特許第6062657号(P6062657)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062657
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】試験装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/62 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
   G01N3/62
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-108962(P2012-108962)
(22)【出願日】2012年5月10日
(65)【公開番号】特開2013-234965(P2013-234965A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年3月24日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100103218
【弁理士】
【氏名又は名称】牧村 浩次
(72)【発明者】
【氏名】中條 崇
【審査官】 渡邊 吉喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−121065(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0307223(US,A1)
【文献】 特開2006−145467(JP,A)
【文献】 特開2010−060496(JP,A)
【文献】 特開平01−209340(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/141855(WO,A1)
【文献】 特開2006−118964(JP,A)
【文献】 特開2015−035144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N3/00−3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験を行うための試験装置本体と、
前記試験装置本体に対して、試験条件などの設定、実施、試験データーの収集などを行うための制御装置と、
前記制御装置で収集された試験データーを保存するための内部メモリーとを備え、
前記制御装置と内部メモリーとが試験制御装置に備えられ、
前記試験装置本体と前記試験制御装置とが接続された試験装置であって、
前記内部メモリーに蓄積された試験データーが、前記試験制御装置の制御装置によって、常時外部メモリーにデーター転送され、記憶されるように構成されていることを特徴とする試験装置。
【請求項2】
前記外部メモリーが、試験装置に接続可能な外部メモリーであることを特徴とする請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記外部メモリーが、試験装置にLANケーブルを介して接続可能な外部メモリーであることを特徴とする請求項2に記載の試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、金属材料、樹脂材料、複合材料などの材料について、また、自動車部品などの機械部品について、また、これらの完成品について行われる、疲労試験、耐久試験、特性試験などの各種の試験のための試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、試験装置として、例えば、金属材料、樹脂材料、複合材料などの材料について、また、自動車部品(駆動系や足回りの金属部品やゴム部品、ショックアブソーバなど)などの機械部品について、これらの自動車完成品などの完成品について、さらに、土木関係(橋桁、橋梁や建物用の免震ゴムなど)の構造物について、材料試験、振動試験、疲労試験、特性試験などを行うための材料試験装置、振動試験装置、疲労試験装置など各種の試験装置がある。
【0003】
以下、本明細書において、「試験装置」とは、これらの各種の試験を行うための試験装置を包含した意味で用いられる。
【0004】
ところで、従来のこのような試験装置としては、特許文献1(国際公開WO2007/141855)に開示されているような試験装置が提案されている。
【0005】
すなわち、図6に示したように、この試験装置100では、試験を行うための試験装置本体102と、試験装置本体102に対して、試験条件などの設定、実施、試験データーの収集などを行うための制御装置104とを備えている。そして、試験データーの保存は、例えば、USBなどの外部メモリー106を、試験中において、常時、試験装置100に取り付けるようになっている。また、試験中は随時、この試験装置100に取り付けた外部メモリー106に、試験データーを保存(記憶)するように構成されている。
【0006】
