(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2吸気ラインは、水素と酸素の電気化学的反応により電気エネルギーと熱を生成させるスタック部と、燃料の供給を受けて改質された水素を前記スタック部に供給する改質部とに連結される、請求項1に記載の燃料電池を利用したボイラーシステム。
【背景技術】
【0002】
四季の変化があるか、寒い地方の国では、家庭や建物などの室内暖房のためにエネルギー源として石油、ガス、石炭などを使用するボイラーシステムが適用されている。
【0003】
通常のボイラーシステムは、家庭や建物などの室内外に設置されたボイラーから燃料の供給を受けてその燃料を燃焼させる。そのボイラーの燃焼熱により水が加熱され、その加熱された温水はそのボイラーと循環連結されて室内のフロアに埋設された放熱用循環ラインを通じて循環するようになる。水がボイラーで加熱されて放熱用循環ラインを通じて流動し、再びボイラーで加熱される循環流動を繰り返しながら熱が室内のフロアに伝達されて室内のフロアを加熱させるようになる。
【0004】
また、前記ボイラーに温水ラインが連結され、その温水ラインは水道水が供給される水道ラインと連結され、その水道ラインは洗面室、浴室または厨房などに連結されるように設置される。
【0005】
しかし、前述のボイラーシステムは、ガスや石油を燃焼させ、その燃焼熱で水を加熱して室内を暖房し、また温水を使用するため、ガスや石油の使用量が多大であり、人体に有害な汚染物質の発生を加重させるだけでなく、化石燃料の枯渇により家計の経済的負担が漸次に増加している。
【0006】
このような問題点を解消するために、最近は電気と熱を同時に発生させながら環境公害物質の排出量を減らすことができ、電気および暖房料金を減少させることができる燃料電池を住宅または建物に設置して使用者が必要とする電気と熱を直接生産して使用する方案が研究されている。
【0007】
しかし、燃料電池で生産された電気を外部に供給すると同時に、付随的に発生する熱を温水の形態で回収して暖房と給湯に利用するため、ボイラーが共に使用されている。
したがって、燃料電池用吸排気口とボイラー用吸排気口がそれぞれ必要であるため、空間、構造および設置上の不便さを招くという問題点がある。
また、吸排気口の個数が増加することによって、排出ガスの外部漏出の危険が増加するという問題点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステムの概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100の吸排気統合管190の斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100の吸排気統合管190の他の斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100の吸排気統合管190の断面図である。
【
図5】本発明の変形実施形態による燃料電池を利用したボイラーシステムの概略図である。
【
図6】本発明の変形実施形態による燃料電池を利用したボイラーシステムの概略図である。
【
図7】本発明の変形実施形態による燃料電池を利用したボイラーシステムの概略図である。
【
図8】本発明の変形実施形態による燃料電池を利用したボイラーシステムの概略図である。
【
図9】本発明の変形実施形態による燃料電池を利用したボイラーシステムの概略図である。
【
図10】本発明の変形実施形態による燃料電池を利用したボイラーシステムの概略図である。
【
図11】本発明の変形実施形態による燃料電池を利用したボイラーシステムの概略図である。
【
図12】本発明の変形実施形態による燃料電池を利用したボイラーシステムの概略図である。
【
図13】本発明の変形実施形態による燃料電池を利用したボイラーシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
前記本発明の目的を達成するために、家庭や建物などに燃料電池およびボイラーを設置し、その燃料電池で発生する反応熱とボイラーの燃焼熱により流体が加熱されて家庭や建物などの室内のフロア内部を循環しながらその室内を暖房させ、その燃料電池の反応熱とボイラーの燃焼熱により水道水を加熱して家庭や建物の洗面室や厨房などに温水を提供することを特徴とする燃料電池を利用したボイラーシステムが提供される。
【0015】
