(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062617
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
G06F3/041 600
G06F3/041 510
G06F3/041 522
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-37289(P2011-37289)
(22)【出願日】2011年2月23日
(65)【公開番号】特開2012-27897(P2012-27897A)
(43)【公開日】2012年2月9日
【審査請求日】2014年2月24日
【審判番号】不服2016-4767(P2016-4767/J1)
【審判請求日】2016年4月1日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0069670
(32)【優先日】2010年7月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】崔 恩 碩
(72)【発明者】
【氏名】蘇 秉 石
(72)【発明者】
【氏名】柳 美 ▲ら▼
(72)【発明者】
【氏名】崔 相 彦
(72)【発明者】
【氏名】兪 浩 濬
【合議体】
【審判長】
新川 圭二
【審判官】
和田 志郎
【審判官】
稲葉 和生
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第5666113(US,A)
【文献】
特開2009−252241(JP,A)
【文献】
特開2004−78693(JP,A)
【文献】
特開2007−304757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチセンサーパッドと、該タッチセンサーパッドの下に少なくとも一つのスイッチとを持つ使用者入力部と、
前記タッチセンサーパッドの使用者のタッチ入力に応じて、タッチが発生した場合、前記タッチが発生した状態でスイッチがプレスされているかを判断し、前記スイッチがプレスされたと判断した場合、前記スイッチのプレスが開始された位置に対応する、前記タッチセンサーパッドの第1の位置の情報を保存し、所定時間内に前記スイッチのプレスがリリースされると、前記スイッチのプレスがリリースされた位置に対応する、前記タッチセンサーパッドの第2の位置の情報を保存し、前記第1の位置と前記第2の位置との差が予め設定された範囲内に存在すれば、前記タッチセンサーパッドの前記第1の位置から前記スイッチがクリックされたと判断し、前記第1の位置と前記第2の位置との差が前記予め設定された範囲以上であれば、前記スイッチがクリックされていないと判断する、制御部と、
を含み、
前記第1の位置が座標(X,Y)を有し、前記第2の位置が座標(X’,Y’)を有し、
前記制御部は、|X-X'|が予め設定された第一臨界値以下であり、|Y-Y'|が予め設定された第二臨界値以下であることに応答して、前記タッチセンサーパッドが前記第1の位置でクリックされたと判断する、ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記スイッチのプレスが開始された前記第1の位置で前記タッチセンサーパッドがクリックされたと判断する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記第1の位置の座標が(X,Y)であり、前記第2の位置の座標が(X’,Y’)である場合、
前記制御部は、|X-X'|が予め設定された臨界値を超えるとき、前記スイッチがクリックされないと判断する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1の位置の座標が(X,Y)であり、前記第2の位置の座標が(X’,Y’)である場合、
前記制御部は、|Y-Y'|が予め設定された臨界値を超えるとき、前記スイッチがクリックされないと判断する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第1の位置の座標が(X,Y)であり、前記第2の位置の座標が(X’,Y’)である場合、