そして、試験が終了して、外部メモリー106に試験データーを保存した後には、外部メモリー106を試験装置100から取り外して、別途用意した外部解析用パソコン(PC)108に外部メモリー106を取り付けて、外部解析用パソコン108にて、試験の解析を行うように構成されている。
【0007】
また、従来の試験装置としては、特許文献2(特開2006−118964号公報)に開示されているような試験装置も提案されている。
【0008】
すなわち、図7に示したように、この試験装置200では、試験を行うための試験装置本体202と、試験装置本体202に対して、試験条件などの設定、実施、試験データーの収集などを行うための制御装置204と、試験装置200に設けられ、試験データーを保存する内部メモリー206とを備えている。
【0009】
そして、試験中は、内部メモリー206に試験データーを保存し、試験が終了した後、試験装置200に、例えば、USBなどの外部メモリー208を取り付けて、内部メモリー206に保存された試験データーを、外部メモリー208にコピーするようになっている。
【0010】
また、試験データーを、外部メモリー208にコピーした後には、外部メモリー208を試験装置200から取り外して、別途用意した外部解析用パソコン(PC)210に外部メモリー208を取り付けて、外部解析用パソコン210にて、試験の解析を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開WO2007/141855
【特許文献2】特開2006−118964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、このような特許文献1に開示されているような従来の試験装置100では、図6に示したように、試験中は随時、試験装置100に取り付けた外部メモリー106に、試験データーを保存するように構成されている。
【0013】
従って、試験中に外部メモリー106を試験装置100から不用意に取り外してしまうと、外部メモリー106に試験データーを保存することができなくなって、試験データーの測定ができなくなり、試験が正常に行えず、試験が中断してしまうことにもなる。
【0014】
一方、特許文献2に開示されているような従来の試験装置200では、図7に示したように、内部メモリー206に保存された試験データーを、外部メモリー208にコピーする(データバックアップ)を怠った場合には、試験装置200(制御装置204)の故障により、内部メモリー206に蓄積されている保存された試験データーが消失する場合がある。
【0015】
従って、これを避けるため、試験データーを定期的に試験装置200の外部に(外部メモリー208に)バックアップする必要があり、試験装置200の操作手順が複雑化することにもなっていた。すなわち、外部解析用パソコン210で試験データーを解析する場合、その都度、内部メモリー206に保存された試験データーを、外部メモリー208にコピーするデータコピー処理を行う必要があり、煩雑な作業が必要であった。
【0016】
本発明は、このような現状に鑑み、制御装置が故障した際にも試験データーのデーター消失を防止することが可能で、外部メモリーの取り外しによる試験の中断を防止することができ、しかも、外部解析用パソコンで試験データーを解析する場合にも操作が簡単で迅速に行え、さらには、外部メモリーの動作速度不足などによる試験への影響も少ない試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の試験装置は、
試験を行うための試験装置本体と、
前記試験装置本体に対して、試験条件などの設定、実施、試験データーの収集などを行うための制御装置と、
前記制御装置で収集された試験データーを保存するための内部メモリーとを備え、
前記制御装置と内部メモリーとが試験制御装置に備えられ、
前記試験装置本体と前記試験制御装置とが接続された試験装置であって、
前記内部メモリーに蓄積された試験データーが、前記試験制御装置の制御装置によって、常時外部メモリーにデーター転送され、記憶されるように構成されていることを特徴とする。
【0030】
このように構成することによって、制御装置で収集された試験装置本体の試験データーは、試験中に内部メモリーに保存される。そして、内部メモリーに蓄積された試験データーが、常時外部メモリーにデーター転送され、記憶される
【0031】
従って、制御装置が故障した際にも、制御装置が故障する前に内部メモリーに蓄積された試験データーは、外部メモリーにデーター転送済みであり、試験データーのデーター消失を防止することが可能である。
【0032】
また、制御装置で収集された試験装置本体の試験データーは、試験中に内部メモリーに保存されるので、外部メモリーの取り外しによる試験の中断を防止することができる。
【0033】
さらに、内部メモリーに蓄積された試験データーが、常時外部メモリーに自動的にデーター転送され、記憶されるので、従来のように、試験データーを定期的に試験装置の外部の外部メモリーにバックアップする必要がなく、外部解析用パソコンで試験データーを解析する場合にも操作が簡単で迅速に行える。