以下、本発明の燃料電池を利用したボイラーシステムを図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1に示したように、本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100は、家庭や建物などに設置されるボイラー110と、燃料と酸素の電気化学的反応により電気と反応熱を発生させる燃料電池130と、前記燃料電池130で生成される反応熱を流体を通じて回収して貯蔵する貯蔵タンク150と、家庭や建物などの室内フロアに埋設される暖房ライン170と、外部で水が供給されると前記ボイラー110または前記貯蔵タンク150を経て家庭や建物の洗面室や厨房などに温水が供給されるように連結される温水ライン180と、前記ボイラー110および燃料電池130で燃焼または電気化学的反応が起こるように酸素を供給し、前記ボイラー110および燃料電池130の燃焼または空気極(カソード)で発生したガスを排出するための吸排気統合管190とを含む。
【0017】
一般に、前記ボイラー110は、熱源の種類、設置形態、設置場所、吸排気方式、給水方式、放熱方式、熱交換機の構造などによって多様な種類に区分され得る。
【0018】
本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100のボイラー110は、第1燃料供給ライン111から供給された燃料を噴射する燃料噴射機構111aと、前記燃料噴射機構111aを通じて燃料が噴射されると、噴射された燃料を空気と混合するバーナー113と、前記混合ガスが前記バーナー113の炎孔113aを通じて噴出して点火装置の作動時に燃焼が起こる燃焼室115とを含む。
【0019】
前記ボイラー110は、ブロワなどの強制流動発生手段116を適宜にアレイ設計して室内あるいは室外空気を強制的に前記第1吸気ライン118を通じて吸入しながら、負圧により排気ガスが第1排気ライン117を通じて室外に排出するようにできる。
【0020】
前記貯蔵タンク150は、流体の熱源が直接または前記ボイラー110を経て暖房ライン170に供給されるように構成されることもできる。
【0021】
また、前記暖房ライン170を経た流体が前記貯蔵タンク150に流入するように前記暖房ライン170と貯蔵タンク150を連結することもできる。
【0022】
前記燃料電池130は、水素などの燃料と酸素を含む空気を持続的に供給して水素と酸素の電気化学的反応により電気エネルギーと副産物として熱を発生させるようになる。
【0023】
前記燃料電池130は、600℃以上の高温で作動する溶融炭酸塩形燃料電池(Molten Carbonate Fuel Cells、MCFC)、または固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cells、SOFC)、または200℃以下の比較的に低温で作動するリン酸形燃料電池(Phosphoric Acid Fuel Cells、PAFC)、および高分子電解質燃料電池(Proton Exchange Membrane Fuel Cells、PEMFC)からなることができる。
【0024】
前記燃料電池130は、燃料極131aと空気極131bを含んで構成され、前記燃料極131aに供給される改質ガスまたは水素と前記空気極131bに供給される酸素との電気化学的反応により電気エネルギーと副産物である熱を生成させるスタック部131と、燃料の供給を受けて水素に改質して前記スタック部131の燃料極131a側に水素を供給する改質部133と、前記改質部133に燃料を供給する第2燃料供給ライン134と、前記改質部133およびスタック部131の空気極131bに空気を供給する第2吸気ライン135と、前記スタック部131で発生する電気エネルギーを商用電源に変換させる電力変換部137と、前記改質部133およびスタック部131から排出するガスを外部に送るための第2排気ライン139とを含んで構成される。
【0025】
前記燃料は、LNG、LPG、炭化水素系(CH系)燃料および水素などの燃料であってもよい。
【0026】
本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100において、前記ボイラー110の第1排気ライン117および第1吸気ライン118と、前記燃料電池130の第2排気ライン139および第2吸気ライン135は、一つの吸排気統合管190の吸排気統合口190aを通じて大気と連通することができる。
【0027】
したがって、前記ボイラー110の第1排気ライン117および第1吸気ライン118と、前記燃料電池130の第2排気ライン139と第2吸気ライン135をそれぞれ設置するために発生する空間上の制約、例えば、ボイラー室の内外壁に多数の孔を穿孔しなければならない問題点など、ボイラーシステム100の空間、構造および設置上の不便さを解消することができる。