前記制御部は、(X-X')2+(Y-Y')2が予め設定された臨界値を超えるとき、前記スイッチがクリックされないと判断する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記スイッチがクリックされないと判断した場合、前記スイッチのプレスが開始された前記第1の位置から前記スイッチのプレスがリリースされた前記第2の位置へのタッチ移動が発生したと判断する、請求項3ないし5のいずれか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記スイッチは、前記タッチセンサーパッドの下部に備えられている、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記スイッチは、一個である、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
タッチセンサーパッドと該タッチセンサーパッドの下に少なくとも一つのスイッチとを持つ使用者入力部を含むディスプレイ装置の制御方法にあって、
前記タッチセンサーパッドの使用者のタッチ入力に応じて、タッチが発生した場合、前記タッチが発生した状態でスイッチがプレスされているかを判断する段階と、
前記スイッチがプレスされたと判断した場合、前記スイッチのプレスが開始された位置に対応する、前記タッチセンサーパッドの第1の位置の情報を保存し、所定時間内に前記スイッチのプレスがリリースされると、前記スイッチのプレスがリリースされた位置に対応する、前記タッチセンサーパッドの第2の位置の情報を保存する段階であって、前記第1の位置が座標(X,Y)を有し、前記第2の位置が座標(X’,Y’)を有する、段階と、
前記第1の位置と前記第2の位置との差が予め設定された範囲内に存在するか判断し、前記第1の位置と前記第2の位置との差が予め設定された範囲内に存在すれば、前記タッチセンサーパッドの前記第1の位置から前記スイッチがクリックされたと判断し、前記第1の位置と前記第2の位置との差が前記予め設定された範囲以上であれば、前記スイッチがクリックされていないと判断する段階であって、|X-X'|が予め設定された第一臨界値以下であり、|Y-Y'|が予め設定された第二臨界値以下であることに応答して、前記タッチセンサーパッドが、前記第1の位置でクリックされたと判断する段階と、
を含む、ディスプレイ装置の制御方法。
【請求項10】
前記第1の位置の座標が(X,Y)であり、前記第2の位置の座標が(X',Y')である場合、
前記第1の位置と前記第2の位置との差が予め設定された範囲内に存在するかの判断は、|X-X'|が予め設定された臨界値を超過するかどうかを判断する段階を含み、
前記スイッチがクリックされたかどうかの判断において、|X-X'|が前記予め設定された臨界値を超えるとき、前記スイッチがクリックされないと判断する、請求項9に記載のディスプレイ装置の制御方法。
【請求項11】
前記第1の位置の座標が(X,Y)であり、前記第2の位置の座標が(X',Y')である場合、
前記第1の位置と前記第2の位置との差が予め設定された範囲内に存在するかの判断は、|Y-Y'|が予め設定された臨界値を超過するかどうかを判断する段階を含み、
前記スイッチがクリックされたかどうかのを判断において、|Y-Y'|が前記予め設定された臨界値を超えるとき、前記スイッチがクリックされないと判断する、請求項9に記載のディスプレイ装置の制御方法。
【請求項12】
前記第1の位置の座標が(X,Y)であり、前記第2の位置の座標が(X',Y')である場合、
前記第1の位置と前記第2の位置との差が予め設定された範囲内に存在するかの判断は、(X-X')2+(Y-Y')2が予め設定された臨界値を超過するかどうかを判断する段階を含み、
前記スイッチがクリックされたかどうかの判断において、(X-X')2+(Y-Y')2が前記予め設定された臨界値を超えるとき、前記スイッチがクリックされないと判断する段階を含む、請求項9に記載のディスプレイ装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置及びその制御方法に関するものとして、より詳しくは、タクトスイッチを含む使用者入力部を含めるディスプレイ装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常的に、テレビをコントロールするリモコンは、数字ボタン及び方向ボタンを含めている。使用者は、数字ボタンまたは方向ボタンを押し、ポインターを移動させたり、チャネルを選択したりする制御を遂行した。