【0034】
また、制御装置で収集された試験装置本体の試験データーは、試験中に内部メモリーに保存され、しかも、内部メモリーに蓄積された試験データーが、常時外部メモリーに自動的にデーター転送され、記憶されるので、外部メモリーの動作速度不足などによる試験への影響も少ない。
【0035】
また、本発明の試験装置は、前記外部メモリーが、試験装置に接続可能な外部メモリーであることを特徴とする。
【0036】
このように外部メモリーが、例えば、USBメモリーなどの試験装置に接続可能な外部メモリーであるので、外部解析用パソコンで試験データーを解析する場合にも、試験装置から外部メモリーを取り外して、外部解析用パソコンで試験データーを解析でき、操作が簡単で迅速に行える。
【0037】
また、本発明の試験装置は、前記外部メモリーが、試験装置にLANケーブルを介して接続可能な外部メモリーであることを特徴とする。
【0038】
このように外部メモリーが、試験装置にLANケーブルを介して接続可能な外部メモリーであれば、LANケーブルを接続するだけで、内部メモリーに蓄積された試験データーが、外部メモリーに自動的にデーター転送されるので、接続操作が簡単であり、試験データーのデーター消失を防止することが可能で、外部メモリーの動作速度不足などによる試験への影響も少ない。
【0039】
また、本発明の試験装置は、
前記制御装置と内部メモリーとが試験制御装置に備えられ、
前記試験装置本体と前記試験制御装置とが接続されていることを特徴とする。
【0040】
このように制御装置と内部メモリーとが、制御用のパソコンなどの試験制御装置に備えられ、試験装置本体と試験制御装置とが接続されるようにしてもよい。
【0041】
この場合には、試験装置本体の種類を変更し、これを試験制御装置と接続することによって、様々な試験を実施でき便利である。
【0042】
また、本発明の試験装置は、前記試験装置本体と、制御装置と、内部メモリーとが、一体で試験装置に備えられていることを特徴とする。
【0043】
このように構成することによって、試験装置本体と、制御装置と、内部メモリーとが、一体となった試験装置であるので、配線などを行う必要がなく便利である。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、制御装置で収集された試験装置本体の試験データーは、試験中に内部メモリーに保存される。そして、内部メモリーに蓄積された試験データーが、常時外部メモリーにデーター転送され、記憶される。
【0045】
従って、制御装置が故障した際にも、制御装置が故障する前に内部メモリーに蓄積された試験データーは、外部メモリーにデーター転送され、記憶済みであり、試験データーのデーター消失を防止することが可能である。
【0046】
また、制御装置で収集された試験装置本体の試験データーは、試験中に内部メモリーに保存されるので、外部メモリーの取り外しによる試験の中断を防止することができる。
【0047】
さらに、内部メモリーに蓄積された試験データーが、定期的にまたは常時、外部メモリーに自動的にデーター転送され、記憶されるので、従来のように、試験データーを定期的に試験装置の外部の外部メモリーにバックアップする必要がなく、外部解析用パソコンで試験データーを解析する場合にも操作が簡単で迅速に行える。
【0048】
また、制御装置で収集された試験装置本体の試験データーは、試験中に内部メモリーに保存され、しかも、内部メモリーに蓄積された試験データーが、常時、外部メモリーに自動的にデーター転送され、記憶されるので、外部メモリーの動作速度不足などによる試験への影響も少ない。

【図面の簡単な説明】
【0049】
図1図1は、本発明の試験装置を、試験の一例として、疲労試験を行う疲労試験装置に適用した実施例を示す概略図である。
図2図2は、図1の試験装置本体の使用状態を説明する正面図である。
図3図3は、定期的に外部メモリーにデーター転送する方法を示すフローチャートである。
図4図4は、試験完了後に外部メモリーにデーター転送する方法を示すフローチャートである。
図5図5は、常時外部メモリーにデーター転送する方法を示すフローチャートである。
図6図6は、従来の試験装置を示す概略図である。
図7図7は、従来の試験装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
【0051】
図1は、本発明の試験装置を、試験の一例として、疲労試験を行う疲労試験装置に適用した実施例を示す概略図、図2は、図1の試験装置本体の使用状態を説明する正面図、図3は、定期的に外部メモリーにデーター転送する方法を示すフローチャート、図4は、試験完了後に外部メモリーにデーター転送する方法を示すフローチャート、図5は、常時外部メモリーにデーター転送する方法を示すフローチャートである。
【0052】
図1において、符号10は、全体で本発明の試験装置を示している。