【0028】
以下、
図2乃至
図4を参照して、本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100の吸排気統合管190について説明する。
【0029】
図2乃至
図4は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100の吸排気統合管190の斜視図、他の斜視図、および断面図である。
図2乃至
図4に示されているように、本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100の吸排気統合管190は、前記ボイラー110の第1排気ライン117および第1吸気ライン118と、前記燃料電池130の第2排気ライン139と第2吸気ライン135がそれぞれ連結される第1管部191、第2管部192、第3管部193、第4管部194が同心軸を中心に重畳配置される四重管で構成されてもよい。
【0030】
本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100の吸排気統合管190は、前記ボイラー110の第1排気ライン117と前記燃料電池130の第2排気ライン139を第1管部材191で共通使用することもでき、第1吸気ライン118と前記燃料電池130の第2吸気ライン135を第2管部192で共通使用することもできる。この場合、第1管部191と第2管部192が同心軸を中心に重畳配置される二重管で構成されてもよい。
【0031】
また、
図3に示されたような前記燃料電池130の第2吸気ライン135と第2排気ライン139が第1管部191内に分岐管の形態で配置されることもできる。
【0032】
また、前記ボイラー110の第1排気ライン117および第1吸気ライン118にそれぞれ連結される第1管部191、第2管部192に前記燃料電池130の第2吸気ライン135と第2排気ライン139が複数の分岐管の形態で連結されることもできる。
【0033】
また、本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100の吸排気統合管190は、少なくとも2以上の多重管または分岐管を有することができるだけでなく、
図4に示されているように、一つの第1管部191内に隔壁191aを形成して排気流れまたは吸気量により第1管部191の断面領域を、ボイラー110および燃料電池130の吸気領域Aと、ボイラー110および燃料電池130の排気領域Bに区画することができる。
したがって、ボイラー110と燃料電池130の吸排気ラインが一つの吸排気統合管190で製造され得るため、複雑な配管構成を単純化することができ、配管の漏出の可能性が減ることができる。
【0034】
次に、
図5乃至
図12を参照して本発明の変形実施形態による燃料電池を利用したボイラーシステムについて説明する。
【0035】
図5乃至
図12は、本発明の変形実施形態による燃料電池を利用したボイラーシステムの概略図である。
【0036】
図5に示されているように、本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100の吸排気統合管190は、一つの吸排気統合口190aに連結され、一つの隔壁191aを通じて分けられた第1管部材191を通じて流入された室外空気が前記ボイラー110の第1吸気ライン118と前記燃料電池130の第2吸気ライン135を通じて流入し、第1排気ライン117と前記燃料電池130の第2排気ライン139を通じて排気されるガスが前記第1管部材191を通じて一つの統合管口190aを通じて排気されるように構成されてもよい。
つまり、ボイラー110と燃料電池130の吸気口と排気口が一つに統合されて共通使用された。
【0037】
図6に示されているように、本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100の吸
排気統合管19
0は、一つの吸
排気統合口190aに連結された第1管部材191を通じて流入した室外空気が前記ボイラー110の第1吸気ライン118と前記燃料電池130の第2吸気ライン135を通じて流入し、第1排気ライン117と前記燃料電池130の第2排気ライン139を通じて排気されるガスが他の一つの第1管部材191の他の一つの吸排気統合口191aを通じて排気されるように構成されてもよい。
つまり、ボイラー110と燃料電池130の吸気口と排気口がそれぞれ共通使用された。
【0038】
この場合、