【0003】
最近では、タッチパッドまたはタッチスクリーンのようなタッチセンサーベースのディバイスが使用され、使用者は指またはポインティングデバイスを利用してより便利で早くポインターを移動させたりGUIを制御できるようになった。このタッチベースデバイスは、より直感的にGUIを制御できる所から使用者の経験を極大化できる長所を持っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施例は、スイッチのクリックを正確に認識できるディスプレイ装置及びその制御方法を提供する。
【0005】
また、本発明の一実施例は、使用者の間違いによるスイッチのクリックを防止するディスプレイ装置及びその制御方法を提供する。
【0006】
一方、本発明の他の実施例は、タッチパッドを利用して容易く文字を入力できるディスプレイ装置及びその制御方法を提供する。
【0007】
本発明によるディスプレイ装置は、少なくとも一つのタッチセンサーパッドと少なくとも一つのスイッチとを持つ使用者入力部と;前記クリックのためにスイッチのプレスが発生した前記タッチセンサーパッドの第一位置に関する第1位置情報とスイッチのリリースが発生した前記タッチセンサーパッド上の第二位置に関する第2位置情報との差が既設定された範囲内に存在すれば前記スイッチがクリックされたことと判断する制御部と;を含むことができる。
【0008】
前記制御部は、前記スイッチのプレスが発生した第一位置で前記タッチセンサーパッドがクリックされたことと判断することができる。
【0009】
この場合、前記第一位置情報が(X,Y)で、前記第二位置情報が(X',Y')である時、前記制御部は、|X-X'|が既設定された第一臨界値以下で、|Y-Y'|が既設定された第二臨界値以下なら、前記スイッチのプレスが発生した第一位置で前記タッチセンサーパッドがクリックされたことと判断することができる。
【0010】
前記第一位置情報が(X,Y)で、前記第二位置情報が(X',Y')である時、前記制御部は、│X-X'│が既設定された臨界値を超えると前記スイッチがクリックされないことと判断することができる。
【0011】
または、前記第一位置情報が(X,Y)で、前記第二位置情報が(X',Y')である時、前記制御部は、│Y-Y'│が既設定された臨界値を越えると前記スイッチがクリックされないことと判断することができる。
【0012】
前記第一位置情報が(X,Y)で、前記第二位置情報が(X’,Y’)である時、前記制御部は、(X-X')
2+(Y-Y')
2が既設定された臨界値を超えると前記スイッチがクリックされないことと判断することもできる。
【0013】
前記制御部は、前記スイッチがクリックされないことと判断すると、前記スイッチのプレスが発生した第一位置から前記スイッチのリリースが発生した第二位置へタッチ移動が発生したことと判断することができる。
【0014】
前記スイッチは、前記タッチセンサーパッドの下部に備えられる。
【0015】
前記スイッチは、一つであるが、タッチセンサーパッドの大きさなどによって複数になることもある。
【0016】
一方、本発明の他の実施例による少なくとも一つのタッチセンサーパッドと前記タッチセンサーパッドのクリックのため少なくとも一つのスイッチを持つ使用者入力部を含むディスプレイ装置の制御方法にあって、スイッチのプレスが発生した前記タッチセンサーパッドの第一位置を感知する段階と;スイッチのリリースが発生した前記タッチセンサーパッドの第二位置を感知する段階と;前記第一位置に関する第一位置情報と前記第二位置に関する第二位置情報との差が既設定された範囲内に存在するか判断する段階と;前記第一位置と前記第二位置との差が既設定された範囲内に存在するか可否に基づいて前記スイッチのクリックの可否を判断する段階を含むことができる。
【0017】
この場合、前記第一位置情報が(X,Y)で、前記第二位置情報が(X',Y')である時、前記第一位置に関する第一位置情報と前記第二位置に関する第二位置情報との差が既設定された範囲内に存在するか判断する段階は、|X-X'|が既設定された第一臨界値以下で、|Y-Y'|が既設定された第二臨界値以下か可否を判断する段階を含むことができ、前記スイッチのクリックの可否を判断する段階は、|X-X'|が前記一臨界値以下で、|Y-Y'|が前記第二臨界値なら、前記スイッチのプレスが発生した第一位置で前記タッチセンサーパッドがクリックされたことと判断することができる。
