(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反射器(R1,R’1)は、前記第1の発光器(1)の画像(I1,I2)が前記制御曲線(A,A’)を満たし、完全に輝点の側に位置するように決定されることを特徴とする請求項1に記載の照明モジュール。
前記第2の発光器(2)が上方に照射し、かつ前記第1の発光器(1)が下方に照射する、あるいは前記第2の発光器(2)が下方に照射し、かつ前記第1の発光器(1)が上方に照射することを特徴とする請求項7または8に記載のモジュール。
前記第1の反射器(R1)によって生成される前記カットオフビームが、前記第2の反射器(R2)によって生成されるビームの光軸(Y2)とは異なる光軸(Y1)を有するように、前記第2発光器(2)は、前記第1の発光器(1)に対して横方向に配置されることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のモジュール。
輝点(S)は、制御曲線(A)の前方にあり、前記制御曲線(A)は前記レンズのからわかるように凸あるいは平坦な形状であることを特徴とする請求項1、2、7〜10のいずれか1項に記載のモジュール。
前記第1の反射器(R1)は、第1の反射器の反射面上のいかなる点(p,pb)においても、制御曲線(A)上にあり、前記点(p,pb)で反射する光線(r,rb)は反射後に、前記発光器(1)の光軸を通過する垂直平面(Q1)に関して前記点(p,pb)の反対側に位置する前記発光器(1)の第1の角部(1a,1b)に到達することを特徴とする請求項1、2、7〜12のいずれか1項に記載のモジュール。
前記第2の反射器(R2)は、光の逆の経路の方に進み、所定の方向と平行な光線(r3,r4)が、レンズを通り、偏向(L,Lb)された後、前面(4s)で交差した後、ブレードの背面(4e)及び前記第2の反射器(R2)上での反射は、そのコーナーにおけるポイントで前記第2の発光器(2)に達するように決定されることを特徴とする請求項7、12および14のいずれかに記載のモジュール。
第1の発光器の平面における輝点(S’)は、前記レンズから凹または平面の形状である制御曲線(A’)の後に位置することを特徴とする請求項1または2あるいは請求項7乃至10のいずれか1項のいずれかに記載のモジュール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある2つの機能のモジュールでは、フォルダーは、下向きビームの高いカット用と、相補的なビームの低いカット用とに同時に使用でき、下向きビームと連携して、ビーム経路を実現している。エッジの像は、不明瞭な境界線を形成する前に、ビーム経路を生成する2つの発光器によるビームに入る。この暗い領域を避けるために、フォルダーやレンズの焦点をぼかしたり、レンズに模様を加えたりして、共通のカットを不明瞭にしている。2つのビームの融合は、不明瞭な領域により、2つの間をより暗くする。これらの変更により、カットが不明瞭になり、ビーム経路の強度の最大値が減少する傾向がある。先に言及した2つの特許文献のデバイスにより形成されたビームには、これらの欠点がある。
【0006】
本発明の目的は、概念がよりシンプルなプロジェクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、自動車のプロジェクタ用のライティングモジュールであり、特に制御に応じたカットを有する第1ビームを提供することに適している。ライティングモジュールは、
光の面の第1発光器、
発光器の前に配置されたレンズ、
第1反射器
を備え、
光の面の第1発光器は、第1ビームを提供し、この発光器は、例えば少なくとも第1エレクトロルミネッセンスダイオードまたはLEDの発光器により形成されている。
第1反射器は、第1発光器を含む面に、第1発光器により発せられた光線が偏向することによる光の点を形成するように定められ、制御曲線は、第1発光器が位置する面に含まれ、第1発光器の前に位置している。
レンズは、制御曲線に対して直交する平面によって形成される前記レンズのカットが、基準レンズの切断面と同一であり、基準レンズの切断面は、直交線面の光線によって与えられる方向に沿って無限に広がる直交平面との交線と、制御曲線との間にある。制御曲線と直交面との交点との間の無収差の基準レンズと同一であるようになっている。本発明のレンズの材料と基準レンズは同じ屈折率を有する。第1反射器とレンズは、第1反射器により偏向した光線がレンズにより屈折した後、カットを有する第1ビームを形成するように配置される。
【0008】
光は、レンズに向かって発光し、光の伝播の方向は前方である。
【0009】
このようなモジュールは、水平または垂直なマスクの補助なしで、カットを有するビームを形成することが可能である。従って、モジュールは、部品を少なくなることになる。
【0010】
このようなモジュールの別の利点は、2機能のモジュールを作るように、別の反射器と連携できることであり、カットを有するビームを生成することができる。ビームは、例えば、下向き、またはカットを有する水平ビームである。カットを有する第2ビームは、第1ビームに重ね合わされ、ビーム経路を実現する。マスクがないことにより、特に水平方向に、重ね合わされるビーム間に暗い領域を生じさせない、より簡単な2機能ライティングモジュールが実現される。また、道路用の機能から下向きビーム用の機能に移行するのに不可欠な機構が、不必要となる。
【0011】
好適な実施例では、第1の反射器は、この発光器の面にある第1発光器による像が、制御曲線に適合するようになっている。カットの明瞭性を向上させることができ、第1ビームを最大強度とすることができる。
【0012】
好適には、カットを有するビームは、上方カットを有する。照射ゾーンは、このカットの下部に位置し、例えば、下向きビーム、またはフォグビーム用である。
【0013】
本発明はまた、自動車のプロジェクタ用のライティングユニットを提供することも目的とし、ライティングユニットは、
第1ビームを与える光の面、
発光器の前に配置されたレンズ、
