特許第6062637号(P6062637)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062637
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】モータ制御装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/14 20060101AFI20170106BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20170106BHJP
   B23K 101/42 20060101ALN20170106BHJP
【FI】
   H05K7/14 F
   B23K1/00 330E
   B23K101:42
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-17135(P2012-17135)
(22)【出願日】2012年1月30日
(65)【公開番号】特開2013-157474(P2013-157474A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2014年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101352
【氏名又は名称】アスモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100111109
【弁理士】
【氏名又は名称】城田 百合子
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 善幸
【審査官】 中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−244379(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3023337(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/14
H05K 3/34
H05K 5/00−5/06
B23K 1/00
B23K 101/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータへ電力を供給するための複数の回路素子を搭載した回路基板を、有底筐体状の収納ケースの開口を覆うように収めたモータ制御装置の製造方法であって、
前記収納ケースには、一体的に構成された外部端子と、前記回路基板を固定するための固定部とが備えられるとともに、前記回路基板が前記固定部に取付けられた状態において、前記回路基板配設方向へ向けて延出するように形成された位置決め部が形成されており、
前記回路素子を仮係止する前記位置決め部は、前記回路基板が前記固定部に取付けられた状態において、前記回路素子の端子が前記回路基板の接続孔に挿通可能な位置に形成されるものであり、
前記位置決め部に前記回路素子を仮係止する第一工程と、
前記収納ケースの底面が下方に配置される状態に配置するとともに、前記回路基板を前記収納ケースの上方に配置した状態で、前記回路基板を前記固定部に固定する第二工程と、
前記収納ケースと、前記回路基板との上下を反転させる第三工程と、を実行し、
前記第三工程においては、反転により、前記回路基板が前記位置決め部よりも下方に配置される状態となるものであり、
重力の作用により前記回路素子の自重によって、仮係止が解除され、
前記回路基板の前記接続孔が形成された位置に、前記回路素子が配設されることを特徴とするモータ制御装置の製造方法。
【請求項2】
前記位置決め部には、前記回路基板が前記固定部に取付けられた状態において、前記回路基板方向へ向けて、前記回路基板と略直交する方向に延びるガイド部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置の製造方法
【請求項3】
前記回路基板が前記固定部に取付けられた状態において、前記回路基板と前記位置決め部が形成されている前記収納ケース内壁面との間方向における、前記ガイド部の長さは、
前記第三工程において、前記回路素子の端子が前記回路基板の前記接続孔に挿通されるとともに前記仮係止が解除されると、前記ガイド部と前記回路素子との接触が外れる長さに設定されることを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置の製造方法
【請求項4】
前記回路基板が前記固定部に取付けられた状態において、前記回路基板と前記位置決め部が形成されている前記収納ケース内壁面との間方向における、前記ガイド部の長さは、同方向における前記回路素子の長さに応じて決定されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のモータ制御装置の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ制御装置の製造方法に係り、特に、製造工程を低減し、簡易かつコスト的に有利なモータ制御装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般車両においては、例えば、パワーウインドウ装置等のようなモータを使用した車両搭載機器が使用されているが、この車両搭載装置のモータを制御するためのモータ制御装置が併せて搭載される。
このモータ制御装置には、給電コネクタ、コンデンサ、リレー等が電気的に接続された回路基板等が搭載されており、これらの部品は、収納ケースに収められている。