【0053】
図1図2に示したように、本発明の試験装置10は、試験を行うための試験装置本体12を備えている。この試験装置本体12は、この実施例では、試験の一例として、疲労試験を行う疲労試験装置から構成されている。
【0054】
なお、前述したように、本発明の試験装置10は、試験装置として、例えば、金属材料、樹脂材料、複合材料などの材料について、また、自動車部品(駆動系や足回りの金属部品やゴム部品、ショックアブソーバなど)などの機械部品について、これらの自動車完成品などの完成品について、さらに、土木関係(橋桁、橋梁や建物用の免震ゴムなど)の構造物について、材料試験、振動試験、疲労試験、特性試験などを行うための材料試験装置、振動試験装置、疲労試験装置など各種の試験装置に適用することが可能である。
【0055】
図1に示したように、試験装置本体12は、架台フレーム14を備えており、この架台フレーム14の下方にシリンダーからなるアクチュエーター16を備えている。このアクチュエーター16には、テストピースAを載置するためのピストン18と、変位を検出するための変位検出器20とを備えている。
【0056】
また、架台フレーム14の上方には、上方フレーム28が立設されており、この上方フレーム28には、上方フレーム28と架台フレーム14との間に、ガイドロッド22が設けられている。
【0057】
そして、ガイドロッド22の下方と上方フレーム28との間には、ボールネジ24が設けられており、ボールネジ24により、ピストン18に対して、上下動可能なクロスヘッド26が設けられている。また、このクロスヘッド26には、ピストン18と対峙するように、荷重検出器30が設けられている。
【0058】
また、図1に示したように、本発明の試験装置10は、試験装置本体12に接続され、試験装置本体12に対して、試験条件などの設定、実施、試験データーの収集などを行うための試験制御装置として機能する制御装置32を備えている。
【0059】
この実施例では、制御装置32は、試験条件などの設定画面、試験データーなどの表示を行うためのCRT34と、制御装置本体36と、キーボード38と、マウス40を備えている。従って、この制御装置32には、例えば、ハードディスクから構成される内部メモリーが内蔵されている。なお、制御装置本体36に、操作用のパソコンが接続されている場合がある。
【0060】
そして、試験装置本体12のアクチュエーター16の変位検出器20と、制御装置本体36が接続されるとともに、試験装置本体12の荷重検出器30と、制御装置本体36が接続されている。
【0061】
また、図1に示したように、この実施例の試験装置10では、制御装置32の制御装置本体36に、例えば、USBメモリーなどの外部メモリー42が接続可能に構成されている。
【0062】
一方、本発明の試験装置10では、制御装置32の制御装置本体36に接続されるとともに、試験装置本体12のアクチュエーター16に接続されたアクチュエーター駆動源44が設けられている。
【0063】
このように構成される本発明の試験装置10では、以下のように試験が行われる。
【0064】
すなわち、図2に示したように、ピストン18の上面にテストピースAを載置して、図示しない駆動機構によって、ボールネジ24により、ピストン18に対してクロスヘッド26を下降して、ピストン18の上面とクロスヘッド26の下面との間にテストピースAを挟持する。
【0065】
そして、制御装置32に予め記憶されたプログラムに基づいて、試験条件などの設定、実施、試験データーの収集が行われるようになっている。
【0066】
すなわち、図1に示したように、制御装置32の制御によって、制御装置32に接続されたアクチュエーター駆動源44を所定の条件で駆動させる。これにより、アクチュエーター駆動源44に接続されたアクチュエーター16が所定の条件で駆動して、テストピースAに対して一定の振動を与えるようになっている。
【0067】
そして、アクチュエーター16に設けられた変位検出器20によって、テストピースAの変位が検出され、テストピースAの変位データーが、制御装置32の制御装置本体36に入力されるようになっている。一方、クロスヘッド26に設けられた荷重検出器30によって、テストピースAにかかる荷重が検出され、テストピースAにかかる荷重データーが、制御装置32の制御装置本体36に入力されるようになっている。
【0068】
また、これらの試験データーに基づいて、制御装置32の制御装置本体36のプログラムに基づいて、制御装置32からアクチュエーター駆動源44に、フィードバック指令信号が出力され、アクチュエーター駆動源44を所定の条件で駆動させるようになっている。
【0069】
ところで、本発明の試験装置10では、このように収集された試験データーが、制御装置32内に設けられた、例えば、ハードディスクから構成される内部メモリーに保存(記憶)されるようになっている。
【0070】