発光器による光線を偏向させる反射器、
を備え、
反射器の反射面は、光を戻す方向に従う。光線は、与えられた方向と平行であり、レンズを通過して偏向し、反射器により反射した後、発光器の所与の点と交わる。
レンズは、レンズは、制御曲線に対して直交する平面によって形成される前記レンズのカットが、基準レンズの切断面と同一であり、基準レンズの切断面は、直交線面の光線によって与えられる方向に沿って無限に広がる直交平面との交線と、制御曲線との間にある。制御曲線と直交面との交点との間の無収差の基準レンズと同一であるように与えられる。本発明のレンズの材料と基準レンズは同じ屈折率を有する。制御曲線は、発光器の前方に位置している。反射器とレンズは、第1反射器により偏向した光線がレンズにより屈折した後、前記光ビームを形成するように配置されている。
【0014】
このようなライティングユニットは、光ビームの別の実施例に対応する。
【0015】
ライティングユニットの別の実施例では、発光器の所与の点は、発光器の前端または後端の点である。従って、この実施例の態様により得られるビームは、水平または垂直のマスクの補助なしで、カットを有するビームを生成されることが可能となる。
【0016】
このライティングユニットが、本発明によるライティングモジュールと協働する場合、発光器の所与の点は、発光器の前端または後端であり、制御曲線は、第1反射器と第1発光器により生成された光の点による前端または後端を構成している。
【0017】
ライティングユニットの発光器の面に対して、傾斜した方向が与えられる。
【0018】
ライティングユニットの別の実施例では、反射器が定められ、モジュールが、厚さを有しないブレードを含むとした場合、前面は、後ろ面と一体であり、制御曲線(A)の直交面による、シリンダの一部から成る。
好ましくは、端までの距離は、中心距離の3倍以上であり、より好ましくは、端までの距離は、中心距離の10倍以上である。
【0019】
本発明の第1の目的は、本発明によるライティングモジュールは、前述の特徴に加えて、1つ以上の下記の相補的な特徴を有し、これらの相補的な特徴のあらゆる組み合わせは、互いに排他的ではなく、本発明の好適な実施例を構成している。
ライティングモジュールは、本発明によるライティングユニットを備え、ライティングユニットの発光器は、本発明によるライティングモジュールの第2発光器に対応している。第1反射器とレンズは、カットを有する第1ビーム形成するように配置されている。第2反射器とレンズは、光の第2ビームを形成するように配置されている。レンズは、第1の反射器と第2の反射器と、光学的に協働する。これにより、光の2ビームを実現するのに、コンパクトな単一のモジュールが実現される。従って、例えば、第1の機能として第1ビームだけで照射し、第2の機能として第2ビームを重ね合わせるように、2機能を有することが可能となる。
第1反射器と第2反射器の反射面は、反対方向にあり、このようなモジュールは、よりコンパクトになっている。好ましくは、第1発光器は、第1反射器に向けて発光し、第2発光器は、第2反射器に向けて発する。好ましくは、ライティングモジュールは、第1発光器と第2発光器用の共通の支持台を含み、それぞれの発光器は、この支持台の両側に位置している。
第2反射器の反射面は、ビーム経路を生成するように、第1ビームにカットを与えるように配置されている。
【0020】
第2ビームは、下方カットを呈し、第1ビームにカットを与えられるようになっている。第2ビームの下方カットは、カットを有する第1ビームに隣接しているか、または平行である。好ましくは、この場合は、第1ビームのカットのわずかに下方部分である。上述のように、カバーを減少させ、隣接して配置することにより、マスクの補助なしで、暗い領域を有することなく、カットを有するビームを実現できる。
第2反射器は、上に発光する場合は、第2発光器の上方に位置し、下に発光する場合は、第2発光器の下方に位置する。
第2発光器は、上に発光し、第1発光器は、下に発光する。言い換えれば、第2発光器は、下に発光し、第1発光器は、上に発光する。これにより、モジュールの幅において、コンパクトになる。
それぞれの発光器は、この支持台の両側に位置している。支持台の厚さを減少させることが可能となる。さらに、このような実施例の態様は、光の流れの観点からも効果的である。
【0021】
第1反射器によるカットを有するビームは、第2反射器により生成されるビームの光軸とは異なる光軸を有する。
ライティングモジュールのレンズは、ライティングユニットのレンズと同じである。
光軸は、例えば
図4に示されている。
第1の反射器(R1)の反射面のあらゆる所与の点に対して、この光路が一定であることを、第1の反射器R1の計算の考慮に入れるべきであり、すなわち:
d1+d2=K
ここで、d1は、光の中心を通過する縦面に対して所与の点と反対側に位置する発光器の角部と、当該所与の点との間の距離であり、d2は、当該所与の点と、当該所与の点を通過し制御曲線を向く光に沿った制御曲線との距離であり、Kは、定数である。
【0022】
第1発光器は、上方に発光し、第1の反射器とともに、カットを有する第1ビームを生成する。その照明ゾーンは、カットラインより下に位置する。モジュールは、透明な物質のブレードを備え、第1発光器が含まれる面よりも高いプレーンな面を有している。前面は、円柱の一部であり、制御曲線の面であり、光線の反射部分が、ブレードの高い面に入射する。この変形例により、例えばLEDなどの発光用素が、角部を有しない場合、またはLEDの発光要素の角部において寄生光線が発光される場合に、寄生光線を吸収することができる。
ブレードの後ろの面は、このブレードの前の面に平行であるか、またはこのブレードの前の面の表面の移動による面に対応している。これにより、ブレードの下部における寄生光線を導くことができる。
また、ブレードの材料の屈折率は、√2より大きい。これにより、全体の反射におけるブレードの寄生光線の導きが向上する。
ブレードの前の高い端部は、制御面と一体になり、垂直なカット面のレンズの焦点を通過する。
ブレードの入射面は、凸型であり、反射面と平行であり、ブレードの厚さは、一定である。
