例えば、管理装置200は、第2抽出処理を停止するよう指示する情報を各配信装置100Aに送信する。また、このとき、管理装置200は、配信要求の数が所定の閾値以上である配信装置100A−1、100A−2以外の他の配信装置100A−3、100A−4等も第2抽出処理を停止するように変更する。また、管理装置200から第2抽出処理を停止するよう指示された配信装置100Aは、第2抽出処理を停止する。すなわち、各配信装置100Aは、アクセス集中時であるとして、コンテンツの配信を行う。
【0096】
図8では、アクセス集中時において、配信装置100A−3は、端末装置10からアクセス、すなわちコンテンツの配信要求を受け付ける(ステップS47)。この場合、配信装置100A−3は、アクセス集中時であるため、第1処理装置群MG11にのみコンテンツを要求する。
【0097】
その後、第1処理装置群MG11からマス向けコンテンツを取得した配信装置100A−3は、マス向けコンテンツを端末装置10へ配信する(ステップS48)。このように、アクセス集中時においては、各配信装置100Aは、第1処理装置群MG11のみから取得したコンテンツを配信する。これにより、配信装置100Aは、アクセスが集中した場合であっても、第2抽出処理を停止し、処理負荷を軽減することにより多くのアクセスに対応可能となる。
【0098】
次に
図9を用いて、配信システム2におけるアクセス集中時から通常時への移行について説明する。
図9は、変形例に係るアクセス収束後における配信処理の一例を示す図である。
【0099】
図9に示す例においては、管理装置200は、配信装置100Aに第2抽出処理を停止させた後、全ての配信装置100Aから所定期間内における配信要求の数が所定の閾値未満であることを示すアクセス情報を取得した場合を例に説明する。
【0100】
図9では、管理装置200は、配信要求の数が所定の閾値未満である配信装置100Aの数が所定数以上であるかどうかを判定する(ステップS51)。
図9では、上述のように、全ての配信装置100Aにおいて所定期間内における配信要求の数が所定の閾値未満であるため、管理装置200は、アクセスが収束し、通常時に戻ったと判定する。
【0101】
そこで、管理装置200は、各配信装置100Aにおける第2抽出処理を再開するように変更する(ステップS52)。例えば、管理装置200は、第2抽出処理を再開するよう指示する情報を各配信装置100Aに送信する。また、管理装置200から第2抽出処理を再開するよう指示された配信装置100Aは、第2抽出処理を再開する。すなわち、各配信装置100Aは、通常時に戻ったとして、コンテンツの配信を行う。
【0102】
図9では、通常時において、配信装置100A−2は、端末装置10からアクセス、すなわちコンテンツの配信要求を受け付ける(ステップS53)。この場合、配信装置100A−2は、通常時であるため、第1処理装置群MG11および第2処理装置群PG11の両方にコンテンツを要求する。
【0103】
そして、配信装置100A−2は、第1処理装置群MG11からマス向けコンテンツを取得し、第2処理装置群PG11から個人向けコンテンツを取得する。その後、配信装置100A−2は、所定の比率に基づいてマス向けコンテンツと個人向けコンテンツとをブレンドしたブレンドコンテンツを端末装置10へ配信する(ステップS54)。
【0104】
〔6−3.管理装置の構成〕
次に、
図10を用いて、変形例に係る管理装置200の構成について説明する。
図10は、変形例に係る管理装置200の構成例を示す図である。
図10に示すように、管理装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。なお、管理装置200は、管理装置200の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0105】
(通信部210)
通信部210は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークと有線または無線で接続され、配信装置100Aとの間で情報の送受信を行う。
【0106】
(記憶部220)
記憶部220は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。変形例に係る記憶部220は、
図10に示すように、アクセス情報記憶部221を有する。
【0107】
(アクセス情報記憶部221)
変形例に係るアクセス情報記憶部221は、アクセス(配信要求)に関する各種情報を記憶する。
図11に、変形例に係るアクセス情報記憶部221の一例を示す。
図11に示すアクセス情報記憶部221は、「ログID」、「配信装置ID」、「日時」、「要求元」といった項目を有する。
【0108】
「ログID」は、アクセスを識別するための識別情報を示す。「配信装置ID」は、対応するアクセスがあった配信装置100Aを識別するための識別情報を示す。「日時」は、対応するアクセスがあった日時を示す。また、「要求元」は、アクセスの要求元を示す。例えば、「要求元」には、要求元であるユーザを識別するための識別情報が記憶される。
【0109】
例えば、
図11に示す例において、ログID「L11」により識別されるアクセスは、配信装置ID「SV100−1」により識別される配信装置100A(例えば、配信装置100A−1)に対して送信されたアクセスであることを示す。また、ログID「L11」により識別されるアクセスは、2015年8月14日12時25分1秒に要求元「ユーザU1」が利用する端末装置10から送信されたアクセスであることを示す。