【0018】
この場合、前記第一位置情報が(X,Y)で、前記第二位置情報が(X',Y')である時、前記第一位置に関する第一位置情報と前記第二位置に関する第二位置情報との差が既設定された範囲内に存在するか判断する段階は、|X-X'|が既設定された臨界値を超過するか可否を判断する段階を含むことができ、前記スイッチのクリックの可否を判断する段階は、|X-X'|が前記臨界値を越えると前記スイッチがクリックされないことと判断する段階を含むことができる。
【0019】
この場合、前記第一位置情報が(X,Y)で、前記第二位置情報が(X',Y')である時、前記第一位置に関する第一位置情報と前記第二位置に関する第二位置情報との差が既設定された範囲内に存在するか判断する段階は、|Y-Y'|が既設定された臨界値を超過するか可否を判断する段階を含むことができ、前記スイッチのクリックの可否を判断する段階は、|Y-Y'|が前記臨界値を越えると前記スイッチがクリックされないことと判断する段階を含むことができる。
【0020】
この場合、前記第一位置情報が(X,Y)で、前記第二位置情報が(X',Y')である時、前記第一位置に関する第一位置情報と前記第二位置に関する第二位置情報との差が既設定された範囲内に存在するか判断する段階は、(X-X')
2+(Y-Y')
2が既設定された臨界値を超過するか可否を判断する段階を含むことができ、前記スイッチのクリックの可否を判断する段階は、(X-X')
2+(Y-Y')
2が前記臨界値を越えると前記スイッチがクリックされないことと判断する段階を含むことができる。
【0021】
以上の如く、本発明の一実施例によるとスイッチクリックを正確に認識できるディスプレイ装置及びその制御方法が提供できる。
【0022】
また、本発明の一実施例によると使用者の間違いによるスイッチクイックを防止するディスプレイ装置及びその制御方法が提供される。
【0023】
一方、本発明のまた他の実施例によるとタッチパッドを利用して容易く文字を入力できるディスプレイ装置及びその制御方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施例によるディスプレイ装置の概略図である。
【
図2】本発明の一実施例によるディスプレイ装置の制御ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施例によるスイッチのプレスの位置情報を示した図面である。
【
図5】本発明の一実施例によるスイッチのリリースの位置情報を示した図面である。
【
図6】本発明の一実施例によるスイッチのクリックの誤謬の制御方法を説明するための制御流れ図である。
【
図7】本発明の他の実施例によるスイッチのクリックの誤謬の制御方法を説明するための制御流れ図である。
【
図8】本発明の他の実施例による使用者入力部に含まれているタッチセンサーパッドである。
【
図9】本発明のさらに他の実施例による使用者入力部に含まれているタッチセンサーパッドである。
【
図10】本発明のさらに他の実施例による使用者入力部に含まれているタッチセンサーパッドである。
【
図11】本発明のさらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付した図面を参考して本発明の実施例に関して本発明が属する技術分野で通常の知識を持っているものが容易く実施できるように詳しく説明する。本発明はそれぞれ異なる形で具現できてここで説明する実施例たちに限らない。本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略して、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素に関しては同一な参照符号を付けるようにする。
【0026】
図1は、本発明の一実施例によるディスプレイ装置の概略図で、
図2は、本実施例によるディスプレイ装置の制御
ブロック図である。図で示したように、ディスプレイ装置は、ディスプレイ部230を含む本体200と、これを制御するための使用者入力部100を含む。
【0027】