第2の反射器は、光線を反対方向にするように定められる。光線は、レンズを通過し、レンズにより偏向され、ブレードの前面と後ろ面を通過し、第2反射器により反射された後は、第2発光器の中心点と交わる。前面と後ろ面は、垂直に無限とされている。
この場合、第2ビームにおけるカットは、第2反射器の形によっては得ることができず、ブレードの上部の面により得られる。ブレードの上部の面は、第2発光器により発せられた光線を下に返す。従って、水平のマスク、すなわちフォルダーの役割をする。
【0023】
第1発光器の面の光のスポットは、制御曲線の後ろであり、制御曲線は、凹型であるか、または直線状である。
第1反射器は、反射面の第1部分と第2部分を備えている。第1反射器は、第1発光器が上方に発光するときには上部に位置し、第1発光器が下方に発光するときには、下部に位置している。
【0024】
本発明は、少なくとも、本発明によるライティングモジュール、および/またはユニットを含んだ、自動車のプロジェクタも目的としている。プロジェクタは、例えば、透明なガラスにより閉じられたケースを含んでいる。このライティングモジュール、および/またはユニットは、ケースとガラスにより閉じられた空間の内部に位置している。
【0025】
このプロジェクタにおいて、本発明によるライティングユニットの手段により、長い経路のビームが実現され、また、本発明によるライティングモジュールの手段により、カットを有するビームが実現できる。
【0026】
このライティングユニットと、モジュールは、区別されるそれぞれのレンズを有している。本発明によると、これらのレンズは、関連性を有し、近接して配置される。従って、一様ではない様相が得られる。
【0027】
変形例によると、本発明によるライティングユニットは、自動車のプロジェクタに配置され、光ビームを与えるのに適するように、
発光器は、水平方向全体にビーム光線を発光するように配置され、
反射器は、ビーム光線を集めるように配置され、
前記直交面は、水平面と直交し、好ましくは、例えば大きくなる方向にレンズが広がる長手方向を含んでいる。従って、幅の制限されたところにも、取り付けることができる。光ビームは、好ましいビーム経路を形成している。
【0028】
長手方向は、自動車の前部において、後ろに向かう方向であり、言い換えれば、本発明によるライティングモジュールまたはユニットの発光ビームの略全体方向である。垂直方向は、長手方向と直角であり、水平な道路にあるときに、自動車のユニットまたはモジュールが垂直に機能するのに対応している。横方向は、長手方向、および垂直方向と直角を成している。
【0029】
別の実施例では、本発明によるライティングユニットは、光のビームを提供するのに適するように、
発光器は、ほぼ垂直方向全体に沿ってビーム光線を発するように配置され、
反射器は、このビーム光線全体を集めるように配置され、
前記直交面は、水平面と直交している。例えば、大きくなる方向にレンズが水平方向に広がり、従って、高さが制限されたところにも、ライティングユニットを取り付けることができるように、自動車のプロジェクタに配置される。
【0030】
本発明によれば、ライティングユニットを含んだ単一のライティングモジュールを得ることができる。この場合、ライティングモジュールとライティングユニットは、同じレンズを分割することができる。従って、コンパクトさが達成される。
【0031】
本発明は、このようなプロジェクタを含んだ自動車にも関する。
【0032】
本発明は、上述のように定義され、図に付した番号とともに実施例として記載されるが、これらによって限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、2機能モジュールを有する、本発明の照明モジュールの概要を示す、全体の4分の3の外観図である。
【
図2】
図2は、垂直及び局面に沿って切断及び分離されたレンズ構成の概略を示す断面図である。
【
図3】
図3は、垂直部分が多少異なるレンズを有する
図1に類似の照明モジュールを、垂直に切断した断面図である。
【
図4】
図4は、送信機のコードに対する反射器の計算を示す概略平面図である。
【
図5】
図5は、関連付けられている反射によって送信機のコードを符号化した画像を示す概略平面図である。
【
図6】
図6は、第2の送信機の光路に対して、関連付けられている反射の計算を示す概略平面図である。
【
図7】
図7は、送信機の水平面内で反射コードによって生成される光スポットの図である。
【
図8】
図8は、垂直面の光路軸に直交する曲線照度光コードの図である。
【
図9】
図9は、第2の送信機の光路に対して生成される等照線を示す図である。
【
図10】
図10は、送信機からの迷光を防止するためのブレード備えるモジュールであって、そのモジュールの4分の3部分の後部及び上部の斜視図である。
【
図12】
図12は、
図1に類似のモジュールであって、本発明の球面収差が補正された制御曲線を有するモジュールの斜視図である。
【
図13】
図13は、送信機からの迷光を防止するためのブレードを備えた直線曲線を制御するためのモジュールの斜視図である。
【
図14】
図14は、横方向に光のコードに比べ平行に移動した第2の送信機からの光を有するモジュールの上面図である。
【
図15】
図15は、
図14の第2の反射機と共に第2の送信機によって生成される等照線を示す図である。
【
図18】
図18は、正面と側面の凹レンズを有するモジュールの正面及び側面を示す概略斜視である。
【
図19】
図19は、送信機が道路上方を照射する際、道路下方を照射する送信機が有する、
図18に示す2機能モジュールの概略図である。
【
図20】
図20は、前方に向かって制御指向性のある凹カーブを有する
図19のモジュールの概略水平断面図である。
【
図21】
図21は、
図19に記載の示すように凹カーブ制御を実施する反射器の計算を結果を示す概略図である。
【
図23】
図23は、予想された本発明に係る特定の実施形態を示す図である。
【
図26】