【0110】
なお、アクセス情報記憶部221は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、アクセス情報記憶部221は、所定の期間における配信装置100A毎のアクセスの合計等を記憶してもよい。
【0111】
(制御部230)
図10の説明に戻って、制御部230は、例えば、CPUやMPU等によって、管理装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(変更プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0112】
図10に示すように、制御部230は、取得部231と、変更部232と、送信部233とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、
図10に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、
図10に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0113】
(取得部231)
取得部231は、外部の情報処理装置から種々の情報を取得する。例えば、取得部231は、各配信装置100Aからコンテンツの配信に関する情報を取得する。例えば、取得部231は、複数の配信装置100Aから各配信装置100Aが受け付けたコンテンツの配信要求に関する情報を取得する。また、取得部231は、取得した各配信装置100Aの配信要求に関する情報をアクセス情報記憶部221に記憶する。また、取得部231は、配信装置100Aにおける第2抽出処理に必要なコンポーネント(例えば、第2処理装置群PG11(
図2参照)のいずれか)が不調であることや第2抽出処理が一定時間以上かかることを示す情報を配信装置100Aから取得してもよい。また、取得部231は、配信装置100Aから、第2抽出処理がエラーになるケースが一定時間内に多発することを示す情報を取得してもよい。
【0114】
(変更部232)
変更部232は、取得部231により取得された各配信装置100Aにおけるコンテンツの配信に関する情報が所定の条件を満たす場合、各配信装置100Aにおける所定の比率(配合比率)を変更する。例えば、変更部232は、配信装置100Aにおけるコンテンツの配信要求の数が所定に閾値に達した場合、各配信装置100Aにおける所定の比率(配合比率)を変更する。また、例えば、変更部232は、所定の条件として、各配信装置100Aにおける第2抽出処理に所定の時間以上を要する場合、または、各配信装置100Aにおける所定の期間内の第2抽出処理において所定の回数以上エラーが発生する場合、各配信装置100Aにおける所定の比率(配合比率)を変更する。変更部232は、各配信装置100Aにおける配信要求の数に基づいて、各配信装置100Aにおける配合比率を、第1抽出処理により抽出されるコンテンツの比率が高くなるように変更する。例えば、変更部232は、各配信装置100Aにおける配信要求の数が多くなるほど、第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツと、第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツとが配信するブレンドコンテンツに含まれる配合比率を、第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツの比率が高くなるように変更する。
【0115】
また、変更部232は、配信要求の数が所定の閾値に達した配信装置100Aが所定数に達した場合、各配信装置100Aを第1抽出処理により抽出されたコンテンツのみの配信に変更する。また、変更部232は、配信要求の数が所定の閾値未満になった配信装置100Aが所定数に達した場合、各配信装置100Aにおける第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を元の配合比率に変更する。なお、変更部232は、各配信装置100Aから取得した配信要求に関する情報に基づいて、通常時であるかアクセス集中時であるかの判定を行ってもよい。
【0116】
(送信部233)
送信部233は、外部の情報処理装置に各種情報を送信する。例えば、送信部233は、アクセス集中時であると判定された場合、第2抽出処理を停止するよう指示する情報を各配信装置100Aに送信する。また、例えば、送信部233は、通常時であると判定された場合、第2抽出処理を再開するよう指示する情報を各配信装置100Aに送信する。
【0117】
〔6−4.配信装置の構成〕
次に、
図12を用いて、変形例に係る配信装置100Aの構成について説明する。
図12は、変形例に係る配信装置100Aの構成例を示す図である。なお、配信装置100Aにおいて配信装置100と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。
図12に示すように、配信装置100Aは、通信部110と、記憶部120と、制御部130Aとを有する。
【0118】
(制御部130A)