使用者入力部100は、テレビまたは各種AV機器を制御できる遠隔制御装置で具現することもあるがこれに限らない。使用者入力部100は、最近活発に開発されているデュアルテレビに具現されることもある。つまり、メインテレビを制御するためにディスプレイ部及びタッチパッドを含む補助テレビで具現されることもあるし、タッチパッドを含むとすれば、遠隔制御機能を持つ携帯用電話機と具現することもできる。本実施例による使用者入力装置は、既存の数字ボタンまたは機能ボタンのような多数のボタンではない2〜4個程度の少ない個数のボタン30とタッチセンサーパッド10とを含めている簡単な構造を持つことが好ましい。
【0028】
本体200は、使用者入力部100と通信するため通信部210、ディスプレイ部230、UI生成部220を含み、これらの通信部210、ディスプレイ部230、UI生成部220を制御する制御部240を含めて、使用者入力部100は、タッチセンサーパッド10、スイッチ20、少なくとも一つのボタン30、信号電送部40及び信号制御部50を含む。
【0029】
通信部210は、遠隔で設けられている使用者入力部100からの信号を受信して制御部240に出力する。通信部210は、IR信号を受信できる通信モジュールで具現できる。
【0030】
UI生成部220は、使用者に提供する各種UI情報を生成してディスプレイ部230に表示する。
【0031】
ディスプレイ部230は、液晶層を含む液晶パネルまたは有機物で構成された発光層を含む有機
発光パネル、プラズマ表示パネルなどを含むことができて、これらパネルを駆動するパネル駆動部(図示せず)を含むことができる。ディスプレイ部230は、放送信号、写真のような静止画像、各種動画を表示することができ、UI生成部220から提供されるUI情報を表示する。また、ディスプレイ部230は、放送プログラム情報に対応するEPG及びコンテンツプロバイダから提供されたコンテンツ及びアプリケーションをアイコン形態で表示することができる。
【0032】
タッチセンサーパッド10は、使用者の身体の一部またはポインティングデバイスのタッチを感知できるパッドを含み、タッチセンサーパッド10は、グラフィックが表示されるタッチスクリーンに具現することもできる。タッチセンサーパッド10は、使用者が使用者入力装置を片手で持った時タッチを容易く行うことができる位置に設けられて、少なくとも一つ以上含むことができる。使用者は、タッチセンサーパッド10上で多様な操作できて、例えば、タッチ移動(move)、軽いタッチにあたるタップ動作(tap)、タップより強くタッチするクリック、ダブルクリック、ドラッグアンドドロップ、ページを転換するフリック(flicking)、スクロールリング動作などを行うことができる。
【0033】
図3は、
図1のI-Iによる断面図である。図に示したように、スイッチ20は、タッチセンサーパッド10の下部に備えられて使用者がタッチセンサーパッド10をクリックできるように動作するボタンの役割をする。使用者は、クリックを通じたタッチ操作で選択項目を選択できる。スイッチ20が、タッチセンサーパッド10と離隔され備えられることではなく、タッチセンサーパッド10に接続できるように備えられることによって、使用者は、より容易くスイッチ20のクリックを行うことができる。本実施例によるスイッチ20は、タッチセンサーパッド10の下部に一つ存在する。使用者の身体の一部またはポインティングデバイスは、タッチセンサーパッド10のどこでもタッチセンサーパッド10をクリックできる。
【0034】
信号転送部40は、信号制御部50の制御によってタッチ移動情報、スイッチ20のクリックに関する情報、ボタン30の入力情報を通信部210に出力する。一方、使用者入力部100の信号転送部40は、通信部210と双方向通信できる通信モジュールを含むことができる。この場合、通信部210及び信号転送部40を通じた制御信号の送受信が両方向でできるようになる。
【0035】
信号制御部50は、タッチセンサーパッド10上でタッチ移動が発生するとタッチ移動情報を通信部210に出力できるようにして、スイッチ20のクリックが発生するとクリックが発生したタッチセンサーパッド10の位置情報が通信部210に出力できるように、信号転送部40を制御する。スイッチ20のクリックは、使用者がタッチセンサーパッド10を押すスイッチのプレス動作とプレスを解除するスイッチのリリース動作で構成される。
【0036】
制御部240は、スイッチのプレスが発生したタッチセンサーパッド10の第一位置情報とスイッチのリリースが発生したタッチセンサーパッド10上の第二位置情報との差が既設定された範囲内に存在すれば、スイッチ20がクリックされた