図26は、上下方向に延びるレンズを有する本発明の照明ユニットであって、照明ユニットの正面と側面の概略斜視図である。
【0034】
図1〜3には、車輌の投光器用の二機能照明モジュールMが示され、このモジュールは、ビームカットを与える第1の電気発光ダイオード又はLEDからなる発光器1により形成される第1の水平発光器を有している。例えば、フォグビームは、水平かつプレーンなハイカットビームである。LEDの平面1Π(
図2)、すなわち、LEDの発光器を有する平面は、モジュールが車輌内に設置される際には、略水平となっている。例えば、この平面1Πは、車輌に組み立てられた後は、水平に対して0.57度(1%)に傾斜していてもよい。その後、水平面上の面をとることが可能である。
【0035】
第1の反射器R1は、発光器1に対応する。
図1〜3の例では、第1のLEDの発光器1が上向きに発光し、第1の反射器R1が第1のLEDの上方に配置されている。後述する変形例を示す
図18〜19では、第1のLEDの発光器1が下向きに発光し、第1の反射器R1が第1のLEDの下方に配置されている。
【0036】
この第1の反射器R1が与えられることにより、第1の発光器1の水平面上に照射スポットS(
図2)が与えられ、この照射スポットは、任意に選択可能な制御曲線Aよって画成される。曲線Aは、
図1〜3のように反射器R1が第1の発光器1の上方にある場合は、スポットSの後端縁を構成する。
図19のように反射器R1が第1の発光器1の下方にある変形例の場合は、スポットSの前端縁を構成する。
【0037】
曲線Aそれ自体は実体化されるものではないが、これは発光器1の平面
図1Π内に存在し、この発光器の正面に位置する。ここで、「前」及び「後」の後は、反射器R1からの光の伝搬の方向に関するものとし、前へとはすなわちレンズの方へということである。
【0038】
図4に示すように、下向きビーム用ヘッドライトの反射器R1の計算は、光rが制御曲線Aに向き第1の反射器R1の点pで反射し発光器1の前側の角部1aに到着するレンズLから入射する光の経路を逆向きにたどることによって実現される。この前側の角部1aは、光軸が通過する縦面Q1に対して、レンズLの入射面の光が入射する点とは反対の位置する側にある。ここで、「光線rが制御曲線Aに向」くとは、光が曲線Aにぶつかり、対象となる光と曲線とAの交点で曲線Aに対して垂直な平面内にあることと理解されよう。光軸は、例えば
図4に図示され、この軸は発光器の平面内に含まれ発光器の中心を通り、かつ、発光器の前側端に略垂直である。光r’を角部1aの方へ反射する第1の反射器R1の別の点p’に対しても、同じ条件を利用できる。
【0039】
第1の反射器(R1)の反射面のあらゆる所与の点(p,pb)に対して、この光路が一定であることを、第1の反射器R1の計算の考慮に入れるべきであり、すなわち:
d1+d2=K
ここで、d1は、光の中心を通過する縦面(Q1)に対して所与の点(p,pb)と反対側に位置する発光器の角部(1b、1a)と、当該所与の点(p,pb)との間の距離であり、d2は、当該所与の点(p,pb)と、当該所与の点(p,pb)を通過し制御曲線Aを向く光(R,Rb)に沿った制御曲線Aとの距離であり、Kは、定数である。
【0040】
図4に示されるように、曲線のうち平面Q1の左側に位置する部分では、光は、点Pb等の第1のR1反射器の各点で反射され、平面Q1に対して反対側に位置する角部1bに到着する。
【0041】
レンズL(
図1〜3)は、複数の第1の反射器R1の結合であり、任意の点acにおける制御曲線Aに対して垂直な平面Vcで切断した断面Lc(
図2)が、平面Vcと曲線Aの平面Π1との交点ΔCによって与えられる方向に従い、平面Vcとの交点acと無限遠点との間の補正収差の基準レンズにおけるそれと同一であるように与えられる。
【0042】
基準のレンズは、当業者により容易に計算されることができるが、
次の選択を行うことでも、基準のレンズを作ることができ:
本発明のレンズLと同じ屈折率を有する材料、
任意の引き(tirage) D、
任意の入射面、例えば平面、
任意の中心部厚さ
である。
【0043】
引きDは、レンズLの垂直カットの焦点ACとこのレンズの入射面との間の距離と一致し、これは一定であり、入力面Leの平面Π1を通る部分は、距離Dで曲線Aに平行な曲線Bより成る。この引きDと、入力面の部分Leと、この部分の中心の厚さとにつき、基準レンズのこれらと同一になるようにする。
【0044】
ここに説明する例では、曲線は、LED1の水平投影面に位置している。平面
図Vcは、したがって、点acにおいて、曲線Aの接線に対して垂直の関係にある。これらの交叉部Δcは、水平面内にあり、これは点acにおいて曲線Aの接線に対して直角である。第1の反射器R1によって反射され点acを通過する照射光r1は、レンズに入射後、Δcと平行な光e1となる。光r1は、発光器1の前端より到達する。発光器1の他の照射光が、その後方に位置し光r1を提供する点より到達し、反射光線r2が、光r1の上方に位置し、スポットSではラインAの前方で平面Π1と交叉するようになる。この光r2は、レンズLを通過した後、下流方向への透過光e2となり、これはΔC方向に対して傾斜し水平面Π1内を進む。
【0045】
レンズLは、曲線A前方に凸状の形状を有しているため、ビームを広げることが可能であり、レンズLの外形は、凸状の出射面Lsを有する略円環体である。
【0046】
第1の発光器1、第1の反射器R1及びレンズLの全体により与えられたビームは、水平なカットを有するビームであり、このカットラインは、厚さを有しない曲線Aによって画定される。e2等の光が水平面Π1よりも下方に傾斜しているため、このビームは、カットのラインの下に位置している。
【0047】
図5に例示されるように、第1の反射器R1の各点におけるLED1のデータの画像、例えばI1,I2は、曲線Aの前方に位置している。
方形の画像の上面のうちの1つは、曲線Aと接触している。
【0048】