制御部130Aは、例えば、CPUやMPU等によって、配信装置100A内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(変更プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130Aは、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0119】
図12に示すように、制御部130Aは、受付部131Aと、変更部132Aと、送信部133Aと、取得部134と、決定部135と、配信部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130Aの内部構成は、
図12に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130Aが有する各処理部の接続関係は、
図12に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0120】
(受付部131A)
受付部131Aは、コンテンツの配信要求を受け付ける。例えば、受付部131Aは、端末装置10からコンテンツの配信要求を受け付ける。例えば、受付部131Aは、複数の端末装置10からコンテンツの配信要求を受け付ける。また、受付部131Aは、複数の端末装置10から受け付けた配信要求(アクセス)をアクセス情報記憶部121に記憶する。
【0121】
また、受付部131Aは、第2抽出処理を停止するよう指示する情報を管理装置200から受け付ける。例えば、受付部131Aは、アクセス集中時において、第2抽出処理を停止するよう指示する情報を管理装置200から受け付ける。また、受付部131Aは、第2抽出処理を再開するよう指示する情報を管理装置200から受け付ける。例えば、受付部131Aは、通常時において、第2抽出処理を再開するよう指示する情報を管理装置200から受け付ける。
【0122】
(変更部132A)
変更部132Aは、受付部131Aにより受け付けられた指示に基づいて、配信要求の送信元の端末装置に配信されるコンテンツのうち、第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツと、第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツとの比率を変更する。例えば、変更部132Aは、受付部131Aにより受け付けられた指示に基づいて、端末装置10に配信するブレンドコンテンツにおける第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツの比率が高くなるように変更する。
【0123】
また、変更部132Aは、受付部131Aにより第2抽出処理を停止する指示が受け付けられた場合、第2抽出処理を停止する。この場合、送信部133Aは、第1処理装置群MG11の所定の第1処理装置51のみにコンテンツ要求を送信する。
【0124】
また、変更部132Aは、受付部131Aにより第2抽出処理を再開する指示が受け付けられた場合、第2抽出処理を再開する。この場合、送信部133Aは、第2処理装置群PG11の所定の第2処理装置52にもコンテンツ要求を送信する。
【0125】
(送信部133A)
送信部133Aは、外部の情報処理装置に各種情報を送信する。例えば、送信部133Aは、端末装置10や第1処理装置群MG11に含まれる第1処理装置51や第2処理装置群PG11に含まれる第2処理装置52に各種情報を送信する。
【0126】
また、送信部133Aは、第1処理装置群MG11の所定の第1処理装置51にコンテンツ要求を送信する。例えば、送信部133Aは、第1処理装置群MG11の第1処理装置51−2にマス向けコンテンツの要求を送信する。例えば、送信部133Aは、通常時及びアクセス集中時に関わらず、第1処理装置群MG11の所定の第1処理装置51にコンテンツ要求を送信する。
【0127】
また、送信部133Aは、第2処理装置群PG11の所定の第2処理装置52にコンテンツ要求を送信する。例えば、送信部133Aは、第2処理装置群PG11の所定の第2処理装置52に個人向けコンテンツの要求を送信する。例えば、送信部133Aは、通常時にのみ、第2処理装置群PG11の所定の第2処理装置52にコンテンツ要求を送信する。また、例えば、送信部133Aは、アクセス集中時には、第2処理装置群PG11の所定の第2処理装置52にコンテンツ要求を送信しない。
【0128】
また、送信部133Aは、管理装置200にアクセスに関する情報を定期的(例えば2分おきや5分おき等)に送信する。
【0129】
〔6−5.変更処理〕
次に、
図13を用いて、変形例に係る配信システム2における変更処理の手順について説明する。
図13は、変形例に係る変更処理の一例を示すフローチャートである。
【0130】
図13に示すように、管理装置200は、各配信装置100Aからアクセス情報を取得する(ステップS301)。管理装置200は、各配信装置100Aからアクセス情報として、所定期間内(例えば1分間など)の配信要求に関する情報を取得する。
【0131】
そして、管理装置200は、所定期間内のアクセス数(配信要求数)が閾値以上の配信装置100Aが所定数以上あるかどうかを判定する(ステップS302)。すなわち、管理装置200は、アクセス集中時になったかどうかを判定する。
【0132】
そして、管理装置200は、所定期間内のアクセス数が閾値以上の配信装置100Aが所定数未満である場合(ステップS302:No)、ステップS301に戻って処理を繰り返す。また、この時点において端末装置10から配信要求を受け付けた配信装置100Aは、端末装置10へブレンドコンテンツを配信する。