と判断する。
図4は、使用者がスイッチをプレスする場合スイッチのプレスに関する位置情報を図示した図面で、
図5はタッチを解除したスイッチのリリースに関する位置情報を図示した図面である。使用者が、タッチセンサーパッド10上のどこでもスイッチ20をプレスする場合、
図4のようにスイッチのプレスに関する位置は第一位置情報(X,'Y)で把握できる。第一位置情報(X,Y)は、信号転送部40を通じて制御部240に転送される。プレスの後、使用者がタッチセンサーパッド10上で手を離したり、ポインティングデバイスがタッチセンサーパッド10から分離されたりすると、
図5のように第二位置情報(X',Y')が制御部240に転送される。制御部240は、第一位置情報(X,Y)と第二位置情報(X',Y')が既設定された範囲に存在する場合だけ第一位置情報(X,Y)でスイッチ20のクリックが発生した
と判断する。
【0037】
本実施例のようにスイッチ20がクリックされると、この動作が一つの入力で作用してディスプレイ部230に表示される映像を制御できる。通常的にスイッチのクリックは、使用者によってとても短い時間に短い接続面をもってタッチセンサーパッド10をプレス及びリリースする動作で構成される。また、使用者は、タッチセンサーパッド10上でフリック動作やスクロールリングまたはドラッグアンドドロップを行うことができる。この動作たちは、タッチセンサーパッド10のタッチ
状態でタッチセンサーパッド10のリリースまで、スイッチ20のプレスの間、指やポインティングデバイスの移動を随伴する。本実施例による使用者入力部100は、タッチセンサーパッド10の下部にスイッチ20を具備しているので、フリック動作やスクロールリングまたはドラッグアンドドロップが行われる時、スイッチ20がプレスされるクリックが発生することができる。つまり、使用者は、タッチセンサーパッド10上でフリック動作やスクロールリングまたはドラッグアンドドロップを意図したが、スイッチ20のクリックが発生して意図してない入力が発生することがある。制御部240は、この問題点を防止するために使用者の動作の中クリックとフリックなどを区分して、クリックを意図した
と判断された場合だけこれをスイッチ20のクリックに処理する。使用者がスイッチのクリックを意図する場合、スイッチのプレス及びスイッチのリリースが発生した位置は変化がほとんどなかったりとても狭い範囲で変化する事になる。つまり、制御部240は、スイッチのプレスとスイッチのリリースの位置情報の変化量によってクリックによる制御を行う。
【0038】
図6は、本発明の一実施例によるスイッチのクリックの
誤りの制御方法を説明するための制御流れ図である。
【0039】
まず、使用者によってスイッチのプレスが発生すると(S10)、信号制御部50は、スイッチのプレスが発生した第一位置情報(X,Y)を判断して、これを制御部240に転送する。
【0040】
制御部240は、転送されたスイッチ20の押された位置の座標に関する第一座標の位置情報(X,Y)を保存する(S20)。
【0041】
スイッチのプレスの後、スイッチのリリースが発生すると(S30)、信号制御部50は、スイッチのリリースが発生した位置に関する第二座標位置情報(X',Y')を判断して、第二位置情報(X',Y')は、制御部240によって保存される(S40)。
【0042】
制御部240は、まず、第一位置情報(X,Y)と第二位置情報(X',Y’)のX座標の偏差(|X-X'|)が第一臨界値(TI)を超過するか
どうかを判断する(S50)。
【0043】
判断の結果、X座標の偏差(|X-X'|)が第一臨界値(T1)を
超えると、制御部240は、スイッチのクリックが発生しない
と判断して、第一位置情報(X,Y)に対応する第一位置から第二位置情報(X',Y')に対応する第二位置にタッチ移動が発生した
と判断する(S70)。つまり、制御部240は、所定の条件を満足できない場合、単純にポインターの移動が発生した
と把握する。
【0044】
逆に、X座標の偏差(│X-X'│)が第一臨界値(T1)以下の場合、制御部240は、第一位置情報(X,Y)と第二位置情報(X',Y')のY座標の偏差(│Y-Y'│)が第二臨界値(T2)を超過するか可否を判断する(S60)。
【0045】
先行判断と似たように、Y座標の偏差(│Y-Y'│)が第二臨界値(T2)を