また、この内部メモリーに保存された試験データーは、制御装置32の制御装置本体36に接続された、例えば、USBメモリーなどの外部メモリー42に、定期的にデーター転送されて、自動的に保存されるようになっている。
【0071】
このように構成することによって、制御装置32で収集された試験装置本体12の試験データーは、試験中に制御装置32の内部メモリーに保存される。そして、内部メモリーに蓄積された試験データーが、定期的に外部メモリー42にデーター転送される。
【0072】
従って、制御装置32が故障した際にも、制御装置32が故障する前に内部メモリーに蓄積された試験データーは、外部メモリー42にデーター転送済みであり、試験データーのデーター消失を防止することが可能である。
【0073】
また、制御装置32で収集された試験装置本体12の試験データーは、試験中に内部メモリーに保存されるので、外部メモリー42の取り外しによる試験の中断を防止することができる。
【0074】
さらに、内部メモリーに蓄積された試験データーが、定期的に外部メモリー42に自動的にデーター転送されるので、従来のように、試験データーを定期的に試験装置10の外部の外部メモリーにバックアップする必要がなく、外部解析用パソコンで試験データーを解析する場合にも操作が簡単で迅速に行える。
【0075】
また、制御装置32で収集された試験装置本体12の試験データーは、試験中に内部メモリーに保存され、しかも、内部メモリーに蓄積された試験データーが、定期的に外部メモリー42に自動的にデーター転送されるので、外部メモリー42の動作速度不足などによる試験への影響も少ない。
【0076】
このように内部メモリーに蓄積された試験データーを、定期的に外部メモリー42に自動的にデーター転送する方法としては、具体的には、下記のようにして行われる。
(1)定期的に外部メモリーにデーター転送する方法
(1−1)定期的に外部メモリーにデーター転送する方法
【0077】
図3のフローチャートに示したように、先ず、ステップS1にて試験が開始され、ステップS2において、前回の試験データーを外部メモリー42に保存(コピー)した後、一定期間が経過した否かが判断される。
【0078】
そして、ステップS2において、前回の試験データーを外部メモリー42にコピーした後に、一定期間が経過している場合には、ステップS4に進み、ステップS4において、制御装置32に外部メモリー42が装着されているか否かが判断される。ステップS4において、制御装置32に外部メモリー42が装着されている場合には、ステップS5に進み、ステップS5において、制御装置32の内部メモリーに保存された現時点までの試験データーが、外部メモリー42に保存(コピー)されるようになっている。
【0079】
そして、ステップS5において、制御装置32の内部メモリーに保存された現時点までの試験データーが、外部メモリー42に保存された後、ステップS6に進み、ステップS6において、試験が終了したか否か判断され、試験が終了している場合には、ステップS7において、試験終了処理が実行されるようになっている。
【0080】
一方、ステップS6において、試験が終了したか否か判断され、試験が終了していない場合には、再び、ステップS2に戻って、前回の試験データーを外部メモリー42に保存(コピー)した後、一定期間が経過した否かが判断され、上記のステップが繰り返されるようになっている。
【0081】
また、ステップS4において、制御装置32に外部メモリー42が装着されていない場合には、ステップS6に進み、ステップS6において、試験が終了したか否か判断されるようになっている。
【0082】
さらに、ステップS2において、前回の試験データーを外部メモリー42にコピーした後に、一定期間が経過していない場合には、ステップS3に進み、ステップS3において、前回の試験データーを外部メモリー42に保存した後、内部メモリーに蓄積された試験データーについて、一定量の試験データーが内部メモリーに蓄積されたか否かが判断される。
【0083】
そして、ステップS3において、一定量の試験データーが内部メモリーに蓄積されたと判断された場合には、ステップS4に進み、ステップS4において、制御装置32に外部メモリー42が装着されているか否かが判断され、上記と同じステップが繰り返し行われるようになっている。
【0084】
一方、ステップS3において、前回の試験データーを外部メモリー42に保存した後、内部メモリーに蓄積された試験データーについて、一定量の試験データーが内部メモリーに蓄積されていないと判断された場合には、ステップS6に進み、ステップS6において、試験が終了したか否か判断されるようになっている。
【0085】
このように構成することによって、ステップS2において、前回の試験データーを外部メモリー42にコピーした後に、一定期間が経過しているか否かが判断され、一定期間が経過している場合に、内部メモリーに蓄積された試験データーが、一定時間経過後に外部メモリー42にデーター転送されるようになっている。
【0086】