【0133】
一方、管理装置200は、所定期間内のアクセス数が閾値以上の配信装置100Aが所定数以上である場合(ステップS302:Yes)、全配信装置100Aに第2抽出処理によるコンテンツ抽出の停止を指示する(ステップS303)。これにより、例えば、配信装置100Aは、第2処理装置群PG11へのコンテンツ要求を停止し、第1処理装置群MG11のみにコンテンツ要求を送信する。すなわち、この時点において端末装置10から配信要求を受け付けた配信装置100Aは、端末装置10へマス向けコンテンツを配信する。
【0134】
その後、各配信装置100Aからアクセス情報を取得する(ステップS304)。管理装置200は、各配信装置100Aからアクセス情報として、所定期間内の配信要求に関する情報を取得する。
【0135】
そして、管理装置200は、全配信装置100Aにおける所定期間内のアクセス数が閾値未満かどうかを確認する(ステップS305)。すなわち、管理装置200は、アクセスが収束し通常時になったかどうかを確認する。
【0136】
そして、管理装置200は、1つ以上の配信装置100Aにおける所定期間内のアクセス数が閾値以上である場合(ステップS305:No)、ステップS304の処理を繰り返す。また、この時点において端末装置10から配信要求を受け付けた配信装置100Aは、端末装置10へマス向けコンテンツを配信する。なお、ステップS302で用いる閾値とステップS305で用いる閾値とは異なる閾値であってもよい。
【0137】
一方、管理装置200は、全配信装置100Aにおける所定期間内のアクセス数が閾値未満である場合(ステップS305:Yes)、全配信装置100Aに第2抽出処理によるコンテンツ抽出の再開を指示する(ステップS306)。この場合、例えば、配信装置100Aは、第2処理装置群PG11へのコンテンツ要求を再開し、第1処理装置群MG11及び第2処理装置群PG11にコンテンツ要求を送信する。すなわち、この時点において端末装置10から配信要求を受け付けた配信装置100Aは、端末装置10へブレンドコンテンツを配信する。その後、管理装置200は、ステップS301に戻って処理を繰り返す。
【0138】
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る配信装置100は、受付部131と、変更部132とを有する。受付部131は、コンテンツの配信要求を受け付ける。変更部132は、受付部131により配信要求が受け付けられるコンテンツの配信に関する所定の条件を満たす場合、配信要求の送信元の端末装置に配信されるコンテンツのうち、所定の基準に基づく第1抽出処理により抽出されるコンテンツ(実施形態においては「マス向けコンテンツMC11」。以下同じ。)と、第1抽出処理よりも負荷の高い処理である第2抽出処理により抽出されるコンテンツ(実施形態においては「個人向けコンテンツPC11」。以下同じ。)との比率を変更する。
【0139】
これにより、実施形態に係る配信装置100は、コンテンツの配信に関する所定の条件、例えば第2抽出処理によるコンテンツの抽出が難しい場合においては、第2抽出処理により抽出されるコンテンツの比率を変更することにより、処理負荷の高い第2抽出処理を抑制する。これにより、配信装置100は、コストの増大を抑制し、アクセス集中時における処理負荷を軽減することができる。
【0140】
また、実施形態に係る配信装置100において、変更部132は、所定の条件を満たす場合、比率を第1抽出処理により抽出されるコンテンツの比率が高くなるように変更する。
【0141】
これにより、実施形態に係る配信装置100は、アクセス集中時においては、処理負荷の高い第2抽出処理により抽出されるコンテンツの割合を減らし、第2抽出処理より処理負荷の軽い第1抽出処理により抽出されるコンテンツの割合を増やす。これにより、配信装置100は、コストの増大を抑制し、アクセス集中時における処理負荷を軽減することができる。
【0142】
また、実施形態に係る配信装置100において、変更部132は、第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、配信対象となるユーザに関する情報に基づいてコンテンツを抽出する第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を変更する。
【0143】
これにより、実施形態に係る配信装置100は、アクセス集中時においては、第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツPC11の割合を減らし、第2抽出処理より処理負荷の軽い第1抽出処理により抽出されるコンテンツを増やす。これにより、配信装置100は、コストの増大を抑制し、アクセス集中時における処理負荷を軽減することができる。
【0144】
また、実施形態に係る配信装置100において、変更部132は、所定の編集者がコンテンツを選択する基準によりコンテンツを抽出する第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を変更する。
【0145】
これにより、実施形態に係る配信装置100は、アクセス集中時においては、処理負荷の高い第2抽出処理により抽出されるコンテンツの割合を減らし、第2抽出処理より処理負荷の軽い第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツMC11の割合を増やす。これにより、配信装置100は、コストの増大を抑制し、アクセス集中時における処理負荷を軽減することができる。