超えると、制御部240はスイッチ20がクリックされない
と判断する。
【0046】
判断の結果、Y座標の偏差(│Y-Y'│)が第二臨界値(T2)以下の場合、制御部240は使用者が意図したスイッチのクリックが発生したことに判断して、スイッチのクリックによる制御を行う(S80)。スイッチのクリックによる制御は、本体200の電源を制御したり、チャンネルを選択したり、ボリュームを調節したり、UI画面を制御することなどを含むことができる。
【0047】
他の実施例によると、制御部240は、スイッチのプレスとスイッチのリリースが発生した間の時間をクリック可否を判断する基準として使用できる。例えば、スイッチのプレスとスイッチのリリース間の時間の差が既設定された範囲内に存在する場合、スイッチのクリックで判断できたり、時間条件及び位置差異の条件をすべて満足する場合にスイッチのクリックで判断できる。
【0048】
他の実施例によると、制御部240ではない信号制御部50がスイッチのクリックに対関する誤謬の可否を判断してこれを制御部240に転送できる。この場合、制御部240は第一位置情報(X,Y)及び第二位置情報(X’,Y’)を受信せずにスイッチのクリックが発生したとする情報を受信してスイッチのクリックによる制御を行うことができる。
【0049】
図7は、本発明の他の実施例によるスイッチのクリック誤謬の制御方法を説明するための制御流れ図である。図に示したように、本実施例による制御方法は、
図6の制御方法のように第一位置情報(X,Y)及び第二位置情報(X',Y')を保存するのは同一である(S10-S40)。
【0050】
第一位置情報(X,Y)及び第二位置情報(X',Y')を受信した制御部240は、(X-X')
2+(Y-Y')
2が第三臨界値(T3)以下か可否を判断する(S55)。制御部240は、第一位置情報(X,Y)と第二位置情報(X',Y')間の偏差を判断するため多様な数学的アルゴリズムを使用できて、偏差を求める方法は、
図6と
図7に記載されていることに限らない。
【0051】
判断の結果、(X-X')
2+(Y-Y')
2が第三臨界値(T3)以下なら、制御部240は、スイッチ20がクリックされたことに判断してスイッチのクリックによる制御を行う(S80)。そうでなければ、第一位置情報(X,Y)に対応する第一位置から第二位置情報(X',Y')に対応する第二位置へタッチ移動が発生したことに判断する(S70)。
【0052】
図8は、本発明の他の実施例による使用者入力部に含まれているタッチセンサーパッドである。
【0053】
本実施例によるタッチセンサーパッド10は、図に示したようにその面積が複数の領域(A)で区分されている。タッチセンサーパッド10の上部には、領域(A)の境界(B)が陰刻で陥没されているキー形状パッド60が形成されている。キー形状パッド60は、タッチセンサーパッド10上のタッチを十分感知できる程度に薄い材質で備えられ、タッチセンサーパッド10と接触されている。キー形状パッド60は、領域(A)及び境界(B)が一つのボディーで構成された一体型パッドである。使用者は、キー形状パッド60をタッチすることによって領域(A)の境界をより優しく感じることができ、スイッチのクリックを通じてまるでキーパッドを押すような経験ができる。陰刻で陥没されている境界(B)によって使用者はタッチ移動距離及び移動速度を容易く制御できる。
【0054】
また、キー形状パッド60には、図に示したように数字、アルファベット及び以前チャンネルを選択できる“以前チャンネル”キーを含むキーパッド(II)が表示されている。キーパッド(II)は、まるで携帯用電話機に含まれているキーパッドに類似する構成とされている。使用者が指で“1”の上部でスイッチのクリックをする場合、“1”が表示されているタッチセンサーパッド10の上の位置情報が本体200に転送されることになる。
【0055】
領域(A)と境界(B)を区分するために、キー形状パッド60の境界(B)部分と領域(A)部分を異なる材質で構成することもできる。この場合、境界(B)が陰刻されなくて済むし、使用者は異なる材質が与える感じを通じて領域(A)と境界(B)を区分できる。また、領域(A)の上部に凸レンズのような造形物を配列して領域(A)と境界(B)を区分することもできる。
【0056】