図7に示されているように、前記第1管部材191を共通使用する前記ボイラー110の第1吸気ライン118と前記燃料電池130の第2吸気ライン135との間の吸気流れ、および前記ボイラー110の第1排気ライン117と前記燃料電池130の第2排気ライン139との間の排気流れを制御して逆流の発生を防止することができるように二つのラインの交差地点にダンパー手段またはソレノイドバルブなど電磁的制御手段160が用いられてもよい。
【0039】
図8に示されているように、本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100の吸排気統合管190は、一つの吸排気統合口190aに連結される二重管であってもよい。
【0040】
前記二重管は、第1管部材191に前記ボイラー110の第1排気ライン117と前記燃料電池130の第2排気ライン13
9が連通して前記ボイラー110および燃料電池130が一つの第1管部材191を排気ラインで共通使用し、前記第1管部材191を囲む第2管部材192を隔壁192aを用いて分離し、前記ボイラー110の第1吸気ライン118と前記燃料電池130の第2吸気ライン13
5と連通するようにして前記ボイラー110の第1吸気ライン118と前記燃料電池130の第2吸気ライン13
5の吸気ガスが混合されないようにしてそれぞれの特性を維持することができる。
【0041】
この場合、
図9に示されているように、前記第1管部材191を共通使用する前記ボイラー110の第1排気ライン117と前記燃料電池130の第2排気ライン139との間の排気流れを制御して逆流の発生を防止することができるように二つのラインの交差支点にダンパー手段またはソレノイドバルブなど電磁的制御手段160が用いられてもよい。
【0042】
また、
図10に示されているように、本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100の吸排気統合管190は、一つの吸排気統合口190aに連結され、内外部の管部材に隔壁が形成された二重管であってもよい。
【0043】
前記二重管は、第1管部材191が隔壁191aを用いて分離され、前記ボイラー110の第1排気ライン117と前記燃料電池130の第2排気ライン139が連通して前記ボイラー110および燃料電池130が一つの第1管部材191の領域を分けて排気ラインで共通使用し、前記ボイラー110の第1排気ライン117と前記燃料電池130の第2排気ライン139の排気ガスが混合されないようにしてそれぞれの特性を維持することができる。
【0044】
前記第1管部材191を囲む第2管部材192も隔壁192aを用いて分離され、前記ボイラー110の第1吸気ライン118と前記燃料電池130の第2吸気ライン135と連通するようにして前記ボイラー110の第1吸気ライン118と前記燃料電池130の第2吸気ライン135の吸気ガスが混合されないようにしてそれぞれの特性を維持することができる。
【0045】
また、
図11に示されているように、本発明の一実施形態に係る燃料電池を利用したボイラーシステム100の吸排気統合管190は、一つの吸排気統合口190aに連結される三重管であってもよい。
【0046】
前記三重管は、第1管部材191に前記ボイラー110の第1排気ライン11
7と前記燃料電池130の第2排気ライン13
9が連通して前記ボイラー110および燃料電池130が一つの第1管部材191を排気ラインで共通使用し、前記第1管部材191を順次に囲む第2管部材192と第3管部材193にそれぞれ前記燃料電池130の第2吸気ライン13
5と前記ボイラー110の第1吸気ライン11
8が連通するようにして前記ボイラー110の第1吸気ライン117と前記燃料電池130の第2吸気ライン13
5の吸気ガスが混合されないようにしてそれぞれの特性を維持することができる。
【0047】
この場合、
図12に示されているように、三重管の構造でありながら、前記第1管部材191に隔壁191aを設置して2つの領域に分離し、前記ボイラー110の第1排気ライン11
7と前記燃料電池130の第2排気ライン13
9が連通して前記ボイラー110および燃料電池130が一つの第1管部材191の領域を分けて排気ラインで共通使用し、前記ボイラー110の第1排気ライン11
7と前記燃料電池130の第2排気ライン13
9の排気ガスが混合されないようにしてそれぞれの特性を維持することができる。
【0048】
またこの場合に、
図13に示されているように、前記第1管部材191を共通使用する前記ボイラー110の第1排気ライン11
7と前記燃料電池130の第2排気ライン13
9との間の排気流れを制御して逆流の発生を防止することができるように二つのラインの交差支点にダンパー手段またはソレノイドバルブなど電磁的制御手段160が用いられてもよい。