従って、制御装置32が故障した際にも、制御装置32が故障する前に内部メモリーに蓄積された試験データーは、外部メモリー42にデーター転送済みであり、試験データーのデーター消失を防止することが可能で、外部メモリー42の動作速度不足などによる試験への影響も少ない。
【0087】
また、ステップS3において、一定量の試験データーが内部メモリーに蓄積されたと判断され、一定量の試験データーが内部メモリーに蓄積されたと判断された場合に、内部メモリーに蓄積された試験データーが、一定量の試験データーが内部メモリーに蓄積された後に外部メモリー42にデーター転送されるようになっている。
【0088】
従って、制御装置32が故障した際にも、制御装置32が故障する前に内部メモリーに蓄積された試験データーは、外部メモリー42にデーター転送済みであり、試験データーのデーター消失を防止することが可能で、外部メモリー42の動作速度不足などによる試験への影響も少ない。
【0089】
なお、この実施例の場合、ステップS2において、前回の試験データーを外部メモリー42にコピーした後に、一定期間が経過しているか否かが判断するとともに、ステップS3において、一定量の試験データーが内部メモリーに蓄積されたと判断するように構成したが、ステップS2、ステップS3の判断の順番は逆でもよく、また、ステップS2、ステップS3のいずかの判断のみを行うようにすることも可能である。
【0090】
さらに、図3に示したように、ステップS4において、制御装置32に外部メモリー42が装着されていないと判断された場合には、ステップS8に示したように、ユーザーに制御装置32に外部メモリー42を装着するように、例えば、音声や表示ランプ、またはその両方により警告を表示するようにしても良い。
(1−2)試験完了後に外部メモリーにデーター転送する方法
【0091】
試験データーが、制御装置32内に設けられた、例えば、ハードディスクから構成される内部メモリーに保存される。そして、図4のフローチャートに示したように、先ず、ステップS9において、試験終了処理が実行される。
【0092】
ステップS9において、試験終了処理が実行された後、ステップS10に進み、ステップS10において、制御装置32に外部メモリー42が装着されているか否かが判断される。
【0093】
ステップS10において、制御装置32に外部メモリー42が装着されている場合には、ステップS11に進み、ステップS11において、制御装置32の内部メモリーに保存された現時点までの試験データーが、外部メモリー42に保存(コピー)されるようになっている。その後、ステップS14において、試験終了処理が実行されるようになっている。
【0094】
一方、ステップS10において、制御装置32に外部メモリー42が装着されていないと判断された場合には、ステップS12に示したように、ユーザーに制御装置32に外部メモリー42を装着するように、例えば、音声や表示ランプ、またはその両方により警告を表示するようになっている。
【0095】
その後、ステップS13に進み、ステップS13において、ユーザーがコピーをキャンセルしたか否かが判断されるようになっている。そして、ステップS13において、ユーザーがコピーをキャンセルした場合には、ステップS14に進み、試験終了処理が実行されるようになっている。
【0096】
一方、ステップS13において、ユーザーがコピーをキャンセルしなかった場合には、再び、ステップS10に進み、上記のステップが繰り返されるようになっている。
【0097】
このように構成することによって、内部メモリーに蓄積された試験データーが、試験完了後に外部メモリー42にデーター転送されるので、データー転送は装置が停止しているタイミングで行うことになり、処理に想定外の時間がかかっても試験に影響が発生することがない。
【0098】
以上の実施例では、内部メモリーに蓄積された試験データーを、定期的に外部メモリー42に自動的にデーター転送する方法について説明したが、以下のように、内部メモリーに蓄積された試験データーが、常時外部メモリーにデーター転送されるように構成しても良い。
(2)常時外部メモリーにデーター転送する方法
【0099】
図5のフローチャートに示したように、先ず、ステップS15にて試験が開始され、試験データーが、制御装置32内に設けられた、例えば、ハードディスクから構成される内部メモリーに保存される。
【0100】
そして、ステップS16に進み、ステップS16において、制御装置32に外部メモリー42が装着されているか否かが判断される。
【0101】
ステップS16において、制御装置32に外部メモリー42が装着されている場合には、ステップS17に進み、ステップS17において、制御装置32の内部メモリーに保存された現時点までの試験データーが、外部メモリー42に保存(コピー)されるようになっている。
【0102】
その後、ステップS18において、試験が終了したか否かが判断され、ステップS18において、試験が終了したと判断された場合には、ステップS19において、終了試験終了処理が実行されるようになっている。
【0103】