スイッチのクリックが発生すると、現在タッチが発生している領域(A)の位置情報が把握できる。スイッチ20は、単に使用者によるクリックを受信するためのボタンで、スイッチのクリックが発生した瞬間にタッチが発生した領域(A)に関する情報は、外部機器を制御できる多様な方法を提供する。例えば、それぞれの領域(A)にチャンネルを増加させたり減少させたり、ボリュームを上げたり下げるなどの異なる機能が割り当てられることもあるし、領域(A)に割り当てられているスイッチのクリックの個数により様々な他の制御を行うこともできる。
【0057】
他の実施例による場合、スイッチは、
一つではなく、複数備えられる。スイッチは、各領域(A)の下部に備えられることもあるし、特定な個数の領域(A)下部に備えられることもある。タッチセンサーパッド10の大きさが大きいなら、スイッチのクリックをより容易く受信するためスイッチは複数に備えられる。
【0058】
図9は、本発明のさらに他の実施例による使用者入力部に含まれているタッチセンサーパッドである。本実施例による領域(A)の境界(B)は、タッチセンサーパッド10上に視覚的に表示されている。また、領域(A)には数字キー(III)が表示されている。境界(B)と数字キーはシルクプリント方式で表示することができる。または、使用者入力装置は、領域(A)の境界(B)を表示できる光学パネルや光学フィルムを含むことができる。例えば、使用者入力装置は、導光フィルム(light guide film)またはOLED(organic light emitting diode)パネルを含んで必要な場合には境界(B)と数字キー(III)が視覚的に表示されるようにできる。
【0059】
タッチセンサーパッド10には、図に示されている数字キー(III)だけではなくクワーティ(qwerty)配列のキー、ハングルキーなどが表示できる。または、既存の遠隔制御装置に物理的に含まれていた方向のキーまたは機能のキーなどが表示されることもある。
【0060】
図10は、本発明のさらに他の実施例による使用者入力部に含まれているタッチセンサーパッドである。図に示したように、本実施例による使用者入力装置は、離隔されている二つのタッチセンサーパッド70、80を含んで、タッチセンサーパッド70、80にはクワーティ配列のキー(IV)が表示されている。最近、IPテレビの普及によって使用者はインタネット及び各種外部サーバから多様なコンテンツを受信できる。使用者は、コンテンツを制御及び実行するために単純な選択ではなく文字又は記号を入力すべき場合が増加している。特に、SNS(social network service)サイトの活性化及び各種アプリケーションの発達によりテレビで文字を入力しようとする要求は段々増加している。
【0061】
二つのタッチセンサーパッド70、80は、それぞれ左手及び右手で制御できる。使用者のクリックが発生した領域(A)の位置情報が出力されることによってテレビなどの外部機器で文字が入力できる効果を得られる。
【0062】
図11は、本発明のさらに他の実施例によるディスプレイ装置の概略図である。本実施例によるディスプレイ装置1000は、物理的に独立的な装置ではないディスプレイ部230が含まれている一つの装置内に備えられている使用者入力部101を含む。図に示されているように、ディスプレイ装置1000は、ノートパソコン、電子ブック、ネッブックのようなモバイル端末機を含むことができる。又、他の実施例によると、ディスプレイ装置は、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、タブレットPC、HHP(Hand Held Products)に具現できることもある。本発明による使用者入力部101は、
図1のようなリモートコントロールに限らずにタッチパッドを含むすべての使用者入力装置に具現できる。使用者入力部101のスイッチのクリック誤謬を制御する方法は、前記の実施例と実質的に同一である。
【0063】
本発明のいくつかの実施例が図に示されて説明されたが、本発明が属する技術分野の通常の知識を持つ当業者なら本発明の原則や精神から脱せずにいながら本実施例を変形できることをわかるはずである。発明の範囲は添付された請求項と均等物によって決められる。
【符号の説明】
【0064】
10:タッチセンサーパッド
20:スイッチ
30:ボタン
40:キー形状パッド
100:使用者入力部
200:本体
210:通信部
220:UI生成部
230:ディスプレイ部
240:制御部