このように構成される装置は、カット面でビームを生成し、そのビームの水平の広がり(特に幅)は、最初に選択された制御面の曲線Aにより制御される。この構成に従えば、光は、カットラインより上にあってもよく、この場合は、第1の発光器1は上方に向けて光を発し制御曲線Aは光のスポットの前端を構成し、または、第1の発光器1は下方に向けて光を発し制御曲線Aは光のスポットの後端を構成する。あるいは、光は、カットラインより下にあってもよく、この場合は、第1の発光器1は上方に向けて光を発し制御曲線Aは光のスポットの後端を構成し、または、発光器1は下方に向けて光を発し制御曲線Aは光のスポットの前端を構成する。
【0049】
そして、第2の水平発光器2が第1の発光器1の発光の方向とは反対向きの発光の方向を有し、その発光方向は、この第1の発光器1に対して縦方向にシフトすると考えることができる。また、この第2の発光器2は、光源の物理的な構成、すなわち第1の発光器1よりもレンズLから近いか遠いかを容易に構成するため、上方において第1の発光器1に対してシフトする。
【0050】
第2の発光器2の平面は、第2のLEDである発光要素によって形成され、第2のビームの構成に貢献し、この第2のビームは、第1の発光器1のビームと共にビーム経路を与える。
【0051】
第1のLEDが上向きに発光する
図1〜3の場合、第2のLEDは、
図3に例示されるように下向きに発光する。LED1,2は、同じ支持体3の2つの対向する平行面の外側に配置され、第2のLED2はLED1の後方に位置している。
【0052】
第2の反射器R2は、LED2の下に配置され、第1の反射器R1のカットと共に加えられるビームを提供してビーム経路を生成する。第2の反射器R2、発光器2及びレンズLは、本発明に従った照明ユニットの他の態様を成す。
【0053】
任意の水平方向が、選択される。
【0054】
全ての照射光が選択された方向(
図6)と平行であり上記で計算したレンズLの出射面Lsに到達すると考えることもでき、また、反射器R2は、例えば第2の発光器2の下方又は上方に配置され、当該光等の発光方向は、システム条件に従い、レンズLによる屈折及び第2の反射器R2による反射の後その前端又は後端で第2の発光器2に交叉すると考えることもできる。また、第1の発光器1の場合と同じ側にある端部を用いてもよく、この例ではすなわち、モジュールから遠い方に光が伝搬する方向の前端部である。
【0055】
この第2の反射器R2は、
図6に示され、光の経路に関しては、照射光r3,r4は、発光器1,2の平行平面に平行面内で任意に選択される方向と平行であり、レンズLによる屈折及び点m3,m4において第2の反射器R2による反射の後、前端部の点2a、2b(好ましくは第2の発光器2の角部に位置する)で第2の発光器2と交叉するようにされる。
通常通りに光路を反対向きにたどると、最後に反射器R2の点m3で反射された光は、光軸を通過する面Q1に対して点m3と反対側に位置する第2の発光器2の角部2aに到着する。r3に対してこの面Q1の反対側にある光r4については、m4で反射される光は、第2の発光器2の前端のもう一つの端部に位置する角部2bから到達する。
【0056】
光r3及びr4に垂直な面Π2は、レンズLから出射する平行ビームの波面であり、反射器R2から到来する。
第2の反射器R2の計算は、面Π2と第2の発光器2の光が到来する点2a,2bとの間でr3,r4等の光の経路が一定であるという前提で行われる。
【0057】
このように構成される装置は、集光ビームを発生し、この集光ビームの光は、第1の発光器1で発生するビームの水平カットとは(縦方向)反対側に配置されるようになる。
【0058】
補正収差レンズの引きDの合計に等しい距離及び厚さの中心で、最初に選択した制御曲線Aに対する平行面は、反射点も二重点も有しない。この平行線は、発光器1の平面Π1によって与えられるレンズの出口の面のカットと一致する。
【0059】
本願発明の変形例では:
−第1の発光器1の平面内の光のスポットが制御曲線Aの後方に位置する場合は、これはカット面を得るレンズの方向に凸とするべきではなく、
−第1の発光器1の平面内の光のスポットが制御曲線Aの前方に位置する場合は、これはカット面を得るレンズの方向に凹とするべきではない。
【0060】
上述した性質により、制御曲線、引き、中心の厚さの大きさ及び補正収差レンズの材料の屈折率、並びに、光路に関する任意の寸法、例えば光源への反射器の底部からの距離等により、反射器R1,R2及びレンズLの面の方程式を立てることができるようになる。演算は、制御曲線A上の点と第1の発光器1の端上の適切な点との間で光路が不変であるとの前提に基づいてなされ、これは第2の発光器2では、端上の適切な点と選択した方向への光出口の面との間で不変ということである。
【0061】
図7は、第1の発光器1の水平面内に生成される照射スポットSを例示する。この照射スポットSは、第1の発光器1の平面で、レンズLを外し水平スクリーンを設置することで観測されるはずである。スポットSの後方縁部が曲線Aによって形成され、前方縁BがレンズLeの入射面とスポットSの水平面との交点に一致する。
【0062】
図8は、第1のLED(第1の発光器1)、反射器R1及びレンズLにより得られる水平カットを有する第1のビームの等照度曲線を示す。ビームF1の等照度ラインの全体は、すなわち照射された領域のことを指し、水平カットの下に位置し、水平線Hのカットの下方にある。
【0063】
図9は、第2のLED2、反射器R2及びレンズLにより得られるビームF2の等照度曲線を示し、このLEDと反射器とレンズのユニットは、上記の照明ユニットに対応するものである。ビームF2の等照度曲線は、カットのラインHの上方に位置する。
【0064】
2つの項目に関しての改良を考慮することができる。これらの2つの改良においては、第2の反射器R2、発光器2及びレンズLが、本発明に従い照明のユニットの変形例を構成する。
【0065】
改良例1
【0066】
第2の発光器2に関連する第2の反射器R2の構成を適切に選択することにより、光r3及びr4が発する向きは、ビームが第1の発光器1により生成する場合は非水平で特に上向きに傾斜して、カットのラインの上方に位置し、あるいはこのビームがカットのラインの下部に配置される場合は下方に向けてに傾斜する。この改良により、傾斜角が小さな場合は2つの発光器1,2により発生するビームを好適に確実に混合することができるようになる。