一方、ステップS16において、制御装置32に外部メモリー42が装着されていないと判断された場合には、ステップS20に示したように、ユーザーに制御装置32に外部メモリー42を装着するように、例えば、音声や表示ランプ、またはその両方により警告を表示するようになっている。
【0104】
またステップS18において、試験が終了していないと判断された場合には、再び、ステップS16に進み、ステップS16において、制御装置32に外部メモリー42が装着されているか否かが判断され、上記と同じステップが繰り返し行われるようになっている。
【0105】
このように構成することによって、制御装置32で収集された試験装置本体12の試験データーは、試験中に内部メモリーに保存される。そして、内部メモリーに蓄積された試験データーが、常時外部メモリー42にデーター転送される。
【0106】
従って、制御装置32が故障した際にも、制御装置32が故障する前に内部メモリーに蓄積された試験データーは、外部メモリー42にデーター転送済みであり、試験データーのデーター消失を防止することが可能である。
【0107】
また、制御装置32で収集された試験装置本体の試験データーは、試験中に内部メモリーに保存されるので、外部メモリー42の取り外しによる試験の中断を防止することができる。
【0108】
さらに、内部メモリーに蓄積された試験データーが、常時外部メモリー42に自動的にデーター転送されるので、従来のように、試験データーを定期的に試験装置の外部の外部メモリーにバックアップする必要がなく、外部解析用パソコンで試験データーを解析する場合にも操作が簡単で迅速に行える。
【0109】
また、制御装置32で収集された試験装置本体12の試験データーは、試験中に内部メモリーに保存され、しかも、内部メモリーに蓄積された試験データーが、常時外部メモリー42に自動的にデーター転送されるので、外部メモリー42の動作速度不足などによる試験への影響も少ない。
【0110】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、外部メモリー42として、制御装置32の制御装置本体36に接続可能な、例えば、USBメモリーなどの外部メモリー42とした。しかしながら、外部メモリーが、試験装置10にLANケーブルを介して接続可能な、例えば、ハードディスク、パソコンなどの外部メモリーであってもよい。
【0111】
このように外部メモリーが、試験装置にLANケーブルを介して接続可能な外部メモリーであれば、LANケーブルを接続するだけで、内部メモリーに蓄積された試験データーが、外部メモリーに自動的にデーター転送されるので、接続操作が簡単であり、試験データーのデーター消失を防止することが可能で、外部メモリーの動作速度不足などによる試験への影響も少ない。
【0112】
また、この実施例では、制御装置32と内部メモリーとが一つの試験制御装置内に備えられており、試験装置本体12と試験制御装置である制御装置32とが接続されている。これにより、試験装置本体12の種類を変更し、これを試験制御装置(制御装置32)と接続することによって、様々な試験を実施でき便利である。
【0113】
しかしながら、図1の一点鎖線で示した枠で囲んだように、試験装置本体12と、制御装置32と、内部メモリーとが、一体で試験装置10に備えられていてもよい。
【0114】
このように構成することによって、試験装置本体12と、制御装置32と、内部メモリーとが、一体となった試験装置10であるので、配線などを行う必要がなく便利である。
【0115】
さらに、本発明において、試験装置10は、試験装置本体12と、制御装置32と、内部メモリーと、アクチュエーター駆動源44を含めて試験装置10とすることも可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、例えば、金属材料、樹脂材料、複合材料などの材料について、また、自動車部品などの機械部品について、また、これらの完成品について行われる、疲労試験、耐久試験、特性試験などの各種の試験のための試験装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0117】
10 試験装置
12 試験装置本体
14 架台フレーム
16 アクチュエーター
18 ピストン
20 変位検出器
22 ガイドロッド
24 ボールネジ
26 クロスヘッド
28 上方フレーム
30 荷重検出器
32 制御装置
34 CRT
36 制御装置本体
38 キーボード
40 マウス
42 外部メモリー
44 アクチュエーター駆動源
100 試験装置
102 試験装置本体
104 制御装置
106 外部メモリー
108 外部解析用パソコン
200 試験装置
202 試験装置本体
204 制御装置
206 内部メモリー
208 外部メモリー
210 外部解析用パソコン
A テストピース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7