このようなモータ制御装置を製造するためには、これらの電気部品を組み付ける必要がある。
つまり、これら複数の電気部品を、ハンダによって、電気的及び機械的に実装する必要がある。
【0003】
このような状況下、複数の電気部品を組み付けてモータ制御装置を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、電子回路部品収容ケースが開示されている。
特許文献1に記載の技術においては、コネクタが一体的に構成されているケースにプリント基板を取付ける際には、プリント基板に、リレーやコンデンサ等の回路素子をハンダ等で電気的に接続する方法をとっている。
【0005】
つまり、従来の技術を図示すると、図4になる。
このように、回路基板100に、電界コンデンサ401やリレー402等のフロー部品400をフロー工程によりハンダ付けし、その後更に、外部給電コネクタ210及びモータ端子220を再度フロー工程によりハンダ付けするという方法がとられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−55593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、特許文献1に記載の技術によれば、回路基板に複数の電気部品をハンダによって、電気的及び機械的に実装し、ケースに収容することができる。
しかし、特許文献1のような従来の技術によれば、少なくとも二回のハンダ付け工程が必要となる。
このハンダ付け工程は、組み付け管理が煩雑な工程が多く、コスト的にも効率的にも不利であった。
【0008】
本発明の目的は、上記各問題点を解決することにあり、ハンダ付け工程の実行回数を低減し、製造において、コスト的にも効率的にも有利なモータ制御装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、本発明に係るモータ制御装置の製造方法によれば、モータへ電力を供給するための複数の回路素子を搭載した回路基板を、有底筐体状の収納ケースの開口を覆うように収めたモータ制御装置の製造方法であって、前記収納ケースには、一体的に構成された外部端子と、前記回路基板を固定するための固定部とが備えられるとともに、前記回路基板が前記固定部に取付けられた状態において、前記回路基板配設方向へ向けて延出するように形成された位置決め部が形成されており、前記回路素子を仮係止する前記位置決め部は、前記回路基板が前記固定部に取付けられた状態において、前記回路素子の端子が前記回路基板の接続孔に挿通可能な位置に形成されるものであり、前記位置決め部に前記回路素子を仮係止する第一工程と、前記収納ケースの底面が下方に配置される状態に配置するとともに、前記回路基板を前記収納ケースの上方に配置した状態で、前記回路基板を前記固定部に固定する第二工程と、前記収納ケースと、前記回路基板との上下を反転させる第三工程と、を実行し、前記第三工程においては、反転により、前記回路基板が前記位置決め部よりも下方に配置される状態となるものであり、重力の作用により前記回路素子の自重によって、仮係止が解除され、前記回路基板の前記接続孔が形成された位置に、前記回路素子が配設されることにより解決される。
【0010】
このように構成されていることにより、回路素子を収納ケースに仮留めし、この収納ケースに回路基板を固定すると、回路基板に対して回路素子の位置決めを行うことができる。
このように、回路基板に対する回路素子の位置決めが可能であるため、回路基板を収納ケースに装着する前に予め回路素子のハンダ付けを行う必要がなく、回路基板を収納ケースに固定した後、外部端子のハンダ付けと同時に、回路基板に対する回路素子のハンダ付けを行うことができる。
よって、ハンダ付け工程の実行回数を低減することができる。
【0011】
また、本発明に係るモータ制御装置によれば、前記位置決め部は、前記回路素子を仮係止するものであり、前記仮係止は、前記回路基板が前記固定部に取付けられた状態において、前記回路基板が前記位置決め部よりも下方に配置された際、重力の作用により前記回路素子の自重によって、前記仮係止が解除され、前記回路基板の前記接続孔が形成された位置に、前記回路素子が配設される
【0012】
このように構成されていることにより、回路基板を収納ケースに固定した後、回路基板と収納ケースの天地を逆転させることによって、回路素子がその自重により回路基板の所定位置に移動する。
このとき、回路素子は、その端子が回路基板の接続孔に挿通可能な位置に配設されているため、回路基板上の配設されるべき位置に確実に配設されることとなる。
よって、特別な装置や特別な工程を要さず、簡易な構成で確実に回路素子を回路基板上の所定位置へと配設することができる。
【0013】
また、このとき、前記位置決め部には、前記回路基板が前記固定部に取付けられた状態において、前記回路基板方向へ向けて、前記回路基板と略直交する方向に延びるガイド部が備えられていると好適である。
このように構成されていることにより、回路基板を収納ケースに固定した後、回路基板と収納ケースの天地を逆転させた場合に、回路素子を回路基板上の所定位置に確実に案内することができる。
つまり、回路基板と収納ケースの天地を逆転させた場合に、回路素子が途中で傾いて止まり、接続不良や組み付け不良となることを有効に回避することができる。
【0014】