【0067】
改良例2
【0068】
図10及び11は、
図1〜3と同じタイプのモジュールを示し、第1の発光器1が上方に向けて発光し、水平カットのラインの下に位置するビームを発生する場合(
図1〜4)に対応する。
【0069】
LEDは、その発光器1の端部付近でわずかに明るい領域を与えることができる。このタイプのLEDを第1の発光器1を構成するために使用する場合は、機能(特にビームからの水平伝播)を満足している場合、カットの上方に現れる寄生分が多かれ少なかれ、ビームの品質を大きく低減してしまう(これらの寄生分は高輝度成分に対応する)。
【0070】
LEDを適切なタイプのモデルに交換することができない場合は、透過性の材料で形成され第1の発光器1の平面に含まれる上面4aを有する透過片4(
図11)をシステムに加えてもよく、この透過片の一方の前面は、発光器の縦円筒の一部分からなり、その断面で制御曲線Aに重なる。そして後面は、前面よりも発光器1に近く、前面または平行面が移動してきてもよい
【0071】
透過片4の上端前部は、制御曲線Aと重なるため、縦カット平面内のレンズLの焦点を通過する。透過片4の入射面4eは前方向に凸であり、出射面4sは面4eと平行であり、透過片の厚さは一定である。
【0072】
寄生成分がない場合、第1の発光器1によって発せられる全ての光も、反射器R1によって反射する全ての光も、この透過片4には到達しない。
【0073】
他方、符号5で指示され点線で示されるような光の寄生分が、透過片の上面4aに到達し、同時にその一部が反射及び屈折を経る。光5が反射器R1により反射された光5rは、透過片4の上面4aの前端よりも後方、即ち、レンズの平面内焦点より後方に入射する。面4aによって反射された成分5r2は、レンズLに達し、「折り畳み」現象により、ビームの光5sに従ってカットの下方に戻される。透過片4の材料の屈折率が2の1/2乗より高い場合は、屈折した成分は透過片4の底部にガイドされ、そこで吸収される。
【0074】
このように、この装置によれば、寄生成分がカット上方に確実に到達しないようにできる。ガイダンスによって消失するエネルギーの一部分は、無視できるほどである。例えば、実施例の一つではレンズを通過したビームが600lm〜 380lmに対して、LED1個では0.58lmである。
【0075】
この変形例では、第2の発光器2に関連した第2の反射器R2に反射される光のほとんどは、透過性のブレード4に到達する。そして、第2の反射器R2の計算において、この透過片4により生じた偏差(又は光路の変更と等しい)を考慮することが好ましい。この計算では、導波路の上面を無視し、その前面を無限の縦面範囲として仮定し、更に、第2の発光器2の中央に位置し光が必ず交叉する一点の光源だけを考慮する。
【0076】
光路を逆にたどると、照射光r3及びr4は、レンズLを交差し偏差を受けた後、発光器1,2の平行面と平行な面内に選択される任意の方向に平行となり、透過片の前面の後の面と交差した後、第2の反射器R2に反射され、その中心点で第2の発光器2と交叉するように、第2の反射器R2が与えられる。ここで、前面を無限の垂直面と仮定し、透過片4の所与の厚さを考慮する。
【0077】
導波路4の上面4aは、全反射により折り畳みの装置のように作用し、集中ビームに部分的に低いカットを生成する。導波路4の厚みを厚くすれば、光が、この部分的な低いカットの下方の光から導波路の上方を少なくとも通過するようになるが、少なくとも第2の反射器R2も延長するが、何故なら、導波路4の後面によって物理的に制限されるからである。
【0078】
変形例
【0079】
透過性の透過片を使用しない2つの反射器R1,R2の変形例を提案することができ、上記改良例2で行った計算において、導波路の4つの厚さをゼロとして計算し、第2の反射器R2を構成することができる。第2の反射器R2及び第2の発光器2は、カットのの無い強力なビームを与え、これは、道路上を走る場合の機能のために用いることができ、それは第1の発光器1によって生成されるカットを有するビームにより大きな範囲をカバーする。この変形例はカット下方の光を発生することに関しているが、画像のビームアライメントより強度の大きなビームを得ることが可能になるという利点もある。更に、第2の発光器2を後方に移動することにより、第2の反射器R2によって与えられるカット下方の光の量を少なくすることも可能である。
【0080】
この変形例は、上記の改良1と互換性を有する。第2の反射器R2、発光器2及びレンズLは、本発明によって照明ユニットの変形例を構成する。
【0081】
図12は、
図1と同様の方法で、本発明に従ったモジュールM1を示し、制御曲線Aは水平方向に球面収差が補正され、レンズL1が縦に平面な入射面L1eを有している。第2の反射器R2、発光器2及びレンズL1が、本発明に従った照明ユニットの変形例を構成する。
【0082】
図13は、
図12と同様の方法で、モジュールM2を示し、このモジュールは、制御曲線は直線より成り、更に透過片4.1を備え、平行の縦平面には何も無く、平面発光器1の端部から発せられる光による寄生を防止するようになっている。第2の反射器R2、発光器2及びレンズL1が、本発明に従った照明ユニットの変形例を構成する。
【0083】
図14を参照すれば、横に移動するビームを備えたモジュールM3が示されている。R1反射器によって生成されるカットによるビームには、光軸Y1が現れ、これは、ビーム経路において反射器R2によって生成されるビームの光軸Y2と異なる軸である。カットを有するビームの軸Y1に対する軸Y2のビーム経路の側方シフトの角度αを、14°としてもよい。モジュールM3の全体は、光軸Y2が車輌の軸と平行であるように、これと同じ値で方向は反対となる。第2の発光器2の横方向のシフトは、ビームのシフトと反対の方向に行われる。例えば、モジュールの回転の前に、車輌の横方向に-10mmシフトし、ビーム路の出力を最適化することができる。第2の反射器R2、発光器2及びレンズLは、本発明に従った照明ユニットの変形例を構成する。