【0146】
また、実施形態に係る配信装置100において、変更部132は、所定の条件を満たす場合、第1抽出処理により抽出されたコンテンツのみの配信に変更する。
【0147】
これにより、実施形態に係る配信装置100は、アクセス集中時においては、個人向けコンテンツPC11を抽出する第2抽出処理を停止し、第2抽出処理より処理負荷の軽い第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツMC11のみを配信する。これにより、配信装置100は、コストの増大を抑制し、アクセス集中時における処理負荷を軽減することができる。
【0148】
また、実施形態に係る配信装置100において、変更部132は、所定の条件を満たさなくなった場合、第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を元の比率に変更する。
【0149】
これにより、実施形態に係る配信装置100は、通常時に戻った場合においては、マス向けコンテンツMC11と個人向けコンテンツPC11とをブレンドしたブレンドコンテンツを配信する。これにより、配信装置100は、通常時においては、ユーザの興味や関心に基づいた記事と社会的な重要性に基づいた記事とをバランスよくユーザに配信することができる。
【0150】
また、実施形態に係る配信装置100において、変更部132は、所定の条件としてコンテンツの配信要求の数が所定に閾値に達した場合、第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を変更する。
【0151】
これにより、実施形態に係る配信装置100は、アクセス集中時においては、第2抽出処理により抽出されるコンテンツの比率を変更することにより、処理負荷の高い第2抽出処理を抑制する。これにより、配信装置100は、コストの増大を抑制し、アクセス集中時における処理負荷を軽減することができる。
【0152】
また、実施形態に係る配信装置100において、変更部132は、所定の条件として、第2抽出処理に所定の時間以上を要する場合、または、所定の期間内の第2抽出処理において所定の回数以上エラーが発生する場合、第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を変更する。
【0153】
これにより、実施形態に係る配信装置100は、第2抽出処理が不調時においては、第2抽出処理により抽出されるコンテンツの比率を変更することにより、処理負荷の高い第2抽出処理を抑制する。これにより、配信装置100は、コストの増大を抑制し、アクセス集中時における処理負荷を軽減することができる。
【0154】
また、変形例に係る配信システム2は、複数の配信装置100Aと、複数の配信装置100Aを管理する管理装置200とを有する。各配信装置100Aは、受付部131Aと、配信部136とを備える。受付部131Aは、コンテンツの配信要求を受け付ける。配信部136は、受付部131Aにより受け付けられた配信要求に応じて、所定の基準に基づく第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第1抽出処理よりも負荷の高い処理である第2抽出処理により抽出されるコンテンツとを所定の比率(変形例においては「配合比率」。以下同じ。)で含む複数のコンテンツ(変形例においては「ブレンドコンテンツ」。以下同じ。)を配信する。また、管理装置200は、取得部231と、変更部232とを備える。取得部231は、各配信装置100Aから配信要求に関する情報を取得する。変更部232は、取得部231により取得された各配信装置100Aにおける配信要求の数に基づいて、各配信装置100Aにおける所定の比率を変更する。
【0155】
これにより、変形例に係る配信システム2は、アクセス集中時においては、配信装置100Aの第2抽出処理により抽出されるコンテンツの比率を変更することにより、処理負荷の高い第2抽出処理を抑制する。これにより、配信システム2は、コストの増大を抑制し、アクセス集中時における処理負荷を軽減することができる。
【0156】
また、変形例に係る配信システム2において、管理装置200の変更部232は、各配信装置100Aにおける配信要求の数に基づいて、各配信装置100Aにおける所定の比率を、第1抽出処理により抽出されるコンテンツの比率が高くなるように変更する。
【0157】
これにより、変形例に係る配信システム2は、アクセス集中時においては、配信装置100Aの処理負荷の高い第2抽出処理により抽出されるコンテンツの割合を減らし、第2抽出処理より処理負荷の軽い第1抽出処理により抽出されるコンテンツの割合を増やす。これにより、配信システム2は、コストの増大を抑制し、アクセス集中時における処理負荷を軽減することができる。
【0158】
また、変形例に係る配信システム2において、配信装置100Aの配信部136は、第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、配信対象となるユーザに関する情報に基づく第2抽出処理により抽出されるコンテンツとを所定の比率で含む複数のコンテンツを配信する。
【0159】