このとき、具体的適用においては、前記回路基板が前記固定部に取付けられた状態において、前記回路基板と前記位置決め部が形成されている前記収納ケース内壁面との間方向における、前記ガイド部の長さは、前記第三工程において、前記回路素子の端子が前記回路基板の前記接続孔に挿通されるとともに前記仮係止が解除されると、前記ガイド部と前記回路素子との接触が外れる長さに設定されると好適である。
このように構成されていると、回路素子を回路基板上の所定位置に確実に案内することができる。
【0015】
また更に、具体的適用においては、前記回路基板が前記固定部に取付けられた状態において、前記回路基板と前記位置決め部が形成されている前記収納ケース内壁面との間方向における、前記ガイド部の長さは、同方向における前記回路素子の長さに応じて決定されると好適である。
このように構成されていると、各回路素子のサイズ(回路素子の回路基板と位置決め部が形成されている収納ケース内壁面との間方向の長さ)に応じてガイド部の同方向長さを変更することができる。
よって、サイズの異なる回路素子を確実に組み付けることができる。



【発明の効果】
【0016】
本発明に係るモータ制御装置によれば、回路素子を収納ケースに仮留めし、この収納ケースに回路基板を固定すると、回路基板に対して回路素子の位置決めを行うことができる。
よって、回路基板を収納ケースに固定した後、回路基板と位置決め部の天地を反転させて、回路基板が位置決め部よりも下方に配置されるように位置させると、回路素子は回路基板上の所定位置に配設される。
よって、回路基板を収容ケースに固定した後、外部端子のハンダ付けと同時に、回路基板に対する回路素子のハンダ付けを行うことができる。
よって、ハンダ付け工程の実行回数を低減することができる。
このように、本発明においては、簡易な構成で、ハンダ付け工程の実行回数を低減することができる。
このため、モータ制御装置の製造において、コスト的にも効率的にも有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るモータ制御装置の説明図である。
図2】本発明の一実施形態に係るモータ制御装置製造工程を示す工程図である。
図3】本発明の一実施形態に係るモータ制御装置の製造工程の主要部を示す説明図である。
図4】従来例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、ハンダ付け工程の実行回数を低減し、製造において、コスト的にも効率的にも有利なモータ制御装置の製造方法に関するものである。




【0019】
図1乃至図3は、本発明の一実施形態を示すものであり、図1はモータ制御装置の説明図、図2はモータ制御装置製造工程を示す工程図、図3はモータ制御装置の製造工程の主要部を示す説明図である。
【0020】
図1により、本実施形態に係るモータ制御装置Sについて説明する。
モータ制御装置Sには、回路基板1、収納ケース2、リフロー部品3、フロー部品4を備えて構成されている。
本実施形態に係る回路基板1は、銅パターン等で構成された配線パターン、コネクタ等の部品端子が挿入される孔等が形成された電気回路基板である。
コネクタ等の部品端子が挿入される孔は配線パターンと電気的に接続されており、部品端子が挿入されると部品と配線パターンが電気的に接続される。
【0021】
本実施形態に係る収納ケース2は、樹脂製有底筐体であり、外部給電コネクタ21が一体的にインサート成形されている。
外部給電コネクタ21は、収納ケース2の側壁部分に、インサート成形されており、給電コネクタ端子21aは、収納ケース2内部に自由端部を開口側(回路基板1が覆設される側)へ向けて突出している。
【0022】
また、側壁には、モータ端子22が貫通するモータ端子貫通孔23が形成されている。
このモータ端子22は、収納ケース2内部に自由端部を開口側(回路基板1が覆設される側)へ向けて、モータ端子貫通孔23を貫通して突出している。
【0023】
また、収納ケース2には、底面内壁面から開口側(回路基板1が覆設される側)に向けて略垂直に立設する、固定部としての取付け台座25が一体形成されている。
この取付け台座25に回路基板1の端部が支持固定される。
よって、底面内壁面から開口側(回路基板1が覆設される側)への距離は、底面内壁面から回路基板1の取付け位置までの距離と等しくなるように構成されている。
回路基板1はその端部を取付け台座25に支持された状態で、ネジ留め若しくは熱かしめを行うことにより、取付け台座25に取付けられる。
【0024】
収納ケース2の底面内壁面には、フロー部品位置決め部24が形成されている。
本実施形態に係るフロー部品位置決め部24は、後述するフロー部品4を仮留めするものであり、底部24aとガイド部24bとを有して構成されている。
底部24aは、収納ケース2の底面内壁面(つまり、回路基板1に対向する側の面)の所定位置に形成されている。
【0025】
所定位置とは、回路基板1を収納ケース2に取付けた際、回路基板1上のフロー部品4配設位置と整合する位置(つまり、回路基板1から収納ケース2底面内壁面への方向を上下方向とし、収納ケース2内壁面を上部とすると、回路基板1上のフロー部品4配設位置の直上となる位置)である。
付言すると、所定位置とは、この位置にフロー部品4を配設すると、フロー部品4端子の自由端部側(端子の一部)が、回路基板1に形成された所定の接続孔11(11a、11b)に挿入可能となる位置となる。
【0026】
ガイド部24bは、底部24aから、収納ケース2開口側(回路基板1が覆設される側)へ向けて延出する壁体である。
本実施形態においては、このガイド部24bは、底部24aより略垂直に延出しており、この高さ(回路基板1から収納ケース2底面内壁面への方向を上下方向とすると、上下方向の距離)は、回路基板1を収納ケース2に取付けた際、回路基板1と収納ケース2底面内壁面との距離よりも小さくなるように構成されている。