【0084】
図15は、
図14の第2の発光器2で得たられたビームF’2の等照度曲線を表す図であり、そこにはビームの一部のみが示されており、その他はカットの水平ラインにある。
【0085】
図16は、
図14の第1の発光器1で得られるビームF’1の等照度曲線を図示し、このビームは、
図15のビームに対して横断する方向にシフトする。
【0086】
図17は、ロービーム用に幅の広いビームF’1と路面の補完用ビームF’2との融合により生成するビームの等照度曲線を図示する。
【0087】
2つの基本のビームの融合により得られるビームを改良するため、「ルート」を補完するビームF’2は、カットのラインより1%高い位置でその最大値を持つ必要がある。
【0088】
図18及び
図19を参照し、本発明に従ったモジュールM4が示され、このモジュールは、カットを有するビームのためのLED1が下方に向けて光を発し、これらに対応する第1の反射器R’1は、LED1の下方に配置される。道路用のビームのためのLED2は上方に向けて光を発し、これらに対応する第2の反射器R’2は、LED2の上方に配置される。第2の反射器R’2、発光器2及びレンズLが、本発明に従った照明のユニットの変形例を構成する。
【0089】
制御曲線A’は、レンズL’の方向に凹形である(
図20)。レンズL’の出射面Sは、
図18に示されていると同様に凹形である。
【0090】
光スポットS’(
図20)が、制御曲線A´の後方に位置しこの曲線の前方境界のようにこの曲線に接するよう、反射器R'1が与えられる。第1の発光器1の後端より到来する光6は、反射器R’1により反射されて光6aとなり、曲線A´に向くようになり、
図3と関連して説明した事項と同様に、カットの縦面で補正収差レンズの焦点と一致する。
【0091】
これらの条件の下、レンズL´を透過して発光器1の後端の前方に位置する点より到来する光は、水平面に対して下方に傾斜している。第1の発光器1及び第1の反射器R’1により生成されるビームは、そのカットをカットラインの下に有するビームである。
【0092】
第2の発光器2の後端が発する光は、第2の反射器R’2により反射した後、曲線A’の方を向くか、この曲線の後方の位置に進入する。第2の発光器2の他の点が発する光は、レンズL’を透過した後、水平に対して上方に向いて進行する。
【0093】
図18に示すように、レンズL’が凹で、下方に向けて光を発するロービームである場合は、第1の反射器R’1は、
図21に示す通りであり、ここでは、光の経路の逆をたどると、対象となる照射光r’4,r’'6は、平面矩形発光器1の後角部1c、1dに向かって収束し、縦面Q’1の同じ側で光軸が通過し、反射器R’1との交叉する点はm’4,m’6で与えられ、その場合、m’4,m’6がQ’1と平行な2つの面Q2とQ3の間に拡がる空間から離れ、発光器1の後角部を通過する。
【0094】
光r’5の交点m’5につき、光の経路の逆をたどると、反射器R’1は、
図22の平面Q2とQ3との間に位置し、m’5を有している面Q1に平行な平面内に位置する発光器の後部端の点1eに到達する。
【0095】
反射器の点を決定するため、曲線Aの光路の不変を記述する方程式を(フェルマーの定理に従い)解くが、これは、発光器に対応する点光源につき以下の3つの点を仮定し:
−セグメントの二つの終端が発光器の後方にあり、
−同じセグメントの突出部が反射器に必要な点として右側にある。
【0096】
この3つの解うちの一つだけが、上述の条件を与える(光r’4とr’5とを比較)。
【0097】
カットラインの上方にカットを有するビームによる他の変形例も可能である。
【0098】
第1の発光器1がカットラインの上方に位置するカットを有するビームを与える
図1〜3の場合、上記の例の代わりに、制御曲線Aの後方に光のスポットを与えるよう、第1のR1反射器を決定する。
【0099】
カットラインの上方にカットを有するビームを得る
図18及び19の場合、光のスポットが凹状の制御曲線A’の前方に配置されるよう、第1の反射器R’1が決定される。
【0100】
どの解であっても、第1の発光器1の照明だけに命令を行うことによりカットを有するビームを得ることができ、また、2つの発光器1及び2の照明に命令を行うことにより路面タイプのビームを得る事ができる。次いで、2つのビームの融合を、良好な条件の下で、これらの間に暗い帯域が存在しないように遂行するが、これは、折り畳み機器の材料端が存在しないからである。この融合は、折りたたみ機器の機械動作の命令を行う必要なく遂行できる。
【0101】
本発明により、楕円レンズではなく円環状レンズを有するモジュールを用いることが可能となる。従って、レンズ面の接点が連続する構成で、円環状レンズに類似するモジュールを組み立てることも可能である。
【0102】
このモジュールは、クリアカットで広いビームを生成し、レンズの収差を常に部分的に、補償する複合体からなる折り畳み機器を備えない。
【0103】
太陽光が反射器やLEDの面に集光してこれらの要素の劣化を促進する危険は無い。実際、レンズは着色されておらず、即ち、対象物のサイズが0に近づく場合も含めて、実在平面又は仮想平面内において、その焦点にある対象物のイメージを形成しない。従来の折り畳み装置の手法に比べて、路面用のビームもロービームも良好な出力を得ることができる。実現することが困難な部分が存在しないのである。
【0104】
本発明に従い、本発明の照明のユニットを有する本発明の照明の第1のモジュールを用いることができ、前記のモジュール及び前記のユニットは、二つ共に、全体として異なる光学系であり、異なるレンズを有している。この使用は、車輌の同じ投光器として実現することができ、照明のユニット及び照明のモジュールが投光器のケース内に設置できる。このケースは閉じられていることが好ましく、透明ガラスの閉鎖ケースであることが好ましい。
【0105】
例えば、
図23〜25は、照明の第1のモジュールMa及び照明ユニットMbの側方並列を図示し、これらモジュールのそれぞれは、レンズLa及びLbを有している。