これにより、変形例に係る配信システム2は、アクセス集中時においては、配信装置100Aの第2抽出処理により抽出される個人向けコンテンツPC11の割合を減らし、第2抽出処理より処理負荷の軽い第1抽出処理により抽出されるコンテンツを増やす。これにより、配信システム2は、コストの増大を抑制し、アクセス集中時における処理負荷を軽減することができる。
【0160】
また、変形例に係る配信システム2において、配信装置100Aの配信部136は、所定の編集者がコンテンツを選択する基準に基づく第1抽出処理により抽出されるコンテンツと第2抽出処理により抽出されるコンテンツとを所定の比率で含む複数のコンテンツを配信する。
【0161】
これにより、変形例に係る配信システム2は、アクセス集中時においては、配信装置100Aの処理負荷の高い第2抽出処理により抽出されるコンテンツの比率(割合)を減らし、第2抽出処理より処理負荷の軽い第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツMC11の比率を増やす。これにより、配信システム2は、コストの増大を抑制し、アクセス集中時における処理負荷を軽減することができる。
【0162】
また、変形例に係る配信システム2において、管理装置200の変更部232は、配信要求の数が所定の閾値に達した配信装置100Aが所定数に達した場合、各配信装置100Aを第1抽出処理により抽出されたコンテンツのみの配信に変更する。
【0163】
これにより、変形例に係る配信システム2は、アクセス集中時においては、配信装置100Aの個人向けコンテンツPC11を抽出する第2抽出処理を停止し、第2抽出処理より処理負荷の軽い第1抽出処理により抽出されるマス向けコンテンツMC11のみを配信する。これにより、配信システム2は、コストの増大を抑制し、アクセス集中時における処理負荷を軽減することができる。
【0164】
また、変形例に係る配信システム2において、管理装置200の変更部232は、配信要求の数が所定の閾値未満になった配信装置100Aが所定数に達した場合、各配信装置100Aにおける第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を所定の比率に変更する。
【0165】
これにより、変形例に係る配信システム2は、通常時に戻った場合においては、各配信装置100Aがマス向けコンテンツMC11と個人向けコンテンツPC11とをブレンドしたブレンドコンテンツを配信する。これにより、配信システム2は、通常時においては、ユーザの興味や関心に基づいた記事と社会的な重要性に基づいた記事とをバランスよくユーザに配信することができる。
【0166】
〔8.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る配信装置100及び変形例に係る配信装置100A、管理装置200は、例えば
図14に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図14は、配信装置及び管理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0167】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0168】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が決定したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0169】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、決定したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0170】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0171】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る配信装置100及び変形例に係る配信装置100A、管理装置200として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130、130A、230の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0172】
以上、本願の実施形態及び変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0173】
〔9.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0174】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0175】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0176】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【解決手段】本願に係る変更装置は、受付部と、変更部とを有する。受付部は、コンテンツの配信要求を受け付ける。変更部は、受付部により受け付けられるコンテンツの配信に関する所定の条件を満たす場合、配信要求の送信元の端末装置に配信されるコンテンツのうち、所定の基準に基づく第1抽出処理により抽出されるコンテンツと、第1抽出処理よりも負荷の高い処理である第2抽出処理により抽出されるコンテンツとの比率を変更する。