【0027】
また、このガイド部24bの上下方向の高さは、フロー部品4のサイズに応じて変更される。
つまり、フロー部品4の上下方向距離によって、ガイド部24bの上下方向距離を変更して、サイズの異なるフロー部品4を確実に組み付けることができる。
このガイド部24bにより、上下反転した際に、フロー部品4は回路基板1上の所定位置に確実に案内されることとなる。
【0028】
なお、フロー部品4の仮留め方法としては、例えば、回路基板1配設方向に向け、底部24aに延出形成された突起片等によって、フロー部品4が把持されるように構成されていてもよいし、ガイド部24bによってフロー部品が把持されるように構成されていてもよい。
【0029】
また、底部24bに、フロー部品4の形状と整合する凹部を形成しておき、この凹部に係合保持されるように構成されていてもよい。
いずれにしても、フロー部品4の自重で把持又は係合保持が解除される(つまり、上下反転した際に、フロー部品4の自重により把持又は係合保持が外れて、フロー部品4が回路基板1方向に落下する)構成及び保持力であればよい。
【0030】
本実施形態に係るリフロー部品3は、回路基板1にリフロー接合される電子部品である。
このリフロー部品3は、予め回路基板1上にパターン印刷されたペースト状のクリームハンダ上実装された後、このクリームハンダを熱溶融させることによりハンダ付け接合されている。
【0031】
本実施形態に係るフロー部品4は、回路基板1にフロー接合される回路素子であり、本実施形態においては、電界コンデンサ41、リレー42が実装される。
このフロー部品4は、回路基板1に実装された後、液体状ハンダが内在するハンダ槽上を流すことによりハンダ付け接合される。
【0032】
次いで、図2及び図3により、モータ制御装置製造工程について説明する。
図2に示すように、まず、収納ケース2側においては、工程1−1において、フロー部品位置決め部24に、フロー部品4である電界コンデンサ41及びリレー42が仮留めされる。
このとき、回路基板1側では、工程1−2において、リフロー部品3が回路基板1へリフロー接合により固定される。
【0033】
次いで、工程2において、回路基板1を収納ケース2に固定する。
このとき、回路基板1側が上方向になるとともに、収納ケース2底面側が下方向となる状態で作業が行われる。
図3(a)に示すように、回路基板1を取付け台座25に取付ける。
このとき、電界コンデンサ41及びリレー24の端子の自由端部側(端子の一部)は、回路基板1に形成された所定の接続孔11(11a、11b)に挿入させておく。
そして、この状態で、ネジ留め若しくは熱かしめを行うことにより、取付け台座25に回路基板1を固定する。
【0034】
次いで、図2の工程3において、上下反転させる。
つまり、回路基板1側が下方向になるとともに、収納ケース2底面側が上方向となるように、天地を反転させる。
このように、天地を反転させると、図3(b)に示す状態となる。
【0035】
上述したように、本構成においては、フロー部品4の自重により、フロー部品4の把持又は係合保持が解除されるよう構成されているため、自重によりフロー部品位置決め部24からの把持又は係合保持が解除されたフロー部品4は、重力により、回路基板1側へ落下する。
このとき、ガイド部24bの存在により、フロー部品4は、確実に回路基板1の所定位置に落下し、端子の先端部が回路基板1に形成された所定の配設孔に挿入されていたフロー部品4の端子は、この配設孔に沿って完全に挿入される。
【0036】
そして、フロー部品4が回路基板1に配設された後、図2の工程4に示すように、フローハンダ工程が実施され、フロー部品4が所定位置に配設されたモータ制御装置Sは、ハンダ槽へと送られて、ハンダ接合される。
【0037】
以上のように、本実施形態に係るモータ制御装置Sは、1回のフローハンダ工程で製造可能である。
つまり、本実施形態においては、フロー部品位置決め部24に、フロー部品4である電界コンデンサ41及びリレー42が仮留めされる。
【0038】
そして、このフロー部品位置決め部24は、フロー部品4の自重により、フロー部品4の把持又は係合保持が解除されるよう構成されているため、回路基板1位置と収納ケース2底面位置を天地反転させれば、自重によりフロー部品4の把持又は係合保持が外れる。
そして、フロー部品位置決め部24からの把持又は係合保持が解除されたフロー部品4は、重力により、回路基板1側へ落下する。
よって、天地反転するのみで、簡易にフロー部品4を回路基板1上に配設することができる。
【0039】
また、本実施形態においては、フロー部品位置決め部24にガイド部24bを設けた。
このガイド部24bは、フロー部品位置決め部24から回路基板1方向に向けて(回路基板1上のフロー部品4配設位置)に延出しているため、フロー部品4は回路基板1上の所定位置に確実に案内されることとなる。
よって、フローハンダ工程実行回数を低減させ、効率的にモータ制御装置Sを製造することが可能となる。
【符号の説明】
【0040】
1・・回路基板、11(11a,11b)・・接続孔、
2・・収納ケース、21・・外部給電コネクタ、21a・・給電コネクタ端子(外部端子)、
22・・モータ端子、23・・モータ端子貫通孔、24・・フロー部品位置決め部、
24a・・底部、24b・・ガイド部、25・・取付け台座(固定部)、
3・・リフロー部品、
4・・フロー部品(回路素子)、41・・電界コンデンサ、42・・リレー、
S・・モータ制御装置
図1
図2
図3
図4