【0106】
照明の第1のモジュールMaは、本発明に従った照明のモジュールであってもよい。
図23〜25に図示される例では、
図1に示される等のモジュールにおよそ対応しているが、反射器R2も発光器2も有していない。モジュールMaは、第1の反射器R1を有し、LED1が発した光をレンズLaの方へ変移させ、全体の方向がX1である第1のビームを生成する。
【0107】
第1の反射器R1及びレンズLaは、本発明に関して上述したように、所与の形態を有し、上記の本発明に従った照明のモジュールの第1の反射器及びレンズと同様に配置される。本発明による照明のユニットの有無にかかわらず、本発明に従った他の照明のモジュールも用いることができ、例えば、
図4に図示した等の等のモジュールを、第2の反射器R2及び第2の発光器2の有無にかかわらず、用いることが可能である。
【0108】
照明ユニットMbは、本発明に従った照明ユニットであってもよい。
図23〜25に図示される例では、
図1に示される等のモジュールにおよそ対応しているが、反射器R1も発光器1も有していない。照明ユニットMbは、第2の反射器R2を有し、LED2が発した光をレンズLbの方へ変移させ、全体の方向がX2である第2のビームを生成する。
【0109】
第2の反射器R2及びレンズLbは,本発明に関して上述したように、所与の構成を有し、上記の本発明に従った照明のモジュールの第2の反射器及びレンズと同様に配置される。本発明に従った他の照明ユニットも用いることが可能である。
【0110】
代替例として、本発明の照明モジュールは、例えば、
図18にM4で示される第2の反射器及び第2の発光器の無いモジュールとしてもよい。そして、この照明ユニットは、
図18に図示される、R’2,2,L’等のユニットであってもよく、第1の反射器及び第1の発光器が無くてもよい。
【0111】
図23〜25では、照明モジュールMa及び照明ユニットMbが、横方向に調心しているが、上下の関係で調心していてもよい。レンズLa及びLbは、図示のように、小さな間隙で隣り合わせの配置としてもよい。この配置で両者が接するようにしてもよく、レンズは閉形式であり同一であってもよく、均一性の高い態様で横の隣に連続にこれらを配置し、単一のレンズという一つの形態を与えてもよい。
【0112】
図23〜25に示された例では、非限定的な例示として、第1の発光器1及び第2の発光器2は、別々の支持体3’及び3”に組み立てられる。カットを有する第1のビームと第2のビームとが、上述のようなビームであり、上述のように融合されてもよい。第2の反射器R2に対する第1のR1反射器の取付や、第1の発光器1及び第2の発光器2の間のシフトは、上述の通りであってもよい。
【0113】
本発明は、ここに従った照明モジュールを用いた車輌の投光器をカバーするが、本発明に従った照明ユニットを用いなくてもよく、例えば、上述し
図23〜25で非限定的に例示した照明モジュールMa等のモジュールであってもよい。このモジュールは、例えばカットを有する第1のビームを実現するために用いることができる。また、例えば既知の第2のモジュールを用いて、補完的に、あるいは第1の照明モジュールの代替として、追加のビーム経路を形成してもよい。
【0114】
同様に、本発明は、ここに従った照明ユニットを用いた車輌の投光器をカバーするが、第1の反射器を用いなくてもよく、例えば、上述し
図23〜25で非限定的に例示した照明モジュールMb等のモジュールであってもよい。このモジュールは、例えば路面用のビームを実現するために用いることができる。また、例えば既知の照明モジュールを用いて、照明ユニットの照射の補完的に、あるいは照明モジュールの代替として、カットを有するビームを発生してもよい。
【0115】
本発明はまた、
図26〜
図29に図示される等の照明ユニットM5をカバーする。この照明ユニットは、本発明に従った照明ユニットである。例えば、このユニットは、上述し
図23〜25で非限定的に例示した照明モジュールMbと同様である。しかしながら、この照明ユニットM5は、
図23〜25の照明ユニットMbの組立体と比較し、投光器内に用いられ、長手軸に対して90度の角度をとる。
【0116】
したがって、照明ユニットM5は、車輌の投光器の中に配置され、次に挙げるようなビーム光を提供するために適している:
−発光器2が、横方向の全体に照射光ビームを発するよう配置される場合;
−反射器R’2が、ビーム光全体を集めるよう配置される場合;
−前記の垂直面Vcが縦面に対して垂直であり、好ましくは長手方向を有している場合。
【0117】
図26では、正規化した各軸の方向を模式的に示し、縦方向を“V”、横方向“T”、長手方向を“L”で示している。
【0118】
したがって、例えば上述したような補正収差のレンズL”の一部に係る平面は、常に縦面に対して垂直であることがわかる。言い換えれば、レンズL”は、大きくなる方向に従って垂直に延在する。円環状レンズの場合、主曲面も縦向きである。
【0119】
変形例に従えば、相補的ビーム路の形成に関して前述したと同様に、カットを有するビームを生成するように、この照明ユニットM5を実現する。この構成により、投光器内に設置されれば、垂直カットを有するビーム生成されるが、その理由は、他の態様として記載したユニットと比較して、照明ユニットが90度回転するためである。
【0120】
他の変形例としては、レンズを縦に配置しつつ、前述のとおりカットなしのビームを生成するようこの照明ユニットM5を実現する。驚くべきは、
図29に示した通り、レンズがビーム経路を生成するができる一方、レンズL’’は縦に延在する。反射器R’’2は、LED2を通過する水平面の一部に延在する。
反射器R’’2は、車輌に対して横向きの凹面を形成し、たとえば反射器R’’2は、半殻で形成され、ほぼ完全に縦面側に位置し、長手方向にLED2を通過する。
【0121】
この照明ユニットM5の利点は、横断方向にコンパクトに投光器内に設置できる点にある。また、縦面内に曲面が延び、車輌に対して強く反射して、路面を適切に照らす。それも、スタイルにより配向を変えることを可能にする。